「人工の丘」のある庭でつながる二世帯住宅【住まいの設計】
神奈川県横浜市に二世帯住宅を新築したHさん一家。
長年マンション住まいだったご両親が庭のある暮らしを叶えるため実家のリフォームを計画していたところ、息子家族から同居の申し出を受け、二世帯住宅への建て替えを決めたのでした。
建築家の岸本和彦さんに伝えた要望は、「互いの視線が合わないようにしたい」「音に気を使う上下の住み分けは避けたい」「リビングは庭に近い位置がいい」と、一見相いれないもの。
それらを叶えるべく岸本さんが提案したのが、「人工の丘」のある庭を介するプランです。
そんな二世帯をつないで仕切る「人工の丘」のある庭をご紹介いたしましょう。
■ 丘の頂上とふもとに2世帯の縁側が向かい合う
Hさん宅を道路から見ると左右2棟をブリッジがつなぎ、その下をくぐるように石段のある上り坂が続いています。
「奥はどうなっているんだろう?」と足を進めて振り返ると、目の前にはこんもりとなだらかな芝生の丘!
この丘は基礎工事で出る残土を活用してつくられていて、頂上に子世帯の縁側、ふもとには親世帯の縁側が突き出しています。
床のレベルも外壁の色も異なり、丘を挟んで2軒の家が建っているかのよう。