東京電力は昔ニューヨークの10倍も設備に投資!日本経済の実態
というような傲慢ないい方、見方をした人も少なくなかったわけです。
しかし著者は、「違う」と思っていたのだとか。理由は、私たちにできることは隣人にもできる」はずだから。
経済を支えるのは人ですから、教育制度を変えれば技術力も身につくことになる。事実、サムスンやLGは、あっという間にソニーやパナソニックを追い越しました。
■日本は進化を意識する必要がある
ここで著者は、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を取り上げています。また、ユニクロの柳井正氏の、「成功するのはいい。しかし、その日のうちに忘れてしまえ」という発言も引き合いに出しています。
理由はなにか?つまり、成功体験にとらわれてはいけないということを主張しているわけです。
歴史を振り返れば、1960年代以降のイギリスは「英国病」と揶揄され、世界から見捨てられていました。そこにサッチャーが登場し、大きな改革を進めたわけです。
現在、世界最大の金融センターはロンドンで、製造業の世界トップ100に入っている企業の数は、日本よりイギリスの方が多いのだそうです。つまり、経済は変わるということ。だからこそ、経験を鼻にかけて同じところにとどまっていたら、国の力は維持できるはずがないということ。