年齢別に見た自閉症の症状の現れ方とは?出典 : 自閉症(自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD))は、先天的な発達障害の一つです。社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴が発達段階で現れると言われていますが、その症状は成長とともに変化していきます。自閉症の症状は人によって個人差が大きいのですが、大まかな年代別の症状を紹介します。なお、これらの症状は、すべてがあてはまるわけではなく、現れ方は人によって異なります。幼児期(0歳~小学校就学前)自閉症は発達障害の一つですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児の場合、症状が分かりにくいことがあります。ですから、生後すぐに自閉症の診断がでることはありません。しかし、幼児期全体を通してみると、特徴的な行動をとっていたことが多いと言われています。以下にそれらの症状を紹介します。自閉症がある場合、視線を合わせようとしないことが多くあります。また他の子どもに興味をもたなかったり、名前を呼んでも振り返らないといった場面も目立ちます。定型発達の子が興味をあるものを指でさして示すのに対し、自閉症の子は指さしをせず興味を伝えない傾向があります。知的障害を伴う自閉症のある幼児は、言葉の遅れや、オウム返しなどの特徴がみられます。会話においては、一方的に言いたいことだけを言ってしまったり、質問に対してうまく答えられないなどの特徴があります。定型発達の子どもが友達とのごっこ遊びを好むのに対し、自閉症の子は集団での遊びにあまり興味を示さないことも多くあります。興味をもつことに対して、同じ質問を何度もする子どもも多くいます。また、日常生活においてさまざまなこだわりをもっていることが多く、ものごとの手順が変わると混乱してしまうこともあります。児童期(小学校就学~卒業)年齢相応の友人関係がもてない場合があります。周囲の状況にかかわらず、自分が好きなことを好きなようにしてしまう傾向があります。人と関わるときは何かしてほしいことがあるときなだけのことが多く、基本的に1人遊びを好みます。人の気持ちや意図を汲み取ることを苦手とする子どもも多くいます。きちんと決められたルールを好み、場面に応じて臨機応変に対応することが苦手な傾向にあります。言葉をうまく扱うことが難しく、単語を覚えても意味を理解できない場合があります。また、自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり、想像したりすることも苦手です。そのため説明がうまくできないことがあります。思春期~成人期(小学校卒業~)出典 : 抑揚がない、不自然な話し方が目立つ場合があります。コミュニケーション能力が乏しく、人が何を考えているのかなどを想像するのも苦手な傾向にあると言われています。目的のない会話をするのを難しく感じる人が多いです。自閉症の人は物事に強いこだわりをもっています。そのため、興味のあることにとことん没頭することが多いですし、その分野で大きな成果をあげられることもあります。自閉症についてもっと詳しく知るリンク集「もしかして自閉症?」お子さんの発達等について、気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。自閉症がある人には、「社会性と対人関係の障害」「コミュニケーションや言葉の発達の遅れ」「行動や興味の偏り」の3つの症状が発達段階で現れます。具体的にどんな言動として現れるのかについては、次のコラムが参考になります。その他にも、自閉症に関連するコラムを出しています。ぜひ参考にしてみてください。
2019年10月28日保護者会の席で投げかけられた質問保護者会では、子どもの成長したところや現在悩んでいることを、各家庭一言ずつ話していきます。どのお家でも悩みごとはたいてい「わかる~」というものなので、お互い共有しあって解決策を探っていこうという趣旨もあるのかなと思います。そのとき、あるお母さんが話をされました。「うちの息子はとても人懐っこい子です。ただ困っているのは、知り合いのお母さんに会ったとき、抱きついてしまうことです。やめようね、と慌てて引き離すのですが、また会ったときも同じようにしてしまいます。」Upload By シュウママひとごとではない。共感者も多い問題この質問を聞いて、うなずかれている方が何人かいました。我が家の長男は人懐っこいタイプではないので、あまりこういった経験はありません。ただ私自身も、学校に行ったとき「シュウくんママ~」と言って抱きついてくるお子さんは何人か見てきました。Upload By シュウママみんなとてもニコニコ、可愛いお子さんです。でも、知っている人であれば問題ない行動でも、知らない人が相手だと驚かれてしまうこともありますし、大きくなってくると特に異性に対しては気をつける必要も出てきます。親御さんからすれば、気になる問題だろうということはよく分かりました。先生はどんなアドバイスをされるのだろう、とみんな返答を待っていました。先生からのアドバイスすると先生はこんな風にお話しされました。Upload By シュウママ「どうして今までは良かったのに、大きくなったらダメなのか、それもまだ理解できないかと思います。だからそんなときは、代わりの行動を教えてあげたらいいと思います。たとえば...Upload By シュウママ手のひらを相手に向けてタッチする。相手のお母さんにも協力してもらったらいいですね。お家で教えてあげたらいいと思います。もちろん学校でも取り組みます。そんな風にして、違う行動に置き換えることを伝えていきましょう」体と心の成長バランスが違うゆえになるほどと思いました。単にその行動はダメ!とだけ言われても、今までよかったのに...と混乱したり、関わりたい気持ちが満たされずフラストレーションがたまったりすることも考えられます。同じ欲求が満たされて相手も嫌な気持ちにならないような、より適切な行動を教えてあげるという先生のお話は、目から鱗でした。シュウも少しずつ大きくなってきたので、場に合わせた行動などを教えていく必要が出てきたときには、今回聞いたお話を参考に考えようと思います。発達障害の子どもは、心と体が同じ速度で成長していきません。それゆえに、親の悩みごとも増えていきます。でも、保護者や学校、デイサービスの先生達と知恵を出し合って乗り越えていくことができるんだなと気づかされたできごとでした。
2019年10月28日発達障害を知ろうとするほど落ち込んだ時期Upload By かなしろにゃんこ。息子にADHDと広汎性発達障害があると分かったのは、小4のときでした。その後、発達障害を理解しようと専門書を読んだり、当事者のブログを読んだりして勉強すればするほど落ち込んでいく時期がありました。子どもが発達障害だと理解して受け入れるのは時間がかかります。息子が中学生になって気のあう仲間ができ、毎日明るく過ごすようになった2年生くらいの頃でしょうか。毎日楽しそうに過ごす息子の姿を見ているうち、「子どもが発達障害でもそうでなくてもどうでもいい!楽しく生きていければいい!」と思えるようになったのです。それからは、だんだんと発達障害であることにあまり悩まなくなっていきました。Upload By かなしろにゃんこ。理解が得られず、感じた孤独...それまでの息子は、特性が原因で周りとうまくいかないことが多くありました。トラブルがあるたびに落ち込み、親子で苦しんでいる時期は、まだ息子の障害を受け入れることができなかったんだと思います。受け入れられるようになってからは、同年代の子が普通にできることができなくても「仕方がないか、ははは、じゃあどうしたらできるようになるかな~?」と落ち込まないで前向きに考えていけるようになっていきました。我が子が理想より遠く、期待することがほとんどできない!そして発達障害は治すものでも治るものでもない…。Upload By かなしろにゃんこ。定型発達児のようになってほしいという思いを諦める必要があります。一番苦しいのは受け入れるまでの過程です。問題になったできごとや失敗から一つひとつ子どもが何ができないかを知っていく過程がツライんだと思うんです。同時に、夫に話しても両親に話してもママ友に話してもなかなか理解が得られずに、孤独になってしまうということも、ありがちです。「考えすぎないで気楽にやりましょう!」といわれても、そのころの私には無理でした。折角向けてくれた慰めも励ましも労りも心に響かないのです。それくらいに落ち込んでしまうんですよね。Upload By かなしろにゃんこ。私は子どもが発達障害の診断を受けたクリニックで実施しているペアレント・トレーニングを受けて、育てにくい子の接し方を教えてもらったことで、”子どもができないことはなんなのか、逆にできることは何か!?”を知ることや、子どもに期待しすぎないで子育てすることなどを教えてもらい、親子関係を取り戻していきました。それでもペアレント・トレーニングを受けはじめたころはまだまだ精神状態が不安定でした。母親の心のケアが先!臨床心理士の先生の言葉に目からウロコUpload By かなしろにゃんこ。そのころNPO法人えじそんくらぶ代表、臨床心理士で著書を多数ご執筆されている高山恵子先生の、発達障害の子どもの子育てについて対談をさせていただいたことがあります。そのときに教えてもらったことが印象的でした。・母親が鬱などになると発達障害の子の子育ては困難になってしまう、子どもの療育よりも母親自身の心と体を労わってあげて元気を取り戻すべき!・ブログ(SNSなどでも)で日頃のストレスを吐き出すように思いを綴ってスッキリするのも良い。母親が元気になるのが最優先事項であるとおっしゃっていました。もしPTA活動などでメンタルが弱るようなことがあるのなら、PTA活動には参加しなくてよい!というお話も出て、目からウロコでした。私は、母親は発達障害の子どもを生んだからには自分のことは後回しに頑張って生きなきゃいけないような気がしていました。でも、母親あっての子育てです。自分のことを優先にしていいんだ!ということも驚きでした。Upload By かなしろにゃんこ。PTA活動も参加したほうが学校での子どもの様子が見られていいかな?と考えていたけれど、PTA活動の仕事が負担になって子どもとの時間が削られることもあったし、真面目に参加しなくては!と責任を感じていたこともありました。思いきってやらない!という選択もしていいんだ!と思いました。ボランティア活動は自分に余裕があってするものですもんネ♡私も私のことを大事にしよう!そんなふうに思えました。子どものことも大切だけれど、自分のことも大切にしていいんだって気がついたのでした♡法人えじそんくらぶ自分なりのリフレッシュ方法で、心の元気を保とうUpload By かなしろにゃんこ。いろんなことでクヨクヨ悩みがちだった私は、頭も心も疲れてしまったら、散歩中などに瞑想をして脳をリフレッシュしていました。続けているうちに、悩みごとで頭の中が占められてしまっている状態が少なくなっていき、心が穏やかになっていくと同時に、物事を多面的に捉えられるように意識が変わっていきました。さまざまなトラブルを俯瞰してみられるようになることで、悩むこともぐんと減っていきました。頭がリフレッシュすると子どもにも優しく接することができるようになります!そうすると、子育ても楽しいな♡と感じますよね。慣れると瞑想は歩きながらや、家事をしながらでも簡単にできるようになってきました。視野が狭くなってるなって感じるとき、忙しいときこそ、瞑想をするように心がけています。私の場合は瞑想ですが、コンサートに行ったりスポーツ観戦をしたりと趣味の時間を楽しく過ごして元気なママでいることが子どもにもいいんだと思います。ごはんの仕度も毎日きちんとやらなくたっていいと思っています。日本のお母さんは頑張りすぎ!食育にこだわるのも大事ですが365日中、端数の65日はサボって楽したらいいと思ってます♡Upload By かなしろにゃんこ。
2019年10月23日わが家の4人の子供たちを紹介します!はじめまして!スガカズと申します。わが家は6人家族。発達でこぼこな子が2人、定型の子が2人、それから旦那さんと私です。長男は小学6年生でASDとADHDがあり、次男は小学3年生でADHDがあります。2人ともIQが標準で、通常学級に在籍しながら、週1日・2時間通級しています。通級では小集団と個別で1時間ずつ、それぞれの困りごと、課題に合わせた指導をしていただいています。まずは子どもたちの紹介から!Upload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズ私・スガカズは、職場復帰をして2年目ですが、リモートワーク制度をフルに利用させていただきながら、学校、病院に協力をいただきつつ子育てをしています。なかなか思う様にいかない子育てですが、前向きに頑張っていきたいと思っています。これからは、家族6人ドタバタなわが家で起きる大小さまざまな事件について描いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします!
