くらし情報『壮大な大人のファンタジー。『祈りと怪物』KERAバージョンが開幕』

2012年12月10日 15:01

壮大な大人のファンタジー。『祈りと怪物』KERAバージョンが開幕

町の動物園で働く飼育員トビーアス(小出恵介)は、祖母ドンドンダーラ(木野花/二役)とふたりで暮らしている。祖母を思うトビーアスは、貧しい生活の足しにするため、幼なじみのパブロ(近藤公園)と毎夜、盗みを働く。パブロは宗教者の卵として司祭グンナル(西岡徳馬)のもと、教会で働いている。そんな町にあるとき、錬金術師ダンダブール(山西惇)とその助手・パキオテ(大倉孝二)や、密航者(丸山智己)らがやってくる。それぞれに複雑な事情を抱えた人々が絡み合い、やがて町を揺さぶる大事件に発展する……。

冒頭、パスカルズの奏でる哀愁を帯びた弦の響きが、またたく間に観客を寓話的な世界に誘う。古い西洋の町並みを彷彿とさせる舞台セット。独特なマークを掲げそびえ建つ教会、権力者の彫像、町の広場、墓。
理不尽な権力が横行し、教会は堕落し、差別と反発分子がひそむ。その中で生きる人々の、それぞれの想い、愛、友情、嫉妬、憎しみ、様々な感情が渦巻き、それがいつしか大きな物語のうねりとなっていく。

物語は、エイモス家をとりまく一大群像劇であり、寓話的でありながらそれぞれのドラマは緻密さとリアリティをもって心に迫り、観客は気がつけば、登場人物の誰かに自分を投影している。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.