置屋だった情緒溢れる木造家屋で過ごす静寂の時間産地、香り、色合わせから発想するペアリング料理シェフは発酵マニア置屋だった情緒溢れる木造家屋で過ごす静寂の時間昭和初期まで芸者さんの置屋だったという木造家屋。戸をガラリと開けて店内へ。もちろん靴を脱いで上がります。スキンケアブランド「OSAJI」のセレクトショップと、調香を体験できる「kako-a scent」(予約制)も併設しているので、お店は10時30分からですが、食事は11時から予約制で営業、15時半以降はカフェとして予約なしでも利用することができます。丁寧に手入れされた築約100年の木造家屋食事ができる部屋は2つ。畳だけはリフォームされていますが、床の間や違い棚など書院造りの設えのまま。縁側からの自然光のトーンを大切に、店内の光量控えめな照明にほっとできる心落ち着く空間になっています。書院造りの間。広い縁側は「OSAJI」のセレクトショップに廊下の奥にある部屋。古い家屋ならではの木の温もりに癒される産地、香り、色合わせから発想するペアリング料理体・生活・心を整え、滞りなく循環させることをコンセプトにしているスキンケアのブランド「OSAJI」が、共通する理念で立ち上げたこの癒しの空間。料理を任された藤井匠シェフは、東京・青山の【INTERSECT BY LEXUS-TOKYO】でスーシェフを務めたのち、西麻布【レフェルヴェソンス】の姉妹店【ブリコラージュ ブレッド&カンパニー】でヘッドシェフとして活躍していました。「もっと自然に近い場所で料理をしたいと思っていたところ、ちょうど自分のやりたいこと、イメージを形にできるこのお店との縁がつながって、2021年に湘南へ引っ越してきました」と話す藤井シェフ。東京生まれ、東京育ちの藤井シェフ。フレンチだけでなく、イタリアン、中国料理の経験もあり、知識も豊富「食材は、体に良いことはもちろん、地球環境にも配慮したものを使いたいですね。フードマイレージも極力減らしていきたいので、鎌倉・湘南エリアを中心に手の届く範囲の野菜や畜産農家さん、漁師さんから届けてもらっています」と藤井シェフ。料理は、昔から言われている食材同士の組み合わせや色の共通性で合わせていくフードペアリング、香りを科学的に分析してその相性で合わせていくフレーバーペアリング理論を取り入れているそうです。伝統的なメキシカンの組み合わせをアレンジ。甘味と酸味、辛味のハーモニーが楽しい一皿例えば、初秋のコースで提供しているトウモロコシを使ったアミューズは、ココナッツ、唐辛子、ライムの皮と果汁など、伝統的なメキシカンのフードペアリングをベースに考えられています。その上で日本人の嗜好に合うようトウモロコシの粒に唐辛子のフレーバーをつけることで辛さを抑え、優しい甘みが口の中に広がるようココナッツをムースにしたり、トウモロコシと麹で作った甘酒を添えたりするなど独自の工夫を重ねているのです。神奈川県小柴漁港で揚がる穴子と自家製梅ソース、ゆかりに、アクセントとして自家製の実山椒の醤油漬けを散らしている穴子は、相性の良い胡瓜、梅干し、ゆかり、鰹の削り節という黄金の組み合わせですが、胡瓜は漬物に、梅干し、ゆかりは、シェフ自らが赤紫蘇と一緒につけた自家製を使ったソースも添えるなど手間暇かけてより体に馴染む一皿に仕立てているのです。色だけでなく香りを分析するフレーバーペアリングの理論でも相性の良い組み合わせシャインマスカットを使ったデザートは、アロエと庭の青柚を合わせたオールグリーンのペアリング。アロエは醗酵させた白ブドウの果汁と白ワインヴィネガーで甘酸っぱいピクルスにしているのが藤井シェフならではです。シェフは発酵マニア藤井シェフは調味料も自家醗酵で手作りにしていますが、その種類の多さに驚かされます。「醗酵させることでより栄養価があがりますし、消化吸収されやすくなります。醗酵による酸味も食材によって香りや味わいが違うので、果実酢も旬の果物を使って色々自家製にしています」コースの最初に出される色鮮やかなドリンクも自家製の発酵ジュース。カフェタイムもオーダー可能です野菜や果実で醗酵調味料を自家製にするだけでなく、イカやイワシ、カツオの内蔵、シラスなど魚介の醗酵調味料も仕込んでいます。「小田原産の軍鶏を使った肉醤にも挑戦中で、12月頃にはできあがりそうです。そうしたら、クリスマスの鶏料理を鶏の調味料で、というフードペアリングで料理ができます」と熱く語り、醗酵料理の可能性に邁進中の藤井シェフ。とても楽しそうです。藤井シェフが育成中のさまざまな醗酵食材が廊下の棚に並ぶ。手書きの食材のイラストがSNSでバズったとかコースメニューのお品書きと一緒に添えられた藤井シェフからのメッセージの最後に、「西洋料理の技術を取り入れながら、どこか懐かしくもここにしかない味、そして日本人として生まれ培った感性を大切に。美味しさのその先にある物語を感じるような料理を目指しています」と書かれています。素敵なテーブルセッティングに期待も高まるアミューズからデザートまで全5品を食べ終わった時に、この言葉に改めて納得。季節の食材の色、香り、甘み、辛味、苦味などいろいろな味わいに醗酵の酸味、旨味などもうまく組み合わせた料理は、表情豊か。口に運ぶたびに味に変化があり、雄弁にシェフの想いを語っているように感じます。それは、自然や生産者への感謝、昔から今へ綿々と続く料理の知恵に対するリスペクト、そしてシェフの楽しい、美味しいという感動体験を伝えたいという想い……。ジャンルレスのお料理ですが、「食事のクライマックスは、4品目のご飯もの。日本人としてやはりお米の料理が一番落ち着きますよね」と藤井シェフも話すように、アミューズからの3品は未知の香りや味わいなど冒険的な体験をしながらも、最後はご飯でほっとするのです。疲れを癒し、リセットできるような空間とお料理。時間に余裕があれば、調香体験も是非。30種類以上のエッセンシャルオイルから、自分が心地よいと感じる香りを選んで調香するという体験ができる調香室。調香した香りは「家の香り(ホームフレグランス)」として持ち帰ることができる。予約制。時間や価格など詳しくはホームページで「OSAJI」のスキンケア・ヘアケア商品を中心に、心地よい暮らしを楽しめるアイテムが揃ったセレクトショップも併設。レストランで使われている自家製調味料も購入できるenso【エリア】鎌倉/逗子【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】5,000円 ~ 5,999円【ディナー平均予算】5,000円 ~ 5,999円
2022年12月01日東京・表参道のカフェなどを併設した結婚式場「アニヴェルセル 表参道」が、2023年9月8日(金)にリニューアルオープンする。館内に“ティファニー”新店がオープン東京・表参道の「アニヴェルセル 表参道」が、2023年9月に全面改装リニューアル。<大切な人との時をつくる記念日の館>をコンセプトに、結婚式場はもちろん、表参道地区初となるティファニー(Tiffany & Co.)の新店をはじめ、カフェやアートギャラリー、スイーツショップなど、記念日にまつわる“コト・モノ・サービス”を提供する施設へと生まれ変わる。“表参道に新しく賑わう道”となるグランドフロアエントランスを進んだ先には、「表参道に新しく賑わう道をつくる」をコンセプトに設計された、待ちゆく人がついつい足を運んでしまうような、和やかな賑わいを感じられる開放的な空間が広がる。フロアではカフェラウンジや、スイーツショップ、フラワーショップ、ギフトショップ、アートギャラリーなどが展開され、“記念日”にまつわるコンテンツを気軽に一般利用できるフロアに生まれ変わる。「アニヴェルセルカフェ 表参道」がリニューアル表参道の定番カフェ「アニヴェルセルカフェ 表参道」は、食事が楽しめるダイニング、ゆっくり過ごせるアフタヌーンティー、記念日利用など幅広いシーンにぴったりな“ラウンジ”としてリニューアルオープン。店頭では、フランボワーズのムースケーキやティラミスなどが並ぶアフタヌーンティーセットをはじめ、ランチ利用にもぴったりなハンバーグステーキのシグネチャープレートなど、個性豊かなメニューをオーダーできる。バリスタ日本チャンピオンが監修する「コーヒースタンド」「アニヴェルセルカフェ 表参道」に加えて新たにオープンする、コーヒーに特化したショップ「コーヒースタンド(COFFEE STAND)」にも注目したい。監修するのは、バリスタ日本チャンピオンの石谷貴之。店頭では、京都発のコーヒーロースター「小川珈琲」の豆を使用した、“贅沢感”を楽しめるオリジナルブレンドを提供していく。ウェディングパティシエ監修のケーキショップ初登場さらに、「アニヴェルセル 表参道」にウェディングパティシエ監修のケーキショップ「ケーキ(CAKE)」が初登場。「美」・「アート」・「イノベイティブ」をテーマに、「アニヴェルセルカフェ」定番のショートケーキやティラミス、モンブラン、ムース、タルトといった華やかなスイーツを用意する。加えて、トリュフなどの贅沢な食材を使用したフィナンシェも5種販売。中でも、マルク・シャガールの絵画《アニヴェルセル》のバラの花束に着想を得たローズハニーフレーバーがおすすめだ。スイーツはすべてテイクアウト、イートインの両方で楽しむことができる。最上階にルーフトップレストラン「アニヴェルセル 表参道」最上階の8Fには、完全予約制のルーフトップレストラン「テラス(TERRASSE)」がオープン。表参道の一等地からの眺めとともに、旬の味わいを生かしたフレンチを堪能することができる。メニューは2ヶ月ごとに変更されるこだわりの1コースのみ。ドリンクは、ソムリエ厳選のワインを中心に、ノンアルコールドリンクも含め充実のラインナップを用意する。尚、ルーフトップレストラン「テラス」での飲食は、「アニヴェルセル」各施設でウェディング、プロポーズ、イベントのいずれかを実施したことのある人と、その同行者のみが利用可能。「アニヴェルセル」での思い出とともに、結婚記念日や特別な日、少し贅沢な時間を味わいたい時など、特別感あふれる時間を過ごすことができそうだ。