社員の離職率が低下した企業も!掃除を自前で行う意外なメリット
大森さんはいいます。
「ある程度のダイバーシティーの進んだ企業には、思想による連帯は可能かもしれませんが、今後、さらに大きなレベルのダイバーシティーになると、ひとつの思想で人々を縛ることは難しいのではないでしょうか。
掃除は活動で人々をつなぎます。掃除に代わるプラクティスも探しているのですが、掃除を超えるものはなかなか見つからないのです」
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実は「ビジネスの現場に自前掃除なんて古臭いのでは?」と思っていた筆者ですが、本書を読んで、すっかり考えが改まってしまいました。
これからの時代、持続可能な企業になるためには、「これをすれば大丈夫」ということはないかもしれません。けれど、掃除ならばたいしたコストもかかりませんし、職場はキレイになるのですから、損はないですよね。
(文/石渡紀美)
【取材協力】
※大森信・・・1969年大阪府生まれ。日本大学経済学部教授。
上智大学経済学部非常勤講師。2001年、神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。
東京国際大学商学部助教授などを経て現職。著書に『トイレ掃除の経営学』(白桃書房)、『そうじ資本主義』(日経BP社)