5分でわかる!家計簿相談室 『3年後にマイホームを考えています。でも、家計のやりくり方法がわかりません。』
1.具体的な目標を設定しましょう
毎年100万円ずつ貯蓄をして、3年後に住宅購入をしたいとのことですが、購入する住宅を価格3,000万円の新築マンションと仮定してお話しします。住宅ローンを組む際に、金融機関から借りられる金額は年収の30%が目安といわれていますが、それはあくまでも借りることのできる金額です。借りることのできる金額が、無理なく返済できる金額とは限りません。それでは、小林さまが安心して返済できる金額はいくらなのでしょう。
現在の住宅関連費は家賃が毎月105,000円、年間では126万円になります。このほかに、年間貯蓄目標の100万円から20%を住宅関連費に加えるとしたら、1年間で住宅にかけられる金額は146万円ということになります。固定資産税、管理費・修繕積立金、駐車場代など、住宅購入後に毎年かかる費用を年間50万円とした場合、ローンの返済に回せるお金は、146万円-50万円=96万円となります。月額にして約8万円です。
毎月の返済金額を8万円とし、利率1.5%、元利均等返済で35年ローンを組んだ場合、借りられる金額は約2,600万円になります。3,000万円の物件を購入するには、一般的に物件価格の10~20%を頭金として用意する必要がありますので、400万円ほど準備が必要となります。また、新築の物件を購入する際にかかる諸経費は、物件価格の約5%程度必要です。仮に150万円とすると、住宅購入資金として約550万円を準備しておく必要があります。
また、住宅購入後に家計に大きな変化があり、ローンの返済が滞って、せっかく手に入れた住宅を手放さなくてはならないことになったら大変ですね。家計の変化に備えて、生活費の6カ月分を予備費として常に備えておくことをおすすめします。
小林さまの生活費は毎月約30万円、6カ月分で180万円です。住宅購入の頭金や諸経費に550万円を支出した後に予備費を180万円残しておくには、730万円必要になります。
貯蓄の目標額が決まりました。次は現状把握です。
2.今の状況を正確に把握しましょう
今回のご相談にあたって家計の収支状況を出していただきました。月々の収支は分かりましたが、「その他の年間支出」は本当にゼロでしょうか。旅行や帰省、特別なイベント、自動車税、火災保険料など、年に数度の支出はありませんか?
毎月コンスタントにかかる支出と、年に1度~数度の特別な支出を分けて考えると家計管理はグンとわかりやすくなります。特別な支出は手帳などにメモをしておくと、次の年には「いつ、いくら、何に必要か」がわかり、その時になって「お金がない!」とあわてなくて済みます。