休日の個別療育の付き添いがしんどいUpload By アマミモヨリ自閉スペクトラム症の小5の息子ヒルマは、土日の1~2時間だけ、個別療育として学区外にある放課後等デイサービスを利用しています。「子どもの世界を広げたい!」という一心で何年も通っているのですが、正直なところ毎週の送迎と付き添いは負担でした。レッスン中の付き添いは必須ではないのですが、ヒルマは毎回緊張するため「教室にいて欲しい」と訴えるのです。夏休みに向けて高学年になったことだし、そろそろ同年代での小集団活動があってもいいかもと思い、ネットで調べてみました。すると、Upload By アマミモヨリ新しい教室を発見しました。しかも「送迎つき」で、夏休みは「午前から夕方まで利用可能」とあります。このチャンスは逃せません。さっそく見学の申し込みをしました。Upload By アマミモヨリ見学に行きました学校が早く終わった午後に、見学に行きました。Upload By アマミモヨリ初めての場所が苦手なヒルマは当然不安そうでしたが、わたしは期待でいっぱいでした。新しいビルの1階に、その教室はありました。受付を済ませて入口に向かうと、男の子が駆け寄ってきました。Upload By アマミモヨリこんな風にたとえ相手が明らかに自分より年下だったとしても、突然話しかけられることが、ヒルマはやはり苦手なようです。(自分がされるとイヤだから、自分からも話しかけません)「ヒルマ君です」とわたしが答えると、男の子は納得したようにうなずいて戻って行きました。かわいいお出迎えでした。教室内の様子さて、実際の教室を見た第一印象ですが、Upload By アマミモヨリとにかく狭いのです。一人暮らしのワンルームマンションに荷物を押し込んだような感じです。そして、新しい建物なので清潔感はあるのですが、教室内の備品やおもちゃは、Upload By アマミモヨリ質素。田舎のおじいちゃんの家に遊びに来たようなアットホームな雰囲気とも言えます。とりあえずこれまで見学した施設のどこにも似ていませんでした。実際の活動は?見学の時間に利用していたのはさっきの男の子(小2)ひとりだけでした。キャッチボールをするというのでおどろいて見ていると(だってキャッチボールをするには狭すぎる)、Upload By アマミモヨリ布製のやわらかいボールを、ふんわり投げるだけでした。やさしく放られたボールを、それでも顔面で受けてしまう男の子のことを、微笑ましく眺めました。う~ん、でもね、ヒルマは小5なわけです。この小さい子向けの運動を楽しいと思えるでしょうか。すると、先生がヒルマに話しかけました。Upload By アマミモヨリ今度はバレーボールをすると言います。この低い天井の狭いスペースで、しかも3人でどうやってボールを打つのだろうと思ったら、Upload By アマミモヨリ風船バレーボールでした。なるほど、それなら安全です。しかもヒルマの張り切りようときたら!その後トランプやオセロなどのゲームにも、ヒルマは少し遠慮がちに笑顔を見せながら参加できました。見学を終えた息子の感想教室からの帰り道、ヒルマは高らかに宣言しました。Upload By アマミモヨリ当初の希望とちがって、利用しているのは低学年の子ばかりだったけど、ひとりっ子のヒルマにとってはそれも良い経験になりそうです。何より、もう何年も通っている教室にはいまだに緊張しているのに、全然緊張しなかったってすごいことです。気負わないアットホームな感じが、ヒルマに合っていたのかもしれません。Upload By アマミモヨリそして実際のところそれは大正解で、ヒルマにとって楽しい夏休みになったのでした。2学期からは放課後も充実して過ごせそうです。
2019年09月10日やるべきことや持ち物を忘れてしまうのは、頭に浮かんだ映像が原因だった!?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽い自閉スペクトラム症がある息子・リュウ太には、脳内に映し出されている映像のほうが今目の前で起きているできごとよりも優位になってしまい、やらなきゃいけないことができなくなるという特性があります。この特性は「指示をナゼ忘れてしまうの?」「なんですぐにとりかかれないの?」ということを、18歳になった息子と話したときに明らかになりました。母から「宿題をやろうね」と何度か言われて渋々取り掛かるけれど、宿題を目の前にしてもなかなかできない。宿題嫌いな息子は母に促されても気持ちが向かず、「宿題をやらないとな~」と考えている間に頭の中で想像した楽しいことの映像が目の前に浮かんできて、その映像をぼーっとずっと見てしまう。Upload By かなしろにゃんこ。ここまでは誰にでもあることかもしれませんが、息子の場合はこの映像がどんどん濃く、ハッキリしたものとなり、浮かんできた映像の世界に浸ってしまうようです。宿題をやらなきゃいけないと思っていても、気持ちが向かないでいる間に脳内に楽しい映像が浮かび、その映像をたっぷり楽しんだ後でないと、やるべきことへ気持ちが向かない。 切り替えがうまくできないんだと言います。目の前に見えているはずのものの上に、頭に浮かんできた映像が重なって見え、さらにだんだんと脳で見る映像のほうが優位になってしまうので、目の前のノートや鉛筆、机といった勉強道具はいつの間にかかすんでいってしまう...ということなんだそうです。Upload By かなしろにゃんこ。また、宿題以外にも、息子が苦手な持ち物の管理でも同じ現象が起こることがあるとのこと。例えば、学校に持っていく習字道具を目の前で見ながら「今日はコレを持って行くんだ!」と思っているときに、母から「学校から帰ったらショッピングモールにお買い物に行くから、早く帰ってきてね」と話しかけられると、ショッピングモールの中のオモチャ屋やそこで売っているオモチャの映像が浮かぶ。その映像で頭の中があっという間に占められ、目の前にある習字道具は見えなくなり、そのまま持っていくのを忘れてしまうのです。林間学校や修学旅行でも必ず持ち物を忘れるので話を聞いてみたら、「カバンに忘れずに洗面用具をしまわなきゃいけないと思っていたところに、横から先生に話しかけられて、その瞬間に洗面用具が見えなくなってしまって結局忘れたんだ」と言っていたこともありました。また忘れたの?と思いつつも、本人の話をよく聞いてみたことで、忘れてしまう理由があったのだと分かりました。目の前のことに集中するために、映像を断ち切る方法を実践Upload By かなしろにゃんこ。リアルと頭に浮かんだ映像の両方が重なって見えているから、忘れ物を気を付けようと思っていても、ふとしたことで気が逸れて結局忘れてしまうんですね。特性ですから仕方がないのですが…とはいえ、何とか回避する方法がないか調べてみました。そこで思い当たったのが、フラッシュバックの回避方法。「これと同じように、頭の中に浮かんでくる映像をなんとか消すことはできないかな?」と思い、試してみることにしました。「自分の頭の中に浮かんだ映像が優位になってぼーっとしているな~」と思ったら、首や目を動かしてシャットアウトして映像を切るという方法です。フラッシュバックが起こるときには、過去に体験したことを昨日のことのようにリアルに思い出すといいますが、息子も同じようで、普段頭の中に浮かんだ映像の方に注意が向いていく以外に、イヤなことを思い出した際にも、その映像に意識が集中してしまうと言います。そのためイヤな記憶が甦ったときは体を動かして映像をシャットアウトした後に、気晴らしに楽しい動画を観てイヤなことを忘れることにしていると言います。Upload By かなしろにゃんこ。特性によって困ることもあるけれど...クリエイティブな活動にはプラスに働く!頭の中に浮かんだ映像が優位になりそうなときやイヤな思い出を思い出したとき、首や目を動かすことで、目の前のやらなきゃいけないことのほうに意識を向けられるようになってきた息子。ですがもちろん、100%うまくいくわけではありません。それでも成長するにつれて、朝の仕度の最中や仕事中はリアルな目の前の事柄に集中!とコントロールすることができるようになってきたようです。そしてこの特性は、困ったことばかり引き起こす訳ではないようで、本人は「でも、クリエイティブな活動ではこの特性はとてもいいんだよね!」と言います。息子は私と同じく絵やデザインを描くのが趣味で、どんな作品を描こうかな~と考えると脳の映像がいろいろ浮かんできて創作しやすいのだそう。また車を修理することも趣味なのですが、修理する段取りも( ゚ ρ ゚ )ボーッとしながら映像が浮かんできてシミュレーションしてワクワクしてヒラメキがあるとも言います。確かに私もボーッとして心地がイイときにいろいろひらめくから息子が言っていることはなんとな~く理解ができます。物忘れややることを先送りにしてしまうことは少し困ることもありますが、イマジネーションで自分の道を開拓していけるのなら、いい特性なんだろうな~と思うのでした。
2019年09月09日自己分析をして、目標に向けて行動する力を高めよう『やる気スイッチをON!実行機能をアップする37のワーク』著者の高山恵子さんは自身もADHDであり、ADHDの理解の普及支援を行うNPO法人えじそんくらぶの代表です。本書の中で実行機能とは「目標に向かって行動するために必要な考えや行動、感情をコントロールする機能」のことを指します。ワークを通して、自分の苦手なことについて自己分析をしたり、問題解決力をつけたりするために活用できる一冊です。実行機能を構成する要素は「起動(やる気スイッチ)」「計画立案」「時間の管理」など計8つに分類されており、まず自分がもつそれぞれの力のバランスをチェックリストで分析。その上で各要素の力を高めるためのワークに取り組むことで、バランスよく実行機能を高めていくことに役立てられるようになっています。ワークは実生活の中で起こりうることが例になっているので、自分に当てはめて考えることができます。また、実行機能を高めるワーク以外に、「朝ねぼうした」「遅刻した」などの失敗した場面でどう対処したら良いかを考えるワークもついており、実行機能を高めていきながら、問題が発生したときにも応用できるような構成となっています。当事者による、生活していくための分析が詰まった一冊『発達障害の私が夫と普通に暮らすために書いているノート』大人になり結婚した後に発達障害であることが判明した著者のななしのういさん。それまで自身の特性による困り感は特に感じていなかったそうですが、夫と生活していく中で夫につらい思いをさせている場面があることに気づき、状況を改善するためにノートを書き始めたそう。文字にして書き出すことで頭の中が整理できるという著者の手書きのノートは、起こったできごとの分析とそれに対しての改善策が丁寧に記されています。ノートには、夫婦のコミュニケーションから、料理や掃除・片付けなど日常の家事、仕事や通院のことまで、生活に関するさまざまなことがまとめられています。中には、著者自身の視点からの分析に加えて夫からのコメントがついているページも。起こったできごとに対しての夫の見解や著者に対して思うことが書かれています。文字にすることで双方の考えを理解して改善策を見つけ出していく方法は、いろいろな人との関係調整や困りごとの解消に活用できそうです。見やすく、楽しみながら学習できる!『個別支援プリント』シリーズ多くの人にとって読みやすいと言われているUD書体を使用して作られた国語と算数のプリント集が発売されました。丁寧な解説やなぞりがき線の補助など取り組む際にお子さんが苦手意識を持ちにくいような工夫も凝らされおり、特別支援教育士の先生も推薦しているプリント集です。『漢字が苦手な子どもへの個別支援プリント』シリーズはステップ4の2年生の漢字まで、『算数が苦手な子どもへの個別支援プリント』シリーズはステップ6の3年生と4年生の一部内容までを含んだものが発売されています。ステップ1は、漢字の学習に入る前の線のなぞりがき・ひらがな・カタカナ・数字のプリント集になっています。とめる・はらうなどの運筆の練習や「さんかいよんでからかきましょう」など取り組み方の説明がついているので、少しずつステップを踏みながら取り組むことができます。また、マス写しのように楽しみながら空間認知力を鍛えられる問題も含まれており、読み書きに抵抗感なく取り組みながら、その後の漢字の学習に繋げることができます。くり上がりの足し算、くり下がりの引き算の問題集ですが、まずは20までの数を図に合わせて数字で書いてみたり、並んだ数字の穴埋めをしたり、「1と9」「2と8」など数を分解したりと、数字の概念の学習から問題が始まります。くり上がり・くり下がりの計算の際には、数字を分解して書く欄やくり上がりの数字を書く欄など補助が豊富で、取り組み方を一つずつ理解しながら進んでいくことができます。子どもの気になる言動、その理由は?『発達と障害を考える本』シリーズ学校の場面に合わせて特性のある子どもの気になる言動とその理由や支援の手立てを解説するシリーズ「発達と障害を考える本」、これまでのADHD、LDに加えてアスペルガー症候群、自閉症についてまとめた新刊が発売されます。『ふしぎだね!?新版アスペルガー症候群のおともだち』では、「授業中に関係のない話をしてしまう」「思い通りにならないとパニックになる」「会話がかみあわない」など特性からくる困りごとを抱えた小学生について、そのときの本人の心情と、授業や友人関係の中で工夫ができることを解説しています。得意な面を生かした関わり方も提案されているので、お友達との活動の中で無理なく参加し、本人の自己肯定感を高める工夫を考えるヒントももらえそうです。また『ふしぎだね!?新版自閉症のおともだち』では、特別支援学級で学ぶ5人の小学生が登場し、「予定が変わると不安になる」「他の人の給食を食べてしまう」「リコーダーの音が我慢できない」など、交流級でのできごとを中心に、特性に合わせた配慮を知ることができます。周りのおともだちが不思議に思う行動も、特性を知ることで本人が過ごしやすくなることがわかります。やさしい解説で、学校の先生が読んでも、クラスに気になる行動をする友達がいるというお子さまが読んでもわかりやすい一冊です。
2019年09月06日発達障害の娘、就職して半年。壁にぶち当たっていた時期に明石洋子さんの著書『思いを育てる、自立を助ける』を読みました。この本は、子育てに悩む親の相談に、明石さんがご自身の子育て経験を元にQ&Aで答える形式です。当初、私は小さいお子さんを持つ親御さん向けの本だと思っていました。Upload By 荒木まち子ところが…Upload By 荒木まち子本は付箋だらけに…Upload By 荒木まち子単なるハウツー本ではない、明石さんの人柄まで感じられる本この本は“子どものこんな困った行動にはこんな方法が効果的!”といったことが書いてあるような単なるハウツー本ではありません。知的障害を伴う自閉症の息子さん、徹之さんは現在川崎市の職員として(障害者枠でなく一般枠で採用)働き、一人暮らしをされています。明石さんが試行錯誤しながら実践してきた子育てに基づくお話はとても参考になりますし、また、ご自身が運営されている社会福祉法人で実際に多くの方の相談に乗ってこられた明石さんの言葉には重みがあります。テレビで放送された番組や、各地で行われている講演会などで明石さんのお話を聞いた事がある方なら分かると思いますが、難しいテーマにも決してネガティブにならず、パワフルで温かい明石さんのお人柄がこの本の随所から感じられます。「本当に地域で幸せになれるの?」という質問に対しては…「私は、不幸とは①地域に生きる場がない、②世間から同情・憐れみ・差別・偏見を受ける、この2点だと、息子が小学校に入る頃から考えるようになりました。では幸せになる道を探せばいいですね。「①地域で生きる場の開拓」、同情や偏見などは知らないゆえの誤解ですから、とにかく「②知ってもらうこと」を考えました。そのためには息子と共に地域に飛び出すことにしました。(中略)障害をなくすことを目的とした治療に奔走するより、障害があってもあたりまえに「地域での自立」ができるようになることを子育ての目標にしました。『思いを育てる、自立を助ける (発達障害の子の子育て相談 1)』よりほかにも、「強がりでなく「ありのままでいい」と言える日がくるのでしょうか?」「独り言など、その場にふさわしくない行動をやめさせるには?」「働くということを教えるには?」といった質問にもご自身の経験を元に丁寧に回答されています。またタブー視されがちな性のしつけに関する相談についても回答をされています。Q&Aだけでなくところどころに挿入されているコラムも楽しい内容でとても魅力的です。ノーマライゼーションや障害者の権利宣言、ICF(国際生活機能分類)についても分かりやすく書かれていらっしゃるあたりはさすが、明石さん!といった感じです。娘がぶち当たっていた壁についても書かれていた今、特別支援学校等から一般就労する人がずいぶん増えました。障害者雇用の制度が進んだのと、「就労移行支援」事業所等のサービスが充実してきたことによるのでしょう。しかし、就労の継続は難しいようです。就労の機会が増えたことは喜ばしいのですが、金銭感覚や就労意欲を育てることを忘れて、「学校を卒業します。さあ働きましょう」と押し出されている現状のようです。ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害がある若者の「働けない・働かない」相談が毎月きます。『思いを育てる、自立を助ける (発達障害の子の子育て相談 1)』あとがきよりこれは娘にも当てはまりました。障害がある人の働く場が増えてきたことは、嬉しいことです。でも、ただでさえ成長がゆっくりな障害のある子どもが、高校を卒業してすぐに社会に飛び出すことの心身の負担は並大抵のものではありません。子ども自身の用意ができていない段階で社会に飛び出していっても、過度なストレスがかかり、思うように仕事ができないことで自信を失ったりという状況があるという面もあるのだと思います。そんな子どもが無理を重ね、こじれてしまうことで、二次障害や家庭内・外でのトラブルにつながってしまう例にも、明石さんは触れています。たとえば、「本人に就労意欲がない」との理由で解雇され、「働く楽しさを身に付けるように」と福祉作業所を勧められても、作業所には行きたがらないとの相談。親御さんから「力ずくでも行かない。毎日ぶらぶらして問題ばかり起こす。お金がないのに衝動が抑えられず、万引きしたり代引きで買い物したり、消費者金融でお金を借りたり、人に無心してトラブルになったり……。どうしたらいいか」との相談です。家族に暴力をふるい、親は疲弊し、グループホームに入れても、ホームの世話人からは「朝起きないなど基本的な生活習慣がついてない。日中活動に行かないならホームを退去」と言われているとのこと。せっかく就労の機会が増えても残念な話ですね。『思いを育てる、自立を助ける (発達障害の子の子育て相談 1)』あとがきよりすべての障害のある子どもがそうではないかもしれませんが、私達はまさにその頃、就労の継続の難しさを肌で感じていました。特例子会社に就労して一年目だった娘は「家にいる時や休みの日は平気なのに、会社のある日の朝になると吐く」という状態が続き、秋にはほとんど会社に通えなくなってしまっていたのです。このままでは休職か転職しかない、といったギリギリの状態でした。先輩のように仕事ができない自分に落ち込む。職場の人ともっと仲良くしたいのにそれができない。理想と現実の間で娘は負のループに陥っていました。学校で「働くこと」について学んでいたとはいえ、実際働き始めると娘はそれまでの学生生活とギャップに戸惑い苦しみました。 