スキンケア大学がお届けする新着記事一覧 (1/5)
美容ドリンクに配合される成分としてポピュラーな「コラーゲン」。私たちの肌のハリや弾力を生み出しているのが真皮層に存在するコラーゲンということもあり、栄養素として食べ物やドリンクから摂取することが美容に良いと期待されています。ここで取り上げるのは、化粧品メーカーの資生堂が開発した「経口摂取用コラーゲン産生促進剤」。コラーゲンを作り出すことが期待できる成分として、注目している女性も多いのではないでしょうか?30年以上の研究を続ける、資生堂の特許成分「コケモモ・アムラ果実」資生堂が開発した「経口摂取用コラーゲン産生促進剤」とは、簡単にいうと飲むことで真皮層にあるコラーゲンの産生促進が期待できるエキスのこと。具体的には「コケモモ(リンゴベリー)」と「アムラ」という2つの果実を組み合わせた成分「コケモモ・アムラ果実」というもの。また、独自の試験では継続的に摂取することで「肌のハリやなめらかさの向上」「シワやほうれい線が目立たなくなる」などの、改善が見られたという報告があります[1]。皮膚からではなく、体の内側から有効成分を届けることに着目加齢にともなう肌のシワやたるみは、皮膚内のコラーゲン産生量が低下することが原因のひとつと言われています。これに対して、皮膚の外側から塗る外用剤の開発が行われていました。しかし、皮膚から有効成分を吸収させることは容易ではなく難しいことから、経口摂取の方がむしろ期待する効果が得られるのではないか?という経緯で、開発が進められていたようです。資生堂では30年以上も前から研究を続けてきており、長年の研究が実を結んだ発明ですね。「コケモモ」「アムラ」2つの果実とは?日本ではあまりなじみのない果実ですよね。実は、海外では美容に良いとして習慣的にとり入れられている食材です。コケモモ(リンゴベリー)北欧やカナダなど北極圏に自生する植物で、一部の地域では伝統的に食されている果実。美容食材として注目されており、ビタミンA、C、Eといった美肌に欠かせないビタミン類を豊富に含んでいます。さらに、日本では美白化粧品の有効成分としても活用されるαアルブチンを含んでいることから、近年では化粧品成分として活用されたり、高い栄養価があることからスーパーフードとして扱われることもあるようです。アムラインドでは神話や伝承医学で扱われる代表的な果実のひとつとして親しまれています。日本でもブームとなった美容フルーツのアサイーに続いて、スーパーフルーツと呼ばれることも。抗酸化成分であるポリフェノールやビタミンCを多く含み、日本でも少しずつ美容・健康に期待できる食材として密かな人気を博しているようです。肌のハリ・たるみ防止に、コラーゲンをつくり出す新たな美容成分が女性の美をサポート新たな美容成分として資生堂が開発した成分「コケモモ・アムラ果実」は、特許を取得する際の詳しい経緯や製法、試験データも公開されています。専門的な内容になりますが、詳しく知りたい方は調べてみてもいいですね。また、この経口摂取用コラーゲン促進剤が活用される製品は美容ドリンクなどの健康食品です。健康食品は医薬品ではないので、飲んですぐに効果が得られるというものではなく、習慣として継続することが必要です。このような美容に役立つ新しい成分の開発や研究は世界中で行われているので、美を追求する女性にとって、今後どのような成分が出てくるのかと思うと期待は止みませんね。美しい肌を維持するためには、栄養摂取だけでなく、スキンケアや良質な睡眠、運動など生活習慣から考えいく必要があります。その一環として、こういった美容成分を習慣的にとり入れてみるのも良いと思います。参考文献[1]特許成分:コケモモ・アムラ果実特許番号:4917180号. _監修:馬渕知子
2019年08月30日コンビニやドラッグストアなど、コラーゲン配合の美容ドリンクはよく見かけますよね。魅力的に感じる方もいれば、「本当に飲む意味はあるの?」と、コラーゲンの効果に半信半疑な方もいると思います。ここではコラーゲンを飲んだ際に期待できること、またコラーゲンだけではなく一緒に摂取することで相乗効果が期待できる成分についてご紹介します。新たにわかってきたコラーゲンと肌の関係性コラーゲン鍋やコラーゲンドリンクなど、「コラーゲンを飲めば美容にいい」といわれる時もあれば、「飲んでもアミノ酸に分解されてしまい、コラーゲンを肌に補えるわけではない」と、メディアで取り上げられることもあるコラーゲン。最近の研究ではどのような見解がでているのでしょうか?全てが分解されるわけではない。巡るコラーゲンの効果についてコラーゲンに対する見解が賛否両論ある中で、最近の研究では、コラーゲンはすべてがアミノ酸に分解されてから吸収されるのではなく、コラーゲンペプチドとして吸収されていることがわかっています。また、吸収されたコラーゲンペプチドが血液中を巡り、「真皮層の細胞にコラーゲン生成を促すシグナルを出している」ことがわかっています。これにより、ハリ不足やたるみなどの肌悩みの改善にも期待できるのではないかと考えられています。実際に学会でも、「コラーゲン(ペプチド)を62日間摂取した際、線維芽細胞(コラーゲンを生成する細胞)の数、コラーゲン線維の直径および密度が増加した」という結果も報告されています[1]。気になっていたマイナスなイメージが変わりそうですよね。せっかくなら吸収されやすいコラーゲンを選びましょう。コラーゲンドリンクを選ぶ際に、ちょっとチェックして頂きたいポイントをご紹介します。コラーゲンをとり入れるコツは「量より吸収率」コラーゲンドリンクやサプリメントで、含有量の多さを強調する製品が見られます。しかし、コラーゲンがたくさん入っているほど高い効果が得られるとは限りません。その理由は、どんなにコラーゲンを摂取しても、体内で十分に吸収されなかったり、されたとしても活用されなければ効果が期待できないからです。吸収率はコラーゲンの「大きさ」に関係するコラーゲンの吸収率は、コラーゲンの種類やコラーゲンの分子サイズによって変わります。実は、コラーゲンといっても種類によって分子のサイズが異なるのです。コラーゲンの種類と分子のサイズは以下の目安があります。コラーゲン>ゼラチン>加水分解コラーゲン>コラーゲンペプチドコラーゲンの経口摂取による吸収率や肌への影響について、研究で結果がでているものは「コラーゲンペプチド」です。製品を選ぶ際は成分表を見て「コラーゲンペプチド」や「低分子コラーゲン」と記載されているかどうか、チェックしてみてください。そしてもうひとつ。美容のために摂取すべき成分は、コラーゲン単体だけではなく、一緒に摂取することで相乗効果が期待できる成分。効率よく効果的にコラーゲンを取り入れましょう。鬼に金棒!コラーゲンと一緒に摂取したいビタミンCと鉄分コラーゲン選びのポイントをお伝えしてきましたが、他の成分と一緒に摂取をすることも重要です。その理由は、肌のコラーゲン生成に必要な成分はコラーゲンやアミノ酸だけではないためです。基本は一日に必要な栄養素をバランス良く摂取することですが、コラーゲンを摂取する際はビタミンCと鉄分も一緒に摂るように心がけましょう。この2つはコラーゲンの合成に必要不可欠な成分で、肌にコラーゲンを安定・強く維持させるためにも重要な役割を果たします。肌のハリだけではなく、さまざまな肌トラブルのケアにも寄与する成分なので意識して取り入れましょう。肌に必要な栄養素は、まだまだたくさんある肌のハリを保つために必要な成分は、コラーゲンだけではありません。美容のために必要な成分は数多くあり、これからも研究が続く分野です。新しく発見・開発された成分にも注目して、活用してみても良いでしょう。参考文献[1] 小山洋一. 天然素材コラーゲンの機能性, 皮膚科学 2010; 56(2): 71-79監修:馬渕知子
2019年08月30日赤ちゃんの体は成長していく過程で、さまざまな変化が起こります。そのひとつである食物アレルギーは、赤ちゃんに起こるアレルギーでも特に多いもので、親の立場からすると心配になってしまいますが、アレルギーへの正しい理解をもってコントロールすれば問題はありません。ここでは赤ちゃんに起こる食物アレルギーについて、事前に知っておきたいポイントをまとめました。赤ちゃんと食物アレルギーについて特定の食物の摂取や接触によって体に症状が現れる食物アレルギーは、とても身近な症状のひとつではないでしょうか。卵や牛乳を食べて不調をきたす人は珍しいことではありません。実は、この食物アレルギー最も発症するのが、乳児期の赤ちゃんなのです。アレルギー反応ってなに?私たちの体には「免疫」という機能が備わっています。これは、外部から侵入してくる異物(アレルゲン)から身を守るためのシステムで、食べ物や細菌、ウイルス、花粉、ダニなどのハウスダストが、体内に入ってきたときに異物として認識し、それを排除しようと働きます。しかし、その働きが過剰になってしまい、さまざまな症状をきたしてしまうものを「アレルギー反応」と呼びます。食物アレルギーとは食物アレルギーは、その名のとおり食べ物によって引き起こされるアレルギー反応のことです。食べ物は外部から体内に摂り入れて栄養を得るために必要なため、基本的に異物として認識されることはないのですが、体の免疫のシステムに問題があったり、消化や吸収する機能が未熟な状態だと、食べ物を異物とみなしてアレルギー反応を起こします。また、食物アレルギーというと、口から食べたときに反応が出ると思いがちですが、食べ物に触れたり、吸い込んだりするなど、何らかの経路で体内にアレルゲンが侵入しても起こります。食物アレルギーの症状特に多く見られるが、湿疹やかゆみ、むくみなどの皮膚症状です。その他にも、くしゃみやせき、鼻水や息苦しさなどの呼吸器、目の充血や口腔内が腫れるなどの粘膜、下痢や吐き気、血圧の低下、神経症状など、さまざまな症状が現れます。食物アレルギーの症状は、アレルゲンとなる食物を食べたり、接触後2時間以内に症状が現れます。これを即時型食物アレルギーと呼びます。また、アレルギー反応が出るまで数時間かかる遅発型もありますが、食物アレルギーの多くは即時型のアレルギー反応になります。食物アレルギーにかかるのは赤ちゃんの時期が最も多い食物によるアレルギー反応を起こすのは、食物に含まれるタンパク質です。赤ちゃんや小さい子どもに食物アレルギーが多いのは、体が成長段階にあることが大きく関係していると考えられています。これは、消化機能が未熟であるため、食べ物を分解して消化することができないためで、ちゃんと消化できない食べ物に対し、体が異物だと認識していることが考えられます。食物アレルギーは成長と共に耐性がついていく成長と共に消化機能も発達していくと、これまでアレルギーを発症していた食べ物に反応しなくなっていく「耐性化」が見られます。特に食物アレルギーのなかでも特に多い卵・牛乳・小麦は、小学校の入学前くらいになるとアレルギー反応が起こらなくなるケースがほとんどです。耐性化しにくい食べ物もある食物のなかには、耐性化しにくいものもあります。主にピーナッツ、魚介類、果実、ソバ、種子類などは成長をしても耐性化しにくく、成人になってもアレルギー反応を起こすために避けなければならないケースもあります。食物アレルギーは遺伝することも考えられるアレルギー疾患である食物アレルギー、喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎などは遺伝することが考えられています。しかし、親が発症していたからといって、確実に子どもにも発症するというものではありません。アレルギー疾患の発症は、さまざまな要因が複雑に関係しているのです。妊娠時や授乳期にできる予防策はない食物アレルギーを引き起こしやすい食べ物といえば、「卵、乳、小麦」の3つです。自分の子どもがこれらの食物アレルギーにならないよう、妊娠時から食物制限をすること、またアレルゲンが母乳から侵入するのではないかと授乳期に食物制限に意味はなく、子どもへのアレルギー予防になるようなことはありません。離乳食をはじめる時期は遅らせないように食物アレルギーの発症をおそれて、離乳食をはじめる時期になっても母乳だけを続ける人がいます。これは、母乳栄養の有益性を過大評価していることが理由にあるようですが、長い期間母乳を与えることが食物アレルギーを予防するという医学的な根拠はありません。赤ちゃんの食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係赤ちゃんの頃に発症するアレルギーは、食物だけではありません。複数のアレルギーを発症した場合、一方のアレルギー症状が、もう一方のアレルギー症状を悪化させてしまうことがあります。たとえば、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎を発症している場合を見ていきましょう。アトピー性皮膚炎のお子さんは食物の接触にも注意アトピー性皮膚炎があるお子さんは、食物アレルギーの反応によって症状を招いたり、悪化させてしまうことがあります。アレルギー反応を起こす食物の経口摂取に気をつけるのはもちろんですが、食物と皮膚が接触しないようにすることも必要です。アトピー性皮膚炎は、皮膚の角層が乱れ外部からの影響を受けやすい状態です。皮膚の表面にあたる角層は外部からの刺激から守る役割を持っているのですが、アトピー症状による皮膚の乾燥で角層が乱れると、アレルゲン物質が進入しやすい状態になります。そのため、アレルゲンとなる食物が皮膚に触れることでアレルギー症状が起こりやすくなります。これによりアトピー性皮膚炎による皮膚の掻破(そうは)を促進させてしまうおそれがあります。このように、アトピー性皮膚炎を発症しているお子さんは、このような観点からも食物アレルギーに注意をはらう必要があります。食物アレルギーはアトピー性皮膚炎を発症させる原因ではない以前は、食物アレルギーを発症することがアトピー性皮膚炎の発症につながると考えられていました。両者は同じアレルギー疾患で、アトピー性皮膚炎を発症する子どもは、食物アレルギーやその他のアレルギー疾患を持つケースが多いのですが、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎発症の原因ではありません。食物アレルギーだからといって悲観せず、ゆとりをもって対応を子どものアレルギーと聞くと不安になってしまうものですが、妊娠時や出産後すぐに心配する必要はありません。また、一部を除いて食物アレルギーの多くは成長と共に耐性化されていきます。そのため、食物アレルギーが出たら、アレルゲンとなる食物に気をつける、というくらい、ゆとりをもって接していくようにしましょう。ちまたでは間違った予防対策なども広まっているので、必ず医師と相談をして適切に対応していきましょう。<参考文献>・食物アレルギー診療ガイドライン 2016ダイジェスト版(日本小児アレルギー学会)・授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省)・小児アトピー性皮膚炎 大矢幸弘(J-Stage)・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016年版(日本皮膚科学会)・日本アレルギー学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン・アレルギー疾患の現状等 厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課監修:小暮裕之
2018年06月29日赤ちゃんが発症しやすいアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーと密接な関係があり、アトピー性皮膚炎を発症した場合、食物アレルギーによってアトピーの症状が悪化することがあります。アトピー性皮膚炎の適切なケアをするためにも、食物アレルギーによる影響について理解していきましょう。赤ちゃんのアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係アトピー性皮膚炎は個々で異なる原因を避けながら、適切な治療、スキンケアをすることで、日常に支障がでない程度に症状をコントロールすることを治療目標にします。アトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃんは、その他のアレルギー疾患を発症している場合が多く、そのひとつである食物アレルギーにも注意をはらいながら治療を進めていく必要があります。アトピー性皮膚炎が食物アレルギーを招くこともある食物アレルギーは乳児に多いアレルギーですが、湿疹があったりアトピー性皮膚炎を発症している場合、食物アレルギーを発症する可能性が高くなることも考えられています。アトピー性皮膚炎を発症し、乾燥やかゆみによる皮膚のかき壊しによりバリア機能が低下した肌は、アレルゲンが侵入しやすくなり、またIgE抗体が作られやすくなってしまう原因となります。IgE抗体が作られた状態では、再びアレルゲンが体内に侵入した際、 アレルギー反応を引き起こしてしまいます。。アトピー性皮膚炎は肌からの食物アレルゲン侵入にも注意これは食物アレルギーを持つお子さんにも言えることですが、アレルゲンとなる食物が肌に接触しないように注意することも必要です。食物アレルギーは口から食べた食物だけに反応するわけではなく、皮膚の接触や吸い込みによっても反応を起こすためです。特に湿疹やアトピー性皮膚炎のお子さんは、皮膚が荒れているためアレルゲンによる影響を受けやすい状態です。食物アレルギーの反応によるかゆみや湿疹などの皮膚症状は、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させてしまいます。離乳食の開始は肌の状況をみて医師と相談のうえ決める離乳食は食物アレルギーになりにくいものからはじめることが基本ですが、アトピー性皮膚炎を持っている赤ちゃんの場合、医師から避けるよう指示された食物を外すようにしましょう。また、離乳食をはじめるタイミングであっても、アトピー性皮膚炎による症状や状態によっては、開始を遅らせる必要も出てきます。そのため、アトピー性皮膚炎のお子さんの離乳食を始めるタイミングは、医師と相談したうえで開始するようにしましょう。赤ちゃんの食物アレルギーは治らないの?食物アレルギーは、消化機能が未熟な赤ちゃんの時期に多く起こるアレルギーです。成長と共に消化機能が整っていくのと同時に耐性化されていく食物があれば、反応を起こす食物によっては成人してからも避けなくてはいけない場合も一部あります。悪化要因となる食物アレルギーとの関係を把握して、じっくりとコントロールしていきましょう。アトピー性皮膚炎の治療において、食物アレルギーにも注意することは重要なことです。もちろん、食物だけでなくダニなどのハウスダストなど、環境全体からコントロールしてあげることが、アトピー性皮膚炎の改善に大きく貢献します。焦らずに、必ず医師と相談をしながらお子さんに合った対策をとっていきましょう。<参考文献>・食物アレルギー診療ガイドライン 2016ダイジェスト版(日本小児アレルギー学会)・厚生労働科学研究班による食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017(国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター)・授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省)・小児アトピー性皮膚炎 大矢幸弘(J-Stage)・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016年版(日本皮膚科学会)・日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン監修:小暮裕之
2018年06月29日赤ちゃんに湿疹ができたり、肌が乾燥して荒れるのを見ると「もしかしてアトピーかも?」と不安になってしまうものです。また、自分がアトピー性皮膚炎だから子どもにも発症するのではないか心配になるなど、親の立場になると不安や心配はつきないものです。しかし、アトピー性皮膚炎は、まだまだわからないことが多い病気ですが悲観することはありません。中には、妊娠時から食べ物を制限したり、母乳がアトピー発症に影響を与えるのではないか、という情報が出回っていますが、そういったことはありません。乳児のうちから正しい治療、適切なケアを実践することは、アトピー性皮膚炎の予防や治療面で大きなメリットがあります。まず、アトピー性皮膚炎がどういった病気であるのか、乳児のうちにやるべきケア、ステロイドは本当に怖いものなのか?基本的なことを押さえておきましょう。乳幼児のアトピー性皮膚炎まず、アトピー性皮膚炎とはどういったものであるかを理解しておきましょう。アトピー性皮膚炎の特徴主には、かゆみをともなう湿疹(赤み、ブツブツ)がひどくなったり、ゆるやかになったりする「憎悪と寛解」をくり返すのがアトピー性皮膚炎の特徴です。アトピー性皮膚炎は誰もが治らない病気ではないのです。多くの場合、乳児の頃に発症しますが、幼少期、学童期へ進むにつれて症状はゆるやかになり、やがて症状が出なくなったり、自然治癒する場合もあります。このように成長と共に症状が治まっていくことが多いのですが、中には重い症状が続く患者さんがいたり、大人になってから再発するなど、さまざまなケースもあるため、アトピー性皮膚炎といっても症状の程度や状態は個々で異なります。アトピー性皮膚炎の原因症状の程度や原因などに大きな個人差があり、アトピー性皮膚炎の明確な原因や確立された治療はありません。しかし、アトピー患者にはいくつかの共通点がみられます。いわゆるアトピー性皮膚炎になりやすい体質や要素のことで、これを「アトピー素因」と言います。たとえば、親がアトピー性皮膚炎であることや気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、結膜炎などの疾患があることも、素因のひとつにあてはまります。しかし、それだけでアトピー性皮膚炎が発症する遺伝性のものであるとは言えません。なぜなら、アトピー性皮膚炎は生活環境や習慣なども密接に関係してくるので、親に特定の疾患があるからといって、必ずしもアトピー性皮膚炎が発症するわけではないのです。アトピー性皮膚炎の主な症状や現れる時期アトピー性皮膚炎の症状は生後数か月あたりから見られはじめます。皮膚の症状や現れる部位は年齢によっても変わりますが、乳幼児期(2歳未満)では頬、おでこ、頭部に「潮紅(ちょうこう)」という、いわゆる赤みが現れたり、「丘疹(きゅうしん)」という、細かいブツブツや腫れたように盛りあがった症状が現れます。また、症状は他の皮膚炎や皮膚疾患と類似する場合があります。もともと乳児は湿疹ができやすいため、湿疹ができたからといって、すぐにアトピー性皮膚炎であるとは言えません。その他のアレルギー症状なども見ながら判断するため、一般人による診断は難しく、小児科や小児皮膚科を受診して診断する必要があります。我慢できないほどの強いかゆみに襲われるアトピー性皮膚炎の症状といえば、非常に強いかゆみが起こることです。手指で皮膚をかかずにはいられないほど強いかゆみに襲われるため、子どもに指でかかないように言う程度で止まるものではありません。皮膚が傷つき、血がにじんでくるほどやめられないかゆみが生じるため、皮膚に潮紅や丘疹が出るだけでなく、手指でかきむしってしまう「掻破(そうは)」が加わり、皮膚がただれたり(びらん)、ジュクジュクとした状態(湿潤局面)になることも特徴です。このように、強いかゆみによって皮膚をかきむしってしまうことがアトピー性皮膚炎の症状が悪化する大きな原因となります。赤ちゃんアトピー性皮膚炎の治療とは?ステロイドによる薬物療法などアトピー性皮膚炎における治療の基本は「薬物療法」、「スキンケア」、「悪化させるアレルギー因子を避ける」という3つの観点から行うことです。根本的な治療が難しいアトピー性皮膚炎ですが、治療で目指すのはアトピー性皮膚炎診療ガイドライン(日本皮膚科学会)によって、以下の項目があげられています。症状がない状態症状があったとしても日常生活に支障がない状態薬物療法をあまり必要としない急性に悪化することがあっても長引かない子どものアトピー性皮膚炎は、多くが軽症であること、そして成長と共に症状が落ち着いていくケースが大半であるため、上記のとの状態を目指すのは、成人と比較しても容易と言うことができます。しかし、子どもによっては、必ずしも症状が穏やかになっていくとは限らないため、ステロイド外用薬を用いた薬物療法は視野に入れておくことが必要です。ステロイドは危険ではないの?アトピー性皮膚炎の治療に使用されるステロイド外用薬は、強い副作用が取り上げられ問題視されることがあります。そういった情報を鵜呑みにして無理にステロイドを避けることは、かえってアトピー性皮膚炎の悪化につながります。ステロイド外用薬は、症状が憎悪と寛解をくり返すなかで、使うタイミングや使用を止めるタイミング、ステロイド外用薬の強さを調整する必要があります。そのため、医師の指導を十分に守り適切に使用することです。子どもの成長にかかわるステロイドの重要なポイント強いかゆみを伴う皮疹は睡眠の妨げになるのですが、赤ちゃんや子どもにとっては、睡眠障害が成長障害と深く関係してきます。そのため、赤ちゃんや子どもは、睡眠障害になっているかどうかの観点からもステロイド外用薬の使用を検討する必要があります。