私だけが知っている。それだけで気持ちが高揚する「ひとり映画」という小旅行
言い換えれば、ただの現実逃避なんだけれど。
それも、やっぱりひとりで、「絶対この日!」とわざわざ予定を立ててから観る。できたら映画館がいい。それも人が少ないところ。前の席との間隔が広くて、イスはフカフカだったら凄くいい。それで、温かいカプチーノをすすりながら観れたら満点かなあ。
DVDを借りて、家で観るのもいい。まったり観ることができるから。
でも、映画館の大画面を目の前にして映画だけを観るという贅沢感、没入感は格別だと思う。家で映画を見ていると、再生途中で止めてトイレに行ったり、誰かと連絡を取り合ったりすることもできるから。どうしても集中力に欠けてしまうんだよね。
ひとりで見て、誰にも分らないようにすーっと涙を流して、エンドロールまできちんと見てから帰る。誰とも感想を言い合わず、家に帰りながら「あのシーンが良かった」「あのセリフが好きだった」と、足を一歩踏み出す度に思い出し、何か自分だけの秘密を持ったような気持ちになりながら、ぼーっと歩く。貴重な時間を過ごし、小さな世界を独り占めにできたような錯覚に陥れるのも、映画館で観る映画の好きなところだった。
瞬間的な安っぽい感想にうんざりしてしまう
先月、普段あまり連絡を取り合わない友人から連絡が来て、久しぶりに誰かと映画を見に行った。