チャペル&パーティ会場も新たにリニューアルチャペルでは、1998年のオープン当初から変わらないロイヤルブルーのバージンロードとウィリアムモリスのステンドグラスはそのままに、「光」と「花」によってウエディングの明るい未来を祝福するようなチャペルへとリニューアルを行った。なお、会場はウェディング以外にも、コンサートホール等としても使用可能だ。さらに、パーティ会場も一新。自然の安らぎを感じられるリラクシングなフロアや個性を表現できる会場、ラグジュアリーな会場、温かみのある邸宅をイメージした“ファミリーウェディング”を叶える会場など、多様なパーティ会場を用意する。それぞれのフロアのスタイルに呼応してサービスにもアレンジを加えており、フロアコンセプトに合わせたドリンクやフードが提供される。【詳細】アニヴェルセル 表参道 リニューアルリニューアル開館時期:2023年9月8日(金)リニューアル期間:2022年12月30日(金)~住所:東京都港区北青山3-5-30■アニヴェルセルカフェ 表参道営業時間:11:00~21:00(20:00 L.O.)TEL:03-5411-5988定休日:なし※営業時間などは変更する場合がある。メニュー例:・アフタヌーンティー 6,600円・ランチコース 6,380円・国産牛ハンバーグステーキ 味噌トマトソース 2,090円・サーモンのおからハーブ焼き 麹バルサミココース 2,090円■8F ルーフトップレストラン「テラス」〈完全予約制〉予約受付開始日:2023年8月19日(土)~営業時間:金・土・日曜日 / 18:00~22:00料理:旬を感じられるフレンチフルコース 1コースのみ 12,100円(サービス料込/ドリンク別料金)コース例:アミューズ、オードブル(前菜)2品、ポワソン(魚)、ヴィアンド(肉)、デザート、コーヒー、小菓子※「テラス」の利用はアニヴェルセルと繋がりのある人、もしくはその同行者のみが対象。
2022年11月19日マルニ(MARNI)から、2022年8月31日(水)にオープンする新店「マルニ 神戸阪急」限定Tシャツ“ONE OF A KIND”が登場。“ハンドペイント”を施した唯一無二のTシャツ「マルニ 神戸阪急」限定のTシャツは、1点ずつハンドペイントを施した、“唯一無二=“ONE OF A KIND”のアイテム。全6種類のカラーバリエーションを、一つひとつ異なる風合いで仕上げている。前身頃には、マルニのアップサイクルコレクションであることを示す”MARNIPHERNALIA”パッチをオン。手書き風ロゴをあしらった、オリジナルパッケージもセットになっている。15種類から“選べる”パックT全15種類のデザインから、3枚を選ぶパック Tシャツも限定発売。カラフルなボーダー柄やベーシックなプレーンTシャツから好みのデザインをセレクトすることができ、パッケージも11種類からチョイスすることができる。サイズはXSからLまで揃い、ユニセックスで着用可能だ。なお、“ONE OF A KIND”Tシャツとパック Tシャツには、過去のコレクションで使用したデッドストック生地を採用した。「マルニ 神戸阪急」がニューオープン「マルニ 神戸阪急」は、8月31日(水)に神戸阪急 新館2階にオープンする新店舗。1970年代ヴィンテージから着想を得たウルトラマリンブルーのカーペットやコンクリートを用いた空間に、メンズ・ウィメンズのプレタポルテコレクションをはじめ、バッグ、シューズ、レザーアクセサリーが並ぶ。オープンを記念し、神戸阪急 新館1階では、9月13日(火)まで「マルニ マーケット」も開催されるため、合わせてチェックしてみては。【詳細】「マルニ 神戸阪急」限定アイテム発売日:2022年8月31日(水)アイテム例:・”ONE OF A KIND” T シャツ 115,500 円<マルニ 神戸阪急限定品>・セレクタブル 3 パック T シャツ(3枚セット) 75,900円<マルニ 神戸阪急限定品>■新店情報「マルニ 神戸阪急」オープン日:8月31日(水)住所:兵庫県神戸市中央区小野柄通8丁目1番8号 神戸阪急 新館2階営業時間:10:00~20:00【問い合わせ先】マルニ / マルニ ジャパン クライアントサービスTEL:0800-080-4502(フリーダイヤル)営業時間:月~金 10:00~19:00
2022年08月29日【D-29】といえば、東京界隈の肉好きにとっては聞き慣れた名前。肉界のカリスマ・寺門ジモンさんが絶賛し、メニュー開発にも携わったことでも知られる焼肉店だ。その名店が、長らく人気を博していた表参道から場所を移し、広尾に再オープンした。店に訪れてみると、コース仕立ての焼肉は、ゲストが食べたい部位を、肉を知り尽くした店のスタッフと相談しながら組み立ていくという自在さ。焼肉店でありながら、お望みとあらば300g級のステーキや、骨つきのトマホークも提供するといい、「絶対に肉で満足させてみせる」という気概すら感じさせる。ストイックなまでに、ゲストの要望に寄り添うその姿勢は、一体どこから生まれるのだろうか。話をうかがった。情熱を注ぐ生産者の和牛のおいしさを知ってもらいたい自分だけの焼肉コースがカスタマイズされていく贅沢「できない」「ない」とは言わない情熱を注ぐ生産者の和牛のおいしさを知ってもらいたいモノトーンの牛のイラストは三田店、表参道店から続く、【D-29】のシンボル多様なジャンルの名店がひしめく広尾散歩通りの外れ、静かな一角のビルの2階に【D-29】はある。大きな牛の顔が描かれたガラスの扉から中に入ると、すぐにここが“モダンな寛ぎ”が感じられる空間だということを直感する。3つのテーブル席はそれぞれに仕切りが設けられ、カウンターも各席のパーソナルスペースを広めに確保。コンクリート打ちっぱなしの壁と、暗めのトーンで揃えられたインテリアが大人の隠れ家らしい落ち着きを思わせる。焼肉店にはめずらしく、シェフズテーブルのようなカウンター席も用意「おいしければなんでもいいというわけではなく、情熱をもって育てている和牛の生産者を少しでも多くの人に広めたいというのが、うちのオーナーの思いなんです」そう語るのは、肉のカッティングなどを担う山地夏子氏。その言葉どおり、【D-29】で扱う牛肉は、長きにわたって精肉業に携わってきたオーナーの高村泰弘さんが独自に開拓したルートを活かして、仕入れる代物ばかり。それも、生産者の愛情をいっぱいに受けてストレスなく育てられた、いい牛ばかりなのだ。たとえば、松阪牛肥育の第一人者として知られる畑敬四郎氏が育てる松阪牛、そして近江牛のなかでも最高品質と評される澤井牧場の澤井隆男氏が育てる近江牛の雌牛、“澤井姫和牛”。これら2つの銘柄牛をはじめ、至高の品揃えでゲストをもてなす用意が整う。畑敬四郎氏が育てる松阪牛は、品評会でたびたび優秀賞を受賞。まさにトップオブトップの牛肉だ「これだけの肉を仕入れてるのだから、おいしいはず」と思いたくなる気持ちもあるが、それは少々早合点かもしれない。仕入れる牛肉はいわば原石の状態。そこに焼肉としての表情や魅力を引き出すのが、カッティングの技術だ。たとえば、この日いただいた盛り合わせの中には、厚切り、薄切り、2つのタン元が盛られていた。牛の種類も部位も同じ。なのに、その違いは口に入れた瞬間に歴然とする。厚切りのほうは、ザクっと音がなりそうなほどの食感と濃い旨みが際立ち、香りも強い。まったく下品ではないが、ある種のワイルドさを感じる。もう一方の薄切りは、ほどよい肉の香りと、歯切れの良さが抜群。切り方が違うだけで、こんなにも品がある味わいになるのか、と驚嘆せずにはいられない。その、愛情を持って育てられた牛のおいしさを引き出す丁寧な仕事に、「少しでも多くの人に広めたい」という言葉が嘘偽りないことがうかがえる。『スライス盛り合わせ』(2人前)。サーロインのスティックステーキ、ハラミ、ヒレ、タン元を厚切りと薄切りの2種類の切り方で料理人の山地夏子氏。自身も肉が大好きで、カットによる味わいの表現に余念がない自分だけの焼肉コースがカスタマイズされていく贅沢名物『澤井姫和牛のハラミ』。希少な雌牛のハラミをそぎ切りにし、千切りにしたキャベツの浅漬けを巻いていただく【D-29】が肉好きを虜にしている理由は、ほかにもある。その一つが、「わがままな食べ方が叶う」ということだ。同店にとって、“おまかせコース”とは決められた部位を決められた通りに出すというものではない。「いま、どんなお肉を、どうやって食べたいのか」。ゲストが感じているその、肉に対する欲求を、コミュニケーションの中からスタッフが探り、最善の提案をする。もちろん、要望を出さねば、と気構える必要はない。すべてをお任せにするもよし、気に入った部位をリピートするもよし。そこまで含めて、完全に自由なのだ。やわらかく旨みをしたたらせるハラミと、シャキッと甘酸っぱいキャベツの真逆ともいえる特徴が、口の中で一体にゲストの要望に応えることは、新しいことへチャレンジできる機会でもある。たとえ業界的には邪道と言われるようなことでも、できる限りのことには対応したい、と山地氏は言う。「ステーキが食べたいという方がいれば、鉄板でステーキもお出しします。先日は、グループで『トマホークが食べたい』というお客さんがいらして、607人で大きな骨つき肉を召し上がった方もいましたので、まずは遠慮せずにご要望をお伝えいただければ」当然、鉄板ステーキや特大の骨つき肉は、卓上のロースターで焼くことはできない。だから、調理場で火を入れてから提供するのだそうだ。ゲストの要望に応えるために、いかに「焼肉店」という枠にしばられずに考え、最善を提案できるか。このエピソードだけでも、そんな姿勢がうかがえてくる。肉焼師として、ホールに携わる中村理荷亜氏。「おいしい肉を仕入れて終わりではなく、どうしたらもっとおいしく召し上がっていただけるかを考えています」さらに同店では、ゲストごとにどんな肉を提供したかを、記録して残しているという。それも「牛の種類」「産地」「切り方」「グラム数」「タレか塩か」「薬味」と事細かに記録する。なぜか。