「振付のような決められた動きをするのではなく、ストレッチしながらだんだん身体が乗ってきて感情で動いていくんです。僕は身体が固いのでまだまだ自由に動けないんですけど(笑)、これができるようになったら相当楽しいんだろうなと。稽古が始まったら、表現力のある共演者の方たちからもたくさん学びたいと思っています。自分のどういう部分をどう出しているのか、そのスイッチみたいなものをそばで見てみたいですね」。
作品は、芥川龍之介が書いた短編小説「藪の中」「羅生門」の2作を中心としながら、羅生門にまつわる伝説や芥川の人生を絡ませた、“芥川ワールド”を描くことになる。「『ライ王のテラス』で演じた三島由紀夫の世界もそうでしたけど、芥川龍之介の世界もきっと、人間の本質的なもの、根源的なものを描くことになるんだと思います。それが、インバルさん、アブシャロムさんの世界観とどう融合するのか。絶対に観たことのない楽しいものになると確信しています」。
そしてこうも付け加える。「僕自身についても、観たことのない吉沢亮しか舞台上にはいないはずなので(笑)、楽しみにしていただければ」。まさしく何もかもが初挑戦。役者にとってそんな機会、めったにあるものではない。