冬が近づくと心配になるのが、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。保育園などで次々と感染したり、一家全員かかって散々な目にあったり……。インフルエンザ同様にママたちを震え上がらせる怖い感染症です。ノロウイルスとロタウイルス。どちらも感染性胃腸炎で、その症状から俗に“おなかにくる風邪”“胃腸風邪”と呼ばれて一緒くたにされることが多い感染症ですが、違いはあるのでしょうか? 感染するとどのような症状? 感染を防ぐためにはどうすれば? くわしく見ていきましょう。■ノロウイルス・ロタウイルス「流行時期は?」ノロウイルスとロタウイルス、どちらも感染性胃腸炎の一つですが、何が違うのでしょうか? 流行時期から見ていきます。国立感染症研究所の近年の患者報告数によると、年によって異なりますが、ノロウイルスは晩秋から流行り始め、12月から1月ごろにピークを迎えることが多いようです。子どもも大人も関係なくかかり、再感染することもあります。一方で、ロタウイルスはノロウイルスやインフルエンザの流行が落ち着いてくる冬の終わりごろから流行り始め、3月から4月にかけてピークを迎えることが多いようです。乳幼児がかかりやすいのが特徴です。ちなみに、感染性胃腸炎は一年中かかることがあります。■ノロウイルス・ロタウイルス「症状、潜伏期間、感染経路は?」ノロウイルスとロタウイルスでは症状にどのような違いがあるのでしょうか? また、見極め方や検査方法はあるのでしょうか?【ノロウイルス】【症状】主な症状は嘔吐と下痢。急に激しい嘔吐に見舞われることが多いようです。1日から3日で治るケースが多いですが、脱水症状を招くことがあるので注意が必要です。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は12時間から48時間と短いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が高まりますが、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。【感染経路】経口感染、接触感染、飛まつ感染によって広まります。二枚貝、氷、サラダ、パンなどの食品を介して感染することもあります。便の中に大量のウイルスが排出されています。また、吐しゃ物の感染力も強いのが特徴です。保育園などでの集団生活により、流行することが多くあります。【ロタウイルス】【症状】主な症状はノロウイルス同様に嘔吐と下痢です。下痢便が白くなるケースが多いのが特徴です。2日から7日で治りますが、脱水やまれにけいれんや脳症などの合併症を引き起こすことがあります。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は1日から3日とノロウイルスよりはやや長いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が強く、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。【感染経路】経口感染、接触感染、飛まつ感染。【ノロウイルス・ロタウイルスの検査方法】厚生労働省によると、ノロウイルス・ロタウイルスともに便の中のウイルスを検出できる検査キットを用いて、一般病院などで調べることができます。3歳未満、65歳以上には健康保険が適用されます。結果が早く出るのはいい点ですが、感染していても陽性とならない場合があります。調べたい場合は、かかりつけの小児科医などに相談してみましょう。検査をしていなくても、流行状況から臨床診断する場合もあるようです。■ノロウイルス・ロタウイルス「ワクチン接種で予防できる?」ノロウイルスやロタウイルスを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?共通していえるのは、手洗いやうがいなど一般的な予防法を行うことが大切です。アルコール消毒はノロウイルスには効かず、ロタウイルスにも効きにくいため、きちんと流水で石けんを使って手洗いをするようにしましょう。ウイルスは、付着した水や食べ物、手を介したり、周辺に飛び散って感染します。そのため、感染した子どものおむつ替え後もしっかり手洗いをしましょう。嘔吐物や下痢便のついた衣服は破棄するか、0.1%次亜塩酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたものなど)で消毒をします。【ノロウイルスの予防法】殺菌には、食品の場合、85℃から90℃で90秒以上の加熱。食器類は85℃で1分以上の加熱が有効です。【ロタウイルスの予防法】予防接種により、防ぐことができます。2011年から経口ワクチンの接種(任意)が始まりました。2回接種と3回接種、2種類のワクチンがあります。2回接種の場合、1回目の接種の推奨期間は生後2~4カ月。2回目の接種は生後24週までにすませます。3回接種の場合、1回目の接種は生後2~5カ月の間に、3回目の接種は生後32週までにすませます。生ワクチンのため、接種の間隔は27日以上あけます。【ノロウイルス・ロタウイルスの登校(登園)基準】ノロウイルス・ロタウイルスともに嘔吐や下痢症状が良くなり、全身状態がよければ登校(登園)していいことになっています。保育園によっては登園許可書が必要となるところもあるので、事前に確認しておくと安心です。症状がおさまってからも、引き続き手洗いをしっかり行いましょう。大人がかかってもつらいノロウイルス。一日に何度も嘔吐や下痢になってしまっては、小さい子どもにとってはかなりつらい感染症といえそうです。ロタウイルスは予防接種により防ぐことができます。任意接種のため、費用の負担はありますが、わが子をつらい目にあわせないためにも、また周囲に感染を広げないためにも、決められた期間のワクチン接種をぜひ検討しましょう。また、日頃から親子で手洗いやうがいをしっかり習慣づけておきたいですね。参考サイト: ・国立感染症研究所「ノロウイルス等検出状況」 ・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」 ・日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」 ・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
2018年11月20日長男がまだ1歳の時のことです。“それ”は突然やってきました。■長男をおそった嘔吐と下痢夜なかなか寝ない長男を抱っこしていたら急に嘔吐したのです。私も長男も汚れてしまったのでシャワーで洗い流してまた寝かしつけました。次の日、再び嘔吐。そして下痢。胃腸の風邪かな? と思って小児科へ行くと「ノロウイルス」と診断されました。まだ保育園にも行っていないころだったし、寒い時期だったので比較的自宅にいたのでまさかノロウイルスだとは思いませんでした。感染力の強さは耳にしていましたが、昨日嘔吐したとき私にかかったということは、もうこれアウトじゃん!!…と覚悟を決めました。でも私の前に旦那のほうに症状が出ていました。ノロウイルスで家族全滅という話は聞いたことありますが、本当にあっという間に感染してしまうんですね。長男の繰り返す嘔吐に下痢。服ももちろん何着も汚れてしまったし、掃除に消毒にトイレにと私は大忙しでした…!■わが家のノロウイルス消毒法消毒方法は熱湯消毒やハイターつけ置き、使い捨てのビニール手袋を徹底しました。オムツはビニールに二重にしてベランダにゴミ箱を用意して捨てました。ネットで見ると消毒液をかけるなど書いてありましたがそこまでできませんでした…やることも多かったし完全にダウンしていたら…と思うとゾッとします。■感染症シーズンを乗りきるためにこれから寒くなり感染力の強い病気が増えてくる季節ですね。感染してしまうと同じ屋根の下にいる以上、完全隔離は難しいと思います。なので手洗いうがいなどでしっかり予防したいですね!わが家は帰宅したら手洗いうがいを! と子どもたちに言ってますが、なかなか習慣化されません(涙)【お知らせ】第8話 「火にかけていたフライパンがない! おんぶで料理中に何が起こった!?」 の記事下アンケート「Q1. 子どもの思いがけない行動でヒヤッとしたことはありますか?」のアンケート結果はこちら↓≫ 「まさか! 子どもが包丁を握っている。98%の家庭で起こるヒヤッと行動」 =========================================本記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。=========================================
2018年11月08日まだまだ寒さが続くこの季節は体力が低下しがち。さらに、空気も乾燥しているから、インフルエンザが流行したり、ウイルスや菌が気になりますよね。そこで今回は、手軽に手に入る「抗菌グッズ」を集めてみました!上手に使って、身の回りの清潔を保ちましょう☆ウイルスが気になるこの季節……この時期は特に気を使いたいのが、ウイルスや菌への対策。思わぬところから感染してしまわないよう、菌・ウイルスの予防は心がけておきたいですよね。「でも実際のところ、目に見えるものでもないし、どうすればいいの……?」そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、手軽に手に入る抗菌アイテムを集めてみました!抗菌・除菌の大定番はウエットティッシュ!100均の大定番の抗菌アイテムといえば、「ウエットティッシュ」。たった100円(税別)でも大容量だから惜しげもなくたっぷり使うことが可能♪パッケージのデザインもかわいいです♡たとえばお子さんと公園で遊んだときなど、遠慮せずにシートを使ってしっかりと手を拭いてあげたいですよね。そんなときも、100均のウエットティッシュは持ち運びにも便利なコンパクトサイズでオススメですよ☆スプレーするだけ、らくらく除菌・抗菌♪こちらは、〔エーザイ〕から販売している《イータック®︎抗菌化スプレーα》。使い方はとっても簡単!ドア、テーブルからキッチンまわり、さらにはおもちゃに至るまで、菌やウイルスの付着が気になるところにスプレーするだけ。使いやすいスプレーで、心配なウイルス、菌の季節を乗り越えたいですね♪マスクもシュッとかんたん抗菌便利なもの発見!こちらも同じく〔エーザイ〕から販売されている《イータック®︎抗菌化スプレー》は、マスクにスプレーするだけ。ウイルスや風邪予防のためにマスクを着用する機会が増えるこの季節、そのマスク自体の衛生面も重要な予防のポイントです。《イータック®︎抗菌化スプレー》は持ち歩きにも便利な手のひらサイズのスプレーボトルだから、いつでもどこでも、マスクを取り替えたらシュッ!マスクの表面、裏面の両方にスプレーしてください。マスク抗菌の新習慣として心強い味方です‼︎お弁当も安心・安全!〔ダイソー〕の《お弁当抗菌シート》は、ポンっと上に乗せるだけで、お弁当を守ることができるスグレモノ☆枚数も66枚とたっぷり入っていて1個100円(税別)だから、毎日使ってもお得感アリ◎!デザインもかわいらしいですよね。家族の健康を第一に考えるお母さんにはうれしいアイテム。おいしい、安心のお弁当を届けられます♪まとめ今回は、抗菌アイテムを4点ご紹介しました!どのアイテムも身近なところで手に入れることができて、使い方も簡単です。まだまだ寒さが続きますが、ご紹介した抗菌アイテムを上手に使って、厳しい冬を乗り越えましょう!
