国立がん研究センター(国がん)がん予防・検診研究センターは6月12日、2011年に開発しWeb上で公開していた、生活習慣などに関する質問に答えることでがんなどの発生リスクを算出する診断ツール「がんリスクチェック」に、新たに「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」を追加したと発表した。がんリスクチェックは、チェックを進める過程で、生活習慣の改善によるがん予防の実践への動機づけを行い、がん罹患率の減少を目指すことを目的に開発、公開されているもの。新たに追加された5つの健康習慣によるがんリスクチェックは、45歳から74歳の男女が対象で、「喫煙」、「飲酒」、「食習慣(塩分)」、「運動習慣」、「肥満度(適正BMI)」の5つの健康習慣について、現在の習慣を続けた場合、今後10年の間にがんに罹るリスクを算出するというものとなっている。チェックを進める中で、5つの健康習慣の知識が得られるほか、リスクチェックの後に、改善シミュレーションにもトライすることもできるという。
2015年06月12日大腸がんの治療のため今年2月から演奏活動を休止していたピアニストの中村紘子。3月6日には自身が音楽監督を務める「浜松国際ピアノアカデミー」のオープニングコンサートでリサイタルを行なうなど、すでに活動を再開しているが、6月3日、都内で会見してあらためて現状を報告した。中村紘子 コンサート情報「がんだけど元気なんですよ。体力も耐久力もあるし、深刻なところが全然ないの。楽天的なんでしょうね。あまり元気なせいで、仮病だと疑う人がいるので会見することにしました」と、ユーモアを交えて明るく語る。昨年2月に腸閉塞の手術を受けた際に大腸がんが見つかった。5段階に分類されるがんの進行度のうち、リンパ節への転移のないステージ2という診断だった。いったんは抗がん剤治療を試みたものの、身体への負担も大きく、活動に支障をきたすと判断。その後は食事療法などの民間療法に切り替えて、体調も安定していたという。しかし昨年末、腹部に痛みを感じて都内のがん専門病院で診断を受けたところ、再び抗がん剤による治療を強く薦められたため、2月からの治療休養に踏み切った。いまは4度目の抗がん剤投与が終わったところ。医師からも「できるだけピアノを弾いて、普通の生活をしてください」と指導されているそうで、今月も12日のソウルでのリサイタルや19日の東京オペラシティでのトーク&コンサートなど3本のコンサートがあるほか、12月のサントリーホールでのリサイタルなど、来年3月まで月数本ずつのペースでコンサート予定が決まっている。「最近は若い時ほどはたくさんコンサートをやっていたわけではありませんでしたが、それでもいま思うとかなりプレッシャーだったかもしれません。(このペースだと)楽しみながらコンサートを準備する余裕ができて、生活を楽しむことを久しぶりに体験しています。演奏家にとって大事なのは毎日の練習なので、それをいかにうまく治療と両立して続けていくか。主治医の先生も演奏スケジュールに合わせて治療計画を立ててくださっています。治るかもしれないし、治らないんだったら共存すればいいかなと」治療にも演奏活動にも前向きに取り組む姿勢は中村らしい。今年で71歳。さらに深化していくだろうその音楽を、私たちもあまり深刻にならずに聴き続けることが、なによりの応援になるはずだ。12月5日(土)にサントリーホールで開催されるリサイタルは6月11日(木)により先行発売が開始される。◆今後の主な公演6月19日(金) 東京オペラシティコンサートホール【トーク&リサイタル】9月27日(日) サントリーホール【小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団と共演】10月30日(金) サントリーホール 【渡邊一正指揮東京フィルハーモニー交響楽団と共演】12月5日(土) サントリーホール 【ピアノ・リサイタル】取材・文:宮本明
2015年06月05日東京海上日動あんしん生命保険はこのたび、7月2日より新がん保険「がん治療支援保険NEO」(正式名称:がん治療支援保険NEO(無解約返戻金型))および「がん診断保険R」(正式名称:がん診断保険(無解約返戻金型)健康還付特則 付加)を発売すると発表した。昨今、医療技術の進歩により、正常細胞を傷つけにくい放射線治療や副作用の少ない抗がん剤など、がん治療の選択肢が増えるとともに、これらの治療方法を併用するケースも増えているという。同社は、このような最新の治療実態を踏まえて保障の充実を図るとともに、顧客の要望にあった自在性のあるプラン設計を可能とする「がん治療支援保険NEO」を新たに開発したという。また、発売以来好評を得ているという「メディカルKit R」と同様の仕組みをがん保険にも導入した「がん診断保険R」を開発した。この商品は終身にわたって保険料を払込むことで月々の保険料負担を抑えつつ、70歳までの保険料合計額から診断給付金合計額を差し引いた残額を契約者に戻す機能を備えており、業界初という商品としている(5月同社調べ)。同社は、2007年9月発売の「がん治療支援保険」の発売以来、経済的な支援にとどまらず、予防から罹患時の心のケアまで顧客を総合的にサポートする「お客様をがんからお守りする運動」を展開しきたという。同新商品の発売により、これまで以上に「お客様をがんからお守りする運動」を強化していくとしている。○商品の特長がん治療支援保険NEOa.抗がん剤治療特約の改定:抗がん剤治療は、治療期間が長期にわたるケースが多く、がん治療の中でも金銭的な負担の大きい治療方法。昨今では副作用の少ない抗がん剤が増え、抗がん剤治療を受ける患者様も増えている。そのためこのたびの改定では、万一の際に、より多くの顧客が金銭的な不安なく、抗がん剤治療を受けられるよう、対象となる抗がん剤の範囲を拡大し、保険料を引き下げたb.悪性新生物初回診断特約の新設:初めて悪性新生物(上皮内がんは対象外)と診断された場合、診断保険金を支払う。最新の治療方法は高額なものもあり、複数の治療方法を組み合わせるケースも増えている。金銭的な不安を抱えずに、最良の治療方法を選択できるよう、初回のがんに対する保障を低廉な保険料で手厚くカバーできるc.上皮内がんの診断給付金支払の改定:最新の治療実態を踏まえたa.b.の特約により、金銭的負担の重いケースに備えることができる改定を実施した上で、高額な治療費がかかることの少ない上皮内がんについては、診断給付金の支払いを保険期間を通じて1回とする(支払う診断給付金額は100%)がん診断保険R同商品は同社が2013年1月に発売した医療保険「メディカルKit R」と同様の仕組みを、がん保険にも導入した新商品。なお、「メディカルKit R」は、発売以来、販売件数40万件を突破した(3月末現在)a.70歳までの保険料がリターン(Return):70歳まで、診断給付金の支払いがない場合、払込みした保険料が全額、健康還付給付金として戻ってくる。70歳までに、診断給付金の支払があった場合でも、払込みした保険料が支払った診断給付金の金額を上回るときは、その差額が戻ってくるb.一生涯のがん保障を加入時のお手頃な保険料でリザーブ(Reserve):診断給付金の支払いがなく、払込みした保険料を健康還付給付金として全額受け取った場合、万一がんと診断確定され診断給付金を受け取った場合、いずれも保険料は加入時の金額のまま変わらず、保障を一生涯続けることができる○商品概要保障内容がんに対する保障を確保する。また、各種特約を顧客のニーズにあわせ付加できる保険料例
