走ったり、飛んだり、そして入念な発声練習……その様子はさながら「部活」。地球ゴージャスの醍醐味は、歌、ダンス、アクロバット……公演ごとに様々な要素が加わった「エンターテインメント」であるということ。キャストに求められるものは、その分高くなるというわけだ。
入念に時間をかけてアップを行った後、岸谷が厳しい演出家の顔を見せる……と思いきや、キャストのひとりがまだ靴を履いている途中。「菜央が靴はいてまーす」の言葉にまた笑いが起こる。
この日はまず、1幕を冒頭から通してゆく。今回の公演は「虫」の世界を描いたもので、場面は虫達の「特別な夜」から始まる。平間壮一と大原櫻子の初々しい出会いのシーン、そこに現れる、城田優演じる“伝説の男”。
個性的なキャラクターと早いストーリー展開に引きこまれ、群舞の迫力に圧倒される。ある程度進んだ所で切り、細かく演出をつけていく岸谷。特に今回初舞台となる大原には、何度も丁寧に説明していた様子が印象的だった。
さまざまな「謎」を秘めた今回の公演、はたして「虫」たちの運命は……?その答えはぜひ本番で確かめて欲しい。初日まで1か月、ますます熱気を帯びていくであろうこのカンパニーの姿を、ぜひ楽しみにしていよう。