次の来店時、そのゲストの嗜好にさらに寄り添った提案ができるようになるからだ。そうして次にやってきたときには、過去の食べ方や好みを踏まえた、自分だけの焼肉コースができあがる。つまり、ゲスト側から無理にわがままを言わなくとも、来店ごとに自分用にカスタマイズされたオリジナルのコース構成が楽しめるのだ。これは、焼肉にとっての究極の贅沢といえるのではないだろうか。「できない」「ない」とは言わない締めに用意する『一口牛すじカレー』。焼肉の後に食べるからと、肉の味よりもトマトの酸味と甘みを重視「お客様のオーダーに、『できません』『ありません』とは言わないようにしています。ちょっとした工夫で叶えられるかもしれないし、材料や用意がなくてもその気持ちを満足させる提案ができるかもしれない。それ自体、自分たちにとってはチャレンジで、前に進む機会でもあります」取材の後半、山地氏から聞くこの言葉に、しぜんと“ホスピタリティ”という言葉が頭に浮かんだ。たしかに、この店の「ゲストの満足」に寄り添う姿勢は、並大抵のものではない。仕入れ、カット、コミュニケーション、提案、オーダー記録……一つ一つは小さな要素だが、その積み重ねが確実にゲストの満足感へとつながっている。ホスピタリティ、と言葉にするのは簡単だが、行動で実感させるほどのサービスを実践するのは、けして簡単ではないはずだ。店長という役割は存在しない。調理場とホール、それぞれが肉にこだわり抜いた仕事をするその姿勢の原動力は、一体なんなのだろうか。最後に、山地氏に尋ねてみた。「店が受け持つのは、お客様が食べる最後の瞬間だけです。おいしそうに食べる笑顔も見られて、言ってしまえばいいとこどりなんです。でも、お店で最高の肉を提供するまでには生産者をはじめ、仲卸、食肉処理従事者など多くの人が全力を尽くしている。それを無駄にするのが、自分たちであってはいけません」単に、ゲストのわがままに応えたいというのではない。尽力するすべての人たちに報いるためにも、ゲストを「絶対に満足させてみせる」のだ。その強い気概を感じて、この店に通いたいと思ってしまうのは、筆者だけではないだろう。東京食肉市場直送肉焼屋D-29広尾店【エリア】広尾【ジャンル】焼肉【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】10000円【アクセス】広尾駅 徒歩5分
2022年08月16日「ちいかわ」のオフィシャルショップ「ちいかわらんど」から、2022年夏の新作アイテムが登場。2022年7月29日(金)にオープンする新店・京都四条河原町店をはじめ、原宿店・大阪梅田店・福岡パルコ店にて発売される。「ちいかわらんど」夏の新作グッズイラストレーター・ナガノが描く「ちいかわ」は、いつも一生懸命なちいかわと友達のハチワレ、うさぎなどの個性豊かなキャラクターが集う人気作品だ。そんな「ちいかわ」のオフィシャルショップとなる「ちいかわらんど」では、2022年夏に贈る新作アイテムを豊富に展開。日常で使えるキュートなグッズが揃う。ちいかわに変身できる?!フード付きバスタオルデイリーから休日のアクティビティまで、夏に欠かせないタオルは、キャラクターをモチーフにした多彩なサイズで提案。中でも、ちいかわ・うさぎ・ハチワレを主役にしたフード付きバスタオルは、プールや海といった屋外シーンでも活躍してくれること間違いなしだ。フードを被るだけで、お気に入りのキャラクターになりきれる?!アイキャッチな仕上がりも魅力的。リラクシングなネックピローゆったり過ごしたいおうち時間におすすめなのは、キャラクターのフェイスを大胆に表現したネックピロー。ふんわりボリューミーなフォルムが、首元にピタっとフィットして、快適な付け心地を叶えてくれる。ちいかわ・ハチワレ・うさぎの耳が“ちょこん”と突き出た、さり気ないデザインもキュート。雑貨アイテムが勢ぞろいそのほか、ポーチやバッグのファスナーの開閉をより簡単に叶えるジッパータブをはじめ、ハチワレを主役にしたステーショナリー、人気キャラクターが集結した“鈴入り”マスコットなどが登場。新店となる京都四条河原店では、オープンを祝して、購入特典なども用意しているので、「ちいかわ」ファンの人はお楽しみに。【詳細】「ちいかわらんど」夏の新作アイテム発売日:2022年7月29日(金)展開店舗:ちいかわらんど 原宿店、大阪梅田店、福岡パルコ店、京都四条河原店<新店>、ちいかわマーケット(オンラインストア)アイテム例:・鈴入りおかおマスコット(ランダム) 8種 各660円・ジャガードハンドタオル 3種 各990円・ジャガードフェイスタオル 2種 各2,090円・フード付きバスタオル 3種 各3,850円・ネックピロー 3種 各2,420円・ジッパータブ 6種 各825円<店舗情報>・ちいかわらんど 京都四条河原店<新店>※7/29日(金)・30日(土)・31日(日)の3日間を対象に、事前申し込み必要。事前申込URL:住所: 京都府京都市中京区河原町通蛸薬師下ル塩屋町344 キディランド京都四条河原町店営業時間:11:00~20:00・ちいかわらんど 福岡パルコ店住所:福岡県福岡市中央区天神2丁目11−1 福岡パルコ8F 天神キャラパーク キデイランド営業時間:10:00~20:30・ちいかわらんど 原宿店住所:東京都渋谷区神宮前6丁目1−9 キディランド営業時間:11:00~21:00・ちいかわらんど 大阪梅田店住所:大阪府大阪市北区芝田1丁目1−3 阪急三番街 北館 キディランド営業時間:10:00~21:00
2022年07月25日アンティークと自然の木材を使った温かみのある店内信頼を寄せる生産者から届いた食材がテーブルを彩る全国を旅をするように料理が楽しめるコース仕立てアンティークと自然の木材を使った温かみのある店内南青山の路地の一角で、名栗加工を施された桜の扉がお出迎えフランスでの修行も含めフランス料理の道を歩んできた神保さんは、イタリア料理のシェフだった亡き父に応えたいという思いで17年前にイタリアンにシフトチェンジ。2010年には野菜を中心としたイタリア料理店【HATAKE AOYAMA】を立ち上げ取締役総料理長に就任、そして「料理人としての自分にできることでもっとお客様を喜ばせたい」という長年の願いを実現させる場として【JINBO MINAMI AOYAMA】を南青山にオープンしました。店内にはアンティークのメタルアートとオーストラリアの女性作家の作品が飾られています南青山の路地を進むと、名栗加工を施された桜の扉が出迎えます。扉を開け、足を踏み入れると、まるで神保家に招かれたかのような温かな空間が待ち受けます。九州・高千穂のシラスの塗り壁に、扉と同じ桜の木材をあしらい、床はブラックチェリー材を使用しています。ゲストが座りやすく、心地よく過ごせるようにと、椅子は北欧デザインのものをチョイス。ダイニングの他に個室も用意しています。信頼を寄せる生産者から届いた食材がテーブルを彩る『北海道根室沖キンキのソテー 筍のバターソース 山菜を添えて』神保さんが生産者を訪ねる旅を始めてかれこれ17年。信頼を寄せる約20人もの生産者には、神保さんが直接コンタクトを取って仕入れをしています。生産者が丹精込めた食材を最大限に活かすため「水」にもこだわり、ミネラル成分を多く含む長野県大町市の北アルプスの源水を使用。口当たりがとろっとしてまろやかで、だしはもちろん、お水、コーヒーやお茶類もすべて大町の水を使っています。全国を旅をするように料理が楽しめるコース仕立て左から『豆の声』、『季節野菜のピクルスとハマグリの低温コンフィ』、『新玉ねぎと蕗の薹のタルト』料理はシェフ神保さんの創作によるその日限りのコース料理のみ。季節に沿って旬の食材を丁寧に調理します。神保さんが生産者を巡る旅をしてきたように、ゲストも北は北海道、南は鹿児島まで50種類ほどの食材を、お皿の上で旅する気分で味わえます。バーニャカウダソースを添えた野菜が、葉野菜のサラダと別々の器で運ばれ、熱々のソースを目の前でかけて完成する生産者から届く食材に応じて毎日メニューは変わりますが、夜のコースには神保さんの代名詞ともなったスペシャリテ『バーニャカウダ』だけは必ず登場します。生産者から届いたばかりの野菜を生のまま、茹でる、揚げる、ソテーする、炭で焼く、発酵させる、ペーストにするなど、それぞれに合った調理法で仕上げ、じゃがいも、にんにく、アンチョビ、オリーブオイルをエスプーマでムース状にしたバーニャカウダソースを添えます。『ヴァローナマンジャリトルタ 鶯嬌のコンポートと-196°Cエディブルフラワー』イタリアンベースにしつつ、フレンチ、和食、中国などの料理技法を取り入れ、素材の個性を際立たせています。中でも神保さんが最近ハマっているのが「発酵」。バーニャカウダの野菜の中に自家製のぬか漬けを加えたり、味噌を手作りしてソースに潜ませたり。発酵の力強い旨味が全体の味を引き締めてくれます。信頼を寄せる全国の生産者から届く食材がテーブルを彩り、イタリアンながら日本の風土を感じさせるイノベーティブな味が楽しめる【JINBO MINAMI AOYAMA】で、大切な人とスペシャルな時間を過ごしてみてはいかがでしょう。料理人プロフィール:神保佳永さん1977年茨城県生まれ。料理人の父親を持つ。料理専門学校卒業後、フレンチレストランで料理人としてスタート。渡仏・渡伊し、各地方のミシュラン星付きレストランで修行。帰国後は【ホテルエミオン東京ベイ】洋食総料理長、神宮前【Restaurant-I】オープン総料理長などを経て、2010年南青山に野菜料理中心のイタリア料理店【HATAKE AOYAMA】の取締役総料理長に就任。2022年、オーナシェフとして【JINBO MINAMI AOYAMA】をオープン。全国の講演会にて自身の食に携わる活動を伝える他、レストラン料理全般のコンサルティングや地方農業活性化などにも数多く携わる。JINBO MINAMI AOYAMA【エリア】表参道/青山【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】表参道駅
