何もない私はこのままで大丈夫なの?その答えは、身近にあったりする
彼女は日本のアニメが好きで、私よりもずっと日本のアニメに詳しくて、なんだかとてもいたたまれない気持ちになり、簡単な質問にすら答えられない日本人の自分を少し恥じた。ロシア人の彼女より、ずっとアニメに近いところにいて、その気になれば色々なものを見ることができるのに。言葉も、おそらく感性みたいなものも同じだから、理解もしやすいはずなのに。
オーストラリア人の彼女のように、自分の国籍や人種に疑問を持ったことはないけれど、日本に関する簡単な質問に答えられない私は、ときどき「自分は、本当に日本人として大丈夫なのだろうか?」と自信をなくす。そして、人間関係を1からスタートさせなければならない環境に身を置いたとき、「私は、一体どんな人間なんだろう?」と不安に思うことがある。
私は、きっと日本のことを何も知らない。日本だけではなくて、世界のどんなことも。
何も知らない私は、どこにも所属できないで、何もない空間に宙ぶらりんになっているような、そんな感覚になっていた。
日本人の両親から生まれて、名前を付けられて、ずっと日本で育ち、日本語を話す。だからきっと、日本人なのだろう。でも、日本で生活をしている間は、そんなこと疑問に思ったこともない。