2015年05月19日武田薬品工業(武田薬品)と国立がん研究センター(国がん)は5月8日、研究開発に関する契約を締結したと発表した。両社は今後、研究者や医師の交流を促進し、がんの発症メカニズムなどの基礎研究を進展させ、得られた成果を臨床開発研究へ応用していくことで新たな治療オプションの探索を進めていく。また、武田薬品は、国がんが進めている産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業「SCRUM-Japan」に参画する。「SCRUM-Japan」は全国の医療機関と製薬企業とが協力して実施するがん遺伝子異常スクリーニング事業。同事業で構築される遺伝子情報と診療情報を合わせたデータベースにアクセスすることで、新たな医薬品の研究開発を加速させることができるとしている。武田薬品は「国がんの臨床研究における知見と、当社の保有する技術基盤を融合させることで、より早く、革新的な治療を患者様と医療関係者の皆様にお届けできるものと期待しています」とコメントしている。
2015年05月11日国立がん研究センターはこのほど、コーヒーと緑茶摂取に関する全死亡リスクおよびがんや心疾患、脳血管疾患などの死亡リスクとの関係について明らかにした。同センターは、コーヒーと緑茶摂取と死亡リスクについて検討するため、多目的コホート研究を実施。多目的コホート研究では、40~69歳の男女約9万人を対象として1990年または1993年から2011年まで追跡調査した。調査から得られた結果をもとに、緑茶とコーヒーの習慣的摂取と全死亡およびがんなどの主要死因死亡リスクとの関連を調べたという。約19年(平均)の追跡期間中に1万2,874人が亡くなったが、その内訳は5,327人ががん、1,577人が心疾患、1,264人が脳血管疾患、783人が呼吸器疾患、992人が外因による死亡だったとのこと。結果を解析したところ、緑茶を一日1杯未満飲むグループを基準として比較した場合、一日5杯以上摂取したグループの全死亡リスクは、男性が「0.87」、女性が「0.83」となっており、それぞれ13%、17%もリスクが低下していることになる。また、摂取量が増えるにつれてリスクが下がる「負の相関」が見られていた。死因別では、がん死亡との関連は男女とも見られなかったが、心疾患による死亡は男女ともリスクが低くなっており、脳血管疾患と呼吸器疾患については男性でのみ低いという結果だった。緑茶摂取で心疾患などによる死亡リスクの低下が確認された理由について、同センターは緑茶に含まれ、血圧や体脂肪、脂質の調整作用があると言われる「カテキン」の効果によるものではないかと推定している。コーヒー摂取と死亡リスクの関連についても、同コホート研究による追跡調査から明らかになっている。研究開始時のコーヒーを飲む頻度に関する質問への回答から、調査対象者をコーヒーを飲む量に応じて5グループ(「ほとんど飲まない」~「一日5杯以上飲む」)に分類し、その後の全死亡およびがんや心疾患などによる死亡との関連性を調べた。その結果、コーヒーをほとんど飲まないグループを基準として比較した場合、一日3~4杯飲むグループの全死亡リスクが最も低くなっていた(0.76)。すなわち、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことになる。また、飲む量が増えるほど死亡リスクが下がる傾向があることも統計的に有意だった。死因別についても心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患については、コーヒー摂取による有意なリスク低下が見られた。同センターは、血糖値を改善し、血圧を調整する効果があるとされているクロロゲン酸や、血管内皮の機能を改善する効果があるとされているカフェインがコーヒーに含まれていることが、今回の結果につながったのではないかと推測している。ただ、同センターは「一日4杯までのコーヒー摂取は死亡リスク低下と有意な関連があることが示唆されました」とする一方で、「この研究で用いた質問票では、缶コーヒー、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーを含むコーヒーの摂取頻度を尋ねており、またカフェインとカフェイン抜きコーヒーを分けてはいませんので、この点をご留意ください」としている。なお、詳細は国立がん研究センターのホームページで確認することができる。※画像はすべて国立がん研究センターより
2015年05月07日国立がん研究センター がん対策情報センターはこのほど、2015年のがん罹患(りかん)数と死亡数の予測を明らかにした。がん情報の総合サイト「がん情報サービス」で公開している。同予測の「罹患数」とは、新たにがんと診断されるがんの数のことで、「死亡数」はがんで亡くなる人の数を指す。同センターでは、2015年の予測がん罹患数は98万2,100例(男性56万300例、女性42万1,800例)で、2014年の予測値より約10万例増加すると予測した。部位別で見ると、大腸がんと前立腺がんの罹患が増加し、男性では前立腺が最多となっている。同センターでは、2014年予測値と比べて罹患数が増加した要因として、高齢化とがん登録精度の向上を挙げている。前立腺がんの増加も、PSA(prostate specific antigen: 前立腺特異抗原)検診の普及が寄与していると考えられている。死亡数は、37万900人(男性21万9,200人、女性15万1,700人)。2014年の予測値より約4,000人の増加で大きな変化はないという。部位別で見ると、全体では大腸の順位が上がっているが、男女別での順位変動はなく2014年と同様の傾向にある。1980年頃からのデータと比較すると、罹患数、死亡数とも胃がんと肝臓がんの順位が下がり、肺がんと大腸がんの順位が上がっている。胃がんは高齢化の影響を除くと罹患数・死亡数は少ない傾向にあるが、高齢化の影響で増加または横ばいとなっているという。前立腺がんとともに、女性の乳がんの罹患率も高い(乳がんのデータは2003年以降)。なお、予測精度は主要部位の5年間の予測について、実測値と比較することで検証されているが、予測不能な要因などにより誤差が伴う場合もある。また、前立腺がんの罹患は、検診の動向などによって変動がありえるとのこと。
2015年04月30日国立がん研究センター(国がん)は4月28日、2015年に新たにがんと診断される患者の数(罹患数)と死亡数の予測を発表した。この予測値は地域がん登録数による1975~2011年の推計、人口動態統計がん死亡数1975~2013年の実測値、および将来推計人口をベースに算出されたもので、2014年より公開されている。まず、予測がん罹患数は98万2100例(男性:56万300例、女性:42万1800例)で、2014年予測値より10万例増加した。部位別罹患数では、大腸がん、前立腺がんの罹患が増加し、男性では前立腺がんが最多となった。国がんは罹患数の予測値が増加した要因として、高齢化やがん登録精度の向上などを挙げた。一方、死亡数については37万900人(男性:21万9200人、女性:15万1700人)と予測され、2014年の予測値から約4000人増、2013年の実測値からは約5000人増となった。部位別では肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順に死亡数が多いという予測となった。