2019年10月21日石川県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後プラスいずみの教室は、子どもたち一人ひとりが、自分の力を存分に発揮できることを目指しています。運動能力・集中力の向上を目標に、トランポリン、サッカー、プールといったさまざまな運動をしたり、認知能力の向上を目標に小集団でのゲームや競争をしたりしながら、子どもたちの自信を取り戻すプログラムを実施しています。また、学習支援にも力を入れており、受験指導や宿題サポートを個別に対応しています。石川県の放課後等デイサービスをもっと見る兵庫県 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報宙★りす熊野町は、子どもたちの将来の社会的自立に必要となる基礎的な生活スキルの習得を目指しています。子どもたちが自発的に学習できることをめざし、子どもたちが興味・関心のあるものを教材にして、学習の機会を創出しています。プログラム内容は、子どもたちの様子に合わせて組み合わせを変えています。在籍スタッフはスキル向上のため応用行動分析を活用した社内外の研修へ参加し、日々研鑽しています。兵庫県の児童発達支援事業所をもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせができます。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができるので、ぜひお住まいの地域のページをチェックしてみてください。
2019年10月19日ゲーム大好き寺島家。兄タケルは、ゲームを通してアクティブに活動実は我が家は家族そろってゲームが⼤好き!アメリカの家庭のように正⽉には⼈⽣ゲーム、週末にはテーブルトーク、時にはボードゲームカフェに出かけます。家庭⽤ゲーム機も(経済事情からいつも⼀世代遅れですが)⼀通り押さえていますし、⻑男のタケルに⾄ってはゲーム仲間とオンラインセッション実況までしています。そんな我が家からすると、「とにかくゲームは悪」「隙間時間にやるのは問題ないが⻑時間は絶対ダメ」という考え⽅は、ゲームの良い⾯を全く⾒てなくて勿体ないな〜!と思ってしまうのです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロゲームというと、家にこもって暇をつぶすものという印象がある⽅もいらっしゃるかもしれませんが、実はゲーマーというのは、オンラインやオフラインで仲間と集まって一緒にプレイすることもあり、意外とアクティブです。タケルが家庭⽤ゲーム機のロールプレイングに慣れたあたりで、私も⼦ども達を連れてオフラインのイベントに参加するようになりました。(全然知らない方のために補⾜しておきますが、⾦品を賭けるようなイベントではありません。主催によってMVPに商品が⽤意されている場合はあります)息⼦はテーブルトークRPGの分野に親和性を⾒せ、ゲームをプレイするばかりか、何度かイベントに参加するうちゲームの進⾏役をするようになり、やがてゲームシナリオも⾃作するようになりました。元々趣味で⽂章を書いていたこともあり、仲間の評判も上々。⼤学⽣になった今では「キャンペーン」といわれる⻑い物語を創作しながら、ネットを介してゲーム仲間と遊び続けています。息⼦のゲーム仲間には、障害があって外出が難しい方も何⼈もいらっしゃるようです。⼩学校⾼学年になり、「⾵来のシレン」というパズル要素の⾼いPRGをやるようになり、徐々にロールプレイングのスタイル…ゲームの中のお作法に慣れていきました。この⼿のゲームの良いところは、スマホの課⾦で強くなるようなゲームと違い、⾃分の成⻑がそのままゲームの進度になること。成⻑の評価に人の感情が入らず、また評価がすぐに可視化出来るのでやりがいに繋がります。妹いっちゃんも!ゲームを入り口に興味の幅を広げていくUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ特性を活かすことも、親子のコミュニケーションも。ゲームから得られることはたくさんあるゲームは実⽣活よりも簡単に成⻑の結果が出て報酬系が満たされるので、現実に⽴ち向かう⼒を失わせるという⼈もいますが、私の印象は真逆です。ゲームは⾃分のやったことの結果が実⽣活よりもダイレクトにすぐ可視化されます。⼈間相⼿ではないということもあり、⼤変プレイヤー本⼈の性格や特性が出やすいのです。ゲームを通じて、⾃分の得意なこと、苦⼿なことに気づき、興味のあることを掘り下げてスキルやキャリアにつなげたり、気の合う友達を⾒つけたりして⼈⽣をもっと豊かにできると思います。特に、⾃閉症スペクトラムのあるお⼦さんは、「会話」や「対⾯」が最初の⾼い障壁になる場合があります。これは同年代の友達のみならず、実は親にとってもです。急がば回れ、ゲームを⼀緒にやることで効率的に共通体験を得て、お⼦さんとコミュニケーションを図るのも意外と使える⼿なんじゃないでしょうか。
2019年10月18日【映画】ADHDの監督が撮り続けた、 発達障害の叔父の3年間ーー映画『だってしょうがないじゃない』Upload By 発達ナビニュース映画監督の坪田義史さんが、発達障害のある親類のまことさんに会いに行き、その生活を撮影して完成された本作。監督の坪田さんご本人も、まことさんに初めて会ったときには鬱や不眠に悩み、さらにADHDの診断を受けたばかりと、精神的な不調が続いていた時期だったそう。そんな坪田監督が撮影を通して交流するまことさんは、長年に渡り母と2人暮らしをしており、母の他界後は障害年金を受給し、さまざまな福祉サービスも利用しながら一人暮らしを続けています。その様子から、障害のある人の「親なきあと」の生活についての問題や自己決定のあり方について、改めて考えさせられる映画です。「発達障害を生き抜く為には、誰もが自分らしくいられる社会が必要です。 本作『だってしょうがないじゃない』は、今後の上映活動を通して、見た目では分かりづらい発達障害の「社会的受容性」への契機にしていきたいと考えています」とコメントしている坪田監督。自身も発達障害当事者である坪田監督が撮り続けたまことさんとの3年間は、当事者の生活をありのままに伝えながら、社会の側がどうあるべきかも考えるきっかけを与えてくれそうです。『だってしょうがないじゃない』上映情報【公開日】2019年11月2日(土)【上映館】ポレポレ東中野 他全国の映画館にて順次公開予定※詳しくは公式サイトをご確認ください。映画『だってしょうがないじゃない』 | 公式サイト【イベント】体験しながら最新の情報を学ぼう!「国立特別支援教育総合研究所公開」(神奈川県)Upload By 発達ナビニュース特別支援教育に関する研究や、特別支援教育関係職員に対する研修などを行う「国立特別支援教育総合研究所」の公開イベントが開催されます。イベントでは、障害のある子ども向けの教育支援機器や発達障害のある子どもの教育に活用できる教材などの展示や実演、障害種別ごとの教育上の配慮についての体験型展示、最新の研究内容の紹介など多数の催しが予定されています。また講演会では、2020年のパラリンピックの正式種目「ゴールボール」の強化指定選手である信沢用秀さんによる障害者スポーツに関するお話を聞くことができます。ゴールボールを信沢さんの指導のもと実際に体験できるコーナーも!さらに、特別支援学校生徒によるあん摩マッサージ体験や、就労継続支援B型事業所によるパンやカレーの出張販売など、障害のある人の活動を知ることができる企画も盛りだくさんです。支援に関わる人も保護者も、特別支援教育に関する最新の情報や学びの工夫を、体験しながらたくさん学べる1日となりそうです。【日時】2019年11月16日(土)9:30-16:00(15:00受付終了)【場所】独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(神奈川県横須賀市野比5-1-1)【入場料】無料(事前申し込み不要)令和元年度研究所公開の開催について | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所【セミナー】専門家や当事者が登壇する、NHKハートフォーラム公開セミナー「子どもの発達障害〜課題解決へのヒントを探る~」(大阪府)発達障害を多くの人に知ってもらい、共に暮らすために何が必要かを考えるきっかけになるように、NHKが取り組んでいる「発達障害って何だろう」をテーマとしたキャンペーン。その企画として、10月28日からの1週間を中心にバラエティーからニュースまでさまざまな番組の中で発達障害について考えていく「公共メディアキャンペーン~秋の特集ウィーク~」が展開されます。キャンペーンと連動して開催される今回のセミナーには、信州大学医学部教授の本田秀夫先生や高校生当事者が登壇。発達障害がある子どもが自信を失ったり友達関係で悩んだりしたときに、家族や支援者はどのようなことに留意しながら当事者を支えていけばいいのか等の課題解決のヒントを探るお話を聞くことができます。特集ウィークの中で発達障害について取り上げたNHKの番組の一部と、そこに寄せられた反響をもとにした“番組担当者からの深堀り情報”を交えた内容も予定されています。【日時】2019年11月4日(月・祝)開場12:00 開演13:00 終演16:30予定※途中休憩あり【会場】NHK大阪ホール(大阪市中央区大手前4-1-20NHK大阪放送会館内)【入場料】無料【定員】1300名 ※応募フォームから事前申し込みが必要【主催】NHK厚生文化事業団NHKハートフォーラム「子どもの発達障害~課題解決へのヒントを探る~」(大阪) | NHK厚生文化事業団
2019年10月17日宿題で情緒不安定になっていった娘...前回、宿題が負担になっていった娘の様子をお話ししました。小学1年生からなんとか頑張ってきた宿題でしたが、小学校3年生になり、量も増えていきました。6時間目まで授業がある日は、宿題に時間をとられて放課後等デイサービスで遊ぶことができなくなり、娘は情緒不安定になりました。変えるべきは、量ではなく、やり方。6時間目まである日は、放課後等デイサービスで必ずパニックになる娘。私は、娘の様子を見ながら、あることが頭に浮かんでいました。それは『宿題を減らしてもらう』ということでした。しかし親としては、それは最終手段にしたいと考えていた私たち。Upload By SAKURA今が最終手段を使う時?それとも、もっと他に方法が...?悩み悩んでいる時、ひとつの方法を思いつきました。思いついたら、即行動!私は早速、特別支援学級の先生と、通常学級の先生と話し合うことにしました。Upload By SAKURA「娘にとって、放課後等デイサービスで遊ぶ時間は、心の安定にとても重要です。娘の精神面のために、週に二日の宿題を調整させて欲しいです。残った宿題は、週末にやり、週明けに提出します。」とお願いすると、先生たちは快く承諾してくれました。こんな提案、『甘やかし』と捉えられるのではないか…そう心配していましたが、特別支援学級の先生と通常学級の先生は、「娘さんは、これまで真面目に宿題をしてきました。だから、大丈夫ですよ。量はお母さんが調整してあげてください。娘さんが、楽しく学校に来られるようにしてあげてください。」と言ってくださいました。あーさんの特性を理解し、尊重してくれる先生たち。その環境がとてもありがたく、嬉しく感じました。娘が不安にならないよう説明。先生たちとの話し合い後、早速、娘に話すことにしました。Upload By SAKURA宿題をやらないわけじゃなく、「後日、提出する」。これが娘のこだわり上良かったようで、すんなり受け入れてくれました。苦手な漢字練習も、時間が足りない時は半ページにし、残ってしまった分は週末にするようにしました。放課後等デイサービスにも説明。それから、放課後等デイサービスにも事情を話しました。放課後等デイサービスの先生はそれを聞いて、こんな風にしてくれました。Upload By SAKURA『帰る時には、娘が楽しい時間を過ごせていること』を心がけてくれました。この方法を取るようになって、娘は少しずつ心の安定を取り戻していきました。Upload By SAKURAその笑顔を見ると、「宿題のことを、学校にお願いしてよかった」と思いました。小学校入学当初、私たち夫婦は『娘が、みんなと同じ宿題を同じ量・同じペースでこなすこと』を意識してきましたが、娘にとってそれは限界になっていました。私たち夫婦がこだわっていた『宿題のやり方』も、臨機応変に変えていけばいい…ずっとこのままじゃない!娘が楽しく過ごすのが一番だと思いました。娘にも変化が!それからしばらくすると、娘は残った宿題を週末に回すのではなく、自宅に帰ってからするようになりました。Upload By SAKURA短い期間で娘は、変化しました。やはり…ずっとこのままではない!このままじゃまずいと親が感じた時に、その時の子どもに最適な対処をすれば、子どもも段々と変化していく。それを改めて感じました。
2019年10月16日基本的な知識から、年齢に応じたお悩みまでがまとめられた『子どもが発達障害といわれたら』子どもの発達障害について理解し成長を支えていくために知っておきたい内容が、Q&A形式で解説された書籍です。内容は2つの章で構成されています。第1章では発達障害の種類や特性、診断方法についてなど、発達障害に関して理解しておきたい基本的な内容が10個のQ&Aでまとめられており、第2章では実際の支援における課題とその対応方法が解説されています。第2章の中では「言葉がまだ出ない」「行動の切り替えができない」などの幼児期のお悩みから、「大学に進学させたい」「仕事が長続きしない」など成人期にかけて生じる課題までが計60個あげられており、それに対して考えられる原因や子どもの成長についての解説と、関わり方のポイントなどのアドバイスが記されています。教育や福祉の支援に関する具体的な情報について書かれたコラムもあり、子どもにあった支援を考える際に参考にできる情報がまとめられた一冊です。多くの改革を行う公立中学校長の著書『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』東京都千代田区にある麹町中学校の校長、工藤勇一先生の著書が発売されます。麹町中学校は、公立中学でありながら他の学校にはない改革を次々と行っている学校としてメディアなどでも取り上げられていますが、その改革を進めてきたのが6年間校長を努めている工藤先生です。宿題・定期テスト・服装頭髪指導等の廃止、全員担任制の導入など新しい取り組みで学校をかえてきたのは、長年に渡る教員生活のなかで考えてきた「学校は何のためにあるのか」「子どもたちにとって一番大切なことは何か」の答えに近づける学校づくりをしたいから。そんな熱い想いをもつ工藤先生は、私生活ではふたりの息子さんを育てた父親でもあります。学校現場で多くの子どもたちと関わりながら、父親としては「悩みながら子育てをした親の一人」と表現する工藤先生が保護者に向けて書いた本書。教育のプロとしての知見を交えながらも、親子が幸せであることを一番に考えて書かれた、子育ての不安がふっと軽くなるような一冊です。親も子もいきいきと生きる子育てのためのポイントとは?『スマホをおいて、ぼくをハグして!』インターネットなど新しい技術が発達しさまざまなことが便利になった現代社会の中でこそ求められる、子どもの心をはぐくむ子育てについて、具体的な事例をあげながら書かれた発達障害専門クリニックの司馬理英子先生の著書です。「感覚過敏のASDの小学校1年生Bちゃん」「おけいこごとばかりで遊びの時間がない小学校5年生のC君」など、困りごとを抱えた子どもの例をあげて関わり方が解説されています。その子が抱えている気持ちも記載されているので、子どもの意志を尊重したより良い関わり方を考えていく際に役立てられそうです。また、子どもをかわいがるとはどういうことかが具体的な接し方をあげて説明されていたり、親自身がネットやゲームとの付き合い方において注意したいことがあげられていたりと、発達障害のある子に限らず、子育て全般において改めて考えたい内容が詰まっています。認知が広まる発達障害の正しい情報を医師が解説『誤解だらけの発達障害』発達障害についてはメディアなどでも取り上げられることが多くなり、徐々に認知が広がってきていますが、まだまだ間違った情報が流れていることも多くあると感じている医師の岩波明先生による新書です。発達障害についての知識や診断について、現在の支援について、大人の発達障害についてなど誤解されやすい内容に触れながら、正しい情報が詳細に解説されています。また発達障害とゲームやネット依存、性別違和との関係など、近年話題にあがるようになった新しい情報についても触れられており、発達障害について幅広く知ることができます。疑問に対して岩波先生が回答する形式で書かれているので、気になる項目から読み進めることができます。
2019年10月14日音楽の授業の時間、息子は一人教室に残ってサボっていた。そのワケは...Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は小学校のころ、音楽の授業がイヤで、授業に参加しないことが頻繁にありました。音楽の時間は一人で教室で過ごします。先生から「音楽室に行きましょう!」と促されますが、行ったフリをして再び教室に戻ります。なかなかの度胸です。参加しないワケを聞くと、いくつか理由があったようです。Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太は小学校1年生のときに学校のドアの戸袋に指を挟んでしまい、指に大きなケガをしていました。その後遺症で指がうまく動かないことや元気な指も思った通りに動かすことができないことで、笛の演奏のときに変な音が出てしまい、先生に注意されることが苦痛だったそう。音楽の授業は担任の先生とは違う先生が担当していました。音楽の先生は指の後遺症のことや特性による不器用さがあることなどを知らなかったので、できないことに対して厳しく注意され、イヤになってしまったということでした。Upload By かなしろにゃんこ。指をうまく動かせないことを先生に説明できればいいのですが、先生が怖そうで言い出せない、毎回注意されるくらいなら音楽の授業を受けないほうが気持ちが楽だと感じていたということでした。そして、成人した息子に音楽をサボっていたときのことを聞くと、笛がうまく吹けないこと以外にもう1つ理由があったそうです。それは、「音楽室の環境」によるものでした。音楽室は落ち着かない!環境面にも音楽嫌いになる理由がUpload By かなしろにゃんこ。音楽室には机がなく、椅子だけが並んだところに座って授業を受けなければなりませんでした。息子の場合、机がないことで寄りかかって安心を得られるものがなく、ソワソワしてしまうんだとか。また、教科書やペンケースなど、使わない道具を椅子の下に置かなければいけなかったことも息子にとってはイヤだったそう。足元に踏んではいけないものが置いてあると落ち着かないし、普段はものを置かないところに置くことがイヤだったそうです。Upload By かなしろにゃんこ。こうした理由で音楽がキライになってしまった息子。でも、音楽がキライといっても合唱祭などは別でした。クラスみんなで同じ目標に向かって頑張っていくときには、歌を歌うことも楽しかったようです。「個人プレーは苦手でも集団だと楽しいんだよね」といいます。高校生になって、音楽の楽しさに気づいた!きっかけはカラオケ!Upload By かなしろにゃんこ。そんな「音楽嫌い、だけどみんなで活動することは好き」だった息子は、高校生になって友達とカラオケに行くようになってから、歌うことは恐くなんかないしオレもまぁまぁ歌えるじゃないか!と、普段から歌の楽しさに触れるようになり、そこから音楽自体も好きになっていきました。洋楽やパーカッションなどいろいろなジャンルの音楽も聴くようになって、それぞれの良さも分かるようになったといいます。音楽嫌いだった子どもの頃を振り返ってもらうと...Upload By かなしろにゃんこ。あのとき音楽室に机があったら音楽の授業を受けられたかな?と息子に聞いてみたら、「机もあったら良かったけれど、例外で用意してくれるとは思えないな~...それよりも指のことを自分で伝えても、子どもの言うことだからウソ!?と信用してもらえないかもしれない。お母さんから音楽の先生に伝えてくれていたらよかったかもしれない。うまく演奏できなくても、一生懸命取り組めば〇をもらえるんだったら、キライにならなかったのになって思うよ」Upload By かなしろにゃんこ。息子の話から、音楽自体がキライだったというよりも指がうまく動かせないという体の問題や、伝える力がなくて諦めてしまっていた心の問題によるものだったと分かりました。指がうまく動かない問題は大きくなると改善されました。子どもの頃は指や手の筋肉が虚弱だったりボディイメージが苦手だったりする子もいますから、苦手意識を持つことは仕方がないのだと納得したのでした。今は笛の演奏用の補助器具なども出ているようなので、そういったものもうまく活用できると良いかもしれませんね。カラオケを通して音楽嫌いを克服した息子。いつか演奏することもオモシロイと体験するときもあるといいな…って思います。
2019年10月11日小学1年生、最初は順調。小学校に入学してから、毎日出るようになった宿題。小学1年生時は、通常学級に在籍していた娘。この頃は内容も簡単で量も少なく、帰宅後に宿題の時間を取り、横について見るというやり方で何とかなっていました。Upload By SAKURA簡単に解けるというのもあって娘も達成感があり、自分からすすんで宿題に取り組み、楽しそうにしていました。入学前は宿題のことが心配でしたが、出だしは順調。1年生も後半になると、少しずつ内容も難しくなり、量も多くなっていきましたが、それでも娘は頑張ってみんなと同じ量の宿題を全部終わらせ、忘れずに提出していました。小学2年生、やる気ダウン…イライラアップ。小学2年生になり、娘は特別支援学級の在籍になりました。宿題はこれまで通り、通常学級のみんなと同じ内容で同じ量をやっていました。ところが、だんだんと今までのように短時間で終わらなくなり、娘の宿題に対するやる気も少しずつ減っていきました。Upload By SAKURA答えの間違いを指摘されると、イライラして、わざと汚い字を書いたり…。娘の自我の成長も重なってか、間違ったのを私のせいにしたり、解けないことで癇癪を起こしたりするようになりました。母子の関係が悪くなり、悩み始めたこの頃、娘は放課後等デイサービスに通所しはじめました。小学3年生、みんなと差が開き始めた。放課後等デイサービスに通い始めてからは、娘は宿題のほとんどを施設で終わらせてくるようになりました。私は穏やかに家で過ごす娘を見て、安心していました。しかし、小学3年生になってしばらくした頃から宿題の量はさらに増え、かかる時間もどんどん増えていき...Upload By SAKURAあまりの多さに宿題の量に疑問を抱いたことも多々ありましたが、周りに確認してみても、みんなきちんとこなしてきているよう…私が「遊ばせてあげたい」と思うことは、間違っているのだろうか。「もっと娘にも頑張らせなければいけないのか…?」と、不本意な焦りを感じました。しかし、私が焦っても娘は変わりません。娘の宿題に取り組む姿勢は、どんどん悪化していきました。Upload By SAKURA放課後等デイサービスでの過ごし方が変わった。さらに週に2回、6時間目まで授業が入るようになったことで、6時間目がある日は放課後等デイサービスで1時間半しか過ごすことができなくなりました。そして、滞在時間のほとんどを宿題をして過ごさなければならなくなり、遊べる時間が取れないことがさらなるストレスに...Upload By SAKURA何とかしてあげたいと思い、お迎えの時間をずらしましたが、上手くはいきませんでした。お迎え時、不機嫌な娘をなだめながら車に乗せる…ということが続いていました。「宿題」が不安の種に。その頃から、娘は毎朝学校へ行く前に、その日の宿題を気にかけるようになりました。Upload By SAKURA頑張っても宿題が終わらない、放課後等デイサービスでの時間も楽しく過ごせない...娘はストレスから不安定になり、日常のちょっとしたことでも泣き出すようになりました。Upload By SAKURAこのままではいけない!しかし、どうするべきか...私は決められず悩んでいました。次回に続く...