2022年06月06日若手職人の勉強代として価格はリーズナブル!総本店と同じ通りに位置し、店先のモニターにはお店紹介の動画が流れています世界5地域で13店舗を展開し、うち3店舗でミシュランガイドの星を獲得している【銀座おのでら】。世界に躍進する【銀座おのでら】の次のステップとなる後進育成の場となるのが【鮨 銀座おのでら 登龍門】です。総本店と同じ通りにあり、お店の動画が流れる大きなモニターが目印です。カウンター18席での立喰スタイル。モバイルオーダーで、自身のスマートフォンから注文できますこれまでの鮨店は、「先輩から見て学ぶ」ことが主流で、カウンターに立って経験を積むことは後回しにされる傾向にありました。【鮨 銀座おのでら 登龍門】では、「お客様に育てていただく鮨店」をコンセプトに、若手職人が実際に魚に触れ、確かな技術を磨きつつも、ゲストにとってもかけがえのない時間を創造します。総本店と同じネタ使用し職人が真心込めた江戸前鮨ネタは総本店と同一のものを使用。豊洲の有名仲卸「やま幸」をはじめとする卸業から仕入れた一級品をラインナップしています。その日に仕入れた魚を店内で仕込み、隠し包丁を施し、細部まで職人が真心こめた美しい江戸前鮨を提供します。若手職人の「勉強代」として価格はリーズナブルな設定になっています。『やま幸 本まぐろ 中トロ』660円口に入れた瞬間にとろける穴子は本店で仕込んだ自家製甘ダレが決め手。『自家製煮穴子』550円新鮮で甘みがあるウニは、ウニが苦手な人にもおすすめ『バフンウニ』820円『自家製小肌』380円エビ味噌のうまみと身の甘みが特徴。『車エビ』750円『赤貝』660円【銀座おのでら】のファンはもちろん、立喰鮨スタイルで【銀座おのでら】の味を手軽に体感したい人にもおすすめの【鮨 銀座おのでら 登龍門】。銀座から世界へ羽ばたく職人を生み出す店で、いつもよりリーズナブルに本場の江戸前鮨を堪能してはいかがでしょうか。鮨 銀座おのでら 登龍門【エリア】築地【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】6,000円 ~ 7,999円
2022年06月02日【鳥しき】の池川義輝氏がLDH kitchenとコラボ【鳥しき】直伝の焼鳥が一品料理として昇華創作鳥料理を交えた多彩な鳥づくしのコース【鳥しき】直伝、近火の強火による炭火焼きを小皿スタイルで「この店でやりたいのは、焼鳥という業態ではできないこと」と話す店主の佐藤新太朗さん。日本料理店で研鑽を積んだのち、LDH kitchenで焼鳥店や居酒屋、会員制レストランなどの立ち上げに関わり、料理長も務めてきたオールマイティの実力派です。焼鳥の奥深さに魅力を感じ、【鳥しき】の池川義輝氏に師事して近火の強火を学び、師匠と共に鳥焼き料理の試作を重ね、新しいスタイルを生み出したのです。焼き台の前でトングを使って食材をこまめに動かす佐藤新太朗さん「池川さんから学ぶ焼鳥は、今までの焼き方とは全く違いました。近火の強火はほんの少しの油断も許されません。目を離さずに常に手を動かしていないと焦げてしまうのです」と話す佐藤さん。表面はカリッと焼き上げることで、内側に旨味たっぷりのジューシーな肉汁が封じ込められるのです。その醍醐味を味わえるのが『手羽先』。香ばしさとジューシーさが見た目から伝わってきます。強火の近火の醍醐味を味わえる『手羽先』。骨を抜いて食べやすくしているまた、池川氏が稀少部位・薬研軟骨の新しい楽しみ方として、横隔膜(ハラミ)と繋がったままにするという捌き方を考案。焼くと半分くらいに縮みますが、足を広げたカエルのような形に見えることから『とりかわず』と命名したそうです。軟骨のコリッ、横隔膜のパリッとした食感。新たに考案した捌き方で、1つで二度美味しい体験ができる『とりかわず』ワイルドな印象の膝まわりの部位も、上品な小皿料理に変身串を刺したまま供される焼鳥ではなく、焼き網の上で焼いた鳥にさまざまな薬味やソース的なものを添えることで一品料理として昇華させています。例えば膝まわりのお肉は、【鳥しき】では大きな塊にかぶりつくというダイナミックな楽しみ方ですが、ここでは焼いてから食べやすい大きさに切り、胡麻油と塩で和えた白髪ねぎ、茗荷などの薬味をトッピングして出されます。食材のダイレクトな美味しさだけでなく、他の食材が合わさった時のハーモニーを楽しむというのが焼鳥との違いなのです。『つくね最中 自家製マヨネーズ』つくねも、軟骨ほかさまざまな部位を叩いて作る【鳥しき】流ですが、小さめのハンバーグのような形に成形して串を刺さずに焼きます。それを、なんと香ばしく炙った最中の皮に入れ、『那須御用卵 極』で作った自家製マヨネーズでコクを添え、穂紫蘇を飾って見た目にも美しい一品に仕立てています。低温調理、煮込みなど鳥を使った創作メニューで緩急あるコースにコース料理は、鳥焼き料理だけではありません。最初に出されるのは低温調理でしっとりと火を入れた鳥胸肉と自家製のガリ、紫蘇の海苔巻きです。そして、次は熱々の春巻き。中の餡は、【鳥しき】では炭で炙ったバゲットの上にのせて出てくる鳥のモツの味噌煮込みです。季節を感じてもらうため、春は新牛蒡や筍を一緒に巻いていましたがこれからは何を入れるか試作中だそうです。前菜としてコースの最初に出される『鳥胸肉のガリ紫蘇巻き』『鳥のモツの味噌煮込みを春巻』揚げたてで熱々、皮はパリパリ前菜3品、鳥のスープを使ったお椀の後、鳥焼き料理が1品ずつ出てきますが、合間合間で、季節の焼き野菜を使った小皿料理やお浸し、もずく酢、大根の甘酢漬けなど箸休め的な小鉢が出てくる緩急あるコース構成になっています。『アスパラガスの炭火焼 極みソース、パルメザンチーズ』そして、締めの食事は、炭火で香ばしく焼いたおにぎりのお茶漬けで胃を落ち着かせた後、お楽しみのデザートとして、1品目は甘くてねっとりとした熟成サツマイモの焼芋を炭火で焼いた熱々にバターをのせた『焼芋バター』。そして最後は『瀬戸内レモンのかき氷』ですっきりとしたフィニッシュ、という流れです。『焼きおにぎりのお茶漬け』香ばしいおにぎりをひと口食べてから、出汁や薬味を入れ、崩していただくのがおすすめ『焼芋バター』 宮崎県のこだわりの農家から届く熟成サツマイモの焼芋を炭火焼きに。ねっとりクリーミーな口当たりと香ばしさゆえ、バターをのせただけで立派なデザートに“焼鳥”と串に刺さない“鳥焼き“の違いは、鳥そのものの味わいをストレートに楽しむか、焼いた鳥を一品料理に仕立てて季節の食材や薬味、ソースとのハーモニーを楽しむかというもの。また、焼鳥の場合、串に同じ部位が複数刺さっているので、全部の部位を食べ尽くすのは相当な大食漢ではない限り不可能ですが、小皿料理に仕立てたコースなら、少しずついろいろな部位を楽しむことができます。「鳥の味、魅力を余すことなく味わってほしい」という鳥ラバーの池川さん、佐藤さんの熱い思いが伝わってきます。檜のカウンターが美しいしっとり落ち着いた和の設え。美しい器の数々にも注目したいとても身近な素材ながらも、工夫次第で味わい方にはまだまだ未知の可能性もたくさんあることに気づかせてくれる創作メニューの数々。「その挑戦はまだ始まったばかり。日々師匠やスタッフとともに試作を重ねています」と話す佐藤さん。メニュー開発だけでなく、『とりかわず』のような新たな捌き方で、今までにない味わいを体験できるのも、真摯に道を極める池川一門のお店ならでは。オープンして半年足らずながら既に注目を集め、予約至難になっていますが、是非とも多くの人に体験してほしい鳥料理というジャンルの新境地です。鳥焼き 小花【エリア】恵比寿【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】12800円【アクセス】恵比寿駅 徒歩10分
2022年05月27日臨場感溢れる劇場型のメインカウンターこだわりの肉と旬の山海の恵みを堪能余韻に浸る歓談席で最後のおもてなし臨場感溢れる劇場型のメインカウンターひときわ目を惹く檜一枚板の大きなカウンター。銀座・六本木に2店舗を構える【kappou ukai】は、季節の食材を使った料理をカウンター越しに仕上げてくれる臨場感あふれる割烹料理店。その銀座店がこの度、肉割烹料理【銀座 kappou ukai 肉匠】へ生まれ変わりました。和の趣とモダン様式が調和した完全個室とテーブル席。【うかい亭】で培った肉の知見をいかした料理を、【kappou ukai】に息づくライブ感そのままに提供してくれるのがお店の特徴。メインカウンターだけでなく、個室やテーブル席などいずれの席でもゲストの目の前で料理を仕上げてくれます。料理長でうかいの統括マエストロを務める半野雄大氏。料理を手掛けるのは、鉄板料理【銀座うかい亭】の料理長でうかいの統括マエストロを務める半野雄大氏。マエストロとは【うかい亭】における鉄板料理のスペシャリストの称号。海外を含め8店舗ある【うかい亭】において、約100名強の料理人のなかでこの称号を有するのは6名だけとのこと。こだわりの肉と旬の山海の恵みを堪能美しい断面が食欲を刺激する。メニューは旬の食材のプレゼンテーションから始まる、肉のさまざまな部位を料理にいかした季節ごとに変わる1コースのみ。【銀座 kappou ukai】で培ってきた、季節を感じる一皿や魚介料理などの割烹料理を織り交ぜながら、肉のおいしさが引き立つ内容に仕上げています。リニューアルオープンで目玉として使用されるのは、豊かな自然・良質な水に恵まれた兵庫県三田の神戸牛や丹精込めて育てられた松坂牛。長期間、丁寧に肥育された牛を選び抜きました。ここからは料理例をご紹介していきます。『鮑・牡丹海老・天然鯛』春の訪れを楽しむことができる八寸。柔らかく煮た鮑は、肝のソースをかけていただきます。ボタン海老はすだち薫る旨みたっぷりのジュレと、天然鯛はカラスミと共に味わうことで、食材の上品な甘みが楽しめます。『黒毛和牛タルタル・キャビア・トリュフ』ふっくら炊きあげたもち米の上に、とろけるような食感の牛肉のタルタルとキャビアやトリュフをたっぷりのせています。