2015年04月28日カリフォルニア プルーン協会はこのほど、米国マサチューセッツ州ボストンで開催された2015年Experimental Biology(実験生物学会)の会合で、ドライ・プルーンの摂食による健康効果を示唆する証拠が示されたことを発表した。閉経後女性の骨の健康の維持から喫煙者の炎症抑制効果まで、さまざまな効能の可能性が示唆されているという。○喫煙者の疾病リスクの抑制に役立つ可能性会合では、プルーンを日常的に摂取すれば、食物繊維や抗酸化剤として機能する多くの重要なビタミン、ミネラル類、フェノール類の摂取量が増加。喫煙者と非喫煙者の双方において抗酸化能の向上に効果があり、喫煙者については喫煙に関連する酸化ストレスに対し、ある程度の保護効果を与える可能性があることが示された。サンディエゴ州立大学の研究者の調査によると、喫煙者に関する同じ研究で、プルーンの摂取が喫煙に関連する気腫の予防に効果的な役割を果たす可能性があることがわかった。喫煙前のプルーンの摂取と肺組織炎症の兆候の減少とが関連づけられたという。サンディエゴ州立大学の運動栄養科学学部研究者で教授のマーク・カーン博士は、「プルーンには健康を促進する酸化防止活性のあるネオクロロゲン酸などの植物性化合物が含まれているため、より栄養価の低いものの代わりにプルーンを軽食として選べば、禁煙に苦労している喫煙者の疾病リスクの低下に効果があるかもしれない」と述べた。その他の研究結果として、プルーンは消化管内の善玉菌の保持を促進し、結腸がんリスクを低下させること、閉経後女性の骨喪失の抑制、予防に役立つことも示唆された。
2015年04月06日国立がん研究センターは4月2日、乳がんの脳転移にがん細胞から分泌される微小な小胞エクソームが関わっていると発表した。同成果は分子細胞治療研究分野の富永直臣 研修生、落合孝広 分野長の研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。乳がんは比較的予後の良いがんとして知られる一方、治療後、長期間を経て脳転移が認められることがある。脳への転移は予後に大きな影響を及ぼしQOLを著しく低下させるが、そのメカニズムについてはわかっていなかった。同研究では、がん細胞が分泌する直径約100nmの顆粒(エクソーム)が、脳血管で物質透過を制限しているBBBという生体バリア構造を破壊していることを突き止めた。エクソームに含まれるmiR-181cというマイクロRNAがBBBの構造を変化させた結果、バリア機能が失われ、がん細胞が容易にBBBを通過し、脳転移を引き起こしていると考えられるという。がんの脳転移メカニズムを明らかにした今回の成果は今後、早期発見および新規治療法の開発への応用が期待される。
2015年04月02日国立がん研究センターはこのほど、日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値を公表した。同推計値は、国立がん研究センター がん対策情報センターが2011年にがんに罹患(りかん)した全国推計値を算出したもの。集計元のデータは、地域のがん対策に役立てるため、都道府県が1975年より登録している「地域がん登録」のデータで、2011年分においては40県(2010年は30県)が登録を行ったという。この登録数の増加と登録精度の向上により、従来の罹患数・率だけではなく、各都道府県における主要部位の標準化罹患比(※)および標準化死亡比(※)を算出し、それを地図上に示す試みを今回初めて実践したという。※年齢構成の異なる集団間の罹患数・死亡数の比較に用いられる方法で、標準とする人口集団と同じがん罹患率であるとしたら、その集団で何人のがん患者が発生するかを予測し(期待値)、実際の罹患数(死亡数)をその期待値で割ったものが、標準化罹患(死亡)比となる。集計結果による2011年の全国のがん罹患数は下記の通り。■男性49万6,304人■女性35万5,233人■合計85万1,537人同センターによると、2010年の推計と比較した各部位の罹患数は、男性のみ変化があったという。2010年時に4位だった「前立腺」が今回は2位となっている一方、女性は順位変動がなかった。各部位の標準化罹患比は下記の通り。厚生労働省の「平成23年人口動態統計月報年計」において、男性の「死亡数・死亡率」(人口10万対)が最も高かった「肺がん」。今回の集計では、男性では北海道と青森県、また近畿圏で、標準化罹患比と標準化死亡比ともに高く共通した分布が見られた。 女性では男性ほどの偏りは見られなかったが、北海道および近畿以西で罹患、死亡ともに多い点は共通していた。男女共に一定規模で死亡数が多い「胃がん」に関しては、標準化罹患比は、男女共に日本海側の県に集中している傾向が見られた。 標準化死亡比よりも、標準化罹患比においてその傾向が強く出ていた。女性に多い乳房および子宮がんのデータも公表された。女性の乳房に関しては、はっきりとした地域の偏りは見られなかった。罹患数が増えているという前立腺も、地域による偏りは確認されなかった。同センターは今回の発表について、「罹患比と死亡比との差異や、地域差を観察することで予防、早期発見、治療を含む都道府県がん対策に役立てられます」としている。なお、詳細は同センターでも公開している。
2015年03月27日機能性食品「AHCC」の研究・製品化などを行っているアミノアップ化学は17日、女性特有の病気である「子宮頸がん」の基礎知識をはじめ、子宮頸がんの予防効果が期待できるAHCCの最新研究結果や予防方法のアプローチなどをまとめたニュースレター「AHCC通信 Vol.3」を発行した。子宮頸がんは、毎年約3,000人以上が亡くなっているといわれる深刻な病気。とりわけ、がんの中でも330代までの若い患者が多く、重症になると子宮摘出など大がかりな手術が必要となり、妊娠をすることができなくなったり、手術後の障害も多いといわれている。また、がんになっても進行するまで無症状であることが多く、予防・早期発見には若いうちから定期的に子宮がん検診を受けることが大事とのこと。子宮頸がん患者の99%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることから、HPVが原因ウイルスであると考えられている。HPVは女性の約80%が知らない間に感染しているといわれ、20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われている。こうした子宮頸がんに対して、予防効果が期待されているのが「AHCC」だ。AHCC(Active Hexose Correlated Compound : 活性化糖類関連化合物)は、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。健康食品・サプリメントとして、日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられている。2014年10月29日に米国・ヒューストンで行われた「第11回アメリカ癌統合医療学会(SIO2014)」においては、「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果も発表され注目を集めている。HPVを除去する医薬品は未だ開発されていないため、この研究では更に大規模な試験を計画しており、AHCCの作用とHPV死滅の因果関係解明が期待されている。なお、3月28日に神戸学院大学にて「ハイリスクHPV感染に対するAHCCによる治療の可能性」に関するセミナーが行われるほか、大阪大学にて「サプリメントの臨床応用への薬剤師の役割」に関する講演が29日に実施される予定となっている。