2019年10月09日小学校の先生に自閉スペクトラム症の疑似体験ができるワークショップを実施!Upload By LITALICO研究所「CREST認知ミラーリングプロジェクト」では、VRを用いて自閉スペクトラム症(ASD)のある人の非定型な視覚を疑似体験するワークショップを実施してきました。その中で、発達障害の子どもをもつ保護者の方から、「ぜひ学校の先生に体験してほしい」という声を多くいただきました。学校では、多様な子どもたちへの教育的ニーズにどのように対応していくかが重要な課題の一つとなっています。2012年の文部科学省の調査で、小・中学校の通常の学級に在籍する生徒のうち、発達障害の可能性があり特別な教育的支援を必要とする児童生徒が6.5%いるとされました。40人のクラスに2~3人いる計算になります。多様な子どもたちが同じ場所で学ぶ小学校において、どのように子どもたちの教育的・生活的ニーズを理解し、応えていくことが可能なのでしょうか。そこで、視覚、聴覚、嗅覚などの感覚過敏・鈍麻への理解を手掛かりにして、小学校の先生たちと一緒に考えました。通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児 童生徒に関する調査結果について | 文部科学省講義やVR体験、そして活発なディスカッションが埼玉県戸田市は、県南部に位置する人口14万人の市で、荒川を境にして東京都に隣接しています。今回ワークショップを行った喜沢小学校は、戸田市の東部に位置する、児童数約370名、全14学級の小学校です。Upload By LITALICO研究所ワークショップでは1.ASDのある人の非定型な知覚についての講義2.VRを用いたASDのある人の視覚世界の疑似体験3.当事者が語る映像の視聴4.感想やアプローチを議論するワークを行いました。講義では、ASDのある人がどのように世界を見ているのか、なぜASDのある人には知覚の過敏や鈍麻が起こりやすいのかといったASDの非定型な知覚の背景にあるメカニズムについて学びました。VR体験では、まぶしい場所やにぎやかな場所でどのように見えているのか、実際に学校の教室がどのように見えるのかを疑似体験しました。ワークでは、実際に小学校に在籍している児童の事例をもとに議論を行いました。子どもたちの行動を表層的に捉えるのではなく、目に見えている行動の背景にどのような要因があるか、そしてそれらの要因に対してどのようなアプローチが可能かを、先生たちと、発達が気になるお子さまの支援を行っているLITALICOジュニアのスタッフで一緒に考えていきました。例えば、「ノートのマス目に合わせて文字を書くことに困難さがある」児童の背景にはどのような特性的要因や、物的・人的環境要因があるかを思いつくかぎりたくさん挙げていきます。Upload By LITALICO研究所先生方は、講義やVR体験を通して感じたこと、思ったことをもとにたくさんの背景要因を挙げ、活発な議論をしていました。さらに、VRで体験した視覚だけでなく、聴覚や固有受容覚などその他の知覚的要因も含めて考えていました。印象的だったのは、形を整えて文字を書くことが苦手な児童の事例に関して、ある先生が「もはや鉛筆とノートで授業を受けるという前提を問い直さなければいけないのではないか」と言っていたことです。学校では、皆が同じものを使って、同じ教科を同じペースで学びます。このような学校の「当たり前」に疑問を持ち、本来多様である子どもたちが、学びやすく過ごしやすい環境についてさまざまなアイディアを出し合っている先生たちは、とても楽しそうで生き生きとしていました。多様な子どもたちに対してどのような手だてを行っていけばいいかということは、それぞれの教室によって、子どもによって異なるため、一律の答えやハウツーを出すことはできません。しかし、子どもたちの行動や発言の背景要因を探り、手立て・アプローチの「引き出し」を増やしていくことで、子どもたちが学びやすく過ごしやすい学校環境につながります。参加した先生方に感想を伺いましたワークショップに参加された先生2名に感想を伺いました。1人目は福田先生です。Upload By LITALICO研究所―― ワークショップに参加されていかがでしたか?福田先生:以前クラスにASDのある生徒がいたのですが、今日の内容をもっと早く勉強していたらその子への対応が変わっていたと思い、すごく反省しています…。保護者の方から「感覚過敏がある」と聞いていて、知識としては理解していたのですが、VR体験をするまで、ピンときていなかったなと思いました。やはり、経験してみないと分からないですね。先にVR体験をしていたら、座席配置を工夫するなど、もっと別のアプローチが可能だったと思います。今日の研修で、できることの引き出しが広がりました。ありがとうございました。2人目は横地先生です。Upload By LITALICO研究所―― ワークショップに参加されていかがでしたか?横地先生:クラスに、聴覚過敏があり、小さな音でもすぐにびっくりする子が在籍していたことがあります。その子が音に驚くと、他の子どもたちも反応して、クラス全体が騒がしくなってしまいます。今日の研修で、聴覚過敏のある子には、同じ音でも、他の人よりも大きく聞こえているかもしれないということが分かりました。これまでは(驚いて騒いでしまう子や、それに反応して騒がしくなるクラス全体に対しても)静かにさせる方向で指導していましたが、なぜその子が驚くのか理解できたので、少し待ってみる、そもそも音が出にくいように教室の環境を工夫するなど、今後は別のアプローチも試してみようと思いました。他の先生方からも、「同じものを同じ場で同じように提供したとしても、人によって見え方、感じ方が異なってくることを頭に入れながら、今後の授業に生かしていきたいと思います」「子どもの困難さの要因は、考え方次第ではたくさんあり、自分の考え方が少し広がったように感じます」などの感想をいただきました。今回のワークショップでは、同じ学校の先生同士で、実際に明日から学校でできる手立てを議論することができました。とても有意義な時間になったように思います。目指す学校像とは?校長先生に聞きました喜沢小学校校長の手塚浩先生に、ワークショップを実施しようと思った動機や感想、目指す学校の在り方などを伺いました。Upload By LITALICO研究所―― どうして研修を実施しようと思われたのですか?校長先生:学校には障害のある子だけでなく、外国籍児童など本当に多様な子どもがいます。一人ひとり価値観も育った背景も違う、多様な子どもたちがいるなかで、学校教育がその子たち一人ひとりにあった十分な支援や指導ができているのかというと正直難しいというのが現状です。さらに通常学級は30人、40人いますから、どうしても個人を集団に適応させようとしてしまいがちです。そこで、研修を通して先生たちに、障害が個と周囲の環境との間にあるということを学び、子どもたちに対するさまざまなアプローチを知ってほしいと考え、研修をお願いしました。―― 研修はいかがでしたか?校長先生:先生たちは、人によって見え方に違いがあることをVRで体験して、新鮮な驚きがあったと思います。そして、当事者の方はこれだけの生きづらさや苦労があることを知り、ではどうやって支援していけばいいのだろうかということに関して新しい気づきがあったのではないでしょうか。―― 今後もこのような研修を続けるご予定でしょうか?校長先生:今後も続けて研修を行っていきたいです。特別に支援を要する子たちへの支援は一人ひとりそれぞれ違うので終わりがありません。そしてその分できることも無限にあり、今後もさまざまな研修をして多様な子どもたちに少しでも対応できるような教育をしていかなければいけないと思っています。―― 手塚先生が目指す学校とは、どのような学校でしょうか?校長先生:本校では、障害のあるなしや国籍は関係なく、どの子も実社会につながる学びを進めています。学校のなかには通常学級や特別支援学級といった多様な学びの場がありますが、将来的には全ての子が社会の中で生きていかなければなりません。そこにつながる学びを学校教育として行っていく必要があると思っています。そのためにはまず、全ての子が楽しいと思える居場所と必要な学びへのアクセスを保障していかなければいけません。やらなければならないことはまだまだたくさんあると思っています。戸田市全体で行っていることですが、STEAM教育、PBL(プロジェクト型学習)、協働的な学びなど、これからの時代を生きる子どもたちに必要な新しい学びも取り入れていきます。今後も全ての子どもを伸ばす、全ての子どもの良さを伸ばす学校を目指していきたいと思います。「CREST 認知ミラーリングプロジェクト」のこれから今回は、学術研究の知見を小学校という教育現場で共有するとともに、先生たちが子どもたちの行動の背景要因を理解し、対応するための選択肢の幅を広げる取り組みとして、戸田市立喜沢小学校の先生方に向けて行った、ASDのある人の知覚を学ぶワークショップについてレポートしました。ASDのある人の「非定型な知覚」を理解すると聞くと、障害が個人にのみ起因しているように感じるかもしれません。しかし、周囲の環境が変わることで、当事者が感じる困難さを軽減することができます。例えば、脳に入ってくる情報の取捨選択が難しいことで、見え方にノイズが起き、授業に集中できなくなってしまう場合。教室の掲示物を減らしたり、仕切りを使用したり、イヤーマフの使用を許可したりすることで、これまでよりも学びやすくなったり、生活しやすくなったりするかもしれません。「CREST 認知ミラーリングプロジェクト」では、今年度、学校、少年院、企業などでASD知覚体験ワークショップを行っています。その様子を今後も報告していきますので、楽しみにしていてください。撮影:鈴木 江実子
2019年10月08日はじめまして、発達障害児親の会・青い鳥ですはじめまして、青い鳥・中の人です。ご縁があり、こちらでコラムを書かせていただけることになりました。青い鳥とは、ツイッターから生まれた親と支援者のつながり「発達障害児親の会・青い鳥」のことです。みんなで緩やかにつながりながら、いろいろな課題について考え、解決を目指したいと思っています。よろしくお願いします。発達障害の子どもが使いやすいアルトリコーダーをつくりたい出典 : 青い鳥では先日より「発達障害の子どもの使うリコーダー」について考えています。青い鳥メンバーのひとりから「発達性協調運動障害の子どもにも使いやすいシリコンキーがついたソプラノリコーダー〈NUVO リコーダープラス〉にアルトリコーダーもあればいいな」という話が出たことから始まりました。そこで、実際にどのくらいの子どもがNUVOのような補助具がついたリコーダーを使っているのかなどについて、発達障害児親の会・青い鳥では、発達障害の子どもの保護者を対象にアンケートを取りました。アンケートの回答の中で、シリコンキーのような補助具がついたリコーダーの使用について19%が「学校の先生は理解もなく使用も許可してくれない」を選択していたことについて、私たち青い鳥のメンバーは大変驚きました。「理解はないが使うことは黙認してくれている」という回答と合わせると約32%になります。保護者3割が、現場の先生方はこういった補助具の利用に対してあまり快く思っていないと感じていることが分かりました。参考:発達障害の子どもが使うリコーダーについてのアンケート結果 | note 関西さえずり参考:シリコンキーつきリコーダー| NUVO リコーダープラス合理的配慮の範疇ではない?聞き取りで分かったことみなさんは〈合理的配慮〉という言葉をご存知でしょうか。文部科学省のホームページの「合理的配慮について」によると、障害者の権利に関する条約において「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」と定義されたもの、とされています。そして、合理的配慮の提供として考えられる事項に「(ア)教員、支援員等の確保(イ)施設・設備の整備(ウ)個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮」と挙げられています。参考:合理的配慮 | 文部科学省今回私たち青い鳥が注目した、発達障害の子どもにも使いやすいシリコンキーのような補助具つきリコーダーの持ち込みは「(イ)施設・設備の整備」に当たると考えられ、個人で購入して使用する分には十分に合理的配慮の範疇に収まるものと考えています。しかし現実には難しいというのは、いったいどういうことなのでしょう。さらに聞き取りを進める中で上がったのが、「子どもの障害特性に応じてそれぞれにとって使いやすい道具を学校で使うのはリコーダーに限らず難しい」という声でした。例えば発語の少ない子どもが使う個人用の絵カードブック、手の力が弱い子どもが使いやすい軸の太いシャープペンシル、大きな音が苦手な子どもの音を防ぐためのイヤーマフ、文字を書くことに強い困難さがある子どもが使うためのタブレットやパソコンなど。これらを個人で購入したものであっても学校内で使用することを認めてもらえず、何度も交渉を重ねて持ち込むことが許可されたという話がたくさん出てきました。こういったものを使うことができない理由として多かったのが、次のようなものです。・ほかの子どもは使っていないから・使っていない子どもに「ずるい」と言われる・ほかの子どもも使いたがったらどうするのかつまり「みんなと違う」ということが理由で、自分に使いやすい道具・自分に必要な道具を学校で使うことができないのです。さらに「頑張ればみんなと同じようにできるはず」とされ、発達障害の子どもたちにとっては大変困難なことに対して努力を強いられている実態が見えてきました。合理的配慮の例え話でよく言われるのがメガネの話です。目が悪い人の多くはメガネやコンタクトレンズを使用しています。目が悪い人に「みんなメガネをかけてはいないのでかけないで下さい。一生懸命見ていれば見えるようになります」とは言いません。当たり前にメガネをかけて生活しています。なぜなら、視力の悪い人はメガネをかけることで不便を感じることなく物を見ることができるからです。これが合理的配慮です。障害のある子どもが使いやすい道具はメガネと同じようなものです。発語の少ない子どもは絵カードを使うことで自分の思いを伝えることができます。手の力の弱い子どもは軸の太いシャープペンシルがあればノートを取ることが容易になるでしょう。不器用でリコーダーのトーンホールを押さえるのが難しい子どもが補助具付きのリコーダーを使えば、クラスメートと合奏して音楽を共に楽しむことができます。これらの経験は、決して特別なことではありません。障害がないとされる子どもであれば、皆が学校で経験している当たり前のことです。当たり前を当たり前にしてくれるのが使いやすい道具であり、その道具の使用を求められた場合はそのための環境を整えることが合理的配慮です。使いやすい道具を使うのは、悪いことではないよ出典 : 現在の学校は「みんなと同じ」であることがとても大切にされていると感じます。こういった公平さが大切になる場面もあるでしょう。しかし、その公平さは全ての場面で適用されなければならないものではないと思います。みんなと同じが良いこととされる価値観の中でひとりの子どもだけが違うものを使うことは、現場で指導されている先生にはさまざまな場面で難しいことが出てくるかもしれません。そのときは、私たち保護者と手を取り合って、子どもを見守るパートナーとして、どうすれば子どもたちに「使いやすい道具を使うのは悪いことではないよ」と理解してもらえるか一緒に考えませんか?合理的配慮というと難しいことに聞こえますが、使いやすい道具を使うという小さな一歩から始めることができたらいいな、と思います。
2019年10月08日はじめまして。毎日子どもに回られている母親ですUpload By 丸山さとこはじめまして、丸山さとこと申します。回る物が好き、自分自身が回るのも好きな小学4年生の男の子の母です。今日も息子に周囲をぐるぐると回られています。Upload By 丸山さとこ私はASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)です。息子のコウと夫の3人で暮らしています。コウも私と同じくASD・ADHDで、ストラテラを服用しています。幼児の頃、おもちゃの車を逆さまにしてはガラガラとタイヤを回していた彼は、小学生になった今でも回る物と回ることが大好きです。そんな彼が回りはじめたら「止まろう」と言っても全く止まりません。肩を押さえたりしてもキャッキャと喜ぶばかりで、手を離せば再び回り始めます。Upload By 丸山さとこ「コウ、お母さんの顔を見て。お母さん、笑ってる?」「お母さん、何度も止まってって言っているよ。無視していない?」と言うとハッとして止まれるコウですが、そうして止めるとしばらく落ち込んでしまいます。気持ちの切り替えが苦手な彼は、一度落ち込んだりすると少し復活してもまた崩れやすくなりがちです。学校から帰った後に私の周囲を回りたがる時はそもそも気持ちを落ち着けたい時や元気を出したい時だったりするので、あまり気持ちを凹ませずに回転を止めたいところです。回る子ども(自称衛星)を止める方法Upload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこコウの遊びに付き合う形で終わりにすると、彼も明るい気持ちのまま次の行動に移れるようです。「あと3回まわったらね」などの言葉によって段取りをつけると気持ちが崩れてしまうコウも、「衛星の終わり」を作ることで「衛星」から「コウ」になって気持ちが切り替えやすくなるのかもしれません。とはいえ、彼の感性や思考回路には謎が多いので、”たまたま方法が上手くはまることもあるんだなー”と考えて、これからもあの手この手でゆるく関わりながらコウとの生活を続けていこうと思います。
