住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう!わかる」って盛り上がれるのが、青春時代に感銘を受けた映画の話。活躍する同世代の女性と一緒に、“あのころ”を振り返ってみましょうーー。「映画『櫂』(’85年)、『陽暉楼』(’85年)の舞台となるのは、高知県の花街。幼少期に花街で育った原作者・宮尾登美子さんが見てきた風景が、五社英雄監督独特の、リアルで力強い映像で再現されています。どちらも、花街で懸命に生きる女性の姿を描いた作品です」そう語るのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(53)。“女性の視点”から綴られた宮尾登美子の小説は『序の舞』(’84年)、『夜汽車』(’87年)、『寒椿』(’92年)など次々に映像化され、昭和から平成初期の日本映画界を彩った。「’60〜’70年代は、ヤクザ映画が全盛でした。『仁義なき戦い』(’73年からシリーズ化)が大きな転機で、それまでの作品のように、美化されたヤクザを描くだけではなく、下っ端にあっけなく殺されたり、お金がなくて犬の肉を食べるシーンも織り込むなど、“リアルな弱さ”、も表現し、ヒューマンドラマとしてヒットしました」ただし、それらはあくまで男性目線だった。「宮尾登美子さんの作品が映画化されるようになったのは’80年代に入ってから。それまでも、赤線などで虐げられる女性の姿を描いた作品はありましたが、あくまで社会問題の一つとしてでした。しかし『櫂』や『陽暉楼』では、女性が金銭で売買され、乱暴にあつかわれ、それでも客の前では華やかに振る舞い、凛として強く生きるーー。そんな一人の人間としての女性の生き方が、リアルに、そして丁寧に描かれたのです」こうした深いテーマを支えたのが、豪華なセットや衣装、そして俳優陣だった。「いまならCGを駆使するようなシーンも、豪華なセットを組んでいましたし、登場する芸妓たちのきらびやかな着物も圧巻でした。緒形拳さん、十朱幸代さん、名取裕子さん、浅野温子さんなど、トップスターたちの共演も見どころでしたが、さらに清純派といわれた女優がぬれ場に挑戦することに、男性のみならず、女性も興味を抱かされました」現在の映画やテレビでは、ここまでの性的なシーンはNGとなることが多いという。「当時はテレビでも、『土曜ワイド劇場』(’77〜’17年・テレビ朝日系)といった2時間ドラマなどでヌードのシーンが多々ありました。そのころでさえ、五社監督の描くぬれ場は、汗の匂いや息遣いなどを間近で感じられるようで、生々しく、かつ過激でした。こうした話題性も、映画のヒットの要因となったのでしょう」「女性自身」2021年5月25日号 掲載
2021年05月17日住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう!わかる」って盛り上がれるのが、青春時代に感銘を受けた映画の話。各界で活躍する同世代の女性と一緒に、“あのころ”を振り返ってみましょうーー。「’80年代は、九州から上京して、一社会人として修行をしていた時代。世の中はバブルに沸いて楽しい時代だったのかもわからないけど、私にとっては涙しかなかったような気がしますね。でも、そんな私に生きていく力を与えてくれたのが、宮尾登美子さん原作の映画でした。とくに見惚れてしまったのが、『陽暉楼』(’85年)や『櫂』(’85年)、『夜汽車』(’87年)など、大正末期から昭和初期にかけての、凛として力強い女性の生きざまを描いた一連の作品です」こう’80年代を振り返るのは、美容家のIKKOさん(59)。たとえば『櫂』では、女衒の夫のいる現実に耐えながらも、家族や子どもを守るために生きていく姿に感銘を受けたという。「私自身も生きにくさを感じていたから、芯の強い、どんな逆境でも懸命に生きる女性の強さに憧れていたんですね。主人公を演じる十朱幸代さんが、大事に育てた子どもを別居する夫の元に引き渡す際、雨のなか和傘をさして佇むシーンがあるんですが、美しかったなって思い出します」『陽暉楼』の豪奢な和装の芸妓の姿には、目をみはった。「真の色気を考えさせられました。色っぽさというのは、からだ全体から発せられるもの。息遣いであったり、しなり方だったり、帯の締め方、襟の抜き方、そして髪形も大事。