2018年02月02日クラミジアというと、性器に感染する性病と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、クラミジアの感染症に咽頭クラミジアもあります。しかも、オーラルセックスが盛んになってきたことによって、10代、20代の若い世代の人の感染が多くなっています。咽頭クラミジアとは咽頭クラミジアは、「クラミジアトラコマチス」という細菌が、咽頭部で繁殖する感染症です。この細菌は、湿度や温度が高い粘膜を非常に好み、セックスを通じて、性器にも多く感染します。とくに咽頭クラミジアの場合、オーラルセックスでの感染確率が高くなっています。咽頭クラミジアは、症状が出ないこともあり、のどが痛いなどの風邪(かぜ)の症状とよく似ているため、感染に気づかないことも多く感染の拡大につながっています。咽頭クラミジアの感染経路咽頭クラミジアの主な感染は、オーラルセックスです。ある統計ではクラミジア性尿道炎にかかった人の40%が、風俗店でのオーラルセックスを経験しており、そこで働いている人の咽頭からの感染とされています。また、性器からクラミジアが検出された男性が咽頭からもクラミジアを検出される確率は、3.9〜12.5%といわれています。一方で、女性の場合は実に10.5〜26.1%にもなります。海外では、男女差はそれほどありません。とくに女性は、男性が感染したのを知らずに、キスなどで感染する危険があります。最近は、オーラルセックスが主な性行為となっていることなどが、クラミジアの感染が増えている背景となっています。咽頭クラミジアの潜伏期間咽頭クラミジアの潜伏期間は、1週間〜1か月とばらつきがあるのが特徴です。潜伏期間が過ぎると、さまざまな症状が現れます。代表的な症状が、のどの腫れです。ところが、クラミジアの場合、潜伏期間が過ぎても、これといった症状が現れないことが圧倒的に多いといわれています。そのため、実際は感染しているにもかかわらず、それを知らずにパートナーとセックスをして感染させてしまう、あるいは、不特定多数の人とのセックスで感染を拡大させてしまうという問題をかかえています。たとえ、症状が現れても、のどが痛い、腫れているという症状ですから「風邪」と自己判断し、市販の風邪薬やのどの薬で対処してしまうケースもあります。クラミジアは、特殊な検査方法でなければ、診断できません。内科では、性病に詳しい病院でないと、のどが痛いというだけではクラミジアの検査をするところは少ないでしょう。抗生物質などを処方されますが、なかなか思うように効果がなく、初めてクラミジアの検査を行って原因がわかったということも少なくありません。その間、セックスをすればパートナーへの感染はさらに高まります。咽頭クラミジアの検査方法咽頭クラミジアの検査は、専用の器具や薬剤を使用しないと正確な診断はできません。検査方法は3種類あります。綿棒による生体検査のどの奥の扁桃腺、あるいは食道に通じている部分から、長い綿棒を使って粘液をぬぐい取ります。ちょうどインフルエンザの診断のときのような検査になります。この綿棒に付いた粘液を培養して、菌が付いているか調べるものです。この検査では1時間ほどで検査結果が出ます。うがいによる検査核酸増幅検査(PCR法)といって、生理食塩水でうがいをしたもので検査を行います。今までの綿棒での検査では、人によっては苦痛や違和感をともなうものでしたが、うがい方式の検査では、こうした負担がありません。また、広範囲から菌を採取するため、より正確な診断ができるようになります。この検査では、翌日または翌々日の検査結果の報告となります。血液検査によるもの血液検査によるクラミジアの検査は、抗体を調べることになります。そのため、クラミジアに感染してから、抗体ができるまで、しばらくしないと診断がつきません。また、過去にクラミジアに感染している場合でも、すでに抗体ができてしまっているため、現在の状況判断の材料にはなりません。あくまでもクラミジア感染の可能性があるかどうかのスクリーニング検査であり、陽性が出たときには綿棒やうがいによる検査を行うことになります。咽頭クラミジアは、症状がわかりにくかったり、無症状だったりする場合もあり、感染を拡大させてしまう可能性があります。特に、風俗店に行くことがある人や、複数のパートナーがいる人などは危険性が高まります。病院で検査を受けたくないという人は、郵送での検査キットも販売されているので、そちらを利用しましょう。検査は、自分だけではなく、パートナーも一緒に受けることが望ましいでしょう。監修:大利昌久
2017年11月04日クラミジア感染症は、感染していても無症状であることがほとんどで、感染や発病に気づかないまま放置してしまうことも多いといわれています。生命に関わる病気ではありませんが、病気が進行すると気づかぬうちに不妊につながる危険もあるため、十分な注意とできる限り早期に治療を行うことが大切です。自覚症状に乏しいクラミジア感染症クラミジア感染症は、日本国内でもっとも多くみられる性感染症(STD)です。近年は、特に女性患者の数が増加傾向にあると推察されており、なかでも若年層の感染率が高いことが指摘されています。クラミジアは、一般に感染後およそ1〜3週間の潜伏期間の後に発症するとされています。しかし、実際には自覚される症状に乏しいことが多く、男性では約50〜60%の人が、女性では約80%もの人が無症状であるともいわれます。症状が現れたとしても、尿道にむずがゆさを覚えたり、おりものが増えたように感じられたりする軽微なものが多いために、クラミジアの感染に気づきにくいという特徴があります。クラミジア感染症の症状クラミジア感染症では、感染していても無症状であることがほとんどだとされますが、症状がある場合には、次のようなものがみられることが多いようです。女性の場合女性の場合、まず子宮頸管と呼ばれる子宮の入口の部分に感染し、子宮頸管炎の発症によって以下のような症状が現れることがあります。おりものの増加軽い下腹部痛不正出血白い膿性のおりものの排出さらに、病気が進行すると、子宮内膜炎や卵管炎などの疾患を引き起こし、さらには子宮付属器炎や骨盤腹膜炎などの発症を招くおそれがあります。子宮内膜炎や卵管炎は、妊娠中には流産や早産の原因となったり、卵管狭窄や卵管閉塞を招いて卵管性不妊や子宮外妊娠の原因となったりすることがあります。また、感染したクラミジアが骨盤内だけでなく腹腔内へと侵入すると、肝周囲炎を引き起こし、場合によっては救急車で運ばれるほどの強い上腹部痛を生じさせることにつながるケースもみられます。男性の場合男性の場合、まず尿道に感染します。発症によって、次のような尿道炎の症状が現れることがあります。尿道部のかゆみ軽い排尿痛薄い水状の膿尿さらに、病気が進行すると、副睾丸炎(精巣上体炎)を生じ、以下のような症状が現れることがあります。軽い陰嚢(のう)部痛発熱精巣上体の腫れ精巣上体部の圧痛男性の場合にも、適切な治療を行わないままに放置し、病気が進行することによって不妊につながることがあるといわれています。クラミジア感染症の感染経路クラミジア感染症の病原体であるクラミジアは、主に粘膜の直接的な接触によって感染します。性行為による性器と性器との接触によって感染するだけでなく、性器と口との接触によっても感染することがわかっています。クラミジアが性器のみならず口(咽頭)や直腸、尿にも出る場合もあるために、オーラルセックスや肛門を使ったセックス、尿を使ったセックスなどでも感染する危険性があります。粘膜同士の直接的な接触に加えて、感染者の精液や膣分泌液に触れることでも感染が起こることがあります。一度のセックスで感染に至る確率は50%以上ともいわれています。男女で比較すると、感染率が高いのは女性です。しかし、無症状である割合も女性の方が高いために、感染には注意が必要です。そのほかの感染経路として、ディープキスなどによって口から口へと感染することもあげられます。ただし、性器に感染していても、口内に感染、保菌していなければキスによって感染することはないとされています。なお、クラミジアは、トリコモナス症の病原体であるトリコモナス原虫のように浴場やプールのイスやトイレの便座などを介する感染や、飛沫による空気感染などのような間接的な感染が起こることはほとんどないといわれています。クラミジアは、成人だけでなく、新生児に感染がみられることがあります。妊娠中の女性がクラミジアに感染すると、妊娠初期には流産の、妊娠中後期には早産のリスクを高めるといわれていますが、正期産で分娩できた場合にも、新生児が産道感染によってクラミジアに感染し、新生児結膜炎や新生児肺炎を起こす原因となる危険性があることが指摘されています。クラミジア感染症の予防法クラミジア感染症を予防するためには、性行為のはじめからコンドームを正しく使用することが重要です。クラミジア感染症だけでなく、そのほかの性感染症を防ぐためにも、コンドームを使用してセックスを行うことが推奨されます。また、こまめにクラミジア検査を受けるようにすることも大切です。コンドームを使わないセックスをする機会のある場合には、2か月に1回は検査を受けることが望ましいでしょう。クラミジア菌の感染や発病の早期発見、早期治療のためにも、さらなる感染を防ぐためにも、症状が出ていない段階からこまめにチェックし、必要な対処を行いましょう。監修:大利昌久
2017年11月03日主要な性感染症の病原体として知られるクラミジアは、性器だけでなく咽頭にも感染します。ここでは、咽頭クラミジアの症状や治療法などについて見てみましょう。咽頭クラミジアとは咽頭クラミジアは、クラミジア菌が咽頭に感染して起こります。クラミジア菌は、性器に感染して性器クラミジア感染症の原因となることが知られていますが、オーラルセックスやディープキスなどによって咽頭から感染して尿道炎などを発症する例が増えてきています。感染者との粘膜の接触によって感染するため、性器から咽頭に感染するだけでなく、咽頭クラミジアに感染した人の口腔から性器に感染する場合もあります。ある統計によると、クラミジア性尿道炎を発症した人のおよそ4割が、風俗店などでオーラルセックスを主に行っている人の咽頭から感染したものだとされています。咽頭クラミジアの症状咽頭クラミジアは、性器クラミジア感染症の場合と同様に、症状が出にくいといわれています。症状が出たとしても、のどの腫れや痛み、発熱など、かぜをひいたときとよく似た症状であることが多いために、咽頭クラミジアであることに気づかないケースもみられます。内科や耳鼻咽喉科を受診しても、本人からクラミジアに感染したおそれがあることを申告されない場合には、かぜや扁桃腺炎であると診断されることもあるようです。性器にクラミジアが検出された人のうち、咽頭にもクラミジアが検出される割合はおよそ10%だといわれています。検出率には男女差がみられ、以下のように女性の方が、検出率が高くなっています。性器にクラミジアが検出された男性で、咽頭クラミジアが検出された率…およそ4〜12%性器にクラミジアが検出された女性で、咽頭クラミジアが検出された率…およそ10〜26%性器と咽頭の双方にクラミジアが検出されても、実際の治療は性器に対してのみ行い、咽頭に感染したものへは適切な治療を受けないままになることも多く、性器クラミジアは治癒しても咽頭には残存するというケースも少なからず見られます。これは、無症状であるために咽頭への感染に気づかず、治療の対象とされなかったことによるもので、それによって咽頭に残存したクラミジアが新たな感染を引き起こすリスクとなる場合が多くみられます。咽頭クラミジアの原因咽頭クラミジアの感染経路は、オーラルセックスやディープキスがほとんどだといわれています。性風俗店などでオーラルセックスの経験がある人や、オーラルセックスやディープキスによって口で感染する機会があった人は、特に咽頭クラミジアに感染するリスクが高いといわれています。