くらし情報『“同郷同年”の呪いに縛られた中年男子の悲哀が現代社会をあぶりだす』

2017年9月12日 17:50

“同郷同年”の呪いに縛られた中年男子の悲哀が現代社会をあぶりだす

舞台「同郷同年」稽古場より撮影:松谷祐増

舞台「同郷同年」稽古場より撮影:松谷祐増


「日本の劇」戯曲賞の最優秀賞を受賞した、くるみざわしん作「同郷同年」が、宮田慶子を演出に迎えて、9月13日(水)より上演される。初日を数日後に控えた某日、稽古場での最後の通し稽古の現場に足を運んだ。

舞台「同郷同年」チケット情報

2010年より始まった同賞は第一線で活躍する演出家が選考委員を務め、最優秀賞に輝いた作品は必ず上演される。本作は、核燃料の最終処分場の誘致に揺れる村の同級生の3人の男たちの姿を描く三人芝居。

福島における原発事故後の今、核燃料の最終処分場建設に揺れる地方の村を舞台に展開すると聞くと、政治色やテーマ性の濃い物語を想像してしまうが、繰り広げられるのは、あくまでも同じ村で育った同い年の中年男たちの友情…いや、しがらみと怨念の物語である。

“女子”のマウンティングや友情を題材にしたドラマや漫画は近年多いが、これが“男子”、しかもお先真っ暗で、さりとて退くことも留まることも許されない、家族を抱えた中年男たちの話となると、一気に悲哀の量が増す!いやと言うほど互いを知り尽くした男たちの方言まじりの会話は自然で流れるようなのに、ズシリとイヤな重みを持つ。

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