就労はゴールではなく、その先の長い人生のスタート地点だという自覚が、娘にも私にも足りていなかったのかもしれません。娘に、本に書いてあったことを話すと…あまりにもわが家の状況とピッタリだったので私は娘に「明石さんの本にこんな事が書いてあるんだけど…」と話すとUpload By 荒木まち子当時は「娘が休職や転職を望むならそうするしかないだろう。もう娘が限界で、そうすることで娘が幸せになるというなら仕方ない。」と私は覚悟していました。障害児育児のヒントこの本には障害児育児のヒントが書かれています。今も、知的障害を伴うASDと診断されている彼は、れっきとした障害者です。「明るく元気に働く大人になります」と自己決定して、公務員として働いています。(中略)思いが育てば、自立への道筋がついていく、と言う証でもあろうかと思っています。先に挙げた相談事例と徹之の場合の大きな相違は、「自己決定をしたかどうか」であるように思えます。『思いを育てる、自立を助ける (発達障害の子の子育て相談 1) 』より幸いにもその後、娘の症状は落ち着き、現在も同じ職場で働いています。週末には職場の先輩と食事やカラオケを楽しんでいます。娘が復活したきっかけは何だったのでしょうか。仕事や職場に慣れてきたこと。入社時から積み上げてきたジョブコーチとの信頼関係が確たるものになったこと。会社での休憩時間の使い方を学んだこと。親との価値観の違いを主張して良いと知ったこと。支援者は親の味方ではなく本人の味方であると再確認したこと。さまざまな要因があったと思いますがやはり娘自身が「その会社で働き続けたい」と思った(自己決定した)ことが一番の要因なのだと思います。自己決定の大切さ障害児育児の大先輩、明石さんからのメッセージにはいつもさまざまな事を気づかされます。鍵は自己決定、そして本人のまわりに「知って理解して支援する人」がどれくらいいるかです。(中略)子育ては「子どもの成長を助ける」ことと思っています。『思いを育てる、自立を助ける (発達障害の子の子育て相談 1) 』あとがきより私は自分の子育てを振り返りました。娘は学生時代、本当に「自己決定」をしてきただろうか?私はありのままの娘を受容できていただろうか?「それを娘が望んでいるから」という言葉を隠れ蓑にして実際は自分の価値観を娘に押しつけてはいなかっただろうか?そして思いました。自立は決して子どもに“させる”ものではない。自立するのは本人であって親はそれを“助ける”ことに徹しよう。子どものできる事を増やすより幸せを増やそう。今後、娘を支えるのは親ではなく支援者になっていく。これからも信頼できる支援者との繋がりを大切にしていこう。過去は変えられないけど、気づけたことでこれからは変わることができる。――と。これからも子育てで行き詰まった時、私はこの本を読み返すことでしょう。きっと自分の中でその時その時の“気づき”を見つけられるはずだから。明石洋子(あかしようこ):社会福祉法人あおぞら共生会副理事長、一般社団法人川崎市自閉症協会代表理事(川崎市自閉症児親の会会長)、NPOかわさき障がい者権利擁護センター理事長。薬剤師、社会福祉士。2008年に第4回ヘルシー、ソサエティー賞、2012年に厚生労働大臣賞を、また2017年に、徹之氏と共に第19回「糸賀一雄記念賞」を受賞。おもな著書に『ありのままの子育てー自閉症の息子と共に①』(ぶどう社、2002年)、『自立会の子育てー自閉症の息子と共に②』(ぶどう社、2003年)、『お仕事がんばりますー自閉症の息子と共に③)』(ぶどう社、2005年)などがある。
2019年09月05日数分おきに発生!激しい兄弟ゲンカ、どうすればいい…?6歳の兄むっくんと3歳の弟くーちゃん、2人が一緒に過ごす時間の多い夏休みは、数分おきに泣き声に怒鳴り声が…。パンチにキックにおもちゃも飛び交う中、「いいかげんにしなさい!」と何度も雷を落としてみても、状況は改善しません。そんな日々の中で試行錯誤の末、ちょっとした対応のコツを覚えたので紹介します。兄弟ゲンカから学べることもある本音では勘弁して欲しい兄弟ゲンカですが、いい経験なのかも…と思うこともあります。衝動的で怒りやすいむっくんは、お友達トラブルでは周囲がむっくんの剣幕に驚いて譲ってくれることが多いのですが、弟くーちゃんは違います。くーちゃんにとって生まれた時から兄とはそんなもの、怒鳴ろうが、脅そうが果敢に立ち向い折れることはありません。むっくんにとってくーちゃんは正面からぶつかってきてくれる貴重な相手です。一方くーちゃんにとってむっくんは、発想力豊かで面白い遊びを次々と考えだす憧れの兄。常にむっくんの後を追い回し、ひたすらまねる。くーちゃんにとってむっくんは己を高める先生でありよきライバルのようです。2人はケンカを通して、それぞれ必要なスキルを獲得しているようにも感じられます。どれだけぶつかり合っても時間がたてば元の関係に戻れる兄弟だから、安心して本音をぶつけ、本気のケンカができるのかもしれません。なので心に余裕のある時は、軽い小競り合いは見守り、興奮しはじめてから介入するように心がけています。Upload By ウチノコわが家のケンカが激減!心がけた「3つの介入方法」どんな時に小競り合いがエスカレートするのか観察してみると、家事中など私が別のものに集中して、2人から意識が離れていることが多いように感じました。そこで、家事の途中でも頻繁に声をかけるように意識してみることに…Upload By ウチノコ私は家事中なので、2人の状況を言葉にして感想を述べるという、口と視線だけの介入です。5分おきにけんかになるのなら。4分おきに声を掛けます。するとトラブルが減ったのです!お母さんが注目してる!と嬉しくなって、お互いの気に入らない面をスルーできるのか?見られて嬉しい男子たち、単純でかわいい…。それでもうっかりしていると取っ組み合いのけんかが始まることもあります。馬乗りの姿なんて、思わず上に居る子を怒鳴りたくなりますが、ぐっとこらえて片方を裁くことはしないよう気を付けています。わが家の2人の場合、片方だけが100対0で悪い!なんてことはそうありません。なので、介入時の声かけは「どうしたの?お母さんに教えてくれる?」で始めるようにしています。Upload By ウチノコそして2人を引き離し一人ずつ話を聞いて、気持ちの部分を繰り返します。泣いていても状況と気持ちを言葉に起こしてそれぞれに返していきます。Upload By ウチノコ暴力など、どうしても許しがたい時は落ち着いた後に「お母さんは人を蹴ったり叩いたりすることはやめてほしいと思っている」と伝えます。「お兄ちゃんは我慢しなさい!」「人を蹴るなんて悪い子ね!」など一方的に裁くと、心にしこりが残るようでその後もいざこざが起こりやすいのです。一方、気持ちを聞いて、話してくれたことを繰り返すように言葉にすると、それぞれ気持ちが落ち着き、相手の思いも入りやすく、そのうちまた一緒に遊びだすから不思議…。ケンカの時は白黒つけず、肩入れせず、中立の立場でのらりくらりに限ります。一見不誠実に見えるかもですが、それぞれに寄り添うってこういうことなのかなぁと思ったり。母は裁判官にも検察にも弁護士にもならず、ふわふわと八方美人に徹するに限ります。中立で、と言っても兄であるむっくんが我慢を強いられることの多い兄弟トラブル。「弟なんていらない!」と憤るむっくんに、2~3歳の子の発達と対応について教えてみました。「くーちゃんは今お兄ちゃんになりたいお年頃だから、小さなぬいぐるみを使ってお話するとお兄ちゃん気分で聞いてくれるかもしれないよ」と教えたら早速試してくれたむっくん。おやつを分けてほしい気持ちを、ぬいぐるみで話しかけて穏便にクッキー1枚ゲットです!Upload By ウチノコ私もむっくんが小さい頃、こういう時はこういう理由や対応が考えられると学ぶことで、いろいろと受け入れられることが増えたように思います。むっくんも同じように学ぶことで、受け止め方が変わることもあるのかもしれません。兄弟仲良く過ごすには私はこの先も末永く兄弟仲良くできたらいいなぁと思っています。が、2人がお互いを大切な存在だと思えるかどうかは、私のかかわり方の影響も大きいように感じています。それぞれがお互いを大切に思えるような私のかかわり方とは何なのか。これからもしっかり考えながら2人を見守っていきたいです。Upload By ウチノコ
2019年09月04日「○○しなさい!」返事はするのにできない息子。自分でできるようにするため、特性を活かすことに!Upload By かなしろにゃんこ。親の指示を素直に実行できる子がうらやましいといつも思っていました。息子・リュウ太が私の言うことをすんなり聞くことは、まずなかったからです。ADHDと広汎性発達障害がある息子。外出先から家に帰ると「うがいしなさい!」や「手を洗いなさい!」と伝えるものの、息子は常に後回し。「時間割そろえて明日の用意をしなさい」などの親の声に対しては、”ながら返事”で無意識に返事をしていて、本人は返事をしたことすら忘れていることがあります。ADHDの特性からか、ワクワクすることや今まさに注目していることにしか関心がありませんから、小学校2年生頃まではうまく指示に従えませんでした。でも高学年になると、ADHDではなく、広汎性発達障害の特性が活きてくるようになりました。その特性とは「ルーティンで行動する」ということ。特性に気づいてからは、やってほしいことが息子にとってのルーティンになるよう、指示を忘れているときや意識が向かわずうまく従えないときも必ず声をかけて365日過ごすことにしました。Upload By かなしろにゃんこ。やることリストを書いて貼っておくなど、伝わりやすい方法は子どもによっても違うと思いますが、息子の場合は忘れているかもと思ったタイミングで声をかけてあげることが効果的でした。例えば帰宅後の手洗いうがいだったら、忘れているかな?と思ったらすぐに「手洗いとうがい忘れてるよ、家に入ったら最初に洗面台に行くようにしてね」と伝えます。最初は「ボクの行動にいちいち注意するウザいお母さん」と思っていたそうです。それは今もかな。笑しかし毎日毎日続けていくことで、学校から帰ったら手を洗わないと気持ちが悪いと思うようになっていったと息子は言います。Upload By かなしろにゃんこ。中学生では自主的に「家に帰ったら足を洗う」こともルーティンに加え、毎日やっていました。一度ルーティンでできるようになると指示を出さなくてもいいので、親も子も楽。毎日面倒だけど声かけしていけばできるようになる!と実感して、それからは諦めずに1000回は声かけをしよう!という意識になってきました。何か考え事をしていても無意識に体が行動して済ませてくれるまで♡声かけをするときは怒らないように、普通に話しかける感じで伝えます。毎日毎日怒られる...と思ってしまうと子どもも嫌な気持ちになりますもんね。Upload By かなしろにゃんこ。ただ、明日の準備と宿題だけはいくら声をかけてもダメでした。翌日の持ち物は毎日用意するものに変化があるのでルーティンではできなかったようです。また時間割の準備や宿題に取り掛かろうとすると、教科のことを考えて好き嫌いセンサーが反応してしまい、無意識で体が動くようにはなってくれないのだそう。そういう理由なので、このあたりはその都度私が一緒にみてあげながら、ときには忘れ物をしながら小学生の日々を過ごしました。ランドセルの上に帽子を乗せてまとめておくことだけは無意識でできていたので、ヨシ!としていました。Upload By かなしろにゃんこ。成長してきた息子、家事のお手伝いもルーティンでできるように!わが家では、家族の一員として家の家事を何かしら担ってもらうようにしています。そこで、息子がルーティンなことであればほぼ忘れず出来るようになった中学生のときに、取り組んでほしい家事を教えることにしました。まずはゴミ捨てです。”朝玄関の前にゴミが置いてあったらゴミを収集所に持っていく”ことを何度か教えたら、やれるようになりました。そしてお風呂使用後の片付け。お風呂に入った後に鏡の水滴を拭いて窓を開け、バスマットを洗面所に干すということを2年ほど伝え続けたら、これもできるようになりました。お風呂に入ってゴシゴシ体を洗ったら周囲の片づけもセットでやる!というように覚えてくれたようです。いくつかの行動をルーティン化させていくうえでわかったのは、覚えてくれたら指示を変えないことが大事なんだということです。Upload By かなしろにゃんこ。毎日こうしてああしてと親の都合でやり方や時間帯をコロコロ変えると、子どもも混乱してできなくなります。やってほしいことのルールを変更したときは、また振り出しに戻って丁寧に何度も繰り返し伝えることにしています。毎日の行動はできないわけじゃなくて、覚えてルーティン化するまでに時間がかかるだけ。何度も伝えなきゃいけないのは本当に大変ですが、それは私のルーティンとして決めてしまえばいいんだって思いました。そう考えることで、毎日伝えることに対してのストレスも少し軽減された気がします。本人の意思でやりたくないことや、一人でやるのが難しいことはもちろんありますが、手洗いうがいのように毎日やったほうが良いことや、家族の一員としてできる簡単なお手伝いは、少しずつでも自分からできるようになってくれてよかったなと思います。現在は、就職した息子が帰宅後にお弁当箱をなかなか洗わないことに声かけをしています。まだまだ母の戦いは続きそうです。笑
2019年08月28日第2回「児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者フォーラム」開催決定!テーマは”保育所等訪問支援、実践の場から”2019年4月に第1回を開催した、「児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者フォーラム」。ご好評をいただき、第2回の開催が決定しました!今回のテーマは「保育所等訪問支援、実践の場から」。インクルーシブ社会の実現を目的に創設された「保育所等訪問支援」は、保育園、学校などの教育現場に入って行うアウトリーチ型の発達支援事業です。今回のフォーラムでは、保育所等訪問支援の制度概要をはじめ、具体的な実践報告のプログラムをご用意しています。第2回「児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者フォーラム」開催概要◆オープニング13:00~13:30◆当日は多様な参加者同士が出会う機会となります。フォーラムの場を「どんな1日にしたいか?」など、参加者同士がより良く過ごせるための導入ワークショップを実施します。◆プログラム①13:30~14:30◆「保育所等訪問支援の今、そしてこれから」基調講演では、保育所等訪問支援のそもそもの理念や目的、支援の流れなどの概要から、現状と課題などをご紹介します。【登壇】小田 知宏さん(一般社団法人全国児童発達支援協議会 理事/認定NPO法人発達わんぱく会理事長)2000年より株式会社コムスンにて関東支社長・障害支援事業部長として障害福祉に携わる。2008年株式会社コムスンの廃業に伴いスターティア株式会社に移り、執行役員社長室長などを歴任。退職後は筑波大学及び大学院にて科目等履修生として発達心理や言語聴覚などを学び、2010年にNPO法人発達わんぱく会を設立。2012年、一般社団法人全国児童発達支援協議会 理事に就任。◆プログラム②14:15~15:15◆「学校との連携を考える~自治体とのパートナーシップを通して~」保育所等訪問支援において重要なのが学校・自治体など地域との連携だと言われています。保育所等訪問を通して、法人と自治体のパートナーシップをテーマに、具体的な連携内容や、その背景などについてご紹介します。※登壇者情報は8月中に公開予定です。◆プログラム③15:45~16:45◆「支援者が困難な状況に向き合うとき~児童養護施設における支援を通して~」LITALICOジュニアの保育所等訪問支援における児童養護施設との取り組みを実践担当者からご紹介します。支援者が困難な状況になった際に、バーンアウトしないようどう向き合っていけばよいか?支援者としてどのようなスタンスを持っておくと良いのか?その中で、どのような環境をつくっていけば良いかなどをテーマに、対談を行います。【登壇】野口 晃菜(LITALICO研究所所長/博士(障害科学))公教育におけるインクルーシブ教育システムの構築を専門に、すべての子どもにとっての学ぶ権利が保障される社会の構築を目指す。小学校講師を経て、株式会社LITALICO入社。LITALICOジュニアにて指導員を経験し、スーパーバイザーとして研修制度の構築等に関わる。現在はLITALICO研究所所長。阿部純一(LITALICOジュニア 保育所等訪問支援 訪問支援員 兼 児童発達支援管理責任者)知的障害者のグループホームにて経験後、児童支援の重要性に直面したのをきっかけに2012年に株式会社LITALICOへ転職。LITALICOジュニア横浜教室の立ち上げを経験し、児童発達支援管理責任者として5年ほど勤務。その後スーパーバイザーとしてスタッフの育成に関わった後、保育所等訪問支援の訪問支援員として現在に至る。そのほか、社内外の研修企画・実施なども担当。◆交流会17:00~18:00◆参加者同士でざっくばらんに情報交換をしていただける交流の場となります。飲み物や軽食などをご用意いたします。日程2019年9月15日(日)13:00~18:00(開場:12:30)対象、参加条件・児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者として働いている方・今後、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者の就任を考えている方・3~5年以上の支援経験がある方募集人数50名(会場の関係で、先着・事前申し込み制となります)会場株式会社LITALICO 中目黒本社〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-1中目黒GTタワー16F東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」東口より徒歩1分案内マップ参加費3,000円※領収書が必要な方は当日発行いたします。持ち物筆記用具をご持参ください。服装自由です。ぜひリラックスした服装でお越しください。※合理的配慮が必要な場合は、お申し込みの際にコメント欄にご希望の記載をお願いいたします。※プログラムの内容及び開催時間などは変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。※本イベントの様子は、予告・許諾なく、写真撮影・ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。写真・動画は、WEBサイト等の広報手段、SNS、講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。新たな取り組みを学び、発見する機会により良い支援をするための学びの機会や、支援者同士が情報交換や課題解決ができる場としてスタートした「児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者フォーラム」。今回のテーマは「保育所等訪問支援」です。保育所等訪問支援の制度概要から実践事例までを深く知ることで、よりよい支援につながるヒントが得られるかもしれません。50名限定となっていますので、ご興味ある方はぜひお早めにお申込みください!