性器に感染による症状が出ていなくても、咽頭に感染している可能性は十分に考えられるため、感染が疑わしい場合には咽頭クラミジアの検査を受けることが推奨されています。咽頭クラミジアの治療咽頭クラミジアとの診断が出ると、通常、抗生物質の内服薬を用いた薬物療法が行われます。検査方法咽頭クラミジアの診断には、クラミジアを検出する検査が行われるのが一般的です。主に以下の3種類の方法が用いられています。うがいによる咽頭検査(PCR法)生理食塩水でうがいをしたものを検体として、クラミジアの検出を行う方法綿棒を用いた咽頭検査(SDA法)スワブと呼ばれる専用の綿棒でのどの奥の粘膜をぬぐったものを検体にして、クラミジアの検出を行う方法採血による検査採血を行い、血中のクラミジア抗体(血中クラミジアIgA抗体およびIgG抗体)の値から陰性、陽性を判定する方法診断のための検査では、うがいやスワブを用いた検査方法によって検査を行うのが一般的です。検査によってクラミジアの検出がみとめられると、咽頭クラミジアと診断されます。採血によるクラミジア検査では、感染の疑いを判定することができるとされるものの、確定診断のためにはPCR法もしくはSDA法による精密検査を行うことが必要です。治療法咽頭クラミジアの治療には、性器クラミジア感染症の治療と同様に、アジスロマイシンなどの抗生剤が用いられます。咽頭クラミジアは、性器クラミジアよりも治療に長い期間を要するために、2週間以上にわたって治療が行われることが多くあります。通常は、内服薬が用いられますが、治療の経過が思わしくないときには点滴による薬剤の投与を行なう場合もあります。咽頭クラミジアの予防咽頭クラミジアは、オーラルセックスやディープキスなど口から感染するため、性器クラミジアの場合と異なり、性交時にコンドームを使用したとしても、それだけで感染を防ぐことは困難だとされます。しかしながら、感染のリスクを下げるためにも、オーラルセックスをする際にはコンドームを使用しましょう。咽頭クラミジアは、治療をせずに放置したままでいると、気づかないうちに配偶者やパートナーに感染させてしまうおそれがあります。また、治療を受け完治した場合でも、再発するおそれは少ないとされますが、再感染することはあるといわれています。パートナーに感染が認められる場合には、自身も検査を受け、一緒に治療をして完治させることが感染予防のためには非常に大切です。監修:大利昌久
2017年11月02日時速300kmで走る列車内でウイルス感染パニックが発生、極限状況下での人間模様をド迫力の映像で描き出す韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。このほど、日本に上陸したばかり、3面(正面+左右側面)映画上映システム「ScreenX」(スクリーン・エックス)バージョンでの特別予告映像が解禁となった。ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXの車内で突如起こった感染爆発。疾走する密室と化した列車の中で凶暴化する感染者たち。そんな列車に偶然乗り合わせたのは、妻のもとへ向かうソグ(コン・ユ)とその幼い娘スアン、出産間近の妻ソンギョン(チョン・ユミ)とその夫サンファ(マ・ドンソク)、そしてヨングク(チェ・ウシク)ら高校野球の部員たち。彼らは、安全な終着駅にたどり着くことができるのか?目的地まではあと2時間、時速300km、絶体絶命のサバイバル。愛するものを守るため、決死の闘いがいま、はじまる――。カンヌでのワールドプレミア以来、世界中が喝采&絶賛を贈る本作から、このたび、新上映システム「ScreenX」版の特別予告編が公開に。ScreenXとは、通常の正面スクリーンにプラスして、左右側面(壁面)にも映像が写し出される画期的な映画上映システム。それにより、観客は正面+左右という驚きの270度の視界で映画を感じることができ、映画の世界に自分の感覚が没入していくような映画体験が味わえる。現在は、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場内の日本初のScreenXスクリーンにて、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』を上映中だ。通常画面でも大迫力の本作だが、ScreenXとなることで、高速鉄道が走っているシーンや、列車という狭く奥行きのある空間で感染者に追われるシーンなどは、さらにその迫力がアップ!乗客がパニックになりながら画面に迫り、正面のスクリーンから左右のスクリーンへと流れる様子は、まるで画面から乗客があふれ出てくるよう!ほかにも、視界の全てが炎に包まれる爆発シーンなどは圧巻のひと言。単純に奥行きを表すだけでは終わらない、3つのスクリーンを巧みに使った独自の演出には要注目。左右に広がるワイドスクリーン、究極の臨場感、圧倒的な没入感が売りのScreenXと、ノンストップ・サバイバル・スペクタクル・アクションとなる本作は相性抜群。この夏、かつてない劇場体験を与えてくれるに違いない。『新感染 ファイナル・エクスプレス』は9月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場内ScreenXにて上映。(text:cinemacafe.net)
2017年08月02日唇や口の周辺がウイルスに感染することで起こるとされる「口唇ヘルペス」は、一度感染して免疫を持っていたとしても再感染や再発の可能性があるといわれています。ここでは、口唇ヘルペスの基礎知識について詳しくご紹介します。口唇ヘルペスとは「口唇ヘルペス」は、単純ヘルペスウイルスというウイルスに感染することによって、口周辺や唇に小さな水ぶくれができてしまう病気といわれています。単純ヘルペスウイルスは、唇をはじめとする顔面などの上半身に発症しやすい1型と性器などの下半身に発症しやすい2型の2種類があるといわれています。いずれも非常に感染力が強いといわれており、直接的な接触だけでなく、物を介しても感染する可能性があります。最近は抗体を持たない人が増えている以前は、子供の間に家族から感染して抗体を持っていたといわれています。しかし、核家族化などのライフスタイルの変化や衛生状態の改善により、現在は20歳代〜30歳代のうち半数程度しか抗体を持っていないといわれるほどです。初めての感染が子供のうちであれば、ほとんど症状がなく、症状があらわれたとしても軽症で済むことがほとんどといわれています。また、1型の抗体をもっていれば2型の感染率が低くなるといわれ、発症したとしても症状が軽いとされています。年齢が高くなるほど抗体を持っているといわれていますが、最近は大人になってから初めて感染するといるケースがあります。この場合、まれに重症化してしまうケースもあるため、子供のうちに感染していない場合は、感染しないように注意した方がよいでしょう。口唇ヘルペスの症状ウイルスに感染して起こる症状は、皮膚症状がほとんどといわれており、2週間ほどで症状が治癒するといわれています。経過によってあらわれる症状にも特徴があるとされています。前駆症状口唇ヘルペスは、水ぶくれなどの視覚的な症状があらわれる前にその兆しがみられるといわれてます。具体的には、ピリピリ、ムズムズ、チクチクといった感覚や熱感、かゆみなどとされています。皮膚症状症状があらわれ始めた直後と数日経過したときで、皮膚症状が少し異なるといわれています。・初めにあらわれる症状前駆症状を自覚して半日くらいすると、唇やその周辺の一部の皮膚が赤みを帯び、腫れてくるといわれています。患部でウイルスが増殖をしている時期と考えられており、このタイミングで治療を始めるのがよいとされています。・2〜3日経過後にあらわれる症状赤くはれた後、その上に水ぶくれの症状があらわれはじめるといわれており、軽いほてりや痛み、かゆみなどの症状をともなうことがあります。初感染の場合は5mm大の水ぶくれができやすく、場合によっては発熱するケースもあります。水ぶくれは、再発を重ねるほど小さくなるとされていますが、やぶれた水ぶくれに触れることで感染してしまう可能性があるため、注意しましょう。回復期水ぶくれは、やがてかさぶたとなって徐々に回復し、10日〜2週間ほどで症状がなくなることが多いといわれています。口唇ヘルペスの感染経路単純ヘルペスウイルスは、患者との接触など直接的な接触が主な原因といわれています。ただ、感染力が強いウイルスのため、患者が触れたタオルやグラスなどの食器といった物を介しても感染する可能性があるといわれています。口唇ヘルペスの予防口唇ヘルペスの予防は、発症させないための予防と発症後の予防の2つに分けることができます。発症させないための予防方法日常生活で受ける精神的なストレスや肉体的なストレスが体力や抵抗力を衰えさせるといわれています。すると、口唇ヘルペスを再発させる可能性が高まるとされています。また、疲労しきっているときや体調不良の際に紫外線を浴びることで、全身の免疫力を低下させてしまうことがあるといわれています。口唇ヘルペスを再び発症させないためにも、バランスのよい食事や十分な休息を心がけて身体の健康をキープするだけでなく、ストレスをうまく発散して精神的な健康の維持にも努めましょう。発症後の予防方法発症後は、感染の拡大を防ぐための予防が重要といわれています。・自分自身に対する予防患部に直接触れたり、水ぶくれを故意的に破ったりすると感染が拡大する可能性があります。また、場合によっては細菌感染が加わって、痕が残ってしまうことにもつながるといわれています。気になっても、患部に触れないことが大切です。触れてしまった場合は、しっかりと手を洗うようにしましょう。・接触に対する予防口唇ヘルペスを起こす単純ヘルペスウイルスは、物を介して感染する可能性があるため、症状が出ている間は家族をはじめとする身近な人と接触する際に注意を払う必要があるとされています。特に、母親が感染しておらず抗体を持っていない新生児が、免疫機能の発達が未熟なために重症化する可能性があります。白血病や悪性腫瘍、アトピー性皮膚炎などの病気を患っている人も感染しやすいだけでなく、重症化する可能性が高いといわれています。また、口唇ヘルペスの抗体を持たないパートナーとのキスも控えたほうがよいでしょう。口唇ヘルペスの治療法治療薬は、抗ヘルペスウイルス薬を使用するケースが一般的で、軽症であれば外用薬を1日数回患部に塗るよう指示されることが多いといわれています。しかし、中等症以上の場合や再発をくり返している人、重症化しやすいと判断される人の場合は、内服薬を用いて治療を行うケースが多いとされています。いずれも薬もウイルスの増殖を抑える働きがあるため、症状があらわれはじめた早い段階で治療にとりかかることで、症状が出現しないか出ても軽症で済むといわれています。重症化してしまった場合や内服薬を服用しても症状の改善が見られない場合、内服薬の変更や点滴注射を行うこともあります。ひどい場合は、入院治療となるケースもあるため、前駆症状を自覚した時点で医療機関を受診するようにしましょう。監修:コッツフォード 良枝