口の中に入れると牛肉の旨みとトリュフの香りが広がる贅沢な“卵かけご飯”です。『牛タン』ジューシーなタン元を、ブイヨンでじっくりことこと柔らかく煮込み、厚切りで盛り付けた一品。仕上げのコショウを味わいのアクセント。最後に蕾菜と白髪葱を添えて。『肉匠厳選極上“神戸牛”』塊肉を炭火でじっくりと焼き上げることで肉本来の旨みを凝縮さています。芳醇な香り漂う一皿は、噛みしめるごとにあふれる香ばしさと豊かな肉の甘みを感じられます。付け合わせは、ホクホクに焼いた旬の竹の子です。余韻に浸る歓談席で最後のおもてなし小カウンターには茶釜を据え、静謐な雰囲気に。小さいカウンターは一足先に来店した際のウェイティングバーとしての機能のほか、コースを締めくくる甘味を楽しみながら余韻に浸る歓談の席として利用されます。『焼きたてどら焼き』ここでいただくのは抹茶と、ゲストの目の前で焼き上げるどらやき。黒糖の優しい甘みが広がるふっくらしっとり焼き上げた生地に、小豆と和三盆で丁寧に炊きあげた自家製の粒あんと濃厚なクリーム、季節の果物を挟んだ一品です。季節の食材を取り入れた、お肉のおいしさを楽しめる肉割烹料理。最後まで五感でお楽しみあれ。【銀座kappou ukai 肉匠】店舗情報住所:東京都中央区銀座8-9-15 ジュエルボックス銀座地下1 階電話:03-5568-1515営業時間:ランチ12:00~15:00(13:00L.O.)/ディナー17:30~22:00(20:00L.O.)定休日:日曜日・月曜日コース料金:ランチ・ディナー各1コース・ランチコース13,200円(税込・別途サービス料10%)・ディナーコース33,000円(税込・別途サービス料10% )
2022年03月31日USENが掲げる「店舗DX」の世界観を具現化したお店が誕生!東京の人気イタリアン【KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA】が料理を監修そもそも「店舗DX」とは?USENが掲げる「店舗DX」の世界観を具現化したお店が誕生!株式会社USEN-NEXT HOLDINGSのグループ会社である株式会社USENは、60年以上にわたり全国約75万店舗に対して音楽配信やPOSレジなど、様々なDXサービスを提供し続けてきました。そして2022年3月18日、店舗運営を効率化するためのサポートを行ってきた同社が考える「店舗DX」の世界観を具現化した実店舗、【CAFE & BAR 「U」】が沖縄県那覇市に誕生しました。那覇空港から車で約10分。入口では配膳ロボットやAI顔認証と赤外線サーモグラフィを搭載した発熱検知機「AIコンシェルジュ」がお出迎え店内は開放感と緑にあふれ、モーニングやランチ、午後のティータイムからディナーまで、いつでも好きなタイミングで利用可能ですこのお店の最大のウリは、テーブルオーダーシステムやキャッシュレス決済、配膳ロボットなどのテクノロジーを活用し、利用客はもちろん、飲食店側もより快適でスマート、安心・安全な店内環境を実現した、“次世代型DX店舗オペレーション設計”がなされているところ。かつて思い描いていた未来の飲食店の姿がここにはあります。人気イタリアン【KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA】が料理を監修店舗のオペレーションだけでなく、グルメ通なら料理の内容も気になるところ。料理は、人気イタリア料理店【KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA】の統括責任者兼総料理長・梶原政之さんが監修。パスタをはじめとしたイタリアンと、沖縄地産食材のフュージョン料理が楽しめます。『フレッシュトマトのスパゲティ』800円『熟成ベーコンのソテー オニオンソース』500円『根菜サラダ』500円『金あぐー豚のソテー ミネストローネ風』1,500円『ジェラート』チョコレート・バニラ 各400円、ピスタチオ 450円「実際に沖縄の市場を見て回り、野菜・お魚・お肉・乾物まで地元の人に親しみのある食材を多く取り入れてメニューを構成しました。お野菜を沢山使い、化学調味料を使わない「安心・安全」のテイストに仕上げています。どんなシーンでも頼みやすいメニュー、パスタの種類を豊富にご用意しました」(梶原さん)そもそも「店舗DX」とは?聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、「店舗DX」とは店舗型ビジネスにおける「デジタルトランスフォーメーション(DX)」のこと。株式会社USENでは数多くの「店舗DX」サービスを提供。「人がやらなくていい仕事はデジタルに任せ、その分“人にしかできないこと”に時間を割り当て、店舗の繁栄に役立ててほしいと考えています」今回でいえば、AI BGMや店内アナウンスなどの「U MUSIC」やタブレットPOSレジ「UレジFOOD」のほかにも、お店アプリ「UPLINK」や、タッチパネル注文のテーブルオーダーシステム「Uレジ TTO」、非接触対応型の「配膳ロボット(KettyBot、BellaBot)」など、株式会社USENが手掛ける「店舗DX」はバラエティに富んでおり、入店から注文・会計、伝達、着席、呼び出し/配膳、退店に至るまで、テクノロジーで店舗運営をよりスマートにしてくれます。かわいい猫型の配膳ロボット「BellaBot」券売機+セルフ精算機で接触機会を減らす「Uレジ Ticket & Pay」フロント業務からバックオフィス業務まで、あらゆる業務をデジタル化することで、飲食経営者にとっては、複合的なDXサービスの導入が業務効率化につながり、来店客にとって「店舗DX」がもたらす質の高いサービスや、AI・ロボットなど最先端技術の活用による“新しい顧客体験”が可能となります。そんなオンラインとオフラインを融合した新たな顧客体験に加え、おいしい料理が楽しめる【CAFE & BAR 「U」】。沖縄県内の方はもちろん、県外の方も沖縄旅行に行かれる際はぜひ足を運んでみてください。Cafe & Bar U【エリア】美栄橋【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】2500円【アクセス】県庁前駅 徒歩3分UPLINKで作成した【CAFE & BAR 「U」】の公式アプリCAFE & BAR「U」のDXサービス一覧ほか※1 調査媒体:日本マーケティングリサーチ機構調べ調査概要:2022年1月度 実績調査
2022年03月25日古き良き郷土料理を土台に、日本の素材を使用したスパニッシュ元金庫のセラーに揃えたワインで、ペアリングを楽しむ伝統×革新を体感できる、築60年超の建物をリノベーション古き良き郷土料理を土台に、日本の素材を使用したスパニッシュオープンキッチンを囲むカウンター。内装を手掛けたのは建築家・佐野文彦さん清澄白河駅からわずか徒歩1分、駅近にありがちな喧騒とは無縁な、ごく日常の生活が根付く通り沿い。ひときわ時代を感じさせる建物が、2021年12月にオープンした【eman】です。築60年を超えた空間がリノベーションを経て、カウンターメインのスペイン料理店に生まれ変わりました。店名【eman】はバスク地方の言葉で「与える」という意味。ロゴは清澄白河在住のデザイナーが手掛けたもの【eman】を切り盛りするのは、シェフ・小林悟さんとマネージャー・原薗理志さん。銀座の人気店【アロセリア ラ パンサ】の開業時から活躍した2人が独立して、「古き良きものを大切に 新しきものを創造する」をテーマにした新店を構えました。小林さんがつくり上げるメニューは、スペインの郷土料理を土台に据えながら、日本の季節食材を主役にしたもの。旬素材を生かした繊細さ、どっしりと骨太な味わい、新しくも楽しい仕掛けなど、さまざまな料理をコースで展開しています。小林さんの真骨頂、日本で味わうモダンスパニッシュを堪能できる前菜『帆立/チョリソ』塩漬け大葉に包まれた一品にナイフを入れると、中には帆立、イベリコ豚チョリソのペースト、牛のフレッシュチーズが。さっと炙った帆立は甘さが引き出され、チョリソの力強い旨み、チーズのまろやかなコク、大葉の香りが一体となった重層的な味わいが楽しめます。カタルーニャ地方によく見られる〝マル・イ・モンターニャ=海と山の食材の組み合わせ〟を取り入れつつ、モダンに仕上げています。2か月ごとに替わるコースの中で、定番料理として常に楽しめるバスク地方のアサリご飯「アロス・コン・アルメハス」を【eman】流に仕立て、地元・深川地区を発祥とする郷土料理の名を付けた『深川めし/バスク』。アサリ・にんにく・パセリという要素はスパニッシュのまま、アサリは殻付きではなくむき身を使うなど、深川めし風にアレンジしています。アルデンテに炊き上げた米には、アサリと鯛だしの旨みが染み渡り、ワインを誘うこと間違いなし。清澄白河から発信するスペイン料理。小林さんの矜持が込められた、【eman】のシグネチャーディッシュでもあります。スペイン郷土の味を洗練させた『平目/アリオリ』は 、旬の菜の花を添えてこの日の魚料理は、ヒラメに飴色に火入れした玉ねぎ、アリオリソースを重ねたオーブン焼き。本場スペインではタラを使う伝統料理をベースにしているそうです。にんにくの効いたアリオリ、トマトのフレッシュなソースが親しみやすくも、ヒラメの繊細な味わいが生きています。米料理が評判の【アロセリア ラ パンサ】出身ゆえ、パエリアの美味しさも抜群鍋ごとお目見えしたのは、ホタルイカを散りばめたイカ墨のパエリア。そこから一皿ごとに取り分け、木の芽をあしらい、アリオリソースを添えて供されます。刻んだホタルイカと葉にんにくを炊き込んであり、濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。力強い味わいの中に、木の芽の香りが心地よいアクセント。料理は10品8,800円、12品11,000円のディナーコースより。