たとえば髪の毛にこれくらい空気が入って、柔らかさがこのくらいで、今にも崩れそうな髪の毛は襟足のこのあたりにあって……のような、細かい魅せ方を勉強させていただきました」こうして培われた和の世界を表現するヘアメークの感性は、美容専門学校卒業後に就職した澤飯廣英氏が経営する横浜の超一流サロン「サワイイ」を退職し、独立した後にも生かされた。「アトリエGOROを主宰するヘアデザイナーの伊藤五郎先生が、ご自身に来た仕事がスケジュールが合わず、『和装がうまい』からと私に回してくださったんです。もう大抜擢だったと思う。昨日今日フリーになった人間がすぐ表紙のヘアメークをやるわけだから」眞野あずさを担当した『美しいキモノ』の表紙がきっかけとなり、『ミセス』や『家庭画報』の表紙のヘアメーク依頼も舞い込み、仕事が激増。その後の活躍は、誰もが知るところだ。「’80年代は、今の私を作り上げる、助走期間の10年でした」「女性自身」2021年5月25日号 掲載
2021年05月17日多部未華子主演、大森南朋、瀬戸康史らが共演する「私の家政夫ナギサさん」の7月21日放送。今週もナギサさんのセリフに心を揺さぶられる視聴者が続出。さらに宮尾俊太郎演じる肥後のまさかの行動にも、驚きの声が広がっている。本作はTBS初となるWEBコミック原作ドラマ。キャリアウーマンだが家事が全くできないアラサー独身、「天保山製薬」でMRとして働く相原メイ役で多部さんが主演。そんなメイのもとにやってくる「NTSクリーンハウス」の50歳のおじさん家政夫・鴫野ナギサ役で大森さん。メイが働くライバル「アーノルド製薬」の超優秀なMR・田所優太役で瀬戸さん。家事代行サービス業者「NTSクリーンハウス」で働くメイの妹・唯役で趣里。「天保山製薬」の新入社員・瀬川遙人役で眞栄田郷敦。メイを「やればできる子」と信じ疑わない母・美登里役で草刈民代。そのほか若月佑美、高橋メアリージュン、富田靖子らが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。部屋のなかで滑ったメイをナギサさんが抱きかかえたところに美登里が現れる。母と同じく家事全般が苦手だと告白するメイだが、母の言葉に決意を新たにし、「今日から生まれ変わる」と仕事と家事の両立を目指そうと奮闘するが、まったくうまくいかず自らの掃除・料理への適応力のなさに絶望する…というのが今回のおはなし。ナギサさんに謝罪するため「NTSクリーンハウス」を訪れた美登里。メイが自分に似て家事ができないことを「ショック」だと語る美登里にナギサさんはメイの「できるところだけじゃなくて、できないところも見てください」と答える…そんなナギサさんの言葉に「ナギサさんのほうがよっっっっぽどメイちゃんのお母さんになってほしい」「ナギサさんの台詞、結構刺さるなぁ」「めっちゃいい言葉泣きそうになったわ」などの声が視聴者から上がる。一方、メイがマッチングアプリで営業先のクリニックの医師・肥後(宮尾さん)に“いいね”したことから、肥後がメイのことを意識し始め、さらに田所もメイを食事に誘い…「てっきりナギサさんと田所さんの三角関係だと思ってたのに肥後先生も入ってくるの?」「肥後先生が介入してくるのは全く想定してなかった」「何角関係かの一角に肥後先生が入ってくるとは思わんかった」など、まさかの展開に驚く視聴者も続出中だ。(笠緒)
2020年07月22日作家の林真理子さん(66)は、本誌連載『血流講座』でおなじみの順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生(59)と10年来の友人。そんな2人の対談では、新型コロナウイルス対策から、さまざまなダイエット法を試してきた林さんの悩みに、先生が適切な答えをーー。小林「作家としてお忙しい林さんですが、体調管理はどうされていますか」林「実は先生に教えていただいた食物繊維と乳酸菌を毎日取ることを続けてみたら、お肌の調子がよくなり、髪にもハリが。あとお通じも順調になったんです」小林「腸が健康になって、しっかり働いているようですね。体の隅々まで栄養が行き届いている証拠ですよ」林「ただ最近は、新型コロナウイルスの影響で、楽しみにしていた歌舞伎、オペラが中止で、大相撲は無観客に。私の講演会やイベントも全部、延期。