2015年03月23日リプロセルは3月9日、国立がん研究センター(国がん)とヒト正常上皮細胞とがん細胞の培養試薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。同研究では、これまで樹立や培養が困難だった各種がん細胞および正常上皮細胞を安定的かつ高効率に培養することが期待される。同社は「上皮細胞向けの培養試薬は身体のさまざまな部位に存在する、あらゆる上皮細胞を対象としております。また、がん細胞向けの試薬も、がん研究の障害であった培養の困難を克服する画期的なものであります」とコメント。次世代シーケンサーを用いた臨床検査事業におけるがん診断サービスへの取り組みに着手しているとした。
2015年03月11日国立がん研究センターは3月10日、次世代シーケンサーによるマルチプレックス診断パネルを取り入れた産学連携がんゲノムスクリーニング「SCRUM-Japan」を立ち上げたと発表した。同事業は、これまで実施してきた肺がんが対象の「LC-SCRUM-Japan(2013年開始)」および大腸がんが対象の「GI-SCREEN-Japan(2014年開始)」という2つの全国規模のゲノムスクリーニングネットワークを統合したもの。実施期間は2015年2月~2017年3月31日を予定しており、4500例の登録を目指す。現時点ではアステラス、協和発酵キリン、アストラゼネカなど計10社が契約を締結済みで、今後数社増える予定だという。また、医療機関側は全国で計200施設が参加する。患者の検体からがんのドライバ遺伝子を特定し治療薬を分子レベルから検索するクリニカルシーケンシングでは、各遺伝子ごとに有効な治療薬を検索すると時間がかかる。同プロジェクトでは、米サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した「Oncomine Cancer Research Panel(OCP)」というマルチプレックス診断パネルを採用。OCPは140種以上の遺伝子を同時に解析できるほか、微量検体から解析することができるというメリットがある。「SCRUM-Japan」では、全国の医療機関で収集した検体を遺伝子解析し、治療の標的となる特定の遺伝子に異常を持つがん患者を発見する。異常が発見された患者は対応する治療薬への臨床試験へ参加できる可能性もあり、新たな治療機会を得ることができる。収集された患者の遺伝子情報と診療情報は、治療選択の参考として用いられるほか、匿名化された上でデータベース化され、今後のがん研究に活用されることになる。今後、「SCRUM-Japan」を通じてマルチプレックス診断薬の臨床応用の実現や、有用な治療手段のない希少な遺伝子異常を持つ患者に新たな治療選択が提供可能となることが期待される。
2015年03月11日国立がん研究センターは1月29日、国際共同ゲノムプロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム(IGC)」において、胃がん、胆道がんのプロジェクトを新たに立ち上げると発表した。IGCは、世界各国を通じて臨床的に重要ながんを選定し、国際的な協力のもと少なくとも各500例の高解像度のゲノム解析を行い、がんのゲノム異常の包括的カタログを作成、網羅的がんゲノム情報を研究者間で共有・無償公開することでがんの研究および治療を推進することを目的としている。現在、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、南北アメリカの17カ国が参画し、73種のがんについてプロジェクトが進められており、日本では国立がん研究センター、理化学研究所、東京大学が共同で、肝細胞がんを対象とした研究が行われている。新たにスタートする胃がんは、日本において罹患数が最も多いがん腫で、大規模なゲノム解析を行うことで、分子治療・診断開発を目指した日本人特有のゲノム異常の同定することなどを目標とする。胆道がんは東アジアで特に頻度が高いことが知られており、国立がん研究センターでは2013年11月には新規FGFR2融合遺伝子を標的とする臨床試験が計画されるなど成果を挙げている。今回さらに徹底的な解析を行うことでさらなる治療標的の同定とその臨床開発を進めていくほか、同じく胆道がんプロジェクトが始まったシンガポールとも協力して発がん要因の解明を目指すとしている。
2015年01月29日国立がん研究センターは1月20日、肺がんの悪性化に関る新たな分子メカニズムを解明したと発表した。同成果は、同センター難治進行がん研究分野の江成政人 ユニット長らの研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載された。同研究では新たに、肺がん細胞から分泌される因子によってがん周辺間質の主要な細胞である線維芽細胞のがん抑制因子p53の発現が抑制されることを発見。p53の発現が低下した線維芽細胞では、TSPAN12というタンパク質が増加し、線維芽細胞とがん細胞との細胞間接触依存的に肺がん細胞の浸潤能および増殖能を促進していることが判明した。さらに、TSPAN12は分泌性因子であるCXCL6の発現を誘導し、これら線維芽細胞由来の分泌性因子も肺がん進展に協調的に働くことも明らかとなった。今後、TSPAN12およびCXCL6はがん周辺の間質の有用な治療標的となり得ると考えられ、これらのタンパク質に対する抗体、ペプチド、低分子化合物などが、既存の抗がん剤との併用で治療効果をもたらすことが期待される。
2015年01月20日今や国民病といえるがんの診断と治療技術は、日進月歩で進歩しています。最近のがん治療は通院(外来)で行われることが増えてきました。そのため、入院治療主体の従来型のがん保険では、治療実態と乖離(かいり)し、十分な保障が得られない可能性があります。そこで、最近のがん治療や最新のがん保険について考えてみました。国民の約2人に1人はがんにかかる!?がんは国民病といっていいほど、身近な病気になりました。一生涯のうちにがんと診断される人の割合は、男性58.0%、女性43.1%。約2人に1人ががんにかかるのです。そして、がんは昭和56年(1981年)から日本人の死因第1位を占めています。平成25年のがんによる死亡者数は36万5,000人で、全死亡者のうち28.6%でした。がんは30年以上にわたって死因の第1位を占めていますが、医療技術の進歩によって徐々に治る病気になりつつあります。ただ、治療は長期にわたることもあり、公的医療保険が適用される治療だけを受けても、毎月の医療費負担は家計の重荷になります。もし、高額な先進医療の技術を受けることになると、経済的なダメージはさらに大きくなります。また、がんにかかると、通院のために職場の配置転換や離職を余儀なくされることもあり、収入減や収入途絶が追い打ちをかけます。こういった経済的ダメージへの備えとしてがん保険があるわけですが、最近、保障内容に変革が起きています。それは、治療方法が変わってきたからです。では、最近のがん治療はどう変わったのでしょうか。がん治療は「集学的治療」が主流以前のがん治療は、「入院して手術」が主流でした。現在でも、手術はがん治療の有効な治療法ですが、最近はこれに、放射線治療や抗がん剤治療を効果的に組み合わせる治療法が主流となっています。これを「集学的治療」といいます。放射線治療や抗がん剤治療は通院だけで行われることもあり、手術も技術の進歩で日帰りや短期間の入院ですむケースがあります。こういった治療法の進歩で、がん治療は入院から通院にシフトしているのです。下表は、がんの受療率の年次推移ですが、平成17年を境に、通院治療の方が増えています。ところが、入院・手術を前提とした従来型のがん保険では、通院だけの治療では受け取れる給付金はがん診断給付金くらいで、通院については十分な保障が得られるとは言い難いのです。そこで、最近のがん治療に合わせた保障内容を盛り込んだ新しいがん保険が登場してきています。このタイプをここでは新型がん保険と呼ぶことにします。