くらし情報『ゆるくつながる「第三の居場所」を確保しよう東京大学教授・玄田有史さんインタビュー(前編)』

ゆるくつながる「第三の居場所」を確保しよう東京大学教授・玄田有史さんインタビュー(前編)

と答えた。イギリス人は30%、中国人も25%が「多い」と答えたのに、日本人は8%と圧倒的に低い。「少ない」と答えた人がダントツで多いんですよ。

――つまり、日本人は「自分は人より友達が少ない」とみんなが思ってると。

玄田:そう。今は、友達が少ないことのほうが、実は“普通”なんです。これを私は“孤立の一般化”と呼んでいます。むかしは“SNEP(孤立無業者)”には、30~40代の大学を出ていない男性が多いという傾向があったのだけれど、今は20代の若者でも、大卒でも、女性でも、孤立無業になる。
誰もがおひとりさまになりやすい時代なんです。

――なるほど。しかし、SNSの普及などで、人とのつながり自体はむしろ増えているような気がするのですが?

玄田:2013年のNHKの朝の連続テレビ小説『あまちゃん』で、東京に憧れるユイちゃんが、高校生のとき「学校どう?」と聞かれて「仲の良い子はいるけど、友達はいない」って言うシーンがありました。
これって、今の時代をすごく象徴していると思うんです。仲は悪くないけど、友達かって言われるとどうだろう……みたいな関係性の人って多いんじゃないですか。

――ということは、“孤立の一般化”は、実際に人付き合いの数が減っているわけではなく、個人の感覚的なものということですか?

玄田:それはわかりません。

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