ありがちなパターンを裏切る新感覚の遊郭漫画『花街鬼』
どうしてそういう力があるのかはわかっていません。それは謎っぽくもなってなくて、ただ、当たり前のように不思議な力を使います。
先の読めない“変態男子くん”たちの言動が新感覚
芭蕉は別にすごくいい人ってわけでもなく、でも情がないってほどでもなく、ものすごくチャラチャラユラユラしてます。途中から遊女の瑠璃をかわいがって側に置くんですが、普通に初見世には出すし、少女漫画にありがちなえこひいきをしません。
見世の遊女に手を出してうまいことやったりするんですが、「その人のことを愛していたか」と聞かれると、「楼主が女郎なんかにほれるかよ」とびしゃり。少女漫画的にはギリギリラインですね。
彼は、『るろうに剣心』の緋村剣心みたいなざんばら髪でイケメンなんだけど、「この人の側にいたら幸せそう♪」みたいな妄想が膨らむでもないので、読んでいてなにをどう思えばいいのか妙な感じです。
この『花街鬼』だけではなく、作者の桜田雛さんの作品はどれもこれも「よくある設定」なのに、先が予想できなくて「えっ?」ってなります。
新感覚だなーと思います。
登場する男子キャラも、「すげえイケメン!」という王道キャラはいません。