2019年10月07日お風呂なんか嫌い!むっくんはお風呂が苦手…というか嫌いです。「お風呂だよ」と声をかけただけでご機嫌斜めになります。Upload By ウチノコお風呂に入れたい私と、入りたくないむっくんとの間で、日々繰り返される不毛な戦い…。Upload By ウチノコどうしてそんなに嫌がるの?むっくんが嫌がる理由をよく考えてみたら、•声をかけるタイミングが大人の都合•特性により急な切り替えが苦手•疲れでコンディションが悪い時間帯•お風呂は音や触感などの刺激が多く苦手意識が強い•お風呂では、やることが多く見通しを立てることが難しい•理屈で理解することが大切な子だが、お風呂の必要性を聞いても実感するには年齢的にまだ難しい辺りかなぁと。子ども目線で考えると、お風呂って面倒だよなぁ。うん、楽しくない。大人ですらこの番組終わったら~とか、キリ良くいかないと重い腰が上がらない日もありますものね。それでもこちらはさっさと子どもの風呂を終わらせたいわけで、毎日お風呂の時間が近づくと今日も今から一戦かぁと、憂鬱になっていました。しかし!とある救世主のおかげで、この夏の間はむっくん毎日大喜びでお風呂に入ってくれたのです。あんなに先伸ばしにしていたお風呂に、園から帰宅後すぐに入りたがるほどの変貌ぶり!Upload By ウチノコ救世主は手作りおもちゃ我が家の救世主はこちら!Upload By ウチノコおもちゃの氷漬けです!作り方は簡単!手持ちの小ぶりなおもちゃを水に入れて凍らせただけ。なんてリーズナブル。(恐竜なのは、子どもたちのお気に入りの安価なおもちゃというだけで深い理由はありません)触って良し!眺めて良し!ほじくって良し!磨いて良し!溶かして良し!見た目も子どもの興味を引く要素がばっちりで、感覚刺激もしっかりある。しかも散々遊んだ後には、子どもが大好きなおもちゃ入りバスボムのように、おもちゃが飛び出してくる手はずになっています。見慣れたおもちゃだって氷の中から現れると、再びアイドルの座に返り咲くから不思議!容器を替え、食用色素で色をつけ、中のおもちゃも変化させ、アレンジも色々で飽きさせない努力も可能です。Upload By ウチノコUpload By ウチノコただ、ひとつ注意点がありまして。水が氷になるときの膨張する力ってすごくて、結構容器が割れてしまうので、かき氷の製氷容器のように凍ることを前提に作ってあるものを使う方がいいかもしれません。Upload By ウチノコUpload By ウチノコおもちゃが凍る様子は興味深いようで、氷づくりもむっくんがやってくれる日もあり、ノータッチでますます楽ちん♪母も子も嬉しい、我が家の大ヒットおもちゃとなりました。Upload By ウチノコさすがに夏の終わりと共に飽きてきたようですが、冬場は入浴剤がいい仕事をしてくれるので活用していこうかなと思っています。発泡系なんて最高に喜ぶしね。そしてまた忘れた頃に氷登場。完璧な計画です。Upload By ウチノコ楽しむことを大切に支援方法は…という話も大事かもしれませんが、そもそも楽しくなくちゃやってられません。「楽しくもないお風呂に自ら進んで入れるように!」なんて無理な話、と潔く腹をくくり、楽しくないお風呂をどうやって楽しいものにするのか、わくわくできるのか?を考えるようにしています。親は鬼上司(子ども)に発想力と企画力を試される日々です。だけどそんな日々も、むっくんに好きな子ができて「くさいって言われたくないから、俺風呂入るわ!いい匂いの高いシャンプー買えよ!」なんて言い出すその日まで。あ、想像したら泣けてきた…。子どもと過ごせる今だけの特別な時間。大変なときもありますが創意工夫で楽しんで過ごせたら素敵だなと思っています。
2019年10月04日娘の同級生のお母さんとの会話から娘が高校3年生の時のことUpload By 荒木まち子当時、我が家では子どもの通院や入院の保険は親の生命保険に家族特約を付けて補っていました。個人賠償責任保険(他人を怪我させてしまったり、他人の物を壊してしまったりしたときの補償)は自動車保険に個人賠償責任特約を付けてカバーしていました。また学資保険にも加入していたので、我が家は娘が未成年の間は娘自身が保険に入る必要はないと考えていました。娘が19歳の時娘が就職して2年目。前の年に比べ勤務状況も安定し、毎月の収支の目途が立ちやすくなってきたので、私達は保険の資料を集め始めました。Upload By 荒木まち子知的障害や発達障害、ダウン症やてんかんがあっても加入できる保険届いたパンフレットによると保険の保障内容には死亡や入院、通院、個人賠償責任保険の他に権利擁護費用保険(※)が含まれていました。(※)法律相談費用、弁護士委任費用、弁護士接費用同封されていた支払い事例集には「病気やケガによる支払い」の他に「いじめやパワハラの相談」「携帯電話などの購入などに関する相談」「痴漢と誤解されたときの相談費用の支払い」のなどが具体的な事例が記載されていました。Upload By 荒木まち子資料を見て安心した娘は、その後しばらく申込書を放置していました。20歳になってしばらくして娘が血相を変えて会社から帰って来ました。Upload By 荒木まち子社会人になり行動範囲が広くなった娘は、一人での外出の機会も増えました。今回のようなケースに限らず娘は今後、さまざまなアクシデントに遭遇することでしょう。娘は押しの強い相手に言い返すことができません。強引な勧誘や詐欺など、相手が悪意を持って接してきた場合、それを上手くかわすことは難しいということは娘自身も十分自覚しています。娘は他人に危害を加えるタイプではありません。また小さいころに比べ近ごろは大きな怪我や病気をすることもなくなっていたので、娘は保険に対してのんびり構えていたようです。しかしながら今回のことで「やはり自分には保険(特に権利擁護費用保険)は必要」と思ったようです。娘は埋もれていた資料を引っ張り出してきて、自分の給与で無理なく保険料が払えそうな補償プランを選び、申し込みをしました。ニーズに合った保険を探す最近は自転車損害賠償責任保険加入を義務化する地域、自治体も増えてきています。令和2年には新たに知的障害・発達障害等のある人とその家族向けのがん保険(※)の販売も予定されているようです。(※)特徴としては①保険に加入する際に、知的障害等の治療に関する告知が不要。②家族ががんの重度状態(StageⅣ)となった場合に、知的障害等のある人を被後見人とした成年後見制度を利用するための費用を補償する「がん成年後見費用等補償特約」をセットできる。子どもや親の年齢、子どもの障害の種類や特性、行動範囲などによって必要な保険は違ってきます。これからもアンテナを張って最新の情報を集め、自分達に合った保険選びをしていこうと思います。参考:神奈川県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例 | 神奈川県
2019年10月03日学校選びで後悔しないために…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時のご参考に、うちの経験を元にした、「発達障害目線」からの志望校選びのポイントを2回に渡ってお伝えするコラムの<後編>です。<前編>では、「その子に合った環境なら、多少の個性の違いは気にならない」ことだってあるので、その子の個性を活かしやすい、前向きな環境選びのポイント4つをお伝えしました。ただし、どんなに素晴らしい学校に出会ったとしても、受験期も入学後も「現実の壁」に突き当たることもあります。特に、人一倍感受性の強い子や、真面目で思いつめやすい子なら尚更影響が大きいでしょう。万が一、入学した後で「学校に行くのがつらい」「やめたい」となった場合、そこからリカバリーし軌道修正していくのは、親子共に多大なエネルギーと時間が必要になってしまう可能性も(でも、もし、そうなったらなったで「なんとかなる」と親子で思えることも大事です!)。今回の<後編>では、入学後に「こんなハズではなかった」「知らなかった、聞いてなかった」と親子で後悔するリスクを減らすために、事前によく調べた上で、親子でじっくり話し合い検討しておいたほうがいいと思う、現実的なポイント3つを中心にお伝えします。出典 : もし、お子さんが希望の学校に合格しても、満員電車や遠距離通学の負担等が大きくて学校に通えなかったら、つらい想いを経験してしまいます。どんなに素晴らしい学校でも「現実的に我が子が自分で通えるか」は、よく検討したほうがいいでしょう。うちでは早い段階から、「ドア・ツー・ドアで片道1時間以内、電車の乗り換えは1回まで」の学校にまず絞ってから、志望校選びをしました(また、現在長男は「通勤通学の混雑時間帯を避けて、早めに登校する」などの工夫もしています)。感覚過敏があり身体接触が苦手な子や、自律神経や思春期のホルモンバランスの乱れから、起立性調節障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群などの傾向がある子は特に、毎日の通学負担は無視できないポイントです。また、発達障害のある・なしに関わらず、特に思春期の女の子は、混雑路線の電車通学や、部活動等で帰宅時間が遅くなるのも心配でしょう。・自転車通学やスクールバスなど、電車以外の通学手段もあるか・電車通学でも「乗り換えが少ない」「混雑路線や混雑駅を避けられる」等のルートがあるか・体調に不安のある子は、途中駅に寄りやすいトイレがあるか・学校・駅周辺の夜間の街灯の設置や治安はどうか・万が一の災害やトラブルなどの時に、親が迎えに行くまでどのくらいかかるか(自宅・職場からの距離など)…などをチェックし、できるだけ負担の少ない通学手段・時間を選べるといいでしょう。併発している疾患がある場合には、主治医ともよく相談し「どの程度の負担までなら大丈夫そうか」意見を聞いてみるのも大事です。また、通学の負担の「体感での」確認は、見学会・文化祭等で学校に足を運ぶ度に、「実際に使用する通学手段・ルートで(できれば、同じ通学時間帯で)」親子で何度も体験・確認するのがいいでしょう(この過程で、子どももある程度慣れることもあります)。出典 : 発達障害のある子の中には、IQ(知能指数)の非常に高い子や、寝食を忘れて勉強に没頭できる子、人並み外れたガッツがある子などもいて、いわゆる「超難関校・超進学校」の中にも「入学してみたら、類友ばかり」なんて話も…。でも、そういったタイプ以外の子には、ただでさえ中学受験勉強は、まだまだ幼い小学生には負担が大きなもの。ましてや、過度なストレスやプレッシャーに弱い子は特に、精神的に不安定になったり、余計に集中力や注意力が落ちてしまう可能性も(特に、現在二次障害があるお子さんは、受験勉強を始める以前に、まずはそのケアと解決が最優先でしょう)。子どもの健全で健康な発達には、十分な睡眠やあそびの時間も大切な栄養なんです。そして、発達障害に限らず、過剰な受験勉強を強いられて、心身の健康のバランスを崩し、その後の学校生活や思春期の人格形成に影響したり、燃え尽きて生きる意欲を失ってしまう…などの教育虐待や、過剰な受験競争・学歴偏重社会の影響も、昨今、国内外問わず問題視されてもいます。偏差値や知名度だけを見ていたら、「その子にとって」本当にいい学校・合っている環境が見えにくくなるかもしれません。それに、少し先の大学受験を視野に入れる場合も、近年の大学入試での推薦・AO型入試の増加傾向等から、「より偏差値の高い学校が、より偏差値の高い有名大学に入りやすい」とも限りません。世の中の価値観が多様化していく中で、学校・大学の偏差値順のランキングも存在意義が薄れつつあるようにも思えます。また、正直な話、進学校で学力的にギリギリ合格ラインだと、入学後に中高一貫校の進度の早い授業スピードについていけなかったり、大量の宿題がこなせなくて、不登校になるお子さんも少なからずいるようです。ですから、あくまで1つの考え方ではありますが、その子のペースで無理のない受験勉強をし、入学後も余裕を持って勉強に励むことができる、「背伸びし過ぎない」難易度の学校を選ぶのも、私には賢い選択のように思えます。苦手なことや失敗が多くて自信をなくしがちな子でも、比較的上位合格できる学校や、得意分野の強みを活かせる学校で、「できる子」として扱われて自信をつけるのもアリでしょう。こういった受験生の過剰な勉強の負担を考慮し、1科目・2科目入試、選択科目入試、推薦・AO型入試等、多様な入試方式を採用する学校も増えていますので是非、早めのチェックを。そして実は、「中高一貫」だからと言って、無条件に全員が高等部に進学できるとは限らない場合もあるのは、注意したい点です。高等部進学に際して、「成績評価に1がないこと」「進学試験にパスすること」などの一定の条件が課せられる学校もあるからです。また、学校によっては、成績不振の生徒にはさりげなく転校や、他校の高校受験を勧められる…なんて話も時々あるようです。その子の進路に関わる大事なことなのに、入学後に「聞いてなかった」「知らなかった」というリスクは大き過ぎます。こういった情報は説明会ではどの学校でもあまり触れられませんでしたが、もし、学習面で不安がある場合、在校生や保護者の方に実情を訊ねてみるといいでしょう(高等部進学に関する規定は、生徒手帳の校則等に書いてある場合もあります)。記事 「教育虐待をしないために親に心がけてほしいこと」おおたとしまさ出典 : そして最後に、いじめの予防と対応です。特に、発達障害のある子は「みんなと違う」ことで、いじめの対象になりやすく、また、親や先生に上手に相談できるスキルが弱くて深刻化しやすい傾向があると私は思っています。特に思春期は、その子の人格形成においてとても大事な時期なので、「いじめのない学校を」と希望されるご家庭も多いでしょう。でも、残念ながら、「家庭環境に恵まれた子が多いから」「この学校は優秀なお子さんが多いから」…等の理由で、私立中学にいじめがないとは言い切れません。また、学校の口コミサイトなどに「いじめはありません」等と書かれていても、鵜呑みにしないのが賢明です(状況は日々変化する上、書き込んでいる人の立場によって「いじめの事実」が見えないこともありますから…)。つまり、どんな学校でも「いじめは起こるもの」を前提に、事前にできる予防の対策をし、発生後に迅速に対応できる体制があるか、を見るといいでしょう(特に私立は、教育委員会などの上位組織もなく、何かあった時に学校内で収めてしまいがちです)。・校舎の造りや雰囲気(照明や採光の明るさ、防犯設備の有無、掃除や掲示物の状態など)・スクールカウンセラーの配置や外部機関との連携体制があるか・先生と生徒、先生同士のコミュニケーションが取れているか(職員室の配置や様子、先生の親しみやすさなど)・情報の公開性(学校に不利・不都合な情報でも公式HP等で公開し掲載されているか、など)…などの「風通しの良さ」が、いじめ対応のポイントだと、私は思います。こういった雰囲気は、なかなか外からはハッキリと見えにくいものですが、全体的に明るくオープンで「空気が軽い」印象がする学校は、ある程度いじめに対して、心理的な予防効果があるように思います。また、先生方のコミュニケーション力は、いじめ対応においても、とても大事な要素でしょう(特に管理職)。見学会や説明会の際、挨拶程度でもいいので、校長先生や教職員を見かけたら話しかけてみるといいでしょう。また、文化祭や最寄駅などでの、在校生同士の様子や表情の豊かさなども参考になると思います。子ども自身の意思がなければ、どんな環境でも適応が難しいから…出典 : 最後に…もっとも大切なのは、やはりお子さん自身の意思です。そしてご承知の通り、現実的には受験は合格・不合格があり、必ずしも希望が叶うとは限りません。それでも、第一志望以外の学校でも気持ちを切り替えて前向きになれる子はいいのですが、それがなかなかできなかったり(親のほうが結果を受け容れられない場合も)、親や塾から無理矢理勧められた学校に不本意ながら通うお子さんは、その後の学校生活への適応が難しくなる傾向があると聞きます。実際、長男の中学でも、入学直後から情緒が不安定だったり、数ヶ月で不登校になるお子さんも何人かいました。どんな学校でも、どんな環境でも、本人の意思を伴わなければ不満やストレス、環境への違和感を、より強く感じやすくなるのだと思います。ですから、元々気持ちの切り替えが苦手な子や、真面目で思いつめやすい子は特に、お子さんが本心から「行きたい学校」「行ってもいい学校」しか基本的に受験しないことを、私はオススメしたいです。うちの長男の場合、中学受験以外の選択肢も含めて、小学校卒業以降のあらゆる進路の可能性を親子で検討しましたが、結局、本人が気に入った第1志望1校だけを一般入試とAO型入試の複数回受験し、他校は受験しませんでした(もし、不合格だった場合は、「公立中学に在籍しつつ、自治体の教育支援センターとホームスクールの併用で前向きな不登校」という選択が、うちの「滑り止め」でした)。ここまで2回に渡って、うちの経験から私立中学の志望校選びのポイントを「発達障害目線」でお伝えしましたが、なかなか、ご家庭の全ての希望を満たし、尚且つ、現実的に合格可能な学校と出会うのは難しいかもしれません(特に、うちのような地方在住の場合、私立学校の選択肢も少ないでしょう)。その子にとって「絶対に外せないこと」「ある程度妥協できること」「そんなに気にならないこと」などの優先順位をつけながら、親子でよく話し合って志望校を比較検討されるのがいいでしょう(一覧表にして点数などをつけるのもいいですよ)。でも、中学受験に限らず、「どんな環境でなら、その子らしく生きていけるのか」その子の個性と相談しながら、親子で一緒に探っていくこと自体が、自立に向かうための大事なプロセスだと私は思っています。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』2017年/刊/ポプラ社