大きく、「通院重視型」と「一時金重視型」に分かれる新型がん保険の傾向をみてみると、通院だけでも給付金が支払われる「通院重視型」と、診断給付金・治療給付金などまとまったお金の給付を重視した「一時金重視型」に大別されます。通院重視型は、文字通り、手術・放射線治療・抗がん剤治療などの治療を受けるために通院すれば、日数分の給付金が支払われます。入院の有無にかかわらず、がんの治療のために通院すれば給付されるのが通院重視型の新型がん保険の特長です(経口投与による治療は対象外になる等、保障内容は保険商品により異なります)。もちろん、入院治療でも給付金は支払われます。一時金重視型は、診断給付金や治療給付金としてまとまったお金を受け取って、自由に治療費、あるいは生活費の補填等にあてられるタイプの保険です。どちらのタイプがいいかは、その人の考え方によります。入院・通院のどちらの治療を受けても日数分の給付金を受け取りたい人は通院重視型、まとまったお金をもらって治療費などにかかる費用を賄う方がいいと考える人は一時金重視型がいいでしょう。新型がん保険を検討する際は、がん診断給付金の内容もチェックしてください。診断給付金はがんと診断されると支払われるがん保険がほとんどで、入院を伴わなくても受け取れます。ただ、最初のがん診断時に1回のみしか受け取れないがん保険と、複数回(2年に1回が限度の商品が多い)受け取れるがん保険があります。がんは再発や転移が心配な病気なので、複数回の方が安心でしょう。ただ、保障が手厚い分、保険料は高くなるので、1回のみしか受け取れないがん保険でもいいと割り切ることも必要かもしれません。先進医療の保障は、どちらのタイプのがん保険にもセットされているか、特約でつけられるようになっています。がんに関する先進医療の技術料は高額なものがあるので、今や必須の保障といっていいでしょう。通算限度額は1,000万円、2,000万円などがあり、2,000万円が主流になりつつあります。これは、1,000万円か2,000万円あればよいでしょう。ただし、現在ご加入の医療保険に先進医療の保障がセットされていたら、がん保険にはなくてもいいでしょう。医療保険の先進医療でがんの先進医療もカバーしているので、両方につけると重複してしまうからです。なお、公的医療保険適用、自由診療(海外では治療に使われているが、日本国内では承認がおりていない抗がん剤を使用する治療などのこと。治療費が公的医療保険対象部分も含めて全額自己負担になる)のどちらの治療を受けても、先進医療の治療費を含めてかかった治療費の全額が支払われるがん保険もあります。5年以上前にがん保険に加入した人は、保障内容は従来型のがん保険のケースが多いので、この機会に見直しをしましょう。コラム執筆者プロフィール 小川 千尋(おがわ ちひろ)ファイナンシャルプランナー/子育て・教育資金アドバイザー/終活カウンセラー/整理収納アドバイザー1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャルプランナーとして、主にマネー誌、一般誌、新聞などのマネー記事の編集・執筆・監修、セミナー講師などで活動。オールアバウト「生命保険」ガイドも務めている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年12月09日東京工科大学は11月20日、褐藻類シワヤハズ由来の「テルペノイド・ゾナロール」が、潰瘍性大腸炎を抑制することを発見したと発表した。同成果は同大学応用生物学部の佐藤拓己 教授らによるもので、米科学誌「PLOS ONE」11月19日号に掲載された。佐藤教授らが潰瘍性大腸炎モデルマウスを用いた研究で、褐藻類シワヤハズに由来する化合物であるゾナロールを経口投与したところ、大腸における潰瘍を抑制する効果を確認した。ゾナロールが転写因子Nrf2の活性化に作用し、炎症反応を抑制したと考えられている。褐藻類とは、コンブやワカメなど、褐色をした海産の多細胞の藻類を中心とする生物群。シワハヤズは日本、台湾など北太平洋に分布している。今後は製薬会社や食品会社と連携しながら、医薬品や健康食品への応用、新たな治療法の開発を目指していくという。
2014年11月20日味の素は2011年4月より、少量の血液から血中のアミノ酸濃度バランスを調べる「アミノインデックス技術」を用いた、がんリスクの解析サービス「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)」を提供している。「AICS」は、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、がんに罹患しているリスクを評価するというもの。1回の採血(約5ml)で最大5種類のがんの罹患リスクを調べることができる。具体的には25種類のアミノ酸からそれぞれのがんに応じて6種類を抽出し、その血中濃度を解析しているという。がんに罹患した場合アミノ酸のバランスは数カ月で変化するとのことで、味の素は年1回の受診を推奨している。このほど、同検査を体験してきたのでその内容をご紹介する。なお、今回紹介する検査の流れなどは受診する病院によって異なる場合があるのでご注意いただきたい。○採血はあっという間に終了 - 結果は……?筆者が受診したのは都内の某病院。まず、通常の健康診断と同じように電話をかけて予約をする。その際、検査前8時間以内に水以外は摂取していけない、必ず午前中に採血するなど注意事項の説明を受ける。検査当日、受付を済ませた後は5分とかからずに名前を呼ばれ、採血へ。上記でも説明したとおり「AICS」は少量の血液しか必要としない点が特徴で、採血はあっという間に終了した。後日届いた「アミノインデックス報告書」がこちら。「AICS」ではアミノ酸濃度バランスを0.0~10.0でスコア化し、がんの部位ごとにA~Cのランクが付けられる。Aが最もリスクが低く、Cが高い。筆者の場合は胃、肺、前立腺はAランクだったが、大腸がんがBランクで有病率は0.13~0.21%だった。ここで提示されている有病率は、一般的ながんの有病率を0.1%(1万人に10人)としているため、この場合はその1.3倍~2.1倍リスクが高いことになる。○全国850カ所で受診可能今回「AICS」を受診してみて、何より驚いたのは検査の簡便さ。わずかな血液しか採取しないことは事前にわかっていたが、がんリスク検査に対して身構えていたこともあり、あまりに早く終わったので少々拍子抜けにすら感じた。結果については、筆者はヘビースモーカーなので何かあるとすれば肺だと思っていたが、実は大腸のほうがリスクが高いことを知ることができて良かったと感じている。一般より最大で2.1倍のリスクがあることは多少ショックだったが、生活習慣の改善によってBランクをAランクに戻すことも可能とのこと。自分の食生活などを見直す機会になった。「AICS」は全国850カ所の医療機関で導入されており、臨床アミノ酸研究会のウェブサイトから検索することができる。医療機関によっては、結果について疑問がある場合、面接を行って医師の説明を受けることもできるという。今後すい臓がんや生活習慣病など、検査対象を広げていくとのことで、身体的負担の少ないリスクスクリーニング検査として注目を集めるだろう。興味のある方は受診してみてはいかがだろうか。
