国立音楽大学 ベートーヴェン《交響曲第9番》の演奏会を同大講堂にて開催
終戦の1年後の1946年には、チャリティ演奏会での《第九》の演奏に関わるなど、《第九》の精神である人類への愛を高らかに歌い上げ、歴史をつないできました。
ローゼンシュトック、カラヤン、ブロムシュテットといった世界的に著名な指揮者との共演を経て、本学の創立90周年にあたる2016年には、サントリーホールで準・メルクル指揮による「特別記念演奏会『第九』」の公演を行い、「くにたちと第九」をより印象付ける記念的な演奏会を成功裡におさめました。
本学にとって《第九》は伝統を守りながら未来へとその音楽、信念を引き継ぐ特別なプログラムであると言えるでしょう。
◯コロナ禍での「音楽の力」
2020年に世界中を不安と多くの悲しみに陥れ、今もなおウイルスとの闘いを続けているコロナ禍にあって、音楽をはじめとする芸術は危機的な状況におかれています。本学でも、2020年5月には初めてとなるオンライン授業を開始し、厳しい環境下での教育活動を余儀なくされました。しかし、困難な状況にあっても、音楽が人々に力を与え、音楽は「人間にとってなくてはならないもの」として学生、教職員一同が思いを新たにしました。感染防止に留意しながら少しずつ演奏活動を開始し、オーケストラが揃って最初の音を出した時「言葉では言い尽くせない感動」