映画『#マンホール』(2月10日公開)の公開前夜祭舞台挨拶が9日に都内で行われ、中島裕翔、奈緒、熊切和嘉監督が登場した。同作は脚本・岡田道尚×監督・熊切和嘉によるオリジナル作。川村俊介(中島)は営業成績はNO.1、上司や同僚の信頼も厚く、社長令嬢との結婚も決まり将来を約束された超がつくほどのハイスペック男だが、結婚式前夜のサプライズパーティの帰り道に酒に酔ってマンホールに落ちてしまう。ほぼマンホールの中というワンシチュエーション映画ゆえに、中島は「プロモーション活動中も1人。監督や奈緒さんとは舞台挨拶でしか集まることがなかったので、寂しくて心細かった」と苦笑するも、「でも今日は皆さんと一緒なので心強くて頼もしいです」と喜ぶ。同作は第73回ベルリン国際映画際ベルリナーレ・スペシャル部門にも招待されており、中島と熊切監督は現地に参加予定。しかし中島は弾丸スケジュールになるようで、熊切監督に「僕の分のお土産も買ってほしい!」とおねだりし、「家族やメンバーにお土産を買ってあげたいけれど、ベルリンのマンホールを見る時間すらないかも」と予想して笑わせた。熊切監督は「デビュー作で訪れた際は上映後のQ&Aでけちょんけちょんにやられたので…。今回はそのリベンジです!」と意気込んでいた。「最近起きたサプライズ」について聞かれると、8月10日が誕生日の中島は、去年の誕生日間近にメンバーの八乙女光から謎のハンドサイン画像が送られてきたというエピソードを披露。「最初はピースで次の日は指を1本立てている手の写真。怖い! なにこれ? ダイイングメッセージ? と思ったら、さらに翌日に指を1本立てた写真が送られてきて、その指先には『おめでとう』と書いてあった。でもその日は8月1日。2日間かけて壮大なサプライズを仕掛けられたけれど、誕生日を間違えるという」と八乙女の天然を暴露する。それでも中島は「八乙女さんは抜けているところがあるけれど、なんだかちょっと安心しましたね」と目を細めていた。またこの日はサプライズとして、映画公開同日の2月10日に28歳のBirthdayを迎える奈緒に、中島からマンホールの蓋の形をした特製チョコレートが贈られた。奈緒は「やったー! 凄い! 自分のマンホール初めて!」と大爆笑で、中島は「甘いマンホールですよ!」とサプライズ成功に満面の笑み。ちょっと早い誕生日祝福を受けた奈緒は「舞台挨拶で誕生日をお祝いするのはテレビでしか見たことがなかった。初めてなので凄く嬉しい」とダブルで喜んでいた。
2023年02月09日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。ヒロインの岩崎和佳(奈緒)が時折例えられていた、ジャンヌ・ダルクだったら、「最後は焼かれちゃうでしょ」と思っていたら「ファーストペンギンも大体食べられちゃいますけどね」と作中で言われ、そこは笑いどころだと思っていた。まさかの最終回。愛した浜を去っていく和佳に、それが冗談ではなかったんだと呆然とする。『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)の最終話は、そのほろ苦さで、見届けた私たちの心に強く残る結末になった。でも不思議と悲愴感はない。少し苦くても、きちんと光さすラストだ。食い詰めたシングルマザーがやってきたのは、うらぶれた漁村だった。そこで彼女は、浜の未来を憂う漁師の片岡洋(堤真一)たちと協力して、従来の漁協の販路を通さない直販事業を立ち上げる。しかし幾多の妨害の果てに、漁協と地元の元政治家から資金繰りを切られ追い詰められた和佳は、元官僚の経営コンサル・波佐間(小西遼生)の紹介を通じてとある民間会社から支援を受ける。しかしその会社は外国企業で、経済を通じて浜の実質的な侵略行為を目論んでいることが判明する。最終回、浜の面々はすんでのところで外国企業を追い返したものの、それは執拗に和佳とさんし船団丸を追い詰めてきた地元の保守政治家・辰海(泉谷しげる)の力あってのことだった。本意ではなくとも、あわやのところで浜を売り渡す寸前だった和佳は、責任を厳しく問われることになってしまう。直販事業をやめるように迫られた和佳は、自分が浜を去ることと引き換えに直販事業を続けられる約束を取り付け、浜の未来を漁師たちに託して浜を後にする。そして10年後、成長した和佳の息子の進(城桧吏)が、片岡を訪ねて懐かしい汐ヶ崎にやってくるのだった。人口が減少し続けて縮んでいくこの国で、生産者と消費者ともに利益ある新しい流通を構築したい主人公たちも、衰退を待つ体制を潰す為に外国と結託して何が悪いかと問う元官僚も、古くあるものには理由があるのだと大衆には見えづらい大局観と体制の意義を厳しく問う老練の政治家も、それぞれの理由があって非常に見ごたえある最終話だった。今あるこの社会は、自然の生態系と同じように、様々な事柄が絡み合って回っている。結果として悪い一つの事象に対して、安易にこれだけを壊して取り除けば良いという『悪者』など本来いないのだろうと思う。それも理解した上で、やはり守旧の側から新しい価値観への対話の余地がもっとあるべきだと痛感した。資金が尽きれば会社は死ぬ。リーダーは、部下や組織に関わる人々を大切に思えばこそ会社が死なないために、どんな藁かも見ないで掴む。そこまでに追い込んだのは、「話してもどうせ分かるまい」と相手を侮って対話を持たずに突き落とした側だろう。その前に、五十年、百年先の未来を見据えた対話は考えられなかったものか。政治家の辰海は和佳のリーダーとしての資質を認めつつも、浜で仕事を続けることは許さず、和佳は辰海相手に自分が去った後のさんし船団丸の仕事の安寧を願って膝を折り土下座する。分かりやすい勧善懲悪の物語なら、最終話に膝を折るのは敵対する側だったろう。あるいは、敵のボスが去ったなら、主人公は立派に凱旋するだろう。けれども、『ファーストペンギン!』は、そのどちらもしなかった。和佳は直販事業の引き継ぎを果たした後は、浜の繁栄を願い去っていく。浜に残った漁師達や和佳が関わった人々は、さざ波が広がるように幸福になり生きていくが、和佳はそこにいない。その後も和佳は元気で暮らしている様子で、浜のことを深く気にかけているけれども、約束相手の辰海の死後も筋を通して浜には戻らず、汐ヶ崎の幸せの輪の中にはいないのだった。「なぜだ、こんなの納得できない」と、見ていて心の片隅が痛くなる。だが、もしこれが少しでも納得いかないと思うなら、「ここで現実を振り返り、縮みゆくこの国の農林水産業を、国全体の未来を考えてみて下さい」という作り手の願いかもしれないと思った。「長いものに巻かれなかった人の勇気に報いられない、今でいいのですか」と。その勇気あるペンギンは最初に飛び込んで、泳ぎきることはできなかった。傍目には敗者かもしれないけれど、最初から最後まで圧倒的に格好よかった。巻き舌の啖呵も、何一つ諦めない図太さも、人の愚かさを包む暖かさも、自分のプライドは二の次で部下の為に土下座する姿も、生涯筋を通す潔さも、何もかも爽快で格好良かった。その発端は、愛する息子がこれまで食べられなかった魚を美味しく食べたという喜びで、その幸福を更に多くの人に届けることのできる事業は決して間違ってはいないという強靱な信念だった。誰かの日々の暮らしの小さな幸福は、いずれ地域社会の繁栄と幸福に、更にこの国の未来にまで繋がっている。それを喜怒哀楽とともに誠実に見せてくれる素敵なドラマでした。作り手の皆様、演じて下さった皆様に深く感謝します。ありがとうございました。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年12月12日奈緒主演「ファーストペンギン!」の最終回が12月7日放送。最後に和佳が選んだ選択に「ほろ苦いラスト」といった声が上がる一方で「たくさん勇気をもらった」など、前向きな思いを抱いた視聴者からの声もSNSに多数寄せられている。ファーストペンギンとはシャチなど多くの敵が潜む海に、最初に飛び込む勇気あるペンギンのこと。勇気ある1羽目であるファーストペンギンのように、縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーの実話を、「JIN-仁-」「義母と娘のブルース」などで知られる森下佳子のオリジナル脚本でドラマ化した本作。浜を救うつもりだったが結果、汐ヶ崎全体を外資に売ってしまった岩崎和佳を奈緒さんが演じるほか、波佐間に嫉妬して琴平のもとに身を寄せていた片岡洋に堤真一。恋人との間にできた子どもが実は他人の子だったと発覚した永沢一希に鈴木伸之。「さんし船団丸」の漁師である山中篤に梶原善。同じく「さんし船団丸」の漁師・磯田高志に吹越満。和佳のママ友で事務を手伝う山藤そよに志田未来。仲買人の重森梨花にファーストサマーウイカ。片岡の義理の息子で汐ヶ崎に戻ることを考えている琴平祐介に渡辺大知。和佳を水産業界の救世主だと応援してきた農林水産省の溝口静に松本若菜。元官僚で汐ヶ崎を外資に売るために動く波佐間成志に小西遼生。和佳と対立してきた汐ヶ崎漁業協同組合の組合長・杉浦久光に梅沢富美男。汐ヶ崎を地盤に持つ元議員・辰海一郎太に泉谷しげるといったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。和佳は波佐間に騙され浜全体を外国資本に売り渡してしまう。話をなかったことにするために片岡たちは他の船団を説得する。他の船団も神饌オーガニクスとの契約を解除することに決めるが、波佐間は浜尻公平(高杉亘)たちを丸め込み、さんし以外の船団で“浜の一企業化”を進めようとする。しかし突如神饌オーガニクス側から契約解除の通知が。波佐間ははしごを外された形となり、結果として「さんし船団丸」をはじめとした汐ヶ崎の船団は“元通り”に。実は裏で辰海が動いており、和佳は辰海と話し合いの末、「お魚ボックス」を存続させる代わりに水産業界から身を引く…というのが最終回のストーリー。この展開に「和佳が落とし前つけて辞めるのがシビア」「現実味のあるほろ苦いラストも良い」といった反応が送られる一方、海と山が繋がっているとして今度は林業に挑戦する和佳の姿が映し出されるラストシーンには「場所や業種が変わってもファーストペンギンであり続ける和佳さんを見て景色を変えたいという気持ちになった」「たくさん勇気をもらったし、何だってできるって思えた。人生はこれからだから、大丈夫」など、前向きになれる勇気をもらったという声も。また物語から“10年後”、高校生になった和佳の息子・進役で出演した城桧吏にも「写真見て分かってたはずなのに城桧吏さんかっこよくて感動した」「最後まで出ないと思ってたから出てきてくれて嬉しかった」「城桧吏くん、大きくなったな~。万引き家族の印象が大きいから…」など様々な反応が集まっている。(笠緒)
2022年12月08日テレビドラマ『ファーストペンギン!』の最終回が、2022年12月7日に放送されます。これまで仲間割れ、倒産危機をはじめ、数々の問題を乗り越えてきた、岩崎和佳(奈緒)率いるさんし船団丸だったものの、外国資本に乗っ取られる可能性が浮上し、最大の危機を迎えた第9話。すでに外国資本に浜全体を売り渡してしまい、なんとか今回の話をゼロに戻すべく、片岡洋(堤真一)をはじめ、さんし船団丸の面々が一丸となって動き出します。『ファーストペンギン!』第9話あらすじ岩崎和佳は、浜全体を外国資本に売り渡してしまったと片岡洋に報告。この話をなかったことにするには、浜の全船団が、波佐間成志(小西遼生)の仲介で締結した神饌オーガニクスとの契約を破棄しなければならないのだという。そこで片岡は、磯田高志(吹越満)と山中篤(梶原善)らを率いて船を出し、他の船団の面々も契約を白紙に戻すよう、説得のために動き出す!さらに和佳は、これまでさんしと敵対関係にあった漁協の組合長・杉浦久光(梅沢富美男)に『ある協力』を依頼し…!?一方汐ヶ崎に現れた波佐間は、浜尻公平(高杉亘)たちを丸め込み、さんし以外の船団で『浜の一企業化』を進めようと画策。絶体絶命の危機に追いやられた和佳が、最後に下した決断とは…!?[文・構成/grape編集部]