2014年11月20日今、日本人の2人に1人が何らかのがんになるといわれています。がんになる確率は、男性が約58%で、女性は約43%(公益財団法人がん研究振興財団調べ)。がんは特別ではなく、誰もがなりうる病気だと言えるのでしょう。がんの原因や予防法の研究も進んでいますが、完全に予防するのは難しいこと。「もしも自分ががんになったら」という心構えを持ち、いざというときによい選択ができるように備えておきましょう。■適切な治療をすれば、がんは治る時代「不治の病」というイメージがあったがんですが、早期発見により適切な治療を行えば、治る可能性は格段に高くなります。では、治療にはどのような種類があるのでしょうか。従来、がん治療の基本は、外科手術によりがん細胞を取り除くことでしたが、近年は薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療が進歩しています。外科手術、抗がん剤治療、放射線治療の3つを合わせて「3大がん治療」といい、そのいずれかを行った割合は、全体の9割を占めています。■自己負担になるがん治療と、ならないがん治療公的医療保険制度の対象となる診療、つまり保険の効く診療であれば、自己負担額は医療費の3割(70歳以上の場合は所得により1割~2割)のみで、仮に医療費が高額になった場合でも、「高額療養費制度」により一定限度額以上の治療費は、請求すれば戻ってきます。ですが、がんの場合は、公的医療(保険診療)の対象とならない、全額自己負担の治療もあります。どんな治療が公的医療の対象になり、どんな治療が自己負担になるのか、「標準治療」「自由診療」「先進医療」という3つの用語を整理しながら、確認してみましょう。(1)標準治療医学学会で検討され、科学的な根拠に基づいた観点で「患者にとって現在利用できる最良・最善な治療法」とされるもの。がんの種類ごとおよび、それぞれのがんの進行状態ごとに決められています。「標準」とは、その時代で最も良い、基本になる治療という意味で使われ、「標準的・平均的」な治療法のことではありません。公的医療保険制度の対象となります。(2)自由診療海外ではすでに承認されていても、日本国内では未承認の治療は「自由診療」で受けることになります。「進行がん」や「再発・転移」時には有効な薬を投与しても、徐々に耐性ができ効かなくなるため、自由診療を選択することもあるでしょう。その場合、公的医療保険制度の対象にならないため、全額自己負担となります。(3)先進医療厚生労働大臣によって定められた高度な医療技術を用いた療養のことで、公的保険適用にするかを評価する段階にある医療を指します。がん治療の場合、「陽子線治療」「重粒子線治療」などが知られています。先進医療そのものにかかる費用は全額自己負担ですが、その前段階の診察や検査などでは公的保険が適用されます。■治療以外にも、ウィッグや乳房再建など、女性特有の医療費がかかるがんの治療に自由診療や先進医療の治療法を選択した場合、そもそもの費用がそれなりに高額のため、全額自己負担となると、金銭的負担がかなり大きくなります。女性の場合、抗がん剤の副作用で抜けてしまった髪をカバーするためのウィッグ(医療用かつら。1万~30万円)や、乳房再建術(保険適用の場合、10万円前後、保険適応外のもので50万~100万円くらい)といった費用が、治療費のほかに必要になることもあります。最初にもお話しした通り、がんはもはや特別な病気ではありません。自分にとって納得のいく治療をするためには、保険での備えがあると安心です。そして、何といっても早期発見が重要。保険に加入することだけではなく、定期的な健診を受けることも心がけましょう。
2014年11月19日東京医科歯科大学と科学技術振興機構(JST)は8月16日、マウスをモデルとした実験で体外に取り出して培養した小腸上皮細胞を消化管(大腸)へ移植することに成功したと発表した。この成果は、同大学大学院医歯学総合研究科 消化管先端治療学の中村哲也 教授、同 消化器病態学分野の渡辺守 教授、同 水谷知裕 特任助教、同 福田将義 医員らの研究グループによるもので、米科学誌「Genes & Development」にて発表された。同研究グループは2012年に、大腸の最も内側にならぶ上皮組織の幹細胞を体外で増やし、移植することで傷害を受けた大腸の修復が可能であることをマウス実験で確認していた。しかし、小腸について同様に体外で増やした細胞の移植による上皮組織の再生が可能かどうかはわかっていなかった。今回の研究では、肛門付近の大腸に上皮の欠損を生じる大腸傷害マウスモデルを作成し、全身で蛍光を発する別のマウスから小腸上皮細胞を取り出して増やした後に、大腸傷害マウスへ移植。その後経過を観察して体外で増やした小腸上皮細胞を別のマウスへ移植し上皮組織が再生可能であるか、移植片内で再生する細胞はいかなる性質を示すのかを調べたという。大腸傷害マウスを調べたところ、移植直後から蛍光で識別できる移植小腸細胞が大腸組織に接着して新しい上皮を形成し、2週間後には、移植細胞が生体内で分裂・増殖を繰り返すことが判明。4週間あるいは4カ月経過後にも、小腸細胞が移植を受けたマウスの大腸に安定して組み込まれていることがわかり、移植細胞が体内で上皮組織を再生する幹細胞として機能することが確認されたという。次にこの移植片を詳しく調べたところ、増殖を繰り返す細胞群とともに通常の小腸上皮に含まれるすべてのタイプの細胞を含むことから、移植された細胞が個体内で小腸型の上皮幹細胞として機能していることがわかったという。それに加え、移植片内に通常小腸に見られ大腸には見られない特徴が含まれること、その細胞が示す遺伝子パターンも大腸とは明らかに異なることもわかり、実際に小腸型上皮幹細胞に特徴的な形態と機能を持つ細胞を確認することができたとのこと。同研究グループは、これらの結果から、「体外で増やした小腸上皮幹細胞が、たとえ自身が由来する小腸と異なる(大腸)環境に長期間おかれても、小腸型幹細胞としての性質を維持できることも明らかとなった」と結論付け、今後この発見がさまざまな細胞を利用する消化管上皮再生医療技術の基礎となることが期待されるとしている。
2014年08月18日(画像はイメージです)子宮体がんとイソフラボンの摂取女性のがんに関しては、胃がんは低下しているのに乳がん、子宮体がんは大きく増加しています。子宮体がんの発現にはエストロゲンが抑制方向の作用を持つため、早い初経、遅い閉経、未産婦などがリスク要因と想定しています。大豆食品にはイソフラボンは化学構造がエストロゲンと似ていることから、子宮体がんの発生には予防的に働くことが予想されますが、いくつかの疫学的調査では結果が一致せず、前向き研究もありません。JPHCによる検討国立がん研究センターの「多目的コホート(JPHC)研究」で大豆摂取とイソフラボンの関連を調べ、その結果をBJOGで発表。対象は45-74歳の女性約4万人、観察期間は平均12年。大豆食品の総摂取量は、アンケートに含まれている豆腐、納豆、みそなどの8項目から算出。追跡期間中に、対象者集団のうち112人が子宮体がんと診断されました。イソフラボン摂取量を低摂取、中摂取、高摂取の群に分けて低摂取群に対するハザード比を計算しました。大豆食品量も同じ計算を行いました。結果は、イソフラボン摂取量、大豆食品摂取量共に子宮体がんのリスクには有意な変化はありませんでした。可能性としては,日本人においては大豆食品やイソフラボンの摂取量は元々高いこともあり、大豆食品やイソフラボンの摂取量と子宮体がんの関係を明らかにするには、更に大規模な研究が必要と結論。【参考】・国立がん研究センタープレスリリース・BJOG文献
2014年06月23日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「がんもどきの煮物」を含めた全4品。味がしっかり染み込んだ、がんもどきとナスがホッとする和食の献立です。カツオのたたきは梅肉みそダレでサッパリと。 がんもどきの煮物 だしを吸ったふわふわながんもどきと、切り込みにしっかり味が染みこんだナスは、ホッとする和食の味です。 カツオのたたき・梅肉みそダレ 梅酒の梅入りで食べやすい梅肉に。かつおのたたきの臭みが気になる方にもおすすめです。 具だくさんの豚汁 里芋、大根、ニンジン、ゴボウなど。お好みの具を入れてだしに野菜のおいしさが出た豚汁です。 和風デザートアイス 市販のアイスクリームに抹茶を溶いてかけるだけでおしゃれなおもてなしデザートに。 ⇒今日の献立一覧はこちら
