AI技術を活用した地盤強度予測システムの開発 人工ニューラルネットワーク(ANN)を用いた機械学習モデルにより地盤強度の予測精度が20%向上
やバギング法を組み合わせた機械学習モデルを開発
●地盤の安定性や地震時の液状化のリスクの指標となる支持層の深さを予測する精度が従来から20%向上
●予測精度を高めることで、災害レジリエンスの高いスマートシティの実現が可能
■研究の背景
液状化現象は地震発生時におけるインフラ被害の要因の一つといえ、2011年の東北地方太平洋沖地震では1,000戸、2024年の能登地震では6,700戸の家屋が被害を受けました。液状化の影響に強い都市を構築するには、土壌の状態を正確に評価することが必須ですが、従来の手動の土質試験法ではすべての土地を均一に評価することは困難でした。そこで、地質データを用いて土層の詳細な3Dマップを作成することで、地震時に土壌がどのように反応するかを予測するシステムを開発しました。そして今回、その予測精度の向上を目指し、AI技術を取り入れた機械学習モデルの開発に着手しました。
■研究の概要
標準貫入試験※4とミニラムサウンディング試験※5という、土の密度と基礎の必要条件を評価する2つの方法を用いて、東京都世田谷区内の433地点の地盤データを収集。これに緯経度や標高などの地理的データを組み合わせ、支持層の厚さと深度を予測します。