講演で食べているわけではありませんが減収にはなるし、買い物ひとつでも、心ざわつくことが多くて……」小林「とにかく今の時期は正しい情報を知って、それを守ることが求められています。換気が悪くて狭い閉鎖空間で、大人数で集まらないこと。密閉、密集、密接の『3密』を避けることを徹底するのが大事ですね」林「コロナ対策もさることながら、小林先生に、相談があるんです。実は昨年から会食が重なり、暴飲暴食を続けていたら、女性としてどうかというレベルまで体重が増加。それから食事を我慢するなどすごく頑張ったのに毎日200グラムずつ増えていくので、体重を量るのをやめてしまいました。体重計が怖くて……」小林「食事に加えて、痩せ体質を作るには体を動かすことも重要ですが、林さんはどんな運動をされていますか?」林「週2回ジムに通って軽い筋トレやストレッチを中心にしていました」小林「今はジムにも行きづらいと思いますが、家でもいいので運動を続けることは大事です。林さんは仕事上、座りっぱなしが多いと思いますが、長時間座っている人ほどがん、糖尿病や心筋梗塞などのリスクが高くなることがわかっています。仕事の合間にウオーキングするのもオススメですよ」林「スーパーの帰りに遠回りしたり、用もないのに隣町まで歩いたりしています」小林「ウオーキングが流行していますが、正しい歩き方をしないでただ漫然と歩いているだけではあまり効果は期待できません。たとえば僕は、胸を張って腕を後ろにしっかり振り切ることを意識しています。腕を振ることで大股になるし、そうすることで、腸を支えている腸腰筋が動きます。腸の働きを促すだけでなく、美しい姿勢を維持できる。あと、階段の上り下りをするのが効果的な運動です」林「私も階段は意識して使うようにしています。地下鉄に乗るときもエスカレーターを使わずに階段を上り下りしていますが『おばちゃん頑張っている』と冷ややかな目で見られたら嫌だなと。考えすぎかもしれませんけど」小林「階段は無料のジムです。階段を見つけたらラッキーだと思うようにしてください」林「さっそくやってみます。とにかく今は免疫力を上げるのが大事ですからね」小林「林さんの近刊『綴る女』(中央公論社新社)を読ませてもらいましたが、宮尾登美子さんの波瀾万丈の人生に心躍らされたし、彼女の生きざまに感動しました。そのように心揺さぶられる感情によって、幸せホルモンといわれるセロトニンやドーパミンが分泌され、免疫力も上がると考えられています。今、自粛ムードが広まっている中、家で私の『グーパー体操』(『寝たきりでもできる!死ぬまでボケない小林式グーパー体操』〈光文社〉小林弘幸著)をするのもいいですが、読書もいいことだとあらためて思いました」林「家にこもってスマホをいじっていると鬱々した気分になりますからね。とくにSNSの情報にはデタラメが多くて……」小林「この新型コロナウイルスの流行もいずれ終息します。どんよりした気分で過ごすよりも少しでも、心を豊かにさせて、前向きに生きることが大事です」林「終息後には、テレワークが発達したり、働き方が改善されたりとさまざまな変化が起こるでしょうね。家族の触れ合いの大切さが見直されたりするのもいいことだと思います。先生とお会いしたら、元気な気分になれました」小林「こちらこそありがとうございました」「女性自身」2020年4月21日号 掲載
2020年04月10日京都市東山区東山安井町。「ミナミ美容室」は、悪縁を切り、良縁を呼ぶ神社として若い女性に人気の「安井金毘羅宮」のはす向かいにある。創業131年。南登美子さん(91)の祖母、南ぢうさんが1888年(明治21年)に、舞妓芸妓の髪を結う「髪結い」として始めた店だ。戦後に建て替えられた木造2階建ての2階が店舗であり、急な階段を上ると、そこにはタイムスリップしたかのような空間が――。鏡の前に並ぶレトロな椅子、年代物のパーマ器が並び、大正時代のレジはいまも健在。登美子さんが日本髪を結うのは、店のいちばん奥のスペースである。電熱器で熱し、髪を整えるための愛用のコテも大正時代のものだ。「いま、京都でも舞妓さんの髪を結えるのは10人もいません」登美子さんは、引出しから京つげ櫛の老舗「十三や」の櫛を手に取り、慈しむように見やりながら語る。「ただ結うのではなく、頭や顔の形、雰囲気やどのような場所に行かれるのか、いろんなことを考え、その人が輝くイメージをもってこしらえなければいけません。