私だけが知っている。それだけで気持ちが高揚する「ひとり映画」という小旅行
でも、隣に知っている人がいるというだけで、映画に集中することができずになんとなく終わってしまった。
終わった後、居酒屋に行って「あのシーンがどうだった」「この時主人公はこうだったと思う」という話もしたけれど、私が映画を観た後に欲しかったのは、誰かと意見を言い合うということではなかったんだと、この時にやっとわかった。
相手がいないと映画に行かない人は、誰かとご飯を食べたりコーヒーを飲んだりしながら意見を交換して共有するところまでを含めて、「映画を観る」という行為なんだと思う。
でも、私は映画を観た後すぐに感じたこと、考えていたことを上手く言葉にすることができなくて、「面白かったね」「よかったよね」とか、そういうありきたりな安っぽいことしか言えなくて、うんざりしてしまう。
この日もそうだった。つまらないことしか言えなくて、私が友人と映画を観や2時間も、私のおかしな感想で無駄になってしまうような気がした。
誰かと一緒にいること、私にはやっぱり向いていないんじゃないかなあ。
私だけが知っている。
それだけで、少し高揚する。
この前も、会社終わりに一人で『20センチュリー・ウーマン』という作品を観に行った。