睡眠障害や成長障害をきたすと低身長や顔面の皮疹(ひしん)が強い場合は、網膜離(もうまくはくり)や白内障など、さまざまな合併症を起こすことがあります。また、過剰な食物制限も、カルシウム不足や成長障害をおこす危険性があります。原因になる?予防できる?アトピー性皮膚炎の間違った認識アトピー性皮膚炎は原因がはっきりとしていないことから、根拠のない話が出回ることがあります。古くから伝えられている方法や予防など、今では影響がないとわかっているものがあります。母乳が原因で赤ちゃんがアトピーになることはない赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になる原因として、母乳の「質」をとりあげ、それによってアトピー性皮膚炎の発症に影響を与えるといった情報が出回っていますが、これには根拠はありません。また、アトピー患者の母親による授乳が、子どものアトピー性皮膚炎の発症を促すということもありません。妊娠時や授乳期の食物制限は子どものアトピー予防に関係しない一昔前は、アトピー性皮膚炎の原因が食物アレルギーではないかと考えられていました。このことから、妊娠時に母親が食物制限をすることで、子どものアトピー性皮膚炎の発症を予防するのではないかと考えられていました。しかし、妊婦の食物制限によってアトピーをはじめとしたアレルギー疾患の発症を予防する効果はないということわかっています。妊婦が避けるべき基本的な食べ物に注意して、栄養バランスのとれた食事をしっかりとりましょう。また、母乳によるアトピー性皮膚炎の発症には根拠がないのと同様に、授乳する母親が食物制限をしても、子どもに対してアトピー性皮膚炎の予防効果はありません。赤ちゃんのアトピー性皮膚炎のケア対策アトピー性皮膚炎の治療で基本となる「スキンケア」と「悪化させるアレルギー因子を避ける」をみていきましょう。赤ちゃんのうちからスキンケアをすることアトピー性皮膚炎の治療において、日々行なうスキンケアは非常に有効な要素です。スキンケアの目的は、皮膚を清潔にし、保湿と保護で、低下した皮膚(角層)の機能を補うこと。ワセリンやシンプルな成分で構成された保湿剤の使用が推奨されます。新生児期から保湿剤を塗ることで予防につながることも角層は皮膚の水分を保持する機能があり、同時に外部からの刺激から守るバリア機能として働きます。皮膚が乾燥したり、かきむしってしまうことで皮膚のバリア機能は低下します。これが肌のかゆみを引き起こすことになるため、肌を保湿して保護することはアトピー性皮膚炎の発症と悪化を防ぐ重要なケアになります。現在では、新生児期から保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症率を低下させることが期待されています。悪化させるアレルギー因子を避けるアトピー性皮膚炎を発症する患者は、食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎、ハウスダストなど、アレルギー疾患を持っている場合が多いといわれています。これらのアレルギーを引き起こす抗原(アレルゲン)を避けることもアトピー性皮膚炎の症状を抑えるために必要なことです。特に、乳児期は食物アレルギーを合併することが多くなります。食物アレルギーは食べることで、アレルギー反応を起こすだけでなく、バリア機能が低下した皮膚から、食物(卵やミルク、小麦など)が侵入することでもアレルギーを起こしてきます。そのためにもしっかりとした、保湿ケアが重要になってきます。お子さんがアトピーになっても悲観的にならないでアトピー性皮膚炎は、さまざまな原因が複雑に関係して発症する病気です。親がアトピー性皮膚炎である場合、子どもも発症するケースが考えられますが、遺伝という点だけで発症するわけではありません。近年、アトピー性皮膚炎患者が増えているのは、日本の住環境や食生活などの変化などが大きな要因になっていると考えられています。もし、子どものアトピー性皮膚炎の発症したとしても、乳児期から適切なケアをすることで予防や発症しても重症化しにくいことがわかってきています。そのためにも、アトピー性皮膚炎を理解することは重要なことです。決して悲観的にならず、医師と相談しながら適切なケアを続けて、子どもの成長を見守っていきましょう。<参考文献>・小児アトピー性皮膚炎 大矢幸弘(J-Stage)・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016年版(日本皮膚科学会)・日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン監修:篠原三秀
2018年06月28日肌は生まれたばかりの赤ちゃんから老人まで、年齢を問わずさまざまな症状が起こります。キレイな肌や美肌…これらの条件は、肌が健やかな状態であることが重要になります。そして、その大きなポイントとなるのが、肌の水分です。年齢を重ねていくほど、肌は水分を失って乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると、さまざまな肌トラブルを招く状態になるだけでなく、その結果として肌の老化につながります。肌老化というと中年期や高齢期に限った話になりますが、肌の水分を維持することは、乳幼児や青年期においても同様に重要なポイントになります。あらゆる肌トラブルには「乾燥」が関係しているシワ、シミ、ニキビ、くすみ、たるみ、毛穴など私たちの肌には、さまざまな症状が現れます。これらを引き起こす原因には個々に存在するものがあれば、いくつかの要因が複雑に関係しているものがほとんどです。そして、多くの症状にあてはまるのが肌の水分量が低下している状態、つまり「肌の乾燥」です。肌トラブルの陰には、「肌の乾燥」があることを知っておきましょう。これは、スキンケアにおける「保湿」が重要であることも意味します。水分は肌が持つバリア機能の源なぜ肌(皮膚)には水分が必要なのでしょうか。それは肌が本来持っている役割にあります。私たちの体の表面を覆う皮膚は、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ「バリア」の役割を果たす機能が備わっているのです。どのように外部からの刺激を守っているのかというと、皮膚の一番表面にある角層と毛穴から分泌される皮脂です。細胞と角層が密集してできている皮膚は小さな細胞が集まって作られています。細胞をレンガに例えるとすれば、積み重なっているレンガが角質細胞です。そして、角質細胞と角質細胞のすき間を埋め、まるでセメントのような役割を果たしているのが細胞間脂質です。細胞と細胞間を満たす脂質によるバリアです。皮脂は肌を守るバリアのひとつ嫌われがちな皮脂ですが、肌を守ってくれる優秀な油分です。毛穴から分泌された皮脂が肌をカバーすることで、外部からの異物を止めながら、内側からの水分蒸発をくい止めます。洗顔などで皮脂を落としきってしまうと、角層の水分が逃げていき乾燥しやすくなります。肌が乾燥したときはバリア機能が崩れている状態肌がカサカサしたり、粉をふいているようなときは、肌のバリア機能が働かず角層の水分が抜けている状態です。水分が不足することで、細胞や細胞間脂質の構造もすき間だらけになるため角層が乱れます。水分が逃げていくだけでなく、外部からの異物が浸入しやすい状態でもあるため、外気や紫外線の影響を受けやすくなったり、アレルギーの原因物質が侵入することで炎症やかゆみなどを引き起こします。水分を与えて、さらに維持する保湿ケアをする必要があります。皮膚が乾燥した状態「乾燥肌・乾皮症・皮脂欠乏症」肌が乾燥する状態は医学的に「乾皮症(かんぴしょう)」と呼びます。一般的によく使われる「乾燥肌」というのは俗称です。乾燥肌という言葉は、その人が生まれ持つ体質(肌質)のように捉えられることがありますが、実際には肌を乾燥させる何らかの原因によって引き起こっています。加齢によって乾燥しやすくなる理由「肌機能の低下」肌が乾燥する度合いは人によってさまざまです。皮脂の量が少ない体質や間違ったスキンケアや過剰なメイクなども関係してきます。そういった要因のひとつに、年齢をあげることができます。若い頃の体はすこやかな細胞が作られますが、年齢を重ねていくほど新しく作られる細胞の質も低下していきます。これにより、維持できる水分量が低下するため、バリア機能の低下にもつながります。また、常に新しいものが作られ、古いものと入れ替わっていくサイクルがあります。角層の細胞は肌の内側から生まれ、成長しながら角層へ到達して古くなるとアカとなって落ちます。このサイクルも加齢と共に遅くなっていくため、肌の修復に時間がかかります。肌の乾燥を招く理由「皮膚疾患」肌が乾燥する要因のひとつに皮膚疾患もあります。皮膚疾患は年齢に関係なく乳幼児から成人、高齢者まで起こります。ここでは、肌の乾燥が起こる一部の疾患についてみていきます。老人性乾皮症加齢による肌機能の低下によって肌は乾燥しやすくなるので、高齢になるほど症状は現れやすくなります。また、乾燥しやすい冬や住環境、入浴などの習慣によっても乾皮症を招くことがあるため、疾患というよりは生理的な要因と環境によって起こる症状です。この老人性乾皮症で困るのが乾燥によって起きる「かゆみ(皮膚そう痒症)」です。このかゆみによって、皮膚をかき壊し(掻破:そうは)てしまうことで皮膚が荒れ、重症化してしまうことがあります。皮脂欠乏性皮膚炎かゆみによって皮膚をかきこわすことで、紅斑が起こり、さらに強いかゆみを誘発します。このような状態を皮脂欠乏性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹と呼びます。老人性乾皮症が悪化した状態です。アトピー性皮膚炎かゆみを伴う湿疹が現れたり(増悪)、緩和したり(寛解)をくり返すのが特徴で、多くの場合は乳児から発症し、成長と共に改善されていく傾向があります。しかし、適切な治療やケアが受けられないことや環境による要因などによって、成人になってから再発するケースも見られます。さまざまな症状、トラブルを招くからこそ保湿は重要肌が乾燥することで、シワやシミ、ニキビなどの症状を招くということは、肌に十分な水分を維持することは肌トラブルや肌老化を守ることになります。加齢による肌トラブルや乾燥を防ぐためのスキンケア肌の乾燥は、とても身近に起こる症状です。美容面においてもそうですが、重症化すると日常生活にも支障をきたすため、日ごろからの適切なスキンケアがとても重要になってきます。しかし、適切ではない間違ったスキンケアによって、改善できないことやかえって症状を悪化させてしまう場合があります。保湿肌が水分を維持する状態をイメージして、水分と油分をバランスよく与えることがポイントになります。化粧水で角層に水分を与えたあとは、乳液やクリームなどの油分を含んだ化粧水を塗ります。しかし、皮脂が十分に出ている場合は無理に油分を与える必要はありません。皮脂で補えない油分を化粧品でカバーするようにしましょう。洗浄洗顔や体を洗うときに、ゴシゴシとこするような洗い方は、肌に必要な分の皮脂まで落としてしまい、乾燥しやすい状態を招きます。多くの人は、汚れを落とそうとしたり、さっぱりとした感じを求めて洗いすぎていることがあります。皮脂が少ない人や乾燥がひどい場合は、一時的に洗顔料やボディソープを控えてシャワーで流すだけで様子をみるのもよいでしょう。またナイロンタオルの使用は控え、洗浄料をよく泡立てて、手のひらで優しく洗うように心がけましょう。紫外線対策紫外線は肌の角層だけでなく、さらに奥にある真皮層にまで届き、細胞に大きなダメージを与えます。細胞そのものにダメージを与えるだけでなく、炎症を引き起こして角層が乱れるため乾燥を招きます。外出する際は、日焼け止めや紫外線を避けるための対策をしっかりと行なうことが、肌の改善を目指すために欠かすことはできません。スキンケアだけでなく皮膚科での治療もとりいれるちょっとした肌の乾燥くらいであれば、スキンケアをすることで改善できることもあります。しかし、症状によっては皮膚科での治療が必要なケースがあります。特に皮膚疾患や高齢者に起こる強いかゆみを伴う症状や皮膚疾患は、正しいスキンケア、治療、生活改善などトータル的な対策が必要になります。自分に合った化粧品を選び、正しく使うこと化粧品によるスキンケアは、自分が行なうケアになるため、正しいケア方法を理解して行なう必要があります。また、使用する化粧品が肌に合わず、かえって乾燥やトラブルを引き起こす場合があるので、新しい化粧品を使用する場合は、違和感や炎症などが起こっていないかを十分に観察しましょう。自分にとってどの化粧品が合うかは、人によって異なります。もし、化粧品を使って肌に異変が起きた場合はすぐに使用を中止して様子をみましょう。症状がおさまらない場合は、使用した化粧品をもって皮膚科を受診し、パッチテストなどの検査を受けましょう。肌が乾燥したり湿疹があるときは、肌は刺激を感じやすくなっています。化粧品にはいろんな成分が配合されていますが、なるべくシンプルな成分でできた製品を選ぶと、化粧品による肌トラブルを起こしにくいことや刺激となる成分を探しやすくなります。<参考文献>・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016年版(日本皮膚科学会)・日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン監修:篠原三秀
2018年06月28日ある日突然、体に現れる「いぼ」。いぼにはたくさんの種類があり、放っておいても安心のいぼがあれば、感染して広がってしまういぼもあります。いぼは見た目も気になるし、これ以上増えないか心配になる人も多いのではないでしょうか。 ここでは、いぼの種類と感染の原因、いぼの除去方法について、ドクター監修の記事で解説します。【目次】いぼの種類と特徴 (#1)いぼの原因 (#2)いぼの感染経路と予防法 (#3)いぼの除去方法 (#4)いぼの種類と特徴いぼは、皮膚の表面に突出するように発生するできものを指します。大きなものから小さなものまで様々な種類のいぼがあり、いぼの原因やできる部分もそれぞれ異なります。いぼの種類で代表的なものには、下記が挙げられます。尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)[指やヒジやヒザに出る、一般的ないぼ]出現する中で最も一般的なのが、この尋常性疣贅。手足の関節など、擦ったり怪我をするなど接触の多い場所にできやすいのが特徴です。多くの物は硬く突起しており、円形をしています。発生当初は小さく半透明の皮膚の盛り上がりのように見えますが、次第に大きくなり、表面が削られてざらつくようになります。足底疣贅(そくていゆうぜい)[足の裏に現れるいぼ]組織的には尋常性疣贅と同じものですが、足の裏に発生するため、体重がかかり、突起部分が平らになります。いぼの部分がめり込み、その周りを角質化した皮膚が覆う症例が多く見られます。ウイルスが原因であることから、裸足で過ごす機会の多い人がかかりやすいようです。魚の目やタコと一見似ていますが、いぼを削るなどの刺激を加えると出血する点が異なります。人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)[加齢とともに増加するいぼ]名称の通り、加齢に伴って出現する色です。皮膚の老化現象で「脂漏性角化症」とも呼ばれます。手のひらや足の裏以外であれば全身のどこにでもできるのが特徴。発生当初は1〜2ミリの小さなものですが、次第に大きくなります。色は濃い肌色から黒色まで様々で、形も平であったり隆起していたりなど多くの種類があります。顔面や手の甲、腕、肩などに移行に当たりやすい部類に出現しやすいようです。皮膚の老化現象ということでほとんどは良性のものですが、中には悪性のガンである可能性もありますので気になるイボ見つけたら早めに皮膚の専門家に相談すると良いでしょう。伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)[いわゆる水いぼ]いぼの中では比較的柔らかい部類のものです。ウイルスによる接触感染により罹患するといわれていますが、詳しい感染経路は不明な点が特徴です。直径1〜3ミリくらいの白い塊を囲むように、柔らかいいぼがワキや肘、膝、胸などに出現します。単独では現れず、ほとんどの場合複数のいぼが一気に出てきます。柔らかいいぼが破けるとウイルスが飛び散るため、プールなどで感染しやすく、そのため子供が罹患する割合が比較的高くなっています。免疫がつけば自然に治りますが、完全治癒までの時間が読めないのが特徴です。一番は柔らかく非常に破れやすいのでウイルスを撒き散らさないためにも早期に専門医にかかり治療を始めることをおすすめします。扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)[平たいいぼ]青年性扁平疣贅とも呼ばれ、その名前の通り中年以降での発症はほとんどありません。青年期に顔や手の甲などに2〜3ミリの平べったいいぼができることが特徴です。このいぼはやや隆起しており、薄い褐色をしていることが多いようです。体格の成長とともに自然治癒していくのが一般的です。尖圭(せんけい)コンジローム[性病の一種]性器にできるいぼの一種で、カリフラワーや鶏のトサカのようなものもあるなど形状が特殊です。発症当初は痛みやかゆみなどの自覚症状はありませんが、進行すると悪臭を放つようになるので、その時点で気付く人も多いのではないでしょうか。性交渉で感染するため、性病として位置づけられています。そのため他の性病と同じく20代に最も多く発症します。3ヶ月程度の潜伏期間があるため、感染元は特定することが困難な場合もあるので注意が必要です。再発や転移しやすいため、異常を見つけたらすぐに治療を始めましょう。いぼの原因いぼの原因はウイルスいぼは、ウイルスが原因で発症します。「ヒトパピローマウイルス」別名「ヒト乳頭腫ウィルス」と言われるウイルスが、小さな傷口から皮膚に入り込み感染します。このウイルスはなんと100種類以上もあり、そのほとんどが放っておいても自然治癒する良性のものです。ただ、まれに悪性のものもあるので、発見次第できるだけ早めに治療をするのが良いでしょう。いぼの親玉が存在するって本当?いぼには「親いぼ」と「子いぼ」というものが存在するといわれています。親いぼが完治しないと、治ったと思っても再発しやすいという説があります。一番最初にできたいぼが親いぼで、そのいぼを根っこから撃退すると子いぼも自然と治るそうです。真偽の程は定かではありませんが、いぼを刺激することで内在していたウイルスを、まわりの皮膚に広げてしまい、いぼの数が増えてしまうことは多々あります。ただ、いぼのでき始めを見つけたからといって、素人判断でいぼを撃退しようとするのは逆効果です。かえってウイルスを撒き散らして転移する可能性もあるので、いぼを見つけた場合は数が少ないうちに皮膚科に相談し、根っこから撃退してもらいましょう。早めの対処が、再発や二次感染予防に効果的です。いぼの感染経路と予防法いぼの感染経路は特定困難いぼの原因となるウイルスの感染経路は、現代医学でも明らかにされていません。ウイルスは非常に種類が多く、自然界にも人間の体内にも存在するため、いったいどこから感染したのか厳密に突き止める事が難しいのです。外界からのウイルス感染だけではなく、免疫力の下がった時に自身の体内に存在するヒトパピロマウイルスによっていぼが出現することもあります。また、子供がプールに入る時期に水いぼが流行るなど、感染経路がある程度明らかな場合もあります。いぼの感染を予防するには明らかにいぼができていると判明した場合は、家族間でのタオルやマットの共用は避けるなどの予防策は効果を上げられるでしょう。プールが感染経路の場合は、学校で水いぼが流行っているからという理由でプールの授業を休ませることはそうそうできません。水いぼだけではなく、他のいぼは感染経路自体が不明な場合が多いので、確実な予防法がほとんどありません。皮膚の抵抗力を下げないしかし、いぼは皮膚が弱く、免疫力が下がった場所にできやすいので常に皮膚を清潔に保ち、健康的な生活を送ることがいぼを予防する近道といえるでしょう。怪我をしたり擦ったり、紫外線にあたるなどを繰り返すと皮膚が弱り、その部分の抵抗力が下がります。ヒジやヒザ、指や顔面にできやすいのはこのためです。なるべく摩擦を避けたり、衣服で覆ったりして紫外線を避けるなど、皮膚の力を弱めない工夫も予防法として効果的です。いぼの除去方法悪性のいぼはもちろんですが、良性のいぼでも気になるいぼは除去してしまいたいですよね。いぼの除去方法には、病院での治療、市販薬での治療、民間療法を用いて治療する方法があります。しかし後者の2つは、いぼの形状や方法によっては、はっきりした効果が現れないことも多いようです。いぼの治療は、専門の皮膚科や美容外科で除去してもらう方法が効果的です。病院でいぼを除去するには、レーザー、液体窒素、内服薬の三つの方法があります。それぞれの具体的な治療方法、期間、平均的な費用などを紹介します。レーザーで除去いぼの除去は、レーザーを使っていぼを丸ごとくり抜く方法が一般的です。もちろん、その状態に合わせて最適なレベルのレーザーを使用し、なるべく肌に負担をかけないように治療を進めます。しかしレーザーによる除去は出血も少なく、痛みも感じにくいことが特徴。ピンポイントで除去を行うので、傷跡も残りにくいといわれています。いぼの大きさや個数、種類によっても差はありますが、3ヶ月から半年程度の治療期間ですむようです。ただ、1mmあたり2000円〜5000円と病院によって、かなり価格に差がありますので、必要な方法をよく話し合って納得した上で治療を受けましょう。レーザー除去のメリットとしてあとが残りにくく、再発しにくいことが挙げられます。逆にデメリットは費用にばらつきがある点と言えます。液体窒素で除去昔からあるいぼの治療法として、液体窒素で焼き切るというものがあります。マイナス196℃にもなる液体窒素で綿棒のようなものの先を凍らせ、いぼに押し付けることで病変部分を除去します。低温火傷を人為的に起こして焼き切ってしまうという方法なので、人によっては強く痛みを感じる場合も多いようです。処置後は皮膚が火傷を起こした状態なので、傷口から他のウイルスに感染しないようにケアする必要があります。いぼの原因であるウイルスが皮膚の奥深くに根を張っていることがあるため、液体窒素の治療は、場合によっては数回繰り返す必要があります。そのため、治療期間は3ヶ月から1年と比較的時間がかかるようです。ただし、液体窒素の治療は保険がきく場合も多いので、安価にいぼを除去したい人には最適だといえます。液体窒素での治療法のメリットとしてはリーズナブルにいぼを除去できること、デメリットとしては、根の取り損ねによる再発の恐れがあること、痛みを伴う可能性があることが挙げられます。内服薬で除去いぼを治療する内服薬は「ヨクイニン」という名称ですが、日本では「ハトムギ」という名称で呼ばれることが多いようです。ハトムギは中国南部から東南アジアに生息するイネ科の植物で、ヨクイニンはハトムギの種の殻を砕き、中身を乾燥させたものです。タンパク質やビタミン、カルシウム、カリウム、鉄など高い栄養成分を含み、いぼの治療の他にも免疫力の向上や吹き出物にも効果があると言われています。ヨクイニンは西洋医学としての直接的ないぼの除去効果を狙うものではなく、東洋医学の観点から体の免疫力を向上させることでイボの原因であるウイルスの力を弱めるという方法なので、完治したと感じるまでにはかなりの期間がかかるようです。治療に全く痛みを伴わないのがヨクイニンの利点ですが、いぼの形状や種類によっては効果が出やすい場合と出にくい場合があるので、自分の症状をきちんと医師に診察してもらったうえで処方してもらうべきです。監修:藤井佳苗