2017年05月01日ノロウィルスの季節。子どもがノロに感染すると、家事や仕事にも影響が出ることから、恐怖におびえるママは多いはず。ノロのもっとも怖いところは、家庭内感染。とくに看病疲れで免疫力がさがると、今度はママがぶっ倒れてしまうことも。そこで予防法に加えて実際に家族が感染した場合、少しでも家事と看病をラクに乗り切る方法をご紹介します。■まずは自身の感染を防止しよう突然のおう吐! しかもマーライオン並み! それがノロの幕開け。ギャーッと慌てふためき、何から手をつけていいかわからなくなったら、それはノロとの戦いに負けを認めたことに。「備えあれば憂いなし!」、いまこそママは冷静に動きましょう。そして子どもを看病するためにもママが倒れるわけにはいきません。まずは自分の感染を防止するようにしましょう。<ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?>家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。厚生労働省「食中毒の原因(細菌以外)」「ノロウイルに関するQ&A」: 厚生労働省 吐しゃ物やオムツを素手で触るのは厳禁です。処理の際は手袋をしましょう。薄手の使い捨て手袋が便利です。そして、ノロウィルスは空気感染するといわれていますので、家の中でもマスクを着用。手洗いは泡でしっかりと。吐いた場所の消毒はもちろん、忘れがちなドアノブの消毒も早めに済ませましょう。なお消毒は、「塩素消毒液」を使用します。これらは市販でも売っていますし、また自宅にある次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。■看病疲れを防ぐポイントは「洗濯対策」ノロはまさに洗濯地獄。塩素系漂白剤を使って消毒するのもよいですが、色落ちして使えなくなることもあります。このためあらかじめ「ノロ用の古着」を用意し、どんどん捨ててしまうという方法もアリです。捨てるときには、ビニール袋に密閉を。ソファや布団の上に直接吐かれると処理が大変なので、古いバスタオルも一緒に用意しておきましょう。古着同様、捨てても惜しくないものをあらかじめ敷いておきます。洗濯での体力・精神ダメージは意外と大きいので、家族全員で共倒れしないためにもこの対策はおすすめです。■ノロの季節に常備しておきたいグッズ●食事対策料理は最低限の労力で済ませるのが得策です。レンチンできる白飯とレトルトのカレー、パスタの麺とレトルトのソースを家族分用意しておきましょう。これで最悪でも2食はしのげます。それから水分補給用のスポーツドリンク、エネルギー補給用のゼリーなどもあるとベストです。ノロウィルスにかかった子どもの食事は、医者の指示にしたがいましょう。●消毒対策ノロウイルスには、塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効とされています。このため家庭内感染を防ぐために、塩素系消毒剤(塩素系漂白剤で代用可能)を常備しておきましょう。実際に使用するときには、原液を薄めて使うため、100均などで購入できる携帯用スプレーボトルをあらかじめ用意しておくと便利です。この消毒剤を汚れ物やオムツ、ごみ袋などにも念のためスプレーしておくと二次感染の防止につながるといわれています。なお塩素系消毒剤を使用する際には、よく使用上の注意を確認のうえ、使用ください。ノロは突然襲ってきます。平穏なうちに対策を打ち、万一に備えてくださいね!<参考サイト>・厚生労働省「 ノロウィルスに関するQ&A 」・厚生労働省「 ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット (PDF[3,260KB])」
2017年01月09日性病のなかには、母乳から赤ちゃんに感染してしまう病気があります。これらの性病の感染がわかったら、 授乳は基本的に粉ミルクを使います。治療をして症状がなくなっても病原体が潜んでいることがあるので、自分の判断で治療を止めないようにしましょう。母乳で感染する性病の種類とは性病のなかには、母乳を通じて赤ちゃんに感染してしまう病気もあります。では、どのような性病が危ないのでしょうか。見ていきましょう。まず1つ目は、サイトロメガロウィルスです。NICU(新生児集中治療管理室)にいた46.2%の赤ちゃんが母乳感染していて、 十分な栄養がとれず体重が増えにくかったという報告もあります (ただし、NICUではある程度過ぎたら母乳をすすめている所も多くあります。詳しくは医師に相談してください)。2つ目は、HIV感染症です。母乳で感染する確率は、授乳期間が長くなるほど高まります。感染して進行すると、やがてエイズを発症してしまいます。3つ目は、成人T細胞白血病です。この病気の場合、粉ミルクで育てたときの感染率が3%に対して、4カ月以上母乳をあげているときの感染率は22%にもなるといった報告があります。母乳感染する性病の場合、授乳はどうする?では、母乳で赤ちゃんに感染するかもしれない性病にかかった場合、授乳はどうすれば良いのでしょうか。基本的には、これらの性病に感染していることがわかったら、母乳で育てることは避けるようにします。ちなみに、成人T細胞白血病では母乳を24時間冷凍保存したあと、解凍して授乳すると感染率が低くなるといわれています。それでも完全に防げるという保証はありません。でも、成人T細胞白血病は感染しても若いうちから症状が出るのはごくまれです。症状が出るまでに30~70年ほどかかり、症状がでる可能性は5%ほどといわれています。あまり心配しないでよいかもしれません。赤ちゃんを母乳で育てたいと考える女性は多いはずです。妊娠を考えたら性病の検査を受けて、もし感染してる場合は治療をして、また妊娠中や出産後も性病予防を心がけることが大切ですね。出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]
2016年10月14日●チェックリストで代表的な症状を知ろう若い女性の間で増えているといわれている性感染症(STD)。女性の場合、放置すると不妊症や母子感染のリスクもあるので、くれぐれも早期に発見・治療をしてほしいものです。しかし性感染症の中には、感染してもすぐに症状が出ないものや、出ても軽度であったり、一時的に症状が出た後すぐに症状が消えてしまったりするものも多く、感染に気づきにくい傾向があります。そこで今回は、早期発見に役立つチェックリストと、主な性感染症の特徴や対策を紹介します。○こんな症状に注意!次に挙げるのは、性感染症の代表的な症状です。性感染症の症状チェックリスト■おりものに異常がある(量が増える、においや色が変化するなど)■外陰部にかゆみがある■外陰部に赤みやただれ、できもの、しこりがある■脚の付け根に腫れやしこりがある■排尿時に痛みを感じる■下腹部痛がある■月経痛が強くなった■風邪ではないのに熱やのどの痛み、体がだるいなどの症状がある■唇や口の中、のどに、できものや違和感がある■不正出血がある性感染症は、風邪などと違って自然治癒することはまずありません。症状が短期間でおさまったとしても、病気が治ったわけではないのです。上記の症状が、実際に出ている人はもちろん、以前に出たことがある人も、一度、婦人科や産婦人科などの医療機関を受診し、医師に症状を伝えて必要な検査を受けましょう。●女性が特に気をつけたい性感染症は?○主な性感染症を知っておこうでは、チェックリストのような症状が出た場合、どのような病気にかかっている可能性があるのでしょうか。ここでは、女性が特に気をつけたい性感染症とその症状を解説します。・クラミジア感染症クラミジア・トラコマチスという菌が、性行為を介して感染することで起こる病気です。初期の主な症状は、おりものの増加、ごく軽い下腹部痛、排尿時の痛み、不正出血など。ただし、まったく症状が出ないケースもあり、気づかないうちに進行して子宮頸管炎や尿道炎、卵管炎などを引き起こすことがあります。進行すると不妊症になりやすくなり、妊娠しても流産や早産、子宮外妊娠などのトラブルにつながるといわれています。・淋(りん)病淋菌という細菌が、セックスやオーラルセックスで感染して起こります。初期は無症状か、おりものの増加や軽い性器のかゆみがある程度ですが、進行すると、膣炎や子宮頸管炎を起こして黄色い膿(うみ)のようなおりものが出ることがあります。さらに進むと、尿道炎を引き起こし、排尿時に痛みが生じたり膿が出たりすることも。そのほか、のどに感染すると、のどに痛みや腫れを起こすことがあります。放置した場合、将来的に不妊症や子宮外妊娠を招くリスクも軽視できません。・膣カンジダ症原因は、カンジダというカビの一種。もともと多くの女性の膣内にいる常在菌ですが、抵抗力が落ちて増殖したり、感染者からうつされたりすると、膣カンジダ症を起こすことがあります。代表的な症状は、外陰部に生じる耐えられないほどの強いかゆみ。カッテージチーズのような白いおりものが大量に出ることもあります。・性器ヘルペス単純ヘルペスウィルスが、主に性行為を通して感染することで起こります。感染しても症状が出ないことも多いのですが、外陰部にかゆみや痛み、水疱(すいほう)や潰瘍(かいよう)ができるなど、強い症状が出ることも。また、オーラルセックスにより感染し、口の中やのどに症状が出ることもあります。再発を繰り返すことも特徴です。再発は、免疫力低下や疲労、ストレスを感じたときや、生理前などをきっかけに起こり得ます。また、妊娠中に感染や再発をし、出産のときに産道に症状が出ていて赤ちゃんに感染すると、赤ちゃんに重い後遺症を残す可能性が高いため、特に見落とさないようにしたい病気です。・尖圭(せんけい)コンジローマ主にセックスを通して、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こる病気です。発症すると、外陰部や膣内にカリフラワーのような形状のイボができ、かゆみや痛みを伴うこともあります。HPVには100以上の種類がありますが、そのうちいくつかのハイリスク型は、子宮頸がんの原因になると考えられています。尖圭コンジローマの原因となるHPVはローリスク型が多いといわれますが、女性の子宮頸がんや男性の陰茎がんとの関係性が否定されているわけではありません。○早期発見なら、完治できることがほとんどこれらの性感染症は、放置して自然治癒する可能性はまずありませんが、早期に発見して抗生物質を投与するなどの適切な治療をすれば、治ることがほとんどです。ただし、ほとんどの病気に2日から数週間程度の潜伏期間があり、セックス後すぐに症状が出るわけではありません。初期には症状がほとんど出ない病気もあります。感染に気づかずに他の人に病気をうつしてしまうことも、性感染症の怖いところです。わずかな症状でも、気づいたら早めに受診するとともに、セックスをするときは必ずコンドームを使って性感染症予防を心がけることが大切です。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 鈴木俊治医師葛飾赤十字産院 副院長日本産婦人科医会 副幹事長1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。