2019年08月27日何かできないか…その想いが療育グッズ製作の始まり2歳半の時、発育の遅れを指摘された娘は、すぐ、言語訓練に通い始めました。しかし、言語訓練は予約がいっぱいで、1か月に1回しか受けることができませんでした。娘は2歳半のころ、ほとんど発語がありませんでした。少しでも発達を促すことができたらと、言語訓練を希望していたものの、療育施設での言語訓練は月に1回しかできないと言われてしまいました。私は言語訓練に通うことができない状況に焦りました。少しでも娘の発語を促すため、何かしなければと考え続ける日々…。そこで、言語訓練で使っていたカード訓練をヒントに、自宅で真似してカードを作りました。Upload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURA最初は、無関心だった娘でしたが…。Upload By SAKURA全く興味を示さない娘に、繰り返しカードを見せ、ほぼ独り言のような状態で、カードに描いてある絵の名前を読み上げ続けると…娘はだんだんと、カードに目を向けるようになりました。そして、少しずつ私の読み上げる言葉に反応を示し始め…。数日後には、カードを自主的に持ってくるようになりました。このカードは、私たちの療育の始まりでもあります。私が初めて作った思い出深いカードです。この後、さらに制作したカードと一緒に、今も大切にしまってあります。Upload By SAKURA現在、カードはおもちゃ箱に保管されていて、娘は(小学3年生になった)今も時々、出して遊んでいます。Upload By SAKURAその光景を見るたび、なかなかしゃべらなかったあのころを思い出し、スラスラと話す今の娘を見ながら、成長を感じ、嬉しくなります。小学校に向けて「自分で」の準備娘が幼稚園の年長になり、「ついに来年は小学生!」というころ…。私は、娘の小学校入学にいくつか不安がありました。そのうちの一つが、「(学校の)準備が一人で、できないこと」でした。そこで、小学校入学にむけて、「準備」を練習することにしたのですが…。Upload By SAKURA一緒に取り組んでも、娘は心ここにあらず。何とかやる気を出してもらおうと、明日の持ち物準備のチェックリストを作りました。Upload By SAKURAこのチェックリストにしてから自主的に、準備に取り組むようになった娘。準備を視覚化することで、「明日の準備」は娘が主体的にできる日課になりました。Upload By SAKURA小学生になった現在、スムーズに「明日の準備」ができているのは、このチェックリストが少なからず影響を与えたのだと、私は思っています。朝、言われなくても動けるようにするために小学校に入学した娘。朝起きるのがとても遅く…支度にも時間がかかり…いつも出発はギリギリでした。「早くして~!」「遅刻する~!」とイライラしながら声をかける日々を毎日繰り返し、私は精神的にいっぱいいっぱいでした。Upload By SAKURA何とかしなければと娘の様子を観察していると、あることに気がつきました。娘は、次の行動にうつる前に必ず、止まって固まっていたのです。次に自分が何をしたらいいかわからないんだ…と気づいた私は、あるものを作りました。Upload By SAKURA作ったのは、朝、娘がしなければならない支度や準備を、すべて描いたカード。娘には、終わったカードを裏返してもらいます。そうすることで、あとは何が残っているかはっきりわかり、全体の見通しも立ちやすくなることが狙いでした。カードを使い始めてから、全部クリアしようとゲーム感覚で楽しく準備してくれるようになり、朝のイライラは激減しました。そして、私が何も言わなくても、カードを自分で出してきて、自主的に身支度を始めるようになったのです。カードを使った支度は、小学1年生から2年生までの半年ほど続き、小学3年生になった今は、声かけをしなくても、出発の時間までテレビを見たり、ゲームをして過ごすことができるほど、余裕をもって支度を終えられています。Upload By SAKURA大切なのは完成度よりも、親の想い私はこれまで、娘に何か課題が発生するたびに、娘の手助けになれば…と、いろいろ作ってきました。その中には、全く娘に響かなかった失敗作も、たくさんありました。しかし、大事なのは、我が子を観察し、どうすれば過ごしやすくなるか、「考えること」ではないでしょうか。子どものために、一生懸命作ったものなら、絵がうまくいかなくても、コピーして切って貼ったものでも、子どもにとっては特別なのです。親の愛情が含まれてこそ、効果があると思います。親が子どものために、試行錯誤してやることに不正解はない。すべて正解だと私は思っています。
2019年08月21日Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子学生時代はお薬ボックスで管理障害のある子どものお薬管理には気を使いますよね。発達障害がある娘は、小学生時代は薬の飲み忘れが多かったのですが、お薬ボックスの使用などで飲み忘れはだいぶなくなりました。Upload By 荒木まち子娘は小学校高学年の頃から週に一度、自分でボックスに薬をセッティングするようになったのですが、その作業は少し大変そうでした。・朝と夕でお薬の数や種類が違うので間違わないよう神経を使う・手先が不器用なので、カプセルや錠剤のシートをハサミで切る作業が負担などが原因でした。社会人になった娘、お薬管理がバージョンアップ社会人になり、学生時代に比べて「今までよりお金には余裕があるけど時間に余裕がない」状態になった娘はある行動に出ました。2週間の投薬カレンダーを2つ購入し、それまで週に一度行っていた薬のセッティング作業を1か月分まとめてすることにしたのです。Upload By 荒木まち子娘は月に1度病院を受診していて、お薬は1か月分まとめて処方されています。花粉の時期にはアレルギーの薬もプラスさせれるので1か月分の薬をセッティングするとなると結構な量になります。娘は集中するため、それまでリビングで行っていた作業を自室で行うようになりました。かかりつけの薬局で知った「一包化」わが家にはかかりつけの薬局があります。そこで”娘にとって薬の管理は大変”だという話をしたところ「一包化してみたらいかがですか?」と言われました。「薬の一包化」とは、服用時期が同じ薬や1回に何種類かの錠剤を服用する場合などに、それらをまとめて1袋にすることで、飲み間違いや錠剤の紛失がなくなります。また、手が不自由で薬を取り出すことが難しいという方にも便利です。一包化にはいくつかの注意点があります・対応していない薬局がある・医師の処方が必要・薬の種類によって一包化できないものがある・複数の病院で処方されたものは一包化できない・包むのに時間がかかる・追加料金がかかるなどです。実際、一包化を試してみると・薬の数を数えなくて良い・錠剤のシートを切る手間が省けるなど、娘の苦手を補ってくれ、ぐっと服薬管理のハードルが下がったのです!家での作業がぐっとラクに!Upload By 荒木まち子娘の家での作業は、一包化してもらったお薬を、投薬カレンダーのポケットに入れるだけになりました。おかげで、手間も時間もぐっと減りました。1週間のボックス型に比べ、2週間のカレンダー型はサイズが大きく場所を取ります。またポケットが浅いのでお薬の包みをしっかり奥まで入れないと落ちやすいなど気を付けなければならない点もあります。でも一包化したことで苦手感のあった作業工程が大きく減り、娘は今の状態に満足しているようです。薬の自己管理は継続して行わなければならない大切なことなので、本人の負担が少しでも減って良かったと思います。
2019年08月19日「女の子」の枠に入れられるのが嫌。でも、「男の子」になりたかったわけではない突然だが、私の戸籍上の性別は女性である。「何を今さら」と言われてしまいそうだが、私は長年この事実に違和感を抱いてきた。私が生まれた昭和50(1975)年は、今以上にジェンダーロール(性役割)が守るべきものとして扱われていた時代である。女の子はスカートを履くのが当たり前。現在では好んで履くこともあるが、物心ついた当時は、これが嫌で嫌で仕方なかった。股下がスースーするような履き心地が心もとないというのもあるが、「女性である」という枠に組み込まれてしまうようで、何だか恐ろしかったのだ。「女の子らしい」とされるレースや小花柄などは、視覚情報としてうるさく感じられ、避けていた。かといって、男の子になりたかったわけではない。私の髪は、元美容師である母の手によって常にショートカットにされていた。私から「長く伸ばしたい」と母に願い出たことも何度もあったが、「自分で手入れができるようになってからね」と聞き流されていた。なぜ娘の願い出をいつも退けていたのかと後年質問したところ、「ショートカットが可愛いと思っていたから」と答えた。嘘ではないだろうが、おそらく面倒だったのもあると私は思う。私には3歳上の兄がいて、今ではすっかり落ち着いた2児の父親だが、学童期は多動気味な少年だった。そんな息子を育てながら、こだわりの強い娘こと私の髪を毎日結ってから送り出すなんて、自分だったら泣きながら「勘弁してください」と願い出るだろう。ショートカットで装飾の少ないシャツやパンツという出で立ちに加え、痩せてはいたが、骨ばったごつい体格をしている私は、しょっちゅう男の子に間違われていた。保育園や小学校のクラスメイトからの「オトコオンナ」というからかいも、悪気ない大人から「坊ちゃん」などと呼ばれるのも、等しく不快に感じていた。なぜ服装や髪型から「男の子である」と決めつけられ、時にはからかいの対象として扱われなければならないのか。とても理不尽に思え、泣きながらその場を逃げ去ることもあった。「女性」の枠に入れられることも、「男性」として扱われることも、私にとっては受け入れ難い。「じゃあ私は一体どっちに入ったらいいの?」そんな疑問が湧き上がってきた。「私、女の子に産んでほしいって頼んでない!」性別違和とジェンダーロールへの不満を爆発させた私。そのとき母はさて、私の母はとても朗らかかつ柔軟性のある人で、ぶつかることもありつつ、深い愛情を注いでもらっていた。しかし「男の子だから」「女の子だから」をよく持ち出す人で、3歳上の兄には許されるのに私には許されないことがさまざまあった。兄の立場からしたら、逆のこともあったのかもしれないが、ここは一旦横に置く。「男である」「女である」と断じられることへの違和感を払拭できずにいた私は、母への不満を募らせることになる。そして、それが思春期に爆発した。高校1年生の夏休みのこと。兄はすでに実家を離れ、県外で暮らしていた。両親は共働きで、それぞれ出勤してしまうまで寝過ごしてしまった私は、食後に食器をシンクに入れたまま洗いそびれ、慌てて部活動の練習へ向かった。夕方、母より後に帰宅をした私は、こっぴどく叱られた。寝坊したために自分がすべきことをこなせず、母の仕事を増やしてしまったことは申し訳ないと思い、素直に謝罪した。が、ふと(あれ?兄ちゃんも高校生のとき、似たようなことが何度もあったよな。でも、叱られてなかった…)と気づき、どうしてかと母に尋ねると、「○○(兄)は男の子だからいいの!希望は女の子でしょ!?」と一喝された。「え、何それ。私、女の子に生まれたい、女の子に産んでほしいって頼んだわけじゃないのに、どうして“女の子だから”だなんて役割を背負わされなきゃいけないの?女の子だから、女の子らしく…そう言う割にさ、小さいころの私が男の子に間違われた、嫌だ、髪を伸ばしたいって頼んでも、ボーイッシュで可愛いじゃないとかさ、私、別にボーイッシュがいいなんて思ってなかった。というか、女の子らしくしたらいいの?ボーイッシュにすればいいの?それを私に選ぶ権利はないの?ねえ?子どもは親の選択に従わなければならないの!?男か女じゃなくちゃいけないの??私は私でいてはいけないの!!?」長らく抱えていた性別への違和感と、ジェンダーロールに絡め取られて自己が失われてしまうような不気味な感覚がないまぜになって、私は一気にまくし立ててしまった。前述したとおり、普段の母は陽気で柔軟、発達障害だなんて概念すら知らなかったころから、私の特性を尊重してくれた。だから私はとても信頼していた。こんな言葉をぶつけられる程度に信頼していた。でも「女の子に産んでほしいって頼んだわけじゃない」はさすがに言い過ぎだ。母は、今までに見たことのないような、強ばった悲しげな表情を浮かべている。まずいと気づいたものの、吐き出した言葉は取り戻せない。何を言うべきか、何をするべきか、私が迷い、うろたえている間、重い空気が流れる。先に口を開き、沈黙を破ったのは母だった。「ごめん、私はちゃんと希望を1人の人間として見ていなかったのかもしれないね。これからは女の子だからとか、そういうことは言わずにちゃんと話を聞くようにしなくちゃね」きっぱりとした口調で母は伝えてくれたが、傷ついていたのではなかろうか。私は凄まじい後悔と、やっと言えて、なおかつ受け入れてもらえた安堵に包まれ、その後のことは覚えていない。以降、母との関係は良好だ。しかし、長年当たり前だと思っていた感覚から抜け出すことは容易ではない。役割を押しつけてくることこそなくなったが、私の息子について「男の子だからそれぐらいでいいの!」というようなかたちでジェンダーロールを持ち出すことがある。その度に「だからそういうのはやめてって頼んだでしょ」「あ、そうだったね、ごめんごめん」と意思表示して笑い合うことができているのだから、あの日の衝突は無駄ではなかったと思える。まだ自分が「女性」だという確証を持てない私。男女、LGBT以外にも多様な性があると知り…女性の体を持って生まれ、恋愛や性愛の感情は男性に向く事実を踏まえると、自分は女性であると捉えるのが自然だ。でもやはり、どこか据わりが悪い。身体的なことはともかく、「心が男性」だとか「心が女性」だという表現があるが、何を以て判断できるのか。基準が分からないから、私は自分が「女性である」という確証を持てないのだ。それに、現時点で恋愛・性愛の対象が男性だとしても、いつか魅力的な女性に出会って、私が恋をする可能性が皆無とも思えない。だからといって、自分がレズビアンもしくはバイセクシュアルだというのも、どうにもピンとこないのだ。2度の結婚と離婚、出産を経ても、そうした思いは変わらなかった。そしてあるとき、後に書籍化される宗方美樹(現・小池みき)さんの『同居人の美少女がレズビアンだった件。』というWeb漫画と、同作で“同居人・まきむぅ”として描かれている牧村朝子さんの『百合のリアル』という書籍に出会い、男女及びLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)以外にも、多様な性(LGBTQ+)があるということと、Xジェンダー、クエスチョニングという概念を知ったのだった。他者に判断された性別でも、男性でも女性でもないあり方を選ぶもの『百合のリアル』(牧村朝子著/星海社)P59より性に対するあり方をまだ決めていない。もしくはあえて決めない。『百合のリアル』(牧村朝子著/星海社)星海社P108より衝撃を受けたのと同時に、深く安堵した。男性か女性のいずれでなくてもいいし、無理に決めなくてもいいのだ、と。そして『百合のリアル』には、私が何十年も抱えてきた思いと似た、牧村さんの言葉もつづられていた。わたしの場合、「未知への恐れ」は自分自身に向いていました。自分の中の同性愛を嫌悪し、「よくわからないもの」として恐怖していたのです。(中略)この「自分が何者かわからない恐怖感」を解決するために、わたしは「同性愛者」とか「レズビアン」という言葉を欲しがったのだと思います。「男としか付き合ったことがない自分は同性愛者じゃない」とか、「女と寝たことがない自分はまだレズビアンになれていない」とか、そんなの誰が決めたのかしらっていう謎の思い込みに苦しめられながら。わたしはこの「自分の中の未知への恐怖」に、色んな名前をあてがうことで、解決を試みました。(中略)色んな言葉で説明しようとしたなあ、って思います。レズビアンとか、ファッションレズとか、バイセクシュアルとか、性同一性障害、アライだとか。けれど、どんな言葉で説明しても、結局自分は自分だったのです。『百合のリアル』(牧村朝子著/星海社)P243-246より自分を男性だとも、女性の体を持って生まれてきたにも関わらず、女性だとも自認できない状態は、正直に申し上げて恐怖だった。だからこそXジェンダー、クエスチョニングという概念を知ることで救われた。許されたような気がした。現在の私は、性自認について問われた場合、「FtX(Female to X-gender、女性からXジェンダー)」もしくは「FtQ(Female to Questioning、女性からクエスチョニング)」と答えている。とはいえ、平時はあまりこだわりがないというか、意識をしない。相変わらず「女性である」と断定されることへの違和感は消えてはいないが、「私は男性でも女性でもないけれど、男性と女性の両方があるのかもしれない。だから、女性“でも”あるのかもしれないな」と、以前よりは楽に受け止められるようになった。「男だろうが女だろうが、どんな性であろうが、私は私でしかないんだ」という確信があるからだ。もしわが子が性別違和を訴えたら、私が伝えたいこと自閉症スペクトラム障害との診断を受け、SNSなどを通じてさまざまな人と交流をするようになってから、私と同じように性別違和を抱えている発達障害当事者は少なくないことが分かった。近年、イギリスなどでは、発達障害と性別違和の関連性についての研究が進められているという。もちろん、発達障害当事者の全員が性別違和を感じるわけではないし、性別違和を抱える人が、必ずしも発達障害当事者であるとは限らない。そして現段階では、どのように関連があるのかは分からない状態だ。しかし、発達障害当事者である息子が性別違和の苦しみを訴える未来を、全く想像しないわけではない。自分にも経験があるし、おそらく私は驚かないだろう。どう寄り添えるのかはそのときになってみないと分からないけれど、彼の思いを受け入れ、肯定したい。人が人をカテゴリという器に押し込めても、それぞれのアイデンティティは、それぞれが選び身に付けるものです。『百合のリアル』(牧村朝子著/星海社)P249より「性自認やアイデンティティは決めてもいいし、決めなくてもいい。一旦決めてから、また変わることがあってもいいんじゃないかな。何があってもあなたはあなただから」常識と呼ばれるものや、時代ごとに求められるジェンダーロールにとらわれ、迷い、悩み、母との衝突を経て理解を得てもなお、「性自認が曖昧な自分だから、母を傷つけてしまったのではないか」と自己否定をして苦しんだ私だからこそ、そんなふうに伝えたい。参考:「あなたがあなたらしく生きるために性的マイノリティと人権」活用の手引き|法務省委託 人権ライブラリー※クエスチョニングについても触れられています
