社員の離職率が低下した企業も!掃除を自前で行う意外なメリット
ベルギー発祥のゴディバも、掃除に関しては並みならぬ教育と指導をするそうですが、食品販売の場である店舗の清潔さを保つこと以外に、掃除の目的はないといいます。
また、日本の歴代の名経営者のように、トップが自ら掃除をするということは、欧米の企業ではまずありません。
大森さんによると、欧米企業の掃除が「目的重視」であるのに対して、日本企業のそれは「手段重視」といえる、ということでした。
では欧米以外の企業ではどうでしょうか。
近年、海外産業人材育成協会(HIDA)が、日本企業が大切にしてきた掃除と経営の関係性についての講義を、新興国の企業経営者向けに行ったそうです。
初めは行動主導の掃除に対して冷ややかな受講生もいるそうですが、講義が終わる頃には多くの受講生が自社でも取り組んでみる、と宣言したそうです。なかには、宿泊施設内のトイレの掃除をさっそくはじめた人までいたとか。
■掃除活動は人をつなげてくれる
思想や宗教によって人々が結びついていた時代は終わりをつげ、多様性(ダイバーシティー)が重んじられる時代が到来しています。
企業という枠組みのなかで、出自も宗教も性的指向も異なる人たちがのびのびと実力を存分に発揮するには、彼らをつなぐなにかが必要で、ダイバーシティー教育を始めている企業も少なくありません。