2019年10月02日僕はゲームを30000時間やりましたはじめまして。『ゲームは人生の役に立つ。』という本を書いています。小幡和輝と申します。Upload By 小幡和輝いきなりですが、僕は不登校でした。幼稚園から休みがちで、小学2年生からは完全に不登校になり、それから中学3年生までほとんど学校に行っていません。その期間はほとんどゲームをしていて、これまでに30000時間以上はゲームで遊んでいます。この30000時間という数字がどれくらいかというと1日8時間遊ぶことを1年間やり続けると約3000時間なので、それを10年間毎日やり続けるくらいです。それくらい僕はゲームに没頭し続けました。いまでもゲームが大好きです。僕の話をもう少しすると、高校からは定時制高校に通いはじめて、大学にも通い、自分の会社を立ち上げ、いま幸せに生きています。これはゲームをやっていたからだと心から断言できます。勉強も運動もできなかった僕が唯一輝けたもの。それがゲームでした。ゲームを通じてたくさんの友達ができました。この記事では、僕の体験を通じて、ゲームはコミュニケーションツールになるということをお伝えできればと思っています。不登校の子どもたちがゲームで笑顔にUpload By 小幡和輝僕は今年の夏、47都道府県すべてを周って不登校の当事者と会ってきました。約1000人との交流の中でゲームがコミュニケーションツールになった場面がたくさんあります。ずっと大人しくて、まったく話さなかった子がゲームの話になると目をキラキラ輝かせて、自分が好きなゲームのことを話し出してくれました。ちょうどそのゲームを持っているというので、みんなで一緒に遊ぶことに。お互いにはじめましてだった子どもたちが終わるころにはみんなが仲良くなって、LINEを交換したりしている姿を見たとき、改めてゲームの魅力を感じました。親御さんが、子どものやっていることを理解していないという課題日本を一周して感じたことは、子どもがやっていることを理解していない親御さんが非常に多いという課題です。例えば「子どもが家でゲームをしている、小幡さんみたいにゲームで友達を作って欲しいのですが、なかなか上手くいきません」というご相談がありました。ここで驚いたのが、「お子さんはどんなゲームをやってるんですか?」と聞いてみると、「詳しいタイトルとかはわからないです」という親御さんがとても多いんですね。これでは何もはじまりません。”スプラトゥーン”をやってる子どもに”フォートナイト”をやろうというわけにはいかないのです。これはサッカーが好きな子に、野球をやろうと誘うのと同じなので。不登校の子の親御さん同士が繋がって、もしその子ども同士が同じゲームにハマっていたらそこで一緒にやろうという話になるかもしれない。でも、ゲームタイトルがわからないのでは繋ぐこともできません。これはYouTubeなどでも言えることで、「子どもがYouTubeを見ている」というのは、テレビを見ている。音楽を聴いてる。レベルの抽象度です。YouTubeでどんなチャンネルを見ているのかがわからないとそこで話が終わってしまいます。ゲームとか、YouTubeとかっていう抽象度ではなく、どんなゲームをやっているのか、子どもはどれくらいの実力なのかというところまで理解できると、「じゃあこんな人と会ってみない?こんなイベントに行ってみない?」という誘い方ができるようになります。まずは子どもがやっていることを正しく理解するところからスタートしてみてください。プロゲーマーレベルの才能が埋もれていた一つ具体的なエピソードを書きます。子どもたちとの座談会で一緒にゲームをしました。来ていた子どもの中には大会で優勝経験もあり、すでにプロゲーマークラスの子がいて、一緒にゲームをしていると、一緒にやりたそうに見ていた子が近くに来ました。「じゃあ一緒にやろう」と誘ってみると、僕はもちろん、なんとプロゲーマークラスの子どもにも勝ってしまったんです。その子の親御さんはゲームに反対で、どうやって辞めさせるかを考えていました。もちろん大会などに連れて行ってくれるわけもないですし、その子は家でもあまり居心地がよくなかったでしょう。一方でプロゲーマークラスの子どもは親御さんもゲームが大好きで、大会にもどんどん連れて行くし、ゲームを通じて多くの友達ができています。この差は親が作り出したものです。もし将棋や囲碁ならどうでしょうか?自分の子どもがプロ棋士レベルに勝ったら嬉しいし、その才能をどんどん伸ばしてあげようと思うのではないでしょうか。子どもの才能を伸ばしてあげるのは親の役目なのではないでしょうか。ゲームを教える家庭教師の可能性実は海外だとゲームを教える家庭教師が存在します。プロゲーマーが職業として一般的に認められているので、プロゲーマーを目指すための家庭教師が徐々に広がってきたんですね。日本ではまだまだ厳しいと思いますが、僕はプロゲーマーを目指すものではなく、教育プログラムとしての習い事にゲームを使えないかと考えています。ゲームを通じて脳を鍛え、不登校をはじめ、コミュニケーションが苦手な子どもがゲームを通じて人と関われるようになっていく。ゲームが強くなって大会で結果が出ることで自己肯定感が高まっていくなど、ゲームを通じた教育に繋げる家庭教師の可能性を感じています。実は9月から試験的にはじめているのですが、とても評判がいいです。僕はこれから、囲碁や将棋を習うように、ゲームを習う文化を作っていきます。参考:日本初、ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』(@nagomiobata)(@nagomiobata)小幡和輝オフィシャルブログ
2019年10月01日最新ガジェット無料体験やプログラミング体験コーナー、そして子どもの成長が詰まった発表が見どころ前回約1万人が来場し、大好評を博した「ワンダーメイクフェス」。6回目となる「ワンダーメイクフェス6」は、11月9日(土)・10日(日)の2日間、日本科学未来館7階で開催されます。「ワンダーメイクフェス」は、プログラミングやロボット、デジタルファブリケーションといったテクノロジーを活用したIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」が主催するイベントです。子どもたちと社会との接点を増やすことを目的に、通塾生の作品発表会として、年に1回開催されています。2015年の初開催から回を重ねるごとに内容・規模ともに大きく進化しており、通塾生に限らずたくさんの子どもたちが楽しめる子ども体験型プログラムも盛りだくさん。当日は、・ITやものづくり系企業によるワークショップ・展示・プログラミング体験コーナー・子どもたちによるゲームやロボットのプレゼン発表など、休日に親子で気軽に楽しめ、ためになるコンテンツが盛りだくさんのイベントです♪「ワンダーメイクフェス6」特設サイトワンダーメイクフェスへの参加を通じて学んだことを活かし、AO入試に合格前回大好評だった、注目のIT企業による最新ガジェット体験・展示だけでなく、LITALICOワンダー通塾生の作品発表も見どころのひとつです。LITALICOワンダーへの通塾やワンダーメイクフェスへの参加を通じて学んだことを活かし、AO入試で大学に合格。現在大学生活を楽しんでいる睦さんへ取材しました。Upload By 発達ナビニュースプロフィール:睦(さとし)さん現在大学1年生。2018年6月から約2年、LITALICOワンダー蒲田に通塾。たまたまワンダー川崎の前を通った睦さんのお姉さんが、「ブロック好きな睦にぴったりの場所かも!」と当時高校2年生だった睦さんに紹介したことがきっかけで入塾。好きが高じて制作したロボットのコマ撮りアニメーションを大学のAO入試で発表し、見事合格しました。「大学はパソコンの授業が面白いです。ソフトウェア上の楽器を使って、プログラミングで音楽をつくったりすることもある」と大学生活について慎重に言葉を選びながら説明してくれる睦さん。これから挑戦してみたいことを聞いてみると、「ロボットのデザインと、そのアニメ化をやってみたい」と返ってきました。そんな睦さんにLITALICOワンダーと出会う前のことを聞いてみると、「数字の理解が苦手だったので、そこの部分に自信がなかった。できないことが多かった」と話してくれました。小学5年生のときの先生との出会いで、少しずつ睦さんは変わっていきます。睦さんのこだわりのロボット作品をはじめて見た先生はすぐに「美術クラブで作品をつくってみたらどう?」と提案。はじめは戸惑うことも多かった睦さんでしたが、大好きなロボットの作品を通して、次第に周りの子どもたちとも打ち解けていきました。高校受験は、学力試験がない代わりに面接や自己アピールをする受験方法で入学。高校の先生も睦さんのものづくりの才能を認め、以前から興味のあった映画制作にも挑戦。そしてLITALICOワンダーに出会ってからさらにものづくりへの情熱は加速していくようになります。Upload By 発達ナビニュース高校2年生でLITALICOワンダーに入塾した睦さん。ロボット制作への探求心はロボットプログラミングへも派生していきます。そして睦さんのつくったロボット作品を起点に、同年代の子どもたちやスタッフとも活発にコミュニケーションをとっていきます。苦手だった企画や言葉の整理などは、大好きな本やネットで調べたり、自分から周りの人の助けを借りてどんどん自分で解決していけるようになりました。LITALICOワンダーでは、興味やスキルを生かした進路の相談をしたり、制作のアドバイスをもらったり。「パソコンの専門用語が多くて、大学の授業は難しい。ワンダーでは分かりやすく教えてもらえていたが、大学だと1度でやらないといけないこともあったりして…。」と睦さんの本音も聞こえてきました。睦さんがはじめてワンダーメイクフェスに参加したのは高校2年生のとき。大好きなアニメのキャラクターの動きを再現したロボットを展示しました。「睦は末っ子なので、普段小さいお子さんと話す機会はほとんどありません。正直、発表当日に小さなお子さんたちがワッと睦の作品にかけよったときは、どんな対応をするのかと心配で仕方ありませんでした」とお母さん。それまで学祭などでは展示していたものの、ワンダーメイクフェスのように一般人も来場する1万人規模のイベントで展示するのは初めての経験。結果的に発表は大成功。小さな子どもたちにも自分から積極的に作品の説明をしていた睦さんを、お母さんは頼もしく感じたと話してくれました。「ブース発表は、高校受験のときと同じくらい緊張しました」と笑う睦さんからは、照れながらも自信がのぞいています。Upload By 発達ナビニュース幼いころから話すことが得意ではなかったという睦さん。ワンダーメイクフェスに向けて準備をする中で、LITALICOワンダーの教室で制作を進めたり、図書館やネットで調べたり、大好きなブロックのテーマパークへお兄さんと2人だけで旅行したり。「さまざまな出会いと経験を積み重ねる中で、着実に成長し人とのつながりがゆるやかにひろがっていっています」とお母さんは嬉しそうに話されていました。「LITALICOワンダーで、先生や友だちと大好きなロボットの話ができて楽しかった。小さい子もいたし、同年代の友達もできた。もともと苦手意識のあった数字は、プログラミングの調整をしたり、ワンダーの先生が言っていたことをひとつずつ思い出したりした。そうやって繰り返し覚えることが自分にあった方法だと気づいた」苦手な計算も、自分らしく吸収するコツを身につけ、LITALICOワンダーで出会った人たちの助けを借りながら解決していきました。ロボット制作への探究心をどんどん派生させ、得意なロボットの作品を通して、応援してくれる仲間を見つけ、一歩ずつ成長してきた睦さん。そしてそんな睦さんの挑戦をあたたかく見守るお母さん。別れ際に「僕にはまだ分からないことがある。また遊びにくるよ!」と言う彼の背中は頼もしく見えました。ワンダーメイクフェスは見どころいっぱい!ワンダーメイクフェスは、通塾生以外にとっても見どころが盛りだくさんです。・無料で最新のガジェットに触れて、遊べる「企業コーナー」ITやものづくり関連の企業などによる、テクノロジーツールの展示や体験があります。子ども向けのIT教材やツールの最新事情をいち早く体験することができます。・プログラミングをプチ体験できる!「ワンダーコーナー」LITALICOワンダーによる、遊べて学べるコンテンツが盛りだくさんのコーナー。初めてプログラミングに触れるという子どもたちでも楽しめる、ゲームプログラミングやロボットプログラミングのプチ体験をご用意しています。・プロのコメントも聞ける「プレゼン発表・ブース出展」年長・小学生~高校生の子どもたちによる、プログラミングやロボット制作などのプレゼンテーションや展示は見どころのひとつ。ITやものづくり系のクリエイターの方からの作品へのフィードバックもあり、プログラミングを学ぶ子どもたちにとっての社会への発表の場となっています。◇開催日時2019年11月9日(土)・10日(日)10:00~17:00(9:30開場・17:00最終入場)入退場自由◇開催場所東京都江東区青海2-3-6日本科学未来館7階新交通ゆりかもめ「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分◇参加費無料※日本科学未来館の常設展・企画展をご覧になる場合は別途入場料が必要です。◇参加・申し込み方法下記の特設サイトより入場申し込みをお願いします。当日は混雑が予想されるため、事前に入場申し込みをするとスムーズに入場できます。※当日参加も可能です。「ワンダーメイクフェス6」特設サイトはこちら
2019年09月30日小学生の息子に発達障害のこと、伝えるべき?Upload By かなしろにゃんこ。息子がADHDと広汎性発達障害の診断を受けたのは小4の春でした。発達障害の検査や医師との面談に何度もクリニックに通いました。その度に息子は「ぼく何で病院に行くの?」と謎に感じていたようでした。「発達障害の検査をするからだよ」と言っても理解できないかもしれないな~と思って、その頃人間関係からくるストレスで胃痛があった息子だったので、とっさに「お腹の検査だよ」と言って誤魔化しました。子どもに発達障害について伝えるときって、どう言えばいいんだろう?…というか、伝えていいんだろうか?その頃はまだ何も分からない発達障害の子の母1年生の私でした。Upload By かなしろにゃんこ。診断を受けたクリニックの先生や心理士さんに「子どもには発達障害のことを話した方がいいですか?」と聞いたところ、「子どもにカミングアウトをする時期は物事の道理が理解できるようになってきた中学~高校生頃が良いです。また受験のシーズンと重なって気持ちが揺れ動くのを避けるために、受験の前か後がいいですよ」とアドバイスされました。しかし私は反抗期を前に、いやすでに始まっていた反抗期の中、発達障害があると分かった息子にさまざまなことを伝えていかなければならないのに、発達障害のことに触れないでいくことはできないな~と感じました。発達障害の特性によって、周囲の人たちと考え方の違いが生まれていることが息子には多くあったため、一般的にはこうするよ!こう考えるよ!と教えたり話し合ったりした方が良い、そのためには発達障害があることを隠すのはどうなんだろう?とも考えました。息子小5の冬、発達障害について本人に伝えることに。息子の反応は...Upload By かなしろにゃんこ。「発達障害が悪いわけではないし、発達障害があることは強みでもある!」そう言って伝えようと、リュウ太小5の冬のある日、学校から帰ってきたリュウ太に話をしたのでした。なんともいえない複雑な、悲しそうでもある表情で息子は黙って聞いていました。「障害」という言葉がとてもショックだったのだと思います。言わないほうがよかったかな…とも思いましたが、息子の表情をみて、「発達“障害”という名称だけれど、個性だし、脳の機能が他の人と少し違うだけ。ほら障害物レースってあるでしょう!何かに邪魔されてうまく走ってゴールできないやつ!」と、障害という言葉についてフォローをしました。Upload By かなしろにゃんこ。“障害=悪い”というイメージではなく、一つの特性として考えてくれたんじゃないかなと思います。また、リュウ太はADHDだけれど、嫌なことは早く忘れてワクワクすることにすぐシフトできたり、思いついたヒラメキをすぐに形にしようと行動したりするところが、起業する社長さんのような能力なんだとポジティブな面についても話しました。ADHDとは何かなんてよく分からなくても、僕は僕のままでいいんだって思ってくれたら嬉しいなと思いました。そこからは息子に「ADHDの特性で足元を見ないで歩いてケガしやすいから、オモチャはこまめに片づけようね」とか、「忘れやすい特性があるから持ち物はドアノブに引っ掛けるようにしようね」、「思ったことをそのまま友だちに話すと本当のことでも友だちが傷つくから、黙っていたほうがいいこともあるよ」など、原因と結果と工夫の提案を伝えやすくなったのでした。Upload By かなしろにゃんこ。こうして早い段階で発達障害について本人に伝えたわが家でしたが、本人が自分の特性について理解できるようになったのは、中学生のときに学校の図書室にある発達障害の本を読んだときだそう。「コレ、オレと同じだ」と実感したと言います。手に取った本に載っている注意欠陥や衝動性についての解説を読んで「こういうことか~!」と納得したんだとか。そこから自分の特性を受け入れていこうと変わったのかもしれません。中学のときには発達障害やADHDといった単語に対して悲しそうにすることもイヤそうにすることもありませんでした。「ADHDだから楽しいと思ったらすぐやるんだよな、オレ」と、発達障害について受け入れている言葉も発していました。発達障害の告知は専門家に任せたほうがいい場合も!フライング気味で伝えたわが家だったけれど...Upload By かなしろにゃんこ。息子の言葉を受けて私も「そこがADHDのイイところ!どんどんオモシロイことに興味を持って冒険してネ!」と言います。この言葉を額面通りに受け取って本当に遠くに遊びに行っちゃう子です、ハラハラ(汗)ただ…私の本に監修をしてくださった児童精神科医の田中康雄先生は「子どもに障害名を伝えるのは医師の役目」とおっしゃっています。そうか!「あなたには発達障害があります」と告知するのは専門家の仕事だったのか!と、あとから気がついた私。幼児・児童期に診断を受けたとしても、大きくなってから告知する際は子どもと一緒に医師のもとで告知を行ったほうが子どもも理解しやすいでしょうし、親が勘違いしていたりうまく説明できなかったりすると、混乱させてしまうかもしれませんからね。わが家は告知がちょっと早すぎだったかもしれませんが...コレでよかったかな(笑)と、今は笑って息子と話せています。