2019年08月16日環境の変化、できないことに戸惑う日々...手探りで取り組む子育ての苦悩『ムーちゃんと手をつないで』2巻2019年2月に1巻が発売されたみなと鈴さんの『ムーちゃんと手をつないで』の2巻が発売されました。わが子ムーちゃんに自閉症があることが分かり、受け入れきれずに苦悩する家族の様子が赤裸々に描かれた1巻。2巻は、ムーちゃん家族が引越しをして新しい療育園に通い始めるところから始まります。環境の変化、他の子どもとの違い、弄便...悩みの尽きない日々は決して明るく前向きなものではありません。それでもムーちゃんのためにできることに必死で取り組んでいく姿には、共感できる方も多いのではないでしょうか。そんなムーちゃんと母には、通っている療育園でいつも厳しく接してくる先生が。先生との今後の関係性も気になるポイントです。子どもの不可解な行動、本人に聞いてみたら...『発達障害僕にはイラつく理由(ワケ)がある!』LITALICO発達ナビの連載でも人気の漫画家、かなしろにゃんこ。さんの新刊が発売されました!ADHDと軽い自閉症スペクトラム障害がある息子リュウ太くんの、「キレやすい」「おしゃべりが止まらない」「謝らない」「物をなくす」といった行動に悩まされていたかなしろにゃんこ。さん。子どもの行動に困ったとき、どうしてこんな行動をするんだろう?とその理由が知りたくなりますよね。本書では、大人になったリュウ太くん本人に聞いた行動のワケと、公認心理師でもある前川あさ美先生(東京女子大学教授)による解説から、「行動の理由や背景」を解き明かしていきます。漫画で綴られるリュウ太くんとかなしろにゃんこ。さんの子ども時代の具体的なエピソードの数々には、共感できる方も多いのではないでしょうか。そこに前川先生の保護者に寄り添った目線での解説が加わることで、楽しく読み進めながらも、子どもの行動や気持ちに向き合って育てていくヒントを得ることができそうです。子育ての悩み、100の質問に小児精神・神経科医が答える『発達・子育て相談のコツ』子育ての悩みというのは、一つ成長するとまた新しい心配事が生まれ…悩みが尽きないという方も多いのではないでしょうか。本書には子育て相談でよく聞かれる100の質問とその回答が掲載されています。回答している筆者は小児精神・神経科医。悩みの種類は発達障害がある子どもに限ったものではありませんが、回答は発達・心理面の視点を織り交ぜた内容なので、発達が気になる子どもの子育ての中でも参考になるポイントが多くありそうです。質問は、「Ⅰ乳児期・幼児前期」「Ⅱ幼児後期」「Ⅲ学齢期」「Ⅳ思春期・青年期」と、おおよその年齢順に並べられています。「七ヶ月の息子が目を合わせてくれない」「4歳の娘が幼稚園でよく喧嘩をする」「小学6年、忘れ物が多い」「高校生の息子がスマホゲーム依存症?」など、目次から気になる質問を探して目を通すことができます。お子さんによって、また環境によってもお悩みに対しての解決方法はさまざまあり、答えは一つではありません。本書では考え方や視点を複数提示する形で筆者が答えているため、子どもの特性や環境に合ったお悩み解決方法を見つけていくのに役立ちそうな一冊です。誰もが自然体で集える場所、そこに関わる人の想いとは『庭に小さなカフェを作ったら、みんなの居場所になった。』富山県砺波市にある「みやの森カフェ」。そこには老若男女問わず地域のさまざまな人々が日々集いますが、あくまで支援の場ではなく、働く人とお客さんで成り立つ"カフェ"という場所です。心地よい距離感で人が集うカフェがどのようにつくられ、関わる人々がどのような思いでいるのか。オーナーの加藤愛理子さん、水野カオルさんをはじめ、働くスタッフ、お客さんなどカフェに集うさまざまな人たちへのインタビューを通して知ることができます。生きてきた環境や障害の有無なども関係なく、集う人それぞれを受け入れて当たり前のように接することができる場が、カフェで食事をとる中での繋がりを通して形成されていく。そこでのコミュニケーションは程よい距離感で、考え方や関わりかたもとても自然体であることが、本書を通して伝わってきます。誰もが地域の中で支えあいながら生きていくことや、肩の力を抜いたコミュニケーションの取り方のヒントを見つけることができそうです。苦手意識を持ちやすい水泳、視覚支援を使いながら親子で練習できる!『発達が気になる子への水泳の教え方』学校の授業や夏休みのお出かけでプールに入る機会も多い時期。水泳はさまざまな感覚を刺激し、また全身をさまざまに動かす必要があるため、発達障害のあるお子さんにとって苦手意識を持ちやすいスポーツかもしれません。本書では、Part1は水慣れの練習、Part2は水の世界を感じる練習、Part3は泳ぎにつなげる練習と、それぞれのお子さんの状況や達成度に合わせた練習方法が紹介されています。プールに入ること自体が苦手・怖い場合にはまず恐怖心を少しずつ減らしたり水の感覚に慣れたりするための練習、泳ぎがうまくできない場合にはそれぞれの泳法の練習が、写真やサポートのポイント付きで紹介されており、お子さんの苦手にあわせてサポートすることができます。水泳に取り組む際、発達障害のあるお子さんにはどんな指示が伝わりやすく、どんなポイントを意識して指導をすると楽しく練習ができるのかなど、指導者が心がけたい内容もまとめて解説されています。また巻末には、どうしても口頭での指示が多くなりやすいプールの場面で視覚補助として使えるコミュニケーションカード付き。切り取ってラミネート加工などを施してプールサイドに持っていけば、集団指示が苦手なお子さんに次の行動を伝えるのに役立ち、安全の確保にも繋がりますね。学校での場面をもとに、子どもの気になる行動を考えよう『発達と障害を考える本』シリーズ学校の場面に合わせて、特性のある子どもの気になる行動と、その理由や支援の手立てを解説するシリーズ「発達と障害を考える本」からADHDとLDについてまとめた新刊がそれぞれ発売されました。「いつも忘れ物をしてしまう」「授業中にどうしても立ち歩いてしまう」「約束を忘れてしまう」「一方的におしゃべりをしてしまう」...そんなADHDの特性による困りごとがある5人の小学生のストーリーが、ADHDに詳しい先生の解説を交えて記されている『ふしぎだね!?新版ADHDのおともだち』。『ふしぎだね!?新版LDのおともだち』では、「教科書が読めない」「文字がうまく書けない」「発表や会話がうまくできない」「算数だけが苦手」など学習の中でのつまずきについて、個別サポートを取り入れながら授業の中でも自信を持って取り組めるようにサポートしていく方法が解説されています。それぞれの障害特性についても詳しく解説されているので、特性を理解した上で子どもの苦手に対する支援を実践していくために役立てられそうです。気になる行動に、感覚統合の視点を取り入れた支援を実践!『子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション』保育者と作業療法士から構成される「NARA感覚統合研究会」が保育の現場などで見られる子どもの気になる行動に対して焦点を当てて構成した、感覚統合の実践のための本が発売されました。Part1では感覚統合についての説明、Part2では「保育活動 トラブル別感覚統合遊び」と、感覚統合について知り、現場で取り入れていくための実践的な内容がまとめられています。特にPart2では、お子さんの苦手について「姿勢を保てない ぐにゃぐにゃタイプ」「手先が不器用なブキッチョタイプ」など10のタイプに分け、苦手の理由と支援の方向性、支援に役立つ遊びや道具の工夫が紹介されています。クラスにいる行動の気になる子に近いタイプを見つけ、日頃の保育や関わりの中に支援方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。各ページに写真やイラストが多く使われており、感覚統合の視点を保育や支援の現場で取り入れたいけれど、子どもの苦手にあわせて楽しく取り組める方法が分からないという支援者はもちろん、保護者が読んでも分かりやすい一冊です。
2019年08月15日兄タケル小4の夏、となりの地区と合同で夏祭りを開催することに!私たちが当時住んでいた地域は大変少子化が進んでおり、兄タケルが小学校1年生の時には20人ほどいた「子ども会」のメンバーも、4年生になるころには4人に減っていました。しかも3年後、妹いっちゃんが1年生になるころにはたった1人になる見込みとのこと。これは大変!ということで、となりの区の発案でいずれ合併することを前提に、一緒に夏祭りを開催することになりました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロしかし、合同での夏祭りの開催が決まったころには、わたしたちの地区の子どもたちはすでに夏休みの予定が埋まっていて、参加できるのはタケル1人ということになり、私は「困ったことになった...」と思いました。同じ地区の子ども会の人たちには、人数が少ないこともあり、また幼いころから家が近くで顔見知りということもあり、タケルの障害のことを話していました。そのため、ちょっと変わった子だけど、理由もわかっているし、昔から知っているしということで受け入れてくれていたのです。ですが、となりの区の新しい人たちと関わるとなるとそうはいきません。事前に障害のことを話すとしても、子ども会だけでなく地域のお祭りですから誰が参加するかもわからない、中には障害者に対してあまり理解がない人もいるかもしれないということを考えるとためらわれました。Upload By 寺島ヒロ結局、障害のことは何も言わず…お祭り当日までは、参加する人が少なそうな日を選んで盆踊りの練習だけ行くことにしました。幸い、盆踊りの指導をしてくれたのは穏やかな年配の方ばかりで、また読みがあたって練習に参加していた人数も少なかったので、タケルも過度に興奮することなく無事に練習を終えることができました。あとは当日楽しく参加するだけ、と親も一安心していました。と・こ・ろ・が…!いよいよお祭り当日。練習の成果を発揮!するはずが...Upload By 寺島ヒロ待ちに待ったお祭り当日、練習の時にはカセットテープ音源だったので気にならなかった太鼓の音が、実際はとても大きかったことに驚き、タケルはお祭りの会場に着いたとたん倒れてしまいました!一緒に来ていた妹いっちゃんも「うるさい!もう帰る!」と涙目に…。もうこうなってはどうしようもありません。夫と2人で子どもたちを抱えてすたこらさっさと自宅に戻ったのでした。タケルやいっちゃんに聴覚過敏なところがあるのはわかっていましたが、当時は私も夫も、そして本人たちもどれぐらいの大きさ、どんな音が苦手なのかわかっていませんでした。聴覚過敏の子どものためのノイズキャンセラーや耳栓などの知識も持っていませんでしたし、当時のことを思い出すと今でも残念な気持ちがよみがえります。しかし、次の年も、また次の年も、タケルは盆踊りを楽しみにしており、練習にだけは喜んで参加していました。(当日は行かないのですが…)地域の人たちとの絆の方はかろうじて育てることができ、自分のできる範囲で地域活動を楽しむことができていたようです。
2019年08月14日ジンベイザメを金魚と言っただけで『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。自閉症の息子は、特別支援学校高等部に通っていた頃、学校で制作したこのTシャツを持ち帰ってきました。Upload By 立石美津子私は赤い魚が描いてあったので、「可愛い金魚だね」と言いました。すると…「違う!ジンベイザメだ!違う!違う!」とスイッチが入りパニック!朝食にいつもは食パンなのに、ロールパンを出した。私が「お薬飲んで」を「お薬食べて」と言い間違えた。そんな些細なきっかけで、パニックや自傷は始まります。息子は家の床を蹴り、トイレのドアを思い切り「バーーーーン!」と閉めました。私は「そんなことすると家が壊れて、引っ越しすることになるよ!」と傷口に塩を塗るような言葉をぶつけてしまいました。その朝、息子は折れて黙って登校していきました。家で禁止された息子、外で自傷をその夜、腕に酷い噛み痕があることに気づきました。「この怪我どうしたの?」と聞いたら「登校中、噛んで自傷した」と答えました。その日の朝、私から「家が壊れるよ」「引っ越しすることになるよ」と脅されたので、おそらくものすごく自分の感情をコントロールして、それ以上パニックを起こさないよう、つとめていたのだと思います。でも、結局外で自傷していました。私だって悔しくて泣いているとき「泣くな!」と言われたら、気持ちの持っていき場がなくなり、かえって苦しくなります。泣くことで、少し気持ちも落ち着きます。自閉症のある子にとって、パニックはそれと同じように、自分の気持ちを落ち着かせるためにしているものなのかもしれません。でも、この日の朝、私に強く言われたことで息子は”気持ちの持っていき場”を奪われてしまい…私が見ていないところで自傷をしました。言葉でうまく気持ちを伝えられないとき赤ちゃんは、「お腹すいた」「オムツが汚れて気持ち悪い」「暑い」「寝たいのに寝られない」など、不快な状態を泣いて訴えます。そんなとき、「泣くんじゃない!」と叱ることなく、親はその泣き方から「なぜ泣いているんだろう?」と原因を探り、「おお、よしよし。今、おっぱいをあげるからね」「オムツを替えてやるからね」と不快を取り除いてやります。この体験を通して子どもは「この人は僕を保護してくれる人だ」と母親を認識し、「この世は安全な場所なんだ」とわかってきます。私は保育園や幼稚園で長年仕事をしてきましたので、こうしたことを理解していたつもりですが、息子にはなかなか対応できないでいました。自傷を禁じることしかしていなかった息子は5歳になるまで言葉を話しませんでした。自分の思いがなかなか親に伝わらないとき、こだわりが通らないとき、床に頭を打ちつけ自傷することで伝えるしかなかったのでしょう…。でも、自傷する息子をみることはつらいものです。またそのことで近隣トラブルにつながってしまうこともあり、そのころの私は「やめなさい!」と叱ってばかりいました。息子の行為の背景にある思いまですべてを理解してやれず、叱ってばかりいたことで、「これがいやなんだ!」という気持ちが伝わらず、さらに叱られてしまうことでよりひどく自傷するという悪循環に陥っていたのです。どうすれば良かったのか息子がパニックを起こしたときは、赤ちゃんが泣いたときと同じように、「息子のパニックの原因はどこにあるんだろうか」と探り、「お前の負荷になる原因をなくしてあげるからね」と安全地帯を作ってやらなくてはならなかったのです。でも、大パニックを起こしている息子を目の前にした私に、そんな心の余裕なんかありませんでした。さらに、息子の場合は一度パニックを起こしてしまうと、嫌な原因(例えば「音を消す」)を取り去っても、もう収まりませんでした。パニックを起こしたきっかけを忘れてしまったかのように、今度は息子自身の泣き声に反応して大騒ぎをするのです。そんなときは、そっとしておくしかありませんでした。そして、15分くらいしてから、お風呂の湯船につからせました。すると息子は気分が変わるのか急速に自傷行為は収まってきました。今、私が心がけていることは、「頭ごなしに叱らない」ということです。指摘しなくてはいけないことがあるときも、叱るのではなく共感。そして、説得です。共感も説得もなく、ただ叱っても、息子の気持ちがおさまるどころか大きなパニックにつながってしまうからです。大怪我をするほど自傷していない…!?何度も起こすパニックと自傷に途方に暮れていた私でしたが、息子は、「これ以上やるとひどい怪我になる」のギリギリのところで踏みとどまっていることに気づきました。例えば、外出時パニックを起こして、道路上でスライディングすることもありましたが、大怪我をしない凸凹が少ない道路を選んでいるようにみえました。また、身体を触って抱きしめ「よしよし」となだめる行為自体が、感覚過敏の息子には不快なことで、パニックが増幅されていくことにも気がつきました。さらに1時間も続くように感じましたが、パニックを起こしている時間を測ってみると、一番長くても20分程度でした。修行中Upload By 立石美津子自傷やパニックを起こすのは精神のバランスを保つためにやっている行為。だから、嵐が過ぎ去るのを待ち、余計な手出し口出しをしない方がよいのかもしれません。時間が本人をクールダウンさせてくれます。親が巻き込まれるのは“火に油状態”となります。何もしないことが一番の解決のような気がします。太陽光の角度によっては赤く見えるジンベイザメもいるようです。まだまだ修行中の私です。
2019年08月13日夏休みの宿題...自由提出のものは断固としてやらなかった息子Upload By かなしろにゃんこ。夏休みの宿題をやろうやろうと思いながら時間は流れ…8月後半、夏休み終了間近にいやいや腰を上げる子どもの姿は夏の風物詩(笑)。うちの息子もその一人。ん?というか…ヤツの場合は最初からヤル気がなかったんだった。結局半分も宿題をやらずに2学期に突入です。シクシク…怠け癖こじらせています(涙)特に「コレは絶対にやらない!」と息子が言うのが、「できたらやりましょう」とか「時間があったらやりましょう」という自由提出で曖昧な提出物。「やってもやらなくても、どっちでもいいんだよ!だからやらない!」と断固として拒否してきます。息子が通っていた小学校では、読書感想文や絵日記、自由研究、コンクールに出展するポスターなどが自由提出の宿題となっていました。親としては「先生がそう言うのは児童に自主的に取り組める力をつけさせるためだから、ここは自由提出っていったって全部やらなきゃいかんでしょ!」と思ってしまい、毎年ヤレヤレとお尻と叩いてきました。「自由研究一緒にやろう」と誘ったり、「絵日記のかき方教えてあげるから」と促したりしましたが、岩のように固い信念があるのでしょうか…息子は拒み続けます。宿題の出し方を曖昧にしないで全部必須!としてほしいな~そのほうがまだ本人もヤル気になりやすいし親も促しやすいのに…なんて思っていました。ところが!ある年に急にヤル気スイッチが入ったのでした。夏休みのお出かけが、息子の大好きな空の乗り物の体験ツアーに決定!Upload By かなしろにゃんこ。それは息子が小5の夏休み前のこと。旅行パンフレットをたくさん集めて、夏のレジャーはどこにしようか決めていたとき、観光バスで行く『夏休み、親子で楽しむ飛行機工場見学とヘリコプター東京湾遊覧ツアー』というのにしよう!と夫が決めてしまいました。私は高くて速い乗り物が苦手なので「え~やだ~」と反対しましたが、夫と息子は電車や車、それに飛行機といった乗り物が大スキなので「絶対それがイイ!」と多数決で決まってしまいました。そして夏休みになり、いざツアーへ!小学生の親子がたくさん集まり観光バスへと乗り込みレッツゴー!Upload By かなしろにゃんこ。飛行機工場の見学ツアーでは、飛行機に関わるお仕事の展示や操縦室の展示、客席の展示など触りながら学べるものがいっぱいありました。子どものサイズに合わせたパイロットや客室乗務員、整備スタッフの制服がいくつも置いてあり、着替えて記念撮影ができるサービスもありました。「パイロットの制服着てみない?」と誘っても息子はそれよりも早くドックに行きたい!とワクワク、ソワソワ。ドックで大きなジャンボジェットを見上げると「わ~!」と感動していました。乗り物大好きな息子、実際の飛行機を間近で見ることができ、こんなに大きいんだ!と楽しそうにしています。通常飛行機に乗る際にはタラップを利用するので、飛行機のお腹や貨物のトビラ側を見ることってあまりありませんから、その実物を見て「おおー!」と感動。滑走路もドックのトビラから見せてもらえました。一面に大きな空が広がり、着陸する飛行機などを目の前で見られるので迫力があります。「飛行機工場楽しかったね~!」と息子は満足そうでした。そして親子で楽しむツアーはいよいよ東京湾ヘリコプタークルージングへと進みます。ガクブル…(汗)Upload By かなしろにゃんこ。ヘリコプターの飛行場へ移動してチェックイン。ヘリコプターに乗りこむときは大きなプロペラが体に当たるんじゃないかと思うような迫力があります。ブルっている私とは対照的に、夫も息子もワクワクが止まらない!といった感じでウキウキしてやがります(汗)そしていざ、東京湾にテイクオフ!夕焼けから夜へと変わっていく空と東京のビル群を眺めて「美しい…」よりも「今日は私の命日になるのか…」と考えてばかりいました。ツアーのアクティビティなので5分間の短いクルージングでしたが、息子にとってはとても楽しかったようで…その数日後!「かきたいものが浮かんだから」自ら絵日記に取り組めたUpload By かなしろにゃんこ。なんと息子は絵日記にこのツアーのことをかきはじめました。自由提出の宿題は断固としてやろうとしなかった息子が自分から絵日記をかくなんて驚きでした。もともと作文や日記が苦手な子ですが自分なりの表現でいつ誰と誰がどこで何をして、自分はその体験でどう感じたのかといった5W1Hを入れた文章、それに飛行機やヘリコプターの絵もカラーペンでかかれていました。母の手伝いなしで、ひとりで絵日記を完成させた息子。「リュウ太スゴーイ上手~!!」と久々に息子を褒めたのでありました。旅行といえばそれまでは親のエゴで行きたい場所を決めていました。もしかしたら、本人の行きたい場所に連れて行ったり、スゴイ記憶に残る体験をさせたりすれば、絵日記って毎年かけたのかな…?と思って息子に真意を聞いてみると……!?Upload By かなしろにゃんこ。「かきたい絵が浮かんだからかいただけ、海に行ったからって魚の絵はかけないから。かきたいものじゃないとかかない」というのでした。もともと乗り物が大好きな息子にとって、飛行機やヘリコプターをイラストにすることは、宿題の中だとしても好きなこととして取り組めたのでしょうし、大興奮の体験だったので文章にもしやすかったのでしょうね。それまでも絵日記のかき方がわからなかった訳ではなく、かきたい気持ちが湧かなかっただけだったのかもしれません。宿題に対して自分から進んでやりたいという気持ちを持たせるのはなかなか難しいですが…夏休みの宿題は、普段の宿題と違って自分の興味のある題材で取り組めるものもあるところが、うちの息子のように興味のあるもの以外見向きもしないタイプに実は合っていたのかも?なんて思いました。大きな機体を整備する整備士さんが頼もしく見えたのか?この見学があったからか?空港を舞台にした映画「ハッピーフライト」が今でも好きなんだそうです。空の乗り物を守る方々の仕事を少し勉強できたことと、今回は奇跡的にかきたいものに出会えて絵日記をかき上げることができたのですから、夏休みの親子ツアーは大成功でした。
