くらし情報『高額療養費制度の改正で高所得者は負担増に!これからの医療保険の入り方』

高額療養費制度の改正で高所得者は負担増に!これからの医療保険の入り方

標準報酬月額53万円以上、年間所得600万円超の人は確実に負担が増える!

所得区分の細分化で、大きな影響を受けるのは、標準報酬月額が53万円以上、年間所得600万円超の高所得者です。どれくらい影響があるか、つまり、どれくらい負担増になったかを具体例で見てみましょう。

条件)ある月に1日から30日まで30日間の入院をし、総医療費が100万円かかった場合。

■標準報酬月額が53万円以上83万円未満の方、年間所得が600万円超901万円以下の方
(a)2014年12月までの診療
150,000円+(1,000,000円-500,000円)×1%=155,000円
(b)2015年1月からの診療
167,400円+(1,000,000円-558,000円)×1%=171,820円

■標準報酬月額が83万円以上の方、年間所得が901万円超の方
(a)2014年12月までの診療
150,000円+(1,000,000円-500,000円)×1%=155,000円
(b)2015年1月からの診療
252,600円+(1,000,000円-842,000円)×1%=254,180円

上記の例は、同じ月に入退院をしているケースですが、同じ30日間の入院でも、月をまたぐと自己負担額は増えます。なぜなら、それぞれの月で自己負担限度額を計算するからです。ちなみに、筆者は昨年11月半ばから12月半ばにかけて約1カ月の入院をしましたが、公的健康保険が適用される医療費の自己負担額は約17万円でした。同じ日数の入院でも、11月中か12月中に入退院をしてしまえば、約9万円の自己負担で済んだのですが。

これまでの例で、高所得者の自己負担が増えることがおわかりいただけたと思います。
高額療養費制度は、公的健康保険が適用される診療が対象で、公的健康保険が適用されても自己負担になる入院時の食事代(1食260円)や、全額が自己負担の差額ベッド代、入院時の雑費を合わせるとかなりの支出になります。

高所得者は医療保障を厚くしよう!

所得が高い人は会社で大きな仕事を任されていたり、自分で事業をしていたりで、入院中でも病室でパソコンや携帯電話を使ったり、部下に指示をしたり等で仕事をすることもあるでしょう。また、付き合いが広くて見舞客が多いことが想定されます。そのため、同室の患者に気がねしたくない意向を持つ人もいるでしょう。こんな場合は、個室を利用することになり、差額ベッド代も高くなります。個室の差額ベッド代は病院ごとに異なりますが、筆者が入院した病院には、1日1万円と1万8,000円の個室がありました。

このように考えると、高所得者は医療保障を上乗せしておいた方が安心のようです。会社員の方は入院日額1万5,000円~2万円、自営・自由業の方は2万円~2万5,000円を目安にしましょう。
実際にいくら医療保障を用意しておけばいいかは、入院の仕方や受けた治療によって異なるので、何ともいえません。が、入院1日あたり1万5,000円から2万円受け取れれば、病院への支払い分くらいは賄えると思います。貯蓄を取り崩して支払っても、後から入院給付金が戻ってくる安心感は大きいです。筆者は、職業柄、医療保障の用意があり、去年の入院で受け取った入院給付金は非常に助かりました。


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