知恵と教養で逆境をのし上がれ!『夢の雫、黄金の鳥籠』
人は誰でも年を取ります。老いるということは、美しさを失うということです。過剰に美しさにこだわるのは、失われていくものに追いすがり、勝てない戦を挑むようなものです。
だって、どんなに若作りしたって、本当に若い人には勝てないんだから。
だけど、手に入れたら一生失わないものがあります。それが知識です。でも知識を得ただけでは意味がありません。それをどう使うかが問題です。
ヒュッレムはイブラヒムさまから与えられたチャンスを、自分の努力で活用していきます。少女漫画では時折、なんの努力もしないでなんとなく偉そうなこと言って偶然それが大当たりしてうまく行く浅はかなストーリーがあったりしますが、そういう話に騙されないようにしましょう。
スレイマンさまは「わたしはオスマンの血族ゆえ皇帝などやっているがイブラヒムは違う、自分ひとりの才覚でその地位を手に入れた」と言っています。
ヒュッレムもイブラヒムも、たいそうな逆境からのし上がっています。この話、けっこうなお説教ストーリーだと思うんですよ。つまり、親が貧乏でも学歴がなくても、スタートがマイナスでも、知恵と教養を身につければのし上がれるんです。それは現代でも同じでしょう。