2022年12月06日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。これはもう、意図的なさじ加減で地味目にしてるんだろうなと、最終回を前にした9話で思った。もっと派手に事件が起きて、もっとヒロインにキラキラした恋愛要素を盛り込んで、いつもすっきり勧善懲悪に解決したら、フィクションとして面白く見えるのかもしれない。でも、今現実にある問題と結びつけて、見た人々の記憶に少しでもそれを残すのに、地に足の着いた感触は必須なのだろう。9話まで見てきた『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)を、一言で表すならば『誠実なドラマ』だと思う。身体の弱い一人息子を連れ、食い詰めたシングルマザーの岩崎和佳(奈緒)がやってきたのは山口県のとある漁村、汐ヶ崎。そこで出会った漁師の片岡洋(堤真一)や、さんし船団丸の面々と混獲魚の直販事業『お魚ボックス』を始めて会社を立ち上げたものの、従来の販路から外れた販売のため地元の漁協とのトラブルが絶えない。これまで販売事業とは無縁だった漁師たちの仕事もミスだらけ、次々と苦難は襲いかかるが、一歩一歩階段を上るように和佳は協力者や理解者を増やし、自らも漁師もスキルアップしてボックス事業はようやく軌道に乗る。ところが好事魔多し、さんし船団丸は事故で網を失い、約1千万円の修理費と同時に金融機関の貸しはがしに遭う。必死の思いで頼った経営コンサルタント波佐間(小西遼生)の提案により、大手の食品流通会社から多額の融資を受け危機を切り抜けるが、波佐間の介入を嫌う片岡は浜から出て行ってしまう。さらにその融資元の会社は外国資本で、このままでは浜そのものが事実上の乗っ取りにあう可能性を知った和佳は愕然とする。今回、地方の浜が経済上外国資本に乗っ取られるということが、国防の危機の可能性に繋がることまで言及したことに、そこまで踏み込むかと驚いた。ここまでに漁協という組織の保守性や、漁業の現状とミスマッチが生じている問題点を丁寧に描いてきたが、その保守性や継続性にも役割があり、安易に切り落とすように取り除いてはならないものだと明かされる。一方で外資と知らずとも外部の資金に縋らされるをえないほどに、さんし船団丸を追い詰めたのも漁協を中心とする保守勢力である。もつれあう問題に、これでは衰退する一方の漁業に打開の手はないのかと、見ていて暗澹たる気持ちになってしまう。そんな中、現場の漁師たちのリーダーとして自分でなくても波佐間がいればいいのではないか、戻る必要はないんじゃないかと躊躇する片岡を、永沢は汐ヶ崎に連れ戻そうと腐心する。永沢は、波佐間と一緒にいる時の従いっぱなしの和佳が好きになれない、和佳らしくないと懸命に片岡に訴えかける。ここまで、この作品では『その土地』で『その人たち』が生きていこうとする姿を描いてきた。故郷の衰退を憂いながらなすすべのない中年世代、都会に出たけれどもやむなく戻ってきた若者、ここで家庭を持つ決断が今は難しい若者、一次産業への希望をもってやってくる移住者。立場や経歴ではなく、本音でぶつかり合っても容易には壊れない関係で生きられるなら、自分らしさを発揮しながらより良い未来を目指せるならば、その人たちが、その土地で生きていく理由としては十分なのではないか。永沢が片岡を引き戻そうと熱く語った言葉には、そんな希望が込められていると思った。最終回直前まで、息のつけない困難続きではあるけれども、このドラマが『10年前』から届けられている物語だということは、繰り返し冒頭のナレーションで語られている。何らかの決着がついていると察することが出来るのは、間違いなく光明だろう。ずっと誠実さをもって描かれてきたドラマがどんな希望を見せてくれるのか、最後まで楽しみだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年12月05日『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第8話で、ビジネスコーディネーターとしてさんし船団丸の活動に加わることになった、波佐間(小西遼生)。倒産の危機に直面していたさんし船団丸を救った波佐間は、その後も、出荷作業に参加するなど、『浜を救う救世主』として、その存在感を発揮していきました。一方で、片岡(堤真一)は、さんし船団丸の危機を救い、一気に漁師たちからの信頼を得る波佐間の姿を見て、居場所を奪われたような気持ちに。また、一度はさんし船団丸から去ったものの、再び仲間に加わった永沢(鈴木伸之)も、急速に距離を縮める波佐間と、和佳(奈緒)の姿を見て、モヤモヤを募らせていました。『ファーストペンギン!』第9話あらすじ永沢が戻って来たことに、岩崎和佳とさんし船団丸の漁師たちは驚きながらも大喜び!その頃東京では、片岡が「もうワシの居場所はあそこにはない」と、息子・祐介(渡辺大知)がパートナーの楽(大貫勇輔)と暮らすマンションに居座っていた。片岡がいない間も、お魚ボックスの注文は殺到しており、漁師たちはなんとか片岡の穴を埋めようと大忙し。そこに波佐間が現れ、『お魚ボックス』用の血抜き作業を手伝ってくれることに。パーフェクトに仕事をこなしていく波佐間は、片岡の代わりをいとも容易く務めて、皆の信頼を得ていく。そんな中、波佐間は和佳に「浜の船団を一つの会社にまとめませんか?」と大胆な提案を持ちかける。こうして片岡不在の中、波佐間と手を結んだ和佳は、浜尻(高杉亘)ら、ほかの船団の漁師たちも巻き込み、『浜の一企業化』実現に向けて動き出すが…!?一方、急接近する和佳と波佐間の様子に、モヤモヤを募らせた永沢は、片岡を連れ戻すべく、『ある行動』を起こし…!?『ファーストペンギン!』第9話は、2022年11月30日、放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年11月29日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)を後半まで見続けてきて、この物語は仕事ドラマとして、とても誠実だと何度も感じてきた。そう思う理由は、おそらくこの物語の微妙に『薄曇り』な感じが、私たちが日々の仕事で感じる色合いに近いからではないかと思う。何せ主人公が一つ問題を解決しても、同時進行でまた別の問題が続いているし、何か一つ良い結果が得られても、社員は退職するし、めでたしめでたしにもならない。私たちの現実の仕事の日々もまた、スコンと抜けるように晴れることはほとんどなく、大抵気分は薄曇りか小雨で、どしゃ降りでないだけましだと思って働いている。終盤にさしかかった今回もまた、主人公・岩崎和佳(奈緒)とさんし船団丸の面々には、しとしとと困難の雨が降りかかっている。食い詰めたシングルマザーの和佳がたどり着いたのは、山口県のとある漁村、汐ヶ崎。魚のことは素人なのに、なぜか浜の活力になるような事業を興してほしいと漁師の片岡洋(堤真一)に頼まれ、和佳が考えついたのは混獲魚を中心に直接消費者に通販で届ける『お魚ボックス事業』だった。しかし、ごくシンプルなはずのそのアイデアは、これまで販路を握っていた漁協の強い反発を招き、和佳とさんし船団丸には次々と嫌がらせや困難がふりかかる。今回もまた、1千万円を越える網の修理代と漁師達の離反という二重の危機を抱えつつ、対外的には会社として体裁を保っていかねばならない和佳の苦闘と突き抜けぶりが相変わらずリアルだ。その一方で、和佳の存在がきっかけで漁師に本腰を入れ始めたたくみ(上村侑)と、和佳のママ友の山藤そよ(志田未来)の二人が、留守を守りながらトラブルの原因を突き止めるあたりは、着実に良い方に変化が起きていると実感してホッとする。仲買人の梨花(ファーストサマーウイカ)も、今では大手を振って和佳たちの力になってくれる。今作を通じて、当初は魚の知識もほとんどなかった、そして漁に出られるわけでもない和佳が、なぜ社長として漁師たちを束ねていけるのか、その理由がだんだんと見えてきた。それは彼女が、部下たちにとっての『薄曇り』の労働の日々の中で、いつか来る、抜けるような青空の瞬間、より良い未来を語れる能力を持っているからなのだ。浜の未来を語る明るい表情、水産の未来を語る力強い言葉。職能やカリスマ性以上に、希望のある未来を具体的に提示する力があっての社長、『長(おさ)』なのだと思う。その上で、どんな現場のトラブルにも「何とかするから!」と、やせ我慢を承知で立ち向かう。このドラマには、現代のリーダーシップとは何なのかという答えのかけらが、たくさん散りばめられている。今回、漁師たちの離反と、金融機関の貸しはがしという二つの大きな困難を乗り越えた和佳とさんし船団丸だったが、貸しはがしに対抗するためにビジネスコーディネーター・波佐間(小西遼生)の助力を得ることになる。一見頼りになる存在だが、果たして長期的に見たときに吉と出るかどうか。そして浜の外部から自分以上に頼りになる男性が入ってきたことで、居場所をなくしたように感じた片岡はひとり浜から姿を消してしまう。ドラマの当初から、社会の現状に危機感や罪悪感を持ちつつも、しがらみゆえに価値観も行動も変えづらい、片岡のような中年世代の困惑と、それでも半歩ずつの前進を物語は丁寧に描いてきた。社会に自分の居場所はあるのか、もう本当はどこからも必要とされてはいないのではないか。価値観が年単位でめまぐるしく変わっていく現代におけるミドルの痛みと困惑に物語は踏み込もうとしている。そして物語が前回から提示してきている、余裕のなさ故に漁の頻度を増やさざるをえず、それが結果的に水産資源の減少を招き、更に漁獲を減らし未来を先細りさせるという水産の苦境は、少子高齢化の悪循環にあえぐこの国の苦境の縮図のように見える。物語としての誠実さを維持しながら、抜けた青空のような未来を物語は見せられるかどうか。最終盤を見守りたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年11月25日第1話から、どんな形であれ、強い絆で結ばれていることが伝わってきた、さんし船団丸の漁師たち。しかし、テレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の第7話では、船の転覆事故をきっかけに仲間割れが勃発し、今までで一番のピンチを迎えてしまいます。和佳(奈緒)は、船を離れたほかの漁師たちを呼び戻しに行くことを提案するものの、片岡(堤真一)は「経験のある漁師を募集すればいい」といい出すのでした。『ファーストペンギン!』第8話あらすじ船の転覆事故をきっかけに漁師たちが去って行き、片岡洋と小森賢太郎(北川尚弥)ら数人だけが残されたさんし船団丸。岩崎和佳は皆を呼び戻しに行こうと提案するが、片岡は断固拒否。さらに片岡は、和佳が講演を行う水産フェアの会場で、新たに経験のある漁師を募集すればいい、と言い出す。こうして和佳は、全国から漁師たちが集う水産フェアの会場に、片岡も一緒に連れて行くことに。講演会終了後、和佳と片岡は、元官僚のビジネスコーディネーター・波佐間成志(小西遼生)を紹介される。見るからにやり手な波佐間から、「さんしと一緒にビジネスをしたい」と言われた和佳は目を輝かせるが、片岡はそんな2人の姿にモヤモヤし、帰り道に大喧嘩に!東京に置き去りにされる形となった片岡は、帰る手立てを失い、一人迷子になるが…。