2018年04月13日男性ばかりでなく、女性もひそかに悩んでいる薄毛や抜け毛。女性の場合は加齢によって女性ホルモンが減少する30代ごろから、髪のハリやコシが失われたり、薄毛や脱毛が起こりやすくなったりします。しかし、最近は20代でも悩みを訴える人が増えてきています。女性の多い薄毛・抜け毛の原因や、薄毛対策としての育毛シャンプーの選び方と正しいシャンプー方法、そのほかの抜け毛対策などについてご紹介します。髪の毛に関して多い女性の悩みとは女性の薄毛・抜け毛は、男性に多いAGA(男性型脱毛症)とは発症のメカニズムが異なります。女性に多い髪の悩みとして、以下のような特徴を上げる人が多くいます。髪のボリュームが全体的に減ってきた地肌が透けて見えるようになってきた分け目やつむじが目立つようになってきた髪にコシがなくなり、細くなってきた男性のように部分的な脱毛ではなく、頭部全体が薄くなってきたり、髪の分け目がはっきり目立つようになってきたり・・・という薄毛・抜け毛は、「びまん性脱毛症」といわれています。閉経が近づき、女性ホルモンが急速に減少する40代後半以降に起こりやすい「FAGA(女性男性型脱毛症)」もまた、このびまん性脱毛症の一種です。女性の薄毛・抜け毛の原因女性に多いびまん性脱毛症が起こる原因としては、以下のようなことがあげられます。どれかひとつではなく、複数の原因が複雑に絡み合って発症することもあります。加齢女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、毛髪を育てる働きがあります。しかし、加齢によってこのエストロゲンが減少すると、脱毛が起こりやすくなるのです。頭皮のうるおいを保つ働きを担っているコラーゲンや皮脂の減少も、抜け毛に拍車をかけると考えられます。出産や経口避妊薬(ピル)の服用妊娠・出産によってホルモンバランスが変化すると、出産後に脱毛症状を起こすことがあります。これは「分娩後脱毛症」と呼ばれ、一時的なものです。また、経口避妊薬(ピル)の服用によってもホルモンバランスは変化します。ストレスストレスによってホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れることがあります。また、ストレス性の血管収縮によって毛髪に十分な栄養がいき渡らず、毛髪が育たないこともあります。ダイエットや食生活の乱れ過度なダイエットにより毛髪に必要な栄養が足りなくなると、脱毛につながります。また、ファストフードや肉類などの動物性脂肪の多い食べ物は血液中の脂肪を増やし、質の悪い血管や血液を作る一因となり、頭皮の血行不良につながります。間違ったヘアケア洗浄力の強すぎるシャンプーを使ったり、一日に何度も洗髪したりすると、頭皮に必要な皮脂までも洗い流してしまい、頭皮トラブルを起こしやすくなります。また、すすぎを十分に行っていないことも頭皮トラブルの原因となりますので、適切なケアを心がけましょう。女性の抜け毛が悪化する年齢上記で見てきたとおり、女性に多いびまん性脱毛症はホルモンバランスの乱れや、毛髪に必要な栄養が行き渡らないことで起こりやすくなります。そのため、加齢による薄毛・抜け毛は女性ホルモンの分泌が低下する30代から始まることがほとんどです。20代の抜け毛・薄毛も増えているしかし、近年は20代でもひどい抜け毛に悩まされる人が少なくありません。その背景には、過度なダイエットや不規則な生活、ストレス、動物性脂肪の多い欧米化した食生活などが原因として考えられます。女性の薄毛に効果のあるシャンプーとは?薄毛・抜け毛が気になるときは、シャンプーを変えてみるのもおすすめです。薬局やドラッグストアに行くと、さまざまな種類や価格帯のシャンプーが売られていますが、どれを選べばよいのでしょうか。まずは主な種類をおさらいしてみましょう。洗浄成分で違うシャンプー高級アルコール系シャンプー石油や動物性油脂などから作られる合成の界面活性剤が使われているシャンプーです。ドラッグストアなどで売られているシャンプーはほとんどがこのタイプで、洗浄力が強めです。石けん系シャンプー固形石けんと同じ界面活性剤が使用されています。洗浄力はやや高く、頭皮がアルカリ性に傾くため、酸性のリンスなどで中和させる必要があります。アミノ酸系シャンプーアミノ酸から作られた合成界面活性剤を使用しているタイプで、洗浄力は低めで、頭皮への刺激もマイルドです。目的で違うシャンプーノンシリコンシャンプー多くのシャンプーには髪をコーティングしてなめらかな手触りに仕上げる「シリコン」が入っていますが、ノンシリコンシャンプーには使用されていません。ノンシリコンシャンプーは一時期、「シリコンは毛穴をふさいで発毛を妨げる」と問題視されましたが、最近ではシリコンにはそうした問題がないことが立証されています。スカルプシャンプー頭皮を意味する「スカルプ(scalp)」の名の通り、頭皮ケアに重点を置いたシャンプーです。アミノ酸系のマイルドな洗浄成分(界面活性剤)を使っていることが多く、頭皮の脂を落としすぎないことで頭皮の環境を整え、発毛・育毛をサポートします。育毛シャンプーとは?どのような効果があるの?育毛シャンプーというと、まるで洗うだけで育毛効果があるかのように捉えられがちですが、実際のところシャンプーにそこまでの効果はありません。基本的に、発毛や育毛につながる有効成分などは配合されていません。つまり、育毛シャンプーとは毛髪の成長を促す成分などが配合された「育毛剤」とは違うものであることを理解して使うことが大切です。ただし、すこやかな髪を育てるには、清潔な頭皮環境が欠かせません。頭皮が乾燥していたり、余分な皮脂がべったりとこびりついていたりしては、発毛もスムーズには進まないのです。頭皮のうるおいをキープし、頭皮環境を良好に保つ頭皮の毛穴の汚れをすっきりと洗い流す育毛シャンプーはそれ自体で発毛を促すのではなく、上記のような働きで発毛・育毛をサポートする目的で用いられます。髪の毛が一番抜けやすいのはシャンプーをするとき健康な人でも、髪の毛は1日あたり50〜100本ほど抜け落ちます。季節の変わり目に抜け毛が増えることもありますが、そのほとんどが洗髪時に抜けるといわれています。先にご紹介したとおり、育毛シャンプーだけで発毛を促すのは難しいのが現状ですが、頭皮環境を理想的な状態に近づけるためにも、適切なシャンプーを選び、正しい洗髪方法でケアすることは欠かせません。以下では、育毛シャンプーの正しい選び方についてご紹介します。育毛シャンプーの正しい選び方では、女性の薄毛・抜け毛対策に効果の高い育毛シャンプーの選び方を見ていきましょう。洗浄成分がやさしいかどうかこれまで見てきたとおり、頭皮環境を整えるには「洗浄力のやさしさ」が大切です。毛穴をすっきり洗い上げるためにも、「洗浄力は高いほうがいい」と思う人もいるかもしれません。しかし、洗浄力が高いシャンプーは、頭皮を紫外線や乾燥といった外的ダメージから守るために欠かせない皮脂までも洗い流してしまうおそれがあります。また、洗いすぎて頭皮の乾燥が進むと、皮脂が過剰に分泌され、ベタベタとした頭皮環境になってしまうこともあります。頭皮の乾燥を防ぐためにも、シャンプーはアミノ酸系の界面活性剤を配合したものなど、必要な皮脂は残してマイルドに洗い上げるものを選びましょう。配合成分や仕上がりで選ぶ育毛シャンプーのなかには、薬用成分や保湿成分を配合した育毛シャンプーというものもあります。もしも、薄毛のほかに、頭皮のにおいやベタつき、フケ・かゆみなども気になるのであれば、そうしたタイプのシャンプーを選ぶのもひとつの方法です。髪にハリやコシ、ボリュームを出すタイプの育毛シャンプーもあります。薄毛が気になる女性には、うれしい機能のひとつでしょう。また、植物エキスやオーガニック成分を配合した育毛シャンプーなども、髪や頭皮に刺激が少なく、多くの女性に人気です。価格も大切また、シャンプーはほぼ毎日使うものですから、価格やコスパといった面も大切です。ずっと使い続けられる価格であるかも考慮して選びましょう。薄毛・抜け毛の悩みでクリニックや病院に通っているのであれば、ドクターにおすすめを聞いてみる方法もあります。正しい洗髪方法とケア抜け毛を最小限にとどめ、頭皮環境を健全に保つためにも正しいシャンプー方法をマスターしましょう。以下の手順で行います。シャンプー前の乾いた髪をブラッシングし、毛の絡みをほぐして余分なほこり・フケを落としておくまずはぬるま湯だけで、指の腹を使って地肌を予洗いするシャンプーは手のひらであらかじめ泡立ててから髪になじませ、頭皮を揉みだすようにやさしく洗うたっぷりのぬるま湯で丁寧にすすぐ。すすぎ残しがないように気をつける清潔なタオルで押さえるようにして水気を拭き取り、ドライヤーで手早く乾燥させるシャンプー前にブラッシングすることで、絡んだ毛をほどいたり、切れ毛・枝毛を防いだりすることができます。また、最初に髪や頭皮を濡らすことで、シャンプーの泡がすみずみまでいきわたります。洗うときは爪を立てず、指の腹で地肌をマッサージするように洗いましょう。生え際や耳の後ろ、頭の後ろなども忘れずに洗いましょう。すすぐときは皮脂を取りすぎないためにぬるま湯を使いましょう。シャンプーの成分が肌に残ったままだと肌荒れを起こすことがありますので、時間をかけてきれいにすすいでください。髪や頭皮が濡れたままだと雑菌が繁殖し、フケ・かゆみの原因になることがあります。タオルドライ後は、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。また、シャンプー後のブラッシングは髪が十分に乾いてから行いましょう。頭皮と髪を守る抜け毛対策薄毛・抜け毛を改善するには、生活習慣を見直すことも大切です。栄養バランスのとれた食事を心がけるヘアサイクルを正常に機能させるためにも、日頃から栄養バランスのよい食事を心がけましょう。髪の健康に欠かせないミネラルやビタミン、女性ホルモンと似た働きのイソフラボンを多く含む大豆食品などを意識して摂るとよいでしょう。また、不足しがちな栄養素はサプリメントで補うという方法もあります。睡眠の量や質を改善する発毛を促すためにも、睡眠中に分泌される成長ホルモンに着目しましょう。成長ホルモンは睡眠後30分から1時間後のノンレム睡眠(深い眠り)の時に多く分泌されます。寝る前は部屋の照明を暗くする、スマホの画面を見続けないなど、ぐっすりと眠れる環境を整えることも大切です。ストレスコントロールストレスを溜め込まないことも大切です。適度に身体を動かすストレッチ、ヨガなどをとり入れる、好きな趣味に没頭するなど、自分に合ったストレス発散法を見つけましょう。ヘアケアにも工夫をおしゃれするうえで切り離せないものとしてパーマやカラーリング、白髪染めなどがあげられますが、使う溶剤が髪や頭皮を傷めてしまうおそれがあります。美容師と相談して、できるだけ髪や頭皮にやさしいものに変えてもらうなど工夫をしましょう。女性用の育毛剤とおすすめ成分毎日のヘアケアに育毛剤をとり入れるのもよいでしょう。以下のような成分を配合した育毛剤で、頭皮マッサージを行うのもおすすめです。センブリエキス血行を促進し、毛母細胞の働きを活性化します。グリチルリチン酸2K抗炎症作用でフケ・かゆみを抑えます。ヒオウギエキス薄毛の原因となる男性ホルモンを抑制します。オランダカラシエキス頭皮の乾燥を防ぎます。まとめ女性の薄毛の悩みや原因、おすすめのシャンプーと正しい洗髪方法などをご紹介しました。女性の薄毛は、「全体的にボリュームがなくなってきた」「髪のハリ・コシがなくなり、1本1本が細くなってきた」「分け目が目立つようになった」など、共通の特徴があります。これらは「びまん性脱毛症」といわれるもので、加齢出産ストレス過度なダイエット食生活の乱れ間違ったヘアケアなどによって引き起こされ、20代から気になる女性もいるほどです。女性の薄毛・抜け毛を改善するには、生活習慣や栄養バランスを見直すとともに、髪や頭皮にやさしい育毛シャンプーを選び、正しいシャンプー方法で頭皮環境を清潔に保つことも大切です。髪や頭皮をやさしくいたわりながら、ツヤのある美しい髪の毛を取り戻しましょう。監修:小野 健太郎
2017年12月20日「毎日シャンプーしているのに、頭皮がにおう」「使った後のタオルや枕が臭い…」など、男性に限らず女性でも意外と気になるのが頭皮のにおい。頭皮はなぜ、臭くなってしまうのでしょうか。その原因を解明するとともに、においを予防・改善するために取り入れたいヘアケア方法や、食生活や日常生活で気をつけたいポイントについて紹介します。頭皮が臭いのはなぜ?その原因とは頭皮のにおいの正体として多く考えられるのが、酸化した皮脂です。皮脂は皮膚を健やかな状態に保つために必要なものですが、分泌されてから時間が経つと酸化していきます。皮脂が酸化するとは、いわゆる皮脂が古くなった状態のことで、酸化した皮脂は「過酸化脂質」と呼び、悪臭を発生させます。また、過酸化脂質は雑菌のエサとなるため、頭皮の雑菌を増殖させてしまいさらに悪臭を放ちます。この過酸化脂質を発生させる原因は、時間の経過だけでなく他の原因によっても起こります。洗髪不足間違った洗髪をしている頭皮の乾燥紫外線加齢臭脂漏性皮膚炎順に説明していきましょう。洗髪不足単純に洗髪をしていない場合、頭皮から分泌された皮脂が残り、過酸化物質が増え、汗や古くなった角質などによって雑菌が繁殖していきます。いわゆる不衛生な状態です。間違った洗髪をしている毎日、シャンプーで洗髪をしていても、洗い方を間違えると過酸化脂質を十分に落とせていないことが考えられます。また、すすぎが足りないことでシャンプー剤などが頭皮に残り、フケなどが発生すると雑菌の繁殖につながります。頭皮の乾燥皮脂には、汗とまざりあうことで天然の「皮脂膜」を形成し、頭皮をコーティングして紫外線や乾燥から守るなどの役目があります。しかし、洗浄力の強すぎるシャンプーで洗ったり1日に何度も洗髪をしたりすると、皮脂を落としすぎてしまい、それを補うために皮脂の過剰分泌を招いて、においの原因となることがあります。紫外線による皮脂の酸化あまり意識されていないことですが、頭皮は顔と同程度、もしくはそれ以上の紫外線を浴びています。紫外線を浴び過ぎると頭皮の乾燥が進んだり、皮脂を酸化させてにおいの原因となる可能性があるのです。頭皮環境をすこやかに保つためにも、帽子や日傘で紫外線対策を行いましょう。加齢臭頭皮から分泌されるのは皮脂だけではありません。そのひとつである脂肪酸が過酸化脂質によって酸化すると、加齢臭の主成分である「ノネナール」が発生します。これがいわゆる加齢臭と呼ばれるものです。20代や30代ではあまり見られませんが、40代頃から男女問わずノネナールが発生しやすくなり、特にもともと皮脂分泌が多い男性に多く見られます。食生活やストレスによる皮脂の過剰分泌ファストフードや肉中心の食生活を続けていて、体臭がきつくなったことはありませんか。頭皮も身体の一部ですから、これらによってにおいが強まります。特に脂っこいものばかりを食べていると、皮脂腺の働きが活発になり、皮脂の分泌量が増える可能性があります。ストレスも大敵です。ストレスによって体内の活性酸素が増えてしまうと、頭皮の皮脂の酸化が早まり、嫌なにおいを発しやすくなってしまいます。脂漏性皮膚炎頭皮が常にベタベタしていてフケに悩まされていたり、かゆみや加齢臭のようなにおいをともなったりする場合は、脂漏性皮膚炎かもしれません。脂漏性皮膚炎とは皮脂が過剰分泌されることでマラセチアという真菌(カビ)が増殖し、肌に炎症を引き起こす病気です。男性に多く見られますが、ホルモンバランスの乱れなどによって女性でも発症します。脂漏性皮膚炎は慢性化して再発をくり返すことも多いので、医師に相談のうえ早めに治療することをおすすめします。頭皮のにおいを消すための対策方法頭皮のにおいを消す対策として、正しい洗髪方法をはじめ、シャンプー剤選びを解説していきます。自分でできるケアになるので、今の洗い方やシャンプー剤などを確認しながら改善していきましょう。正しいシャンプー方法で頭皮をケアする頭皮は皮脂腺がとても多く、汚れやすい部位と言えます。そのため、以下の手順で毎日きちんとシャンプーを行い、頭皮を清潔に保ちましょう。シャンプー前の乾いた髪をとかし、髪の絡みをほぐして余分なホコリなどを落としておくまずはぬるま湯だけで髪をしっかりとすすぐシャンプーは手のひらであらかじめ泡立てから髪になじませ、頭皮を揉みだすようにやさしく洗うたっぷりのぬるま湯で丁寧にすすぐ。すすぎ残しがないよう注意する清潔なタオルで押さえるようにして水気を拭き取り、ドライヤーで手早く頭皮から乾燥させるにおいやベタつきが気になるときは、ついゴシゴシと力を入れて洗いたくなりますが、強くこする、爪を立てるなどして角質層を傷つけてしまうと皮膚のバリア機能が低下し、乾燥を悪化させてしまいます。頭皮を揉みほぐすように、指の腹を使ってやさしく洗いましょう。また、すすぎもしっかり行い、シャンプー剤が残らないようにしっかり洗い流しましょう。洗髪する際は皮脂を取り過ぎないよう、ぬるめのお湯を使いましょう。また、シャンプーの成分が地肌に残っていると肌トラブルを招くおそれがありますので、時間をかけて丁寧にすすいでください。リンスやコンディショナーは毛髪につけるリンスやコンディショナーには髪の毛1本1本をコーティングしてツヤを出したり、静電気を防いで滑らかな手ざわりにするなどの役割があります。また、トリートメントには髪に必要な水分・油分を補って、しっとりとまとまる髪に仕上げるなどの役割があります。いずれも頭皮まで付けてしまうと油分が毛穴をふさぎ、頭皮トラブルにつながることがありますので、毛先を中心とした髪の毛だけにつけるようにしましょう。自分の頭皮に合ったシャンプー剤を選ぶシャンプーの選び方も大切です。頭皮のにおいが気になるときは、以下のような点に注目してシャンプーを選びましょう。頭皮にやさしい洗浄成分を選ぶ上記で見てきた通り、皮脂は落としすぎても良くありません。ところが、多くの市販シャンプーには石油系の合成界面活性剤が使われており、洗浄力がとても高くなっています。頭皮へのダメージが気になる人は、洗浄力がそれほど高くなく、髪や頭皮に刺激の少ないアミノ酸系の界面活性剤を使用したシャンプーを選ぶようにしましょう。保湿成分が配合されたシャンプーを選ぶ洗い過ぎなければ必要な要素ではありませんが、どうしても頭皮の乾燥が気になるときは、保湿成分が配合されているものを選ぶのもよいでしょう。保湿成分にはセラミドやヒアルロン酸、天然由来のオイルや植物エキスなどさまざまなものがありますので、いくつか試して洗髪後に頭皮がカサカサせず、しっとりと落ちつくものを選びましょう。抗菌・消臭効果のあるシャンプー剤を選ぶマラセチア菌などの常在菌や、雑菌の増殖を抑えるには、抗菌効果のあるシャンプーを選ぶのがおすすめです。また、緑茶エキスや柿渋エキスなど、消臭成分が配合されたものを選ぶのもよいでしょう。洗髪は朝よりも夜がおすすめ「朝シャン」派の人も多いと思いますが、頭皮のことを考えると夜、寝る前に洗うのがおすすめです。洗髪後は、頭皮や髪を保護するための新しい皮脂が分泌されるまでに4〜8時間かかってしまいます。シャンプーを朝に行うと、頭皮の皮脂が十分に分泌されないまま、紫外線浴びてしまうことになり、乾燥や頭皮トラブルが進むことも。髪や頭皮をいたわるためにも、シャンプーを使った洗髪は夜に行いましょう。髪はドライヤーでよく乾かすシャンプー後、頭にタオルを巻いたまま放置したり、髪が濡れたまま寝ると雑菌が繁殖しやすく、においの原因となります。タオルでやさしく水分を拭き取った後は、すぐにドライヤーで髪の根元から乾かしましょう。ただし、ドライヤーの熱風を近づけすぎると、髪や頭皮にダメージを与えます。髪からドライヤーまでの距離は20cmほど開けるようにしましょう。ドライヤーを揺らしながら風をあてれば、一か所が高熱になり過ぎることもありません。ヘアブラシも清潔に保つ髪のお手入れに欠かせないブラシも、雑菌が繁殖しないよう、清潔に保つようにしましょう。プラスチック製のヘアブラシは定期的にシャンプー剤や中性洗剤を溶かしたお湯につけ置きして洗うとよいでしょう。また、濡らすことができない動物毛のブラシなどは、古い歯ブラシで軽くこすり、絡んだ毛や汚れを取り除きましょう。頭皮のにおい解消に役立つ食事・生活習慣頭皮のにおいを解消するには、皮脂の分泌を抑える食生活を心がけ、日頃の生活習慣を見直すことも大切です。皮脂の過剰分泌を抑える食事脂っこい食事や甘いスイーツ、刺激物などは、皮脂分泌をさかんにすることがあります。また、血糖値を急上昇させる高GI食品も、皮脂の過剰分泌につながることがあります。脂肪の代謝を良くするビタミンB2やビタミンB6、皮脂の過剰分泌を抑えるビタミンCなどを意識して摂る一方、糖分・油分の多い食べ物を控えるとよいでしょう。また、抗酸化作用のあるビタミンCやE、ポリフェノールなどを取るのもおすすめです。生活習慣の見直し頭皮や毛髪を健康的な状態に保つには、質の良い睡眠で成長ホルモンを十分に分泌させることも大切です。ストレスを解消するためにも、よく眠れる環境を作りましょう。また、アルコールの過剰摂取は肝臓に負担をかけ、頭皮や髪をすこやかに保つために使われるはずのビタミンB群を消費してしまいます。タバコに含まれるニコチンも血流を悪化させて頭皮や毛髪に栄養が行き渡らなくなることがあるので、飲酒や喫煙には注意しましょう。まとめ頭皮のにおいが気になるときは、頭皮に残った皮脂が酸化していること、雑菌が繁殖しやすい頭皮環境になっていることが考えられます。また、においだけでなくかゆみやフケをともなうときは、頭皮が乾燥していたり、マラセチア菌が異常繁殖して頭皮に炎症が起こる「脂漏性皮膚炎」の可能性もあります。頭皮の状況を正しく見極め、毎日の洗髪やシャンプー剤、ヘアケア、食事や生活習慣の改善によって、においの悩みを解消しましょう。監修:芳賀菜未香
2017年12月20日頭皮の臭いというと、男性のイメージが強いかもしれません。しかし、男性に限った話ではなく女性でも頭皮の臭いが発生します。女性の頭皮の臭いは、どのようなことが原因で起こるのでしょうか。また、女性の頭皮の臭いが気になる場合の対策法についても詳しく解説します。女性が悩む頭皮の臭いの原因女性の頭皮の臭いの原因として、主に以下のことがあげられます。髪の毛の乾かし方加齢臭皮脂の過剰分泌それぞれどのように頭皮の臭いと関係するのでしょうか。髪の毛の乾かし方髪の毛が生乾きのままになると、頭皮に雑菌が繁殖します。これが臭いの原因となります。特に女性は髪が長い方も多く、ドライヤーを十分にかけないと、根元のほうが生乾きになりがちです。また、生乾きの場合、就寝した際に使用する枕にも雑菌が繁殖し、不衛生な状況になります。加齢臭加齢臭がするのは男性、というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、加齢臭は女性でも40代くらいになってくると強くなってくるのです。加齢臭は、体臭の成分であるノネナールという物質が原因となります。このノネナールは、皮脂に含まれる脂肪酸の一種が分解されて発生するのですが、この脂肪酸が増えてくるのが男女ともに40代以降となっています。そのため、男女問わず40代頃から加齢臭が強くなる傾向があります。皮脂の過剰分泌頭皮は皮脂の分泌が多い部位です。その皮脂量は、顔の3倍以上ともいわれています。ただでさえ皮脂の分泌が多い頭皮で皮脂が過剰分泌されると、皮脂が酸化して臭いが出やすくなります。なお、皮脂の酸化は活性酸素によって促進されますが、若いうちは体内の抗酸化物質の働きで比較的皮脂が酸化されにくい環境になっています。しかし、40代になってくると体内の抗酸化物質の働きが弱くなり、皮脂が酸化しやすくなるといわれています。皮脂の過剰分泌は、髪の洗いすぎによる乾燥や脂質中心の食生活などによって起こります。また、睡眠不足やストレスによってホルモンバランスが崩れると、女性でも男性ホルモンの分泌が増え、皮脂の分泌量が多くなります。では、女性が自分の頭皮からの臭いに気づいたとき、どのような対策法があるのでしょうか。女性の頭皮が臭うときの対策法頭皮が臭うときの対策法として、大きく以下があげられます。正しい洗髪や乾かし方を身につける生活習慣を見直すそれぞれのポイントをご紹介します。正しい洗髪方法と乾かし方を身につける髪が生乾きだったり、髪を洗いすぎて皮脂の分泌が過剰になっていたりすることが、頭皮の臭いの原因になる可能性があることはすでに説明したとおりです。正しい洗髪と、乾かし方のポイントをおさえておきましょう。正しい洗髪方法まず、洗髪の回数は1日1回以下で問題ありません。以下、正しい洗髪手順を解説します。髪を濡らす前にブラッシングをして髪の毛のからまりをほどき、汚れを落としやすくします。ぬるま湯で十分に予洗いします。シャンプーを十分に泡立て、頭皮につけます。爪を立てず、指の腹でマッサージするように、下から上へと洗います。38℃くらいのぬるま湯を使い、洗い残しがないよう十分にすすぎます。熱いお湯を使うと皮脂を必要以上に落とし、頭皮の乾燥を招く可能性もあるためやめましょう。正しい髪の乾かし方髪の毛は生乾きにならないようにしっかり乾かすことが大切です。しかし、ドライヤーを近づけすぎると熱によって地肌や髪の毛へのダメージが大きくなり、地肌の乾燥を招く可能性もあります。髪の毛の乾かし方のポイントは以下のとおりです。タオルドライは髪の毛をこすらないことが大切です。タオルで髪をはさみ、ポンポンと押さえるようにしながら水分を取りましょう。ドライヤーは髪の毛や地肌から離して使います。髪の毛を持ち上げたりして髪の毛の根元にも風があたるようにします。生活習慣を見直す食生活や睡眠といった生活習慣も、頭皮の臭いに影響を与えます。それぞれ気をつけたいポイントを解説します。睡眠時間睡眠時間をしっかりと確保することは、ストレスの蓄積を緩和したりホルモンバランスの乱れを改善するのに役立つと考えられます。できれば6時間から7時間ほど睡眠時間を確保できるようにしましょう。また、睡眠の時間だけでなく睡眠の質も重要です。深い眠りを妨げないよう、コーヒーや紅茶といったカフェインの入った飲み物を就寝前に飲むのはやめましょう。また、スマートフォンやパソコンなどの強い光を浴びることも、眠りに入る妨げとなります。就寝前は控えてください。食生活皮脂の酸化は頭皮の臭いの原因となります。そのため、直接的な効果が得られるわけではありませんが、普段から抗酸化作用のある栄養素を食事で積極的に摂取するとよいといわれています。抗酸化作用のある成分として、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノール、ベータカロチンなどがあげられます。リンゴやバナナなどの果物や、野菜を積極的にとりましょう。また、肉や揚げ物、スナック菓子やファストフードといった食事は、皮脂の分泌を活発にします。あまり摂りすぎないように気をつけましょう。女性必見!頭皮の臭いに効果的なシャンプーの正しい選び方頭皮の皮脂が過剰分泌される原因の1つとして、頭皮の乾燥があげられると前述しました。頭皮の乾燥は、肌に合わないシャンプー剤を使うことでも招かれる可能性があります。シャンプー剤は、洗浄成分で大きく3種類に分けられます。高級アルコール系シャンプー:洗浄力が強め。「ラウリル硫酸Na」などの洗浄成分が配合されている。石けん系シャンプー:洗浄力が強く皮脂もしっかり落とすが肌への刺激は少ない。アミノ酸系シャンプー:洗浄力が弱く敏感肌にも適している。髪の毛の洗い方を改善しても頭皮の状態がよくならない場合は、頭皮にシャンプーが合っていない可能性も考えられます。シャンプーを今まで使用していたものから変えてみるのもよいでしょう。頭皮の臭いを予防するマッサージ・ケア方法頭皮の臭いを予防し、健康な頭皮を作るうえではマッサージもおすすめです。マッサージで血行を促進することで、頭皮に栄養が行きわたり、肌の生まれ変わりであるターンオーバーの改善も期待できます。ターンオーバーが正常化されることで頭皮環境が改善され、健康な頭皮に近づくことが考えられます。シャンプーをするときや仕事の合間などに、以下のように指の腹を使ってマッサージしてみるとよいでしょう。こめかみから耳の上にかけて、親指以外の4本の指で小さく円を描くようにもみほぐす少しずつ指を上のほうにずらして頭皮全体をもみほぐすなお、マッサージのしすぎはかえって頭皮に負荷をかけることになるため、おすすめできません。長くても5分ほどにとどめましょう。まとめ女性の頭皮の臭いは、髪の毛を十分に乾かしていないことによる雑菌の繁殖や、加齢臭、皮脂の過剰分泌が原因となります。しかし、改善のためのポイントは日常生活の中にあることが多く、以下のポイントを見直すことで改善される場合もあります。正しい方法で髪の毛を乾かす髪の毛の洗い方を見直す質のよい睡眠を十分にとる脂質を摂りすぎないようにするシャンプーを変えてみるふとした瞬間に感じる頭皮の臭いは、非常に気になるものです。気づいたら、早めに洗髪方法や生活習慣を見直してみましょう。監修:芳賀菜未香