ランチは土日祝のみ、8品5,500円のコース元金庫のセラーに揃えたワインで、ペアリングを楽しむ元金庫だったスペースは、温度と湿度を整えてワインセラーに店奥にある重厚な扉の中、元は金庫だったという空間はワインセラーになっています。ここにはスペイン産はもちろんのこと、日本の食材に合うものとして国産ワインも並んでいます。グラスやボトルでオーダーしても楽しめますが、新たな一杯に出会えるペアリングがおすすめです。デラウェアを皮ごと使用したオレンジワイン【フジマル醸造所】の「Tabletop 橙色」は、あさりの旨みが凝縮したご飯にぴったり。『深川めし/バスク』に、同じ清澄白河にあるワイナリーのものを合わせた粋なペアリング。パエリアにはイカ墨と相性のよいロゼを。ホタルイカによって増した複雑味に負けないように、スペインのワイン産地・リオハの、樽熟成させた「Alma Tobia Unico」をセレクト。お酒が好きならば、デザートとともにグラスを傾ける楽しみも皮ごとローストして甘みを出した和歌山産みかんのアイスクリーム、スペイン蜂蜜のジュレ、ヨーグルトソースという一皿にはアイスシードルを。冷凍濃縮させたりんご果汁のお酒は香り高く、糖度が高めながらもクリアな味わい。さっぱりとした食後のデザートによく合います。爽やかな酸味あるチャコリは、始めの一杯にもおすすめ目で楽しむなら、バスク地方の白ワイン「チャコリ」をどうぞ。高いところから注ぐ技法〝エスカンシア〟でサーブされます。コース序盤のタパスをつまみつつ、チャコリをコップでいただけば、現地のバルでお馴染みのスタイルに。300本ほどあるワインはグラス850円~、ボトル6,000円~伝統×革新を体感できる、築60年超の建物をリノベーション店内を見通す大きな窓の他には、あえて手を入れなかった外観清澄白河に縁があり、独立するならこの街と決めていたという小林さんと原薗さん。近年着目されている清澄白河の魅力といえば、東京都現代美術館を筆頭とするアートギャラリー、サードウェーブコーヒーの一大拠点、そして個性が際立つショップやレストラン。そんな新しさがある一方、水辺の街並みには、江戸の漁師町そして材木問屋で栄えた伝統が息づき、長屋形式の建物も残る下町風情があふれています。木組み天井とモダンな照明。古民家リノベーションならではのコントラストが面白いそこで2人が出会ったのは、印刷会社の事務所兼オーナーの住居だったという物件。60年以上の歳月を経た柱や梁、窓枠などはそのまま、オープンキッチンを囲むカウンターとテーブルからなるレストランとして生まれ変わりました。前店からのコンビは息もぴったり。<左>小林悟シェフ<右>原薗理志マネージャー新旧が融合する土地と空間は、【eman】が表現する料理とシンクロしています。古さの中に新しさを見出して楽しみ、今を支える確かな歴史に思いを馳せて。「古き良きものを大切に 新しきものを創造する」というコンセプトを体感できるひとときになるはず。eman【エリア】清澄白河【ジャンル】スペイン料理・地中海料理【ランチ平均予算】8000円【ディナー平均予算】13000円【アクセス】清澄白河駅 徒歩1分
2022年03月16日日本の迎賓館として開業したホテルが作った「王道と革新」を感じる日本料理店世界中のVIPをもてなしてきた、日本ブランドの最高ホテル「帝国ホテル」。いくつかあるホテル直営のレストランに、今まで日本料理店がなかったと聞いて、以外に思う方も多いのではないでしょうか。その理由を紐解くには、130年のこのホテルを辿ってきた歴史を振り返る必要があります。帝国ホテルの開業は1890年。1867年の大政奉還から23年後のことです。近代国家になるためにも欧米と対等の外交を望んでいた明治政府ですが、諸外国の反応は「日本は文明国家としての体制が整っていない」という冷たいもの。これからは、外国人の賓客を招き、交流を盛んにして欧化政策をしなければいけないと、当時の外務大臣・井上馨が外国との社交場として鹿鳴館を建設します。その鹿鳴館の隣の敷地に世界の賓客をもてなす迎賓館として誕生したのが帝国ホテルです。当時、外交儀礼の公式料理はフランス料理と定められていました。当然、帝国ホテルで提供される料理は最高峰のフランス料理でなければならず、その使命通り、帝国ホテルのフランス料理は名実ともに日本トップのクオリティを誇ったのです。その後第四代料理長、内海藤太郎(1909-1915年)がレストラン・宴会場の料理を正統フランス料理で統一した流れから、今まで館内のレストランはフランス料理中心の構成となっていました。天井も木を使い、数寄屋作りをベースにした静謐なカウンターしかし、「和食」の評価が世界的に高まる中、フランス料理だけで世界各国からの賓客をおもてなしするのではなく、新たな選択肢を持つ必要が出てきました。「創業の精神を継ぐ日本を代表するホテルの役割として、日本の食文化、本物の日本料理を伝えることも不可欠ではないか。そうした考えから、日本料理店を作ることになったのです」と【帝国ホテル 寅黒】の誕生の経緯を、このプロジェクトの担当者は話します。「日本料理店をホテルに作ろうと思うも、人材もノウハウもホテル内にはありませんでした。そこで幅広く検討した中で、タッグを組みたいと相談したのが、ミシュラン三つ星に13年間輝き続ける【神楽坂 石かわ】を中心とした石かわグループを率いる石川秀樹さんでした」。なぜ、石川さんだったのか?曰く、料理の素晴らしさはもちろんのこと、さまざまな日本料理店に食べに行き、記事を読み、体験していく中で触れた石川さんの「海外のお客様に日本に来ていただいて、日本料理を通じて、日本の素晴らしいことを伝え、それを理解していただくお客様の数を増やすことが使命」という思いが自分たちの哲学と重なったことが決め手になったのだそう。調理責任者の鷹見将志さん。2011年に【神楽坂 石かわ】に入社し、配属先は【虎白】へ。以来11年間研鑽を積みながら店を支える。一方、【神楽坂 石かわ】の石川秀樹さんは、最初に話があったときには、全く乗り気ではなく断ろうと思っていたのだそう。ところが、帝国ホテルの「ともに日本の迎賓館にふさわしい日本料理店をつくりたい」という熱意と想いにほだされ、タッグを組むことを決めたのでした。そこから、石川さんは帝国ホテルの歴代料理長の料理本を読み、すべてのレストランへ何度も足を運び、“帝国ホテル”について自分なりに理解し、咀嚼して、帝国ホテルでの日本料理を表現するものはなにか、というの要素を煮詰めていきます。その素案をもとに、ホテルと石川さん両者で辿り着いた答えが「日本の迎賓館で食す、王道と革新の日本料理」というもの。そこからどういう店にしていくか、内装、料理の内容、提供の仕方などを肉付けしていったのです。そして誕生した【帝国ホテル 寅黒】。調理責任者に任命されたのは、【虎白】の当時二番手だった30歳の若き料理人、鷹見将志さんです。『フカヒレなす生姜』。小鍋仕立のプレゼンテーションも楽しい。この大役に任命された鷹見さんですが、プレッシャーなどはみじんも感じさせず、実に楽しそうに仕事をしています。カウンターでにこやかにお客様に話しかけ、厨房のスタッフにもきめ細やかに目を配り、その和やかな雰囲気はカウンターに並ぶお客様に伝わり、リラックスした雰囲気が店全体に流れています。この日は一人で店を訪れましたが、一人でもとても心地良い空気で迎えてくれました。ここで注文できるのは、おまかせコースのみ。最初の一品はなんとフカヒレが登場!戻したフカヒレに、鰹と昆布の出汁で味を含ませたフカヒレは黄金色に輝いて……。一口食べれば、丁寧にクリアにとった出汁の香りが鼻腔をくすぐり、出汁の旨味が広がります。下に忍ばせた生姜を少し効かせて炊いたナスのとろりとした歯触りとフカヒレの食感が抜群に相性がいい。「フカヒレは【虎白】でも人気の料理でした。“王道と革新の日本料理”を考えたときに、あえて伝統的な日本料理の食材ではなく、新しさ、驚き、そして贅沢さでインパクトを持ってくるのも、面白いのではと考えました」と鷹見さん。フカフレという従来の日本料理にはない食材を使いつつ、味付けはこれぞ日本料理の王道。この一品から続くコースに期待感が高まる先付と言えるでしょう。『松葉蟹の真丈』。生の状態の蟹と、茹でた蟹をつかって真丈をつくり、蟹の旨味と甘味を立体的に引き出している。調味料は使わないが、蟹味噌も使い、旨味と塩味を調整。続いて登場したのは、『松葉蟹の真丈』のお椀。昆布と鰹でとった出汁に、つなぎを使わない、たっぷりとした“蟹だけ”の真丈がゴロンと入っています。なんと、真丈には調味料は一切使わず、出汁と蟹本来の塩気のみで調理したとのこと。ちょうどいい、まろやかな塩味と旨味。蟹の甘味と香り、すべてを口に含んだときに感じる素直なおいしさ……。これがすべて食材の塩味と旨味だけでできているとは!海外の方でなくとも驚く方はきっと多いはず。椀ものは日本料理の華。大胆に、潔く、すべて食材の塩気と旨味のみを組み合わせながら、完璧なおいしさのバランスを生み出した一品からは、鷹見さんが食材のポテンシャルを引き出す「これぞ日本料理」という真骨頂を世界に伝える意気込みを感じました。お客様の目の前で、皮目に火を入れる鷹見さんお客様の目の前で調理をし、立ち昇る香りや、視覚でも美味しさや楽しさを演出できるのが“割烹”の醍醐味。鮮度のよい食材を目の前で見せ、調理の過程を披露し客人をもてなす。これこそ、日本独特のスタイルとも言えるでしょう。今回のコースで割烹ならではの楽しさを感じたのは、お造りのとき。鷹見さんが赤く熱した炭を直接金目鯛の皮目に落とし、皮だけを香ばしくパリッとさせる“炭落とし”を目の前で見せてくれると、お客様も盛り上がります。脂ののった金目鯛のジューっと焼ける香ばしい香り。立ち上る煙。見た目も楽しいけれど、この一手間でおいしさも倍増するのがポイント。皮目を焦がしたパリパリ感が生まれ、香ばしい香りがつくのと同時に、ほんのりと温まった皮側の身の脂がとろけて柔らかい舌触りになり、内側のしまった身への食感のグラデーションが生まれるのです。これは、シンプルなお刺身とはまた違うおいしさで、目でも楽しめ、舌でも幸せになれる一品です。金目鯛のお造り。