「これを片付けなかったら、何を失う?」片付けがはかどる魔法の言葉【後編】
前回から2回にわたってご紹介しているは心理学的に見た「片付けがはかどる魔法の言葉」。
【前編】では、実験により「失うものを意識すると、人はリスクを取って行動しやすくなる」ということが分かりました。
これはノーベル経済学賞も受賞した心理学者、ダニエル・カーネマンが提唱したプロスペクト理論に基づいています。
その中に、「損失回避性」という言葉があります。
これは、人は「何かを失う」ということに堪え難い苦痛を感じる反面、「得られるもの」に対しては相当な想像力を働かせなければ実感できないということです。
■ 心理学的に見ると、片付けは「そもそも困難な作業」だった。
片付けという作業を思い起こしてください。
いらなくなった食器を捨てたり、着なくなった洋服を捨てたり……。
Flatpit / PIXTA(ピクスタ)
基本的に、「捨てる」「処分する」というのが主な内容です。
つまり、片付けというのは、必然的に「何かを失う」という作業なのです。
「失うもの」に目を向ける以上、保守的になる。
つまり、「捨てないで取っておこう」という選択をしやすいのは、心理学的に見ても当然のことだったのです。