2019年08月12日栃木県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ウィズ・ユー小山は、令和元年5月にオープンした新しい施設です。教員出身の指導員による学習個別支援と自立支援に加え、1人1台のパソコンを使用して、就労に備えた実用的なパソコン指導も行っています。それぞれの特性に合わせた個別プログラムで運動や学習を楽しみながら、ルールやコミュニケーションを学び、未来に必要となる自立する力を身につけられるように支援をしています。栃木県の放課後等デイサービスをもっと見る愛知県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報Study*Cafeには、はじめに「今日自分がどのようにStudy*Cafeで過ごすのか」というスケジュールを自分で立てるという特徴があります。勉強をする子、パソコンで自分の好きなキャラクターの動画を見る子、ほかの利用者とボードゲームをしながらコミュニケーションをとる子、本を読む子…過ごし方はさまざまです。また「学習支援」をサポートの柱としており、分からない箇所をすぐに解決できる環境と、小さな「できた!」を積み重ねる場をつくっています。愛知県の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報コペルプラス新大阪教室では、発達にでこぼこのあるお子さんの自己肯定感を育むことから支援を始めます。「より良い自分になりたい」という本能的な欲求を大切に、できないことの訓練ではなく、楽しい遊びを通して内なる能力を引き出し、「できることが増えるのは世界が広がること、楽しいことが増えること」を合言葉に、お子さんが自ら幸せになる姿を目指しています。6月1日にオープンした新しい施設で、子どもたちの「やりたい!」を全力で応援するスタッフが支援を行っています。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る滋賀県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報コペルプラスの療育が目指しているのは、お子さん自身の「学びたい・成長したい」という意欲を最大限に引き出すことを第一に考え、お子さんの瞳が輝くような療育を通じ、お子さんの能力が発揮されることです。例えば、床におもちゃを置いてやりとりを行ったり、机で課題に取り組んだり、お子さんの発達段階や興味にあわせてスタイルを変化させながら、療育を実施するのが特徴です。楽しい教材と、優しく笑顔いっぱいの指導員たちがお子さんをサポートしています。滋賀県の児童発達支援事業所をもっと見る岡山県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ストーリー中庄は、経営理念として「人生のストーリーを描く療育の実践」を掲げており、「自分の人生」を描いていける子、「命を大切にする子」を目指してサポートを行っています。放課後等デイサービスは、年齢層や進路によって必要なスキルが大きく異なるため、小学校低学年は「遊びを通じて身体と心を育てる時期」、高学年は「経験から学ぶ時期」、中学生は「思春期」「将来なりたい大人像を意識し出す時期」、高校生は「社会に出る前準備の時期」と捉え、年齢層に応じた支援を行っています。保育所等訪問支援事業も併設しており、学校や学童保育への訪問支援も実施しています。岡山県の放課後等デイサービスをもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2019年08月10日試行錯誤の末に、ついに『4つのお出かけグッズ』が完成!発達が気になる子どもやその家族の生活をラクに、楽しくできるグッズをつくりたい!そんな想いで、フェリシモCCP(チャレンジ・クリエイティブ・プロジェクト)の企画チームと「発達ナビ」は、発達ナビユーザーのみなさんといっしょに、発達が気になるお子さまとの「楽しくおでかけ!」を応援する雑貨を企画しました。アンケートでは発達ナビユーザーのみなさん460名が声を寄せてくださいました。また、座談会や商品モニターに参加してくださったユーザーの方もいらっしゃいました。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビのSNSでも製作途中報告をさせていただいていましたが、アンケート・座談会・サンプル試作・モニター…試行錯誤を繰り返して、ついに4つのアイテムが完成!今回はその中から、「タグカバー布シール」と「提示カードホルダー」についてご紹介させていただきます。フェリシモ×発達ナビコラボ商品について | フェリシモCCPお洋服のタグのちくちく解消アイテム「タグカバー布シール」Upload By 発達ナビ編集部感覚過敏なお子さまのお洋服で、みなさん苦労されている洋服のタグ。これが原因で、「服を着てくれない」「学校で服を脱いでしまった」などの声が。事前に実施したアンケートでも、タグが気になるという声が多く聞かれました。Upload By 発達ナビ編集部参考:発達凸凹親子のお出かけをラクに!フェリシモ×発達ナビユーザーが一緒につくる「本当に欲しいサポートグッズ」| 発達ナビそこで企画したのが、アイロンで接着できる布の「タグカバーシール」です。まず大切にしたのは、実際の親子の声。どんなタグカバーシールなら使いやすいか、発達ナビユーザーの声を広く集めていきました。Upload By 発達ナビ編集部そんな親子の声を取り入れて、待望のファーストサンプルが出来上がりました。座談会に出席した発達ナビユーザーの中から、2名の方に商品モニターをお願いしました。さっそく、ご家族で試してもらうと…「ネームや縫い目のちくちくが解消しました!」との声をいただくことができました。期待通りの結果に、胸を踊らせる製作チーム。でも一方で、お洗濯すると端がはがれてしまう、との声も…。Upload By 発達ナビ編集部そこで接着シートの素材を変えて、セカンドサンプルを作成し、モニターを実施。結果は、「しっかりついていました」「がんがん洗えそう」「3つのセットの色柄を家族で選ぶのが楽しかった」とうれしい感想をいただきました!試行錯誤の末、ついに完成した1枚がはがき大サイズのタグカバー布シール。お好みのサイズにカットできる大きめのシートで、洗濯ネーム、肌に触れて気になる刺しゅうの裏などに使えます。Upload By 発達ナビ編集部使い方も簡単。タグに合わせたサイズでカットして、アイロンで接着するだけ。できる限りシンプルに使っていただける形を実現しました。Upload By 発達ナビ編集部毎日使うものだからこそ、デザインにもこだわりました。見えてもおしゃれなタグに見えるデザインで、モニターのみなさんからもご好評をいただきました。Upload By 発達ナビ編集部検討を重ねて開発されたタグカバーには、モニターの発達ナビユーザーからも喜びの声が届きました。Upload By 発達ナビ編集部アウターもインナーも、チクチクにさよなら!着るものでストレスを感じないから、親子で楽しくお出かけを楽しめそう!Upload By 発達ナビ編集部■チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクトCheerful Smileネームタグのちくちく解消ソフトな布カバーシールの会月1セット¥1,300+税セット内容/布カバーシール3枚(色柄違い)■素材/綿100%(スムース)接着シート:EVA樹脂■サイズ/縦約16cm、横約11cm(1枚のサイズ)※使用感には個人差があります。※ドライクリーニング不可※塩素系漂白剤使用不可※アイロン低温マークの衣類や防水など特殊加工した生地、太い糸のニットセーター、レギンス類には使用できません。●毎月1回、4種類の中から、ローテーションで、1種類ずつお届けします。→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。便利でかわいく持ちやすい!提示カードホルダーUpload By 発達ナビ編集部交通カードやスポーツ施設などの利用者証、支援や理解の必要な一見わかりにくい障害を周囲に伝えることができる「ヘルプマーク」。子どもを助けてくれるマークのはずだけど…さりげなく、楽に提示したいのにそれがなかなか難しい。Upload By 発達ナビ編集部座談会でもお子さまが抵抗なく持てるかわいいホルダーがあれば!というご意見をいただきました。そこで…◯付け替えしやすい金具やホック付き◯ヘルプが欲しい情報は中に隠せて、必要なときにぱっと見せられる◯濡れや汚れに強い◯切符なども入る便利ポケット◯お子さまも楽しく持てるそんなホルダーをつくることにしました。Upload By 発達ナビ編集部試行錯誤の末、2つ折りタイプの四角いホルダーケースのファーストサンプルを作成。良いものを作れた自信がありましたが、モニターのみなさんから「普通のパスケースとあまり変わらないデザイン。もっとかわいいものを期待します」と声が。Upload By 発達ナビ編集部その期待に応えるべく、再度「自分の子どもが持つのだったら、私だったら」とプランナー自身サンプルを使ってみたり、メーカーさまや企画チームで練り直し。何度も試行錯誤を重ねていきました。そしてついに、「守って欲しい」という願いを込めたお守り型の提示カードホルダーが完成。Upload By 発達ナビ編集部本体が金具でくるっと回る仕様なので、交通系カードやヘルプマークを表示したいとき、隠したいとき、それぞれに合わせて使い分けられます。切符なども入れられるポケット付きで、お出かけに便利な工夫がいっぱいです。Upload By 発達ナビ編集部ホックで外すことができるので、別のバックやリュックなどへの付け替えも簡単。忙しい親子の毎日に寄り添った、ホルダーを作ることができました。Upload By 発達ナビ編集部ぜひこの提示カードホルダーで、安心なお出かけを楽しんでくださいね。Upload By 発達ナビ編集部■チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクトCheerful Smileおでかけ見守る提示カードホルダーの会月1個¥2,250 +税→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。●毎月1回、デザインを変えて、1種類ずつお届けします。写真はお届けの一例です。※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。便利でかわいいグッズが、毎日の暮らしを「楽しく・ラクに」してくれるフェリシモCCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)は、福祉作業所と、クリエイターやメーカー、NPOなどがつながり、誰もがボーダーなく過ごせる未来をつくるプロジェクトです。障害がある人たちの仕事も生み出しながら、生きにくさを感じている人たちの毎日をさりげなくサポートする商品をつくることができる取り組みです。今回の商品も、このプロジェクトの一環「Cheerful Smile」企画として誕生しました。想いや願いが込められた「楽しいお助けグッズ」。切実な想いを受けて生みだされた、ニーズも満たしながらかわいさも重視したアイテムは、いつもの暮らしを「楽しく・ラク」にしてくれるはずです。※ボタンをクリックすると(株)フェリシモのページへ遷移します。お届けパターンについて|フェリシモ イラスト:かなしろにゃんこ。
2019年08月08日親として考えさせられた、娘の友達からの質問広汎性発達障害の娘は、小学3年生。現在、特別支援学級に在籍し、国語と算数以外の時間を交流学級で同じ3年生のみんなと過ごしています。娘は幸い、友だちにも恵まれていて、家に遊びに来てくれる子もいます。Upload By SAKURAクラスの友達が遊びに来てくれた時の話です。Upload By SAKURA私は正直、ドキッとしました。何と説明すればいいか迷ったのです。それは、娘の前で聞かれたからではありません。その質問に対する答えと説明が、この子(友達)が成長していく上での価値観に繋がる言葉になるかもしれない…。私の言葉で、偏見を持つようになってほしくない…そう思ったからです。一瞬迷って、私が出した答えは…私は一瞬(数秒)だけ迷って、「私があーさんに説明したように言おう!」と決め、話を始めました。Upload By SAKURA「なんで苦手になっちゃったの?」難しいその質問の答えは…Upload By SAKURAこの質問…一番悩みました。脳の問題…という言葉は、使い方を間違っては大変なので、出すべきではないと思いました。しかし、それを言わずにどうやって、小学3年生にわかるように伝えればいいか…。おそらく医学的な原因というより、「いつ、どういうきっかけで」ということを伝えればいいかなと考えて…。Upload By SAKURA娘の友達が全部理解できたかはわかりませんが、今回ちゃんと説明できたことは良かったと思っています。親である私たちが娘を認めているということを、少しでも感じてくれたら…大きな意味があった気がします。言葉が苦手なことは決して恥ではない私たちは普段から、娘に「なぜ特別支援学級にいるか」や「娘が苦手な言葉のこと」を隠さず話しています。そのため、娘は大人から特別支援学級や放課後等デイサービスについて尋ねられた時…。Upload By SAKURA私が答えるより早く、通っている理由を自信満々に説明しています(笑)言葉が苦手なことは、悪いことではない、恥じることではないという私たちの思いが、しっかり伝わっているのかなと感じます。自分らしい個性をいつまでも大切に娘は言葉以外にも苦手なことが多いですが、「私はすごい!私は私のことが大好き!」と言える娘を、私は心から娘を誇りに思っています。娘が自分の苦手な部分をうまく付き合いながら、自分らしく生きていけるよう、私たちは全力で娘をサポートしたいと思います。
2019年08月07日【講演会】「ゲーム障害」、その予防や治療法とは?――NHKハートフォーラム「ゲーム障害の子ども・若者への支援」(大阪府)Upload By 発達ナビニュース大阪府で2019年9月23日にNHKハートフォーラムが開催されます。テーマは「ゲーム障害の子ども・若者への支援」。「ゲーム障害」は、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類「ICD-11」に新たに加わることが今年5月に発表された、オンラインゲームなどに熱中し日常生活に著しい支障をきたす障害です。子どもから大人まで、多くの愛好者がいると言われているゲーム。どこから「障害」と診断されるのか、またどんな予防法や治療法があるのか、今回は特に中・高生のゲーム障害について、専門医がわかりやすく解説します。ゲーム障害について知り、お子さんのゲームとの付き合い方を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。講演会の前半は「大人の発達障害からみる幼少期の育て方、関わり方」というテーマでの講演も行われ、大人の発達障害の方が抱えるさまざまな課題を検証しながら、幼少期から思春期にかけての家庭や学校における子どもとの関わり方について考えられます。【日時】2019年9月23日(月・祝日)受付開始:12:00開演:12:30終了予定:15:50【会場】オーバルホール(大阪府大阪市北区梅田3-4-5毎日新聞ビルB1)【入場料】無料【定員】400名※応募フォームまたはハガキかFAXで事前申し込みが必要ハートフォーラム「ゲーム障害の子ども・若者への支援」(大阪) | NHK厚生文化事業団【ニュース】テーマは「無限の可能性、才能」。凸版印刷と一般社団法人障がい者アート協会が、障がい者アート作品を募集・展示Upload By 発達ナビニュース凸版印刷株式会社と一般社団法人障がい者アート協会が『可能性アートプロジェクト2020』を実施、アート作品の募集を2019年7月5日(金)より開始しました。『可能性アートプロジェクト』は、凸版印刷が2018年から推進しているプロジェクトで、凸版印刷の印刷テクノロジーを活用して障がい者アーティストの作品を価値化し、社会的課題解決(障がい者の自立支援)と経済的事業活動が両立するビジネスモデルを構築することを目指しています。今回の募集では、応募された作品は障がい者アート協会が運営するオンラインギャラリー「アートの輪」に設けられる特設ページにて全作品掲載されるとともに、そのうち30作品はプリマグラフィ(※)により額装され、2020年4月から約一ヶ月間、凸版印刷小石川ビルのロビーに展示される予定だそう。(※)プリマグラフィ:凸版印刷の登録商標で、ジクレー版画技法とトッパンカラーマネージメント技術を融合させた、高品位なデジタルアートプリントの総称応募には障がい者アート協会へのアーティスト登録が必要となります。応募された作品は、凸版印刷の印刷テクノロジーを活用した商品になる可能性もあるとのことで、障がい者アートの可能性が広がるプロジェクトとなっています。応募条件や応募方法の詳細はホームページからご確認ください。絵が好きなお子さんにとっては、自分の絵を多くの人にみてもらえる貴重な機会になりますね。●応募可能な方・自身の障がい者手帳、および障がいを証明できる書類を提出(画像データ)できる方・一般社団法人障がい者アート協会へのアーティスト登録が完了されている方(登録無料、18歳未満の場合は保護者が代理人となる必要あり)●応募方法【受付期間】2019年7月5日(金)〜2019年8月30日(金)応募作品の提出締め切りは2019年11月29日(金)【作品の提出方法】障がい者アート協会「アートの輪」へ応募作品を「作品投稿フォーム」より登録●作品条件・応募可能作品ジャンル:「絵画」「CG」が対象※立体作品や写真、文字、書、詩歌などは対象外・応募可能作品点数:上限なし・募集作品サイズ:規定なし・画材・素材:指定なし・未発表作品であること(「アートの輪」掲載済作品を除く)可能性アートプロジェクト2020 | 凸版印刷【イベント】お子さまもいっしょに楽しめるプログラムも盛りだくさん!障害のある子の学びと暮らしを考える「リョーフェス」開催(大阪府)Upload By 発達ナビニュース昨年度も開催された「リョーフェス」が今年も開催されます!「リョーフェス」は、障害の有無や障害の種別をこえて、療育の世界にスポットを当てる、「特定非営利活動法人ダウン症ファミリー総合支援 めばえ21」が主催するイベントです。イベントの内容としては、講演会、パフォーマンス、教育・医療・福祉関係のブース展示などが予定されています。講演会では「障害があるとはどういうことだろうか」というテーマで、香川大学教育学部教授 坂井聡先生が登壇。自閉症スペクトラム支援士エキスパート・特別支援教育士スーパーバイザーでもある坂井教授による、障害のある人の支援に関する最新の情報を交えたお話をきくことができます。パフォーマンス部門では、一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioiによる、コントや歌など様々なエンターテイメントに手話をかけ合わせた「手話エンターテイメント」のステージを楽しむことができます。また、ダウン症と先天性右手欠損の障害があるピアニスト鈴木凛太朗さんによるミニコンサートも開催予定。