造りはこうした炙りものを含み、旬の魚で3種類ほど登場。そして、煮物椀の前の冷たいお料理で登場した『牛肉のしゃぶしゃぶ蕪胡麻出汁』も印象に残った一品。脂ののった牛肉は冷たくするとその香りや柔らかさが損なわれると思っていたけれど、これはそんな先入観を吹き飛ばしてしまうほどの美味。出汁で炊いた蕪を冷やして、さっとしゃぶしゃぶした京都牛の肩ロースをふわっとかけて、冷たい胡麻出汁をはり、目の前で炒った胡麻を振りかけた料理を冷たく食べるという、意外な組み合わせ。けれど、この温度がしつこくなく、さっぱりといただけるポイントなのでしょう。ほんのり甘味を抱いた冷たい蕪を、これまた甘い脂をほどよく含む薄切りの牛肉が包んで、香り高い胡麻とお出汁を合わせていただけば、コースの中盤でもほどよくお腹におさまります。煮物椀の前に登場する『牛肉のしゃぶしゃぶ蕪胡麻出汁』こうして驚きあふれる料理から、王道のしっかりとした日本料理らしさを感じるもの緩急合わせて登場したコースは全13品。最後は土鍋で炊いた白いご飯。そしてデザートは、アイスクリームなどのちょっと洋を感じるエッセンスがあるものと、わらび餅といった日本的なもの両方味わえます。コースを通して感じるのは、“お客様を楽しませたい”という鷹見さんのシンプルな思い。【帝国ホテル 寅黒】のテーマとして掲げられる“伝統と革新の料理”の、“革新”の部分は従来の日本料理から一手間かけた工夫や、食材の幅広さで表現しつつも、ベースはあくまでも本流。そのバランスが、新時代の日本料理なのだろうと感じた時間でした。帝国ホテルタワー棟の地下1階にある、ひっそりとした店構えこの“王道と革新”は、料理のみならず、サービスでも感じられます。帝国ホテルならではの、格式の高さも感じながら、でも突き放しはしない温かさや、親しみやすさ。料理だけでなく、サービスや空気感も含めたこの心地良さこそが【帝国ホテル 寅黒】の魅力。カウンターには、【虎白】の常連さんだったであろうお客様、帝国ホテルに通い続けられてるだろうご夫婦と実にさまざまな方々で賑わっていたのですが、そのすべての方が笑顔で楽しそうに食事をされていたのが印象的でした。「帝国ホテルの伝統と格式、そして目の配り方の素晴らしさ。そこにお客様を“大好きな人”としてもてなす石川イズムが融合した【帝国ホテル 寅黒】で過ごしていただくひとときは、他のどこにもない最高のものになると思っています。」と鷹見さん。格式と心地よさ。本流と、刺激。そうした絶妙なバランスが保たれている新しい日本料理。その楽しさに触れに、親と、友人と、海外からのお客様と、さまざまな方と一緒に訪れたくなるお店です。撮影/今井 裕治日本料理帝国ホテル 寅黒【エリア】新橋/汐留【ジャンル】日本料理・懐石・会席【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】45000円【アクセス】日比谷駅 徒歩3分
2022年03月07日ル ラボ(LE LABO)はラボ併設直営店「ル ラボ 青山」を東京・青山にオープン。2022年2月1日(火)より営業を開始する。ル ラボ“ラボ併設”の新店が東京・青山にル ラボは、2006年にアメリカ・ニューヨークで誕生したフレグランスブランド。2007年にアメリカ国外初出店となる旗艦店「ル ラボ 代官山」をオープンし、日本にはGINZA SIX、阪急うめだ本店、日本橋三越本店、髙島屋大阪店、京都店に店舗を構える。そんなル ラボが、「ル ラボ 代官山」に続き都内2店舗目となる“ラボ併設”直営店を青山にオープン。「ル ラボ 青山」では、ブランドの真髄ともいえる「メイド・トゥ・オーダー方式」のフレグランスを手に入れることができる。“オーダーを受けてから”手作業で調合「メイド・トゥ・オーダー方式」とは、オーダーを受けてから調合やボトリングを行うというもの。フレグランスの最終調合を手作業で行うフレッシュブレンディングは、“ラボ併設”店のみで体験できる特別なサービスとなっており、調合したばかりの“フレッシュ”な香りを楽しむことができる。フレッシュブレンディングサービスは、4月下旬より開始予定だ。また、ボトルに貼るラベルも、日付・名前・メッセージなどをその場で入れてパーソナライズすることができる。【詳細】ル ラボ 青山 オープンオープン日:2022年2月1日(火)住所:東京都港区南青山5-5-24営業時間:11:00~20:00定休日:なし※フレッシュブレンディングサービスは4月下旬より開始。【問い合わせ先】ル ラボお客様相談室TEL:0570-003-770
2022年01月29日ガトーショコラ専門店「ケンズカフェ東京(KEN’S CAFE TOKYO)」の新店が、全国に続々オープン。2021年12月23日(木)より東京・清澄白河、金沢、長崎、岐阜で、12月24日(金)より鎌倉で営業を行う。本店で3ヶ月待ち「特撰ガトーショコラ」「ケンズカフェ東京」は、新宿御苑前に本店を構えるガトーショコラ専門店のパイオニア的存在。本店で一番人気の「特撰ガトーショコラ」は、予約から3ヶ月待ちの状態だ。「特撰ガトーショコラ」の美味しさの秘密は、イタリア・ドモーリ社が「ケンズカフェ東京」のためだけにオリジナルで調合したチョコレート。このチョコレートが持つ深い味わいと、それを引き出すために考案された独自製法により、コク・甘み・苦みが調和した上質なガトーショコラを作り上げている。様々な食べ方で楽しめるのも「特撰ガトーショコラ」の魅力。常温ではテリーヌショコラ、冷やすと生チョコ、レンジで温めるとフォンダンショコラのような食感を味わうことができる。新店が全国に続々オープンそんな「特撰ガトーショコラ」が手に入る「ケンズカフェ東京」のショップが、全国に続々オープン。11月より静岡店、那須塩原店、沖縄本店、大分店が開業しており、12月23日(木)以降に東京・清澄白河店、金沢店、長崎店、岐阜店、鎌倉店も営業をスタートする。店頭では、看板メニューの「特撰ガトーショコラ」のほか、生チョコレート、フィナンシェ、パイ菓子などを購入することも可能だ。【詳細】ケンズカフェ東京 新店情報・清澄白河店オープン日:2021年12月23日(木)住所:東京都江東区白河2丁目10-6・長崎店オープン日:12月23日(木)住所:長崎県長崎市築町1‐12 シャルパンティエビル1階・金沢店オープン日:12月23日(木)住所:石川県金沢市木ノ新保町1-1リント内・鎌倉店プレオープン日:12月22日(水)オープン日:12月24日(金)住所:神奈川県鎌倉市小町2-12-27・岐阜店プレオープン日:12月22日(水)オープン日:12月23日(木)住所:岐阜県岐阜市長住町4-7 岐阜横丁ビル1F・大分店プレオープン日:12月16日(木)オープン日:12月17日(金)住所:大分県大分市府内町2丁目3-29・沖縄本店プレオープン日:12月1日(水)/12月2日(木)オープン日:12月3日(金)住所:沖縄県那覇市安里1-4-16 サンサロビル1F・那須塩原店住所:栃木県那須塩原市東赤田387-7オープン日:11月20日(土)・静岡店オープン日:11月6日(土)住所:静岡県静岡市葵区紺屋町7-4 TC21ビル2F<商品例>・特撰ガトーショコラ 3,000円・CRIOLLO 生チョコレート 5,000円・しっとりフィナンシェ ショコラ 250円
2021年12月25日カウンタースタイルの劇場型レストランが一躍注目を浴び、ジャンルを超えてもてはやされている昨今、また一つ、ラグジュアリーなカウンターチャイニーズが誕生した。この10月4日にオープンしたばかりの【西麻布 香宮】がそれ。あの【シノワ】の篠原裕幸シェフを輩出しした名店といえば、あゝと思い当たるフーディも多いことだろう。以前の星旗通りから、外苑西通りの笄公園そばに移転。それを機に、店内もオープンキッチンのカウンタースタイルとなり、メニューもコースのみと一新。ベテランシェフを新たに招き、全く違う店に生まれ変わった。アフリカンチークの一枚板も見事なカウンターは、席と席の間隔もゆったりとした贅沢な設え。厨房との間に空間があり、ここで有島料理長が出来立ての料理をすぐさまサーブする。扉を開け、エントランスを抜けると、まず目に入るのは、堂々たるオープンキッチンのカウンター席。長さ7mに及ぶ一枚板の、アフリカンチークでできたカウンターが存在感を放つ店内は、いわば空間全体がシェフズテーブル。8席全てから、活気みなぎる厨房を目の当たりにすることができ、臨場感もたっぷりだ。軽快に鍋を振る音、ゴォーと燃え上がる炎と共に立ち込める芳ばしい香り等々、シズル感あふれるシチュエーションもご馳走の一つだろう。そして、厨房を任されたのは経験豊富な有島一郎料理長。京王プラザホテル【南園】を皮切りに、ホテル畑で修業を積み、ザ・ペニンシュラホテル東京【ヘイフンテラス】の副料理長を経て、マンダリン オリエンタル東京【センス】では料理長に就任。ミシュラン一つ星を獲得した実力派だ。「【香宮】は、私の料理人人生40年の集大成ともいうべき店でもあり、(自分が)今まで経験したことのないオープンキッチンスタイルにしてみたんですが、これが楽しい。お客様の反応がダイレクトに伝わってきますから。現在は、お客様の目の前で鍋を振り、出きたての料理を私自身が直接お渡ししています。」と笑顔を見せるのは、有島シェフ。有島浩昭料理長。59歳。ザ・ペニンシュラホテル東京やマンダリン オリエンタル東京など、名だたるホテルのチャイニーズで活躍してきた手練れ。パリで腕を振るった経験もある。そのベテランシェフの脇を、しっかり固める若手スタッフの面々も頼もしい。フレンチで言えばスーシェフに当たる二番鍋は【楽記】出身の榎本和裕さん。一方、前菜と焼き物担当はペニンシュラ時代から有島シェフに師事してきた石井聡さんの両名。加えて、デザートは、銀座の老舗パティスリー【ピエスモンテ】出身のパティシェ露木 昭さんが意匠を凝らすという充実ぷりだ。スタッフの見事なチームワークから生まれる料理は、1コース10皿で構成。