2014年05月30日アクサダイレクト生命保険(以下アクサダイレクト生命)はこのび、カカクコムが3日に発表した『価格.com保険アワード2013』において、同社の「カチッと終身がん」が”がん保険の部(インターネット部門)”で第1位を獲得したと発表した。『価格.com保険アワード2013』とは、カカクコムが運営する総合保険比較サイト「価格.com保険」において、2013年の1年間でユーザーから最も申込み数の多かった保険商品を販売チャネル別に選出するもの。このたび、がん保険の部(インターネット部門)において、アクサダイレクト生命のがん保険(終身型)「カチッと終身がん」が第1位を獲得したという。カカクコム・インシュアランスによる「カチッと終身がん」の評価寸評は、シンプルでありながら、インターネット上で保障内容をオーダーメイドで組み合わせることができる商品。カカクコム・インシュアランスは、カカクコムの100%子会社。
2014年04月14日東京大学分子細胞生物学研究所(IMCB)は1月23日、幹細胞マーカー「Lgr5」が、ほとんどのヒト大腸がんで多量に発現していること、そして大腸がんが腫瘍を作るために極めて重要な役割を果たしていることを見出したと発表した。成果は、IMCBの秋山徹教授、同・川崎善博講師らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月23日付けで英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載された。最近の再生医学や幹細胞研究の飛躍的な進歩によって、腸管では「腸管幹細胞」が自己複製すると同時に分化して腸管を形成する機構が解き明かされてきている。このような研究で重要な役割を果たしているのは、幹細胞に多く発現し、幹細胞を特定するための目印の「幹細胞マーカー」となるいくつかの分子だ。Lgr5も腸管幹細胞マーカーの1種で、さまざまな研究に利用されており、また、腸管幹細胞の機能に重要な役割を果たしていることが示されている。なお、Lgr5は「7回膜貫通型タンパク質」の1種で、細胞膜を7回貫通する特徴的な構造を持つタンパク質だ。細胞外の因子を受け取り、細胞内に伝える役割を持つ。一方でがん研究にも幹細胞という概念が導入され、腫瘍を形成しているがん細胞は一様でなく、一部の「がん幹細胞」と呼ばれる細胞のみが強い造腫瘍性を持つこと、さらに、がん幹細胞は、自己複製すると同時に、造腫瘍性の低下したがん細胞に異分化して増殖すると考えられるようになってきた。化学療法や放射線治療によって一時的にがんが退縮しても再発してくるのは、大部分の造腫瘍能の低下したがん細胞が死滅しても一部のがん幹細胞が生き残っている可能性が示唆される。従って、がん細胞における幹細胞性の重要性を明らかにすることは現在のがん研究の最も重要な課題の1つだ。そこで研究チームは今回、幹細胞マーカー「Lgr5」に注目。ほとんどのヒト大腸がんで多量に発現していること、そして大腸がんが腫瘍を作るために極めて重要な役割を果たしていることを見出したのである。例えば、特定の遺伝子の発現を抑えることができる「siRNA」(短いRNA配列)を用いて大腸がん細胞のLgr5の発現を抑制すると、胸腺を欠くため免疫機能が働かないマウス(ヌードマウス)で腫瘍を作る能力が顕著に低下することが明らかになった。一般に、腫瘍を作る能力が低下したがん細胞は、シャーレの中での増殖能が低下したり、細胞死を起こしたりすることがよく知られている。しかし、Lgr5の発現が低下した大腸がんの細胞はこのような性質を示さなかったという。従って、Lgr5の幹細胞性に関わる機能が造腫瘍性に重要である可能性があると示唆されたというわけだ。それでは、なぜLgr5は大腸がん細胞で多量に発現しているのかという点にも研究チームは迫り、大腸がん細胞では転写因子の1種「GATA6」が大量に発現しており、直接Lgr5の転写を活性化していることを見出した。なお転写因子とは、DNAの特定の塩基配列に結合して、遺伝子の発現を調節するタンパク質の総称のことをいう。またその後の解析によれば、大腸がんの細胞ではsiRNAの1種「miR-363」の発現が低下していることがわかり、大腸がんにおけるGATA6とLgr5の大量発現はmiR-363の発現の低下によるものと示唆されたという。miR-363はGATA6の発現を抑制する働きがあるが、発現が低下しているためにGATA6の発現が増加しているという仕組みだ(画像)。今回の成果は、細胞内におけるmiR-363、GATA6、Lgr5の3分子による情報伝達の仕組みががんの分子標的薬を創製する上で重要な標的となることを示唆しているという。今回の研究の成果により、今後、この仕組みを標的とした薬剤が開発され、大腸がんの治療に貢献することが期待されるとした。
2014年01月29日がん、と聞くと怖い病気だとは分かっていても、「私はまだまだ若いから大丈夫・・・」と人事のように思いがち。しかし現在は、生涯のうちにがんになる人は2人に1人という時代。まだまだと言って、のほほんと待ち構えているのではなく、若い時からこそ、がんについての知識をきちんと学び、向き合うことが大事なのです。実は最近中学からがんについての特別授業「生きるの教室」というものがあることをご存知でしたか?バイエル薬品株式会社が設立100年を迎えた2011年より取り組んでいるプログラムは、今後の日本の未来を担っていく中学生に対し、がんの知識や予防、早期発見、検診の重要性を伝えるために実施されているもの。これにより、将来の日本における検診率アップとがんによる死亡率を下げることを目標に掲げています。実際に、昭和56年から死因の第1位ががんであり、平成23年には年間1万7千人以上が、がんが原因で亡くなっているという現状の埼玉県に位置する入間市立金子中学校でも、12月に実施されたばかり。そこでは 東京大学医学部附属病院 の放射線科准教授/緩和ケア診療部長の中川恵一先生が講師として 、また、乳がん体験者の集いである、あけぼの会埼玉支部支部長の持田豊子さんが講師として登壇し、生活習慣の改善でがん予防が可能であること、検診による早期発見の大切さを伝えました。また、生徒達はただ授業を聞くだけではなく、グループワークにも積極的に参加。「がんで大切な人を失わないために自分は何ができるか」を話し合い、班ごとの発表で率直で活発な意見を発表しました。受ける前のアンケートでは約8割以上が「がんは予防できない病気」と考えていたり、約6割以上が「2人に1人はがんになる」という事実を知らなかったという生徒達。また、約7割以上が「がんについて家族と話したことがない」という経験を持ち、約7割以上が「家族ががん検診を定期的に受けているかどうか知らなかった」というほど、がんに対しての知識だけでなく、家族のがんに対しての意識も薄かったということが浮き彫りとなってしました。しかし講師達によるセッションや自分達で行うグループワーク、そして事後アンケートなどで、彼らたちのがんへの意識と理解をより深いものへ、そしてがんへの予防を考えるだけではなく実行させるものへと明らかに変化していったことが見受けられたようです。このように、現代は中学生からがんについての知識を深めていく時代。皆さんもがんになってからはではなく、そうなる前にきちんと知識を養い、予防を始めていきませんか?
