2023年6月23日 21:10
なぜ祖父はいつも新聞を読んでいたのか? 子どものころに抱いた疑問がようやく解けて
と祖父に尋ねたことがあります。そのときの答えは「たまにおもしろい記事があるよ」でした。子どもから見れば、小さい文字が恐ろしくたくさん並んでいて、大層難しい読み物のように感じていただけに、楽しいから読むわけではないのかとますます謎が深まった瞬間でもありました。
そんな疑問でしたが、年を経て、おじいさんになった父から回答を得ることになったのです。
年を経て現在の父が、同じ姿に
あれから時がたち、リタイアした父もまた、祖父たちと同じように新聞を読むようになりました。今までも毎朝読んでいる姿は見ていたのですが、リタイア後は読み方が変わりました。
以前は全体を流し読みし、特定の記事だけをじっくり読むような読み方でしたが、最近は端から端までじっくり読むように。そのせいか、以前は新聞を縦半分に折り畳んで読んでいたのが、今はテーブルに広げて読むように。
父は老眼がひどいこともあり、新聞を読むときは必ず老眼鏡を掛け、傍らに虫眼鏡を用意しています。そして、眼鏡を着けたり外したりする代わりに、虫眼鏡を出したりしまったり、近付けたりしているのです。
そんなある日の会話中、父は「昔は年寄りってなんであんなにじっくり新聞を読んでいるのだろうって思っていたけれど、今ならわかる」