2016年09月09日感染症は、ウイルスや細菌などの病原体が、体内に入ることで発症する病気の総称です。妊娠中は、特に免疫機能が低下する傾向にあり、感染しやすいと言われています。妊娠初期においては、つわりによる体力低下も原因の一つです。妊娠中期以降は、子宮が大きくなるにしたがい、肺活量や心肺機能の低下が見られるため、感染症にかかりやすくなっています。感染症が引き起こす母子感染とはママが何らかのウイルスや細菌などに感染して、それが赤ちゃんに感染することを母子感染と言います。特に妊娠中の母子感染は流産や早産などを引き起こす可能性があり、赤ちゃんが直に影響をうけることもあるため、早期の治療と予防が欠かせません。胎内感染赤ちゃんがお腹の中にいるときに、へその緒や血流を介してウイルスや細菌に感染することを指します。産道感染お産時、赤ちゃんがお母さんの産道を通るときにウイルスや細菌に感染することを指します。母乳感染産後、母乳育児中に発生します。ウイルスや細菌に感染したママの母乳を介し、赤ちゃんがウイルスに感染します。感染症の種類赤ちゃんへの感染予防を兼ね、ママ自身がウイルスに感染しないよう注意が必要です。ウイルスによる感染症は、人の血液や体液などを介し、既存のウイルスに感染することによって発症します。インフルエンザウイルス気道感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルスです。症状は一般のかぜと似ていますが、重くなりやすい疾患ととらえられています。また国内で使用されているインフルエンザワクチンは生ワクチンではないため、重い副作用を引き起こしにくく、妊娠中のすべての時期において、ママの体と赤ちゃんの発育に関して影響がないと言われています。万が一インフルエンザにかかってしまっても、タミフルやリレンザなどの薬は赤ちゃんの健康リスクも高くないため、処方されます。B型肝炎ウイルスB型肝炎ウイルスが主に血液・体液を介して感染しておきる肝臓の病気です。赤ちゃんに感染すると持続感染状態になるリスクがかなり高くなり、症状が出なくとも、将来的に肝炎や肝硬変、肝がんなど何らかの異常や病気を発症させる可能性があるウイルスです。妊娠健診では、妊娠初期の8~12週前後に血液検査で検査を行います。C型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスが主に血液を介して感染して起きる肝臓の病気です。赤ちゃんに感染すると、将来、肺炎や肝硬変、肝がんなど何らかの異常や病気を発症させる可能性があるウイルスです。妊娠健診では、妊娠初期の8~12週目に血液検査で検査を行います。HTLV-1(ヒト細胞白血病ウイルス)HTLV-1は、感染してもほとんどの場合で症状も現れないため、赤ちゃんに感染しても、同じくほとんどの場合に無症状だと言われています。しかし将来的に感染者全体のおよそ2.5~5%にATLと言う白血病の一種が発症することがあります。また、ごくまれにHAMという神経疾患などが発症することがあります。特にHTLV-1は母乳感染によって起きやすいことが分かっています。検査は妊娠30週ごろまでに、妊娠健診で抗体検査を行います。HIV(エイズウイルス/ヒト免疫不全ウイルス)進行状況によって数年~10年程度かけて免疫力が弱まり、健康な人であれば何ともない菌やウイルスによりさまざまな病気や疾患を引き起こすウイルスです。それら病気が、エイズ指標疾患に該当する場合“エイズを発症した”と診断されます。HIV検査は妊娠後の妊婦健診で受けることができますが、万が一ママがHIVに感染している場合、医師の治療を受けることにより、母子感染を防ぐ対策をとることも可能です。パルボB19ウイルスりんご病と呼ばれる伝染性紅班の原因となるウイルスで、妊婦さんが感染すると、およそ30%が赤ちゃんにも感染します。まれに流産や胎児水腫などを引き起こすことがあります。性器ヘルペス単純ヘルペスウイルスが原因とされる、性感染症の一つです。産道を通じて赤ちゃんに感染すると、重度の肺炎や脳炎を起こすことがあります。サイトメガロウイルス性器ヘルペスと同様、ヘルペスウイルス科のウイルスです。妊娠初期に初感染すると、流産を引き起こしたり、赤ちゃんに肝障がいや難聴などが発生する可能性があります。風疹ウイルス発熱や発疹、リンパ節の腫れなどを引き起こすウイルスです。妊娠20週頃までにママが感染すると赤ちゃんに母子感染し、聴力障害や視力障害、先天性心疾患などを引き起こす先天的風疹症候群になる可能性があると言われています。水痘(水ぼうそう)水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスに感染することによって生じる感染症です。赤い発疹が出ることが特徴で、水疱や膿疱になった後、かさぶたになって治ります。妊娠中に発感染があると、まれに赤ちゃんに眼の異常や皮膚の萎縮が生じることがあります。梅毒梅毒トレポネーマという病原菌が原因とされる感染症です。感染部位にしこりができたり、赤い発疹が起きたりします。赤ちゃんに感染すると、神経や骨などに異常をきたす先天梅毒になることがあります。性器クラミジアクラミジア・トラコマチスという菌が原因の性感染症です。赤ちゃんに感染すると、結膜炎や肺炎を起こすことがあります。B群溶血性レンサ球菌(GBS)膣内や肛門付近にいる細菌です。母体には影響はありませんが、赤ちゃんに感染すると、肺炎や髄膜炎、敗血症などの感染症を起こすことがあります。リステリア菌食品を介して感染する食中毒菌で、妊娠中は特に感染しやすくなります。赤ちゃんに影響が出ると、敗血症と同様の症状が現れる新生児リステリア症が発症することがあります。感染症を防ぐには感染症は、人との接触、空気感染のほか、食べ物や飲み物、ペットなどの動物の体などを介する感染などで発症します。日頃から感染症を予防することを心掛けておきましょうこまめな手洗い、うがいを行う帰宅した後や、調理をする前後、食べる前、トイレの後など、手洗い・うがいを行うことで接触感染や飛沫感染を防ぎます。アルコールを含む消毒液で手を消毒するのも有効です。マスクをするインフルエンザなどにかかった感染者の咳やくしゃみなどの飛沫感染を防ぎます。外出時にはマスクを着けましょう。キッチン周りの消毒と、食品の加熱処理調理用具や調理台はいつも清潔に整え、食品はしっかりと加熱して調理して食品感染を防ぎましょう。加熱すべき食材は、中心部までしっかりと火を通すことも大切です。予防接種を受けるインフルエンザや風疹など、予防接種を受けることで感染を防ぎます。妊娠前に受けるものと、妊娠中に受けてもよいものがあるため、健診医に相談しましょう。免疫力を高める免疫力の低下は感染の確率を高めます。十分な睡眠をとり、できるだけバランスの良い食事を1日3食摂って免疫力を高めましょう。ただしつわりがある時期は食べられるものを食べられる量だけで構いません。診断の仕方と、診断後の生活について妊娠期間中は、感染症にかかっていないかを調べるために妊婦健診で検査を受けます。もし検査で感染症が見つかった場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐためにも、医師による保健指導が行われます。治療は、感染症の種類や妊娠週数によっても異なります。妊娠中に治療しお産に備える場合や、特に母体に影響がない場合は、妊娠中は治療しないものなどもあります。何らかの感染症が見つかったら、家族や健診医や分娩医などとよく相談して、早めに対処法を考えましょう。症状の現れ方によっては、緊急に処置が必要な場合もあります。分娩施設は24時間365日開いているので、自己判断せずに相談をするように心がけましょう。参照サイト 東京都多摩小平保健所「感染症とは」 厚生労働省「参考とした文献等の概要 4 妊娠中のおくすりに関する基本的な考え方 国立成育医療センター」(平成21年) 厚生労働省「母子感染を知っていますか?」 厚生労働省「母子感染を知っていますか? HTLV-1抗体検査を受けましょう」 国立感染症研究所「風疹とは」 厚生労働省「水痘 Q1水痘とはどんな病気ですか?」 厚生労働省「梅毒に関するQ&A」 国立感染症研究所 感染症情報センター 肝炎情報センター「B型肝炎について」 首相官邸「感染症対策特集~様々な感染症から身を守りましょう~」 東京都感染症情報センター「咳エチケット」
2016年04月04日冬になると毎年のように流行するインフルエンザ。悪寒や高熱などの症状が出た場合、インフルエンザと自覚できるがは、実は「感染に気付かないインフルエンザ」もあるのをご存じだろうか。○インフルエンザ特有の症状が出ない38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が特徴のインフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路となる。通常は、ウイルスの潜伏期間をへた後にこれらの症状が現れる、だが、中にはインフルエンザ特有の症状が出ない「不顕性(ふけんせい)感染」の人も少なからずいる。済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科の十河剛医師によると、不顕性感染にはさまざまな要素が関わってくるという。「不顕性感染かどうかは、元々の体質の特性に加えて、そのときの体力の状態や感染しているウイルスのタイプなどが関わってきます。そのため、一概にどういう人が不顕性感染になりやすいということは言えません」。○不顕性感染の人が感染を拡大させる恐れ苦しい症状が出ないというのは、本人にとってはありがたいことだが周囲にとっては必ずしもそうではない。なぜなら、不顕性感染の人が媒介役となって、感染を拡大させる可能性があるからだ。「私たちが病院で診察する患者さんは、38度とか39度くらいの高い熱が出て『自分がインフルエンザだ』と思って来るわけです。ただ、中には『家族がインフルエンザになりました。私の熱は37度台なので、私はインフルエンザじゃなく鼻かぜだと思います』などと話されている人でも、検査するとインフルエンザであることもあります。症状が弱く出る人はいますので、そういう人がウイルス感染を広めている可能性はありますね」。国内で近年流行しているインフルエンザウイルスは、A型とB型だ。ウイルスには流行する時期があり、例年は3月頃にB型ウイルスの感染者が増えてくるが、この時期は小学校などでインフルエンザ感染が散発的にみられるタイミングでもある。この現象も不顕性感染が関係しているのではないかと十河医師は推測する。「例えば、B型のインフルエンザウイルスは比較的症状が穏やかなので、インフルエンザと気づかれずに『風邪かな』とご両親たちが思ってお子さんたちが学校に行っていたら、実はインフルエンザだったということもあります。そういったお子さんと遊んだ子や、近くにいた子も検査したらインフルエンザだったというのもよく聞く話です」。○飛沫対策をしっかりとろう一目で「インフルエンザだ」とわかるような症状を呈していないだけに、不顕性感染の人を見分けるのは困難と言っていい。ただ、飛沫感染であることは通常と変わらないため、厚生労働省は■普段からくしゃみを他の人に向けて発しないこと■せきやくしゃみが出るときはできるだけマスクをすること■手のひらでせきやくしゃみを受け止めたときはすぐに手を洗うことなどを対策として掲げている。自身が気づかないうちに家族や恋人、友人などを感染させてしまう可能性もあるため、寒い季節はこれらの対策を徹底するように努めよう。
