圓朝&志ん生落語を豊原功補が舞台化、『後家安とその妹』上演中
『後家安とその妹』 撮影:山崎伸康
豊原功補が、落語を原案に企画・脚本・演出を手がける『後家安とその妹』が、5月25日に東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。
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本作は2017年に上演された『名人長二』に続く、落語と演劇を融合させた“芝居噺”シリーズの第2弾。今回は三遊亭圓朝の「鶴殺疾刃庖刀(つるごろしねたばのほうちょう)」と、古今亭志ん生「後家安とその妹」を下敷きに、御家人崩れで放蕩の限りを尽くすならず者の兄・後家安(毎熊克哉)と、大名に見初められ側室となる妹・お藤(芋生悠)のふたりに翻弄される人々の運命が描かれる。
“芝居噺”にふさわしく、舞台は前座の一席からスタート。後家安の昔なじみ・福蔵役の森岡龍が昨今の芸能ニュースを題材にした創作落語を披露し、客席を沸かせたのも束の間、次の高座には豊原の姿が。改元されたばかりの令和から年号を遡る“まくら”とともに志ん生の原案冒頭を演じてみせ、弘化・嘉永年間(1844~1850年)の上方に設定された作品世界へ観客をいざなう。
憂いを帯びた目元でにらみを利かせる毎熊、艶っぽい流し目で背後を見返る芋生のふたりが映し出された公演フライヤーのように、御家人の身分を追われた恨みを抱いて成長した兄妹は劇中でも危険な色香を振りまきながら悪行を重ねる。