家探しとは自分の人生を見つめ直す作業である『プリンセスメゾン』作者・池辺葵さん(後編)
20代後半、年収250万ちょっと、恋人なしのおひとりさま女性・沼越さんが、“運命の物件”を求めてモデルルームを巡り歩く日々を描いた漫画『プリンセスメゾン』。
『モチイエ女子web』との連動企画として『やわらかスピリッツ』に連載され、女性読者を中心にあたたかい共感とささやかな勇気を与えている本作の作者・池辺葵さんに、女性の人生と住みかの関係について前後編でお話を伺いました。 今回は後編です。
■前編「おひとりさまが家を買ったっていいじゃない!」はこちら
家を買うという決断には
損得ではないその人だけの理由が必要
『プリンセスメゾン(1)』(池辺葵/小学館 ビッグコミックス)
――『プリンセスメゾン』で“運命の物件”を探す沼越さんは、20代後半で年収250万ちょっと。住んでいるのも古いアパートの1階と、かなり地に足の着いた設定ですね。
池辺葵さん(以下、池辺)最初から、マンションが買えるぎりぎりの年収の人の話にしたいと思ってました。『モチイエ女子web』の人にもかなり取材や試算をしてもらったら、“年収250万”という表現でもダメで、“年収250万ちょっと”が本当にぎりぎりの最低ラインらしいです。