2019年09月26日田舎生活3年目、今振り返って思うこと私たちは娘が3歳の時、主人の出身県である沖縄に引っ越してきました。最初に住んでいたのは、県内でも中心部に近く、自宅の周りには公共施設も多く、便利だったのですが…。娘が小学校に入学する少し前に、新居を建て、主人が生まれ育った田舎に。こうして始まった田舎生活は、3年目に突入しました。今回は、田舎での生活・子育てで、私が感じたメリットとデメリットを紹介します。メリット①周りに親戚が多く、孤独感がなく賑やかUpload By SAKURA主人の親戚はとても人数が多く、集まりも頻繁にあります。子どもたちも多く、比較的よく会う子だけでも、10人以上。下は1歳から上は高校生まで。コミュニケーションが苦手な娘ですが、こういった人の集まりは大好き。娘は「誕生日会」「進学祝い」などの集まりをいつも楽しみにしています。いとこたちと遊び、楽しそうな娘を見ると、親戚同士の集まりは、子どもたちにとって大切なのだと感じます。娘の特性についても説明しているので、娘が何か場に合わないことを言ったりしたりしても、指摘することはなく、理解してくれています。子どもたちの輪に入っても、娘が違和感なく過ごせる姿は、私自身穏やかな気持ちで見守ることができています。メリット②学校が少人数で、アットホームUpload By SAKURA娘の小学校は、一学年が一クラスのみ。全学年の人数も少ないため、アットホームです。主人もそんな環境で育っているため、「みんな兄弟みたいな感覚だよ」と言っていました。主人を見ていると、子どもたちも同じように育ってほしいと感じます。他にも、田舎は自然がいっぱい。海にすぐ行けたり、自然を楽しめる地域のイベントも多く、つい家でゲーム…となりがちな子どもたちにとっては、とてもいい環境だと感じます。子供会の夏祭りやクリスマス会などの行事で、楽しそうに過ごす娘を見ると、そのアットホームさがありがたく感じます。デメリット①買い物や外食をするお店が、近場になく、数が少ないUpload By SAKURA私の家の近くには、買い物をする施設がなく、一番近いスーパーでも往復30分。行って…買い物して…帰ってきたら、40分以上かかることになります。しかもあるのはスーパーだけ。子ども服やホームセンターに行こうと思ったら、車で片道30分かけなければ行けません。「あ、〇〇買わなきゃ…」と思ったらすぐメモし、まとめて買いに行っています。メモしても、ついうっかり絶対必要な物を買い忘れてしまって、料理の最中に気がつき、主人の実家までもらいに行くこともしばしば(笑)娘の学校で必要なものを買い忘れると、娘がパニックを起こすので、買い忘れは絶対避けなければなりません。メモに書いて、カレンダーにも書いて、時には油性マジックで手の甲に書いて、買い忘れを防いでいます。デメリット②医療機関が少なく、小児科が充実していないUpload By SAKURA私の住んでいるところは、買い物施設も少ないですが、病院も少ないです。科によっては、隣の市まで行かないといけません。実は運転が好きではない私。行き帰りの車内での子どもたちの騒がしさも加わり、ものすごく体力を消耗します。娘と息子が時間差で体調不良になり、一日で二往復することもあります。近場にある唯一の小児科と薬局は、いつも混んでいて、かなりの待ち時間を過ごさなければなりません。他にも、小学校の校区が広いため、徒歩での登校は不可能。親の送り迎えは当たり前だし、街灯も少なく、人通りもほとんどないので、子どもたちだけで遊ぶのは危ないなーと感じます。それでもやっぱり、こっちに来て良かったと思うメリットデメリットそれぞれありますが、こうやってまとめてみると、デメリットはほぼ親目線。子どもたちから見れば、楽しいことが多いです。子どもの成長を考えると、いい影響を与えてくれるだろうということがたくさんあり、デメリットを書き出してみても、「やっぱりここがいい」と感じます。アットホームで娘の個性もよく分かってくれている人達の中で過ごせることは、かけがえのない環境だと思っています。そして何より、主人が育った…子どもたちにとってのパパが育った土地。パパが通った小学校、中学校に子どもたちも通って、パパが育った時に周りにいた人たちが、娘と息子のそばにいるというのは、とても大きな安心感に繋がります。この土地で、子どもたちにはのびのびと成長してもらいたいです。Upload By SAKURA
2019年09月25日不思議と盛り上がるボード。製品化のきっかけはワークショップでしたtobiracoは、年に数回、製品を考案した先生を講師に招いてワークショップを開催しています。製品を販売して終わりではなく、先生の思いを伝えることでより効果的に活用していただきたいからです。ワークショップで使ったあるツールを「製品化してください」と、参加者たちからリクエストされたのは今年3月。これからお話しする「きもち・つたえる・ボード」が誕生するきっかけとなりました。講師は佐藤義竹先生(筑波大学附属大塚特別支援学校)。ご自身が考案したコミュニケーションゲーム「すきなのどっち?」のワークショップでのできごとです。Upload By 平野佳代子リクエストされたのは、リアクションボード(当時の呼称)。相手の答えに反応(リアクション)を示すのに掲げる、プラスチック製の小さなうちわ型のボードです。Upload By 平野佳代子ボードには「なるほど〜」「すてきだね」「いいね!」などと書かれています。ワークショップは、ボードなしとボードありの2回行いましたが、盛り上がったのは、断然、ボードありの方でした。参加者は、ボードを手にし、身を乗り出していました。Upload By 平野佳代子リアクションボードを考えたのも佐藤先生です。自作して教室で使っていました。子どもたちの反応がとてもよく、いつかは製品化をと考えていらしたことは知っていました。そこへ参加者たちの熱いリクエスト。背中を、ぐいと押されるようにして製品化に向けて動き始めました。発達障害・知的障害の子が、コミュニケーションゲームで自分の気持ちを伝えるボード聴くことに課題のある子、意思表明に課題のある子に使ってほしい専門的には「傾聴の手立て」という目的で自作された教材。それがリアクションボードです。筑波大学附属大塚特別支援学校で行われているコミュニケーションゲームは、ゲームと名がついていますが、「コミュニケーション能力を身につける」ことに重きがおかれた授業です。授業でリアクションボードを使ったところ、相手の話を最後まで聴けない子や自分の思いを伝える(意思表明)ことがうまくできない子たちに効果があることがわかりました。その効果とは、次のようなものです。・答えている人の話を最後まで聴くようになった。・答えている人に注目するようになった。・リアクション(反応)を相手に示すようになった。・ゲームに主体的に取り組むようになった。下のグラフは「指導2」からリアクションボード を使って、子どもたちの変化を分析したものです。Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子ボードで自分の感想を示そうとすると、自然と相手の話を最後までよく聴くようになります。また、自分の感想に近いものはどの言葉が書かれたボードなのかを考えるようにもなります。もうひとつ、佐藤先生から伺ってなるほどと思ったのは、話を聴いている間、ボードを手にしていると落ち着く子がいるそうです。コミュニケーションと直接関係ないかもしれませんが、ボード効果の副産物といえそうです。Upload By 平野佳代子相手の目にどう映っているのかを考えるボードの特徴のひとつが、表と裏で言葉とイラストが異なっていることです。たとえば、「なるほど〜」の反対面は「え〜!」というように。異なる両面。これも教材の大きな狙いです。Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子「なるほど〜」と思ったからといって「なるほど〜」の面を自分に向けてしまうと、相手には「え〜!」の面を見せることになります。自分の差し出したボードが相手の目にどう映るか。相手の視点に立ってボードを使うことが他者理解につながる。このように考えて、佐藤先生はボードの両面をあえて変えました。ちょっと話がそれますが、「相手の目」ということで付け加えたいことがあります。「人の目を見て話すのが苦手という子は、下を向いたままボードを差し出すだけでいいんです。それだけで伝わります」と佐藤先生。なるほど、ボードが自分の気持ちを代弁してくれるので、相手の顔を見なくてもすみます。「話を聴くこと」や「自分の意思表明」に課題がある子、加えて相手の目を見てコミュニケーションをとるのが苦手な子。ボードは、いろいろなタイプの子どもたちの助けにもなります。どの子もコミュニケーションゲームを楽しめるためには、このような行き届いた配慮が必要なんだということを、佐藤先生に教えていただきました。Upload By 平野佳代子「共感」と「安心」の見える化コミュニケーションゲームは、相手の話を聴きながら頷くだけでもいいのですが、ボードを使うことでゲームに参加している感が強くなります。話し手と聴き手の距離もぐっと縮まります。しかも、ボードに書かれている言葉はすべてポジティブ。ネガティブな言葉は使われていません。「聴いているよ。共感したよ」という気持ちを見える化しています。Upload By 平野佳代子話し手は、差し出されたボードを見て、聴いてもらっていると実感できます。それは自分自身が肯定されているという安心感でもあります。ボードを通して見える化された「共感」と「安心感」。ボードを使うようになって、佐藤先生の教え子たちがゲームに主体的に取り組むようになった、というのも納得できます。「きもち・つたえる・ボード」として製品化、そしてクラウドファンディングコミュニケーションゲームは、今やトレンドでもあります。でも、ただ与えるだけではなく、発達障害、知的障害のある子には佐藤先生が自作していたようなツールがあると、2倍にも3倍にも楽しめることがわかりました。いえ、障害のあるなしにかかわらず、「共感」と「安心」を見える化することでだれもが楽しめます。ワークショップの参加者たちが楽しんだように。このことをたくさんの人に知ってほしくてクラウドファンディングを実施しています。「きもち・つたえる・ボード」は、教室で使われていたボードのコンセプトを活かしつつ、広く親しんでもらえるように動物たちの可愛いイラストでつくりあげました。動物にすることで男女の枠にとらわれることがなくなります。そして、教材の狙いがズバリわかる「きもち・つたえる・ボード」というストレートなネーミングで世の中に送り出します。Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子このように使います。Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子クラウドファンディングの詳細は、こちらから。よかったらのぞいてみてください。賛同とご支援をいただけたら、とてもうれしいです。特別支援教育の教材は、障害のあるなしにかかわらず楽しめる障害のある子のために手作りされた教材の多くは、障害のない子にももちろん通用します。さまざまな特性のある子どもたちが楽しめるように作られているからではないかと思います。筑波大学附属大塚特別支援学校の手作り教材を見ていると、どれも楽しそうで、遊びたくなるような教材や教具ばかりです。Upload By 平野佳代子特別支援学校の教材を多くの人に知っていただきたくて、昨年秋、クラウドファンディングで佐藤先生考案のコミュニケーションゲーム「すきなのどっち?」を作りました。Upload By 平野佳代子「すきなのどっち?」のクラウドファンディングのサイトです。発達障害の子がコミュニケーションの楽しさを体験できるゲーム「すきなのどっち?」「きもち・つたえる・ボード」もぜひ、製品化させたいです。Upload By 平野佳代子Upload By 平野佳代子
2019年09月24日好評につき、第3回の開催決定!出典 : 累計300名以上にご参加いただいた、児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者フォーラム。大変ご好評をいただき、第3回の開催が決定しました!今回のテーマは「よりよい支援を目指す、スタッフ育成」。お子さまの支援の現場で責任者として働く皆さまは「お子さまへの支援の質を上げていくためには、人材育成をどのように実施していけばよいのか」「スタッフの育成を担っているが、どのようなチームづくりをする必要があるのか」このような思いを抱いていることも多いのではないでしょうか。このフォーラムでは、施設の管理者の皆さまが、よりよい支援を行うためにどのようなことに取り組めばよいのかや、チーム力をあげていくためのヒントを得られるようなプログラムを用意しています。スタッフ育成の実践をもとに、具体的な人材育成プログラムの事例紹介や、ゲストをお招きしたパネルディスカッションなど、実践者の生の声が聞ける内容となっています。児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者フォーラム#3開催概要出典 : ◆オープニング13:00~13:30◆当日は多様な参加者同士が出会う機会となります。フォーラムの場を「どんな1日にしたいか?」など、皆さまより学びを持ち帰っていただけるような導入ワークショップを実施します。◆プログラム①13:30~14:30◆「実践者に必要な人材育成とは?~研修事例をもとに~」(仮)ゲスト講師をお招きし、実施している研修の内容や狙い、その中での気づきなどをご紹介いただきながら「実践者にはどのような人材育成が必要なのか?」というテーマでお話しいただきます。※登壇者情報については、9月中に更新予定となります。◆プログラム②14:45~15:45◆「チームで行うスタッフ育成の仕組みづくり」就労移行支援事業を行うLITALICOワークスにおける人材育成の仕組みづくりの全体像と、具体的な実践事例について、研修担当者からご紹介します。【登壇】森村明香さん(LITALICOワークス HR統括グループ スーパーバイズグループ/新入社員研修担当)重度身体障害者のホームヘルパーにて経験後、障害者の就労課題に直面したのをきっかけに2014年に株式会社LITALICOへ転職。LITALICOワークス蒲田にて就労支援員を経験し、サービス管理責任者として3年半ほど勤務。その後、スーパーバイザーとしてスタッフの育成に関わり、現在に至る。◆プログラム③15:45~16:45◆「よりよい支援につなげる、スキルアップのヒント」(仮)就労支援サービスを展開している法人のスタッフ育成を担当している方をゲストに迎え、よりよい支援をしていくために、どのような育成をしているかのパネルディスカッションを行います。※登壇者情報については、9月中に更新予定となります。◆交流会17:00~18:00◆参加者同士でざっくばらんに情報交換をしていただける交流の場となります。飲み物や軽食などをご用意いたします。出典 : 日程10月20日(日)13:00~18:30(開場:12:30)対象、参加条件・児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者として働いている方・今後、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者の就任を考えている方・3~5年以上の支援経験がある方募集人数50名(会場の関係で事前申し込みで先着となります)※合理的配慮が必要な場合は、お申し込みの際にコメント欄にご希望の記載をお願いいたします。会場株式会社LITALICO 中目黒本社〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー16F東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」東口より徒歩1分案内マップ:参加費3,000円※領収書が必要な方は当日発行いたします。持ち物筆記用具はご持参ください。服装自由です。ぜひリラックスした服装でお越しください。※プログラムの内容及び開催時間などは変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。※本イベントの様子は、予告・許諾なく、写真・ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。写真・動画は、Webサイト等の広報手段、SNS、講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。実践者から学び、発見する機会に出典 : よりよい支援をするための学びの機会や、支援者同士が情報交換や課題解決ができる場としてスタートした「児童発達支援管理・サービス管理責任者フォーラム」。今回の「スタッフの育成」をテーマに、実践をより深く知ることで、よりよい支援につながるヒントが得られるかもしれません。50名限定となっていますので、ぜひご興味ある方はお早めにお申込みください!