『きれいになれ、きれいになれ』と思う心が大事なんですね」祖母は、京都一とうたわれた髪結いだった。2代目の母・ちゑさんも、その腕を高く評価され、昭和天皇ご即位の御大典では、高等女官のお髪上げを任されている。そして3代目の登美子さんは、古代朝廷の貴婦人から現代の舞妓まで、長い歴史のなかの300種類の髪形を再現できる。しかも、それぞれの時代の風俗や文化までも記憶しているという徹底ぶりだ。「髪形の変遷は、美を追求してきた歴史なんです。古墳時代の昔から、女性はずっとオシャレをしてきた。美容も、時代ごとにさまざまな手法、技を生み出してきました。美しくなってほしい--伝統を守るとは、そんな思いをつないでいくことなんでしょうね」1700年の美を受け継ぐ登美子さんは、伊勢神宮の神事にも関わる。現在は、天皇陛下の長女であり、祭主を務める黒田清子さんの結髪と着付けを担っている。1928年(昭和3年)、登美子さんは京都市東山区で画家の娘として生まれた。ミナミ美容室を営む父方の祖母・南ぢうさんと伯母・ちゑさんのもとに引き取られたのは、3歳のときだ。宮尾登美子の小説『序の舞』は、女流日本画家・上村松園(1875~1949)の生涯を描いたものだが、中にこんな記述がある。《南さんは京都中でいちばん上手と評判だったが、なるほど結って戻ったます子の頭はぴったりと形よく品よくでき上がっていて、申し分なく、それを婚礼衣裳の振袖を着せ、丸帯を締めさせて画室に入ってもらった》この“南さん”が、ぢうさんである。登美子さんは、ちゑさんの娘として育てられた。「当時の店は、お弟子さんが5~6人もいてすごく繁盛していました。私は、お母さんの傍らにいたくて、いつも店で髪結いさんごっこです。“さん払い”(和紙のハタキ)を髪に見立てて、島田や丸髷に結っては遊んでいましたね」母・ちゑさんは、生涯独身を通し、髪結いの技術はもとより、日本髪の変遷と研究に情熱を燃やした人だった。’56年に、京都三大祭りのひとつ「葵祭」のヒロイン・斎王代が復活したときには、斎王代の平安貴族の髪形から髪飾り、衣装の着付けまで担当。時代祭の皇女和宮、祗園祭の小町踊りの少女の結髪も手掛ける。「母は、それは熱心に日本画家の研究会に通ったり、大学教授と一緒に時代風俗を考察。そうやって勉強していたのです。また、大正天皇の貞明皇后にお仕えしていた女官さんに、宮中の女性の髪形もじかに教わっています。そうして伊勢神宮の神事もまかされるようになりました。私も、そんな母の助手としてついていき、多くを学びました」’81年、ちゑさんは功績が認められ、黄綬褒章を受賞。古代の朝廷や公家、武家の行事や風俗・習慣、装束などの伝統を学び伝える「有識美容師」になった。登美子さんもまた、髪形の歴史と伝統を学び、文献を読みあさり、雛形や日本画を参考に研鑽を積んでいった。「髪結いが下に見られんように、ほんまに頑張ってきました」驚いたことに、登美子さんが仕事で初めて日本髪を結ったのは、60歳のときだという。「花嫁の髪でした。病気で伏せていた母が、おぶわれて仕事場に来て、『上手に結えてる』とひと言。最初で最後の褒め言葉でした」翌’89年、ちゑさんは85歳で亡くなった。登美子さんは、母の仕事を引き継いだ。伊勢神宮の祭主である池田厚子さん(昭和天皇の四女)の結髪と着付けを担うようになる。祭主とは、神への天皇の勅使であり、2月の祈年祭、6月と12月の月次祭、10月の神嘗祭という大きな祭典を主宰する神職である。「ご祭主様は大変ですよ。式典は真夜中に行い、睡眠時間は3時間ほど。それを3日間、外宮と内宮をまわられるわけですから。私どもは小さな部屋で待ち、潔斎(沐浴)されたご祭主様の装束と髪形をつくります。その日の式典が終わると解くわけですが、寝る時間もやはり3時間ほどです」’95年、登美子さんもまた「有識美容師」になった。そして毎年4回、大きな祭典が行われるたびに伊勢神宮に足を運んできた。黒田さんは、’17年から伊勢神宮の祭主となり、登美子さんは引き続き現在もおつとめしている。登美子さんは「京都美容文化クラブ」の会長であり、会員は若い人も含めて50人ほど。「有識美容師をめざしている人たちに日本髪の伝統を受け渡し、次世代につなぐのが私の役目。クラブのみんなが後継者ですねん」銀縁の眼鏡の奥から優しいまなざしで前を見据える。「古代から現代の舞妓まで300種類の髪形を再現できる技を伝えていきたい」