鈴木さんは、左手と右手首を使ったピアノ演奏を披露されます。また、ステージの司会はダウン症のある女性コンビ「みなみ&さや」が担当して会場を盛り上げます。その他にも、発達障害のある子どもの学びや暮らしを支援するLITALICOのアプリを紹介するコーナー、客席のお子さまたちも参加OKの、知的障害・ダウン症の子どもたちによるダンスタイムも開催されるので、親子で楽しめそうですね。ステージやブースに関する情報の詳細は、当日までに順次公開予定です。【日時】2019年9月7日(土)10:00-15:30【会場】大阪府箕面市グリーンホール(大阪府箕面市西小路4-6-1)【入場料】500円(※18歳未満は無料)【参加方法】事前申込不要。【ニュース】安心!QRコードを使った迷子の早期発見支援サービス「おかえりQR」Upload By 発達ナビニュース自分の居場所がわからなくなった認知症や発達障害、迷子の方などが無事に家族の元に帰ることを支援することを目的とした「おかえりQR」が昭文社より発売されました。持ち物に貼り付けたQRコードのシールを、発見者が携帯電話やスマートフォンで読み取ることで、状況や発見場所を家族に伝えることができます。QRコードを読み取った発見者も、近くの交番の位置と発見場所からの経路を知ることができ、迷子の方の速やかな安全確保に役立ちます。このサービスは2018年10月より試行販売が行われ、2019年7月24日より東京都内のすべての郵便局窓口でQRシールの本格販売が開始されています。購入者への対面での使い方説明の実施や、郵便集収・配達スタッフにサービスが周知されることで見守り対象者の早期発見体制が強化されることを狙い、郵便局で販売されることになったそう。サービスを利用するには、事前に「おかえりQR」をシール購入し、シールシートに記載されたID番号と通知メールを受け取るメールアドレス(最大3件)を専用サイトで設定します。シールタイプなので通学カバンなど普段の持ち物に貼ることができ、お子さまの居場所確認の不安の解消に繋がりそうです。【シールシート価格】1800円(税抜)。シート構成は大サイズ(43×60mm)4枚、小サイズ(25×35mm)6枚の10枚【利用料・期間】サービスの利用は無料。※利用期間はユーザー登録後1年間、継続利用の場合はシールの再購入が必要です。【販売場所】東京都全域(離島含む)の郵便局のほか、Amazonおよび楽天市場でも販売おかえりQR概要 | 昭文社【イベント】夏休み終盤!自由研究にも役立ちそうなプログラムがいっぱいのサマーラボ!(東京都・神奈川県)Upload By 発達ナビニュース8月に入り、夏休みもいよいよ終盤。時間がある夏休みのうちに、お子さまの興味に合った活動をさせてあげたいですよね。LITALICO発達ナビを運営する株式会社LITALICOでは、「LITALICOワンダー」というIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」を運営しています。LITALICOワンダーの各教室では、パソコンやゲームが好きなお子さまが楽しめそうなプログラムを用意した、「サマーラボ2019」を開催中です!タブレットでプログラミングを行いゲームをつくる初心者でも楽しめるものから、プロも使うゲーム開発エンジン「Unity」を使った本格ゲーム制作講座、ロボットをプログラミングして徒競走やボール投げなどの競技に参加できるものなど多数のコースがあるので、お子さまの興味に合った内容を選んで参加できます!また、3Dペンでの昆虫標本工作、はんだ付けして作るデジタル時計など作った作品の持ち帰りが可能な、サマーラボだけの特別なコースも。自由研究テーマになりそうなものを選ぶのも良いですね。年中・年長から参加できるコースもあるので、きょうだいで一緒に参加することもできます。教室やコースによって、参加可能な年齢や料金が異なるので、詳細はぜひホームページからご確認ください!【期間】2019年7月13日(土)〜2019年9月1日(日)【開催場所】LITALICOワンダー各教室【対象年齢・コース】教室によって開催コースは異なります。すでに定員が埋まっている場合もあります。詳細はホームページからご確認の上、各教室にお問い合わせください。
2019年08月06日個別面談で知らされた事実Upload By アマミモヨリ小学校の個別面談で、宿題について先生から聞かれました。Upload By アマミモヨリうちでは宿題が終わったら、ゲームをしても良いことになっています。なので早く遊びたいヒルマは、学校から帰るとすぐ宿題にとりかかるのです。毎日、積極的に取り組んでいることを先生に伝えると、Upload By アマミモヨリ提出していない宿題が山ほどあって驚きました。でもね、わたしは主張したい。連絡帳に書いてある宿題は、わたしがチェックしているので、見落としはないはず!と。それなのに未提出リストには、わたしの知らない課題がいくつも載っていたのです。息子が連絡帳を書かない理由Upload By アマミモヨリじつはヒルマ、5年生になってから、連絡帳に記入してくるのが週2~3回になっていました。高学年になると連絡事項が少ないのかと思っていたら、全然ちがいました。4年生までは連絡帳を書く時間があったけれど、今は各自で時間を見つけて書くのだそうです。それはもう絶望的にヒルマが苦手とする分野です。「時間のある時にあげてください」と先生から言われた植物の水やりは、時間のある時がいつか分からず、3年間鉢植えの土を枯らしてきました。今後は先生が声をかけてくれることになったので、とりあえずひと安心です。夏休みまであと4日さて、たまった宿題の提出期限まであとわずか。計画を立ててクリアしていけば、何とか間に合いそうです。Upload By アマミモヨリ帰宅後、すぐに連絡帳を確認しました。今日はちゃんと書いてある!とホッとしたのも束の間、Upload By アマミモヨリ宿題を学校に忘れてくるという痛恨のミス。さすが「自称忘れ物のプロ」であるわたしの子です。こうして宿題がたまっていくのですね。Upload By アマミモヨリその後の数日を息子の宿題(当日の宿題もあるので大量)に費やして、Upload By アマミモヨリギリギリで提出期限に間に合いました!わたしたち、がんばりました!なのにその余韻もさめないうちに、Upload By アマミモヨリ夏休みの宿題をどっさり持ち帰りました。もう、イヤだよぉ…。子どもの宿題なのに子どもの宿題に、なぜ親のわたしがこんなにプレッシャーを感じるのでしょう。のん気に出かけて行くヒルマの背中を見送りながら、小学生の頃毎日のように平気で忘れ物をし続けたわたしのようだと思いました。Upload By アマミモヨリあの頃よく叱責されたものだけど、母もこんな気持ちだったのでしょう。親がいくら怒っても子どもは簡単には変わらないってこと、身をもって気づけたのだから、わたしの忘れ物癖もムダではなかったと思うのです。
2019年08月06日試行錯誤の末に、ついに4つの商品が完成!発達が気になる子どもやその家族の生活をラクに、楽しくできるグッズをつくりたい!そんな想いで、フェリシモCCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)の企画チームと「発達ナビ」は、発達ナビユーザーのみなさんといっしょに、発達が気になるお子さまとの「楽しくおでかけ!」を応援する雑貨を企画しました。アンケートでは発達ナビユーザーのみなさん460名が声を寄せてくださいました。また、座談会や商品モニターに参加してくださったユーザーの方もいらっしゃいました。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビのSNSでも製作途中報告をさせていただいていましたが、アンケート・座談会・サンプル試作・モニター…試行錯誤を繰り返して、ついに4つのアイテムが完成!今回はその中から、「メッシュリュックインナー」と「メッシュお財布ポシェット」についてご紹介させていただきます。フェリシモ×発達ナビコラボ商品について | フェリシモCCPポケットの中が見えるから整理整頓が苦手でもOK!メッシュリュックインナーお出かけ時の困りごとアンケートの回答で一番多かったのは、「バッグの中がごちゃごちゃでどこに何を入れたか分からなくなる」という意見。Upload By 発達ナビ編集部「忘れ物が多い」、「すぐに見つからないとパニックになってしまう」、「ぱっと見て何が入っているか分からなくて困る」という声も。座談会での話し合いから、なぜバッグの中のものがすぐに出せないのか…その理由に大きな3つのポイントが浮かんできました。Upload By 発達ナビ編集部その困りごとを解決しよう!と「リュックインナー」を企画。①中身が見えるメッシュポケット。②ポケットの中に何を入れるかが決められる絵カード入れつき。③ポケットの色や形が一つずつ違うので入れる場所が分かりやすい。この3つのポイントで困りごとを解決する商品の開発を進めることになりました。ファーストサンプルがこちらです。Upload By 発達ナビ編集部実際に発達ナビユーザーのみなさんにモニターに参加してもらいました!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部いただいた意見を元に、本当に役立つ商品になるよう改良を重ね続けました。そして完成したのが、透けるメッシュ素材でポケットの中が一目瞭然なリュックインナー。何が入っているかすぐ見えるから、リュックの中を手探りで探す手間もなくなります。Upload By 発達ナビ編集部区別がしやすいヴィヴィッドカラーのポケット。さらに、付属のアイコンカードをセットすれば、より定位置が分かりやすくなっています。リュックの中身を全部出したいとき、入れ替えたいときにさっと取り出せる、持ち手付きなのも便利。さらに、背面にはプリントなどを入れられるように、A4書類の入るポケットと、鍵などを付けられるDカン付きです。Upload By 発達ナビ編集部モニターをしてくださった発達ナビユーザーからも喜びの声が届いています!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部ぜひリュックの中をすっきり分かりやすく整理して、お出かけ時の困りごとを解決し、ストレスを軽くしてくださいね。Upload By 発達ナビ編集部■チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクトCheerful Smileポケットの中が見えるメッシュリュックインナーの会月1個¥2,950 +税→うち20円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。●素材/ポリエステル、熱可塑性ポリウレタンなど●サイズ/縦約32.5cm、横約25.5cm、まち幅約11cm(持ち手含まず)※縦約35cm、横約26.5cm、まち幅約12cm以上のリュックに対応※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。子どもはもちろん大人も使える!視覚優位さん&不器用さんに便利なお財布アンケートや座談会であげられたのは、ママたちが子どもたちのお買い物・お財布に対して持つのは、「なるべくお買い物のとき、スムーズに会計ができるようになってほしい!」という要望。「お金の訓練」でさまざまな工夫をしたいと感じている一方、何をしたらいいのか難しいもの。みなさんが求めているのは「お会計が嫌いになることがないように、『失敗』をなるべく減らせるお財布」でした。Upload By 発達ナビ編集部そこで今回ご提案したのが新しい形のお財布。特に、一番声の多かった『大きなお金で会計をして小銭が増えてさらに支払いが難しくなってしまう悪循環』のお悩みを小銭入れで解決します!ファーストサンプルは、ぐるりとファスナーがある、いわゆるお財布らしいお財布の形でアイディアを実現。ですが、思っていた以上に大きなものになってしまいました。モニターのみなさんからは、「開けにくい」「ショルダーの素材を考え直してほしい」などの声が…。企画チームでも、アイディアはそのままに、もっと持ちたくなるようなおしゃれなものにしたい!と、再度練り直すことに。Upload By 発達ナビ編集部さまざまな意見を取り入れ、メッシュ素材でガバッと開く小銭入れを搭載した、カジュアルでおしゃれに持てるお財布が完成しました!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部小銭を見分けて、探す手間&つまみとる難しさを改善し、その分考える時間が確保できます。また、ファスナーの引き手の形状は、指をひっかけやすい形なので開閉がさらに楽になっています。Upload By 発達ナビ編集部他にもたくさんの工夫が込められたお財布になっています!また、お買い物を嫌いにならないようにと、困ったときに言葉を発さずとも誰かに助けを求められるようにメッセージを見せられるカードポケットも作りました。困ったときは、店員さんにカードを見せて、協力してもらうこともできます。ポケットに入れるお助けカード付きです。Upload By 発達ナビ編集部このお財布でお買い物を楽しみながら、お出かけをスムーズなものにしてくださいね。■チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクトCheerful Smile見渡しやすさ&つかみ取りやすさ抜群メッシュお財布ポシェットの会月1個¥3,200 +税→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。●素材/ポリエステル100%、ナイロン100%、真ちゅう(真ちゅう古美メッキ)など内生地:ポリエステル100%ショルダー部分:綿100%●サイズ/縦約18cm、横約12cm、厚さ約2cmショルダーの長さ約75~136cm(金具部分含む/調節可)※ショルダーストラップ取り外し可※洗濯不可※お助けカード1枚付き●毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。便利でかわいいグッズが、毎日の暮らしを「楽しく・ラクに」してくれるフェリシモCCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)は、福祉作業所と、クリエイターやメーカー、NPOなどがつながり、誰もがボーダーなく過ごせる未来をつくるプロジェクトです。障害がある人たちの仕事も生み出しながら、生きにくさを感じている人たちの毎日をさりげなくサポートする商品をつくることができる取り組みです。今回の商品も、このプロジェクトの一環「Cheerful Smile」企画として誕生しました。想いや願いが込められた「楽しいお助けグッズ」。切実な想いを受けて生みだされた、ニーズも満たしながらかわいさも重視したアイテムは、いつもの暮らしを「楽しく・ラク」にしてくれるはずです。※ボタンをクリックすると(株)フェリシモのページへ遷移します。お届けパターンについて|フェリシモ イラスト:かなしろにゃんこ。
2019年08月05日サンちゃんは水の妖精…!?突然、浮き輪から飛び出して…水遊びシーズン到来!これは発達支援施設へ母子通園したある日のできごとです。プールが大好きなサンちゃんは、颯爽と水着に着替え、浮き輪を装着。水面にぷかぷか浮かぶその姿はまるで水の妖精のよう…しかし水遊び中、妖精が驚きの動きを見せます。一体何があったのでしょう?Upload By たなか れもんUpload By たなか れもんクラスメイトのヒロくんに、一瞬の隙も与えず飛び出すサンちゃんなのでした。そして、プールの時間も終わりに近づくころ…Upload By たなか れもんプールの後はいつも、温泉の雰囲気をかもし出すサンちゃんです。
2019年08月05日むっくんのお出かけむっくんにとって「お出かけ」はストレスです。日常のお出かけでも、経路や現在の位置、到着時間の見通しが分からないと不安になってしまう様子。不安が重なると些細なことでもパニックにつながるので、いつもは不安が沸き上がるとその都度ナビやスマホを利用して見通しを立て、納得してもらいながら過ごしています。Upload By ウチノコそんなむっくんがこのたび飛行機を利用して遠方に帰省することに!飛行機は2歳の時に乗ったきりなので、本人にとってはほぼ初めてです。初めては苦手、人が多いところも苦手、大きな音も苦手、行動を制限されることも苦手、待つことも苦手、通常車移動なので交通機関には慣れていない、長時間の外出は非常に疲れる…これはもう間違いなくパニックだ!というわけで、移動時の不安を少しでも減らせるような、「旅のしおり」を作製することになりました。Upload By ウチノコむっくん「旅のしおり」しおりの目的は、トータルの流れや、時間の目安などざっくりとした見通しを伝えることです。6歳なのでイラストや写真、ひらがなを使い作ります。1ページ目:自宅(広島)→車→広島空港2ページ目:広島空港→羽田空港3ページ~:搭乗から着陸までの流れの手順書と、1枚に詰め込まずに、ページをめくりながら見られるようにするのがむっくん仕様。現在のむっくんは1ページ当たりの情報量は少なめで、本人が望めばページをめくり更なる情報を得られる状態が安心なようなので、このようにしています。Upload By ウチノコ空港への経路と距離感を地図で説明します。地図があれば、今この辺りを走っているよと視覚的に説明ができるので地図はマストアイテム。また、飛行機で不安を感じることが分かりきっているので、その前の移動ではできるだけ不安をため込まないように意識しました。さらに、以前「車を置いていくこと」に強い不安を感じた経験から、車をどうするかも忘れず記載しています。Upload By ウチノコ空港へは「待ち時間」が発生しないよう、頃合いを見計らって入ります。手荷物を預けるなど「待つ」工程は避け、手荷物は機内持ち込みのみになるよう準備は怠りません。飛行機での移動については1~2ページ目で簡単なスケジュールで事前に伝えておき、搭乗から離陸までの流れは航空会社がHPに用意してくれている「JALすかいちゃれんじ」の手順書を印刷して使いました。参考:すかいちゃれんじ| Japan Airlinesひこうきチャレンジシートを使い、終わった工程にシールを貼りながらゲーム感覚で進めました。飛行機に乗るまでにどうするのかという不安が強く、特に保安検査を怖がっていたのですが手順書のおかげでなんとかクリア。搭乗後のシートベルトを閉める、飲み物を頼むなども写真付きで紹介されており、スムーズに行うことができました。次回へむけての情報収集準備万端!めでたしめでたし…ではないのがむっくんのお出かけ。大きなパニックはなくとも、小さな不穏は度々起こります。そこで私はお出かけ中、本人が不安を感じている状況や内容をその都度スマホのメモ機能を使い記録を残すようにしています。パニックに至らない小さなストレスでも、積み重なることで大パニックを引き起こすことがあるので、できるだけ細かいことも忘れないうちに時間を見つけ書き残しています。Upload By ウチノコそしてこのメモは次回のお出かけ時にとっても役立つのです。Upload By ウチノコUpload By ウチノコUpload By ウチノコUpload By ウチノコ次回の飛行機では、手順書に「荷物は前の座席の下に置くこと」「緊急避難の予習」が加わることでしょう。このようにむっくんの「旅のしおり」は前回書き残した記録を元に、どんどんアップデートされていきます。そして前回より今回、今回より次回の方が楽しく過ごせる時間が増えていくのです。笑顔で過ごすために計画書を作り、実行して、結果を考察して、改善する。むっくんとのお出かけは学生の頃作った「実験レポート」を考えているみたいだなぁといつも思います。むっくんの「お出かけデータ」をしっかり収集できるように気を張って過ごすので、疲れた…と思うこともありますが、この繰り返しのおかげで以前よりも今の方がむっくんという人を理解できているようにも感じています。理解ができたら起こりうることの想定もできる!そうなればどんなお出かけだってどんとこいです!むっくんと家族が笑顔でいられる時間を増やすために、今日も私はむっくん研究にいそしみたいと思います!