2015年11月30日国立感染症研究所は11月24日、11月9~15日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎およびRSウイルス感染症の患者が全国的に増加していることが明らかになった。食品などを通じて感染するノロウイルスによって引き起こされる症状は、おう吐や下痢、腹痛などがある。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。同研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月9~15日(第46週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は2万1,696人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったため、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約2.1倍に増加していることになる。第46週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,871人)だった。以下、大阪府(1,680人)、福岡県(1,561人)、神奈川県(1,323人)、兵庫県(1,235人)と続き、前週と同じ地域が上位5つに入っている。一方のRSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。風邪のように発熱や鼻水などを伴う症状が出るが、重度の場合は肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高いとしている。同じく、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月9~15日(第46週)の期間中に報告があった全国の感染者数は5,465人。第42週(10月12~18日)は3,861人だったため、1カ月間で1週間あたりの患者数は約1.4倍になっている。第46週に都道府県別での感染者が最も多かったのは、536人を記録した大阪府。以下、北海道(423人)、東京都(310人)、愛知県(258人)、埼玉県(250人)となっており、東京都はどちらも患者が多く報告されている。周囲でも感染者が増加していることを受けてか、Twitter上では「ノロウイルスは防げねえがな…」「ノロウイルスほんまにこわいよ~」「RSウイルスがこわい」などの不安な気持ちをつづったコメントが多数見られている(コメントは原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年11月24日おう吐や下痢などの症状に悩まされるノロウイルス。自分が苦しいのはもちろんだが、恐ろしいのが「もしかしたら……感染させてしまったのではないか」と思う瞬間だ。周囲にも自分と同じつらさを経験させてしまった罪悪感は、計り知れないものがあるのではないだろうか。今回はノロウイルスの感染経験があるマイナビニュース会員300人に、「ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがあるか」尋ねた。Q.ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがありますか?はい: 11.3%いいえ: 88.7%Q.「はい」と回答した人にお聞きします。そのときの状況を具体的に教えてください■看病してくれた人が感染・「看病してくれていた奥さんの具合が悪くなったとき」(33歳男性/電機/技術職)・「子どもの看病にお手伝いに来てもらった私の母にもうつり、母から父にもうつり、大変だったらしい」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「看病に来た母親と彼氏にうつった」(27歳女性/その他/その他)■友人や職場の人に感染・「旅館の宴会の時に感染したっぽい」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)・「親友と前日もいっしょにいて、翌日いっしょにノロにかかったとき」(24歳女性/商社・卸/事務系専門職)■家族が感染・「家族の前でマスクを外している時に大きなくしゃみをしてしまった」(26歳男性/農林水産/技術職)・「最初は普通の腹痛だと思い、家族のお弁当や食事を作っていて、家族にうつった」(33歳女性/建設・土木/事務系専門職)・「家族でタオルなどを共有していたので」(30歳女性/人材派遣・人材紹介/秘書・アシスタント職)■その他・「ブラック企業勤務だった当時にノロウイルスに感染し症状もあったが出社した。結局帰宅中に倒れて病院に担ぎ込まれたがブラック企業ゆえ会社を休むと叱責(しっせき)されるため、そのまま会社をトンズラした。トンズラしたので後のことはどうなったか分からない」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。感染を防げたと思う理由について具体的に教えてください■消毒を徹底・「トイレの消毒を徹底した」(36歳女性/医療・福祉/専門職)・「つらい中、家族に感染させたくなったので、トイレ使用後自分で除菌作業しました」(50歳以上女性/その他/その他)・「母が私の行くところへアルコールを持ってついてきていたからだと思う」(24歳女性/生保・損保/事務系専門職)■隔離された・「部屋に隔離されていたから」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「自分だけ別の部屋でひたすらこもっていたから」(38歳女性/生保・損保/事務系専門職)■その他・「トイレが2カ所あったので片方だけをつかった」(47歳女性/医療・福祉/専門職)・「理由はわからない。特に対策はしていなかった。運が良かっただけかもしれない」(24歳女性/食品・飲料/専門職)・「子ども→主人→自分と、自分(の感染)が最後だった」(32歳女性/自動車関連/事務系専門職)・「空気清浄機をつかっていたから」(29歳男性/建設・土木/事務系専門職)■総評結果としては、「感染させてしまった(感染させたかもしれない)」と回答した人は約1割にとどまった。症状が発症する前に気づかず感染させてしまったケースや、看病してくれた人や家族など、身近な人への感染が防げなかったケースが主だった。およそ9割の人が感染の拡大を防げたのはなぜだろうか。理由としては「徹底して消毒を行った」という対策をとっていた人が多かったことがあるだろう。「徹底的に効果があると書いてあったアルコール剤で除菌していたから(母が)」(26歳男性/マスコミ・広告/営業職)など周囲が気をつけていたり、自らトイレを消毒したりしていたという回答もあった厚生労働省はノロウイルスの感染について、「ふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛まつ感染を予防する必要があります」と指摘。「吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに速やかに処理し、十分に換気を行う」「感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する」などの対策が必要としている。自らの感染を防ぐことももちろんだが、症状の苦しみを周囲の人に広げないためにも、感染してしまった場合には対策の徹底をお願いしたい。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月20日国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日マカフィーは11月9日、Gate.Wormファイル感染ウイルスの最新バージョンに関する情報をセキュリティブログで公開した。Gate.Wormに感染した場合、正規コードに制御を戻せなくなる仕様で、特定のアプリケーションが起動しなくなり、マルウェアコードのみが実行される。このバージョンは2013年の「Obfuscated-FBU!hb」による寄生型ウイルスの変種と類似しているが、作者は別の人物。新しいコードは以前のコードに似ているが、機能がかなり減らされているという。マルウェアの目的は、SecurityGate.ruグループがテストサンプルとして作成したものと推測している。セキュリティブログによると、マルウェアがコンピューターに侵入して感染させるまでの挙動は以下の通り。まず、IsDebuggerPresent Windows APIを呼び出して、プロセスがデバッグ中かどうかを確認する。マルウェアの作者はこの機能を使用して、デバッグによって"悪質なバイナリ"の分析を防止する。チェックの結果がtrueの場合、マルウェアは実行を終了する。次にマルウェアはコンソールウィンドウを開き、「SAFEMODE: This WORM is designed only to test…with respect SafetyGate.ru.」 というメッセージを表示する。GetCurrentDirectoryAを使用して現在のディレクトリを取得し、そこに含まれるすべてのファイルを列挙する。そのために、マルウェアはFindFirstFileA and FindNextFileAを使用してファイル名配列を作成する。現在のフォルダ内の全ファイルを配列に追加したら、マルウェアはマルウェアファイルのファイルサイズを計算し、マルウェアサンプル全体をクリーンファイルの冒頭に挿入してコンピューターに感染する。感染後は、MZ構造がマルウェア本体に置き換えられ、元のファイルは単なるオーバーレイデータとして存在するようになるため、感染したクリーンファイルを実行できなくなる。さらに、感染ファイルに以下のような形式のシグネチャを追加する。感染ルーチンは現在のフォルダ内のすべてのサンプルに対して繰り返し実行され、プロセスが終わると、マルウェアはSleep APIを呼び出して10秒間実行を停止する。その後、コンソールウィンドウを閉じてマルウェアプロセスを終了する。最後は、感染したすべてのサンプルに以下のようなアイコンが表示される。オーバーレイに複数のオリジナルサンプルが含まれた感染サンプルも存在する。感染ファイルはすでに感染していたファイルが含まれることがあるため、このような状況が発生する。新しいクリーンファイルがこのサンプルに感染すると、新たに感染したファイルには過去に感染していたファイル(複数の場合もある)とマルウェアコード、新しいシグネチャが含まれる。ポータブルな実行可能ファイルだけではなく、あらゆる種類のファイルがこのマルウェアに感染する。このようにして、ホストコンピュータの現在のフォルダ内の大半のファイルがウイルスに感染してしまう。通常、ユーザーはファイルをダウンロードフォルダ、ドキュメントフォルダ、デスクトップフォルダにダウンロードするが、フォルダによって影響度が違う。マルウェアにはネットワーク機能がなく、外付けドライブを感染させることはできない。被害者が直接ダウンロードして実行するか、感染したサンプルを外付けドライブに手動でコピーし、別なシステムで実行する以外、このマルウェアをまん延させることはできないという。
2015年11月11日国立感染症研究所は10月20日、10月5~11日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が、昨年末からこれまでに全国で5万人を超えたことが判明した。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。同研究所によると、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するという。感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりすることもある。だが、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月5~11日(第41週)の期間中に報告があった全国の感染者数は3,696人。第39週の1,997人、第40週の2,643人と比較してみると、患者が急増していることが伺える。都道府県別での感染者が最も多いのは東京都(398人)。東京都は第39週に209人だったが、第40週に303人、そして今回398人と2週間で倍増している。東京都に次いで多かったのは大阪府(266人)で、以下に神奈川県(187人)、北海道(159人)、埼玉(158人)と続いている。逆に患者が少ないのは沖縄県(4人)、山梨県(6人)、和歌山県(10人)、茨城県(16人)などとなっている。全国のRSウイルス感染症患者の累積数は、第41週の数値を合算して5万2,756人となり、昨年よりも早く5万人を突破した。全国的な感染が拡大していることを受け、Twitter上では「RSウイルスっての流行ってるから3歳未満の子が居る人気を付けてくださいね」「今回RSウイルス、インフルエンザより厄介なことがよーくわかった」「ジリジリとRSウィルスがやってきたか」などの声があがっている(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年10月20日東京都感染症情報センターは9月2日、都内のデング熱報告数の推移などを明らかにした。