2017年12月20日頭皮から潤いがなくなると乾燥を感じ、かゆみやフケが気になりはじめます。さらに、乾燥状態がひどくなると、炎症や湿疹を起こし、抜け毛につながることがあります。頭皮が乾燥する原因や、フケ・かゆみが起こるメカニズム、頭皮の潤いを残して洗うシャンプー方法や、頭皮の保湿に役立つローションについて見てみましょう。頭皮はなぜ乾燥するのか頭皮が乾燥する要因として、紫外線や乾燥した空気などの外的要因に加えて、間違ったヘアケアや不規則な生活、加齢などが考えられます。外的要因頭皮は、顔や腕などの皮膚と同様に紫外線にさらされやすい部分です。また、紫外線を浴び続けるとダメージを受け、乾燥したり、健康な髪を作り出す毛母細胞がうまく働かなくなったり、抜け毛や薄毛の原因となることがあります。紫外線の強い季節は帽子や日傘を活用するなどして頭皮を守りましょう。また、秋から冬にかけて気温が下がると空気が乾燥し、肌同様に頭皮も乾燥します。暖房や冷房の効かせすぎも頭皮の乾燥につながるため注意しましょう。間違ったヘアケアいつものヘアケアが、頭皮の乾燥を招いている可能性もあります。たとえば、シャンプーのCMなどでは悪者にされがちな皮脂ですが、実は皮脂には汗と混じり合って「皮脂膜」を作り、頭皮を外的刺激から守るとともに、水分を逃さないようにする働きがあります。そのため洗浄力の強いシャンプーや熱いお湯で洗髪をすると、頭皮に必要な分の皮脂まで落としてしまうことになり、その結果、頭皮の乾燥を招きます。さらに、ドライヤーで髪を乾かすときも注意が必要です。乾かし過ぎは頭皮の水分まで奪ってしまいます。また、ドライヤーをあてるときに吹き出し口が頭皮に近過ぎると熱により頭皮にダメージが加わり、バリア機能の低下につながります。不規則な生活環境頭皮が乾燥しやすい背景には、生活環境も影響しています。たとえば、ストレスや睡眠不足から頭皮の血行が不良になると新陳代謝が低下し、頭皮の角質が生まれ変わるターンオーバーにも乱れが生じます。すると頭皮のバリア機能や水分保持力が低下して、乾燥につながることがあります。加齢によるもの皮膚(頭皮)の水分を保持している角質細胞は年齢によって衰えるため、水分を保持できる量も減ります。若いころと変わらない生活をしているのに、フケやかゆみが出るようになってきたとしたら、頭皮の老化が進んできているのかもしれません。頭皮の乾燥からかゆみやフケが生じる理由乾燥した頭皮はバリア機能が低下するため、肌内部の水分が失われやすく、紫外線など外的刺激の影響を受けやすい状態です。普段であれば問題ない刺激や外部の異物に対して反応し、かゆみを感じることが多くなります。また、皮膚の一番表面にあたる角層は乾燥によってはがれやすくなります。本来は古くなった角層がはがれおちるのですが、これが続く未熟な角層まではがれおちてしまいます。これに対して、皮膚は生まれ変わる周期であるターンオーバーを早くして内側から角質を作りだしますが、未熟な角質がはがれ続ける状態では皮膚のバリア機能が働かず、乾燥とフケの発生は止まりません。乾燥性のフケと脂性フケフケとは、皮膚の一番外側にある角質の古い細胞(角質)がはがれ落ちたもので、健全な状態であれば目に見えないほど小さく、日常生活を過ごす中で自然と落ちていきます。しかし、頭皮環境が悪化することで目で確認できるくらいの大きさで角層がはがれてしまうのです。乾燥性のフケ(カサカサしたフケ)乾燥によって頭皮の水分量が低下すると、皮膚の表面にある角質がはがれやすくなります。また、頭皮の乾燥によってターンオーバーが乱れ、本来まだ頭皮で維持すべき未熟な角質がフケとなってはがれます。脂性フケ(ベタベタしたフケ)頭皮から分泌される皮脂は、頭皮の乾燥を防ぐために必要なものですが、洗髪しないことで古い皮脂が溜まるとマラセチア菌が繁殖します。マラセチア菌は頭皮の常在菌ですが、異常に増殖することで脂肪酸を生み出し、この脂肪酸が頭皮に炎症を起こします。これによりバリア機能の低下、ターンオーバーが乱れを招き、フケを発生させます。ベタベタとしたフケになるのは、ホコリや垢(あか)が皮脂や汗と混じるためです。マラセチアが異常に増殖すると、かゆみをともなう炎症や湿疹、かさぶたができる「脂漏性皮膚炎」になってしまう可能性もあります。ひとたび脂漏性皮膚炎になってしまうと、治りづらく、悪化しやすいため、皮膚科での治療を受ける必要があります。乾燥から頭皮を守るには保湿が重要頭皮の乾燥が進むと、かゆみやフケの他にも、湿疹や抜け毛などのさまざまな頭皮トラブルにつながります。頭皮を乾燥させないために、以下のような対策が必要です。洗髪方法やシャンプー剤を見直す頭皮を保湿するローションを使う帽子や日傘を使用し、紫外線から頭皮を守る乾燥する季節は加湿器などを活用する睡眠不足の解消など、生活環境を見直す上記の中でも、毎日のケアとして行う洗髪方法やシャンプー剤を見直すことは重要です。頭皮の保湿に効果のある正しい洗髪方法頭皮のうるおいを守りながら洗うには、熱すぎるお湯や洗浄力の高いシャンプーを避け、やさしく洗うことが大切です。以下にそのポイントをご紹介します。洗髪前にブラッシングしておくシャンプーの前に、まず髪を軽くブラッシングしておきましょう。からんだ髪の毛をほぐし、髪についたホコリなどを取り去ることで、洗髪がしやすくなります。シャンプー剤をつける前に素洗いを行ういきなりシャンプー剤を地肌につけて洗うのではなく、ぬるま湯だけで髪を洗い流しましょう。こうすることで余計なホコリなどの汚れが洗い流され、シャンプー時の泡立ちもよくなります。頭皮は指の腹でマッサージするように洗うシャンプー剤は髪や頭皮に直接つけるのではなく、手のひらでよく泡立ててから使いましょう。洗うときは、けして爪を立てず、指の腹で頭皮をマッサージするようにします。皮脂の多い頭頂部や前頭部、耳の後ろなども忘れずに洗いましょう。トリートメントやコンディショナーは頭皮にはつけず、毛先から毛髪全体になじませます。洗浄成分が残らないよう、すすぎをしっかり行う全体を洗い終わったら、ぬるま湯でしっかりすすぎます。髪の生え際や後頭部など、シャンプー剤が残らないよう丁寧に洗い流しましょう。シャンプー剤が残ると毛穴をつまらせ、雑菌が増殖する温床になります。これまでよりもさらにすすぐくらいのイメージで行いましょう。洗髪後は髪をしっかり乾かす髪を濡れたままにしておくと、雑菌が繁殖して髪に嫌なにおいがつくことがあります。洗髪後はしっかり乾かしましょう。清潔なタオルで髪の毛の水分を取り去ってから、ドライヤーで頭皮と根元から乾かしていきます。ドライヤーの熱は頭皮に負担を与えるので、かけるときは髪から20cmほど距離を取りましょう。また、ドライヤーのかけすぎは、頭皮や毛髪に悪いので8割くらい乾いたところを止めどきの目安にしてみましょう。地肌へのダメージが少ないシャンプー剤・ローションの選び方頭皮をすこやかに保つには、頭皮の水分を維持することが大切です。潤いを失わずに洗えるシャンプーや、頭皮の保湿に役立つローションの選び方をご紹介します。頭皮の保湿に役立つシャンプーの選び方洗浄力の高いシャンプーを使ったり、1日に何度もシャンプーすると頭皮の乾燥を招いてしまいます。そのため、頭皮の乾燥が気になるときはシャンプーの洗浄成分に注目したいところです。シャンプーは、洗浄成分(界面活性剤)の種類によって大まかに以下の3つに分けられます。高級アルコール系石けん系アミノ酸系市販されているシャンプーの多くには、ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸カリウムなどの高級アルコール系界面活性剤が使用されています。しかし、高級アルコール系の界面活性剤は洗浄力が高すぎるため、頭皮に必要な皮脂まで洗い落としてしまう場合があります。石けん系の界面活性剤もまた、洗浄力が高いので、頭皮の乾燥が気になるときは避けたほうがよいでしょう。一方、洗浄成分がアミノ酸由来のシャンプーは、必要な皮脂は適度に残してマイルドに洗い上げることができます。乾燥が気になったり、頭皮トラブルがある方にも適しているといわれています。アミノ酸系の洗浄成分には、ココイルグルタミン酸、ココイルアラニン、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸などがあげられます。パッケージの成分表の先頭のほうに、これらの成分が記載されているかどうかを確認しながら選ぶとよいでしょう。頭皮の保湿におすすめのローションシャンプー剤やシャンプー方法を変えても頭皮の乾燥が気になるときは、ローションで保湿するのもよいでしょう。頭皮専用のローションや化粧水を使えば、髪や頭皮がベタつくこともありません。頭皮の保湿目的でローションを選ぶときは、保湿成分を配合したものや刺激の少ないノンアルコールタイプを選びましょう。乾燥の原因のひとつとして血行不良もあげられますので、血行を促す成分を配合したタイプもおすすめです。頭皮用ローションの使い方ローションの使い方は商品によっても異なりますが、基本的にシャンプー後の清潔な頭皮に塗布して使うことが多いようです。頭皮につけて軽くマッサージするようになじませましょう。まとめ頭皮も肌と同じく、頭皮も紫外線や冬の乾燥、間違ったヘアケアや生活習慣によって乾燥が進みます。また頭皮が乾燥することによって、かゆみやフケが増えることがあります。頭皮をいたわりながら洗髪したり、ローションで保湿したりすることは、毎日のスキンケアと同じくらい大切なことです。また、紫外線を避けることや規則正しい生活を送ることなども考慮してフケ・かゆみを予防するとともに、すこやかな頭皮環境をつくりましょう。監修:小野 健太郎
2017年12月20日薄毛に対する有効な治療法とされる植毛ですが、一方で治療費が高額になるイメージもあります。実際に植毛を行うとした場合、どのくらいの値段になるのでしょうか。また、植毛はどのように行われるのか、副作用の心配はないのか、仮に手術を受けた場合に術後の日常生活にはどのような制約が出てくるのかといった植毛の疑問について解説します。そもそも、「植毛」と言っても1つの治療法だけではありません。まずは植毛の種類について簡単にご紹介します。植毛とは植毛は、文字通り薄毛の部分に髪の毛を移植する薄毛の治療です。植毛には2種類があります。自毛植毛人工毛植毛まずは、それぞれの特徴を簡単に解説しましょう。自毛植毛とは自毛植毛とは、自分の髪の毛を移植する植毛方法です。男性型の薄毛の場合、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなっても、側頭部や後頭部の毛髪は残っている傾向があります。その側頭部や後頭部の髪の毛を採取し、移植するのが自毛植毛です。移植する髪の毛は毛根から採取して移植するため、もともとの髪の毛と同じく伸びます。人工毛植毛とは人工毛植毛とは、人工的に作られた毛髪を薄毛の部分に移植する施術です。人工毛は合成繊維でできています。髪の毛が薄くなっている部分に希望の本数だけ人工毛の移植が可能です。増毛と植毛の違いとは植毛は自分の髪の毛もしくは人工の髪の毛を移植することで薄毛を改善する方法ですが、同じく薄毛を改善する方法として「増毛」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。増毛と植毛は、何が違うのでしょうか。増毛とは、育毛や発毛に近い治療と言えます。髪の毛の成長サイクルを正常な状態に近づけることで、薄毛となっている部分にある毛母細胞から新しい髪の毛が成長しやすくする治療です。植毛は外科的治療となりますが、増毛は塗り薬や飲み薬をメインに行われます。男性型脱毛症(AGA)は、進行すると毛母細胞が死滅してしまい、薬による治療が難しくなります。そのような場合でも可能な治療法が植毛なのです。自毛植毛と人工毛植毛のメリット・デメリット自毛植毛と人工毛植毛には、それぞれメリットもデメリットもあります。それぞれについて解説しましょう。自毛植毛自毛植毛のメリット・デメリットとして以下のことがあげられます。自毛植毛のメリット自分の組織を移植することから頭皮への悪影響が少ない、一度定着すれば普通の髪の毛と同じくまた生える可能性がある。自毛植毛のデメリットAGAの進行をおさえる治療は続ける必要がある、生えそろうまでにある程度の期間が必要となる(8〜10か月程度)。AGAの場合、自毛植毛を行って髪の毛が定着後であってもAGAの進行を抑えるため、薬による治療は継続する必要があります。しかし、もともと自分の組織であることから、身体が異物として認識して拒絶反応を起こすことは少ないと言えるでしょう。人工毛植毛次に、人工毛植毛のメリットとデメリットを解説します。人工毛植毛のメリットある程度長い毛を移植することから変化をすぐに実感できる人工毛植毛のデメリット人間の身体が人工毛を異物とみなして拒絶反応が起こる可能性が非常に高い(炎症や化膿の発生)、運良く拒絶反応をまぬがれても、経年劣化によるメンテナンスが必要な場合もあるなお、アメリカの「アメリカ食品医薬品局(FDA)」では、この人工毛そのものが「有害器具」に指定されており、多くの州で人工毛の使用が禁止されています。また、日本でも人工毛による治療は「日本皮膚科学会」が発表している「男性型脱毛症の診療ガイドライン」で「行わないよう勧められる」の意味のD評価となっています。植毛の治療法とは同じ自毛植毛の中でも、メスを使用する方法やメスを使用しない治療法など、いくつかの方法があります。どのような治療法があるかについて、簡単に解説します。自毛植毛自毛植毛は、以下の方法があります。FUSS法(ストリップ法)メスで頭皮を部分的に切り取り、細かい株にわけて薄毛部分に一つひとつ移植します。皮膚を大きく切ることから、術後の傷跡や1回の手術で移植できる株の数といった部分にデメリットがあります。FUE法移植する髪の毛を毛穴ごとにパンチを用いてくりぬき、移植する方法です。FUSS法より傷跡が小さく、痛みも軽減される傾向があるとされています。このほか、頭皮の一部を残して移植部分を切り取り、皮膚を縫い付けて移植する方法や、薄毛部分の頭皮を切り取って周囲の皮膚と縫い合わせる縮小術といった方法もあります。しかし、これらはほとんどの場合ごく小範囲の治療にしか適応できず、また身体への負担の大きさから減少傾向にあります。人工毛植毛人工毛植毛は、合成繊維でできた人工毛を体内に挿入する方法で、自毛植毛のような術式の違いはありません。なお、埋め込むだけとはいえ医療行為となります。植毛は失敗しないの?自毛植毛の場合、治療によって治療前よりも状態が悪化したという報告はなく、そういった意味での失敗はほぼ心配ないといわれています。ただし、移植した部分に髪の毛が生着せずに十分に見た目の変化を得られないという可能性はあります。これは、手術方法や医師の技術、アフターケアなどによっても異なります。一方、人工毛植毛の場合は、拒絶反応やアレルギー反応などによって炎症や化膿を起こす可能性が非常に高く、毛穴という毛穴が炎症と感染を起こし、頭皮全体がただれてしまった例などがあります。植毛の値段の相場とは植毛にかかる費用は、自毛植毛か人工毛植毛か、また、どのような術式で行われるかなどによって異なります。おおよその値段の相場をご紹介します。植毛は保険適用外植毛は、保険が適用されない自由診療の治療です。保険診療と自由診療の違いについて、簡単におさらいしましょう。保険診療とは、治療内容が同じであればどのクリニックでも値段が同じ治療です。また、患者の負担は治療費の3割負担が基本となっています。一方、自由診療は同じ治療内容や素材でも、クリニックが独自に費用を設定しています。また、治療費は全額、患者負担となります。そのため、自由診療のほうが患者の費用負担が大きくなりやすい傾向があります。自毛植毛にかかる値段とは自毛移植の費用は、基本的に「固定の基本費用」と「株数に応じた植毛費用」の合計で設定されています。ここで言う「株」とは、毛穴のことを指します。1つの毛穴からは1本だけ髪の毛が映えている場合もあれば、2本から4本ほど生えている毛穴もあります。そのため、1つの毛穴を1株とし、移植する株数に応じた金額が設定されているクリニックが多いようです。また、基本費用も術式によって異なるのが一般的です。移植する面積や株数によっては、値段の合計が100万円を大きく超える場合もあります。人工毛植毛にかかる値段とは人工毛植毛の場合、移植する本数によって値段を定めているクリニックが多いようです。そのため、費用に関しては一概に言えませんが、3000本の植毛では100万円を下回るくらいの費用設定をしているクリニックが多いようです。しかし、拒絶反応や感染のリスクの高さを考えると、安いから受けやすい治療とは一概には言い切れない可能性もあるので熟考が必要です。植毛による副作用人工毛植毛と比べれば安全性が高いと考えられる自毛植毛にも副作用が起きる可能性はあります。ここでは、主に自毛植毛で起きる可能性のある副作用を簡単にご紹介します。出血・痛み・かさぶた手術を行った翌日から2日目くらいまでに、まれににじむ程度の出血が見られることがあります。ほとんどの場合、ティッシュなどで数分間圧迫すれば出血は止まります。また、毛髪を採取した部分に軽いつっぱり感が出ることもあります。クリニックによっては、痛みが強いときに服用する鎮痛薬を処方してくれるでしょう。また、移植した部分にかさぶたができます。これは10日ほどで取れますが、かゆみを感じることがあってもゴシゴシとこすったり、かいたりしないよう気をつけましょう。おでこや目の周囲の腫れ手術による影響で術後5日目くらいまではおでこや目のまわりが少しむくんだように腫れる場合があります。ただし、1週間ほどで自然に改善することがほとんどです。ショックロス自毛植毛を行った患者の20%ほどに現れるといわれている副作用として、「ショックロス」というものがあります。ショックロスとは、主に手術の1か月後から2か月後くらいに現れる、植毛した部分の周囲にもともと生えていた毛が脱毛する現象のことです。弱っていた髪の毛にショックロスが出やすいものの、その程度には個人差があります。ショックロスが現れる原因は、植毛時の小さな傷や、植毛によって血流が変化することなどではないかといわれていますが、正確にはわかっていません。なお、植毛後の脱毛としては、移植した毛髪が生着せずに脱毛している場合と、毛髪の成長サイクルによって自然に抜け落ちる一時的脱落が考えられます。術後1日ほどで抜け落ちたものは生着しなかった髪の毛であり、治療後数日してから抜け落ちる場合は一時的脱毛である可能性が高いと考えられます。植毛後に日常生活で気をつけること植毛は、基本的に日帰りで行われます。植毛を行った当日以降、日常生活で気をつけたいポイントとして以下のものがあげられます。植毛当日は髪を洗わない植毛翌日以降も、移植した部分にシャワーを直接当てないようにしながらシャンプーをする頭皮への刺激が強いシャンプーを避ける頭皮を強くこすらない過度な運動は術後しばらく控える喫煙も術後しばらく控える植毛をしてから2週間ほどすれば、日常生活における制限はかなり少なくなるでしょう。ただし、移植した髪の生着率を高めるためにも、日常生活における注意点は担当医師に確認するようにしてください。まとめ植毛の値段はクリニックや選択する治療法、植毛する本数や面積などによって異なりますが、決して安いとは言えません。しかし、進行したAGAなどにも適用できることから、植毛は特にAGAの最終手段ともいえる治療です。薄毛の悩みが気になる場合は、選択肢のひとつとして考えるのもよいでしょう。植毛にかかる値段のほかにも、どのような術式を受けるか、どのくらいの面積に植毛を行うかなど、選択することは多くあります。薄毛の悩みに応えているクリニックの中には、無料のカウンセリングを行っているクリニックも多いため、悩んだ場合はクリニックで相談してみることをおすすめします。監修:小野 健太郎
2017年12月20日我慢できずに、つい手が伸びてかいてしまう頭皮のかゆみ。毎日シャンプーをしているのにかゆみがおさまらない場合、かゆみを止めるために医薬品を活用したり、皮膚科を受診するという手段があります。しかし、日々のケアが必要な頭皮に起こることは、日常的に行っているケア方法を確認することも重要です。ただし、かゆみや痛みなどが激しい場合、またその他の異常を感じる場合は、皮膚病の可能性があるので、すぐに皮膚科を受診しましょう。頭皮のかゆみに対する市販薬はいくつかありますが、かゆみの原因に合っていないものを使用すると、かえって頭皮のかゆみやフケを悪化させる可能性も考えられます。まずは頭皮のかゆみの原因をおさえ、市販薬や皮膚科で処方される薬の種類を解説します。あわせて、洗髪方法やシャンプー剤の見直しといった日常の正しいセルフケアも押さえておきましょう。頭皮のフケやかゆみが起こる原因とは頭皮にかゆみやフケといったトラブルが起きる原因は、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌、病気などさまざまです。原因次第では、頭皮のかゆみを改善するために皮膚科を受診するほうがよい場合もあるため、まずはどのようなことが頭皮のかゆみの原因となるのか解説します。頭皮の乾燥頭皮は皮脂の分泌が盛んで乾燥しにくいイメージがあるかもしれません。しかし、頭皮も顔や腕などの肌と同じく乾燥する場合があります。頭皮が乾燥しているときには、パラパラ、かさかさしたフケが出て、かゆみが出やすくなります。毎日丁寧に髪を洗っているのにこのようなフケがおさまらない場合、頭皮が乾燥している可能性が考えられるでしょう。頭皮が乾燥する原因のひとつとして、頭皮の洗いすぎがあげられます。フケを気にするあまり必要以上にシャンプー(洗髪)すると、肌を保護するのに必要な油分(皮脂)まで落としてしまうのです。皮脂は本来、肌を刺激から守るバリアの役割を担っています。その皮脂が不十分になることで、頭皮が外部からの刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなるのです。なお、シャンプーのしすぎのほかに、加齢や紫外線の影響など、さまざまなことが頭皮の乾燥を招く原因としてあげられます。皮脂の過剰分泌や汚れの付着頭皮の皮脂が過剰に分泌されることが原因で、かゆみが起こる場合もあります。どのような人の頭皮に存在している常在菌の一種の「マラセチア」というカビが皮脂をエサに増殖することで、頭皮にかゆみを感じるようになるのです。また、このようなときにはベタベタした脂っぽいフケが出るのも特徴的です。また、何日も洗髪できない日が続いたり、すすぎ残しが頭皮に残ったりして頭皮が清潔ではない状態も、同じく頭皮のかゆみやベタベタしたフケといった頭皮トラブルの原因となります。なんらかの病気による頭皮のかゆみなんらかの病気によって頭皮のかゆみが生じる場合もあります。頭皮にかゆみを起こす可能性がある病気として、主に以下のものがあげられます。接触性皮膚炎肌に合わないシャンプーや整髪料が刺激となったり、アレルギー反応を引き起こしたりして頭皮にかゆみが出ます。原因となっているシャンプーなどを使い続ける限り、症状も続く可能性があります。アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎の方は肌のバリア機能の働きが弱く、刺激の強いシャンプーや紫外線、雑菌などの外からの刺激でかゆみを引き起こしやすい傾向があります。かゆみが強く、かきむしって細菌に感染してしまうケースも見られます。頭ジラミ頭ジラミとは頭皮に寄生する虫のことです。昔の病気という印象を持っている方も多いかもしれませんが、国立感染症研究所によると、1994年度以降は頭ジラミの発症件数が増加傾向を示しているとされています。