一方、汐ヶ崎に戻った和佳のもとに、銀行から「融資を切り上げたい」と唐突に連絡が入る!突如として『倒産危機』に直面した和佳に、挽回のチャンスは訪れるのか…!?『ファーストペンギン!』第8話は、2022年11月23日、放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年11月22日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。人生で何か新しいことを始める時の労力は、それ自体は大変だけれども、重いものを力を込めてゆっくり転がすようで、試行錯誤の余地はある。しかし、それが上手く回りはじめて押す力が要らなくなった時、楽になる一方で思ってもないスピードで走り出す。急に転がりだしたそれが悪目立ちしてしまったり、途中にある何かを跳ね飛ばしたりするし、スピードの分、一手打つ手が遅いと手遅れになる。主人公・岩崎和佳(奈緒)が率いる『さんし船団丸』は、立ち上げの時期を過ぎて、いよいよそんな時期に来ているんだなと7話を見ながら思った。食い詰めたシングルマザーの和佳が一人息子を連れてやってきたのは、かつては水産業でにぎわった山口県のとある漁港、汐ヶ崎。今は漁獲量も減り魚の値段も上がらず、浜は不景気に寂れていく一方だ。そんな浜の未来を憂う中年の漁師・片岡洋(堤真一)は、和佳に浜を立て直せる事業を考えてほしいと依頼する。水産どころか魚の種類の知識もおぼつかない和佳が考えついたのは、従来の流通ルートを省き、消費者に新鮮な魚を直接届けるという至極単純なビジネスモデルだった。しかし、漁協を通さずに魚を売るというそのシンプルなアイデアは、水産業という保守的な業界に大きな波風を立てることになる。最初は地元漁協の圧力、次は同業漁師たちの嫉妬からくる村八分と、トラブルを何度も跳ね返してきたさんし船団丸だったが、今度は『地元の有力者の元議員』に目をつけられてしまう。その元議員・辰海を演じるのは泉谷しげる。昭和生まれ世代にとっては反骨のアイコンのような存在だが、今回は見事に老獪な保守政治家役にハマっている。長年政治家でいたということは、人心の陣取り合戦の機微に通じていることである。その狡猾さで辰海は船団丸の内部に人を送り込み、トラブルが起きるように仕向ける。折しも頼りの永沢(鈴木伸之)が退職し、売り上げも右肩上がりで人手不足のさんし船団丸は、就職を希望してきた三人の若者を迎え入れた。しかし、若い世代と長年漁師として浜で生きていた漁師たちの価値観の差はなかなか埋まらない。片岡が現場で板挟みになって苦慮するうちに、漁の最中に本来ありえない事故が起き、漁船はあわや転覆の危機に直面する。漁師の魂ともいうべき網の破損と引き換えに転覆を免れるが、それでも新入りを庇う片岡に愛想を尽かした漁師達は、片岡と新入りの小森だけを残して去ってしまうのだった。これまでは浜の中で何が起きているのかを丁寧に描いてきたが、終盤にさしかかる今回、この国の水産の苦しい現状と、その中で和佳たちのお魚ボックス事業がどんな立ち位置にあるのかが、徐々に広く目線を広げつつ分かりやすく描かれている。そもそもこのドラマは、実話を元に作られている。実在モデルの坪内知佳さんの半生記を読めば、ある程度ドラマとして作られた部分はあるものの、ほぼ物語の骨組みはそのままである(いや、ドラマも恐れ入るくらい次から次にいろんなことが起こります。のけぞる面白さなのでこちらもおすすめします)。つくづく実話もドラマも、最初は水産の素人で組織がかりでない、一人の女性が淡々と始めたからこそ偉大なる『蟻の一穴』たり得たのだろうと思う。最初の一歩が未来への希望と社会的使命に後押しされて『回り始めた』時に、成長痛のように軋みが生じる。そんな中、物語の当初はとかく事なかれ主義で逃げ腰だった片岡が、新入りの育成を含めて現場で懸命にリーダーであろうとする姿に胸が熱くなった。浜でさんし船団丸が村八分にされて悩む時に、和佳は社長として苦しさを隠して「だから何とかするって!」と言い切ろうとする。片岡もまた、同じように船の転覆の危機に矢継ぎ早に指示を出しながら「何とかするけえ」と絶叫する。苦難の時に人はその地金が出る。良いバディなんだな、と思う。疑念と怒りで分解してしまった、さんし船団丸はこの先どうなってしまうのか。このドラマ、ストーリーとしては中々に苦難のパートが長いし、しかも生々しい。しかしご都合主義的に勧善懲悪ですっきり解決しないのは、これが実話をモデルにした物語だからではないかと思っている。そこで現実に苦闘しながら前に進んだ人たちを思えば、物語の面白さとのバランスを取りつつも、簡単に甘い解決にたどり着かないことは、敬意だろうと思うのだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年11月18日和佳(奈緒)の見事な手引きにより、漁協やほかの漁師たちからの嫌がらせを止めさせることに成功した『ファーストペンギン!』第6話。テレビ出演をきっかけに『お魚ボックス』の売り上げも伸び、人員の募集をするほどの好調ぶりを見せていました。第7話では、人手不足を解消するべく、さんし船団丸に3名の新人が加入するも、それをきっかけに、船団の空気がどんどん険悪になってしまう事態に…。『ファーストペンギン!』第7話あらすじテレビ出演のおかげで、『お魚ボックス』の売り上げは絶好調!人手が不足してきたため、岩崎和佳は人員募集をすることに。その頃漁協では、組合長・杉浦久光(梅沢富美男)のもとへ、地元の有力者・辰海一郎太(泉谷しげる)がやって来て、「さんしを潰すには『針』を仕込めば良いのだ」と不敵な笑みを浮かべ…!?しばらくして、さんし船団丸には3名の新人が加入。どうやらその中の1人が、辰海の差し金で紛れ込んだ『針』らしいのだが、何も知らない漁師たちは、浜に若者が来てくれたことを喜び、歓迎ムードに。多忙な和佳に代わって、片岡洋(堤真一)が自ら教育係に名乗り出るも、世間知らずで空気を読まない大卒の新人・小森賢太郎(北川尚弥)の振る舞いに、皆のストレスはたまっていくばかり。船団の空気がどんどん険悪になる中、命にかかわる大きな事件が…!?第6話では、途中、直販事業のメリットを認める姿勢も見せていた、組合長の杉浦。結局、ほかの漁協の手前、再び『お魚ボックス』反対派にまわった杉浦ではあるものの、和佳の改革は徐々に成果をみせています。そんな中で起きる『大きな事件』とは一体…。第7話は、2022年11月16日放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年11月15日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。自分ひとりで生きていくなら、多少収入が不安定でも生活環境が万全でなくても、好きな仕事でいいと思う。大人2人の人生でも、互いに好きな場所で好きな仕事を選びながら、寄り添って生きていける。でも大人が子供を育てていこうというとき、子供にとって良い条件を模索するのは自然なことだ。病気がちな息子のために自然の多い環境を求めること、あるいは、より便利な都会で安定した仕事につくこと。どの道を選ぶとしても、自分の中で繰り返し真剣に天秤に乗せてみるしかない。収入も、暮らしやすさも、生きがいも。食い詰めたシングルマザーが、とある漁村にやってきて、浜の衰退を憂う一人の漁師・片岡洋(堤真一)から、事業の展開を考えてほしいと頼まれる。漁業はおろか魚にすら詳しくなかった主人公・岩崎和佳(奈緒)は、その先入観のなさが幸いして、さんし船団丸の漁師達を引き連れて、混獲魚の直販という新たな事業に乗り出す。しかし漁協を通さないその事業は、漁協や他の漁師達の強い反発を呼び、事業展開は未だにトラブル含み。その上、当初から陰日向に和佳の助けになってくれた若手漁師の永沢(鈴木伸之)が、子供が出来たので漁師を辞めたいと言い出して和佳たちを動揺させる。折り返しの6話、和佳は永沢を引き留めるため、永沢の恋人であるアイナ(足立梨花)を納得させるべくテレビ出演を通じてさんし船団丸の将来性をアピールしようとする。しかしテレビに出るということが、さんし船団丸に不満を持つ他の漁師達を刺激してしまい、これまでも頻発していた嫌がらせはピークに達してしまう。漁師や社員の家族にまで嫌がらせが続き、和佳と片岡はテレビ出演を逆手に取り、嫌がらせの告発を決意する。今回、都会から地方にやってきて、一つ二つ新規事業を軌道に乗せたとしても、そこにある保守的な強い弾力に跳ね返される主人公の苦闘が生々しかった。これまで和佳や片岡に立ちはだかってきた漁協の組合長は、徐々に直販事業のメリットを認めて乗り気になってきたものの、他の漁協の手前、方針を変えられない。そこに住む一人一人は善良な常識人なのだとしても、それが組織や集団やテリトリーの単位になった時に、大きなうねりが起きて変革を押しつぶそうとする。そこで従来暮らしている人たちがいて、彼らには彼らの暮らしが続く以上、そう安易に外から来て問題解決なんかしないし、めでたしめでたしにはならないと淡々と言われているようだ。そんな船団丸の苦境に対し、和佳は表向きテレビで嫌がらせを告発するとアピールしつつ、最終的には矛を収めて漁協や他の漁師達との衝突を避ける。威嚇は功を奏して、ひどい嫌がらせはだんだんと収まり、船団丸には平穏が戻ってくるものの、テレビ出演を見ても永沢の恋人の気持ちは変わらず、永沢は船団丸からの退職を決意する。永沢が最後に漁師の仕事と船団丸への愛着を和佳に語りかける言葉は、誠実だけれども過去形で語られていて、その真摯さの分だけ余計に切なさが募った。地方の一次産業の場には、都会では得がたい素晴らしさが沢山あるけれども、その長所の表裏で、若い世代が家庭を営むにあたって選びづらい理由も同じくらいある。和佳にとって最初の理解者である永沢の退場とともに、そんなほろ苦さが残る回だった。しかし、和佳が永沢との縁をそれっきりに捉えずに、いつか家族で戻ってきてほしいと訴えかける言葉に光明がある。「わたしは、ずっとここにいるからね。いつ帰ってきてもいいんだからね」都会から食い詰めてふらりとやってきた一人の女が、そこを出て行く誰かへのはなむけとして私はここに根付くと宣言する。力強い言葉だった。それにしても、社外の敵に対してはファイティングポーズを取って「殴られっぱなしじゃないぞ」と示し、内部で漁師達の不満を逸らし、実際には外に対して拳を振るわず(振るえばあらゆることが破綻する)綱渡りをしながら組織を鼓舞していく。どんなに苦しくても「何とかするから」と部下を守り、ぶれない理想を語る。組織の長であるということは、本当に孤独であるなと思う。そんなふうに苦闘しながら成長するリーダーシップの物語としても、骨太な本作である。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年11月14日奈緒主演「ファーストペンギン!」の第6話が11月9日オンエア。和佳が「さんし船団丸」の面々に語った言葉に、SNSでは「こういうまっすぐなセリフ、久しぶりに聴いた」「ブレないのが、すごいし、かっこいい!!」など賛辞の声が相次いでいる。“ファーストペンギン”とは多くの敵が潜む海に最初に飛び込む勇気ある1羽のペンギンのこと。本作はファーストペンギンのように縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーの奮闘の実話を基に、森下佳子がオリジナル脚本を手がけた作品。魚を直販する「お魚ボックス」を展開するシングルマザーの岩崎和佳を奈緒さんが演じ、琴平の義理の父だったことが明かされた片岡洋に堤真一。前回のラストで突如「さんし船団丸」を辞めると言い出した永沢一希に鈴木伸之。「さんし船団丸」で漁師をしている山中篤に梶原善。