2019年08月02日発達ナビユーザーから寄せられた相談、ひらたともみが「どうすればいいの?」を専門家に取材!四半世紀子育てしているずっと現役ママの私は、10年前にうつ病を発症。現在も治療中です。第1子を出産したのは20数年前。分厚い育児書が必須だったあの頃。インターネットの普及で私たちの暮らしは大きく変化し、情報や人との繋がり方も劇的に変化したと思います。でも、母親の悩みは変わらない。そんなママたちの悩みを少しでも軽くできたらとの想いで、このたび発達ナビユーザーの皆様からお悩みを募集させていただきました。今回はその第2弾です!「理解のない夫を育児・療育に巻き込む方法って?」(発達ナビユーザーからの相談)発達ナビに寄せられたのは、ワンオペ育児に奮闘する30代で2人のお子さんを育てるママからの相談。発達障害のある長男と次男、2人の子育てに加え、仕事もあり、体調を崩してしまうことが増えてしまったそう。無理を重ねて育児と仕事をするうちにどんどん体調が悪化し、救急に。体が思うように動かなくなってしまい仕事も休まざるをえなくなりました。それでも夫はほとんど育児に関わることはなく「自己管理がなっていないからだ」と言うだけ…。どうしたら夫と二人三脚で育児・療育ができるのでしょう。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ教えて井上先生!ひらたともみが取材Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみペアレントメンターとは…専門家ではなく親として、寄り添いや当事者視点での情報提供を行うことで、問題解決的な支援ではなく、寄り添いと繋がりによる支援を提供している。メンターとは、「信頼のおける相談相手」という意味。子育てと同じくらい、長年夫との関係性に悩んできた私は、いつも孤独に苛まれていました。子どもの苦手や発達の遅れに対する不安は、どんなに仲の良い友人にも相談できず、その鬱々とした気持ちを夫に受け止めてもらいたい、理解してもらいたいと思っていました。少しでいいから、この不安の渦から逃れたい、どうしていいか分からないという気持ちを、同じ立場で共有したい。たったそれだけのことなのに、結局面倒で厄介な事柄ばかりが母親である自分の仕事のように感じてしまう…。そう思っていたのはどうやら、私だけではなかったようです。「子どもに発達障害がある」と病院で言われてしまうと、どんなに医師に励まされても、肩を落とさずにはいられない人が多いのではないのでしょうか。確実にだれかが母親を支えなくてはいけない状況で、夫が不安を半分受け止めてくれたら、まだ見ぬ療育の道も、手分けして歩んで行けそうな気がしますよね。それには井上先生のおっしゃるように、少々先回りして、病院の先生に相談しておいてから、夫婦で病院に出向くことを作戦の第一段階にしてみるのがいいと思います。…とはいっても、今回のテーマ「理解の無い夫と二人三脚で育児・療育をするには?」。家庭環境やお子さんの状態、そして父親の状況によって、何十通りも方法があると思います。人を動かす・意識を変えるということは本当に難しいですよね。そして井上先生がすすめてくださった、ペアレントメンター。それまでは、親兄弟にくらいしか相談できなかった、子どもの発達の問題。発達ナビでもおなじみのコミュニティーのような役割を担い、気軽に相談することができます。しかしながらペアレントメンターの養成や活動方法は、まだまだ未整備な地域も多く、また自治体によってあり方が大きく異なっているようです。井上先生に教えてもらったようなアプローチを試しても、すぐに夫は変わらないかもしれない――。でも、いつも感じている不安やつらい気持ちを誰かが聴いてくれ、寄り添ってくれるだけで、ずいぶん心は軽くなるのではないでしょうか。そうして、毎日の暮らしに必要なパワーも湧いてくるかもしれないと思いました。メンター活動の多くは都道府県や指定都市レベルで行われているので、まずは自治体内のメンター活動を調べて、活動先に問い合わせてみるとよさそうです。全国のペアレントメンター組織 | 日本ペアレントメンター研究会ペアレント・メンターと出会うには | 日本ペアレントメンター研究会よくある質問 | 日本ペアレントメンター研究会
2019年07月31日律儀なサンちゃん、まくらの配置にこだわる!サンちゃんはまくらが好きで、時々寝室から自分のまくらを持って居間にやってきます。お昼寝でもするのかな…いえいえ、サンちゃんはお昼寝をしません。さて、持ってきたまくら、どうするのかな?Upload By たなか れもんUpload By たなか れもんUpload By たなか れもん丁寧に丁寧に、何度もまくらの位置を調整して、そこでは使わない。不思議なところにこだわりを発揮するサンちゃんなのでした。
2019年07月29日いざ宿泊学習へ。「明日はお泊まりだよ」の言葉に、不安そうな長男...宿泊学習の何日か前に学校から届いたお便りには、「できるだけ大きなバッグにしてください」との指示が書かれていました。事前準備は親が手伝うので予備の下着やタオル、替えの服などをきれいに畳んで詰めることができますが、帰りは子どもが一人でバッグに荷物を詰めます。汚れた下着を自分でビニール袋に入れ、それをバッグに入れて持ち帰ることが身辺自立の課題の1つとなっていました。一つひとつ綺麗に畳んで入れることが難しいので、少しでもバッグにゆとりがあった方がいいそうです。前日、私は長男と一緒に持ち物表を確認しながら、大きなボストンバッグに荷物を入れていきました。準備をしながら「明日はお泊まりだよ。お友達や先生と一緒にお泊まりするんだよ」と長男に予定を伝えました。昨年は宿泊の予定を伝えられてもポカンとしていた長男ですが、今年は私の言葉が理解できたのでしょう。ちょっぴり不安そうな顔をしていました。Upload By シュウママ私も、体の小さな長男がこんな大きなバッグを持って歩けるだろうか、泣かずにお泊まりできるだろうか…と少し心配になりました。――迎えた宿泊学習当日の朝。長男と私は通学バスの停留所まで歩いていきました。長男は小さなリュックを背負い、私は大きなボストンバッグを提げて。私の持つバッグを見ながら、長男は「がっこう、ない」とぽつりとつぶやきました。私は「お泊まり、楽しいよ」と言ったのですが長男は再び「がっこう、ない」とつぶやき固い表情を崩すことはありませんでした。Upload By シュウママやってきたバスに長男はすんなりと乗ったのですが、それでもバスの窓から見える顔に笑みはありません。今日は家には帰れないんだ...そのことを長男はちゃんとわかっているようでした。この時私は、とにかく宿泊学習楽しく過ごしてくれますように...それだけを祈っていました。宿泊学習を終えて。さて、帰って来た長男の様子は...次の日。宿泊学習を終えた長男をバス停まで迎えに行きました。長男はにこにこと笑顔でバスから降りてきました。元気そうな様子に、私もほっとしました。Upload By シュウママ自分で宿泊学習がどうだったか話すことはできませんが、持ち帰った連絡帳には先生からのコメントがたくさん書かれていました。「去年は夜中にママ、ママ~と泣いてあまり寝なかったですが、今回は何度かママと言っただけで途中で泣いても仕方ないと納得した様子で、みんなと一緒に眠りました。小さな体で大きなボストンバッグを一生懸命運びました。ご飯もたくさん食べて笑顔もいっぱい見られました。大きな成長だったと思います。お家でもたくさん褒めてあげてください」そして先生からの言葉以外にも成長の見られた点はありました。去年はきちんと畳んでビニール袋に詰めてあった下着類が、今年は乱雑にビニール袋に入れてありました。去年は明らかに先生が畳んでくださった感じでしたが、今年は自分でがんばったんだな...それを見ると、袋の口もしばらないでぐちゃぐちゃにつめられた衣類がなんだかほほえましく思えました。一方我が家では...いつもと違う家の中でちなみに、たった1泊の行事でしたが家族にも影響が。宿泊学習で長男のいない家の中はとても静かでした。日頃、長男は自分の好きなテレビ番組を見て「○○~!!」と叫んだり、バタバタと2階に駆け上がったりとまあ、騒がしいです。しーんとした家の中はすっかり火が消えたようで、正直ほっと落ち着く面もあったのですが、静けさが少し不気味にも感じられました。そんな雰囲気の中、宿題をやっていた次男が心底さびしそうに言ったのです。Upload By シュウママシュウがいないとテレビも自分が好きなものを見られるし、宿題もはかどるだろうに...やはり兄弟ですね。次男はそんな状態だったので、長男が宿泊学習を終えて帰ってきた時には、とても嬉しそうに「シュウ、おかえり~!」と迎えていました。いつもと違う状況で、改めて気づけることがたくさんあった日々子どもと接していても、その成長にはなかなか気づくことができません。けれど、状況を理解して自分の感情に折り合いをつける、他の子にあわせて行動する、指示を聞いて身支度をする...そういった面で昨年と比べても成長が見られるところがたくさんあり、長男は長男のスピードで伸びているのだなと感じることができました。Upload By シュウママ行事はいつもと違うことの連続ですから、子どもにとっては不安がいっぱい、親にとっても心配ごとが多いです。でも、いつもと違う環境だからこそ気づける成長もあるということを改めて知ることができましたし、笑顔で帰って来られた本人にとってもきっと自信に繋がる1泊だったのではないかと思います。そして思いがけず兄弟の絆を感じることができたのも親としてとても嬉しく...参加した長男にとっても、そして家族にとってもとても貴重な機会となった宿泊学習でした。
2019年07月26日パパがいないときのお出かけのお話前回、家族で外出する時の困りごとについて書きましたが…今回は、パパ抜きの外出のお話をしたいと思います。家族そろって外出するのは基本的に日曜だけの我が家。パパが日曜日に仕事になることもあるので、母1人、子ども2人というパターンの方が多いです。Upload By SAKURA飛び出し注意!キーマンはやはり…。家族でのお出かけ同様、キーマンは息子。Upload By SAKURA特に駐車場では、息子が飛び出さないようにいつもより注意を払わなければなりません。パパがいないからこそ!そんなとき、頼りになるのが娘。Upload By SAKURA家族全員の外出時は周りのことを想像しにくい娘ですが、パパ抜きの外出は別人のようにしっかりとします。頼りになります、あーさん姉さん娘は、3人での外出中、わがままひとつ言いません。Upload By SAKURA私が迷った時は、相談にものってくれます。パパがいないとき、娘はあまりに頼りになるので、感覚的には、大人2人、子ども1人な気がしています。その理由をあーさん自身に聞いてみたなぜ、こんなにも娘は頼もしいのか?気になったので本人に聞いてみると…。Upload By SAKURA優しく、ありがたい言葉に感動すると同時に、あぁ…私は子どもに伝わってしまうほど、いっぱいいっぱいなのか…と反省。娘に謝ると、娘は…。Upload By SAKURAその言葉を聞いて分かりました。娘は、私の他にも大人がいるときには、子どものグループに…大人が私1人の時は、自分を大人のグループに入れているんだと。Upload By SAKURA娘は、そのときに誰がいるかによって、自分の役割を切り替えていたのです。いつもほわんほわんしている娘ですが、ちゃんと周りを見て自分なりの判断をしていました。その成長が嬉しく、難しいことも一つひとつ自分なりにがんばりながら、ステップアップしていく娘を誇りに思いました。だからこそ、いつもおりこうじゃなくていい思い返せば、親戚の集まりなどで大人がたくさんいるとき、娘はいつも言わないようなわがままを言ったりします。そう考えると、「いつもおりこう(大人グループ)でいてほしい」とは思わず、あぁ…今は子どもらしくしていたいんだなぁと思えるのでした(笑)
2019年07月24日特別支援学級に移籍後の娘中学入学時、娘は通常学級への進学を希望しました。しかし入学後のさまざまな出来事や体調の変化があったことで、通常学級で過ごすことが難しくなっていきました。そして、娘は中2の1月に特別支援学級に移籍し、正式に入級しました。特別支援学級は“自立”に向けてのカリキュラムがメインなので定期テストもありません。通知表のフォームもそれまでとは全く違います。娘の学校生活は一変しました。当初は、希望する授業はそれまで在籍していた通常学級で受けたいと考えていた娘。ですが、特別支援学級独自の行事やその準備のための時間は思いのほか多く、思うように授業に参加できませんでした。授業に出られないのでプリントがもらえない、小テストが受けられない、提出物が出せない、そんなことが何度か続き、ついに娘は「定期テストも受けない、成績表もいらない」と言うようになりました。学校では通常学級と特別支援学級を行ったり来たりと忙しく過ごしていた娘でしたが、宿題もないので、家では「やることがない、どうしよう」と時間を持て余していました。自習用に問題集なども購入しましたが…Upload By 荒木まち子目的も提出期限もない問題集は結局手付かずのままになったのでした。自立のスキルを身に付けて欲しいと願う親の思いからは程遠く私は特別支援学級に入ったのだから身の回りの事は自分で管理できるようになって欲しいと思い、声掛けは控えるようにしました。するとテレビや漫画の時間ばかりが増えていき、部屋は散らかり放題になりました。忘れ物も増える一方で、特別支援学級入級に難色を示していた主人は娘の様子を見て「危惧していたことが起こった」と言いました。すっかり緊張感がなくなった娘を見て、私は「やはり娘には自己管理は無理なのかしら?」と思いました。しかしながらこの先もずっと親が彼女のフォローをし続けていくことに違和感も覚えていました。特別支援学級の先生ともやり取りはしていましたが「学校では指示されたことに丁寧に取り組み、自分で行動を把握しています。しっかりやっています」など、私が抱く困り感とのギャップがあるようでした。私が相談した先は「これから娘は、どうなってしまうのだろう?」高校進学のことも踏まえ、心配になった私は特別支援コーディネーターの先生に相談をしました。私「娘は特別支援学級に入級してから、だらけてしまったように感じます。部屋も散らかり放題です」先生「娘さんは特別支援学級に移籍して変わったのではありませんよ」私「?」先生「お母さんは娘さんの移籍後、口を出さないようにしたんですよね?」私「はい、本人に自主性を身に付けてほしかったので。以前は私が掃除の手伝いをしたり、一緒に提出物の優先順位を考えたりしていましたが…あっ!!」変わったのは私(親)だった先生「娘さんは特別支援学級に移籍して変わったのではありません。彼女はもともと彼女に適した指示や支援がないと、どうしたら良いか分からないタイプです(逆に言うと本人に適した指示、支援があればできる)。それはこれからも変わりません。『整理整頓ができない=だらけている』というわけではないことを理解してあげて下さい」そうだ、そうだった。私は忘れてしまっていた。何歳になろうと、所属がどこになろうと、どの学校に進学しようと、どんな会社に勤めようと変わることはない娘の特性を…。特別支援コーディネーターの先生は私の悩みを一瞬で解決してくれたのでした。視覚支援復活!すると...私達は部屋の隅で埃をかぶっていたスケジュールボードを作り直すことにしました。すると娘は、その内容を特別支援学級の先生にも見てもらい自ら改良を重ねていきました。娘の行動は一変しました。1.弁当箱を洗う2.翌日の持ち物の準備をする3.風呂を洗う4.やることが終わったら自由時間5.週末には部屋の掃除をするやることの優先順位を視覚化しただけで彼女はスムーズに行動ができました。生活のリズムも整い始め、娘は余暇時間を使ってパソコン検定や英検、パソコンを使った絵画作成などに積極的に取り組むようになっていきました。参考:子どもが自ら片付けや身支度をするようになる方法~スケジュールボードをつくろう!~ | Conobie親が行っていたサポートは徐々に支援者に自習用に購入した問題集は特別支援学級の先生が丸付けをしてくれることになりました。これは娘が先生に問題集の進め方を相談して決まったそうで、私はそのことを後から連絡帳で知りました。特別支援学級の先生は指導計画を立てる際、必ず本人と話をし、本人の意思を確認して決めて下さいました。ある時娘は通常学級の生徒に「特別支援学級の楽器の音がうるさい」と言われてショックを受けたそうです。娘はその場では言い返せないタイプです。娘は特別支援学級の先生に相談をし、後日「特別支援学級では市の合同学芸会に向けて楽器の練習をしている」ということを説明する手紙を書いて通常学級で読みあげたそうです。冷やかしやいじめを受けた時や、周りに自分のことを理解してもらいたい時などに、支援者に助けを求め自分の意思を伝える方法を学んだり「自分は一人ではない、安心できる居場所と仲間がいる」と実感できる機会が増えていったことで娘は一段と成長したように思えました。進学先探し――福祉併用のF学院へ日常生活では特別支援学級へ入級し、環境の変化の中で少しずつ成長をしていた娘。中学卒業後の進路についても、学校探しは引き続き行っていました。私は特別支援学級の先生に教えてもらったF学院に見学に行きました。F学院は、過去に特別支援学級の卒業生も進学したことがある学校です。見学に行ってみるとそこはそれまで私が見たことがなかった形態の学校でした。社会福祉法人が運営するその学校は、軽度障害のある生徒を対象に高等学校卒業資格取得を支援する“社会福祉制度併用の”高等学院でした。生徒は午前中は社会や国語、数学や英語などの授業を受け、午後は近隣の福祉施設を利用したスポーツやSST(ソーシャルスキルトレーニング)などを通じた自立訓練を行います。同じ建物の中に厨房や作業所もあり、就労移行支援の事業所や、自立訓練を行う自立センターなども併設されています。社会福祉制度を併用するので、F学院のサービスを受けるためには障害者手帳または障害福祉サービス受給者証が必要となります。グループホームなどの障害児・者に対してさまざまな事業を展開している社会福祉法人が運営するこの学校は、自立支援を主な柱としつつ、高校卒業資格習得を希望する保護者のニーズも満たしていました。また学校名に「学院」を入れることで技能教育施設であっても、生徒の多くが望む「学校らしさ」を感じさせる配慮もありました。私が見学した当時、この学校はビルの中にあり(2015年に新校舎が完成しています)「学校」というより「事務所」「作業所」といった雰囲気を強く感じました。また訓練ベースのイメージが強く、学生生活を満喫し友達と楽しく過ごしたいと考えている娘の希望には合いませんでした。それでも、教育現場を経験したスタッフが考えたシステムというだけあって、とても画期的で興味深い学校でした。また、学校の良いところばかりでなく、その時点での学校の課題なども先生自らが語る誠実な様子にとても好感が持てました。参考:障害福祉サービスについて | 厚生労働省最重要ポイントはやはり…娘が通っていた、NPO法人運営の学習支援や余暇教室には、今まで見学に行った学校に実際通っている生徒もいました。彼らからのクチコミはリアルかつタイムリーです。「今年、先生が変わって学校の雰囲気が違ってきた」「去年は倍率が高かったのに、今年は定員割れらしい」それら生の情報に、娘は少なからず影響を受けました。中3になった娘は、波長の合う1つ年上の特別支援学級の先輩が入学した特別支援学校を第1志望に、過去に見学したことのある単位制高校を第2志望に決めました。(この時期までに娘は療育手帳も取得していました。)中学を選ぶ時もそうでしたが、娘にとって進路選びの最重要ポイントはやはり「人とのつながり」でした。合格した時はとても喜んでいたけれど娘は、第1志望の特別支援学校に入学することができました。合格通知を受け取ったとき、娘はとても喜びました。入学後、先輩たちと遊びに行ったりと学生生活を楽しんでいた娘。でもしばらくするとさまざまなことが起こり、娘が「学校に行きたくない」「学校やめたい」と荒れたことは一度や二度ではありませんでした。親や先生が娘に求めるものと、自分のしたいこととのギャップに苦しんだり、自らが思い描くように上手くできない自分に対してイライラしたり…。理想と現実の差に悩むことは精神的成長の証でもありますが、娘はこの時期、本当によく親や先生に反抗しました。「周りの大人は自分の将来を思ってそう言っている。それは分かっているけれどやりたくない。」そんな思いが娘の悩みを更に深くしているようでした。社会人になった娘、昔を振り返って特例子会社に入社した彼女は、今年社会人2年目を迎えました。娘は言います。「100%満足する学校なんてきっと無いんじゃないかな。足りないと思う部分は自分からアクションを起こして、別のところで補うしかないんだと思う。例えばもっと勉強がしたい!と思うなら、今はネットが発達しているからネットの無料塾とかで勉強することもできるし、学校に話が合う友達がいないと思うなら、同じ趣味の友達をSNSでも探すこともできるかもしれない」「でも私はリアル体験しないと学べないタイプだから、実際社会に出てから学んだことの方が多いけど(笑)」「たとえ学校にどんなに立派な施設やシステムがあったとしても、私は最後はやっぱり“人”なんだと思ってる。あ、それは社会に出ても一緒だけどね」決断する時、いつも娘は“人”を中心に考えていました。これはきっとこれからもそうなのでしょう。”コミュニケーションは苦手だけど人が大好き。言葉では上手く表現できないけど、常に人と繋がっていたいと思っている”これが娘の根っこなのだと思います。それは、今までの学校生活でも、時にはつらい思いをしながらもずっとあきらめなかったことです。人との繋がりは生きていく上でとてもとても大事なことです。学校はそれぞれ、魅力的な施設や、さまざまなカリキュラムがあります。でもなにより「心許せる友達や先生と出会えたこと」「安心できる居場所を探し、見つけたこと」が、社会人となった娘の土台を作ってくれている。そう、感じています。そして自分のために必要な環境を自ら選び取ってきた娘を、頼もしく思います。だから私は娘に伝えます。“そうだね、あなたはこれからもそのままのあなたで良い!”