[1]このように、病気が頭皮のかゆみを引き起こしている可能性も考えられます。頭皮のかゆみを感じたら、「ただかゆいだけだから」と放置せず、皮膚科を受診しましょう。フケやかゆみに効くとされる薬の種類頭皮のかゆみやフケといった頭皮トラブルがある場合、効果を期待できる薬はその原因によって異なります。ここでは、頭皮のかゆみやフケに効果が期待できる市販薬の種類のほか、皮膚科を受診したときに処方される薬について解説します。頭皮のかゆみやフケに効果が期待できる市販薬市販薬の中で頭皮のかゆみやフケへの効果を期待できる薬は主に2種類です。抗ヒスタミン系の塗り薬ステロイドの塗り薬それぞれに期待できる効果や注意点を簡単に解説します。抗ヒスタミン系の塗り薬抗ヒスタミン系の塗り薬は、ヒスタミンというかゆみのもととなる物質の作用を阻害するほか、ヒスタミンが生成されるのを抑えることで、かゆみにアプローチする薬です。頭皮のかゆみやフケの根本的な対策というよりは、思わず掻いて傷をつけたり、皮膚の炎症を悪化させたりすることを防ぐために使用するものと考えられます。また、保湿作用もあるため、乾燥による頭皮のかゆみへのアプローチもできます。抗ヒスタミン薬の成分として、ジフェンヒドラミン塩酸塩などがあげられます。ステロイドの塗り薬ステロイドには、炎症を抑える作用や湿疹をしずめる作用があります。ステロイドは、強さによって5段階のランクがあります。市販されているのは3番目に強い「ストロング(Strong)」、それより弱い「ミディアム(Medium)」、一番弱い「ウィーク(Weak)」の3種類です。ステロイドと聞くと「副作用」のイメージが強い方もいるかもしれません。確かにステロイドには長期的な使用などによって副作用が出る可能性があります。しかし、皮膚の状態に合ったランクのステロイドを使用することで、肌の炎症が1週間ほどでよくなります。そうなったら、ステロイドの塗り薬をやめましょう。ただし、市販のステロイドを1週間ほど使用しても症状が改善しない場合は、ステロイドの使用をやめて皮膚科に相談してください。頭皮のかゆみやフケで処方される薬頭皮のかゆみやフケで皮膚科を受診すると、以下のような薬が処方されます。抗真菌薬ステロイドそれぞれについて簡単に解説します。抗真菌薬真菌(カビ)の繁殖を抑制する作用のある薬です。フケやかゆみの原因となるマラセチアなどのカビの繁殖を抑えることで、かゆみやフケに対するアプローチを行います。ケトコナゾールといった成分があげられます。ステロイド病院では、症状に合わせて「ストロンゲスト(Strongest)」や「ベリーストロング(Very Strong)」といった強いステロイドが処方されることもあります。強ければ強いほど皮膚への刺激も強くなるため、塗る場所や塗り方、使用期間などを医師にしっかり確認して使うことが大切です。皮膚科では、頭皮のかゆみやフケの原因を見極め、それに応じた薬の処方などの治療を行ってくれます。原因に応じた対策をとらないと症状や頭皮環境が悪化することも考えられます。頭皮のかゆみやフケに対して自己判断で市販薬を使い続けたりせず、1週間ほどで改善しなければ皮膚科にかかるようにしましょう。頭皮のかゆみ対策となる洗髪方法・シャンプー剤の選び方頭皮の乾燥や汚れの付着のほか、過剰な皮脂が頭皮のかゆみの原因となっている場合、シャンプーの選び方や洗い方を工夫することで改善する可能性も考えられます。ただし、頭皮が乾燥しているのに皮脂が過剰な場合のケアを行ったり、頭皮のベタつきが気になる方が洗浄力のマイルドなシャンプーを使用したりすると、かえって悪化する原因にもなりますので、注意が必要です。自己流のケアを少し続けてもかゆみが改善しない場合や悪化する場合には、皮膚科で相談することをおすすめします。まずは、正しいシャンプーの仕方を解説します。正しいシャンプー(洗髪)の方法頭皮が乾燥している場合も、皮脂が過剰になっている場合も、シャンプーの仕方や髪の乾かし方を見直すことで改善する可能性があります。正しいシャンプーの仕方のポイントを以下にまとめました。まずはお湯だけでしっかりと洗い流す(予洗い)ガシガシと強くこすったり、爪を立てたりしないしっかりシャンプーを泡立て、泡を頭皮になじませる指の腹を使い、力を入れすぎないように洗う下から上へ向けて手を動かして洗うすすぎはぬるめのお湯ですすぎ残しがないよう入念に行う全体的に、頭皮に必要以上に力をかけないようにしながら、頭皮をやさしくマッサージするイメージでシャンプーをしましょう。また、髪を乾かすときにも気をつけたいポイントがあります。タオルドライは頭皮をやさしく押さえて水分を吸い取るドライヤーで8割くらいまで乾かす自然乾燥に頼ってしまうと、頭皮に雑菌が繁殖しやすくなります。しかし、しっかりと乾かしてしまうと頭皮が乾燥してしまう可能性もあるため、8割くらい乾かすイメージがちょうどよいでしょう。乾燥による頭皮のかゆみ対策シャンプー選び頭皮の乾燥がかゆみの原因になっていると思われる方で、1日に複数回シャンプーをしている場合は1日1回以下にとどめましょう。また、使用するシャンプー剤を見直す場合は、配合されている界面活性剤に注目します。シャンプーに含まれる界面活性剤は、大まかに以下の3つに分かれます。高級アルコール系シャンプー洗浄力が比較的強めです。成分表示の前の方に「ラウリル硫酸Na(ナトリウム)」「ラウレス硫酸」といった記載がある場合は高級アルコール系シャンプーです。石けんシャンプー石けん素地を使用したシャンプーで、洗浄力が高く皮脂もしっかり落とします。肌への刺激は少なめですが、洗い残しが頭皮に残るとかえって頭皮トラブルの原因となる場合もあります。アミノ酸系シャンプー3つのタイプの中でも洗浄力がマイルドなため、一般的に肌の敏感な方でも使いやすいシャンプーといわれています。「ココイル」「グルタミン酸」「メチルアラニン」「メチルタウリン」などがつく成分が成分表示の前方にあれば、アミノ酸系のシャンプーと言えるでしょう。頭皮の乾燥が気になる方には、アミノ酸系のシャンプーがおすすめです。洗浄力がマイルドで必要な皮脂まで落とさずに洗えることから、頭皮が乾燥しにくいためです。皮脂の過剰分泌による頭皮のかゆみのシャンプー選び皮脂の過剰分泌などが頭皮のかゆみの原因となっている場合、乾燥している場合とは異なるシャンプーの選び方のポイントがあります。ベタベタした脂性フケの場合は、フケやかゆみの原因菌の増殖を抑えたり、炎症を抑えたりする効果が期待される医薬部外品のシャンプーを試してみるのがおすすめです。なお、脂性フケの改善には食生活の見直しも期待できます。揚げ物やスナック菓子といった脂質の多い食べ物を多くとっていると、皮脂の分泌が活発になる傾向があるため、思い当たる場合は量を控えることをおすすめします。まとめ頭皮のかゆみやフケに対して、薬によるアプローチ方法は大きく2つに分けられます。頭皮のかゆみなどを起こしている原因へのアプローチかゆみなどの症状に対するアプローチ市販薬の場合、2つ目の症状に対するアプローチはできますが、原因へのアプローチは難しい部分があります。市販薬を使って1週間ほど様子を見ても頭皮のかゆみが改善しない場合は、早めに病院を受診しましょう。また、薬以外のアプローチ方法として、生活習慣の見直しがあげられます。シャンプーを変え、洗髪方法を見直すとともに、食事の内容もふり返ってみると頭皮の環境が改善されるかもしれません。今回解説した髪の洗い方やシャンプー選びを実践してみてください。参考文献[1]"シラミ症とは" 国立感染症研究所. 監修:芳賀菜未香
2017年12月20日睡眠不足や栄養の偏りやストレスなどでできる大人ニキビ。肌の調子がゆらぎやすい季節には、顔はTゾーンはオイリーでありながら頬が乾燥する部分乾燥肌にもなりやすいものです。そんな肌におすすめのメイク落としクレンジングを美容家の宮地祥子さんがご紹介してくれます。他にもクレンジングの目的やニキビの原因をもう一度ここで確認しながら、ご自身の肌に合ったクレンジングを見つけてみまましょう[ 目次 ]クレンジングの目的 (#indexList0)ニキビができる原因 (#indexList1)ニキビ肌のクレンジングの選び方 (#indexList2)ニキビ肌におすすめのクレンジング (#indexList3)クレンジングとスキンケアの方法 (#indexList4)まとめ (#indexList5)クレンジングの目的まず、クレンジングの目的は、メイク汚れとともに、余分な皮脂が空気中のほこりなどと一緒になって肌表面を覆う脂汚れを落とすことです。これを怠ると毛穴に汚れが残り、毛穴が開いたり、ニキビの原因にもなってしまいます。クレンジングには、メイク汚れや皮脂などが水に混ざり合って洗い流しやすくされるために、界面活性剤が含まれています。界面活性剤というと、肌に悪いイメージがあるかと思いますが、メイクをしっかりと落とすために必要なために配合されているものです。クレンジングをメイクとなじませて汚れが浮き上がったら、素早くぬるま湯で洗い流しましょう。ただし、マッサージなどを行って洗い流すと、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招くことにもなりかねません。メイクは、しっかりと素早く落としましょう。ニキビができる原因顔にニキビができるのは、毛穴の中に皮脂がたまり、角栓によってふさがれてしまうからです。そのため、肌が乾燥していたり、肌荒れしていても日々のクレンジングを怠るととニキビができてしまう結果に。毛穴の中に皮脂がたまる原因には、大きく分けて2つあります。1.皮脂の分泌過剰思春期に皮脂分泌が活発になるために起こることは、誰でも経験があるかもしれません。大人では、ストレスや睡眠不足、女性ホルモンのバランスの乱れ、偏った食事などが原因で皮脂の過剰分泌が起こります。2.角質が厚くなる過角化エイジングにより肌のターンオーバーが遅くなってきたり、肌のバリア機能が低下することにより角質層が厚くなる、「過角化」により毛穴に皮脂がたまりやすくなります。日焼けや偏った食事などでターンオーバーが促進されないことが要因ですが、もうひとつ間違ったスキンケアで過角化を招くことがあることがあります。クレンジングや洗顔で肌の皮脂を洗い流しすぎてしまうと、肌のバリア機能が低下し、肌は外部刺激から守るために角質を厚くするのです。また、肌が乾燥して保湿が不十分の場合、古い角質が剥がれ落ちずに硬くなってくすみの原因にもなります。ニキビ肌のクレンジングの選び方ニキビ肌の人がクレンジングを選ぶポイントをご紹介します。クレンジングは大きく分けて下記の4つがあり、洗浄力は右に行くほど強くなります。また、界面活性剤の量も多くなりますが、しっかりとメイクや汚れを落とすことができます。乳液タイプ < クリームタイプ < ジェルタイプ < オイルタイプナチュラルメイク・すっぴんのとき石鹸で落とせる日焼け止めのみ塗っている日やすっぴんのときは、乳液タイプやクリームタイプで肌を刺激しないように優しく皮脂汚れを落としましょう。しっかりメイクのときファンデーションや口紅、マスカラなどしっかりとメイクをしているときは、ジェルタイプやオイルタイプでメイク汚れを浮き上がらせるとともに、皮脂汚れも優しく洗い流しましょう。ニキビ肌の人は特に刺激を避けたいので、汚れを浮き上がらせたら素早くぬるま湯で洗い流すことが大切です。ニキビ肌におすすめのクレンジングお店に行くと数多くの種類があるクレンジング商品。どれが自分に合っているか、どれが信頼できるアイテムなのか、悩んでしまう方も多いと思います。そこで、美容家の宮地祥子さんにオススメのクレンジングをご紹介してもらいました。フェイシャルサヴォンAL(CODINA(コディナ))おすすめの理由肌のターンオーバーをサポートするイモーテルウォーターをベースに、アルガンオイルを配合したクレンジング兼洗顔料です。レモングラスの爽やかな香りで、汚れや角質を落としながらも潤いを保ちながらしっとりと洗い上げます。使ってみた感想レモングラスの香りを感じながら、ナチュラルメイク、古い角質や毛穴汚れを落としてくれます。くすみが取れて透明感のある洗い上がりで、肌はしっとりもっちりと滑らかです。ダブル洗顔不要なので、フェイシャルスキンケアに時間のないときには必須です。販売価格(編集部調べ):3,500円(税込)内容量:150mLスキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ(アテニア)おすすめの理由ロックローズオイル配合で、くすみの原因となる肌ステインを除去、メイクを落としながら優しく洗い上げる柔らかく滑らかなオイルクレンジングです。無香料タイプと、アロマが香る2種類のタイプがあり、詰め替え用のエコパックも購入できます。使ってみた感想使いやすい価格でありながら、しっかりと汚れを落とし、洗い上がりは肌に透明感が出て滑らかです。エクステOK、濡れた手もOKなのが嬉しいですね。レモングラス、ベルガモット、オレンジ、ラベンダーのブレンドアロマが心地よく香るアロマタイプがお気に入りです。販売価格(編集部調べ):1,836円(税込)内容量:175mLスキンアップ リキッドクレンズ(DECENCIA(ディセンシア))おすすめの理由アレルギーテスト済みの敏感肌用リキッドクレンジングで、水のように肌になじみながらメイクを優しく落とします。洗い上がりはつるっと滑らかで、保湿、透明感アップ、エイジングケアを意識した40代からの女性にオススメのクレンジングです。使ってみた感想肌が疲れているときや調子が悪いときに使用しますが、刺激を感じません。水のように肌になじみながら素早くメイクを落とすことができます。濡れた手でも簡単に使えて、まつエクOKなのも嬉しいポイントです。しっかりとメイクや皮脂汚れを落としながらも、つるっと滑らかな肌に洗いあがります。販売価格(編集部調べ):2,430円(税込)内容量:120mLアレルギーテスト済み(全ての方にアレルギーが起こらないというわけではありません) マイルドクレンジングオイル(ファンケル)おすすめの理由お手頃価格でありながら、しっかりメイクも素早く落としてくれる軽い水のようなオイルクレンジングです。肌の上を滑るようにスルスル伸びて、角栓や黒ずみも除去して滑らかな肌にしながら、潤いをしっかり残して洗い上げてくれます。使ってみた感想お手頃価格でたっぷり使えます。しっかりアイメイクも擦らずになでるようにするだけで落とせるので、ウォータープルーフマスカラをしているときは使用します。エクステOKなのも嬉しいポイントです。洗い上がりはツッパリ感なくしっとりです。販売価格(編集部調べ):1,058円(税込)内容量:60mLSPF31 PA++ゼロタイムクレンジング(LAUDi)おすすめの理由酸化に効果のあるオレイン酸を高含有した3つのオイル、ハイブリッドベニバナ、ピクアル種オリーブ、加水分解コメヌカを配合。酸化により鮮度がなくなりがちなオイルクレンジングですが、使用時に鮮度が高い状態でクレンジングができます。使ってみた感想とろみのあるオイルクレンジングで伸びが良く、メイクや皮脂汚れを素早く落としてくれます。肌につっぱり感はなく、洗い上がりはしっとりしながらもべたつきません。アイメイクやエクステにも使えます。販売価格(編集部調べ):4,212円(税込)内容量:180mLクレンジングバーム ハニー×オレンジ(ビュール)おすすめの理由固形のバームを肌に乗せると液状オイルに変化し、摩擦を防ぎながらメイク汚れを落とします。医師も認めるエイジングケア成分を贅沢に配合して、パッチテストも行っているクレンジングです。しっかりと素早く落とす力と肌への優しさを兼ね備えています。使ってみた感想手の平に乗せるだけで溶け始めます。メイクになじませるようにするすると滑らせるだけで素早く汚れを落としながら、オレンジとハニーが香り、しっとりさっぱりと洗い上げます。黄ばみが薄くなり、肌に透明感が出ます。販売価格(編集部調べ):3,456円(税込)内容量:90gディープクレンジングオイル(d プログラム)おすすめの理由敏感肌でのパッチテスト済みで、低刺激設計でありながらもしっかりアイメイクや毛穴の汚れもオイルが肌になじんですぐに浮き上がらせてしっかり落とせます。洗い上がりはすっきりのオイルクレンジングです。エクステOKなのも、嬉しいポイントです。使ってみた感想肌に乗せたとき、ラベンダーの香りがほのかに香りながら、メイク汚れをするすると浮き上がらせてくれます。洗い上がりは、べとつかず突っ張らずにさっぱりです。しっかりアイメイクをしているとき、パーティーメイクでファンデーションも濃いめに塗っているとき、肌に負担をかけずにするするとメイクを落とせるので重宝しています。販売価格(編集部調べ):2,700円(税込)内容量: 120mL詳しくはこちら (アレルギーテスト済み(すべての人にアレルギーが起きないというわけではありません)。ニキビのもとになりにくい処方(すべての方にニキビができないというわけではありません)クレンジングとスキンケアの方法ニキビ肌は、ごしごしと擦って刺激を与えることが肌への負担となるので厳禁です。メイク汚れや、余分な皮脂が酸化して固まった黒ずみなどをクレンジングで優しく洗い流しましょう。化粧水で潤いを与えて肌を引き締めた後は、しっかりと美容液をなじませて保湿することで肌は正常なターンオーバーを取り戻そうとします。拭き取りタイプのクレンジングや化粧水は、刺激が強いためにニキビのある間は控えましょう。クレンジングの手順適量のクレンジングを手に取って、肌になじませてメイク汚れや皮脂汚れを浮き上がらせます。メイク汚れが残りやすい唇や目元は丁寧に。目元は綿棒を使って目の際に残りがちなメイクもしっかりと浮き上がらせましょう。ぬるま湯でしっかりと洗い流します。まとめいかがでしたか。ニキビ肌でも、毎日メイクして外出したいですよね。そんなときは、クレンジング選びやスキンケア方法に少しだけ気遣うと肌への負担が少なくなります。 毎日のメイクに合わせて、ご自身の肌のコンディションに合ったクレンジングを見つけてくださいね。監修:宮地祥子
2017年11月29日生理前になると「ニキビができる」「ベタつくのにカサつく」…。このような肌トラブルに悩まされる人は多いのではないでしょうか。いつものスキンケアをしているのに肌荒れが起こる理由は、女性ホルモンのバランスの乱れ。この記事では、女性ホルモンのはたらきや肌荒れ対策について解説します。美容家の小川里奈さんがおすすめする、肌荒れにいい化粧水もご紹介!生理前に肌荒れがひどくなる原因生理は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という、2つのホルモンがはたらくことによって起こります。周期的にホルモンの分泌量が増えたり減ったりすることで、生理をくり返しているのです。女性ホルモンは、生理周期だけでなく、肌のうるおいや皮脂の分泌もコントロール。そのため、生理中・生理後・生理前によって肌の調子が変化します。黄体ホルモンの分泌量が増える黄体ホルモンは、生理が始まる約2週間前から増加するホルモン。皮脂の分泌を増やすため、ニキビや吹き出物ができやすくなります。体に水分をためこむはたらきもあるため、むくみを招くこともあります。一方の卵胞ホルモンは、肌をみずみずしくうるおしたり、コラーゲンの生成を促したりする美肌モルモン。生理前になると分泌量が急激に減少します。このため生理前は、べたつきとかさつきが混在するアンバランスな肌になり、ちょっとした刺激にも敏感に。赤みやかゆみ、カサカサ、きめの乱れなどの肌荒れが起きやすくなります。自律神経の乱れ女性ホルモンの分泌を支配しているのは、脳の視床下部。視床下部は、自律神経のはたらきもコントロールしています。自律神経には、活動時に活発になる交感神経と、休息時に活発になる副交感神経があります。ストレスを受けたり疲労がたまったりすると、交感神経が優位になり続ける状態に。感情や体調に影響を及ぼしたり、不眠を招いたりします。このようなときは、女性ホルモンのバランスも乱れやすくなるため、肌荒れを起こすことがあります。ひどい肌荒れの改善方法生理前に肌荒れしているときは、スキンケアや食事を見直して、肌のうるおいバランスを整えていきましょう。栄養バランスのとれた食事をとる皮脂の分泌を抑える働きがある、ビタミンB1、ビタミンB2を含む食品を積極的にとりましょう。ビタミンB1を多く含む食品豚肉、うなぎ、たらこ、ピーナッツ、玄米などビタミンB2を多く含む食品卵、乳製品、鶏レバー、うなぎ、海藻類、納豆など。また、乾燥を防ぐためには、コラーゲンの生成をサポートするビタミンCの摂取も効果的ですビタミンCを多く含む食品柿、いちご、キウイ、カリフラワー、じゃがいも、赤パプリカなどそのほか、保湿を助けるヒアルロン酸を含む動物の軟骨やフカヒレ、新陳代謝を助ける亜鉛を含むほたてや牡蠣、納豆などもおすすめです。紫外線をブロックする黄体ホルモンの分泌量が増えると、メラニンを生成するメラノサイトが刺激されます。そんな肌状態に紫外線が降り注ぐと、メラニンが過剰に生成され、シミができやすくなります。紫外線対策は1年中必要ですが、生理前はとくに気をつけて、しっかり紫外線をブロックしましょう。肌荒れしているときの日焼け止めは、肌の負担になりにくい低刺激なものを。紫外線吸収剤を含まない、ノンケミカルタイプがおすすめです。質の高い睡眠をとる睡眠不足は、肌荒れに大きく影響します。それは、日中に受けた肌ダメージの修復が夜に行われるため。起きて活動している間は、脳に血液が集中し、肌に酸素や栄養が行き届きません。また、細胞分裂を促す成長ホルモンは、睡眠直後の約3時間にもっとも多く分泌されます。まずは、6時間の睡眠時間を確保することを心がけて。睡眠時間が確保できないときは、短くても睡眠の質を上げることを意識しましょう。寝る直前までスマホなどを見たり、明るい部屋ですごしたりしていると、寝つきが悪くなり眠りが浅くなります。就寝前はスマホの使用を避けて、部屋の明かりを少し暗くし、ゆったりと過ごしましょう。スキンケアでしっかり保湿する肌が乾燥して角質層の水分が減少すると、バリア機能が低下します。摩擦刺激やちり・ほこり、紫外線などの外部刺激をうけやすくなるため、肌荒れを起こしやすくなります。また、乾燥を補おうとして皮脂が過剰に分泌されたり、角質層が厚くなったりすることも。スキンケアでうるおいを肌にしっかり閉じ込めて、肌本来のバリア機能をキープしてあげることが大切です。保湿成分にはさまざまな種類がありますが、代表的なのがセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリンなどです。洗顔保湿成分が角質層に行き渡るように、まずは肌を清潔にすることが大切です。とはいえ、こするように洗ったり、時間をかけすぎたりするのはNG。肌のバリア機能がさらに低下してしまいます。洗顔料に少しずつ水を含ませながらよく泡立て、やさしくなでるように洗います。化粧水洗顔・入浴後は水分量がどんどん減っていいきます。化粧水ですばやく水分を補いましょう。肌荒れしているときは、化粧水がしみることがあるため、低刺激のものがおすすめです。化粧水の後は、保湿成分と適度な油分を含む美容液や乳液を必ず使用します。化粧水で与えた水分をしっかり閉じ込めましょう。肌荒れにおすすめの化粧水ここからは、美容家の小川里奈さんが、肌荒れ対策におすすめの化粧水をご紹介します。刺激になりにくいだけでなく、しっかりうるおいを与えられるものばかり。ぜひ、化粧水選びの参考にしてくださいね。マナラ ディープナノローションII(マナラ)おすすめの理由独自の浸透力にこだわった化粧水。6種類のコラーゲン、レスベラトロール、アルジルリン、プロテオグリカンという4大美容成分をスーパーナノカプセル技術で角質層に届け、しっかりとしたハリと潤いを与えてくれます。着色料、合成香料、鉱物油、石油系界面活性剤、エタノール、パラベン、紫外線吸収剤の7つの無添加にもこだわっている点も魅力ですね。使ってみた感想濃厚でコクのあるトロッとしたテクスチャー。肌の表面に潤いがとどまってくれているしっとり感。長時間の乾燥にも負けなさそうです。ポンプ式で1回の使用量も調整しやすいです。化粧水パックをしたらどんな大人の乾燥肌でも1度で解消してくれそう。大人の乾燥肌に頼もしい化粧水です。販売価格(編集部調べ):4,860円(税込)内容量:100mLしっとりタイプ/とてもしっとりタイプスキンコンディショナー(ハトムギ化粧水)(ナチュリエ)おすすめの理由天然のハトムギエキス(保湿成分)を配合したさっぱりとした化粧水。毎日たっぷりと使えるように、大きめサイズの500ml仕様。心地良く効果的なスキンケアで肌にみずみずしい潤いを与えてくれます。保湿に不要な成分は極力使わず、低刺激性で肌にやさしいのがうれしいですね。無香料、無着色、低刺激性、オイルフリー、界面活性剤フリーです。使ってみた感想とにかく大容量でコスパが良いです。惜しみなくパシャパシャ使えます。スプレー式の容器に入れて、日中もメイクの上からシュッシュすれば、メイク直しの前にも使えてオススメですよ。手軽にハトムギのパワーを取り入れられます。販売価格(編集部調べ):702円(税込)内容量:500mLモイストケアローション W(d プログラム)おすすめの理由乾燥・肌荒れしやすい大人の敏感肌のバリア機能を整えて、美肌へ導いてくれる化粧水。敏感肌の研究40年の安心ブランド。デリケートな肌を考えた低刺激性で健やかな肌へ育ててくれます。肌荒れを予防するという考え方で無理なくしっかり潤います。使ってみた感想サラッとしたテクスチャー。無香料で刺激も無いのでつけ心地が良いです。抜群の保湿力に驚きました。手で触ると吸いつくようなもっちり感。ハリも潤いもしっかり感じることができます。敏感肌に傾く時期救世主、お守りにしたい化粧水です。販売価格(編集部調べ):3,780円(税込)内容量:125mL医薬部外品詳しくはこちら (アレルギーテスト済み(すべての人にアレルギーが起きないというわけではありません)。ニキビのもとになりにくい処方(すべての方にニキビができないというわけではありません) ナチュラルセラミドローション(北海道純馬油本舗)おすすめの理由素肌にしっとりと馴染む、馬セラミドをたっぷりと配合した、贅沢な化粧水です。さらに、ヒアルロン酸やコラーゲンも配合し、保湿効果を高めることで、もっちりとした弾力と潤いのある肌へと導きます。無香料のスプレータイプ化粧水なので使いやすいです。馬セラミドが肌の潤いを逃さずキープしてくれますよ。使ってみた感想馬セラミドがこんなにも保湿力があるなんて感動です。サラッとした軽いテクスチャーですが、肌になじませるとしっかり保湿してくれます。肌奥までしっかりと浸透している感じがします。匂いが気になるかと思いましたが、無香料なところも良かったです。スプレータイプなので、重ね付けも簡単で乾燥が気になったらサッと使えるのも気に入っています。販売価格(編集部調べ):3,780円(税込)内容量:150mLまとめ生理前の肌荒れは、生理周期と女性ホルモンの関係を覚えて、うまく付き合っていきましょう。保湿スキンケアをしっかり行うことを基本に、食事や睡眠なども見直すことが大切です。生理前も明るくほがらかにすごせるように、すこやかな美肌を目指しましょう。監修:小川里奈