同じく「さんし船団丸」の漁師・磯田高志に吹越満。東京で医師をしているが汐ヶ崎で病院を開業したいと考えている琴平祐介に渡辺大知。「さんし船団丸」の事務を手伝うことになった山藤そよに志田未来。農林水産省の溝口静に松本若菜。汐ヶ崎漁港で仲買人をしている重森梨花にファーストサマーウイカ。汐ヶ崎漁業協同組合の組合長・杉浦久光に梅沢富美男といった面々も出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。永沢から突然「子どもができたから会社を辞める」と告げられた和佳は、遠距離恋愛中の永沢の彼女・白峰アイナ(足立梨花)に会いに行くが、アイナは「ずっと一希に漁師をやめてほしかった」と、和佳の話に耳を貸さない。そんななか頭を悩ませる和佳のもとにテレビ局のディレクターから「『お魚ボックス』の将来性を見込んで取材をさせてほしい」と連絡が。テレビで「将来有望なビジネス」だと取り上げられれば、アイナの気持ちも変わるのではないかと考え、和佳は片岡たちに事情を説明。永沢に残ってもらうためならと皆で盛り上がっていたのだが、その話が他の船団の漁師に漏れ杉浦の耳に入ったことで、和佳や「さんし船団丸」の面々だけでなく、その家族までが激しい“村八分”に遭う。磯田の妻に家族に命の危険が及んだことで片岡の怒りは頂点に達し、テレビで村八分の実態を告発しようということになるが、放送されたのは告発の代わりに、和佳が地元からも好意的に受け入れられているとコメントする映像だった…。自分たちの夢は漁協を追い込むことではなく、汐ヶ崎を昔みたいに活気ある浜に戻すことだと話す和佳に「敵は作らない方がいいからね。商売の基本」「恩を売ってもう嫌がらせできないようにさせたね」「あんな、陰湿な嫌がらせを受けてたのに、漁協を潰すためじゃなく、浜を活性化させるためってブレないのが、すごいし、かっこいい!!」といった反応多数。さんし船団丸の面々に「だって私たちは間違ってないから。だからよそ見せず前だけを見て、まっすぐ歩いて行こう」と語りかける和佳に「こういうまっすぐなセリフ、久しぶりに聴いた気がするよ」「戦争にせず、敵を作らず、『私たち間違ってないから』素敵な人間性だ」などの感想もSNSに投稿されている。【第7話あらすじ】テレビ効果で「お魚ボックス」は絶好調。人手が不足してきたため和佳は人員募集をする。その頃漁協には地元の有力者・辰海一郎太がやって来て「さんしを潰すには『針』を仕込めば良いのだ」と不敵な笑みを浮かべる。しばらくしてさんし船団丸に3名の新人が加入するが、その中の1人が辰海の差し金で紛れ込んだ「針」らしいのだが、何も知らない漁師たちは、浜に若者が来てくれたことを喜ぶ…。「ファーストペンギン!」は毎週水曜22時~日本テレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年11月10日「俺、子供が出来たらしいんで」漁師の一希(鈴木伸之)の爆弾発言で終わった、テレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第5話。一希は、主人公・和佳(奈緒)の『相手候補』の筆頭と思われていたからこそ、恋人の存在をにおわせる発言に衝撃を受けた視聴者は多いことでしょう。第6話では、子供ができたことを理由に漁師をやめようとしている一希を引き留めるべく、和佳は一希と遠距離恋愛中の彼女・白峰アイナ(足立梨花)に会いにいくことに。さらに、和佳の悩みはつきず、テレビ局のディレクターから、『お魚ボックス』の取材の連絡が入るも、それがきっかけで、ほかの船団の漁師たちの不平不満が爆発してしまうのでした。『ファーストペンギン!』第6話あらすじ永沢一希から突然、「子どもができたから会社を辞める」と告げられた岩崎和佳は、遠距離恋愛中の永沢の彼女・白峰アイナ(足立梨花)に会いに行き、事情を探ろうとする。しかしアイナは、「ずっと一希に漁師をやめてほしかった」と和佳の説得もことごとく笑顔でかわし…。頭を悩ませる和佳のもとに、テレビ局のディレクターから、「『お魚ボックス』の将来性を見込んで取材をさせてほしい」と連絡が入る。テレビで「将来有望なビジネス」だと取り上げられれば、アイナの気持ちも変わるのではないかと思い立った和佳は、片岡洋(堤真一)たちに事情を説明。永沢に残ってもらうためなら、と皆で盛り上がっていたのだが…。さんし船団丸の面々がテレビに出るという噂が浜全体に広がると、漁協だけでなく、妬みを募らせた浜尻公平(高杉亘)ら他の船団の漁師たちの不平不満が爆発。「さんしは出ていけ」と喧嘩をふっかけられ、大乱闘に発展!嫌がらせも日増しにエスカレートし、『村八分』状態にまで追い込まれる中、和佳は片岡の一言をきっかけに、ある『逆襲の一手』を思い付き…!?『ファーストペンギン!』第6話は、2022年11月9日、放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年11月08日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。世の中の価値観が変わっていくとき、ほとんどその変化はグラデーションだ。どこに境目があったかは、その時は分からない。数年越しに振り返って、ああ、変わっていったんだなと思う。グラデーションは時間の流れにもあるし、世代間にもあるし、中央から周辺への地理的な条件もある。『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)は、一人のシングルマザーがとある漁村にやってきて、漁師達と変革をおこしていく物語だ。それは裏返せば、保守的な土地柄の人々が、時に拒否したり考え込んだりしながら、どのように新しい価値観を受け止めて、変化か現状維持かを判断する様を描いていく物語だ。食い詰めたシングルマザーの岩崎和佳(奈緒)が一人息子をつれてやってきた、山口県のとある漁村・汐ヶ崎。彼女は漁獲量が減り、漁師の収入も減り、寂れていく浜で何か新事業を興せないかと漁師の片岡洋(堤真一)から頼まれ、国の六次産業化プロジェクトの認可を得て鮮魚の直販『お魚ボックス事業』をスタートする。既得権益である漁協の妨害や、通販の作業に不慣れな漁師たちとのトラブルも乗り越えて、銀行からの融資で経営資金も潤沢に得た。しかし、ようやく直販事業が軌道に乗ったところで、思いもよらない人間関係のもつれが明らかになる。今まで、時折和佳にビジネスや漁師達との関係に助言をする琴平祐介(渡辺大知)という謎めいた青年が描かれていたが、今回、その琴平が片岡の息子だと明らかになる。息子は、死別した妻の連れ子で、職業は医者。和佳の息子を診察した縁で親交があることも判明する。祐介は過去に進学にあたって、片岡と互いを思いやるあまりに喧嘩別れしており、東京で片岡たちを案じて和佳に汐ヶ崎行きを勧めたり、間接的に直販事業の相談に乗っていたのだった。それ自体は今までの片岡の回想や琴平の事情ありげな描き方で予想はできたのだが、予想外はここからである。和佳との親密さを見て、結婚を勧めた片岡や漁師たちに、祐介は自分が同性愛者であることを明かす。その上で、この浜に戻って開業医になりたい、自分が性的マイノリティであることを触れ回ることはないけど、「隠すこともない」と言う祐介に、片岡は狼狽えてそれは迷惑だと言ってしまう。「そねえな…お前…東京なら、あれかもしれんけど、そねえな訳分からんもん、ここん持ち込まれても困るんちゃ」息子の生き方を理解したいと頭の半分では思いながらも、東京のような都会ならともかく、この地元ではそれは困ると、おろおろと言う片岡の言葉が生々しい。魚の流通にしても、現状を変えねば未来が暗い、でも今起きるデメリットを受け入れたくない。同様に、マイノリティへの理解にしても、理念の上ではわかっていても自分の身近な存在になると、理念より現実の不安が先に来る。この物語は、総論賛成・各論反対になってしまう人々の綺麗ごとと矛盾を、人情味ある物語の優しさの中で容赦なく斬ってくるのである。再び断絶しかけた片岡と祐介を繋いだのは、祐介のマイノリティとしての痛み多き人生を、父親として理解してあげてほしいと願う和佳の言葉だった。保守的な価値観で生きてきた男には、それが通じる言葉で、実感できる情愛で語りかけていく。年齢、性別、立場を超えて、パートナーとして成熟しつつある和佳と片岡の、この時の会話が印象深かった。この関係性の成熟もスイッチが切り替わるようなものではなく、幾つかの衝突と解決を経たグラデーションだったのだと思う。今週、もう一つの予想外は、ここまで和佳を支えてきた漁師の永沢(鈴木伸之)だった。その優しさと和佳への献身ぶりから、当然『相手候補』最有力に見えていたが、今週のラストでまさかの「船団丸を退職したい。子供が出来たようなので」と、他に恋人がいると伺わせる爆弾発言。やはり森下佳子の脚本は、「定型の展開に見せかけて曲者だ」と痛感する展開だった。これまでにこのドラマは、衰退する地方とシングルマザー(和佳)、生きづらさを抱えた若者(たくみ)、社会的マイノリティ(祐介)といった社会的な弱者の距離を丁寧に描いてきた。そして次は『選ぶ』若者が、よりよい未来の為にどこに住み、どんな仕事を選んで生きるのかを描くのではないかと思う。優しい人情派ドラマに見えて、やはり一筋縄ではない。後半もまだまだ船は揺れそうだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら[文・構成/grape編集部]
2022年11月04日「Hey! Say! JUMP」中島裕翔が主演する、結婚式前夜にマンホールに落ち、幸せの絶頂からどん底に転落する男を描く映画『#マンホール』。この度、奈緒と永山絢斗が本作に出演することが明らかに。さらに本予告映像も公開された。現在放送中の「ファーストペンギン!」で主演を務める奈緒さんが演じるのは、主人公・川村(中島さん)の元カノ・工藤舞。5年前に自分を振った川村からの突然の連絡に動揺するも、マンホールからの脱出に協力することに。また永山さんは、川村が務めるCRレジデンス営業部の同期社員・加瀬悦郎を演じる。一匹狼のような性格ゆえに、部内でも浮いた存在だが、実は川村とは仲が良い。合わせて公開された映像では、川村がマンホールに落ち、唯一繋がった元カノと会話する場面や、SNSで「マンホール女」と名乗るアカウントを立ち上げて助けを呼びかけるシーンが映し出される。手元にあるのはスマホだけ。しかしGPSは誤作動を起こし、知人や警察も当てにならない。そんな中、なんとか脱出を試みるも、充満するガスや溢れ出す有害物質、明らかになる驚愕の真実など次から次へとピンチが襲い掛かる緊迫のシーンへと続く。一方、盛り上がり続けるネット民たちは独自に捜索に乗り出したり、犯人として加瀬を捕えたりと、事態は思わぬ方向に。酩酊してマンホールの穴に落ちた川村だが、映像では“彼は落ちたのか落とされたのか?”という不穏な文字も。公開が待ち遠しくなる予告編となっている。キャストコメント・中島裕翔好感度抜群のハイスペック男が追い詰められたときに見せるむき出しの本能や人間の闇を引き出すために頑張りました。マンホールの底は、撮影が進むにつれてどんどん大変なことがあったので、リアルにそんな表情が出せたのではないかと思っています。マンホールの中に落ちて一人での撮影が続いたので、奈緒さんと永山さんの存在にはとても助けられました。映画を観た方は、1度ならず2度3度、絶対にびっくりする作品になっています。ドキドキする展開満載な『#マンホール』の結末は絶対に他言無用でお願いします!・奈緒結婚前夜、穴に落ちたある男がどうにか脱出を試みるというワンシチュエーション。そして監督は熊切さん。なんておもしろそうな企画だろう!とお話を聞いた時からワクワクしていました。この映画が皆さんに届く日が待ち遠しいです。これはただの最悪な二日酔いなのか?舞はこのマンホールへ辿り着けるのか?男は脱出できるのか…?是非、この"穴"を劇場で体感していただけますように。・永山絢斗日本では珍しいタイプかつ挑戦的な作品で、たくさんの予想を裏切るような展開に驚きながら脚本を読みました。熊切監督とはいつかご一緒してみたいと思っていたので、今回お話をいただいて嬉しく、撮影中もこの作品への愛情が伝わってきました。マンホールのセットでも撮影がありましたが、すごくリアルな作りで美術さんも素晴らしかったです。あの中で撮影し続けた中島さんは大変だっただろうなと思いますが、本当に面白いサスペンス映画になっていると思いますので、是非劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。『#マンホール』は2023年2月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:#マンホール 2023年2月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
