くらし情報『明治学院大学心理学部の足立准教授が文科省主催「不登校に関する調査研究協力者会議」に出席 子どもの不登校の予兆や対策について調査結果をもとに発表』

2023年3月1日 10:30

明治学院大学心理学部の足立准教授が文科省主催「不登校に関する調査研究協力者会議」に出席 子どもの不登校の予兆や対策について調査結果をもとに発表

以上は、主に個人的要因から不登校の予兆を捉える取り組みですが、一方で多欠席の予兆となる慢性的な抑うつ症状には環境的要因が強く関連することが同時に示されています。この点について、足立准教授らの研究グループは、子どものソーシャル・キャピタル(社会的資源)という観点から調査を行っています。ソーシャル・キャピタルはもともと成人のメンタルヘルスとの関連要因として研究されてきた概念であり、個人を取り巻く社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念です。子どもを対象にしたソーシャル・キャピタルの研究においては、特に学校への信頼感、安心感が重要な要因として位置づけられています。
足立准教授らの研究からは、子どもの抑うつ症状とソーシャル・キャピタルには、比較的強い関連があること、ソーシャル・キャピタルには学校間差やクラス間差があり、ソーシャル・キャピタルの高い集団に所属することは、子どもの抑うつ症状に保護的に働く可能性が示されました。

以上の観点から、子どもの不登校の予兆は、メンタルヘルスの不調やその関連要因を定期的に捉えることによって比較的早期に捉えられる可能性があること、ただし、対処の観点からは個人的要因に着目するだけでは十分ではなく、ソーシャル・キャピタルをはじめとする環境要因に目を向け、予防的な関わりを同時に行っていく必要性があることを指摘しています。

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