川瀬賢太郎撮影:石阪大輔
11月に日生劇場で上演されるモーツァルト作曲『後宮からの逃走』(ドイツ語歌唱・日本語台詞)を振る川瀬賢太郎。1984年生まれの若い世代に属する指揮者である川瀬は、早い時期から実力派のスター指揮者として人気を集めてきた。能舞台を使った日本のオペラを指揮した経験はあるが、ピットに入る本格的なオペラは本作が初挑戦となる。「まだ歌手たちとの関係が初々しい(本人談)」稽古の2日目に、インタビューを行った。
オペラ『後宮からの逃走』全3幕 チケット情報
「『後宮からの逃走』はモーツァルトが26歳のときに作曲したオペラで、歌手のパートにはすごく難解なものが求められます。器楽的で繰り返しも多く、ひとつのアリアがとても長い。そこにどういう価値を見出していくかがこれからの作業です。音楽家としてモーツァルトというのは避けて通れない作曲家ですし、このオペラを経てシンフォニーやコンチェルトの理解も深まっていくと思いますね。
経験があって豊富なアイデアを出してくる歌手たちと、作品に対してほぼ白紙の歌手がいて、後者に関しては僕がしっかりリードしていくつもりです」
10年以上前に、日生オペラで『後宮…』が上演されたときも、この作品を見ていたという。