2022年11月04日第4話で、ようやく足並みがそろった『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の主人公・和佳(奈緒)と、さんし船団丸の漁師たち。魚の直販『お魚ボックス』の売り上げも好調で、将来性を見込んだ銀行が融資をしてくれることにもなり、これまでの和佳の苦労も報われたように思えました。とはいえ、一難去ってまた一難。第5話では、片岡(堤真一)が『お魚ボックス』の事業から抜ける危機が訪れそうです…。さらに、和佳が「先生」と呼ぶ相談相手、琴平祐介(渡辺大知)の正体も明らかに。『ファーストペンギン!』第5話あらすじ和佳が発案した、「お魚ボックス」の売上は好調。その将来性を見込んで、銀行が融資をしてくれることになった。設備も整い、漁師たちの報酬もアップ。さらに事務員として山藤そよ(志田未来)が加わったことで漁師たちのモチベーションは急上昇!活気に満ちた日々が訪れたのだが…。ある日、和佳が「先生」と呼ぶ相談相手・琴平祐介(渡辺大知)が、「大事な話がある」と言って東京からはるばる和佳に会いにきた。そんな二人の姿を、漁協の組合長・杉浦久光(梅沢富美男)が偶然目撃。杉浦は何かを思いついた様子で、不敵な笑みを浮かべ…!?一方、和佳が「先生」と会っていると知った片岡洋は、どんな男なのかとモヤモヤ…。そんな中、杉浦から片岡に連絡が入り、謎に包まれた「先生」の正体が明らかに!杉浦の話を聞いた片岡は、「わしゃもうボックスなんかやらんけぇの!」と事務所を飛び出してしまい…!?『ファーストペンギン!』第4話は、2022年11月2日、放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年11月01日妻夫木聡主演で1月より放送がスタートするTBS系新日曜劇場「Get Ready!」に、松下奈緒が凄腕オペナース・クイーンとして出演することが分かった。堤幸彦が演出を担当する本作は、多額の報酬と引き換えに、手段を選ばず患者の命を救う正体不明の闇医者チームの物語。主人公の孤高の天才執刀医・波佐間永介(通称:エース)を妻夫木さん、その相棒である交渉人・下山田譲(通称:ジョーカー)を藤原竜也が演じる。松下さんが演じるのは、エースが率いる闇医者チームの新たなメンバー、凄腕オペナース・依田沙姫(通称:クイーン)。過去は謎に包まれているが、オペナースとしての腕は超一流。相手が誰であろうと自分の言いたいことをストレートにぶつけ、エースには皮肉も言える間柄であり、ジョーカーとも友好的な関係を築いている。完璧なオペナースという役柄ゆえ、松下さんも数か月前から医療指導を受けクランクイン。患者のオペは、エースとクイーンの2人のみで行い、オペシーンの撮影時、妻夫木さんと松下さんは、朝から晩まで医療チームの指導の下で臨んでいるという。「これまで見たことのない内容になりそうなので期待に胸が膨らんでいます」と心境を明かした松下さんは、「オペシーンでは思いもよらないことが起きてしまうこともあるのですが、出来る限り本物のオペナースに近づけるよう、頑張りたいと思っています」と意気込む。また「今回のドラマは、カッコよくもありスタイリッシュなドラマだと感じたので、それに合わせて髪もこれまでで一番短くカットし気合を入れました。クイーンは謎が多く、まだ語られていないのですが、カッコよくて自由な女性を演じたいと思います。日曜の夜はぜひ『Get Ready!』をご覧いただけるとうれしいです。よろしくお願いします!」とメッセージを寄せている。「Get Ready!」は2023年1月より毎週日曜日21時~TBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2022年10月31日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。起業した知人から聞いた、ずっと忘れられない言葉がある。「雇った社員が結婚したんだよ。聞いたとき、怖くて足が震えた。自分では、『会社、この先何年やってけるか分からない』って思ってて、もう泥沼みたいな経営で。それなのに『家庭を持つ』っていうんだもの。でも、その時は顔に出さず笑って『おめでとう』ってご祝儀出して。ますます自分は死ぬ気で会社やらなきゃって」同じように数年後、社員が家を買うと言ってきた時にも、本気かと腰を抜かしそうになったらしい。もちろん顔に出さず、励ましたと言っていた。生々しい話で、起業して会社をやっていくって本当に大変なことだと思った。片岡(堤真一)ら漁師たちから贈られた営業スーツを見つめて、65万円の自腹を決めた和佳(奈緒)の姿に、友人のそんな言葉を思い出していた。食い詰めたシングルマザー・和佳がやってきた、山口県のとある漁村・汐ヶ崎。漁獲が落ち、魚の消費量も落ち、寂れゆく故郷を憂う漁師の片岡から、和佳は「浜の建て直しが出来るような事業を考えてほしい」と頼まれる。経営の経験なし、魚の知識もなし。あるのは根性とフットワーク、そして息子たちが生きる未来によりよい社会を残したいという願いのみ。そんなヒロインが奮闘する『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)。和佳は漁協を通さずに鮮魚を直販で届ける『お魚ボックス事業』を始めるものの、既得権益を手放さない漁協の横槍や、漁師達からの反発で事業は一向に軌道に乗らない。いざ直販事業が始まると漁師達の魚の梱包は乱雑で、クレームとその対応で和佳と漁師達はまたしても空中分解寸前になってしまう。獲った魚がどんな料理になるのかを見せれば、漁師達のモチベーションが上がるかもしれないと、和佳は全員の旅費65万円を自腹で借金して、船団丸の面々を高級フレンチに連れて行く。今回、4話ではその『フレンチ出張』と同時進行で、船団丸の漁師・山中篤(梶原善)と、その息子たくみ(上村侑)のすれ違う親子関係が描かれる。昭和生まれの漁師らしく何ごとも深く考えない篤と、一度は就職したものの、東京暮らしが合わずに地元に帰ってきて根腐れしたような生活を送る息子のたくみ。物語は10年前の話だが、おそらく日本全国、今もどこにでもある親子のありようだと思う。若い世代はSNS等を通して、地元に戻ってからも選べたはずなのに選べなかった、あるいは選ばなかった人生を横目で見つづける。親の世代はそんな若い世代の焦燥を腫れ物のように持て余す。今回とりわけ、たくみに東京で何があったのかと問う、若手漁師の永沢(鈴木伸之)との会話が印象深かった。問いかける永沢に、特に何があったわけじゃないが、東京での生活ひとつひとつに疲れたのだとたくみは自嘲気味に応える。学歴や教養や社会常識、地元の暮らしで存分に得られなかったものが、都会での彼を疲弊させたのだと思う。さりとて帰ってきても、さびれゆく土地の、さびれるだけの理由がもう見えてしまっていて、やるせなさは行き場がない。地方で生きていく若者の焦燥や、それでも捨てられぬ愛着がよく描かれたエピソードだと思う。高級フランス料理店での魚料理を通じて、たくみは鮮魚ボックスへの和佳の情熱(彼女はそれを『ロマン』という言葉で表現する)と漁師たちの魚への誇りに触れ、浜での生き方に小さな希望を見出す。大きな転機があるわけではないが、ひとつひとつそこで生きる理由を見つけて、いつか誇りになっていく。それは土地の良いところも悪いところも見つめながら、地方都市で生まれて暮らしていく多くの人々へ、真心のこもった静かなエールに思えた。ここぞという時には強烈なリーダーシップを発揮する一方、時に説明の言葉が足りない和佳と、キレやすい荒くれ漁師たちをつないでいるのは、まだ若い漁師の永沢一希である。大きな体を縮めるように和佳の話を聞き、一晩中子供に寄り添って、時には親子喧嘩の仲裁に入って殴られる。しかも殴られても激することもない。そんな心優しい漁師に、劇団EXILEの鈴木伸之がぴたっとはまっている。鈴木伸之は、昨年の『恋です!~ヤンキーくんと白杖ガール』(日本テレビ系)でも、いかつい外見に反し、繊細で思いやりのある青年を好演していた。あの大柄な体からにじみ出るような優しさには不思議な説得力があり、これから物語の中でどんな役割を果たすのか、楽しみである。立ち上げの時期を経て、事業が順調に走り出すとき、仕入れや人件費、経費がかさみ始める。しかしもどかしいかな、それが収益に変わるのは大抵その少し後なのである。和佳と漁師たちにも、避けて通れないシビアな資金繰りの問題が降りかかろうとしている。倒れた自転車と何気なく渡したチラシは、この先どこに繋がってくるだろうか。幾つもの点を浮かべ、物語は中盤に入ろうとしている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年10月28日奈緒主演、“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーの実話を基にした「ファーストペンギン!」の4話が10月26日オンエア。SNSでは奈緒演じる和佳が口にした「ロマン」というワードに「グッときたなぁ」「胸が熱くなっちゃう」などの反応が送られている。“ファーストペンギン”とは多くの敵が潜む海に最初に飛び込む勇気ある1羽のペンギンのこと。ファーストペンギンのように縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーの奮闘の実話を、「JIN-仁-」「義母と娘のブルース」などで知られる森下佳子のオリジナル脚本でドラマ化した本作。キャストは前回のラストで片岡らに社長になって欲しいと頼まれた岩崎和佳に奈緒さんが演じるほか、和佳に浜を立て直すようと頼み込んだ片岡洋に堤真一。都会から移住して片岡の漁船団「さんし船団丸」で漁師をしている永沢一希に鈴木伸之。「さんし船団丸」の漁師・山中篤に梶原善。同じく「さんし船団丸」漁師の磯田高志に吹越満。和佳に様々なアドバイスをする東京在住の琴平祐介に渡辺大知。和佳を助けるママ友の山藤そよに志田未来。和佳を応援する農林水産省の溝口静に松本若菜。汐ヶ崎漁港の仲買人・重森梨花にファーストサマーウイカ。汐ヶ崎漁業協同組合の組合長で、和佳のじゃまをする杉浦久光に梅沢富美男といった面々。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。「お魚ボックス」に配送先の飲食店から「魚が痛んでいる」「注文が間違っている」などのクレームが続出。和佳が代品を送る羽目になり大赤字状態で、漁師たちへの追加報酬もほとんど支払えず皆の士気は下がっていく。