ゲイの男性と結婚した中村うさぎ(実質シングル女)と、マツコ(ゲイ)は互いに、「ホモとシングル女って似ている」と、自分たちの境遇を重ね合わせながら話を進めていきます。
どういったところが似ているのかというと、まずはどちらも世間から理解されづらい存在であること。徐々に多様性が認められるような社会になってきているとはいえ、ホモもシングル女もまだまだ王道の生き方をしている人たちに比べれば、数が足りない。しかし、楽天的に考えていいのであれば、このあたりは時間がそのうち解決する話でしょうから、たいした問題じゃありません。
それよりも大変そうだなあと思ったのは、ゲイもシングル女も、子供を持つことが難しいので、自分のためだけに生きなくてはいけないということです。厳密にいうと、男性同士・女性同士のカップルであっても養子などの制度を使って子供を持つことはできるし、子供を立派に育てているおひとりさまの女性もいます。だけどそういった機会についに恵まれず、配偶者や子供といった「自分以上に大切なだれか」に巡り会えなかった人生というのは、いったいどう生きていくのがいいのでしょう。若いときは自分のためだけに人生を謳歌することはそれほど難しくはありません。