2019年09月24日「何が食べたい?」「ラーメン!」長男の希望通り車で向かったのですが日曜日の朝、我が家はだいたい長男の「ラーメン!ラーメン!」のリクエストで始まります。ラーメンが好きなのです。「今日はラーメンないよ」というと不満そうな顔をします。「今日は夜、ラーメン食べに行くよ」と言うとニコニコご機嫌。Upload By シュウママその日は朝から約束していたので、出かける際長男は嬉しそうに車に乗りました。お気に入りのラーメン屋さんへと家族で向かいます。ここじゃない!店内へ入る前に長男大パニック!車を走らせていると次男が「今日は、ラーメンだけじゃなくて、から揚げも食べたい!」と言い始めました。すると夫が「じゃあ、みんなが好きなものを食べられるように中華食べに行こうか」と言いました。車は某中華料理店へと方向転換します。その時点で長男は向かう方向がラーメン屋さんではなくなったことに気づいたのか、「あれ〜?あれ〜?」と不安そうな声を出し始めました。でも長男はその中華料理店も大好きです。なので、まあ、かまわないだろうと思い車はそのままお店に到着しました。すると...長男は駐車場で泣き叫んだのです。「ラーメンない!ラーメンない!」すさまじい荒れ方です。とてもお店に入れる状況ではありませんでした。Upload By シュウママ「ここにもラーメンあるよ」と伝えても、納得しません。ここで食事は無理だな...そう思ったので、結局その日は長男の希望していたラーメン屋さんへと向かいました。いつものラーメン屋さんに向かい始めると長男は落ち着きはじめ、到着後はさっき泣いていたのが嘘のように、嬉しそうにラーメンを食べたのです。何が長男の機嫌を損ねたのか...忘れていた特性帰ってきてから、夫と次男とで話し合いました。いったい何が長男の気に障ったのだろう。「シュウはあそこの中華料理店、好きだよね~」と次男は不思議そうに言いました。「やっぱり、ラーメンと約束したら、ラーメン屋じゃなきゃダメなんじゃない?」これは夫の意見。そして落ち着いた結論は、シュウの場合「ラーメンを食べに行く」=「お決まりのラーメン屋さんに行く」ことであって、「ラーメンを食べられればどこのお店でも良い」という訳ではないということ。私たちは某中華料理店でもラーメンは食べられるからいいのではと思いましたが、それではシュウの見通しやこだわりに添わなくなってしまうのでしょう。もしいつものラーメン屋さんでない場所に行くのであれば、「今日は、ラーメンを食べに行くけれど、お肉とかお魚とか、他のものもいろいろ食べたいから、○○(中華料理店の名前)に行くよ」と、理由をつけた事前の説明が不可欠なのでは?ということになりました。Upload By シュウママこの日以降、前もって理由もつけて予定を伝えておけば、長男が想定と違うことでパニックに陥ることはなくなりました。主治医に相談。長男との関わり方についてこういった本人のこだわりにどこまで付き合っていいのか、主治医の先生に質問したことがあります。すると先生は、「本人の想定と違ってパニックになりそうなときには、無理に状況を変えて、周りに合わせるよう促すよりも、周りが自閉症の特徴を理解してシュウくんの意思に添ってあげてください」という回答でした。「何よりも、お母さんが楽でしょ?」Upload By シュウママ確かに、出先でのパニックは本人も辛いし、家族も対応に困ってしまいます。「ときには周囲の状況に合わせなさい、空気を読みなさい」という一般的な子育ての必要はないという先生の言葉に肩の荷がおり、ほっとしました。先生とのお話以降、今わが家で実践しているのは、基本的にその日の予定、特に本人にとってイレギュラーなことは事前に説明し本人に納得してもらうこと、そしてそれでも出てくる想定しきれていなかったこだわりは、その場では無理に矯正せず本人が安心できるやり方に合わせることです。Upload By シュウママ障害のある子どもの育て方に一般論は当てはまらないことが多くあります。それぞれのご家庭で合ったやり方で安心できる環境をつくっていくとよいのかなと思いました。
2019年09月23日自分に合った環境なら、「みんなと違う」は気にならないUpload By 楽々かあさんこんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。私は、発達障害の「障害」とは、その子の「個性」と「環境」の間にある…と考えています。ですから、本人側から環境に合わせる努力や工夫も大事ですが、自分が適応しやすい環境を選ぶことでも、「みんなと違う」が気にならなくなる場合もあると思います。現在中学2年生の長男は、私立中高一貫校を受験し、第一志望校に無事合格。自分の個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに「障害」を感じなくなりました。中学受験は、あくまで「環境選び」の1つの選択肢に過ぎませんが、独自の校風や教育方針などの「環境」が、その子の「個性」とぴったり合っていれば、少々個性的でも学校生活を楽しく過ごせるお子さんは結構いるように思います。ただし、私立中学の場合、特別支援学級設置校は現在全国で1校のみ(文部科学省H29年度資料より)ですし、障害者差別解消法による「合理的配慮」も「努力義務」の範囲になるため、基本的に「特別支援教育」や「特別な配慮」は、現状あまり期待できないと思っていた方がいいでしょう(※ただし、発達障害・不登校対応ができる学校や、公言せずとも一定の理解や配慮がある学校もあります)。そのため、まずは、入学の前提条件として、お子さんがある程度、特別な配慮がなくても教室で落ち着いて過ごせ、通常学級での授業や学級活動への参加に大きな支障がないことが必要な場合が多いと思います。また、将来の自立に向けて必要な、ソーシャルスキルや生活スキルを身につけるための発達支援(療育)・トレーニングは、必要に応じて医療・支援機関の手も借りながら、家庭が主体となって学業と並行して継続的に取り組んでゆく必要もあるでしょう(これは、公立中学の通常学級、フリースクール・ホームスクール等で学ぶ場合や、高校進学〜それ以降の進路を選択した場合も同じです)。その上で、もし、中学受験をお子さん自身が強く希望したり、ご家庭の教育方針と合うのであれば、様々な学校を実際に見学し、比較検討してみるといいでしょう。その際、うちの経験上、発達障害傾向のある子の場合、志望校選びの段階で偏差値や知名度などよりも、ずっと優先して考えた方がいいことがあります。環境の影響を受けやすい発達障害傾向のある子は、毎日の小さな負担の積み重ねが、いつの間にか、「適応できない」「努力では乗り越えられない」大きな障害物となってしまうこともあるからです。発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時に、志望校選びのポイントを7つ、ご参考までに独自の「発達障害目線」で、2回に渡ってお伝えします。今回の<前編>では、その子の個性を活かしやすい、前向きな志望校選びのポイント4つです。文部科学省「特別支援教育資料(平成29年度)」より出典 : まずは校風です。校風とは「学校の雰囲気」という漠然としたものですが、校訓や募集要項やアドミッション・ポリシーなどで、「こういう子に来て欲しい」と学校側は意思表示していますから、学校の公式HP・資料請求などで、すぐに確認できます。そして、教育方針。私立学校は特色ある独自の教育を打ち出していることが多く、「サイエンス教育に重点を置いている」「国際教育に力を入れている」「スポーツの強豪校である」「情操教育を大事にしている」…などなど、学校自体も個性的です。つまり、「学校の個性」と「その子の個性」がピッタリ合っていれば、同じ子の同じ部分が短所から長所に変わることも。例えば、うちの長男の「空気が読めない」という部分を、現在の中学では「積極的に自分の意見が言える」と肯定的に高く評価してくれます(こういった学校の考え方は、建学の精神、校訓や募集要項、過去問等にもハッキリ表れていました)。そして、凸凹差が大きくても、特定の分野に興味関心が高い子、一芸に秀でた子、一つのことに集中できる子等を歓迎し、得意分野を伸ばしてくれる教育方針とマッチすれば、「できる子」として扱ってもらえる可能性も高いでしょう。また、留学生や帰国子女を積極的に受け入れるなど、多様な個性や文化背景のある生徒が集まる学校や、博愛精神を大事にする学校などでは、多様性を認める教育がなされ、多少の個性やものの感じ方・考え方の違いは、大らかに受け容れてもらえることも。こういった、個性的な生徒を求めている学校は、「推薦・AO型入試」などを実施している場合も多いので、入試方式も早めにチェックしておきたいところ(推薦・AO型入試は、説明会への参加、事前の資料準備や面談、面接練習などが必要なことが多いです)。出典 : 学校の規模も、発達障害傾向のある子にとっては、大事な要素だと思います。感覚過敏があると、教室でのザワザワ音や他の人の動きなどが気になってしまい、負担が大きくなります。うちの長男は「人が多ければ多いほど、集中できない」とのこと。また、グレーゾーンの次男も人の顔と名前が覚えにくく、学級数が多い小学校ではクラス替えによる負担が大きく、対人関係でなかなか自信が持てませんでした。こういった子は、小規模校や少人数クラス編成の学校のほうが負担が少なく、落ち着いて過ごせる可能性が高いでしょう(ただし、クラス数が少ないと、いじめやトラブル等の際にクラス替えによる解決が難しくなることも。また、少人数でも静かとは限りません)。そして、中学では小学校と違い、担任の先生がずっと同じ教室にはいないので、大人の目が届きにくくもなります。また、集団の規模が大きくなればなるほど、「個別に、柔軟に」は、物理的に難しくなるでしょう(ただし、「干渉されない大規模校のが気が楽」「ビシッと管理されるほうが落ち着く」という子もいると思うので、一概に大規模校が合わないとは言えません)。そのため、小規模校や少人数クラス編成の学校は、アットホームな雰囲気で先生方も生徒一人ひとりの顔を覚えやすく、目も届きやすいでしょう。また、大規模校でも、副担任制の採用や少人数授業や補習制度など、教員の配置が手厚く面倒見の良い学校も。生徒数・クラス数・教員数も、学校の公式HPや学校案内・募集要項等に大抵記載されています(ただし、入試の際の募集定員数と実際の在籍生徒数がかなり違う学校もあるため、「実際のところ」も、よくご確認を)。出典 : 思春期は、いわゆる「フツーの子」でさえ、身体面・精神面で不安定になりがちです。ましてや発達障害傾向のある子は、環境の変化に敏感なことも多く、心身に大きな負担のかからない、安定した生活環境が大事だと思います。ただし、設備の「体感」は公式HPや学校案内だけでは掴めないので、実際にお子さん自身が見学会や文化祭・体験授業等に足を運んで確認してくるのがいいでしょう。学校の設備面のチェック・ポイントは…・エアコンの設置・稼働状況(各教室の他、体育館や部活動の施設なども)・教室環境(教室の広さ、机と机のパーソナルスペース、教室前方のモノや掲示物の配置など)・教室の照明、黒板・ホワイトボードの色(視覚過敏やLDのある子に見やすい色・明るさか)・個人ロッカーの有無(忘れ物の多い子、体力に不安のある子等は、「置き勉」の可否)・保健室や図書室、自習室やオープンスペースの有無(静かに休息できる場所はあるか)…など、「その子にとって特に負担がかかりやすい部分」を重点的に、よく見ておくべし!また、味覚や触覚過敏で偏食傾向のある子は、食の選択肢がある、弁当持参や学食・購買が充実している学校などが、負担が少ないでしょう。その中学のランチはどうなっているか、学園祭などで在校生に「お昼、どうしてますか?」って聞いてみるのもテ。それから、一般的には楽しいハズの行事・イベントも、「いつもと違うこと」が多いと負担になる子もいるでしょう(ただし、私立は運動会や各種セレモニーなどの事前練習等はほとんど行わないか、あっても効率的な場合が多いと思います)。年間行事予定も、学校HPや学校案内に大抵写真付きで載っていますから、一緒に眺めて「こんな行事があるんだね」「修学旅行はここに行くんだね。大丈夫そう?」等、親子で話し合いながら、お子さんの反応を見ておくといいでしょう。出典 : 傾向のある子は特に、ICTの導入状況はよく確認しておきたいポイントです。ICTが全校で導入され、iPadやPCが一人一台使える環境なら学習への負担が減りますし、特別な許可も必要ないので「〇〇くんだけズルイ」だなんて思われることもありません。また、ICTが普及していれば、校内の無線LANや電子黒板等も整備され、先生方もデジタルツールに慣れているので、デジタル教科書や電子辞書の使用、作文・課題のワープロ提出、ノート代わりの黒板の撮影なども、柔軟に理解されやすいと思います。長男の学校の場合、全校生徒1人1台iPadを所有し、授業中の電子辞書アプリの使用や、課題のワープロ打ち提出などは、特に先生の許可も必要なく、発達障害のある・なしに関係なく「みんなフツーにそうしてる」とのこと。そして、学習面では、授業内容やレベルなど「何を学ぶか」も大事ですが、「どう学ぶか」の学習手段・方法のほうが、より重要なポイントだと私は考えます。先生が一方的に話して、ひたすら黒板を写す…という伝統的な講義型の一斉授業だけでは、負担が大きかったり集中できなかった子も、「その子に合った学び方」なら、学習意欲と学力を大きく伸ばしてもらえる可能性も。多様な学習手段・方法の例は、ICTの活用の他にも…・実験やフィールドワークなどの体験型・探求型の学習・教科を越えた問題解決型の統合的な学習・言葉で学びをアウトプットするプレゼンテーションや、ディベート形式の学習・少人数授業、習熟度別クラス編成、個別課題や補習など、それぞれのペースや到達度に合わせた学習…など、近年様々に試みられていますが、その学校で取り入れている中で「その子に合った学び方」があるか、じっくりチェック。学校側が柔軟に新しい方法を取り入れてアップデートし、「学び方」の選択肢が多ければ、その子の凸の強みが活かせるチャンスも増えます(「その子に合った学び方」は何かが分からなければ、事前に専門家に相談し把握しておくといいでしょう)。また、柔軟性・合理性の高い学校なら、個別の事情に合わせて、ちょっとした私物の持ち込みや学用品のカスタマイズ程度なら、気軽に理解が得られることも。学習環境の確認は、小学生向けに体験授業などを行う学校も増えているので、気になる学校があれば参加してみるといいでしょう。その子の個性を活かしやすい環境を…出典 : 今回の<前編>では、「発達障害目線」から「こんな環境なら、その子の個性を活かしやすい」という、私立中学の志望校選びの前向きなオススメポイントを中心にお伝えしました。次回<後編>では、入学の学校生活を考えると「ちょっと不安な点・心配な点」に対して、押さえておきたい現実的なポイントを中心にお伝えします。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』2016年/刊/ポプラ社
2019年09月20日大阪府 児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報児童発達支援てんてんでは、『点と点をつなげて、個々のカタチに』をコンセプトにお子さんたちの持っている可能性を引き出し、自信を持って幸せに生きていける力を育くむことを目指しています。子どもたちの生活スキル、ソーシャルスキル向上を目標に、集団生活を通して、食事、トイレトレーニングなど毎日行われる動作を身につける支援に力を入れています。大阪府の児童発達支援事業所をもっと見る兵庫県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報宙★りす熊野町では、学習に対する不安を軽減し、折れないこころを育むことを目指しています。学習支援では、個別~少人数制で、予習・復習を中心にお子さんの学習レベルに合わせた教材を使い、「自分で解決する力」を養うサポートを行っています。また、保護者、お子さんとの面談も定期的に行っており、納得感をもって通えるようコミュニケーションを大切にしています。兵庫県の放課後等デイサービスをもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせができます。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができるので、ぜひお住まいの地域のページをチェックしてみてください。
2019年09月19日LITALICO発達ナビのYouTubeチャンネルを開設しました!今までLITALICO発達ナビでは、コラムを中心に情報を発信してきました。今後、よりコンテンツの幅を広げていきたいと考えています。そこで、動画での情報配信をスタートさせました。お届けするコンテンツは、子育てのちょっとした合間時間でみられる、お子さんとの関わり方のヒントや、発達ナビで実施したイベントの様子、親御さんを招いた座談会、専門家へのインタビュー動画などなど、文字だけでは伝えきれない、動画ならではのコンテンツをお届けしていく予定です。すでにいくつかの動画をアップしていますので、ご紹介します。3月に行った発達ナビ初のイベント。当日は500名ほどの方にご来場いただきました。その際に行われた、井上雅彦先生の講演のダイジェスト動画をご覧いただけます。発達ナビのサイト上でもおなじみの親子のヒントを、隙間時間でさっとみられるよう、動画にしてお届けします。初回はお悩みの方も多い「お片付け」について。実際に家でお子さんと一緒に実践している様子も撮影!ご家庭での実践の参考にしてみてください。ユーザーのみなさまから「学校生活」に関するお悩みを募集し、編集部が井上雅彦先生にインタビューを実施。初回は「友達関係」に関するお悩みについてのインタビューです。お子さんのことで悩んだとき、考え方のヒントになるようなお話をこれからも配信していく予定です。今後も定期的に動画を公開していく予定なので、サイトとあわせてチェックしていただけると嬉しいです!