そんな状況を見かね片岡が和佳に無断でクレーム対応を開始。クレームを入れてきた店側に「悪いのは魚ではなく料理人の腕」と言い返していることを知った和佳は激怒、2人は大喧嘩に。頭を抱える和佳に東京のフレンチレストランのシェフ・流山(速水もこみち)から連絡が。和佳は65万もの交通費をかけ、流山のレストランに片岡たちを連れていくというのが今回のストーリー。個人経営の飲食店に直接ではなくチェーンやスーパーに魚を降ろせばいいという片岡に、和佳はそんな売り方はしたくないと反論。一尾単位で売るのは「私のロマンだから」と話す。終盤でも「今の私にはみんなに渡せるものは何もなくて、ロマンしかない」と語る和佳に視聴者からは「「今はロマンしか渡せない」グッときたなぁ」「ビジョンと覚悟を見せる。これぞ社長のあるべき姿」「私にはロマンしかない。いい台詞」「「浪漫」なんて言われたら胸が熱くなっちゃうよね」などの声が上がる。また「さんし船団丸」や汐ヶ崎に不満を抱いていたが、考えを変えた篤の息子・たくみにも「たくみも漁師の仕事に誇りとやりがいを持てる様になって、新しい事提案したりお父さんと仲直りも出来て良かった」「一番やる気のなかったたくみが変わる所に心動かされた…」といった感想が寄せられている。【第5話あらすじ】「お魚ボックス」の将来性を見込んで銀行が融資をしてくれることになり、漁師たちの報酬もアップ。事務員としてそよも加わったことで漁師たちのモチベーションは急上昇する。そんなある日、琴平が「大事な話がある」と東京からはるばる和佳に会いにくる。そのことを知った片岡は、どんな男なのかとモヤモヤ…。そして謎に包まれた「先生」の正体が明らかに…。「ファーストペンギン!」は毎週水曜22時~日本テレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年10月27日ようやく岩崎和佳(奈緒)を中心にまとまり始め、これからの巻き返しに期待がかかる、テレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第4話。しかし、そう簡単にはいきません。第3話で、母親としての在り方を問われ、漁師たちとの仕事を諦めかけた、和佳。それでも、和佳の熱心な営業を知り、引き止めにきた漁師たちや、何より息子の進(石塚陸翔)の存在もあり、再び『お魚ボックス』事業を軌道に乗せるべく、和佳とさんし船団丸の漁師たちは、動き始めたのでした。『お魚ボックス』の注文も増え始め、順調かと思われた矢先、配送先の飲食店からは、「魚が痛んでいる」「注文が間違っている」などクレームが続出する事態に。注文が増えても大赤字で、漁師たちへの追加報酬もほとんど支払えない状況を見かねた片岡洋(堤真一)が、和佳に無断でクレーム対応を開始するも、それがまたトラブルを生み出すのでした。『ファーストペンギン!』第4話あらすじ注文も順調に増え始め、順調そうに見えた、「お魚ボックス」事業。しかし、配送先の飲食店からは、「魚が痛んでいる」「注文が間違っている」などクレームが続出!苦情が来るたびに和佳が代品を送る羽目になり、注文が増えても大赤字!漁師たちへの追加報酬もほとんど支払えず、皆の士気は下がっていくばかり……。そんな状況を見かねた片岡洋は、和佳に無断でクレーム対応を開始。片岡が「悪いのは魚ではなく料理人の腕」とお客さんに言い返していることを知った和佳は激怒。片岡も苛立ちを募らせ、2人は大喧嘩に……!頭を抱える和佳のもとに、東京のフレンチレストランのシェフ・流山(速水もこみち)から連絡が入る。流山と話をするうち、和佳は、漁師たちのやる気をアップさせるための“ある秘策”を思い付き……!?『ファーストペンギン!』第4話は、2022年10月26日、放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年10月25日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。漁協からの度重なる陰湿な嫌がらせにも、根も葉もない悪い噂話にも、心折れないヒロイン。だが、その心がポキッと折れたのは、仕事への評価ではなくて、「母親としてあんたどうなんだ」という仲間からの反則の一撃だった。「それを言っちゃあ、おしまいだろ」と思ったら案の定、ヒロインの和佳は漁師たちとの仕事をあきらめて去ってしまう。それはやはり仕事仲間としては、決して刺してはいけないところなのだ。「これはつらいな」と思わずため息が出る。でも確かにその時が物語の底、深い水底でつま先が触れた瞬間だった。あとは蹴って上がるのだ。とある寂れゆく漁村、汐ヶ崎にふらりと現れたシングルマザーが、ひとりの漁師と出会って浜の再建になるような事業を興してほしいと頼まれる。華奢で、経営の経験もなく、おまけにアジとサバの区別もつかない彼女。しかし、類い希な根性と行動力の持ち主だった。そんなヒロイン岩崎和佳(奈緒)と、さんし船団丸の漁師達の奮闘を描く『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)。その行動力で、和佳はこれまでタブーとされてきた、漁協を通さない魚の直販を始めるべく国の六次産業化プロジェクトの認可を得て、漁協からの嫌がらせをものともせず直販事業に突き進む。漁協とのしがらみや増える仕事に渋る漁師達を激励し、叱りつけ、何とか事業をスタートさせたものの、和佳のアイデアを潰したい漁協の組合長・杉浦(梅沢富美男)の陰湿な妨害工作はまだ続いていた。嘘の証言を録音したり、フェイク画像まで作って和佳の悪評を広めようとする組合長の憎らしい悪役ぶりも、相変わらず見事にブレがない。ヒロインにふりかかる試練がエグいほど、後半ジャンプアップして面白くなるのが脚本家・森下佳子のドラマで、それは演技だと分かっていても一瞬「本当に嫌いになりそう」と思わせるような敵役あっての効果である。そのラインすれすれの憎々しさを、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』ではキムラ緑子が担ったが、今回は梅沢富美男が怪演している。さんし船団丸の口座から多額の預金を引き出して、目一杯おしゃれをして東京に出て行く和佳の行動を、漁師達は「会社の金を横領して遊び歩いているのでは」と怪しむが、それは東京の飲食店に魚を買ってもらうための必死の営業だった。何度も無理に食べ吐きしながら営業に回った和佳は倒れて病院に運ばれ、息子の進(石塚陸翔)を船団丸に預けたまま一晩帰れなくなってしまう。ここで漁師たちと和佳の間の不信感はピークに達する。漁師の片岡(堤真一)は和佳の母親としてのありようが酷すぎるのではないか、息子の進の物分かりがあまりにも良いのは、放置の結果の歪みではないのか、と和佳にとっては身に覚えのある『痛い一撃』を食らわせてしまうのである。興味深いのは、物分かりが良すぎる子供への忸怩(じくじ)たる思いが、どうやら片岡自身の過去に繋がっているような部分である。自分にその痛みの後悔があるから、和佳に対してもある意味的確にその武器を使ってしまったのではないか。片岡には病で死に別れた妻がおり、その妻には連れ子がいたということが物語の初回、漁師たちの話で明かされている。そして和佳には琴平(渡辺大知)という経営コンサルタントらしき青年が時折連絡をしてお魚ボックス事業に的確なアドバイスをしている。琴平は、和佳と進の親子に対して何らかの好意はあるようだが、その真意は見えない。その琴平が、今回のラストで汐ヶ崎の漁師たちについて直接見知っているふうなことを言いかけてやめた。そして、まだ和佳に対して何か隠している意図があるらしい。幾つもの点と点が浮かび上がっているが、それがどんな線を描くのかはわからない。中盤に向けての大きな楽しみの一つになりそうだ。こうして一度はさんし船団丸との縁を切ろうと決めた和佳だったが、和佳の献身的な営業の実情を知った漁師の面々が引き止めにやってくる。それでも振り切ろうとした和佳を引きとめたのは、いつも良い子すぎるくらい良い子である息子の進が初めて見せた怒りだった。漁師たちの訴えかけを無視して自転車をこぐ和佳に、進は初めて「ママのばか!」と怒り、驚いて自転車を止めた和佳は追いついてきた漁師たちと和解する。一度切れかけた糸が、繋がってまた撚りあう瞬間だった。しかし遡って考えると、普段は優しい幼い子を怒りに突き動かしたのは『楽しい漁師のおじちゃんたち』への思いやりだろう。それは一晩寄り添った永沢(鈴木伸之)の優しさや、ペンギンの鳴き声を真似て寂しさを紛らわせてくれた片岡の思いやり、そして母親の悪口を子供の目の前で言わなかった高志(吹越満)の気遣いといった、海の男たちの不器用な優しさが絡まりあって醸成されたものだ。つくづく人の縁は、単線ではなくて絡まりあってめぐるものだと思う。同じく森下佳子が脚本を担当した大河ドラマ『おんな城主直虎』(NHK)に、子を生まなかったことを揶揄された主人公が「あいにく子を持ったことはないもので。どの子も等しく我が子のように見えましてな」と返す名台詞がある。このセリフの味わい深さも、そして今作で繰り返される、長いものに巻かれないでも生きられる社会をという描写も、極上のエンタテインメントの中で「私たちは次の世代にどんな社会を残したいですか?」と問われているかのようだ。和佳と漁師たちの奮闘を見守りながら、その答えの一端だけでも見つけられるといいなと思っている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年10月21日現在の日本社会が抱える問題を縮図したようなストーリーや、キャスティングの絶妙さが受け、第1話放送以降、着々と人気を高めているドラマ『ファーストペンギン』(日本テレビ系)。『お魚ボックス』をめぐり、漁協から敵対視される主人公の岩崎和佳(奈緒)ではあるものの、第2話では、孤軍奮闘する彼女を助ける人たちの存在も出てきました。その1人が、和佳のママ友である、山藤そよ(志田未来)。『お魚ボックス』の注文数を増やすため、東京との往復を繰り返し多忙な日々を送るシングルマザーの和佳に代わり、そよは、和佳の1人息子・進(石塚陸翔)を夜の間だけ預かってくれる頼もしい存在です。ママ友の力を借りながら、1人営業活動に励む和佳でしたが、その裏では、敵対する漁協の組合長・杉浦久光(梅沢富美男)が吹聴した、「和佳は詐欺師である」という噂が広まりつつありました。『ファーストペンギン!』第3話あらすじ「お魚ボックス」の注文を増やすため、岩崎和佳は東京の飲食店に営業をしに行くことに。息子の進(石塚陸翔)を昼は保育園、夜はママ友・山藤そよに預けて、東京との往復を繰り返す多忙な日々を送っていた。そんな中、進は誕生日を迎える。この日も和佳は東京に出かけており、進は片岡洋(堤真一)たちと一緒に、船団の事務所で帰りを待つことに。しかし、和佳は約束の時間を過ぎても帰って来ず、片岡が何度電話をかけても繋がらない。翌朝になっても連絡がつかない和佳のことを、漁師たちは「男と一緒なのでは?」と疑い始めるが、片岡だけは、「子供の誕生日に母親がそんなこと…」と和佳を信じようとする。しかし、そこに磯田高志(吹越満)が会社の出納記録を持って飛び込んでくる!片岡が和佳に預けていた船団の口座から、大金が引き出されていたことが発覚し……!?『ファーストペンギン』第3話は、2022年10月19日、放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年10月18日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。森下佳子脚本ドラマの序盤はつらい。