2024年2月26日 21:40
自宅で父が突然の心臓停止…「もしあのとき、逝かせてあげてたら」と思うワケは【体験談】
蘇生後も悪い状態が続く
懸命な処置をしてくれたおかげで、父は何とか息を吹き返すことができました。それでも、父は首を激しく左右に振り、話すこともできません。食事もできないので、点滴だけで命をつなぐ状態でした。
そして父が話ができるようになったのは、それから6日後のことです。その間は、私もずっと病院で付きっ切りで夜中もほとんど眠ることができませんでした。父も話ができるようになったのですが、すぐに話したことを忘れてしまい、同じ言葉を何回も繰り返すようになってしまいました。
それから数日すると、何度も同じことを話すことはしなくなり、普通に会話できるようになったのです。それでも、動くことはできないので、体を拭いたり排泄の世話やひげ剃りをしたり、食事の介助などはすべてひとりでおこなっていました。
私には姉がいるのですが、精神疾患があるために、父の世話を代わってもらうことは難しかったのです。
もしもあのとき…
父の退院後は、精神状態が悪化していき、躁うつ病(うつ病と同じ気分障害の代表的な病気)や認知症のような症状が出てくるようになりました。父が亡くなるときまで、精神状態は良くなることはありませんでしたが、最期は苦しむことなく、安らかに逝くことができました。