社員の離職率が低下した企業も!掃除を自前で行う意外なメリット
いってみれば掃除は、ビジネスに即効性はないものの、長い目で見て必要なことを育てるのに適したツールということかもしれません。
実際に、大森さんが見てきた地方の企業は、掃除を導入することで、若手社員の離職率が下がったそうです。
掃除は決して楽しいものではありませんが、仕事と違って、成果が出やすいという利点があり、そこにおもしろさを感じる若手社員は少なくないようです。入社してすぐに仕事で成果を出すことは至難の業ですが、その点、掃除は気軽なもの。
いったん掃除に楽しみを見出すと、仕事で使っている道具にも愛着がわいてきますし、会社そのものにも愛着がわき、その結果、会社に貢献したい気持ちが出てくるのですね。
■掃除を重視する企業は海外にも
掃除と経営を結びつけた考えは、日本以外では受け入れられないのでしょうか。
掃除に重きを置いている海外企業はないわけではありません。たとえばアメリカ発祥のディズニーランドには、掃除に特化したスタッフがいます。
ただし、この掃除の目的は、「ディズニーランドという夢の国にはゴミひとつ落ちていない」というコンセプトに基づくものであり、掃除による自分磨きという側面はまったくありません。