2019年03月18日バレエダンサーでタレントの宮尾俊太郎が、俳優・織田裕二の主演で10月よりスタートするTBS系ドラマ『IQ246~華麗なる事件簿~』に出演することが6日、明らかになった。同ドラマは、織田演じるIQ246の天才・法門寺沙羅駆(ほうもんじ・しゃらく)が膨大な知識と鮮やかな推理で難事件を解決するミステリー。沙羅駆は、貴族の末裔で、嫡子は代々246という高いIQが遺伝するという特別な家系に生まれた男で、生活に困ることなくひたすら学問・知識を追求してきた法門寺家の現当主だ。1話完結で織田のほか、土屋太鳳、ディーン・フジオカらも出演する。宮尾が演じるのは、自らが解くに値する謎を求める沙羅駆が首を突っ込んでいく難事件を担当する警視庁捜査一課の刑事・山田次郎。超名門校を次々首席で卒業した経歴を持つ超インテリな上、拳銃、柔術などにもたけ、数カ国語を操るという一見優秀な刑事だ。警視庁内でその能力を見込まれているかは定かでないが、沙羅駆に出会って以来、難事件の捜査にあたる度に彼に振り回され、名前をイジられるなどプライドを踏みにじられてしまう役どころになっている。「『映像のお仕事をしっかりとやってみたい』という気持ちがありましたし、豪華なキャストの方々からもたくさん学ばせていただける機会をいただけたので、役者としての成長ができるように取り組みたい」と意気込む宮尾。「刑事らしい所作、話し方など、普段経験したことがないので難しい部分も」と話しつつ、演じる「山田次郎は少し変わっているところがありますが、刑事という根本的な部分が揺らがないようにしたい」とアピールする。また、役作りで「"刑事である"ということが見ている方に伝わるようにしたいのは大前提」としながら、「所々に横文字のセリフが入ってきたり、他人を見下している部分があり、(彼の高学歴で自信家な)センスが『一般の人と違うな』と感じています」と説明。沙羅駆には及ばないものの次郎も「IQは高いのでスマートに推理ができる側面もあると思いますので、シリアスなところと彼のセンスが突き抜ける、そのバランスを大切にしたい」と演じる上での狙いを明かした。(C)TBS
2016年09月07日宮尾俊太郎(バレエ)×大貫勇輔(コンテンポラリーダンス)×尾上菊之丞(日本舞踊)×藤原道山(尺八)×SINSKE(マリンバ)による『Clementia』が上演に。昨年、大貫がSINSKEと共演した公演の第二弾で、今回は構成・演出・振付に川崎悦子を迎え、スケールアップした舞台となる。『Clementia』チケット情報大貫は「昨年の『Clementia』は、マリンバ奏者のSINSKEさんの1対1で踊りたいという思いで始めました。1回で完結させるつもりでしたが、あまりに楽しかったので続けたくなって」と振り返る。その彼が共演を切望したのが宮尾だ。大貫と宮尾は、2013年のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で同じ「死」の役を踊って以来、互いの舞台を観に行く仲。宮尾は「ここ数年、自分が培ったものとは違う環境にも身を置いてみたいと思っていたんです。前回の『Clementia』を観た時、演奏者とダンサーが飾りのない丸裸の状態で舞台を成立させていて、こういうことをしたいと感じました」と語る。今回は舞台でのナレーション、和の音楽での踊りなど、宮尾にとって初挑戦尽くしだ。公演は二部構成。第一部は物語仕立てで、昔話『桃太郎』を5人全員のコラボレーションで上演。第二部はオムニバス形式で、柳本雅寛振付『ボレロ』のほか、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の曲を用いたダンス、5人でのインプロビゼーションなど新しいコラボレーションに挑む。取材日、稽古場では川崎の指導の下、第一部の稽古が行われていた。キジ役の宮尾が華麗な跳躍や回転技を披露したかと思えば、帽子をかぶったイヌ役の大貫がセクシーなジャズダンスやブレイクダンス風のフロア技を決める。なお、菊之丞がサル役、道山が鬼役となり、桃太郎役は、基本的にはSINSKEが担うほか、大貫が幼少期、宮尾が青年期を表現することもあるという。さらに稽古は第二部の『ボレロ』へ。互いの身体を支点に展開していくコンタクト的な動きが柳本らしい。