2013年12月26日がんの高度先駆的医療技術開発するため、共同研究を進めてきた国立がん研究センターと島津製作所は、創薬研究手法の開発などから、3つの成果を得られたと発表した。1つ目は、腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージング技術の確立により、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度と効果との関連の評価を開始したこと。国立がん研究センター研究所 臨床薬理部門 部門長 濱田哲暢氏らによるもので、医薬品の早期相の臨床試験(第I相臨床試験)の促進を目指すという。これまで見ることが難しかった組織の間質、血管部位、腫瘍部位への移行などを捉えることができるこの創薬研究手法は、ヒトの腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する分子イメージングを行うことで、投与量の設定、作用の評価、臨床試験の短縮を可能にするという。なお、この研究は厚生労働省革新的医薬品・医療機器・実用化促進事業「全ゲノム配列解読・分子イメージング技術を組み合わせた革新的創薬研究手法の開発と個別化医療の実現」および国立がん研究センターがん研究開発費「抗悪性腫瘍薬の新規臨床薬理研究手法の開発に関する研究」により行われた。2つ目は、DDS抗がん剤(パクリタキセル内包ナノ粒子:NK105)の薬剤分布を高精細画像化し、DDS抗がん剤が通常の抗がん剤よりもがん組織に多く長く集まり、かつ、正常組織にはほとんど移行しないことを明らかにしたこと。国立がん研究センター東病院臨床開発センター 新薬開発分野 部門長 松村保広氏らによる成果。具体的には、質量顕微鏡を利用し、NK105を投与したマウスのがん組織と正常組織を画像で評価した結果、NK105ががんの塊の奥深くまで長時間集まっていること、および正常な組織にはほとんど移行していないことが確認できたという。DDS抗がん剤の創薬コンセプトがマウスにおいて証明されたことで、現在進行中の第III相臨床試験の結果が期待されるほか、前臨床の段階で詳細な薬剤分布を確認できたことで、次世代のDDS抗がん剤開発においても大きな一歩となるという。なお、この研究は国立がん研究センターがん研究開発費(特別)「がんナノテクノロジー研究プラン」により行われた。3つ目は、がん治療において適用範囲や品目が拡大する抗体医薬品の投薬量の決定や副作用の予測、医薬品の品質管理などを目的とし、多品目にわたる抗体医薬品に対応可能な血中濃度モニタリング技術(質量分析を用いた血液濃度測定技術を開発したこと。この研究は、島津製作所 ライフサイエンス研究所 産学連携研究室 グループ長 嶋田崇史氏らによるもの。ナノ粒子表面に結合したタンパク質分解酵素を用いて支持体上の抗体を分解することにより、抗体ごとに異なる相補性決定領域(CDR)ペプチドの分析が可能となったという。そして血液中に添加した抗体医薬品を用い、CDRペプチドを確認よび定量した。nSMOL法(nano-surface and molecular-orientation limited proteolysis)を応用し、日本発の抗体医薬品の血中濃度モニタリングシステム開発を目指すという。
2013年12月24日博士タローは12日、がん専門医療施設として指定されている「がん診療連携拠点病院」のがん治療実績を調べることができるサイト、「がん診療連携拠点病院の実力」をオープンした。政府統計値によると、1984年のがん患者数はおよそ13万人だったが、1999年はおよそ27万人、2008年のがん患者数は1984年に対して2倍以上のおよそ30万人にまで増え続けているという。「当たり前のようにがんが受診でき、治療できる病院を要する時代を迎えている」と同社。専門的ながん医療機関として指定を受けているがん連携拠点病院の中で、もっとも多い年間患者数は8,866人、もっとも少ない拠点病院では155人(がん診療連携拠点病院院内がん登録2009年集計)。多種にわたるがんの、それぞれに合った医療を求める際には、がん患者診療経験の高い医療機関の見極めが必要となるという。同サイトは、がんの疑いによるがん受診医療機関検討時、セカンドオピニオンが必要な時、または治療中のがん医療機関を変える時、がん専門医療機関のがん治療実績をもとに、よりふさわしいがん専門医療機関が選択できるよう開発、オープンに至ったとのこと。同社では「一般の人はもちろん、医療機関にも、最新のがんに関連する医療・サイエンス動向を知ってもらえるようなコンテンツをさらに展開していく」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日アフラックはこのたび、独立行政法人国立がん研究センターと「がん情報の普及啓発に関する包括連携に関する協定」を8月23日に締結すると発表した。目的国立がん研究センターおよびアフラックが展開しているがん啓発に関する取り組みや双方が有する全国ネットワークを活かし、広く国民に対して共同でがんに関する情報の提供を行い、国民のがんに関する意識の向上を図りながら「がんと向き合い、がんに負けることのない社会」や「がんになっても自分らしい生き方ができる社会」を目指す。また、それによって全国のがん患者やその家族の不安・苦痛の軽減、療養生活の質の向上を実現する。主な取り組み一般市民へのがん啓発事業の実施がん診療連携拠点病院相談支援センターへの支援がん啓発ツールの制作がんに関する啓発事業として、9月15日から16日に東京ミッドタウン「アトリウム」にて、『がんを知る展~「知る」ことが、あなたを「守る」こと~』を開催予定。これは、国立がん研究センター創立50周年記念と連動したイベントで、同時に今回の国立がん研究センター・アフラック協定締結記念イベントとして開催される。アフラックはがん保険のリーディングカンパニーとして、がんになっても安心できる社会の実現に向けて、今後もがんに関する啓発活動を積極的に推進していくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月22日医療用医薬品などの輸入・製造・販売を行うMSDは、”子宮頸(けい)がん”の予防ワクチン接種を呼びかけている。費用を国と自治体が補助する「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の助成制度は平成24年度末(2013年3月末)までであり、半年間に3回のワクチン接種(同種)の必要があることから、早めの接種を推奨している。接種方法は筋肉注射で、小児科、婦人科・産婦人科、内科などで接種が可能。通常2回目の接種は初回接種から1、2カ月後で、3回目は6カ月後となっている。なお、助成制度については自治体ごとに異なるため、自治体や最寄りの医療機関に問い合わせる必要があるとのこと。子宮頸がんは乳がんに次いで罹患(りかん)率が高く、特に20代から30代のがんでは第1位だという。そのため、HPVに感染している可能性が低い、低年齢での接種がより有効であると考えられている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日東京海上日動あんしん生命は、20歳から59歳までの男女1,032人を対象に「“がん”に関する意識調査」を実施した、調査結果の概要をまとめた。調査によると、たとえば、入院期間の短期化や通院治療の増加については多くの人が認知していた。また「がんの平均治療費が100万円といわれたら、あなたはどう思いますか」という質問に「思っていたより高い」と感じる人が約60%を占めた。その一方で、がんの治療費に充てることができる資金(がん保険の保険金を含む)は、「100万円未満」と回答した人が約60%に上っていることにより、実際の治療費と個人が準備するお金の額にギャップが生じている可能性があった。調査の全体像や調査方法の詳細は「あんしんセエメエの健康・長生き学園」内にある図書館の「調査結果について調べる」に掲載している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月16日