2019年07月23日ADHD息子、小学3年生で学校生活のストレスが溜まりはじめて...Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太が小学校3年生のとき。リュウ太は、学校でイライラすることが多くなりました。そして周囲とケンカになる、机に伏せて授業が受けられないなど、学校生活を送る上での問題が目立ってきたのです。担任の先生との一学期の面談では、「リュウ太くんは他の子よりも心の成長が遅いのかもしれません。教育相談所に相談してみたらどうでしょう?」と言われました。Upload By かなしろにゃんこ。私もリュウ太は年齢よりも幼いし、気性も激しくて育てにくいと感じていたので、やっぱり何か発達に問題があるのかもしれない…と思い、担任の先生が勧めてくれた教育相談所に連絡してみようと思い始めました。とはいえ私はそれまで、教育相談所という機関の存在なんて気にしたことすらありませんでした。それに当時は今から12年前。スマホで手軽にネット検索できる時代ではありませんでしたから、教育相談所がどんなところなのか何も情報がない状態で不安な気持ちなこともあって、すぐに問い合わせる勇気はありません。どうするか悩んでいた夏休みの前、リュウ太のストレスはピークに達してしまいました。家に帰ってきてもイヤなことを引きずって物にあたり散らす日々…そのうち「お腹が痛い」と言うようになりました。どのあたりが痛いのか聞くと、胃のようでした。イライラや心の問題が体にも不調となって表れていたのです。これはもう私一人ではどうしようもない…勇気を出して、教育相談所に連絡してみることにしました。担任の先生は教育相談所について、「育児の悩み相談もできるところだから何でも相談してみるといいですよ」と教えてくれましたが、私の中では「ザーマスタイプのおっかない教育熱心な指導者に『あなたの育児は間違っています!そんなんじゃダメですよ!』と怒られるのかも…」そんなイメージばかりが膨らんで(笑)、面談に行く前はドキドキだったことを今でも思い出します。勇気を出して教育相談所へ!そこは母も息子も安心できる場所だったUpload By かなしろにゃんこ。しかし、実際は違いました…!私よりも少し若い男性相談員の方が私のカウンセリングをしてくれる間、息子には若い女性の指導員の先生がついてくれるのだといいます。息子はオモチャがたくさん置いてある畳の部屋に誘導され、指導員の先生と一緒にさまざまなオモチャで遊びました。息子は自分の好きなオモチャもそうでないものも、片っ端から引っ張り出しては触って試して遊んだそうです。ここでの狙いは、遊びの中で「この遊び方をしていいんだ、ぼくはぼくのままでいいんだ!」という自己肯定感を育むことなのだと教えてもらいました。ですから、息子がどんな遊び方をしても指導員の先生は怒ったり注意したりすることはなく、息子は楽しみながら自己肯定感を高めることができたのです。Upload By かなしろにゃんこ。私も小さな相談室に促され、相談員の先生に子育ての様子や困っていることを打ち明けました。これまで誰にも子育ての困り事を相談したことがなかった私。聞いてくれる人がいる、なんでも話していい。それだけでとても嬉しく、心が軽くなる感じがしました。それまでは、親など身近な人に話しても「言い聞かせが足りない」「躾ができていない」などと言われて、「もっと厳しくしないといけないんだ…私の育児は甘いんだ」と落ち込むばかり。息子に対して厳しくすればするほど反発され暴れられるということを繰り返し…いつからか誰にも相談しなくなっていたのです。「一人でなんとかしなくちゃ!」と頑張りすぎていたその頃の私は、「厳しさが足りないんだ」と思い込んで、軍隊のような礼儀・作法・規則を厳守させたりする指導が必要なんじゃないか、とまで考えていました。でも、教育相談所に通った2年の間、毎回少しずつ困り事を話していくうちに、私が困っていることの要因やどうしたらいいのかが、整理できてきました。〇ただ厳しく育てるだけでは逆効果で、息子は変わらないこと。〇息子は周りからちょっかいを出され、やめてと言ってもやめてもらえずに学校でイライラしていること。〇息子は学校でイヤなことがあると、そのストレスを家で爆発させていること。整理されて気づいたのは、私が困っていることは息子も困っていることだということです。Upload By かなしろにゃんこ。一人だと悩みをまとめることができなくて「自分はとにかく息子のことで困ってる!問題がいろいろありすぎて何に困っているかは分からない?考えるの面倒だから全部に困ってる!」となるんですが、人に話すことで見えてくるんですね。なんとか変えていきたいことについては、できることから取り組むようにアドバイスしてもらいました。〇息子の場合は、一人でできないことはできるようになるまで注意しないで待ってあげる方がよいこと。(例えば時間割に合わせた持ち物の準備や、提出物の準備など)〇学校で起こったイヤな出来事の話も含めて、家でたくさん息子の話を聞くこと。アドバイスを受けて、「息子が一日のうちで体験するイヤなことを、家では減らす」ということかな?と思いました。学校で起こることは親にはどうにもできないこともあります。その分、家の中では子どもの思いを受け止めて、楽しく過ごさせてあげたいなと思ったのです。家でも学校でもイヤなことがあったらたまりませんもんね…。悩みを吐き出したら、息子にとってより良い環境づくりに前向きになれたUpload By かなしろにゃんこ。躾が足りないと思って厳しくしていた私は、逆のことをやっていたんだ――そう気がついたのは、通い出して半年後のことです。相談員の先生は私に「こうしなさい」「ああしなさい」とは言いませんでした。「こうしてみるのもいいかもしれないですね」とあくまで提案のかたちでした。提案された方法の中から、息子に合ったものを考えて自分で選んでいくプロセスが、私には必要だったんだと思います。相談員の先生は、そこまで分かった上で話してくれていたのでしょう。息子が変わるには、まず私が変わることが先で、私が変わるには考え方を変えていかないといけない。考え方を変えるには、私の中に新しい情報が入るように空欄を作ること、空欄を作るために私の悩みや苦しいものを外に出さないといけなかったんですね。そして新しい情報が入ると共に、こだわっていた考え方が柔らかくなってきて「新しい方法を試そう!」という気持ちになってくる。Upload By かなしろにゃんこ。育児を注意されないように、甘やかしていると思われないように、相手に攻撃されないように…絶えずそんな気持ちでバリアを張っていたら、新しい有力な情報をはじいてしまいますもんね。でも、以前の私はそんなふうに生きていたんでしょう。そんな私の姿を学校の先生も分かっていて、教育相談所を紹介してくれたんだと思います。そして教育相談所とつながれたから、発達が気になる子の診断をしてくれるクリニックも紹介してもらい、小学4年の頃に受診、ADHDと広汎性発達障害と診断され、特性による困りごとにも早め早めに対応できるようになったのです。おかげで、後に訪れる反抗期の息子と大喧嘩はしても大きくこじれることもなく乗り越えることができました。必要なときに必要な支援に出合えたことが、大人になった息子とのイイ感じの親子関係にもつながっています。いまもし悩んでいるママがいたら、一人で抱え込まずに、支援機関につながって悩みも不安も全部相談してみてほしいなと思います。
2019年07月22日学校生活を楽しんでいた息子が、ある日「学校に行くのが嫌になってきた!!」と叫んだ理由特別支援学級の利用を始めたことにより、教室で過ごす不快感を軽減。約1年半に渡る不登校生活を送っていたことが嘘であるかのように、息子は楽しそうに通学を続けた。しかしある日、「また学校行くのが嫌になってきたよ!!」と言い出すではないか。理由を聞き、息子が話してくれた内容をまとめると、下記の2点だった。●衝動性の高いクラスメイトとの衝突が絶えない(特別支援学級で)息子は感情を言語化するのがやや苦手で、頭の回転に言葉がついていかないことがしばしばある。そのうえ、言葉を選びながら話をするので、思考と言語がスピーディーに結びつくタイプの子からしたら、「どうしてすぐ返答がないのか」とじれったくなるのだろう。そこでけんかになってしまうらしい。●授業中に発言を求められるときや、給食のおかわりをするときなど、注目されるのが辛い(通常学級で)自閉症スペクトラム障害の特性か、息子は失敗を極端に恐れ、緊張と不安を感じやすい。同時に、注目を浴びることを心底嫌っている。授業であれば発言者の話を聞くのが当然の空気であるし、おかわりのときは「誰かおかわりしているな」と、音に反応する程度のことで、おそらく深い意味などないだろう。誰も悪くない話だ。どう返していいのか分からない。私は「そうか、それは大変だったね」と返したあと、しばし言葉に詰まってしまった。スピーディーなクラスメイトも、授業中や給食の時間、息子に振り向くクラスメイトたちも、誰も悪意があってそうしているわけではない…と伝えたところで、息子は自分だけが叱責されているような気分になるかもしれない。これには困った。困ったが、口を開いた。「大変だし辛いのは分かった。分かったんだけどね、一旦ここで回避しても、同じような問題がまた出てくると思うんだ。でね、あなたは決して悪くないんだけど、相手も悪くないんだよ。だから両方の話を聞いて、説明する人が必要だと思う。でもそれを私がしてしまったら、不公平になる気がするんだよね。だからさ、先生に相談してもいいかな?」合間合間に入る息子の「でも!」「だって!」をなだめつつ、私が話し終えると、息子は黙って頷いた。「それが解決しても、学校へ行くのは嫌かい?」と私が問うと、息子はかぶりを振って、「ううん、友達に会いたいし、勉強もしたい。学校に行きたい」と呟いた。学校側の迅速な対応で問題解決。円滑なコミュニケーションを行えるようになった息子連絡帳を通じて、私は担任の先生に相談をし、その日のうちに連絡をいただいた。耐えない衝突については、双方に思考と発言の特性の違いを説明し、スピーディーな子には「焦る気持ちは分かるけど、急かさずに待ってみよう」、息子には「急かされると困るのは分かるけど、“もうちょっと待ってね”と怒らずに言うようにしてみよう」と話してくださったそうだ。注目されることに関しては、特別支援学級で過ごす時間を増やすことで視線の数を減らし、そのうえでストレスが減るか様子を見ましょう、という話になった。以降、衝突することはほぼなくなり、注目への恐怖感については特に息子から何も言ってこないが、おかわりをしたなどの報告をしてくるところをみると、気にならなくなったのだろう。発達障害あるあるのひとつ、アレキシサイミア(失感情症)による感情の後出しは息子にも見られる。そのため、「あのとき学校でのあれが嫌だった!これが嫌だった!」と、急にいろいろ思い出して爆発することは今でもあるが、その都度私ができるケアは私が、できないことは先生に相談し、大きなトラブルには至っていない。そして「学校に行きたくない」という言葉も聞かれなくなった。以前よりコミュニケーションも円滑に行えるようになったのか、気の合う友達が増えたようだ。放課後はすぐ遊びにでかけ、家に戻る時間も少し遅くなった。学校が休みである土日も、友達と遊びに出かけることが増えている。良かった。本当に良かった。参考:失感情症(アレキサイミア)| e-ヘルスネット(厚生労働省)不登校のきっかけは、授業だった?特別支援学級への転籍を勧められた、息子の学習姿勢「来年、進級するタイミングで、息子さんの所属を特別支援学級に転籍しようと思うのですが、いかがですか」個人懇談のとき、特別支援学級の担任の先生から持ちかけられた。この方、実は1、2年生のときの担任の先生でもある。息子が登校渋りをしていたころや、不登校を始めたばかりのころは、意見が合わずに悩むこともあったが、徐々にこちらの思いをご理解くださり、校長先生と教頭先生、特別支援コーディネーターが入れ替わるまでは、学校の中ではほぼ唯一の味方になってくださった。校長、教頭、特別支援コーディネイターとの4者面談は毎回辛かったが、この先生が寄り添ってくださったからこそ、私は乗り切ることができたのだ。「今さらですが、ずっと頑張っていた息子さんが、あの辺りで心が折れたのかな、と思える場面を思い出したんです。算数の授業で掛け算が始まったとき、(数字が好きで、就学前に掛け算の九九を覚えていた)息子さん、“やったあ!”って喜んだんです。きっとそれまでは退屈だったのでしょうね」授業で掛け算が始まったと、息子が報告してくれたことは私も覚えている。本当に嬉しそうだった。「だからしばらくは楽しそうだったんですけど、すぐに高度な応用問題に授業が進むはずはありません。だんだん上の空で授業を受けるようになって…」おそらくその時期に、「大好きな算数が嫌いになってきた」と息子がこぼしたことがあった。感覚過敏による苦痛も訴えていたので、特別支援学級の利用をお願いしたのだが、「頑張れば通常学級でもやっていける」というのが学校側からの回答だった。行政の特別支援教育センターに間に入ってもらうこともあったが、こちらの要求が受け入れられることはないまま、息子は不登校生活を選択することになる。「あのときすぐに、特別支援学級を使ってもらえば良かったのかもしれません。本当に申し訳ありませんでした」とはいえ、今では特別支援学級での学習が叶い、息子も嬉しそうに登校をしている。だから私は気にしていないと伝えた。ただ一つ問題があるとすれば、私が学習のサポートをしきれなかったことで、いくつかの教科に遅れが生じてしまったことだ。「息子さん、それもあっという間に覚えていくんですよ。今はほとんど足並みが揃っていますよ。学ぶことが好きというか、そういうゲームをしているような感覚なのかもしれません。ここ(特別支援学級)では、今日はここからここまでと、授業を進める範囲が決められています。それが終わったら自由学習の時間。学習の範囲であれば何をしてもいいことになっているんです」自由学習の時間、息子は上学年の教科書を開き、タブレットでその内容について調べていることもあるらしい。やはり、新しいことをどんどん覚えていきたいという気持ちが強いのだろう。「せっかくの意欲を削いではいけないので…理解をしている内容に関しては復習程度にとどめ、他の児童が通常の学習をしている間、息子さんには応用問題などを解くなどして、先に進んでもらうようにします。そのためにも、通常学級も利用しながら学ぶことには変わりないのですが、基本の所属を特別支援学級にした方がいいかと思うんです」その他にも、さまざまな制度の説明を丁寧にしていただき、転籍した方がいいと思われる理由を伺った。細かな内容は忘れてしまったが、至極納得したことは覚えている。そして先生は、息子の様子をつぶさに観察なさって、どのように学習を進め、どのようにサポートすべきかを考えてくださっている。心底ありがたかった。衝突することもあったが、この先生に思いを伝え続けて良かった。ちなみに息子は、この先生のことが1年生のころからずっと大好きだ。「それでは、転籍する方向でよろしくお願いします」私は、先生に頭を下げた。不登校生活“一旦”終了。そして今思うことさて、もうじき夏休みに入ろうとしている現在、体調不良で2回欠席したものの、「あー、今日はあの授業受けたかったし、○○君たちに話したいことがあったのに!」とゲホゲホ咳をしながら申し上げる程度に、息子は学校好きである。しかし、成長に伴って解決する問題があれば、成長に伴って生じる困難もある。だから、今後トラブルが一切ないとは言い切れないし、「学校に行きたくない」と言い出さないとも限らない。「これからもあなたは学校が好きなままなのでしょうかね」と、聞いても仕方のない質問を私から息子に投げかけると、案の定「そんなの分かるわけないよ」と笑ったあと、「でも、ずっと好きだったらいいな。何かを勉強して覚えると、何かが楽しくなるじゃん。例えば、文字を覚えたら本が読めるとかさ。友達からは、のん(私の呼び名)と自分だけでは知ることができなかったことを教わったりできるし」と、彼なりに感じている“学校へ行くメリット”が添えられた言葉が戻ってきた。まあ、先のことなんて誰にも分からないのだ。不幸中の幸いと申せば語弊があるかもしれないが、息子の不登校生活をきっかけに、私は「小さなことであっても、学校にまつわる何かがあれば、迷わず学校に相談する」という手段を選べるようになったし、発達障害児やその保護者が受けられるさまざまなサポートや相談窓口があることを知った。そしてまた、信頼できる先生が、つぶさに息子の様子を把握し、最適な対応をしてくれている。終わってしまえば短かったかと問われたら、はっきり言って長かった。もうあんな日々は二度と訪れてほしくはないが、もし起きてしまったらそのときはそのとき。私はまた慌てたり騒ぐだろうが、頼れる存在に頼ったり相談をして、何とかするしかないだろう。経験は無駄ではない。と、思いたい。
2019年07月17日幼稚園から毎日遅刻...原因は睡眠障害…!?わが家のASD兄妹は、2人とも幼い頃から睡眠に問題がありました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ現場の先生方のご協力と家族の送迎で、何とか休みながらも登校していた兄タケルでしたが、8歳のとき「アスペルガー症候群」の診断がつき、小学3年生から気持ちを安定させる薬を飲み始めました。夕方の気分の落ち込みを防いで20時〜21時には眠ってもらい、十分な睡眠をとることができるようにするのが目的でした。直接的な影響がどのくらいあったのかは不明ですが、結果的にタケルは21時台には眠るようになり、朝早く起きてくるようになりました。服薬は1年程でやめたのですが、タケルに限って言えばこれ以降もそのリズムを崩すことなく過ごせるようになり、日常生活への支障が少なくなりました。その結果、季節による不調などはありつつも中学・高校も何とか通い切ることができました。現在中学1年生の妹いっちゃん。睡眠の問題を抱えながら、学校生活は体調優先でUpload By 寺島ヒロ「キタキタキターー!!」って思いました。なぜなら私もこのタイプだから。概日リズム睡眠障害といって、寝る時刻と起きる時刻が毎日少しずつ遅れていく症状があります。私自身もこの症状があるため、私の生活時間につられて子どもたちが生活リズムを壊すことを恐れ、実は私は子どもたちが幼い頃は睡眠薬を飲んで生活リズムを無理やり朝型にしていました。でも、ちょっとした風邪でも寝込むほど体調を崩してしまってとてもきつかった上に、朝型の生活リズムが習慣化することもなく、睡眠薬を飲まなければ翌日からまた1時間ずつ体内時間がずれていく…。私にはこの方法はあっていないことに気づき、妹いっちゃんの睡眠傾向がはっきりしてきたあたりで、私自身も朝型の生活にこだわることはやめました。参考:概日リズム睡眠障害 |厚生労働省 e-ヘルスネットUpload By 寺島ヒロ中学1年生になったいっちゃんですが、今でも起きられた時に登校するスタイルは変わっていません。毎朝決まった時間に起きようと試みて体調を崩した自分自身の経験からも、1時間目から登校することにこだわるあまりに健康を損ねては本末転倒…。中学校の先生にもご理解いただいています。ただ、月の3分の2は学校に行けておらず、不登校状態になっているいっちゃん。授業を受けられなかった分の全ての勉強を家庭や支援教室でカバーできるわけではないので、今後の進学などのことも考えると睡眠をはじめとした生活リズムについてはフォローしていかなければならないですよね。その辺りが今後の課題だと思っています。
2019年07月12日