年収1,000万円超の会社員の税負担が増える!?家計への影響は?
つまり、所得税、住民税が上がることになり、該当者にとっては負担増となるのです。
年収が1,000万円を超えると給与所得控除が頭打ちになる
2014年度税制改正で決まったのは、頭打ちとなる給与水準をそれまでの1,500万円超から、2016年より段階的に1,000万円超まで引き下げる、ということです。2012年分までの制度、現行制度、今回の税制改正の内容をまとめると、表2のようになります。
表2 所得税の給与所得控除の改正
資料:財務省ホームページ「平成24年度税制改正」「平成26年度税制改正」をもとに執筆者作成
表2に示すように、2016年分では、年収1,200万円を超える人の給与所得控除が引き下げられます。また、2017年分以後では、年収1,000万円を超える人も引き下げられます。該当する場合は、家計に大きな影響がおよぶことが考えられます。
なお、給与所得控除はあくまで一人一人の所得税を計算する上で適用される控除なので、共働きの場合は、ご夫婦の年収が合算されて制度が適用されることはありません。
年収1,000万円を超える家計に与える影響は
今回の税制改正が、年収1,000万円を超える家計に与える影響はどれくらいあるのでしょうか。年収1,200万円・年収1,500万円の給与所得者を例に、税金の負担増加分を試算したデータを紹介します(表3参照)。
表3 給与所得控除の上限の引き下げによる税負担の増加額
(注)配偶者控除を適用し、子どもはいないか全て16歳未満(扶養控除の適用がないもの)として試算した。
表示単位未満四捨五入。
資料:大和総研レポート「年収1,000万円前後の層に負担増が集中する」(2014年1月)をもとに執筆者作成
このデータによると、年収1,200万円の給与所得者の場合、2017年には所得税および復興特別所得税を合わせて年額2.35万円増え、住民税は前年所得に基づいて年度(6月~翌年5月)に課税されるため、2018年6月には住民税も増えるので合わせて年額2.93万円、そして2019年には年額3.35万円、今と比べて税負担が増加します。
年収1,500万円の給与所得者の場合は、2016年には所得税および復興特別所得税を合わせて年額5.05万円増え、2017年からは所得税および復興特別所得税がさらに増加するとともに、6月からは住民税も増えるため、合わせて年額9.30万円、2018年には年額10.50万円、2019年には年額10.92万円、今と比べて税負担が増加します。
年収1,500万円の方にとっては、1年間で約11万円もの増税となる改正です。