2017年11月28日デリケートゾーンからニオイがでてしまうすそわきがですが、基本的な原因は、わきがと同じくアポクリン腺からの汗といわれています。ここでは、すそわきがの原因や治療法について見てみましょう。すそわきがとは?その原因は何かすそわきがとは、デリケートゾーンからわきがのようなニオイが発生する症状をいいます。医学的には、外陰部臭症ともよばれ、特に女性に多く見られるのが特徴です。そして、このすそわきがには、アポクリン腺という汗腺が関係しているといわれています。人間には、エクリン腺とアポクリン腺という2つの汗腺がありますが、エクリン腺は全身に存在しており、体温調節などの役割を持っています。そして、このエクリン腺の汗はほとんどが水分と塩分からできており、基本的に無臭です。一方、アポクリン腺から出る汗には、脂肪分やアンモニア、尿素などが含まれています。これが皮脂腺からの分泌物と混ざり合い、さらにそれが皮膚の常在菌によって分解されてしまうことで、ニオイを発生させてしまうといわれています。アポクリン腺は、わきに多く存在しており、わきからニオイが発生するのが、いわゆる「わきが」となります。しかし、このアポクリン腺はわき以外でも、耳の中胸股間などにも多く存在しており、特に股間のアポクリン腺が活発なことでニオイが発生してしまうのが「すそわきが」なのです。すそわきがの特徴すそわきがの特徴は、性行為時にニオイが強くなってしまうということです。もともと、人間が進化する以前には、ニオイが異性を惹きつけるための重要な要素であったといわれていました。つまり、アポクリン腺によって発せられる独特なニオイは、フェロモン的な役割を担っていたのです。しかし、その名残からか、現代においても興奮状態に入るとアポクリン腺の働きも活発になってしまい、ニオイがきつくなってしまうことがあります。すそわきがになりやすい人の特徴わきがや、すそわきがの原因には多くの共通点があります。先天的要因と後天的要因があり、発症しやすい人には特徴があるのです。わきが体質は遺伝するアポクリン腺は、誰の身体にも存在します。しかし、その数が多くなるほど、わきがを発症する可能性は高くなります。アポクリン腺の数は、遺伝的要因が大きく関わっており、両親がわきがなら75%、親のどちらかがわきがなら50%で子供もわきがになるといわれています。アポクリン腺の量が多ければ必ずわきがになるというわけではありませんが、もっとも大きな要因であることには間違いないでしょう。ただし、わきがが遺伝しているかどうかは、子供が生まれてからすぐにわかるわけではありません。アポクリン腺は、思春期以降に発達していくため、幼い頃からわきがのニオイがするということはあまり考えられないからです。小学校高学年以降になってくると、徐々にアポクリン腺の働きも活発になっていき、ニオイも強くなっていくといわれています。後天的要因では食生活がもっとも大きい後天的要因によって、すそわきがが強められてしまう可能性もあります。特に影響が大きいといわれているのは食生活です。アポクリン腺から出る汗には、脂肪分やたんぱくが含まれているうえ、そのアポクリン腺からの汗が皮脂腺からの分泌物が混ざり合ったものがわきがの原因となります。そのため、普段から油分の多い食事ばかりとっていると、汗や分泌物の濃度も高くなってしまい、よりニオイも強くなってしまうのです。すそわきがの治療法すそわきがの治療法には、わきがと同じくアポクリン腺を取り除く手術や、ボトックス注射などがあります。ただし、デリケートな場所ゆえ、メスを使って切開する方法はそれほど主流ではありません。電気凝固法電気凝固法は、電気によってアポクリン腺を凝固させた後、焼却する方法です。毛穴に針を刺し、そこから電気を流すという方法で施術していきます。切開するわけではないため、傷口が浅くてすみ、痛みもほとんどありません。また、その後のダウンタイムも短くてすむのもメリットです。以前のすそわきが治療法では、この方法が主流でした。一度の治療ではなく、3か月ごとに数回の治療を行うことで、徐々にニオイを抑えていきます。ビューホットビューホットは比較的最近登場した、すそわきが治療専用の機器を使った治療法です。毛穴に針を通し、そこから高周波の電気を流し込むことによってアポクリン腺を破壊していくのは電気凝固法と同じなのですが、ビューホットには器具自体に針がついているので、より広範囲への施術が可能となりました。そのため、何度も治療を受ける必要がなく、一度の治療で終わることが多いのもポイントです。治療時間も比較的短く、平均で20〜30分、長くても60分ほどですみます。術後も安静にする必要はなく、翌日にはシャワーを浴びることも可能といわれています。ボトックス治療ボトックスは、ボツリヌス菌という毒を、人体に悪影響が出ないほどまでに薄めた薬です。筋肉を麻痺させる働きがあり、美容整形などでもシミやシワを目立たなくさせるために使われます。そして、すそわきがの治療では、アポクリン腺を麻痺させることでニオイを抑えていくという方法で使用されます。非常に手軽に行うことができる治療で、軽度のすそわきがなら十分に対応することができますが、重度のすそわきがの場合は、ニオイを抑えきれない可能性もあるのがデメリットです。また、ボトックスの効果は半年ほどで切れてしまうので、定期的な注射が必要となります。監修:川端久雅
2017年11月26日アレルギーになりやすい人というのは、他人とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、アレルギーが起こるメカニズムや体質の改善方法について見てみましょう。アレルギーにかかりやすい人の特徴アレルギーは、どのような人が発症しやすいのか解説します。アレルギーとは身体には、外部から侵入してきた異物を体外へ排出して、身体を守るための免疫機能というものがあります。正常に反応していると、この免疫機能は身体に害を与えることは少ないとされています。ですが、体質によっては免疫機能が特定の物質に過剰な反応を見せてしまうことがあります。そして、それによってさまざまな弊害を受けてしまうことをアレルギーと呼んでいます。アレルギーのメカニズムアレルギーを引き起こす物質のことをアレルゲンといいます。アレルゲンには、食べ物ほこり、ダニ花粉金属などさまざまなものがあります。このアレルゲンが体内に入り込んだときに、アレルゲンを排除するために抗体を作り出します。この抗体をIgE抗体といいます。IgE抗体は、次に再び体内にアレルゲンが入り込んだときに、IgE抗体が肥満細胞と結合して刺激を与えます。それにより肥満細胞からヒスタミンが産生されて、アレルギーの症状が引き起こされます。代表的なアレルギー代表的なアレルギーについては、主に以下があります。アトピー性皮膚炎強いかゆみを発する皮膚湿疹が起こるアレルギーです。湿疹ができる場所は、年齢や個人によってさまざまです。気管支喘息気道が炎症を起こしてしまい、狭くなって、アレルギーによる刺激によって発作が起こる症状です。呼吸困難や喘鳴(ぜいめい)などが特徴とされています。アレルギー性鼻炎鼻の粘膜においてアレルギー反応が起こり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりを引き起こすアレルギーです。日本においては、スギ花粉などに悩まされる人が多いとされています。アレルギーにかかりやすい人アレルギーにかかりやすい人の条件として、主に以下のようなことが考えられます。体内でIgE抗体が作られやすい人アトピー素因を持っている人都会に住んでいる疲労やストレスが多い偏食傾向アレルギー体質とはアレルギー体質というのは、アレルギー症状を発症しやすい人のことをいいます。特に、アレルギーになりやすい人の場合、乳幼児から14歳くらいまでに、アトピー性皮膚炎気管支喘息アレルギー性鼻炎などのアレルギーに次々とかかってしまうとされています。そのため、早期に治療をするために早めに医療機関へを受診することが望ましいでしょう。アレルギー体質は治るの?アレルギー体質は治すことができるのでしょうか。アレルギー体質の完治について見てみましょう。完治することはできないアレルギー症状というのは、体質的なものが関係しているとされています。症状が目立たないほど和らいだり、再び発症したりをくりかえすことが多いようです。体内のIgE抗体がなくなることはないため、完治は非常に難しいといわれています。コントロールはできる近年の医療技術の進歩によって、アレルギーの起こる原因などについては、解明されていることが多くなってきました。そのため、アレルギーに悩まされているほとんどの人は、医師の指導の下で症状をコントロールすることができるとされています。そして、日常生活において差し支えのないレベルを維持することができるため、アレルギーでない人と同レベルの生活をすることも難しくありません。アレルギー体質の改善方法アレルギー体質の改善策については、以下のような方法が考えられます。対症療法アトピー性皮膚炎などに悩まされている場合は、対症療法として外用薬であるステロイド薬やかゆみ止めの内服薬が処方されることが多いです。さらに、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の場合、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬なども処方されることが多いです。ただし、あくまでも対症療法ですので、根本的な解決とならないことが多いです。体質改善アレルギー体質が促進されていると考えられる場合、疲労をとるストレスを解消する偏食せずバランスよく食事を摂るなどを意識することで、アレルギー症状が緩和される場合があります。アレルゲンの少ない場所に行くアレルギー反応が起こりやすかったり、花粉症に悩まされたりしている場合は、アレルゲンの少ない場所に移動することで症状が緩和されることがあります。たとえば、都会で喘息に悩んでいた人が、空気がきれいな場所に引っ越すと改善されたというケースもあります。どうしても改善されない場合は、アレルゲンが少ない場所へ行くことも方法のひとつとして考えてもいいでしょう。監修:大利昌久
2017年11月20日アレルギー検査は、どのような流れで、どのような検査をするのでしょうか。ここでは、アレルギー検査について、詳しく見てみましょう。アレルギー検査とはアレルギー検査とはどのようなものなのか解説します。アレルギー検査の目的アレルギー検査には、大きく分けて二つの目的があります。アレルギーの原因になっているアレルゲンと呼ばれる抗原や、特定の疾患が悪化してしまう要因などを特定するための診断目的と、特定の疾病の重症度や病状を評価するための治療管理のうえでの目的です。自分自身が、どのようなアレルギーを持っているのかを知らない人が多いといわれていますが、植物アレルギーペットアレルギー薬物アレルギー金属アレルギーなど、思いもよらぬアレルギーを保有している可能性があります。これらのアレルゲンを特定しておけば、アレルゲンを体内に入れるリスクを回避することができ、症状の発症を予防することができるでしょう。また、他因子性疾患である気管支喘息やアトピー性皮膚炎は、アレルゲンを回避するだけで症状が改善されないことが多いですが、アレルギー反応によって発症や症状の経過に大きな影響を与えていると考えられています。そのため、アレルゲンを特定は他因子性疾患の治療において、重要な要素であるといわれています。このように、アレルギーの検査をしておくことにより、疾病の予防や治療の足掛かりになることが多く、自分自身のアレルギーを知っておくことは非常に大切であることがわかるでしょう。アレルゲンを特定するための、アレルギー検査は非常に多くの種類があります。それらの検査の内容について確認していきましょう。アレルギー検査の内容主なアレルギー検査としては、問診血中抗原特異的IgE抗体検査ヒスタミン遊離試験薬剤リンパ球刺激試験皮膚テスト食物負荷試験などが行われます。また、重症度の判定のためには、一般的な血液検査に加え、血中総IgE抗体血中好酸球数呼吸機能検査気道過敏性検査運動負荷試験などが行われます。血中抗原特異的IgE抗体検査IgE抗体というのは、血中にある外部からの異物を除去するために産生される免疫グロブリンの一種とされています。アレルゲンが体内に取り込まれると、そのIgEがアレルゲンと結合することで、刺激が発せられヒスタミンなどが分泌されアレルギー反応を引き起こします。通常の検査で調べられるアレルゲンは、約200種類にのぼります。問診などを通して、アレルゲンの推定を行って検査を行うのが一般的です。ヒスタミン遊離試験血液中のマスト細胞に代わって、末梢血中の好塩基球を使用して、特定アレルゲンに対する反応を検査してアレルゲンを特定します。薬剤リンパ球刺激試験末梢血中からリンパ球を分離させて、薬剤を投与することによってアレルギーを検査します。リンパ球が反応してから増殖する遅延型のアレルギーに効果が高いとされています。皮膚テスト皮膚テストは、直接肌にアレルギー物質を当てるブリックテストパッチテスト皮内テストでアレルギー反応を調べます。IgE細胞の特定ではなく、実際のアレルギー反応を確認できるため、病状の確認がしやすいといわれています。食物負荷試験食物アレルギー検査の最終段階の検査です。実際にアレルギー物質を食べて、その病状や抗体の反応具合を検査します。患者自身がアレルギー物質を食べることを知っている検査や、知らない状態で食べる検査があります。呼吸機能検査気管支喘息に対しての検査です。気道の過敏性の亢進(こうしん)可逆性の気道閉塞や喘鳴(ぜいめい)呼吸困難などに対する検査をします。気道過敏性検査呼吸機能検査の一つであり、ヒスタミンアセチルコリンメサコリンなどの薬物吸入閾値を測定します。過敏性が高くなると、反応のための最小数値である閾値(いきち)が低くなります。ただ、過敏性は喘息の重症度に関係していますが、必ずしも気管支喘息が発症するともいえないので注意が必要です。運動負荷試験実際に運動を行わせて、運動前後の呼吸機能検査を行います。気管支喘息の病状を調べることができます。検査によって、FEVやPEFの値が一定以上低下した場合には、運動によって誘発される喘息であると判断することができるでしょう。アレルギー検査でわかることアレルギー検査の種類は非常に幅広く、多くの検査が行われます。それぞれの検査によって、アレルゲンを特定することができ、症状の予防や回避を可能とすることや、治療の手助けになる可能性があります。そのため、検査をして満足するのではなく、その検査結果をアレルギー疾患の治療や予防、そしてコントロールすることに活用するべきでしょう。監修:大利昌久
2017年11月19日アレルギーにはどのような薬が効果的なのか、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の違いなどについて詳しく見てみましょう。アレルギーに効果のある薬とはアレルギーに対して一定の効果のある薬について詳しく解説します。近年増えてきた抗アレルギー薬かつて、アレルギーに対処する薬というのは、抗ヒスタミン薬のことを指すことが多かったようです。しかし、近年ではこれまでなかった抗アレルギー薬が使用されることが増えてきています。ヒスタミンとは、アレルギーによって炎症が発症したときに分泌されるメディエーターと呼ばれる生理活性物質のことをいいます。ヒスタミンは、体内で分泌されると血管が拡張されたり、血管の透過性が亢進(こうしん)されたり、気管支平滑筋の収縮を促したりする作用があるといわれています。これらの、作用を受けることによって末梢知覚神経が刺激され、かゆみや湿疹などを引き起こすとされています。抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬の違い抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬は、一見すると同じアレルギーに対しての対処薬と感じますが、それぞれの役割は違います。抗ヒスタミン薬とは抗ヒスタミン薬というのは、ヒスタミンの分泌によって引き起こされるさまざまな作用を抑制する効果が期待されます。抗ヒスタミン薬は、主にアレルギー性鼻炎アレルギー性結膜炎蕁麻疹(じんましん)などのアレルギーに処方されることが多いとされます。同じ抗ヒスタミン薬であっても、第一世代と第二世代に分類することができます。第一世代の抗ヒスタミン薬の特徴薬効の発現がとてもはやく即効性を期待することができる薬です。しかし、副作用として中枢神経への移行が非常にスムーズであることから、服用すると眠くなりやすいというデメリットがあります。さらに、抗コリン作用が強いことから機関誌の収縮の抑制作用が見られますが。気道分泌を抑制してしまう作用もあり、痰が出にくくなることがあるようです。第二世代の抗ヒスタミン薬の特徴中枢神経への移行性が弱いことから、眠くなりにくいという特徴があります。さらに、そのほかの抗アレルギー作用を持っていることも多く、抗アレルギー薬としても属している薬です。抗アレルギー薬抗アレルギー薬の条件としては、主に次の薬のことをいいます。メディエーター遊離抑制剤ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第二世代抗ヒスタミン薬)トロンボキサンA2阻害・拮抗薬ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬第二世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬は、小児にも処方することができるアレルギー薬とされていますが、乳児に使用できる薬がないというデメリットがあります。主な抗アレルギー薬の種類と効能主な抗アレルギー薬について詳しく解説していきます。第二世代抗ヒスタミン薬アレロック顆粒クラリチンドライシロップザジテンドライシロップアレグラアレルオフゼスランそれぞれ、アレルギー作用を抑制する効果が期待できます。アレロック顆粒は2歳から、クラリチンドライシロップは3歳から服用が可能です。また、ザジテンドライシロップについては、かゆみを抑える作用が強いですが、眠くなりやすい作用があるとされています。ロイコトリエン受容体拮抗薬キプレス、オノンなどのロイコトリエン受容体拮抗薬は、気管支喘息に対する予防薬として服用されています。また、保険適応がされないものの、アレルギー性鼻炎や難治性の慢性蕁麻疹に効果が期待できるようです。薬の副作用について一般的な、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の副作用として、眠気のどの渇きを感じてしまう副作用が多いといわれています。ただし、ここまでご紹介したように、近年では副作用が少ない薬も多く登場しています。即効性を期待する場合は、どうしても副作用に気をつけなければなりませんが、即効性が必要ない場合は、副作用の少ない薬を処方してもらうようにしましょう。薬の使用時の注意点特に、第一世代の抗ヒスタミン薬などは、即効性があるものの中枢神経への抑制作用が強いため、眠くなりやすいです。眠くなるだけであればいいのですが、時としてまれに脳炎になってしまうことがあるので注意が必要です。アメリカでは、第一世代の抗ヒスタミン薬は、乳幼児への投薬を禁止しています。乳幼児に対して、第一世代の抗ヒスタミン薬を投与する際には、医師への判断を仰ぎ、十分に注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月18日犬や猫は、私たちの生活に身近で、大切な家族として一緒に暮らしている方も多い存在です。しかし、猫のいる家に訪問するだけで、くしゃみが止まらなくなったり、目がかゆくなったりする場合があります。それはもしかすると猫アレルギーかもしれません。ここでは、猫アレルギーの原因や対処法について見てみましょう。猫アレルギーとはアレルギーとは、身体の中に入り込んだ異物を排除して体を守ろうとする自己防衛反応が過剰になった状態です。本来、無害なものに対しても攻撃を加えることで抗体ができて、次に同じものが入ってきた場合には、すぐに臨戦態勢に入って、その結果アレルギー症状を起こします。猫アレルギーのアレルゲンは、猫のフケ猫の毛猫の唾液猫の尿だと考えられています。敏感に反応する人は、猫がいる部屋に入った途端にくしゃみをしたり、猫に触っただけで、皮膚が赤くなったり、かゆくなったりすることもあります。猫アレルギーの原因猫アレルギーの原因として考えられるのは、猫の皮脂から分泌されるマンノース受容体Fel d 1というタンパク質です。皮脂は、猫のフケなどに付いて空気中を舞うことから、それを吸い込んだことによりアレルギー反応を起こして、くしゃみやのどのかゆみといた呼吸器系の症状が現れます。猫の唾液から分泌されるマンノース受容体Fel d 4というタンパク質も猫アレルギーに関与しています。猫は毛づくろいのときに、体全体を舐める習性があります。唾液が毛に付着して抜け、空気中を飛び回ることで、体内に入ってアレルギー症状を起こします。猫アレルギーの症状猫アレルギーの症状として典型的なものは、目がかゆくなり、充血、涙、腫れといった症状が現れる鼻がかゆくなり、くしゃみが止まらなくなる鼻づまり、鼻水が起こる皮膚がかゆくなって、赤い発疹が出る肩こりや頭痛、腰痛や背中の痛みが出るといった身体的異常を訴える人もいます。とくに、一年の中でも初夏、5〜6月にかけては、猫が冬毛から夏毛にかわる時期であり、抜け毛やフケの飛散が多くなります。この時期に、花粉症のような症状や風邪(かぜ)のような症状が続くようであれば、猫アレルギーを疑ってみましょう。猫アレルギーの検査猫アレルギーの検査は、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科などで行っていますが、できればアレルギーの専門病院で検査をしてもらいましょう。アレルギー専門病院であれば、その後の猫との生活のアドバイスや猫アレルギーに対する対処法などを専門家の立場から教えてもらえます。猫アレルギーのアレルゲンとして、現在分かっているものは8種類あります。血液検査などでは、この8種類のアレルゲンの有無で猫アレルギーを判断します。症状が出てから検査する場合は、保険適用されますが、症状が出ていない場合は自由診療となるので注意しましょう。費用は病院によって違いますが、およそ5,000〜10,000円ほどの費用がかかります。猫アレルギーの治療検査によって猫アレルギーが判明したら、治療法としては、猫を遠ざけることがもっとも確実な方法です。しかし、猫アレルギーのアレルゲンは、空気中を漂っており、猫を飼っていない家でも発見されています。また、今まで猫を飼っていた人が、猫アレルギーを発症したからといって、家族同然の猫を手放すというのはつらいことです。アレルギーが出ないようにしながら、猫と一緒に暮らせるような生活を工夫することが大切です。カーペットからフローリングにする目の細かいカーペットは、猫のフケや抜け毛が入り込んでしまいます。アレルゲンの温床にもなるので、床面のツルツルしたフローリングやビニール製のカーペットにしましょう。猫のために滑り止め加工をしておくと、足を痛める危険性がなくなります。HEPAフィルターを使うHEPAフィルターは、微小な花粉やほこりなどを通常のフィルターよりも強力に取り除きます。猫のフケなども取り除くことができるので、空気清浄機や掃除機などのフィルターが使える機種を選ぶようにしましょう。ブラッシングをするブラッシングを頻繁にすることで、抜け毛を減らすことができ、アレルギーの軽減につながります。できれば毎日ブラッシングすることをおすすめします。猫を触ったあとは手を洗う猫は、あごの下や首をなでてもらうのを喜びます。猫を触ったあとは、手を洗ってアレルゲンとなる物質を洗い流すことでアレルギーの軽減につながります。シャンプーをする猫アレルギーの原因であるフケを防ぐため、シャンプーをしましょう。水が苦手で怖がる場合には、ドライシャンプーを使ってみるといいでしょう。まとめ猫を飼う前に、自分や家族に猫アレルギーがあるかどうか調べておけば、あとからのトラブルもなくなります。アレルギー専門病院などで相談して、猫アレルギーでも、一緒に暮らせる工夫をしながら、猫と楽しい時間を過ごしましょう。監修:大利昌久
