堤真一と橋本良亮が熱演 『良い子はみんなご褒美がもらえる』稽古場レポート
堤は、演出のタケットと積極的に言葉を交わして、作品や役についての理解を深めつつ、時に冗談を言って稽古場の雰囲気を和らげていた。一方の橋本は、いい意味でつかみどころがない雰囲気。じっと話を聞いている場面もあれば、体を大きく動かす場面もあるのだが、いずれにせよタケットからの提案をすぐに実践できる表現力があった。堤と橋本の芝居が最終的にどんな風に組み合わさるのか、楽しみだ。
本作の特徴のひとつでもあるのが、35人のオーケストラの存在。この日の稽古ではピアノ伴奏のみで進行したが、ステージの奥にはオーケストラの席が丸見えで、本番は生演奏で披露されるという。この日の稽古でも、演出のタケットは、指揮のヤニック・パジェとコミュニケーションをよくとっていた。役者の芝居と、オーケストラが合わさった時、この作品の魅力は何倍にも増幅される予感がした。
三谷幸喜『子供の事情』などで個性豊かなキャラクターを演じて注目される小手伸也が医師を演じるほか、今回が日本での初舞台となるシム・ウンギョンが堤の息子・サーシャを、斉藤由貴がサーシャの教師を、そして外山誠二がこの舞台の最後の登場人物となる大佐役を演じる。東京公演は5月7日(火)