蚊を媒介して感染するデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。主な症状として発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などがある。症状は1週間程度で回復するが、ごくまれに感染者が死亡するケースもある。昨年は8月中旬頃から東京都をはじめとする関東圏で、70年ぶりとなるデング熱の国内感染者が続出。8月末から厚生労働省が感染者数の公表に追われ、最終的な国内感染者は160人を数えた。昨年9月4日にデングウイルスを保有している蚊が東京都の代々木公園で確認されたことなどもあり、同公園や国立オリンピック記念青少年総合センター、新宿御苑などの施設が閉鎖された時期もあった。今年は国内感染者がいまだ報告されていない一方、海外での感染者は増えている。8月30日時点での東京都における感染報告数は53人。2011年以降の推移と比べると、国内感染者が続出した2014年を除けば2番目に報告数が多かった2012年と、今年8月時点の数値がほぼ等しくなっている。このまま増えていけば、2012年や2013年の報告数を上回る可能性もある。厚生労働省が「海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後」見られるとしているように、元来、デング熱は主に東南アジアや南アジア、中南米などで感染者が多く報告されている。実際、同センターも「推定感染地域別報告数」を公表しているが、今年の東京都の感染者数の大半がインドネシアやフィリピン、タイなどで感染したと見ている。今後もこれらの地域に渡航する際は、注意が必要といえそうだ。なお、世界保健機関の西太平洋地域事務所によると、今年のマレーシアのデング熱の感染者は8月15日時点で約7万6,000人となっており、昨年同時期に比べて3割近く増加している。ベトナムは8月16日時点で感染者が2万5,000人近く報告されており、昨年同時期に比べて5割以上も多くなっている。同じくフィリピンもやや増加傾向にあるとのこと。一方で、中国は7月の感染者数は過去3年と似たような傾向にあり、オーストラリアの感染者数も昨年とほぼ同様となっている。※画像はすべて東京都感染症情報センター提供
2015年09月03日ギネスブックに「人類史上最も感染者の多い感染症」として登録された病気があります。それは「歯周病」。「命に関わるような病気でもない」と軽く考えるのは禁物。自覚症状のない歯周病は、気づいたときには抜歯しかすべがなかったということも多くあるのです。歯周病の現状と予防法などについて、歯科衛生士の土屋和子先生(スマイル・ケア代表)にお聞きしました。あなたも感染している!?歯周病――歯周病は「感染症」なのですか。土屋先生:歯周病の元となる歯周病菌は、最初は感染によって人の口内に入り込みます。虫歯菌と同様、親子間の接触で感染したり、成人になってからも唾液を介して、キスなどで感染することもあります。いったん感染すると口の中の歯周病菌を完全になくすことはできません。ですから、ほとんどの人が感染しているといっても過言ではないでしょう。――親子間で感染するということは、若い人でも歯周病になる可能性があるのでしょうか。土屋先生:実は、歯周病菌は赤ちゃんが生まれるときに通る産道でも見つかっています。それくらい小さな頃から私たちの間で蔓延しているのです。子どものうちは影響を受けにくいのですが、遺伝的要素が高いと、早い人では乳歯の段階から歯周病が出ることもあります。歯科の予防医療が進んでいるアメリカやヨーロッパでは、15~18歳ごろから歯周病に気をつけるよう指導されています。「若いから歯周病にはならない」と思っていてはいけません。ほうっておくと怖い!歯周病――歯周病の症状について教えてください。土屋先生:歯周病菌の働きによって歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで進行していきます。骨の組織が破壊されると、最終的には抜歯をしなければならない状態になります。気をつけなければならないのは、歯周病は初期の自覚症状がまったくないということです。歯茎が腫れている、歯が動く、噛むと違和感がある……、そのような状態になったときは、すでに手遅れのことが多いのです。――歯周病を、初期のうちに自分で発見する方法はないのでしょうか。土屋先生:「歯周病かな?」と思う以前に、口内に少しでも気になることがあればすぐに歯科を訪れた方がよいでしょう。中高年になると抜歯を経験される方も増えてきますが、ご自分が抜歯をした原因を覚えていない人が少なくありません。実際、歯周病が原因で抜歯をする方はとても多いのです。歯周病が骨まで進んでしまった場合、元の状態にするのは多くの場合不可能です。歯周病を防ぐには?――歯磨きをきちんとしていれば防げますか?土屋先生:日々のケアももちろん重要ですが、それだけで歯周病を防ぐことは不可能です。検診も含めて定期的に歯科に通い、歯根周囲のプラーク(歯垢)や歯石を除去することがなにより重要です。プラークや歯石のもとは細菌で、まさに歯周病の病原ですが、これらは歯科で専門的な処置をしなければ除去することはできません。これを放置しておくのは、歯周病を育てているようなものです。歯が丈夫な人は、「自分は虫歯がないから歯周病にもなっていないだろう」と思うかもしれませんが、これも危険です。虫歯がないために歯医者に通う習慣がなく、歯周病の発見が遅れてしまうというケースも多くあります。唾液ケアが大事――定期的な歯科検診が最重要ということですね。ほかに、自分で予防のためにできることはありますか?土屋先生:唾液が少ない状態になると歯周病のリスクが高まるので、気をつけた方がよいですね。唾液は歯や粘膜を保護し、抗菌作用によって歯周病菌が増殖しないようコントロールしてくれます。いまはパソコン画面の見すぎなどによるドライアイが流行していますが、実はドライアイの人はドライマウスの疑いがあります。唾液が少ない人はとても増えてきています。――唾液を増やす方法はあるのですか?土屋先生:唾液は、口の中の唾液腺を刺激することによって多く分泌されますから、まずは食事のときによく噛んで食べましょう。一口あたり30回くらい噛むのが理想です。また、ガムを噛むなどもおすすめです。そして、口呼吸の人が最近増えていますが、口の中の乾燥の原因となりますから、鼻呼吸を習慣付けるとよいでしょう。――口腔衛生の管理には、さまざまな視点が必要なのですね。土屋先生:菌の暴走を抑えるという点では、全身の健康管理も重要です。睡眠をしっかりとる、バランスのよい食事をする、ストレスをためすぎないなどに留意してください。ふだん元気な人が体調を崩したときに、歯周病も急に進行してしまうことがあります。「歯科は、虫歯ができたり歯の調子が悪くなったりしたら診てもらうところ」と思っている人がまだ多いかもしれません。しかし、予防をしっかりして虫歯や歯周病にならないようにすることが、長い目で見て体への負担も経済的な負担も小さくすむものです。歯に関する悩みや疑問があったら、どんなことでも歯科医師や衛生士に相談してみてください。<プロフィール>株式会社スマイル・ケア代表土屋和子先生【出身】兵庫県神戸市【経歴】1977年 歯科衛生士ライセンス取得1982年~ 日本におけるフリーランスプロフェッショナルハイジニスト第1号数多くの歯科医院、病院、施設にて勤務現在まで、約350名の歯科医師、約1,400回の講演に関わる2007年 株式会社スマイル・ケア設立2011年 全米NLP協会公認トレーナーライセンス取得2012年 LABプロファイル®公認トレーナーライセンス取得2014年 日本歯科医療人育成協会設立理事デンタルNLP®・ぺリオマネージメント®主宰現在 Dr.土屋賢司・Dr.植松厚夫・Dr.北原信也のオフィス勤務
2015年08月19日国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日リンジー・ローハンがめずらしいウィルスに感染し、ロンドンで一時入院した。リンジーは昨年末、休暇で訪れていたボラボラ島で蚊を媒介にするチクングニア熱ウイルスに感染、発熱や関節痛、疲労感に苦しんだという。潜伏期間は2日から2週間程度で、リンジーも休暇中から体調を崩し、インスタグラムにジェットスキーを楽しむ自分の画像を投稿して「チクングニアに感染する前」とキャプションをつけていた。リンジーはその後も「病気になるなんてつまらない」「ゆったりした休暇がウイルスに台無しにされるなんて、お断りよ」などとつぶやき、ボラボラ島からロサンゼルスに向かったが、ロンドンに戻った時点で高熱と関節痛を訴え、21日(現地時間)、キング・エドワード7世病院に入院した。その後、熱が下がってリンジーは退院したが、母のディナさんがロンドンに向かっているという。(text:Yuki Tominaga)
2015年01月23日トイレで用を足しているときに、ふと違和感を覚えるほどの痛みに襲われたことはないだろうか。もしその状況が続くようならば、それはSTD(性病・性感染症)に感染している可能性がある。では、STDの中でも具体的にどのような感染症が疑われるのだろうか。STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に話を伺った。○疑われるSTDの特徴をチェック萬田社長によると、「排尿時の痛みや違和感」では、「性器クラミジア感染症」「淋菌感染症」「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」の3つのSTDが可能性として浮上してくるという。各感染症の特徴を具体的に見ていこう。性器クラミジア感染症「クラミジアトラコマティス」という病原体により感染する同感染症は、日本で最も感染者数が多いSTDで、その感染者数は100万人以上とされている。粘膜同士の接触や精液・腟分泌液を介して感染するため、あらゆる性行為で感染の可能性がある。■症状男性では「尿道からのうみ」「尿道のかゆみや不快感」「軽い排尿痛」「精巣上体の腫れ」「軽い発熱や痛み」などが主な症状として出る。「特に10~20代女性の間で感染が広がっています。感染に気づかないままパートナーに広げてしまうことも考えられるため、注意が必要です」と萬田社長は警鐘を鳴らす。淋菌感染症「淋菌」が病原菌の感染症で、クラミジアと同様にあらゆる性行為により感染する。■症状男性の場合は「激しい排尿痛」を感じやすく、「尿道からのうみ」の量も多いので感染に気づかず放置されるケースは少ない。「最近では、オーラルセックスで咽頭(のど)から性器へ感染するケースが増えています。まだ広く知られていませんが、オーラルセックス時にもコンドーム等での予防を心がけてください」。非クラミジア性非淋菌性尿道炎クラミジア・淋菌以外の病原菌が原因で起こる尿道炎。原因は、細菌のマイコプラズマやウレアプラズマなど複数あると言われており、あらゆる性行為で感染する。■症状感染すると、男性は「尿道からのうみ」「軽い排尿痛」「尿道のかゆみや不快感」などを感じる場合がある。○疑わしいときは、必ず放置しないこと「排尿時の違和感」に関連したSTDは、主にこれらの3つである。もしも今回紹介したような症状が実際に出ていたり、最近自分の中で不安に思うような行為があったりしたら、そのまま放置せずに必ず適切な処置を取ることが大切だ。病気の進行やパートナーへの感染を防ぐためにも、なるべく早く医療機関を受診して、きちんと医師の診断をあおぐようにしよう。また、「不安だけど、はっきりした症状もないし病院はちょっと……」という人は、自分でできる検査キットを郵送で受け取るサービスなどもある。まずはそういったサービスを利用してみるのも一つの手だろう。写真と本文は関係ありません取材協力: アルバコーポレーションSTD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。
