KERAが4人の俳優と紡ぎ出す2組の夫婦の3つの物語
KERA 撮影:川野結李歌
2006年に上演された『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』の面々が再集結。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)演出、大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則の出演で、今回はヤスミナ・レザの『LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~』を上演する。そこで上演台本も兼ねるKERAに、本作に臨む思いを聞いた。
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レザの代表作『ART』以来、彼女の描く“シニカルなコメディ”のファンだと語るKERA。中でもその決定版と位置づけるのが、日本でも2011年に上演された『大人は、かく戦えり』だ。一方、この『LIFE LIFE LIFE~』はと言うと…。「『大人~』は後半に向けて笑いも緊張感もすべてが高まっていく、非常によくまとまった芝居だと思うんです。でもこれはすごく実験的な作品で、1幕に関してはある爆発力を持ったシットコムとして見られるんですが、それが2幕、3幕と進むうちに、どんどん奇妙なトーンになっていく。
普通は徐々にいろんなことが分かっていくわけですが、これはその逆ですから。ひと筋縄ではいかない構造だなと」
自宅で子供の寝かしつけに手を焼いている、天体物理学者のアンリ(稲垣)