2017年11月17日どれだけ念入りに掃除をしていても、生活をしていく中で、室内にはちりやほこりなどのハウスダストが溜まります。このハウスダストは、アレルギー性の疾患を引き起こすアレルゲンとなり、身体に影響をおよぼす場合があります。ここでは、ハウスダストで起こるアレルギーの症状や治療法などについて見てみましょう。ハウスダストとはハウスダストとは、室内に溜まるちりやほこりなどのことです。ひと口に、ちりやほこりと称しても、その内容物にはさまざまなものが含まれています。その多くは、人やペットの毛やフケダニの死骸衣類の繊維プラスチック製品の微量な物質などがハウスダストの中にみられます。ハウスダストを構成するさまざまな成分の、どの成分がアレルギー反応を引き起こすアレルゲンとなっているのかは、厳密にはわかっていませんが、ハウスダストの構成成分について科学的な分析が進められ、アレルギーを引き起こす原因やメカニズムが解明されることが期待されています。ハウスダストによるアレルギーの原因ハウスダストアレルギーは、ハウスダストの特定の成分に対して、それを体外に排出すべき異物(抗原)とみなして、体内に抗体を作ることが原因で起こると考えられています。免疫システムが、それぞれの抗原に対する抗体を体内に生成し、次にその抗原が体内に侵入したときにアレルギー反応を引き起こして、それがさまざまな症状の発現につながります。ハウスダストは、アレルギーの原因となることがありますが、アレルギー症状がすでに発現しているところに、室内にハウスダストが蓄積するのを放置してしまうと、症状のさらなる悪化を招きかねません。体外から侵入した抗原に対して抗体を産生しているのは、リンパ球の一種であるB細胞ですが、そのB細胞に抗体を作るよう指令を発しているのが、ヘルパーT細胞です。ヘルパーT細胞は、Th1とTh2という2種類の細胞から構成されています。両者のバランスが非常に重要だとされており、Th1細胞が過度に優位になると炎症性疾患を起こしやすくなり、Th2細胞が過度に優位になるとアレルギー性疾患を起こしやすくなるといわれています。新生児や乳児期の子供は、Th2細胞が優位な状態になっており、感染症などによって刺激を受けてTh1細胞が増加していきます。Th1細胞とTh2細胞とのバランスは、およそ3歳までに決まるといわれていますが、それまでの時期を過度に衛生的過ぎる環境で長くすごすと、Th2細胞が優位なまま成長してしまい、アレルギー疾患にかかりやすくなってしまうと考えられています。ハウスダストによるアレルギーの症状ハウスダストによって引き起こされることがあるアレルギー性の疾患や症状には、次のようなものがあります。気管支喘息呼吸をするときに空気の通り道となる気道に慢性の炎症が生じ、気道狭窄(きょうさく)喘鳴(ぜんめい)呼吸困難などが生じます。気道の慢性炎症によって、リンパ球や好酸球、マスト細胞などの白血球が、気道上皮細胞や平滑筋細胞などの気道を構成している細胞と関わって、ハウスダストに過敏に反応するようになり、気管支喘息の症状を起こすと考えられています。アレルギー性鼻炎アレルギー性鼻炎は、鼻から入ってきた抗原(ハウスダスト)に対してアレルギー反応が生じます。くしゃみや水様性の鼻水(鼻汁)鼻づまり(鼻閉)が突然生じ、症状がくりかえし発現します。ハウスダストによるアレルギー性鼻炎では、一年を通して症状が起こります。アレルギー性結膜疾患結膜と呼ばれる、眼球の表面からまぶたの裏を覆う粘膜に、アレルギー反応によって炎症を起こします。主に眼のかゆみ白目の充血目の違和感目やにが出るなどの症状があります。ハウスダストによるアレルギーの検査アレルギーの検査では、主に血液検査が行われます。血液検査には、主に次の2種類のものがあります。IgEの量を調べるもの血液検査で血液中のIgEの量を調べ、アレルギーの有無やアレルギーの程度を数値化します。アレルギーの症状がハウスダストによるものと疑われる場合には、ハウスダストに対するIgEを調べ、その値が高ければ「ハウスダストに対してアレルギーがある」とされます。IgE検査には、上記のような、ある特異的なアレルゲンに対するIgEの値を個別に調べる検査(特異的IgE検査、RAST)と、IgEは特定せずにIgEの合計の値を調べる検査(非特異的IgE検査、RIST)とがあります。ヒスタミンの量を調べるもの血液検査で、ヒスタミンを通じてアレルゲンに対する反応性を調べる検査で、アレルゲン刺激性遊離ヒスタミン(HRT)と呼ばれます。検査では、採取した血液の中から好塩基球という細胞を分離し、その好塩基球にアレルゲンの添加を行います。アレルゲンを添加したときに放出されたヒスタミンの量を測定することで、アレルゲンへの反応性を調べます。ハウスダストによるアレルギーの治療アレルギー性疾患の治療では、抗原となっている物質の除去や回避を行うことが重要とされます。ハウスダストによるアレルギーに対しては、こまめに掃除機をかけたり、布団干しをしたりすることで、ほこりやカビ、ダニなど抗原となっているハウスダストを除去するようにしましょう。症状にあわせて以下のように薬物療法が併用される場合もあります。ハウスダストによる気管支喘息:吸入ステロイド薬アレルギー性鼻炎:抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬アレルギー性結膜疾患:抗アレルギー点眼薬近年注目を集めているのは、舌下免疫療法と呼ばれる治療法です。免疫療法は以前から行われていましたが、定期的にアレルゲンを皮下注射する方法が取られるために、毎回注射の痛みがあること、治療に3〜5年を要することなどが欠点として指摘されていました。このような皮下注射による免疫療法の欠点を改善した新しい治療法が、舌下免疫療法で、2015年に保険適用となりました。舌下免疫療法舌下免疫療法では、治療薬の錠剤を舌下に置いて1〜2分間そのままにしておき、その後飲み込むという方法がとられます。1日に1回行いますが、自宅で自身によって行えるのが利点とされています。2週間ごとに通院して受診し、治療の経過や副反応などのチェックをし、状態が安定した後は1か月ごとに受診をします。保険適用ではありますが、現在ではまだ舌下免疫療法を行える医師、医療機関は限られているため、ダニの舌下免疫療法を希望する場合には、受診をする前に、あらかじめその旨を医療機関に問い合わせることをおすすめします。監修:大利昌久
2017年11月16日小児期の食物アレルギーとして、鶏卵に次いで国内で2番目に多くみられるのが、牛乳アレルギーです。牛乳アレルギーとは牛乳アレルギーとは、食物アレルギーのひとつで、牛乳が原因となって免疫反応が起こり、さまざまな症状が生じるものをいいます。摂取した牛乳によって体内にアレルギー反応が引き起こされ、それによって蕁麻疹や湿疹、下痢などの症状が現れます。免疫は、私たちの身体にとって異物となるものを排除し、身体を守る働きをしています。アレルギーは、その免疫の反応として生じるものです。食物アレルギーは、特定の食物を摂取したときに、免疫のシステムが過敏に反応し、身体に有害な反応を引き起こすことだと定義づけられています。なお、体質的に乳糖を分解することができない人が、牛乳を飲むことでお腹がごろごろしたり、下痢をしてしまったりすることがあります。これは、免疫反応でなく体質によるものであることから、牛乳アレルギーではなく食物不耐性(乳糖不耐性)と区別されます。牛乳アレルギーの原因牛乳アレルギーをはじめ食物アレルギーには、免疫の抗原抗体反応が大きく関わっています。免疫は、外界から異物が侵入しても、それらの異物に抵抗し、身体を守る働きをしています。その働きにおいて、体内の異物を排出しようとしてつくりだされる物質を抗体、その抗体が排出の対象としている物質を抗原と呼びます。免疫システムは、通常は、ウイルスや細菌などの病原体が感染したときに、体内に侵入してきた病原体に対抗しようと、その病原体を抗原とする抗体をつくり出し、異物を体外に追い出すような活動を引き起こします。たとえば、かぜをひいたときにみられるくしゃみや鼻水などは、そのひとつです。しかし、食物アレルギーの場合には、私たちが生きていくために必須となる食物によって、身体に対して不利益な免疫反応が生じます。牛乳アレルギーに関しては、免疫システムが過敏に反応し、牛乳に対してIgE抗体(免疫グロブリンE)という種類の抗体をつくることが原因となって起こると考えられています。体内でつくられたIgE抗体は、細胞の表面にIgE受容体をもつ細胞に結合します。なかでも特にIgE抗体の結合がみられるのはマスト細胞です。マスト細胞は、ヒスタミンやロイコトリエンなどの神経伝達物質を大量に蓄積し、皮膚や気管支粘膜、腸粘膜などに存在している細胞です。このマスト細胞にIgE抗体が結合した状態でいるところに、牛乳を摂取すると、肥満細胞に脱顆粒と呼ばれる反応が起こり、中に蓄積されていた神経伝達物質が放出されます。それによってアレルギー反応が起こり、さまざまな症状が誘発されるといわれています。牛乳アレルギーの症状牛乳アレルギーによりアレルギー反応が起こると、ほかの食物アレルギー同様にさまざまな症状が出現します。主な症状牛乳アレルギーによってみられる主な症状には、次のようなものがあります。皮膚に現れる症状かゆみ、蕁麻疹、発赤、湿疹、血管性浮腫粘膜に現れる症状目のかゆみ、結膜の充血、流涙、眼瞼(がんけん)浮腫消化器に現れる症状悪心(おしん:嘔吐が起こりそうな不快感)、疝痛、嘔吐、下痢上気道に現れる症状のどのかゆみ、違和感、腫れ、咽頭や喉頭のむくみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻閉)下気道に現れる症状咳嗽(がいそう:咳こむこと)、喘鳴(ぜんめい:気道の狭窄によって呼吸時にゼーゼーなどと表現される音が鳴ること)、呼吸困難全身性の反応として現れる症状頻脈、血圧の低下、活動性の低下、意識障害症状の頻度アレルギー反応によって、上記のようなさまざまな反応が引き起こされますが、頻度としてもっとも多いのは皮膚や粘膜に生じる症状だといわれています。次いで消化器の症状、上気道の症状、下気道の症状とつづき、全身性症状の順になるとされています。年齢による症状の出現傾向症状の出現のしかたは、年齢によって異なる傾向を示します。乳児期(授乳期)には、発赤や湿疹などが現れることが多くみられ、その後、離乳期から幼児期にかけては、蕁麻疹や湿疹など皮膚の症状だけでなく、目の粘膜に現れる症状や鼻の症状、消化器の症状や下気道に現れる症状などもみられるようになります。また、もっとも重症の場合には、アナフィラキシーショックを起こすこともあります。牛乳アレルギーの検査牛乳アレルギーを含め、食物アレルギーの診断の際、まず問診から行われます。栄養の摂取は母乳かミルクか離乳食を始めているかペットとの接触があるかアレルギーの病歴や家族歴など、問診によって得た詳細な情報をもとに、症状の原因となっているアレルゲンを推定します。問診によって牛乳が食物アレルゲンであると疑われる場合には、lgE CAPRAST検査や皮膚テストによってIgE抗体の検出を行うことがあります。IgE CAPRAST検査IgE CAPRAST検査は、血液を採取して、血液中にアレルゲン特異的IgE抗体が存在するかを調べるものです。皮膚テスト皮膚テストは、アレルゲンが疑われる食物に対する皮膚中のマスト細胞の反応をもとにIgE抗体の検出をはかる方法です。また、IgE抗体の検出を行なう検査のほかに、1〜2週間の食物除去を行い、症状の改善がみられるかを観察する方法(食物除去試験)などが行われる場合もあります。牛乳アレルギーの治療牛乳アレルギーの治療では、必要最小限度の食物除去(牛乳の除去)を行います。アレルゲンである牛乳は除去し、栄養面で牛乳の代替となるような食品をとり入れることで、牛乳アレルギーの症状が発現するのを回避するようにします。症状が出る場合には、補助的な治療として抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服による薬物療法がおこなわれる場合もあります。食物アレルギーは、乳児期に発症するケースでは90%程度で自然寛解が期待できるといわれています。一般的には、IgE抗体検査などの結果も踏まえながら、1歳を過ぎたころから、専門医の指導のもとで食物除去の見直しを6か月ごとに行っていきます。耐性の獲得によって自然寛解することを念頭におき、食品の除去は必要最小限度とし、代用食品やアレルゲンでない食品を活用した食事で十分な栄養摂取を心がけることが大切です。監修:大利昌久
2017年11月15日食物アレルギーのひとつである卵アレルギーには、アトピー性皮膚炎喘息アレルギー性鼻炎といった症状がみられます。卵アレルギーの原因となっているものは何か、検査方法や治療方法などについて見てみましょう。卵アレルギーとは卵アレルギーは、食物アレルギーのひとつで、卵に含まれているタンパク質に身体の免疫機能が反応してしまうことによって起こると考えられています。卵に対してアレルギー反応があらわれる人は多いといわれており、食物アレルギーの代表格とされています。卵アレルギーの原因アレルギー反応は、免疫が過剰反応してしまうことで起こります。通常は、アレルギーの原因となる抗原が体内に入ったときにIgG抗体を作り、次に抗体が侵入しないように免疫を高めます。しかし、抗原に対してIgG抗体ではなくIgE抗体が作られ、次に抗体が侵入したときにヒスタミンなどの化学伝達物質が出されることによってアレルギー反応みられるといわれています。卵アレルギーの場合の抗体は、オボアルブミンとオボムコイドであると考えられています。人によっては、オボアルブミンに強く反応する場合と、オボムコイドに強く反応する場合とがあるといわれています。卵アレルギーの症状卵のオボアルブミンやオボムコイドによってアレルギー反応があらわれた場合、喘息アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎などがみられます。症状が出やすいのは消化器が未熟な乳幼児といわれていて、年を重ねて消化器の発達が進むことで症状がなくなっていくこともあります。ただし、症状が改善せず、少量の卵にも過剰に反応してしまい、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。アナフィラキシーショックは、呼吸困難意識が遠のく皮膚症状消化器症状など複数みられるもので、命に関わる重篤な症状なので注意が必要です。場合によっては、医師に対処用の薬を処方されることもあります。卵アレルギーの検査病院では問診を行い、卵を食べた量アレルギー反応が出るまでの時間反応が治まるまでの時間などを答えます。IgE抗体を明確にするために、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行うこともあります。また、一度卵アレルギーがみられたのに、その後、アレルギー反応がない人1年以上アレルギー反応がなかったという人などは、実際に食べてどう反応するか調べる食物経口負荷試験を行い検査するといわれています。卵アレルギーの治療どのくらいの卵を食べることで、アレルギー反応があらわれるのか正確に判断し、必要最小限除去しながら食事療法を行い、できれば最終的に食べられるようにしていきます。アナフィラキシーショックがある場合は、卵の摂取を完全に控えるようにします。たとえ、完全に卵を除去してしまっても、動物性や植物性のタンパク質を、別の食材から摂取できれば、栄養面には心配ないと考えられているので安心してもよいでしょう。調理でも、卵の使い方には工夫をするとよいでしょう。たとえば、揚げ物の衣やハンバーグのつなぎに卵を使用しないで調理することができます。ただし、加工食品の場合は卵アレルギーに配慮して作られているものばかりではないため、食品表示をよく確認すると安心です。また、卵は加熱処理によりアレルゲンが低下し、反応が出にくくなるといわれています。卵で、アナフィラキシーショックを起こしたことのある人アナフィラキシーショックを起こす可能性が高い人は、食事療法の対象外であり、さらに、アドレナリン自己注射器を処方し、アナフィラキシーショックが起きたときに自分でアドレナリンを注射して症状を和らげていくこともあります。アナフィラキシーショックが心配な方は、医師に相談しましょう。まとめ卵アレルギーを引き起こすといわれている抗体には、オボアルブミンとオボムコイドの2つがあります。加熱によって凝固しやすいものとそうでないもの、どちらに強く反応するかに個人差があることから、食事療法の方法は異なります。栄養価が高いといわれている卵だけに、完全除去となると栄養面の不安を覚える人もいるかもしれませんが、代替えできる食品・食材はさまざまにあるため、医師に相談しながら健康を損なわずに対処していきましょう。監修:大利昌久
2017年11月14日食物アレルギーは、食べ物に対して起こるアレルギーです。アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあり、命に関わることもあります。ここでは、食物アレルギーの症状や原因、治療方法などについて見てみましょう。食物アレルギーとは特定の食べ物を食べることで、かゆみ赤み湿疹嘔吐(おうと)腹痛アナフィラキシーショックなどを起こしてしまうことを食物アレルギーといいます。日本の全人口の1〜2%に発症すると考えられており、中でも乳幼児は10%程度の発症率があるといわれています。乳幼児の食物アレルギーの数値が、全体よりも高いのは、年を重ねるごとに症状が改善していくケースもあるからです。アレルギーのようでアレルギーでないものアレルギー反応と似たような症状でも、アレルギーではなく、ほかの病気である可能性もあるため注意することも大切です。たとえば、牛乳を飲んでおなかを下すときは、アレルギーではなく食物不耐性で乳糖をうまく消化できていないことや、食中毒であることも考えられます。また、食物アレルギーだと思っていたが、食物に含まれていた化学物質に反応しているケースもあります。食物アレルギーの原因身体の免疫機能の一つであるIgE抗体が、特定の食べ物に含まれるタンパク質に過剰反応してしまうことでアレルギー反応が起こるといわれています。食物アレルギーの症状食物アレルギーは、以下のような器官にさまざまな症状があらわれます。皮膚にあらわれる症状かゆみ蕁麻疹(じんましん)湿疹が出る赤くなる目にあらわれる症状結膜の充血目のかゆみ涙が出るまぶたが腫れる口腔内にあらわれる症状口腔内の違和感腫れかゆみのどがつまったような感じのどがイガイガしたりする気管支や肺にあらわれる症状咳が出る呼吸が苦しい鼻にあらわれる症状くしゃみ鼻水が出る消化器官にあわられる症状腹痛吐き気嘔吐血便下痢循環器にあらわれる症状意識障害などの神経にあらわれる症状脈が高くなる血圧が低下する中でも、上述の症状が複数みられ、重篤化してしまったものをアナフィラキシーショックと呼びます。また、花粉症の人などに多くみられるのが、普段食べている食べ物に対してアレルギー反応が出てしまうことです。食べても異常のなかった野菜や果物でも、新鮮なもののみにアレルギー反応が出る場合があります。その場合は、食べている途中で、口腔内に違和感を覚えることがあるため、大量に食べずに摂取を控えましょう。また、この場合は検査によって判明しにくいといわれており、新鮮な食べ物を実際に摂取してみないと診断できないといわれています。食物アレルギーの検査食物アレルギーが疑われる場合、病院を受診し、検査することをおすすめします。病院では、アレルゲンを特定し、反応しているIgE抗体を証明するという手順を踏みます。検査は、問診食物日誌皮膚テスト血液検査を行い、場合によっては原因となっている食物を実際に食べて検査を行い診断します。問診の流れ問診では、アレルギー反応がみられたときに、何を食べていたのか食べた量発症までの時間いつまでアレルギー反応が出ていたか症状には特徴があったかを答えます。そして、同じような食べ物を食べてアレルギー反応がみられるかの記録をつける食物日誌をつけます。抗体検査の内容IgE抗体を証明する検査では、ブリックテストスクラッチテスト20分間パッチテストなどの皮膚テストを行います。これは、抗原液を皮膚に貼ったり、注射で注入したりして行います。血液検査の内容血液検査では、血中抗原特異的IgE抗体の有無を確認します。陽性反応が出ているが実際に食べたことのない食べ物がある場合食べてもアレルギー反応がみられなかった場合アレルギー反応が出てから1年以上経過している場合上記のような場合は、食物経口負荷試験という、実際に食べてどう反応するかを検査してみます。食物アレルギーの治療食物アレルギーの治療では、症状があらわれるときの摂取量を知り、必要最小限除去するように心がけて治療を行います。食事療法によって、必要最小限の基準を小さくしていき、最終的に食べられるようになることを目標としています。ただし、アナフィラキシーショックがみられる場合には、原因となっている食べ物を完全に排除します。また、アナフィラキシーショックの可能性がある人や発症したことがある人は、アドレナリン自己注射器を処方し、症状があらわれたときに自分でアドレナリンを注入して症状を和らげていく方法もあります。まとめ食物アレルギーは、特定の食べ物に含まれるタンパク質に身体の免疫機能が過剰反応してしまうことで発症します。食事療法によって改善することもありますが、自己判断で除去したり、摂取したりせずに、医師の適切な治療を受けましょう。監修:大利昌久
2017年11月13日食べ物やダニ、動物のフケなどでなんらかのアレルギーを起こす人が増えています。花粉やハウスダストが目の結膜につくことで炎症を起こすアレルギー性結膜炎という病気があります。ここでは、アレルギー性結膜炎の原因や症状について見てみましょう。アレルギー性結膜炎とはアレルギー反応を引き起こす原因となる物質のことをアレルゲンと呼んでいますが、そのアレルゲンが目の表面に付着し、結膜炎を起こしてしまう病気のことをアレルギー性結膜炎と呼んでいます。結膜は白目の全面とまぶたの裏をおおっている粘膜で、目が開いている間は外気にさらされているため、アレルゲンが付着しやすくなっています。そのため、目はアレルギー反応が起きやすいといわれています。よく知られているスギ花粉症のように、ある特定の季節に起きる季節性アレルギー性結膜炎と、一年中症状が出る通年性アレルギー性結膜炎という2つの種類に分けられます。また、春季カタルと呼ばれる子供に多く見られる結膜炎や、巨大乳頭結膜炎というソフトコンタクトレンズを使用している人に見られる結膜炎もアレルギー性結膜炎の一種です。アレルギー性結膜炎の原因人間の身体には、体内に侵入しようとする異物を排除する仕組みがあります。これは免疫力と呼ばれる働きですが、この免疫力が過剰に働いてしまうとアレルギー反応を起こしてしまいます。本来ならば、花粉などはあまり有害な異物ではないのですが、免疫力が過剰に働いてしまうとアレルギー反応を起こしてしまいます。主なアレルゲンとして季節性アレルギー性結膜炎では、スギ花粉(1〜5月)、ヒノキ花粉(3〜5月)、イネ科の植物(4〜10月)などがあげられます。通年性アレルギー性結膜炎では、ハウスダストやダニ動物の毛フケコンタクトレンズの汚れなどがアレルギーの原因となります。アレルギー性結膜炎の症状外部からアレルゲンが侵入してくると、目のかゆみや充血、ゴロゴロとした異物感などの症状が出てきます。涙のようなサラサラとしている水のような目やにが出ることもあります。まぶたの裏の結膜に粒上のブツブツしたものができることもあります。かゆみの症状は強く出ることもあり、目だけでなく、まぶたやまぶたのふちなどがかゆくなり、かけばかくほどかゆくなってしまうという悪循環が起こります。春季カタルなど重症になってくると目に痛みが出る、角膜が濁ってものが見えにくくなるなどの症状が出ることがあります。視力低下を引き起こすこともあるので注意が必要です。アレルギー性結膜炎の治療法通常は、薬物療法を中心とした治療が行われます。日常生活に支障をきたさないようにかゆみの症状を抑えることを中心とした治療です。抗アレルギー性点眼薬が使われることが多く、メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬といったものが主なものです。重症の春季カタルには、ステロイド点眼薬を使うこともあります。季節性アレルギー性結膜炎の場合には、症状が出やすい時期をあらかじめ予測できることが多いので、症状が出る前の時期の花粉が飛散する約2週間前から初期療法という考え方で抗アレルギー点眼薬を使って治療を始めることがあります。この治療法を行うと花粉がもっとも飛散している時期の症状が軽くなるのでおすすめです。毎年、花粉症で悩んでいる方は、症状が出る前に眼科を受診されるとよいでしょう。抗アレルギー点眼薬は副作用が少ない薬といわれています。点眼薬は、使用している途中でやめないようにしてください。眼科医の指示にきちんと従って使用しましょう。生活習慣での注意点アレルギー性疾患の対策は、できるだけアレルゲンとなる物質に接触しないことが重要です。花粉が飛散している時期には、ゴーグル型の眼鏡を使用する花粉防止用にマスクを着用する帽子をかぶるなどの対策をとるようにしてください。外出先から帰宅したときは、衣類や髪についた花粉をしっかりと落とすようにしてください。手洗いうがい洗顔をして花粉を落とすようにします。花粉が飛びやすいと考えられる際には、外出をできるだけ避ける、洗濯物を外に干さないようにすることも大切です。通年性アレルギー性結膜炎の場合は、掃除機を使ってこまめにハウスダストやダニを取り除く、濡れ雑巾を使ってほこりがたまっているところを拭き掃除することも効果があります。ダニの繁殖を抑えるために畳やじゅうたんをフローリングに変える、寝具をこまめに干すことも効果があるといわれています。室内での動物の飼育は避けた方がよいでしょう。監修:大利昌久