2019年09月13日小さいころから同年代の友達が苦手だった兄・タケルの場合お兄ちゃんのタケルは、元々あまり他の子に関心のない子どもでした。家ではパズルや工作をして何時間でも遊んでいるし、たまに児童館などに連れて行っても、そこに来ている子どもたちに交じることもなく、本を読んだり、遊具で遊んだりと一人遊びをするばかり。むしろ同年代の男の子たちのことは苦手で、「ウルサイ、かまってくる、なんで?」と言って、なるべく顔を合わせないようにしているほどでした。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ基本的にタケルは無理に人の間に入っていこうとするタイプではなく、常に自分のことで忙しいし、子どもの多い場所もうるさく感じるということで、放課後は特に何もなければ家の柱にゴムにくくられてでもいるかのようにまっすぐ家に帰ってきて、工作をしたり、本を読んだりして過ごしていました。Upload By 寺島ヒロ聴覚過敏で集団が苦手な妹・いっちゃんの場合は...妹のいっちゃんも、子どものころからの子ども嫌い。兄に輪をかけて聴覚に過敏があるため、人の集団にはなるべく入りたがりません。それでも、常に同じクラスの中に一人二人は気の合う子を見つけて、学校にいる間はその少数の子どもたちと一緒に行動しているようです。Upload By 寺島ヒロしかし、できるだけ接触を避けるような友人関係でどうやってコミュニケーションをとるのか?ちょっと不思議ですよね。実は、いっちゃんは家でよく絵を描いているのですが、この絵を介して友達同士で濃厚なコミュニケーションをとっているらしいのです。例えばこんな感じです…Upload By 寺島ヒロ言葉のコミュニケーションに限らない、友達関係のカタチリレー小説や、イラストの交換で友達と「遊ぶ」というのは、やや特殊なやり方かもしれません。おそらく傍から見たら一緒にいるわけでもなく、会話も交わさず(全くないというわけではないでしょうが)本当に友達なのかと思うことでしょう。しかし、会話が得意な人同士が会話を重ねて親しくなることと、文章や絵をかくことが得意な人同士がその応酬で親しくなることに本質的な違いはないのではないでしょうか。発達障害のうち特にASDのある子どもたちは、直接の会話やSNSのやりとりよりも、ゲームやアニメ作品などを共通認識として、いわばワンクッション置いてのやりとりの方が向いているんじゃないかと感じる場面も多くあります。友達付き合いとはこういうもの、コミュニケーションとはこういうもの、とあまり決めつけず、子どもたちの交友関係を見守っていきたいと思います。
2019年09月13日【イベント】じっとしていなくてOK!身体を動かして音楽を楽しめる『スタジオそらコンサート』(東京都)Upload By 発達ナビニューススタジオそらが毎年開催している、『親子のためのそらコンサート』が今年も開催されます。『おんがくえほん&クラシック〜とんねるをぬけると編〜』をテーマに、音楽活動ユニット『こっころ』によるフルート・オーボエ・うた・ピアノの演奏を楽しむことができます。プログラムは、『とんねるをぬけると(片山健作・絵、福音館書店)』という音楽絵本、あそびうた、童謡、クラシックなどさまざまな種類の音楽が用意されており、リズムにのって楽しめる参加型のコンサートです。コンサートというと、静かに座って演奏を聴く必要がある場合が多いですが、スタジオそらのコンサートは、はしゃいでも寝ても泣いてもOK!座席もお子さんが動きやすいマット席や、椅子、車椅子、ベビーカーなどそれぞれにあわせたスタイルで楽しむことができ、軽飲食も可能。また、お子さんにはマラカスのプレゼントもあります。親子で音楽を楽しむ機会として、足を運んでみてはいかがでしょうか。【日時】2019年10月6日(日)10:15〜11:00【場所】三茶しゃれなあどホール(東京都世田谷区太子堂2-16-75階)【料金】大人1000円、子ども無料【申込】WEB予約フォームより事前申込が必要(備考欄に大人・子どもの参加人数を記入の上、予約する)【イベント】学習やコミュニケーションなど、子ども向けの福祉機器の展示も!『国際福祉機器展』(東京都)Upload By 発達ナビニュース国際福祉機器展は、ハンドメイドの自助具から最先端技術を活用した介護ロボット・福祉車両まで、世界の福祉機器を一堂に集めたアジア最大規模の国際展示会です。1974年から毎年開催されており、昨年度の来場者は約12万人と、大規模なイベントとなっています。イベントでは移動機器、ベッド用品、入浴用品などの福祉機器の展示の他に、「スマホやタブレットのアクセシビリティ」「学校や職場における障害のあるひとの支援とテクノロジー利用」といった、テクノロジーを活用した支援をテーマにしたセミナーも開催されます。さらに、「子ども広場~子どもの福祉機器と相談コーナー」では、子ども向け福祉機器の開発・普及を目的に、子ども向けの福祉機器が展示されます。車いす、入浴やトイレ用具・家具、学習・訓練機器、コミュニケーション機器などが展示され、時間ごとに担当者から展示製品の説明を聞けるコーナーも用意されています。また福祉機器の利用や療育、住まいについての相談コーナーも開設されるので、支援や普段の生活に活用できる新しい発見があるかもしれません。【日時】2019年9月25日(水)・26日(木)・27日(金) 10:00-17:30 ※27日(金)は16:00まで【会場】東京ビッグサイト 西・南展示ホール(東京都江東区有明3-11-1)【入場料】無料※事前または当日の入場登録が必要国際福祉機器展【映画】ダウン症の男の子が太宰治の息子役を熱演『人間失格太宰治と3人の女たち』(R15+)Upload By 発達ナビニュース写真家の蜷川実花さんが監督をつとめる映画『人間失格太宰治と3人の女たち』が9月13日(金)より公開されます。作家・太宰治が死の直前に完成させた小説『人間失格』。その小説の誕生の裏には、太宰と彼を愛した3人の女性達との関係がありました。本映画は太宰の遺作『人間失格』の誕生秘話を描いたものです。あまり知られていませんが、太宰治の長男・正樹はダウン症でした。今回の映画ではオーディションで選ばれた4歳になるダウン症の男の子コウちゃんが息子役として登場。キャスティングや撮影現場でのサポートには日本ダウン症協会が協力しています。映画のストーリーとあわせて、コウちゃんの演技にも注目です!また、本映画はバリアフリー音声ガイド、バリアフリー日本語字幕に対応しており、バリアフリー上映を実施予定。詳細は映画の公式ホームページからご確認ください。映画『人間失格太宰治と3人の女たち』(R15指定)【公開日】2019年9月13日(金)【映画館】公式ホームページよりご確認ください。※映画館によってはバリアフリー上映あり映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』公式ホームページ
2019年09月12日好き嫌いと食へのこだわり広汎性発達障害の娘は、小さいころから好き嫌いが多く、離乳食も限られた食材しか食べてくれませんでした。食べない食材は、小さく刻んでわからないようにハンバーグに入れたりもしましたが、見事に娘にはバレてしまう始末…。Upload By SAKURA無理やり口に含ませても吐き出してしまい、手の込んだものを作っては捨てる羽目になる状態に、いつもイライラしていました。そんなことを繰り返しながら、娘は幼稚園に入園しました。やっとわかった、娘の好き嫌いの法則幼稚園に入園したころ、私は、娘の好き嫌いの法則を発見しました。娘は、味が濃い物や食材が混ざったものを嫌がっていたのです。野菜炒めなど、味付けをせず、食材を一つひとつ分けて盛ると、娘も食べられました。Upload By SAKURA幼稚園での給食も最初は丸残ししていましたが、食材を選んで一種類ずつ食べる方法をとるようになった娘は、少しずつ少しずつ給食を食べられるようになりました。小学校に入学し、量の問題が発生!幼稚園の時は、週2回だった給食。しかし、小学校は毎日あります。元々小食の娘は、量が多い給食を、なかなか完食できませんでした。小学1年生のころは、毎日毎日残して帰っていた娘。事あるごとに担任の先生から、給食のことを言われました。そのたびに娘に、食べ物の大切さについて話しました。Upload By SAKURA「給食もお外で食べるごはんも、一生懸命作っている人がいるんだよ。あーさんがごはん残しちゃったら、その人も悲しいと思うよ?それに野菜だって、心を込めて育てた人がいるよ。食べる物がなくて、お腹を空かせてる子が世界にはいるんだよ。」と。それを十分理解してくれている娘でしたが、頑張っても頑張っても、なかなか食べきれませんでした。以前よりはいろんなものが食べられるようになりましたが、どうしても嫌いな特定の食材は、なかなか口に運ぶことができませんでした。食べ物の大切さを話すのは大切ですが、給食を完食できない娘を責めるような言い方はちょっと違うと感じた私。娘が頑張っているのもわかっていたし、味覚が過敏な特性も理解していたので、諭すような言い方までしかできませんでした。先生からの完食報告が増えた!小学2年生になった娘は、特別支援学級の在籍になりました。給食は引き続き、みんなと一緒に通常学級でとっていましたが、特別支援学級の担任の先生が付き添いしてくれるようになりました。Upload By SAKURA先生は、食の大切さを話してくれ、娘の負担にならないギリギリに量を減らしてくれました。さらに嫌いなものは「1口だけ…」「2口だけ…」とゆっくり時間をかけてサポートしてくれました。そして、ついに娘が小学3年生になった頃から、完食報告を毎日聞けるようになりました。離乳食のころから続いた娘の偏食。やっと…やっと完食できるように…やっとここまで来た!!と、私は嬉しくてたまりませんでした。Upload By SAKURA切りかえが必要?小学校では完食できるようになった娘ですが、家でも学校と同じように…そう上手くはいきません。Upload By SAKURA「私、学校で頑張ってるよ!」という娘。家でまでたくさん頑張らせる必要はない…切りかえも必要だと思った私は、苦手なものは「じゃぁこれだけね」と量を減らし、頑張ってもらっていました。ここまで来れたんだから、またゆっくり前進していけばいい…そう思いました。好き嫌いの多いのは、親のせい?そんな時、とある集まりがあって、大勢でご飯を食べる機会がありました。出た料理はオードブル形式。娘はその中から、好きなものを選んで食べていました。その時、娘はその場にいた人から「これ食べたら?」と料理を勧められました。Upload By SAKURA私はとっさに、料理を断った娘を、フォローしました。その話を聞いていた、料理を勧めてくれた人の子どもが来て、「好き嫌い多いの?」と聞いてきました。「味覚が過敏…」なんて言ってもわからないかな?と思った私は、「そうだね~学校では頑張って食べてるんだけどね~」と答えました。すると…Upload By SAKURA好き嫌いがない子は、確かに素晴らしいけど…好き嫌いがある子を育てた私の子育ては、下手ってこと?偏食は、そんなに悪いことなのだろうか…。その人に悪気はなかったのかもしれません。深い意味はなかったのかもしれません。みんなで食べる場所で、娘がわがままを言い、私がそれを認めたように見えたのかもしれません。その意味を深く考えないようにしてみても、悔しい気持ちはどんどんこみ上げてきました。私は、悔しい気持ちを押し殺して、表情がばれぬよう、これでもか!ってぐらい体を曲げて下を向き、食べ続けることしかできませんでした。そんな時にも主人の言葉が私を救ってくれて泣きそうになる気持ちをぐっとこらえて、その場をやり過ごした私でしたが、家に帰っても、モヤモヤする気持ちを消化することができませんでした。そこで、主人に話すことにしました。Upload By SAKURA主人は黙って話を聞いてくれ、「俺はさ…偏食なんて大した問題じゃないと思う。好き嫌いが多い子なんていっぱいいるよ!そもそも、あーさんはいっぱい頑張ってきた。おまえもいっぱい頑張ってきた。俺は知ってるよ。おかげで学校では食べられるようになったんだから!それで十分。それより、人の悪口を言わない、人に対して優しく接することができるあーさんは、すごいんだから!いいところ山ほどあるだろ?俺たちがちゃんとわかってればいいんだよ。」と言いました。私たちの過程をすべて認めてくれ、持論を話してくれた主人。その言葉に救われました。その背景にある親の思いを大切にしたい偏食の子がいる親御さんの中には、私と同じような気持ちになった方もいるのではないでしょうか?「ちゃんと食べさせないと」「甘やかしてるだけ」そんな言葉をかけられた方もいるかもしれません。食べ物を大切に…という観点から見れば、好き嫌いや偏食はいけないことかもしれません。しかし、その背景にはいろんな事情や、努力を経ている場合もあるのです。もし偏食の子どもに出会った場合に、それを育て方という言葉でくくるのではなく、その裏側にはそれぞれの事情もあるはずということをまずは考えたい。私はそう意識することにしています。
2019年09月11日