Kバレエカンパニーでプリンシパル・ソリストを務めるほか、昨年生まれたカンパニー内のグループ“Ballet Gents”では座長として演出・振付を手がける宮尾。「Kバレエでは古典で自分が感じていることやキャリアに応じた表現を追求し、Gentsでは一歩引いたところから踊り全体を俯瞰するという経験をし、今回のような外の舞台で刺激を受ける。とても充実しています」。一方、大貫は「昨年、ラスタ・トーマス率いる“Bad Boys of Dance”の『ロミオ&ジュリエット』ドイツ公演に参加して、すごいダンサーがたくさんいることを肌で感じたり、今年、『アドルフに告ぐ』で演出家の栗山民也さんや素晴らしい俳優陣とお仕事をしたりする中で、色々と考えさせられたことが、この企画に繋がっています。異ジャンルのクロスオーバーを重ねて、いつか日本発のカンパニーとして世界に持って行きたい」とする。出演者たちの今が交錯する『Clementia』に注目だ。公演は9月12日(土)・13日(日)東京・天王洲 銀河劇場にて。取材・文:高橋彩子
2015年09月01日藤沢周平の時代小説を映画化した『花のあと』の完成報告会見が8日(木)に開かれ、主演の北川景子に甲本雅裕、宮尾俊太郎、市川亀治郎、國村隼、柄本明に中西健二監督が出席した。美しい着物姿の北川さんを始め一同、和の装いで登場!時代劇初挑戦で藤沢作品に主演となった北川さんは「元々、藤沢先生の作品は大好きでした。ファンの多い作品であり『自分でいいのか?』という思いもありました。藤沢作品への出演は全ての俳優にとって憧れですし、しかも今回は女性が主人公ということで、自身と誇りを持って演じました」と堂々のコメント。撮影前から6か月にわたって所作の先生について学び、茶道や華、そして剣術シーンのために殺陣の練習も積んだというが「所作の先生が厳しい方で『同じことを何度言わせるの?』と怒られ泣いてしまったこともありました。殺陣の練習は楽しかったです」とふり返った。甲本さんは、北川さん演じる以登を優しく見守る許婚の才助を演じた。以登は才助という婚約者がいながら、一度剣を合わせただけの孫四郎(宮尾さん)に心惹かれ、孫四郎の死後、その謎についての調査を何と、才助に頼む。これについて甲本さんは「普通、別の男について調べてくれってありえないですよね。『ウソー?』って感じです(笑)。僕だったら(別の男のところに)行かせないですけど…」と複雑な心境を吐露。本作で悪役に挑戦した勘解由(かげゆ)役の亀次郎さんは「(同じ藤沢作品が原作の)『武士の一分』の(坂東)三津五郎兄さんの演技をお手本にしました。悪役は大抵、いい人がやるとうまくいくと言いますが、まあまあいい仕上がりになっていたので『いい人でよかったなあ』と思ってます(笑)」とユーモラスに自身の演技について語った。先日、宮尾さんと北川さんの関係が一部マスコミで報じられたこともあり、その言動に注目が集まったが、2人は何ら気にすることなく隣同士で腰掛けていた。北川さんは普段はバレエの世界で活躍する宮尾さんについて「生の舞台で一発にかける集中力、エンターテイナーとしての才能を目の当たりにして勉強になりました。とても尊敬しています」と笑顔でコメント。宮尾さんは「慣れない現場で、気軽に話しかけていただきました。実際の殺陣では、2回も面をとられてしまいました」と“完敗”を明かした。この日、最も会場を沸かせたのは、柄本さん&國村さんのベテランコンビ。父親役を演じた國村さんが北川さんについて「以登の持つ、凛としていて、かつ内から匂い立つような女性らしさ、色気を備えている。撮影の後はすごくさばさばしていて『誰?』と思うようなときもあった」と明かすと北川さんは「内緒にしてたのに…」と苦笑い。一方で柄本さんは「実は今日、(北川さんに) 初めて会ったので…」と正直に明かし、撮影についても「よく覚えてないです。というか僕は國村さんと囲碁を打ってただけで、何でこの場にいるのか分からない」、「囲碁のこともよく知らないんですよ」とあけすけに語り会場を笑いに包んだ。『花のあと』は2010年春、全国にて公開。■関連作品:花のあと 2010年春、全国にて公開■関連記事:北川景子主演の時代劇の主題歌に一青窈が決定!藤沢周平作品は3度目北川景子が藤沢周平原作『花のあと』で時代劇初挑戦!女剣士役で殺陣も自らこなす
2009年10月10日