2017年11月12日突然くしゃみや鼻水が出て止まらなくなる、鼻づまりがつらい、そのような症状がでるアレルギー性皮膚炎は、アレルゲン物質が体内に入ることで体が反応するアレルギー症状です。どのようなメカニズムでアレルギー性鼻炎が起こるのか見てみましょう。アレルギー性鼻炎とは近年、アレルギー性鼻炎の患者数はかなり増加しているといわれています。スギ花粉症でよく知られている花粉症の季節性アレルギー性鼻炎とハウスダストやダニ、カビなどで発症する通年性アレルギー性鼻炎があります。人間の身体には防御反応が備わっていて、鼻から吸い込んだ異物が有害物質であると判断されると鼻水で外に排出させ、鼻づまりで体内に入らないようにしています。この防御反応が過剰に起こってしまい、あまり有害とはいえない花粉などに対してもアレルギー反応を起こしてしまうのがアレルギー性鼻炎です。リンパ球の一種であるヘルパーT細胞が異物を有害であると認識すると同じリンパ球であるB細胞に抗体を作るように指示します。その指示によってIgE抗体が作られます。IgE抗体は免疫細胞ですが、IgE抗体がつくられただけでアレルギー症状が起こるわけではありません。再びアレルギーの原因となる物質が体内に入ってきてIgE抗体と接触するとヒスタミンをはじめとする化学伝達物質を過剰に分泌しアレルギー反応が起こします。ヒスタミンは肥満細胞から過剰に分泌され、くしゃみやかゆみ、鼻水といった症状を引き起こします。アレルギー性鼻炎の原因季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー性鼻炎の原因について解説します。季節性アレルギー性鼻炎草花の花粉が原因となる季節性アレルギー性鼻炎は、スギ花粉症がよく知られていますが、花粉症を引き起こす花粉はさまざまなものがあります。春に飛散するスギやヒノキイネ科の植物シラカンバ族など初夏に多い植物ブタクサやヨモギなど約50種類あるといわれています。アレルゲン物質となる可能性がある花粉はほぼ一年中飛んでいますが、植物によって花粉の飛ぶ時期が違うため、自分のアレルゲンとなる植物を知っておくことが大切です。通年性アレルギー性鼻炎季節に関係なく一年中発症するアレルギー性鼻炎です。アレルゲンとしては、ハウスダストダニカビペットの毛フケなどがアレルゲンとなります。住環境が変化して、冷暖房の普及にともない住宅が密閉された状態となることが多く、アレルゲンが家の中で蓄積されやすくなっていることも原因の一つではないかと考えられています。アレルギー性鼻炎の症状季節性アレルギー性鼻炎の症状は、鼻炎頭痛倦怠感がある目の周りや耳、首が赤くなるといった皮膚症状のどのかゆみなどがあります。通年性アレルギー性鼻炎の場合には、症状は朝に起こることが多いといわれています。自律神経の影響で朝に出やすいと考えられていますが、その他にも寝ている間に、床に溜まったハウスダストを吸い込んでしまっていることも影響しているのではないかといわれています。突発的なくしゃみや鼻水、鼻づまりが主な症状です。アレルギー性鼻炎の検査くしゃみや鼻水などの症状が風邪などではなく、アレルギー性の症状であるかどうかを調べ、どのようなものがアレルゲンとなっているかを調べることができます。鼻汁好酸球検査鼻水を採取して好酸球という細胞があるかどうかを調べます。アレルギー性鼻炎の約8割で鼻水の中に好酸球が増えるといわれています。血液検査アレルゲンとなっているのは何であるかを特定するために少量の採血をして血液検査を行います。それぞれのアレルゲンに対して、どのくらいIgE抗体があるかどうかを調べることができます。アレルギーの症状が出ていないときでも検査ができます。その他に血液検査で、アレルギー症状がどれくらい強いのかということも調べることができます。皮内テスト原因と考えられる抗原のエキスを注射して皮膚に現れる症状を観察します。注射をするために痛みがあったり、注射した箇所の腫れやかゆみなどが強く出てしまったりする危険性があります。鼻粘膜誘発試験鼻の粘膜にアレルゲンの疑いがある成分をしみこませた紙をおいて、アレルギー症状が現れるかどうかを調べる検査です。手術が必要であるかどうかを判断する、手術効果を調べるときにも有効な検査です。アレルギー性鼻炎の治療目薬や内服液を使用する薬物療法や、アレルゲンを体内に段階的に増やしながら投与していくといった特異的免疫療法があります。その他にも、鼻づまりや鼻水などが起こりにくいように鼻粘膜を変えるという手術療法があります。専門医を受診して医師に相談し、適切な治療を選択することが大切です。自分のアレルゲンが何であるかをきちんと把握し、日常生活でそれらに接触する機会を避けることも症状を抑えるためには重要です。監修:大利昌久
2017年11月11日アレルギーの症状に悩んでいる人は多く、年々、患者数は増加しているといわれています。アレルギーとはどのような原因で、どのような症状が起きてしまうのか詳しく見てみましょう。アレルギーとはアレルギーの定義は、免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害と定められています。なんらかの外的な刺激があった際に、身体は免疫反応によって刺激を排除しようとしますが、特定の物質や現象に対してこの反応が過剰に起きてしまうことでアレルギー症状があらわれます。免疫反応を起こす物質や現象は抗原と呼ばれ、アレルギーの原因を意味するアレルゲンと呼ばれる場合も多いです。アレルギー症状には、抗原の反応によって短時間で症状がでる即時型と、遅発、遅延型と呼ばれる種類が存在しています。アトピー性皮膚炎喘息蕁麻疹花粉症鼻炎これらのアレルギー症状は即時型で、生命に危険のあるアナフィラキシーショックも即時型の分類となります。一方、遅延型のアレルギー症状は、発症まで数時間や数日かかる場合もあり、こちらは細胞や細菌を原因とした内臓への症状が中心となります。臓器移植による拒絶反応などもこの一種とされています。アレルギーが起こるメカニズム一般的な即時型のアレルギー症状には、IgEと呼ばれる抗体が大きく関与しています。このIgE抗体が、皮膚腸粘膜気管支粘膜鼻粘膜などに存在しているマスト細胞と結合した状態で抗原と接触すると、細胞からかゆみや炎症の原因となるヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されてアレルギー症状を起こすようになります。このため、IgE抗体はアレルギー症状を起こす有力な要因と考えられています。アレルギーの主な原因アレルギー症状を起こす抗原となる可能性があるものには、以下のようなものがあげられます。抗原となるものは人によって大きく異なり、種類も大変多くなりますので、あげられたもの以外でアレルギー症状が起こる可能性もあります。食品食品は、子供に多く見られるアレルゲンですが、大人にもアレルゲンとなるケースがあります。卵乳製品(牛乳など)穀物(小麦、そば)豆類(ピーナッツ、大豆など)特に、これらの食品でアレルギーを起こす人が多く、甲殻類(エビ、カニ)、魚介類(青魚や貝など)、果実類などでアレルギー症状があらわれる場合もあります。ハウスダスト近年患者が増えており注目されているアレルゲンです。ダニダニそのものだけでなく、死骸やフンが生体以上に強力なアレルゲンとなります。湿度の高い環境などで繁殖しやすいといわれています。カビ、細菌湿気などによってほこりの中にカビが繁殖する場合があり、空気中に胞子をまくことでアレルゲンとなります。ほこりや他のハウスダストは細菌が原因となることもあり、ダニのエサとなるほかアレルゲンとなる場合もあります。ペットの毛室内でペットを飼っている家庭も増えていますが、抜けたペットの毛自体がアレルゲンとなる場合もあるほか、ダ二のエサとなり繁殖を助長することもあります。ペットを飼っている場合は特に掃除などを徹底するべきでしょう。花粉などの吸収性物質花粉症は、もっとも身近なアレルギー症状といえるでしょう。鼻炎の症状だけでなく、皮膚のかゆみや湿疹などがある場合もあります。大気汚染などによるアレルギー症状も花粉と同様です。金属などの接触刺激金属と汗が反応して、接触している皮膚に炎症や湿疹を起こす金属アレルギーや、天然ゴムの成分が皮膚に症状を起こすラテックスアレルギーなど、特定の物質に接触することでアレルギー反応が出る場合もあります。化粧品などの化学物質によって接触刺激が起こる場合もあります。薬剤によるアレルギー内服薬や注射などによって体内に入った薬がアレルギーを起こす場合もあり、これは遅発、遅延型の症状があらわれます。症状が重症となりやすいので、服用している薬や過去に服用した薬を把握するようにして症状がある場合は、すみやかに医師や薬剤師に相談することをおすすめします。アレルギーの主な症状アレルギー反応としてあらわれる症状にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。症状は必ずしも単一ではなく、いわゆるアレルギー体質と呼ばれるアレルギー素因の多い人の場合は複数の症状を併発することも少なくありません。アレルギーに対しては、医療機関での適切な治療が第一ですが、自分のアレルゲンをあらかじめ知っておくことでアレルゲンをできるだけ避けることが可能です。症状を完全に抑えることは困難な場合もありますので、なるべくアレルゲンに触れないよう注意するべきでしょう。アレルギー性気管支炎ハウスダストや花粉など吸収性の物質がアレルゲンとなる場合が多く、気管支や気道が炎症を起こして腫れてしまい呼吸がスムーズにできないことで息苦しくなります。せきやたんが出るなど風邪(かぜ)と間違えやすい症状ですが、適切な対処を行わないと気管支喘息などに発展する場合もあります。アレルギー性鼻炎花粉症の代表的な症状ですが、ハウスダストや食物によって起こります。激しいくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状があらわれ、のどの痛みや頭痛なども併発して日常生活に支障が出る場合も珍しくありません。アレルギー性結膜炎鼻炎と併発するケースも多く、目の表面の結膜にアレルゲンが付着する事で炎症を起こし、激しい目のかゆみ、充血、涙が出る、異物感がある場合などがあります。アトピー性皮膚炎皮膚に湿疹が起こり、強いかゆみを感じるほか、皮膚がカサつくなど、皮膚の保護機能が低下する症状をあらわします。全身どこにでも症状が出る可能性があり、重症化すると腫れやただれ、皮膚の肥厚などが起きることもある深刻な症状です。蕁麻疹境界がはっきりとした、円形に盛りあがる皮疹が発生します。大きさはさまざまで、強いかゆみをともないチクチクとした感触がある場合もあります。アトピー性皮膚炎による炎症湿疹と混同されることも多いですが、蕁麻疹の症状は、出たり消えたりをくりかえすことが多いのが特徴です。監修:大利昌久
2017年11月09日ラテックスとは、天然ゴムのことです。天然ゴム製品は、私たちのまわりにたくさんあります。ゴム手袋、輪ゴム、ゴム風船、ばんそうこう、運動靴、コンドームなどもすべて天然ゴムで作られています。ここでは、身近に存在するゴムでアレルギーを発症する「ラテックスアレルギー」の原因や治療などについて見てみましょう。ラテックスアレルギーとはラテックスアレルギーとは、天然ゴムのタンパク質に免疫が過剰反応をして、アレルギー症状を引き起こすものをいいます。初めて報告されたのは、1979年の医学雑誌です。ゴム手袋や医療機器に多く天然ゴムが使われていることなどから、患者や医療に従事する医師、看護師などを中心にラテックスアレルギーが報告されています。さらに、ラテックスアレルギーを持っている人には、ゴムの木に似た分子構造を持つ木の果物を食べると、同じようなアレルギー反応が出ることがわかっています。たとえば、バナナアボカドパイナップルキウイ栗桃メロンなどです。こうした果物でのアレルギー反応を「ラテックスアレルギー・フルーツ症候群」と呼んでいます。ラテックスアレルギーの原因ラテックスアレルギーの原因は、天然ゴムです。ラテックスは、ゴムの木の幹から採取する樹液が原料となっています。ゴムの木の樹液には、たくさんのタンパク質が含まれており、このタンパク質に免疫が過剰反応してしまうのです。加工したものであっても、ゴムを使用した製品にはアレルギーを起こすタンパク質が微量に残っています。特に、ゴム手袋の場合、長時間使用することで汗をかきます。その汗によって、水溶性であるタンパク質が製品から流れ出てしまいます。さらに、ゴム手袋を装着しやすいように内側にまぶされているパウダーの粒子が皮膚の表面に微小の傷を作ります。そのため、ラテックスアレルギーのアレルゲンが体内に入りやすくなることも原因になっています。ラテックスアレルギーの症状ラテックスアレルギーでもっとも多い症状が、接触蕁麻疹(じんましん)です。ゴム手袋を装着したことで、手にかゆみ赤みブツブツ水ぶくれなどが起こります。接触していた手だけでなく、全身にこのような症状が現れることも珍しくありません。また、呼吸器系の症状も出ます。これは、手袋に付いたパウダーが空気中に拡散して、それを吸い込んだために起こる症状です。喘息のような発作息苦しさのどの奥がイガイガするなどの症状が現れます。ラテックスアレルギーの検査ラテックスアレルギーを見極めるために、以下のような検査が行われます。問診詳しい病歴を聞かれます。職業(医療従事者やゴム製品を使用する機会が多いなど)や、食物アレルギーの有無などをチェックします。血液検査血液中のラテックスIgE抗体の有無を検査します。ただし、ラテックスの場合は、製品になる過程でさまざまな薬品や加熱処理を行うため、タンパク質自体の分子構造が変化している可能性があり、抗体が確認されないケースもあります。皮膚テスト皮膚テストは、天然ゴムで作られたゴム手袋を刻んで生理食塩水に入れた液を使って行うパッチテストです。血液検査結果で抗体異常があった場合、劇症化する可能性もあるので、必ず専門病院で行われます。負荷テスト実際にゴム手袋を装着して、アレルギー反応を観察します。血液検査や皮膚テストを終えてからの最終検査になります。強い反応が出る可能性があるため、事前の血液検査や皮膚テストで危険性がある場合には行いません。ラテックスアレルギーの治療ラテックスアレルギーへの特効薬は、今のところありません。アレルギーを発症しないために、とにかくゴム製品の使用を避けることが大切です。仕事柄、使用せざるを得ない場合は、ラテックスを使っていない素材のものを選びましょう。また、ゴム製品の使用を避けるだけでなく、同じタンパク質構造を持つ果実にも注意しなくてはなりません。ラテックスアレルギーを発症すると、今まで食べていても大丈夫だったバナナアボカドパイナップルキウイといったものにもアレルギー反応が出る場合があるため、症状が出ている間は可能な限り食べるのを控えましょう。体調によっては、症状が強く現れる時期があります。この時期には、アレルギー反応を抑える抗アレルギー薬を服用するようにします。もしも、アレルギー症状が出てしまった場合には、すぐに抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイドを使って、アナフィラキシーショックが起こるのを回避する必要があります。まとめ私たちの身近には、天然ゴムを使った製品がたくさんあります。ラテックスアレルギーと診断された場合は、ひとつ一つの身の回りのものを検証して、できるだけ代替できる用品を揃えるようにしましょう。また、バナナやパイナップル、桃など特定の果物を食べて口の中がヒリヒリするという人は、もしかするとラテックスアレルギーが隠れている可能性があります。病院で検査を受けることをおすすめします。監修:大利昌久
2017年11月08日金属アレルギーは、一度発症してしまうと完治が難しいといわれるアレルギーです。金属が汗や体液によってイオン化して起こると考えられています。ここでは、金属アレルギーの種類や症状、検査や治療、予防方法について見てみましょう。金属アレルギーとは金属アレルギーは、特定の金属に対してアレルギー反応がみられるものを指します。現在の日本では、10人に1人以上がなんらかの金属アレルギーであるといわれており、一番症状が出やすいのがニッケル、次にコバルトと考えられています。ニッケルやコバルトは、ピアスなどのアクセサリー類に用いられることが多いため、女性に金属アレルギーが出やすいといわれています。特に40代以降の女性に多いアクセサリーを身に付ける時間の長い女性は、金属アレルギーを発症しやすいといわれています。そのため、若い人よりも、金属と接触している累計時間がより長い40代以降の女性に多くみられます。金属アレルギーの原因金属アレルギーが起こる原因は、金属が汗や体液などに触れてイオン化することにあるといわれています。接触の場合は、汗に触れることで起こり、体内に金属がとり込まれた場合には、体液に触れることによって起こるとされています。金属アレルギーの症状金属アレルギーは、金属接触アレルギーと全身型金属アレルギーの2種類にわけられています。金属接触アレルギーは、皮膚が金属と接することによって、皮膚上の汗から金属がイオン化して侵入し、かゆみや赤み、腫れや湿疹、水ぶくれを起こすことがあると考えられています。全身型金属アレルギーは、薬や食品に含まれている金属が体液などに触れることでイオン化し、それを汗として放出するときに手のひらや足の裏などにむくみや皮膚炎などを起こすと考えられています。金属アレルギーの検査金属アレルギーの検査では、パッチテストを行い、どのような種類の金属に対してアレルギー反応があるのかを調べます。この検査によって、金属接触アレルギーの原因を特定することができます。全身型金属アレルギーの場合は、パッチテストでは陽性反応が出ないケースもあるため、内服テストや吸入テストを行い診断します。ただし、人体に悪い影響があるといわれている水銀やスズにアレルギーの可能性があるときは、内服テストは行いません。金属アレルギーの治療金属アレルギーは、完治が難しいといわれているため、基本的に接触を回避することでアレルギー反応が出ないようにすることが重要です。全身型金属アレルギーの場合は、食品に含まれている金属に反応していることもあり、該当している食品を食べないように制限されることがあります。たとえば、チョコレートや豆類、貝類やレバーなどには金属が多く含まれているため、摂取を控えるよう指示されます。また、調理器具に含まれる金属に反応しているケースもあるため、調理器具に関しても注意するようにしていきます。回避では症状が治まらないときは、薬物で治療することもあります。その際は、消化管がアレルゲンを吸収し過ぎないように抑えるインタールを使います。それでも、金属アレルギーの反応があるときは、歯科に問い合わせて反応のある金属が含まれていないかを確認したり、除去してもらえるように連携したりします。また、整形外科や血管外科の治療において、金属を使用していないか、大気汚染されている環境に住んでいないかなど他の原因を探ることもあります。それでもアレルギー反応が治まらない場合は、金属キレート剤を使って治療を行います。金属アレルギーは予防できるのか金属アレルギーを予防するには、金属との接触をなるべく避けるのがよいと考えられています。たとえば、虫歯の治療で銀歯にした場合、金属が口内で溶け出してしまわないか歯科で確認したり、詰め物を金属ではないものに変えたりすることで発症を予防できると考えられます。また、アクセサリーをつけたい人は、一番発症率の高いニッケルを避け、金や銀、プラチナやチタンで作られたアイテムを選んで使うようにするとよいでしょう。それに加えて、汗をたくさんかく環境のときは、アクセサリーを使用しないように心がけるとよいでしょう。まとめ金属アレルギーとは、金属に対してアレルギー反応を起こしてしまう体質のことです。金属が、汗や体液などに触れることでイオン化して皮膚炎などの症状があらわれます。一度発症すると完治が難しく、金属接触アレルギーの場合は、原因の金属を回避するのが一番の対処法となります。また、全身型金属アレルギーは、回避の他に薬物治療のほか、歯科や整形外科、血管外科などと連携して治療を行うこともあります。発症していない人は、予防のために、できるだけ金属との接触を控えて、身につけるものに注意しましょう。監修:大利昌久
2017年11月07日アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じだと考えている方もいるのではないでしょうか。本来は、アトピー性皮膚炎はアレルギーと同じものではありません。アレルギー性皮膚炎は、特定の原因物質(アレルゲン物質)に接触すると起こる皮膚炎です。ここでは、アトピーとアレルギーの違いについて見てみましょう。アトピーはアレルギーではないのかアトピー性皮膚炎とは、かゆみをともなう湿疹が身体のさまざまな部分にできることが特徴です。皮膚が乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が弱いため、外からの刺激に敏感な状態となっています。皮脂の分泌も少ないため皮膚の水分が蒸発しやすく乾燥してしまうといわれています。一方、アレルギー性皮膚炎は、原因物質といわれるアレルゲンにくりかえし接触することで皮膚に炎症が起こる症状のことを指しています。アトピー性皮膚炎と混同しやすいですが、複合的な要素が絡み合って原因が単純なものではないアトピーと違って、アレルギー性皮膚炎は、アレルギーの原因となっている刺激を排除してしまえば比較的治療しやすいといわれています。症状として現れる湿疹は、アトピー性皮膚炎と似ているために、見た目だけではどちらの症状であるかを判断することは難しいです。アレルギー性皮膚炎とはアレルギー性皮膚炎の原因はさまざまで、しかも人によって原因物質は異なります。毒性のあるものや刺激物が原因物質としてあげられます。多く見られるものには、植物があり、うるし銀杏アロエなどにアレルギー反応があることが知られています。女性は、アクセサリーなどの金属と触れていることが多いため、金属アレルギーを持つ人が多いといわれています。金属アレルギーが重症化すると手のひらや足の裏にも症状が出ることがあり、小銭などの金属にも反応してしまうこともあります。その他にも、化粧品やシャンプーなどの化学成分下着やマフラーなどの繊維湿布や軟膏などの外用薬が原因となることもあります。アレルギーの原因となる物質に接触すると、触れた部分が赤くブツブツとした紅斑(こうはん)になる、皮膚が盛り上る湿疹の丘疹(きゅうしん)が出る、水ぶくれである水疱(すいほう)になります。「かぶれ」と呼ばれる症状です。かゆみや痛みがある場合があります。アトピー性皮膚炎とは強いかゆみや湿疹があることが多く、特に乳幼児に発症しやすい病気です。近年では大人にもアトピーの症状を持つ人が増えています。アトピーの原因はさまざまあり、生まれつきの体質や環境食べ物不規則な生活習慣などが関係していると考えられています。治療法が確立されていないためによくなったかに見えても、再び症状が悪化することがあり、症状のくりかえしが特徴として見られ、悩まされている人が多い病気です。アトピー性皮膚炎の症状額や目や口の周り、体幹などにかゆみのある湿疹がよく見られます。乳児の場合は、最初に湿疹が頭部に現れて、だんだんと下の方へ移っていき、四肢関節に湿疹が出てくるようになります。幼少期では、頸部、関節に多く湿疹が出てくるといわれます。成人の場合は、上半身に頻発することが多くなります。アトピー性皮膚炎の原因と対処法アトピー性皮膚炎の原因には、食べ物よりもハウスダストやダニ、カビなどが原因となることが多いと考えられています。ダニが棲みつきやすいといわれるじゅうたんやカーペットを減らすことが有効です。また、ダニは湿度が55%以上になると繁殖しやすくなるため、湿度を下げるダニのエサとなる食べこぼしの始末定期的に部屋の掃除こまめに布団を乾燥させる部屋の空気を入れ替えるをするようにしましょう。アトピー性皮膚炎のケアは保湿が大切アトピー性皮膚炎の治療の目標は、症状を上手くコントロールしていくということが大切です。そのためには、薬を使用して湿疹やかゆみの症状を抑えましょう。皮膚のバリア機能が弱い状態なので刺激物が症状を悪化させやすくします。日常的にスキンケアをしっかりと行ってください。スキンケアでは、おもに保湿に重点を置いてください。セラミドヒアルロン酸コラーゲンなどの保湿成分が有効でしょう。また、炎症がひどい場合は、軟膏類や乾燥している部分にクリーム類を使用することをおすすめします。紫外線によりアトピーを悪化させやすくなるため、外出の際は日焼け止めなどで対処しましょう。監修:大利昌久
2017年11月06日