これなら誰でもすぐ理解できる!わかりにくい数字の上手な伝え方
と思われたかもしれませんが、まあ聞いてください。
もし、私が預かる企業研修や公開セミナーなどで、このデータを新聞の読者にどう伝えるかを演習として課したら、おそらくほとんどの方がこう表記すると答えるでしょう。
<輸出台数の前年増加率>
A社:-1.4%
B社:-2.2%
C社:330.0%
その理由はおそらくこうです。
「A社もB社も「%」で表記しているのだから、C社だって「%」で表記するのが当然」。あるいは、「C社だけ『◯倍』という表記では統一感がなくて、なんとなく気持ち悪い」というところでしょう。しかし、残念ながらこの回答には「読者へのやさしさ」がまったくありません。
■大事なのは「身近な表現」か否か
増加率300%などという表現を、この1年で何回目にした(あるいは口にした)ことがあるでしょうか?ビジネス数学の専門家である私ですら、一度も口にした記憶がありません。一方、3倍という表現はこの1年で何度も目にしましたし、口にしたこともあります。
要するに、申し上げたいのは「伝える側は、相手にとってなじみ深く、より身近な表現で伝えるべきだ。そのようなちょっとしたやさしさが、伝え上手か否かを決めるのだ」