2014年12月17日STDという言葉を聞いたことはあるだろうか。「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字で、性病・性感染症のことを意味する。代表的なものに「クラミジア」「淋病」「梅毒」といった感染症があり、それらを耳にしたことがある人もいるだろう。また、「HIV感染症 / エイズ」もSTDに含まれる。STDの怖いところは、自身の健康を損ねるだけでなく、パートナーや家族にまで感染させてしまう可能性があることだ。では、感染を防ぐためにはどうしたらよいのだろうか。STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に、STDの基礎知識や予防策について解説してもらった。○「自分は大丈夫」という認識は危ないSTDは、感染している人との性行為により感染する。病原菌を含む精液や腟(ちつ)分泌液、血液などが、相手の口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染が起こるという。近年は、カップルや夫婦間でもSTDが広がっているため、萬田社長は「誰にでも起こりうる病気です」と警鐘を鳴らす。「一昔前までは、『性病・性感染症』というと、風俗街の病気というイメージでとらえられていましたが、今では10~20代の若い人たちの間でも広がっています。HIV感染症 / エイズについては、若い人だけでなく中高年男性でも増加していますし、昔の性病といったイメージのある梅毒も、近年の増加が報告されています」。もしも、「自分は特定の相手としかセックスをしていないから大丈夫」という認識を持っていたらそれは間違いだ。過去のパートナーがSTDに感染していた可能性もあるし、その「特定の相手」が過去に複数の相手とセックスをしていれば、当然感染のリスクは出てくる。STDは、誰もがしっかりと向き合うべき病気なのだ。○STDは不妊症の原因にもなりかねない実際にSTDは私たちにどのような悪影響を及ぼすのだろうか。萬田社長は、主に以下の4点があると話す。■自覚症状が出にくいものもあり、気づかないうちに病気が進行したり、パートナーに感染させたりすることがある■男女ともに不妊症の原因にもつながる■出産時に子どもに感染することもある■HIV(エイズの原因ウイルス)に感染しやすくなる可能性も「性感染症の中には、症状を感じにくいものがあります。症状がなくても感染していればパートナーにうつす可能性がありますし、気づかないまま病気が進行し、男女ともに不妊症の原因になる場合もあります。感染に気づかないまま出産にいたると、子どもへうつってしまうこともあります。子どもに感染すると肺炎や失明の原因になったり、死にいたったりすることもあります。妊婦検診をきちんと受けて、STDが見つかった場合は、対応について先生としっかり相談してください」。また、萬田社長は「何らかの性感染症にかかっていると、HIVに感染する可能性が高くなると言われています」という。これは、粘膜が炎症を起こした状態になり、抵抗力が落ちやすくなることが原因とされている。例えばクラミジアに感染していると、HIVに感染する可能性は3~5倍にもなると言われているそうだ。○大切なのは「STEADY」と「SAFER」STDから身を守る最大の防御方法は、セックスをしないことだ。だが、セックスはパートナーとの愛を確かめ合うための大切な手段。ずっとしないというわけにもいかない。それではどうすればよいのか。キーワードとなるのは、「STEADY」と「SAFER」の2つのS。すなわち、相手を限定(STEADY)し、より安全な(SAFER)セックスを心がけるということだ。「コンドームを使用することで、HIV感染症 / エイズなど多くのSTDを予防することができます。セックスの最初から最後まで正しく使用することが大切です。最近はオーラルセックスが一般的になってきていますが、クラミジアや淋菌などの病原菌が、オーラルセックスで咽頭(のど)にも感染するということはほとんど知られていません。オーラルセックス時にもコンドーム等で予防を心がけてください」。コンドーム以外の予防法としては、セックスの前後にシャワーやトイレをすませることや、寝具を清潔にするといったことも大切なポイントとなってくると萬田社長は解説。自身の体やベッド・布団周りをきれいにしておくことが大切だ。○早期発見・早期治療が大切萬田社長は、STDの大半は治療すればしっかりと治ると話す。反面、すり傷や切り傷と違い、自然に治ることはない。STDは早期発見、早期治療が大切だ。万一、「排尿時に痛みがある」「性器周辺がはれている」など、STDが疑わしい症状が出てしまったら、自身はもちろん、パートナーにも早期の受診をお勧めする。男性は泌尿器科など、女性は婦人科などで相談できる。STDは、飛沫(ひまつ)感染するインフルエンザなどと異なり、セックスという"濃密な接触"以外では通常感染しない。正しい知識と予防法を知ることで、安全な性生活を送ってほしい。取材協力: アルバコーポレーションSTD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。
2014年12月16日前回『複数の男子と平行してエッチしてはいけない理由4つ』 の中で性感染症をうつされると身体も心も大変なことになるとお伝えしました。今回は女性に多い性感染症(STD、最近はSTIと言う。STI= Sexually Transmitted Infections)について性感染症医療の大御所、尾上泰彦先生に教えていただきました。エッチのあと「なんか下半身がいつもと違う」と感じたら注意。カレがSTIにかかっているかもしれません。女性に多い病気を4つご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。■1.クラミジア感染症クラミジアは、現在もっとも多く、性感染症の約半数を占めます。10歳代後半から、20歳代のもっともエッチが盛んな年代に多く、とくに女性患者は男性の2倍。感染するとおりものの増量、不正出血、下腹部痛、性交痛、排尿痛などの症状があります。しかし約70%は症状が出ないとも言われ、放置すると不妊症になる可能性もあります。この菌が手指を介して眼に入ってしまうとクラミジア性封入体結膜炎を起こす場合もあります。「目がまっ赤だよ!」「性感染症かも」という会話ができるくらい意識しておくとよいでしょう。■2.性器ヘルペス性器、その周辺に小さな水疱、ただれが左右対称性にたくさんでき、痛みやかゆみが出ます。熱が出たり、足の付け根のリンパ腺が腫れたりします。女性では膀胱炎症状も見られます。再発を繰り返す場合があるので必ず治療しましょう。■3.淋病感染症男性では尿道、女性では子宮頚管に感染することが多いです。ビックリな事実ですが、オーラルセックス増加により咽頭に感染する女性が増えています。さらに、アナルセックスにより直腸に、手指を介して眼にも感染します。膿みのようなおりもの、不正出血、下腹部痛、排尿痛があります。バルトリン腺に感染するとバルトリン腺部が腫れ、強い痛みが出ます。おそろしいのは、女性の約80%は淋病は無症状ということ。すると、治療をしないまま男性にうつしてしまうことになります。そして、後にカレと別れた場合、カレは別の彼女にうつしてしまう。これが永遠のループでつながってゆきます。無症状に経過すると卵管炎、子宮付属器炎、骨盤腹膜炎と感染が拡がっていき、不妊症になる可能性もあります。■4.尖圭コンジローマヒトパピローマウイルスの感染によりできるイボの一種です。性器の周りや肛門周辺にできます。潜伏期間は数週間から8ヶ月と長いので、複数のカレとエッチしていると誰からうつされたのかわからなくなります。もしもHPV16型、18型に感染すると女性では子宮頸癌になる恐れがあります。■おわりに「今日はコンドームなくていいよね」と耳元でささやくカレに負けてはいけません。妊娠だけでなくSTIから自分を守るという意味で、カレとはちゃんと話合うように。喉や眼にも菌が感染することは覚えておきましょう。(二松まゆみ/ハウコレ)監修:宮本町中央診療所院長尾上泰彦先生
2014年06月12日国際衛生機構「グローバル・ハイジーン・カウンシル」(Global Hygiene Council 、以下GHC)は、ニュースレター「災害時の感染制御」を発行した。2011年3月11日に発生した東日本大震災。未曾有の地震、そして津波によって、多くの人たちが犠牲となった。街がヘドロで覆われるなど、周囲の衛生環境が悪化したことに加え、水や電気などのライフラインが断絶。また、大人数の避難所での生活では、さまざまな原因による感染症が発生した。同機構のニュースレター第2弾では、「災害時の感染制御」について、GHCのメンバーでもある東北大学の賀来満夫教授による災害時の感染症発生の実態の解説と、「防災の日」に家庭で確認したい感染制御の方法や対策グッズを紹介している。■「環境から」発生する感染症 津波や地震によるがれきやゴミ、土や水などにより汚染された環境が発生することにより、病原体による感染症が引き起こされる。傷の化膿(かのう)や、「破傷風」「レジオネラ肺炎」などが疑われる場合には、医療機関への早急な受診が必要となる。■「ヒトから」発生する感染症 避難所では、多くの人が共同で狭い場所に生活することになり、また感染症への対策が実施できない場合も多いため、「インフルエンザ」や「感染性胃腸炎(ノロウイルス)」、「麻疹(ましん)」など伝播性の高い感染症が起こりやすくなる。■「自分から」発生する感染症 避難所では、食べ物や水などの配給が滞ることによる栄養状態の悪化や、寒さなどによる体力の低下、また口腔(こうくう)ケアが十分でないことなどにより、免疫機能低下や嚥下障害などを引き起こし、「誤嚥性肺炎」や「二次性の細菌性肺炎」、膀胱炎などの「尿路感染症」が発生した。9月1日の「防災の日」には、防災グッズの確認や準備を行う人も多いはず。GHCでは、感染制御の観点から、防災グッズの中に「感染症対策の三種の神器」を加えておくことを提言している。1.「ウェットティッシュ/アルコール手指消毒液」 感染症を防ぐためには、なによりも手や身体を清潔に保つことが重要。特に、抵抗力の弱い小さな子どもや高齢者のいる家庭では、忘れずに準備したい。2.「マスク」 感染症にうつらないため、また周りにうつさないためにも、少なくとも1週間分のマスクの準備を。3.「マウスウォッシュ」 災害時には口腔内を清潔に保つ手段がない。「誤嚥性肺炎」を防ぐため、口をすすぐものの用意を。また、災害が起こってしまった際には、以下の「感染予防のための8カ条」の実行を。<可能な限り守りたいこと> (1)食事は可能な限り加熱したものを摂(と)るようにしよう (2)安心して飲める水だけを飲料とし、きれいなコップで飲もう (3)ごはんの前、トイレの後には手を洗おう(水やアルコール手指消毒液で手洗いを) (4)嘔吐(おうと)・下痢などの汚物やおむつは所定の場所に捨て、よく手洗いを <症状があるときは> (5)咳(せき)が出るときは、周りに飛ばさないように口をおおう(マスクがあるときにはマスクの装着を) (6)熱っぽい、のどが痛い、咳(せき)、けが、嘔吐(おうと)、下痢などがあるとき、特に周りに同じような症状が増えているときには、かかりつけの医師または保険師、避難所では代表者に相談を (7)熱や咳(せき)が出ている人、介護する人はなるべくマスクを (8)咳(せき)がひどい、黄色い痰(たん)が多くなっている、息苦しい、呼吸が荒い、ぐったりしている、顔色が悪いなどの症状がある場合には、肺炎の可能性が。早めに医師に相談を 【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月13日