何作品か見て分かっているけれども、『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)の2話、ヒロインをとことん追い詰める容赦なさにまたしても唸った。ヒロインが苦難を乗り越え、問題を解決して仲間を得て目的に進んでいく。そのストーリー自体エンターテインメントとして王道だが、森下脚本でのヒロインの苦難は他のそれよりも更に一段闇が深いと思う。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』の時には、主人公・め以子が嫁いだ先の小姑の和枝が繰り出す『いけず』は、嫁いじめと言うには悪意が底知れなくて恐ろしかった。大河ドラマ『おんな城主直虎』の時も、ヒロインが領主になった当初はどこを向いても敵だらけで、頼りになるはずの幼なじみも敵方に離反しているように振る舞い、痛々しいことこの上なかった。2021年のテレビドラマ『天国と地獄〜サイコな2人』(TBS系)は男女の入れ替わりが物語の主軸だが、ヒロインは入れ替わった相手、つまり自分の姿をした相手から、意図的に食物アレルギー反応を仕組まれて死にかけてしまう。そして、今作「ファーストペンギン!」である。物語のスタートは、現在の10年前。ヒロインの岩崎和佳(奈緒)はシングルマザーとしてとある漁港に引っ越してくる。そして、ひょんなきっかけから、漁師の片岡洋(堤真一)と出会い、漁獲量が落ちてさびれていく浜を元気づけられるような事業を考えてほしいと頼まれる。折しも国が六次産業化プロジェクトを募集し始めた矢先で、水揚げされた魚を通販で直接販売する『お魚ボックス』の企画を見事に通すものの、彼女の前に立ちはだかったのは従来の販路を外そうとする企画を快く思わない漁協の組合長・杉浦久光(梅沢富美男)だった。一度は和佳の企画に賛成した片岡も、杉浦の圧力に負けて翻意してしまい、かくして和佳はハシゴを外され漁港の中で孤立してしまうのだった。とにかく、これでもかと和佳にふりかかる試練がえぐい。最初に依頼してきた片岡にハシゴを外されただけでも随分な話だが、その後どんなに漁師を鼓舞しようとしても無視され、自腹でお試し用の『お魚ボックス』を作って売ろうと奮闘しても魚を買えないように裏で仕組まれ、あまつさえ頼みの綱の六次産業化プロジェクトの認定さえも組合長の策略で取り消されそうになってしまう。しかもその理由が和佳がハニートラップで統括担当を脅迫したというひどい嘘なのだった。くじけない和佳のバイタリティもすさまじいが、実はその苦難の一つ一つに、そっと寄り添う人達がいる。とりわけ、周囲に対して大きな声をあげるわけではないけれど、土砂降りの中で傘をそっと差しだしてくれるような女性たちの助力が印象的だ。内緒で魚を売ってくれる女仲買人、解雇しても部屋からすぐに追い出さずに待ってくれる女将、逃げ回る役人に会えるように仕組んでくれるホステス、突然のトラブルの時にごく自然に子供を預かってくれるママ友、そして認定取り消しの動きにシグナルを出してくれる農水省の女性官僚。これは、確かにファーストペンギン・和佳の話だけれども、同時に、もしファーストペンギンたりうる特別な輝きの誰かに、(私自身含め)平凡に生きている人生で出会ったならば、どのように振る舞うかという話でもあると思う。すぐに大手を振ってついていくほどの勇気はなくても、転びかけたところに手を差し出し、気持ちがくじけた時にはそっと背中をさすってあげるような、今、出来ることで支えればいいということではないか。対して、このままでは寂れていく地域社会を維持できないと危機感を持ちながらも、既存のしがらみに絡めとられて動けない、漁師の片岡や中年男性たちの煮え切らなさは実にじれったい。その動きの鈍さ、現状ではまずいと思いながらも、暮らしを維持していかねばならない彼らの焦り。それらの矛盾は、今現実の社会を覆う閉塞感そのもののように見えるし、脚本は彼らのがんじがらめのしんどさを、今はじっと静かに見据えて描いている。2話を終えて、今のところは一難去って更に大きな一難といった具合で辛い展開が続くが、最初に書いたように、序盤の辛さは森下作品の大きな特徴である。中盤から終盤にかけて『その時』がくれば、まるで一気に咲きはじめる花のようにあらゆる登場人物が、そして序盤では到底好きになれそうになかった敵役までもが魅力的に変貌し、主人公が乗り越えてきた苦難一つ一つに意味があったのだと実感する。ドラマを見続ける楽しさが、そこには詰まっている。十年後の息子が語りかける優しいナレーションは、そこにたどり着くための地図なのだろう。まだリクライニングシートを倒してリラックスとはいかないけれど、物語は希望に向けて旅立った。揺れながらも力強く目的地を目指している。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら[文・構成/grape編集部]
2022年10月14日俳優の奈緒さんが主演を務める、テレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の第2話が、2022年10月12日に放送されます。漁師たちが獲った魚を、市場を通さず、直接料理店などに販売するシステムを考案し、後に国から『漁業6次産業化』として認定された『鮮魚ボックス事業』の生みの親、坪内知佳さんをモデルにした同ドラマ。当時、漁協を敵に回すも当然だったシステムは多くの困難に阻まれ、実現までの道のりは決して容易なものではありませんでした。『ファーストペンギン!』第1話でも、『お魚ボックス』をめぐり、主人公・岩崎和佳(奈緒)と漁協の組合長である杉浦(梅沢富美男)の対立が早くも描かれ、第2話で、和佳は仲居の仕事を辞めざるを得ない状況にまでおいこまれてしまいます。それだけではなく、和佳に追い打ちをかけるように、農林水産省の溝口静(松本若菜)から、「『おさかなボックス』事業の認定取り消しに向けた動きがある」と電話が。溝口いわく、申請書類に判をついた統括支店長、通称『統括さん』(伊沢弘)が、「和佳から脅迫され判をつかされた」と漁協に訴え出たのだといいます。『ファーストペンギン!』第2話あらすじ威勢よく啖呵を切ったものの、漁協だけでなく、漁師たちまで敵に回してしまい、孤立する岩崎和佳(奈緒)。それでもめげずに次の作戦を考え、漁師の片岡洋(堤真一)たちに、「お魚ボックス」の注文が取れたから魚を分けてほしいとお願いするのだが、漁協の組合長・杉浦久光(梅沢富美男)と約束したからと、魚を1匹も譲ってくれない。さらに杉浦の圧力は、和佳が勤めるホテルにまでおよび、和佳は仲居の仕事を辞めざるを得ない状況に。従業員寮も出て行かなければならなくなってしまう!そのうえ、農林水産省の溝口静(松本若菜)から、『おさかなボックス』事業の認定取り消しに向けた動きがあるとも告げられ、立て続けに襲いかかる苦難に心折れそうになる和佳だったが、東京にいる琴平祐介(渡辺大知)に背中を押され、"ある秘策”を思い付く!溝口に相談を持ちかけ、「『女』を使えないか?」という和佳だったが……果たしてその思いもよらぬ大胆な秘策とは!?[文・構成/grape編集部]
2022年10月12日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。誰の人生にも「ここで飛び込めばいいんだろうな」と水面をのぞき込む瞬間がある。でも、ここで飛ばなきゃ死ぬというような特殊な状況(病気の治療や理不尽な暴力から逃げる時など)で無いかぎり、大概の人は飛び込む前にそのまま振り返って静かに元の暮らしに戻っていく。大人になればなっただけ、何かを得ようとしたら何かを失う覚悟が必要だと分かる。失うものも見えすぎる。それでも一握りの人間は水面に飛び込むのだけれど、彼らを飛び込ませる最後の『一押し』は何だろう。お金、名誉、それとも正義。結局、魚のいる海どころか管理されたプールにすら飛び込めない人生を送りそうな私は、『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)を見ながらそんなことを考える。まるで火花が散るようなヒロイン・和佳(のどか)の啖呵(たんか)を、のけぞりながら聞いている。物語の始まりは現在からおよそ10年前。子連れのシングルマザー岩崎和佳(奈緒)が、とある中国地方の漁村にやってくる。住み込みでホテルの仲居をしながら、副業として事務系の雑用を請け負うつもりでいたところに、和佳は宴席での思い切りのよさと機転を見込まれて、漁船団『さんし船団丸』の社長である片岡洋(堤真一)から、「寂れていく浜の建て直しに何か事業を興せないか」と相談を持ちかけられる。アジとサバの区別すらつかない自分に「なぜそんなこと」をと不審に思いながらも、浜で食べた獲れたての魚の美味しさに商機を見た和佳は、片岡や部下の漁師達とぶつかり合いながらも、農林水産省が推進する六次産業化プロジェクトの認定を得る。和佳の奮闘に浜の建て直しの光明を見て喜ぶ『さんし船団丸』の面々だったが、それは漁協という既得権益の牙城との激しい戦いの始まりでもあった。実は、このドラマは実在の人物、土地、企業をベースにしている。脚本は、温かみのある丁寧なストーリーに定評のある森下佳子。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(2014年)、大河ドラマ『おんな城主直虎』(2017年)、『義母と娘のブルース』(2018年TBS系)など、近年手堅いヒット作が続いており、とりわけ一風変わった史実や原作ものをドラマとして組み立てる手腕は随一である。今回、ビジネスの実話をどんなふうにエンターテインメントに組み立ててくれるのか期待が膨らむ。初回を見て痛感したのは、人物の描写や設定そのものが寂れた漁村だけではない、今のこの国の縮図だということだった。ヒロインの和佳は、我が子の為に未来によりよい社会を残したい。そのために矛盾や改めていかねばならない部分が見えているし、タフで行動力もある。しかし、若さと圧倒的な男社会の漁業で女性であるということ、そしてよそ者であるというハンデが彼女を阻む。和佳に浜の建て直しを依頼する片岡は、社会を支えるミドルとして地域社会を衰退させてしまった己の来し方を顧みて罪悪感に悩みつつ、年の分だけ絡みついたしがらみが改革の最初の一歩を阻む。結局、総論賛成各論反対の矛盾を体現してしまっている。『さんし船団丸』の若手漁師・永沢(鈴木伸之)は、和佳の奮闘には肯定的なようだ。しかしそれを言葉にして積極的に支援するまでにはまだ至らない。改革者を静かに見つめる若年層のマジョリティのような存在である。そして巨大な既得権益として、漁協の組合長である杉浦(梅沢富美男)が立ちはだかる。かつて生産者たちの心強い味方だった組織が、時代の経過とともに疲弊していると多くの人々が気づいているけれども、あまりにも社会に深く絡みついて、周囲も当事者たちも修繕することも断ち切ることもできなくなっている。ヒロインのジレンマもさながら、現状に強い問題意識を持ちながらも、しがらみで身動きが取れない『さんし船団丸』社長の片岡の描き方が興味深い。初回のラスト、組合長から漁協を通さない魚の直販に脅しをかけられたヒロインに、普通ここは味方して二人で『巨悪』に立ち向かうだろうと思いきや、片岡は組合長相手に尻尾を巻いて、和佳が掛けた『魚の直販』という梯子をあっさり外してしまうのである。このままではいけないとわかっているが、何から手をつけたらいいのか、義理や恩を損なわずに現状を変えていくにはどうしたらいいのか、下からは冷淡な目で見られ上からは押さえつけられて右往左往しているこの国のミドルの現状そのもののようだ。結果、和佳が悔し涙にまみれながら、まるで手負いの獣が暴れるような激しい啖呵を片岡と組合長に浴びせかけて、戦いの火ぶたが切って落とされる。