知恵と教養で逆境をのし上がれ!『夢の雫、黄金の鳥籠』
ヒュッレムは、自分が望んだわけではないけれど、ハーレムに入ることになりました。「そんなのいやだ」と言って拗ねるのは簡単です。でも、それでは天変地異並みのラッキーがなければ幸せにはなりません。
いつかくるチャンスをものにするために、とにかく知識を頭に詰め込んで、自分の頭で考える。ヒュッレムがハーレムでのし上がっていくのは、容貌が美しいからでも、スレイマンに愛されたからでもなく、知恵と知識をフル活用しているからです。少女漫画特有の「甘さ」が控えめなところも好感が持てます。
スレイマンはオスマン帝国の最盛期を作り上げたスルタンなので、お仕事がいっぱいで女とイチャイチャする時間はあまりありません。長期の遠征も当たり前。
その間、ストーリーは「戦場でのイブラヒムの戦略」と「ハーレムでのヒュッレムの攻防」が交互に描かれていきます。
少女漫画には珍しく、イブラヒムの魅力を描くために1巻ほぼ戦闘、みたいなこともあります。『ロードス島戦記』あたりの塩野七生先生の話を読むのが辛い人は、この作品でよいかもしれません。
また、「ヒュッレムはこれからどうなるの?イブラヒムと添えるの?それともスレイマンさま?」