4月に上演される『夢の劇-ドリーム・プレイ-』の制作発表が行われ、早見あかり、田中圭、江口のりこ、玉置玲央、那須佐代子、森山開次、山崎一、長塚圭史、白井晃が登壇した。
舞台『夢の劇-ドリーム・プレイ-』チケット情報
本作は、19世紀後半から20世紀初期に活躍したスウェーデンの作家ヨハン・アウグスト・ストリンドベリの後期の作品。イプセンやアントン・チェーホフなどと共に「近代演劇の父」と呼ばれ、芥川龍之介をはじめとする同時代を生きた日本の作家たちにも強い影響を与えた人物だ。
バラモン教の神インドラの娘アグネスが地表に降り立ち、人間たちと共に過ごす中で知る、人間界の不条理を描いた本作。夜にみる夢の世界を戯曲化したとされ、唐突に場所が変わったり、登場人物が入れ替わったりと、現実にはあり得ない転換が組み込まれている。日本での上演機会も極めて少ない作品だ。
白井は、本作を選んだ理由を「私は100年前のこの作品に今どこかシンクロするものを感じておりまして。登場人物たちの心象や不安感というものがなにか(現代の)大きな産業や経済、社会の変化というものと同機しているような感じを抱いています。
描かれている人物は決して幸福な人物ばかりではないのですが、その中で夢が覚めたときに一縷の光を見る、そんな希望のある作品として読めました」