和佳には、学生の頃に校則をめぐり正論を通そうとして、いざ教師と対峙するときには生徒は誰も味方をしてくれずに持論を撤回してしまった苦い過去があった。その傷は思い出に押し込められたように見えて、ずっと彼女の中で治らずに膿んでいた。その長く疼く痛みの人生を、そして長いものに巻かれたほうがいいような社会を、息子の世代に残していいものかという怒りと切迫が彼女を水に飛び込ませたのだと思う。勇気は、愛する誰かに誇れる自分でいたいという願いからやってくる。かくして最初のペンギンは水に飛び込んだ。後に誰か続くのか、ペンギンたちは天敵に食われずに突き進むのか。何せ森下脚本である。この先も上下左右に大揺れして一筋縄ではいかないだろう。ときめきと笑いと阿鼻叫喚の数か月が待っている。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年10月07日日本テレビ系新水曜ドラマ「ファーストペンギン!」が10月5日スタート。主人公を演じる奈緒の“長セリフ”シーンに「キレ演技すごかった!」「仕事のくだらん悩みがどっかいった」など絶賛の声がSNSに投稿されている。ファーストペンギンとはシャチなど多くの敵が潜む海に、最初に飛び込む勇気あるペンギンのこと。本作は勇気ある1羽目であるファーストペンギンのように、縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーと、彼女と共に改革の荒波に漕ぎだした漁師たちの実話をモデルに、「JIN-仁-」「義母と娘のブルース」などで知られる森下佳子がオリジナル脚本を手がけた作品。キャストは幼い一人息子を抱え、見ず知らずの土地である港町・汐ヶ崎に移り住んだシングルマザーの岩崎和佳に奈緒さん。和佳に「浜を立て直してほしい」と頼み込む、漁船団「さんし船団丸」を率いる社長の片岡洋に堤真一。数年前、都会から移住し船団員に加わった漁船団「さんし船団丸」の若手漁師・永沢一希に鈴木伸之。片岡のことを兄貴分として慕っている、漁船団「さんし船団丸」の漁師・山中篤に梶原善。片岡にとって頼れる右腕でもある「さんし船団丸」漁師の磯田高志に吹越満。和佳から先生と呼ばれている東京在住の琴平祐介に渡辺大知。国が推進する農林漁業の6次産業化プロジェクトを担当する、農林水産省の溝口静に松本若菜。汐ヶ崎漁港の魚市場に出入りしている仲買人の重森梨花にファーストサマーウイカ。組合長である杉浦の腰巾着のような存在の安野茂に遠山俊也。汐ヶ崎漁業協同組合の組合長で、片岡ら漁師たちにとっては頭の上がらない存在の杉浦久光に梅沢富美男といった顔ぶれが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。和佳は5才の一人息子・進(石塚陸翔)を連れ、寂れた港町・汐ヶ崎に移り住む。地元のホテルで仲居として働くなかで片岡と出会った和佳は彼に名刺を渡す。その名刺を見た片岡は和佳に連絡。漁師たちの高齢化が進み、漁獲量も減るばかりの港の窮状を憂う片岡は、和佳に浜を立て直して欲しいと依頼。和佳は魚を直売する“お魚ボックス”を提案するが、漁協を通さないで漁師が魚を直接売ることはできなかった…というのが1話のストーリー。漁協の統括を説得、市、県、そして農林水産省までたどり着き、直売の許可をもらうことに成功する和佳だが、そこに杉浦が乗り込んできて片岡に脅しとも言える発言をする。すると片岡は手のひらを返す…。はしごを外された形になった和佳は涙を流し激昂、片岡だけでなく杉浦にも“反撃”する…。この際の奈緒さんの長セリフに「奈緒ちゃんの演技が最高!噛みそうなセリフをブチギレながら言うのほんとすごい」「奈緒さんのキレ演技すごかった!長セリフや迫力はもちろん、顔の筋肉がめちゃくちゃ動いててすごい!」などの声が殺到。主人公が巻き込まれた漁業を巡る業界の構造にも「この漁協というか漁村、現代日本社会の縮図ってことなんだな……」「昔からそうなってるを疑いなく続けててはイノベーションは起こせんのじゃよ」「漁協や農協だけじゃない。どこの世界にもあるある案件」などの反応が上がっている。【第2話あらすじ】片岡は杉浦に詫びを入れに行ってしまい、和佳は漁協だけでなく漁師たちまで敵に回し孤立してしまうが、それでも諦めきれず新たな作戦を考え決行することに。和佳は片岡たちに“お魚ボックス”の注文が取れたから魚を分けてほしいとお願いするが、片岡は杉浦と約束したからと魚を譲らない。そこで和佳は仲買人から魚を仕入れようとするが、既にそこにも杉浦の息がかかっていた…。「ファーストペンギン!」は毎週水曜22時~日本テレビにて放送中。(笠緒)
2022年10月06日10月5日(水)本日から放送がスタートした、奈緒主演の新ドラマ「ファーストペンギン!」において、ナレーションを『万引き家族』に出演した城桧吏が務めていることが明らかになった。本作は、縁もゆかりもない漁業の世界に飛び込んだシングルマザーと、彼女と共に改革の荒波に漕ぎだした漁師たちの実話をモデルに描く、森下佳子がオリジナル脚本で紡ぐリアルサクセスストーリー。先ほど放送が終了した第1話では、スタート時から印象的なフレーズで城さんのナレーションが物語に彩りを加えた。演じるのは、奈緒さん扮する主人公・和佳の息子・進の“10年後の声”となっており、現代を生きる進が、10年前の母たちの奮闘記を回顧する形で、毎話ストーリーが展開していく。第1話では、和佳の苦労を近くで見守ってきた進の視点から、母の本心を代弁し、“ファーストペンギン”の由来についても説明した城さん。ナレーションを担当するのは、今作が初となるが「難しく感じる事も多々ありますが、物語を支える大事な役割の1つだと思いますので気が引き締まる思いで参加させて頂いています」と話し、「みなさんへ届くように精一杯頑張ります!最後までたくさんの方に見届けて頂きたいです」とコメントしている。「ファーストペンギン!」は毎週水曜日22時~日本テレビ系にて放送中。(cinemacafe.net)
2022年10月05日2022年10月5日、俳優の奈緒さんが主演を務める、新テレビドラマ『ファーストペンギン』(日本テレビ系)の第1話が放送されます。縁もゆかりもない、漁業の世界に飛び込んだシングルマザーと漁師たちの『奇跡の実話』をモデルにした『ファーストペンギン』。地元のホテルで仲居として働いていた主人公・岩崎和佳(奈緒)が、『浜の立て直し』を頼み込まれ、しがらみだらけの業界で革命を起こしていく様を描いています。『ファーストペンギン』第1話あらすじ人生崖っぷちのシングルマザー・岩崎和佳(奈緒)は、5才の一人息子・進(石塚陸翔)を連れて、寂れた港町・汐ヶ崎に移り住んできたばかり。地元のホテルで仲居として働いていたある日、漁師の片岡洋(堤真一)から「浜の立て直し」を頼み込まれる。片岡は、漁師たちの高齢化が進み、漁獲量も減りゆくばかりの港の窮状を憂い、かつての賑わいを取り戻したいと思う一方、これといった打開策も見いだせぬまま、ひそかに危機感を募らせていたのだった。アジとサバの違いもわからず、未知なる『漁業の世界』に飛び込むことに尻込みする和佳だったが、片岡に連れて行かれた漁港で振舞われた魚の美味しさに感動。半ば押し切られる形で、片岡の依頼を引き受けることになった。早速漁業について勉強を開始した和佳は、東京にいる相談相手・琴平祐介(渡辺大知)からアドバイスを受けながら、魚の直販ビジネス『お魚ボックス』のアイデアを思いつき、片岡たちに提案。しかし、『お魚ボックス』は、既存の流通の『中間業者』にあたる漁協や仲買を飛ばすことになるらしく、彼らに喧嘩を売るも同然な案だった。片岡たちから「漁協に逆らうなんてありえない」と猛反対を受け、渋々引き下がろうとする和佳だったが、内心は納得しきれていない様子で…。漁師たち自ら、全国のお客さんたちに新鮮な魚を直接届ける『お魚ボックス』の実現に向けて、孤軍奮闘し始めた和佳。漁業はド素人の彼女が、ジリ貧状態の港に嵐を巻き起こすことはできるのでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2022年10月04日永野芽郁を主演、奈緒らを共演に迎え、タナダユキ監督がメガホンをとった映画『マイ・ブロークン・マリコ』。この度、永野さん、奈緒さんが作品への想いを語る貴重なインタビューが盛り込まれた特別映像が解禁となった。主人公シイノを演じた永野さん、そしてマリコを演じた奈緒さんが「オファーを受けた時の心境」「それぞれとの共演について」「印象に残っているエピソード」「印象に残っているセリフ」が、初解禁となる本編映像とあわせて明らかになる本映像。隣にいるお互いを想いながら、言葉を紡ぎ出す永野さんと奈緒さん。作品への参加の経緯を話す中、奈緒さんがマリコ役を演じる可能性が出て来た段階で「奈緒ちゃんがやるならできるかも」とふり返る永野さん。さらに、「ずっと芽郁ちゃんが隣にいてくれた」ことが大きかったという奈緒さんも、元々の信頼関係だからこそできた役づくりだったことを明かす。二人とも難しい役どころだったのにもかかわらず、「友達としても、奈緒ちゃんのこの瞬間を、今、私しか見ていないって幸せだなって思う」という気持ちがあったと話しながら、『マイ・ブロークン・マリコ』が「二人の絆を確かなものにしてくれた作品」であると断言する永野さん。さらには「印象に残っているセリフ」を語る中では、公開後だからこそ明らかにできる作品の細部に渡るまで、それぞれの想いが語られる。最後には「明日に寄り添える作品ができた」と奈緒さん、「魂からの叫びをスクリーンを通して体感していただけるようになっていると思います。日常に彩りが出たら良いなと思っています」と永野さんはそれぞれメッセージを送っている。「輝け!ブロスコミックアワード2020」大賞を受賞、「この漫画がすごい!2021年オンナ編」第4位にランクインしたほか、2021年に文化庁主催メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞した平庫ワカのコミックを映画化した本作。カナダ・モントリオールで行われたファンタジア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞している。『マイ・ブロークン・マリコ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイ・ブロークン・マリコ 2022年9月30日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会
2022年10月02日奈緒主演、森下佳子が手掛けるオリジナル脚本ドラマ「ファーストペンギン!」の爽快感あふれるポスタービジュアルが公開された。本作は、奈緒さん演じる人生崖っぷちのシングルマザー・岩崎和佳と、堤真一演じるベテラン漁師・片岡洋が、凸凹バディとなり、漁業の世界で大革命を起こす、ウソみたいに爽快なホントの話。完成したビジュアルは、大きなタイを片手に笑顔がはじける和佳と、彼女に勢いよく肩を組まれ驚く片岡の凸凹バディ感が目を引く。また、奈緒さんと堤さんが手にしている魚は、和佳のモデルとなった坪内知佳が率いる漁船団「萩大島船団丸」から取り寄せた新鮮な天然魚。背景のイラストでは、子どもが描いたようなタッチの海の生き物が描かれており、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめるドラマの世界観が表現されている。「ファーストペンギン!」は10月5日より毎週水曜日22時~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2022年09月21日