“一帆風順”(物事が順調にいく)、“ニ龍騰飛”(龍のように飛躍する)など、中国のお正月に良く用いられる賀詞を引用したメニューのネーミングもユニーク。縁起を担ぎたいお祝いの席や絶対に成功させたい接待の席にはピッタリだろう。『黒鮑・葱 山椒ソース・キャビア』千葉房総産の黒鮑を蒸してぶつ切り。口にした時のむっちりとしたおいしさは、厚みのあるカットなればこそ。たっぷりトッピングしたキャビアも気分を盛り上げる。さて、コースに並ぶは、揚げパイなどの点心から焼味、清蒸魚といった伝統的な広東料理の数々。だが、軸足は広東をべースにしながらも、トリュフやキャビアを所々にあしらい、和洋のエッセンスをプラス。黒鮑や松茸など旬の素材を巧みに取りいれ、季節感を大切にしている。それゆえ、料理内容は、時々で少しづつ変わるそうだが、年間を通して登場するのは『稀少青ザメ・プレミアム琥珀ソース』と名付けられた一皿。肉厚な青鮫のフカヒレを、【香宮】特製の上湯で仕上げた、有島シェフの自信作だ。曰く「日本では、姿煮でよく見かける吉切鮫のフカヒレがおなじみですが、香港では青鮫の方が高級品。中でも、うちでは数少ない400g前後のものを使っています。」とのこと。だが、フカヒレだけでは片落ちだろう。それに伴うスープー広東でいう極上スープの上湯の出来不出来が、味を大きく左右するからだ。【香宮】では、豚赤身肉に老鶏に加え、金華ハムを通常よりもたっぷりめに用い、8時間じっくり蒸すことで濃厚かつクリアな旨味を抽出している。ご覧の青ザメのフカヒレで約400g。これをニ湯と紹興酒を合わせたスープに入れて一度蒸し、下味をつける。この一手間が、肉厚のフカヒレの芯にまで味が染み渡るのだ。『稀少青ザメ・プレミアム琥珀ソース』は、コースの半ばに登場。琥珀色の上湯は、調味料は隠し味に加えるごく少量のグラニューのみ。金華ハムの塩分と肉の旨味のみから生まれる深みが素晴らしい。一本一本の繊維が太く、黄金色に輝くフカヒレはまさに“金糸”と呼ぶにふさわしい存在感。琥珀色のソースを纏ったそれを口にすれば、ザクリと歯が入る食感も美味。と同時に、その繊維の隙間からじわりと滲み出る旨味のエキスが秀逸。味わうほどに、淡麗でいながら深みある上湯の滋味がじわじわと味蕾を潤していく。思わず無口になり、溜息をつく瞬間だ。『廣東名物・仔鳩のクリスピー丸揚げ』は、焼き物専門の石井シェフの担当。レア気味に仕上げた鳩は、鉄分の旨味豊か。コースは、28000円(税込み・サ別)。一方、廣東名物の仔鳩のクリスピー揚げも【香宮】流にアレンジ。通常は滷水で火を完全に入れるところを、ここでは、煮込まずに沸騰した滷水に入れて火を止め、そのまま余熱で火を通している。フレンチのようにややレア気味に仕上げた仔鳩は、肉本来の風味を感じさせる。他にも、秋トリュフと共にクレープで巻いた北京ダックや和牛サーロインの塩竈焼きetc.次々と繰り出される機知に飛んだ料理の流れも見事。パティシェ特製のデザートまで舌と目を飽きさせない。食後、デザートの後に出される小菓子。手前から『シナモンの香りのフランボワーズのマカロン』、『紫芋のタピオカ蒸し団子』『紹興酒レーズンのバタークリームサンド』。アルコールの方も、もちろん潤沢に揃う。おすすめは、料理に合わせ、シャンパーニュから始まるペアリングを用意。途中、日本酒や紹興酒、古酒を挟みつつ、シチリアのデザートワインまで10種類程度がお目見え。華やかな気分を盛り上げてくれそうだ。坪庭のような植栽を臨む落ち着いたラウンジ。一部目のゲストは、食後のデザートと小菓子はこちらで楽しむ演出も心憎い配慮。「ゆっくりして頂いて、小腹が減ったら炒飯でもなんでもリクエストにお応えしますよ。」とは有島料理長。
2021年12月02日プリミティブで、クラシックで、新しいフランス料理「様々なものに光をもたらす者たち」。フランス語でそんな意味を持つ瀟酒なグランメゾンが、2021年9月、静かに幕をあけた。場所は代官山。オーナーは田熊一衛シェフ。白金高輪のパティスリー&フレンチレストラン【リーブル】で腕をふるっていた奇才と言えば、あゝと頷く食通も多いことだろう。白を基調とした店内は、こじんまりとしていながらも、清廉とした品の良さが漂う。奥には個室も用意されている。八幡通りから一歩入った裏路地。店の前に続く石畳が、いわばこの店のエントランス。こじんまりとした扉を開ければ光に溢れた世界が広がる。白を基調とした店内は、ファッショナブルかつエレガント。決して華美では無いが、床に特殊樹脂を敷き、水に濡れた感じを演出するなどどこか光を感じさせる眩さの中、優雅なひとときを約束してくれる。だが、そんなモダンなインテリアとは裏腹に、田熊シェフが選んだのは、最もプリミティブな火入れである薪の火だった。田熊一衛オーナーシェフ40歳は、福岡出身。「超ベジタリアンな母親に育てられた」そうで、肉デビューは高校生になってから。そんな環境もあり、自然と食に興味を持つようになったとか。「“唯一無二”。これがこの店のテーマであり、目指すべきものと考えています。クラシックだけれど、そこに僕なりのアレンジを加え、様々な方向性からアプローチする。でも、ナチュラルさは大切にしていきたい。原点回帰という思いもあって薪に挑戦してみようと思ったのです。それに、薪焼き料理って単純に美味しいでしょ」とは田熊シェフ。10年近い渡欧生活では、【ベルナール・ロワゾー】、【ダヴィッド・トゥダン】等々、パリを中心にクラシックからモダン系まで様々なレストランで修業を重ね、ニュー・ノルディックキュイジーヌ華やかなりし頃には、北欧でも1年間研鑽を積んだ経歴を持つだけに、発想の豊かさ、引き出しの多さは推してしるべし。パリのパラスホテルの三つ星レストランでスー・シェフまで務めあげたそのスキルを、今は、薪火で表現しようとしている。薪とモダンフレンチの融合。確かにこれまでに類を見ないスタイルだろう。店内奥に設えられた薪焼きの炉窯。テーブル席からも、肉が焼かれていく様子などを見ることができる。薪には楢木を使用している。厨房にはガスもオーブンも無く、あるのはIHのみの潔さ。肉はもとより、魚介も野菜も全て火入れは薪火という徹底ぶりに驚いていると、「薪火でも、ある程度までの温度調整はできますよ。炉窯の中の温度は、場所によって変わって来ます。薪の炎が上がっている右側は260℃ぐらいになりますが、左側の熾火の方は160℃前後。10cm毎に段がついているので火加減の調整も自在。ここに網を置けば、プランチャ代わりにもなるんです。」との声が返ってきた。あっけらかんとした口ぶりは、いかにも田熊シェフらしい。コースの最初に登場するアミューズ3種。本来は、一品づつ登場する手前から、『秋鮭のマリネパルメザン卵黄』、『フォアグラのムーストマトハイビスカス』、『巨峰のモザイクライチシトロン』。巨峰に似せているのは、ライチとレモンのクリームをカカオバターとカシスのジュレで覆ったもの。例えば、アミューズの秋鮭。周りはカリッとさせつつも、中はしっとりミキュイに焼きあげるには、左側に置き熾火に網をかざしてプランチャの要領で火を入れる。一方、メインの仔牛のように大きな塊肉を焼く際は、まずは右側に置いて炎の先にかざし、遠火でじっくり肉の周りを焼き、次に左側へと置き換え、中までじんわり火を通すーといった作業を10015分ほど繰り返す。甲イカのピペラード。3日間熟成させたイカを薄くスライスし、トマトのタルタルとピーマンエスプレッドなどを巻き込んでいる。薪料理は全て肌感覚。データ化のできない勘と経験だけがものをいう極めて原始的な調理法ながら、皿への盛り付け自体は実にスタリッシュ。その対照的とも言える組みあわせがなんとも新鮮。これまでにない革新的な料理を創り出している。先の仔牛も然り。まずはそのまま口にすれば、薪の香りを纏ったワイルドな風味が鼻腔を抜け、続いてフランス産仔牛ならではの質感のあるデリケートな旨味がしっとりと舌に浸潤していく。だが、添えてある藁とコーヒーのソースと共に味わうと味わいは一変。全く異なる世界観の味が広がる。藁とコーヒーの芳香が薪の薫香と見事な香りのマリアージュを見せ、薪焼き料理ながら、ガストロノミーにふさわしい一皿に昇華されているのだ。取材日のメインは、フランス産の仔牛。写真は500gで約4人前。塊のまま薪の炎にかざし、周りを焼いてから左側の熾火に移す。この他、放牧豚や黒毛和牛、フランスはロゼール産の仔羊などを焼くことも。ある日のメニューを紹介してみよう。『巨峰のモザイクライチシトロン』『フォアグラのムーストマトハイビスカス』『秋鮭のマリネパルメザン卵黄』『熊本馬刺ヘーゼルナッツ昆布水』『屋久島の車海老自家製リコッタとキュウリ』『ウニ発酵バターを使ったコーヒームース鹿児島じゃがいも』『鹿児島シャポン鶏松茸の香りとブイヨン』『甲イカのピペラード脱水したトマトのタルタル』『スープ・ド・ポワソン』『フランス産仔牛藁のソースと熟成させたコーヒーkombucha』『レモンクリームマスカルポーネオレンジヴァシュラン』又は『クレープシュゼット』『エスプレッソとミニャルディーズ』『フランス産仔羊藁のソースと熟成させたコーヒーkombucha』薪の薫香と藁の薫香、そしてコーヒーの芳香が三味一体となった独創的な一皿。薪とモダンフレンチが見事に融合した一皿と言えよう。以上で税込み16500円。今時の少量多皿コースながら、グランメゾンとしてはかなり良心的な値段設定だろう。田熊シェフ曰く「東京が高すぎますよね。それに、僕、あんまり高い料理って好きではないんです。」李荘窯特注の器を駆使した前衛的な盛りつけの皿の数々は、一見、その華麗さに目を奪われるが、当節ありがちな高級食材のオンパレードでは決してない。フランス料理には欠かせない“フォアグラ”や高級食材の代表格“うに”を要所要所に用いつつ、旬の素材の最もベストな状態のものを取りいれようとしている。また、“甲イカのピペラート”のような薪を全く使わない一品を途中に挟み、薪の香りに疲れ気味になった舌をリセットさせるなど、コース運びも至妙。最後まで心を弾ませてくれる。お客の目の前でデモンストレーションするゲリドンサービス。グランメゾンでも、最近では廃れてきたこのスタイルをあえて敢行。サービスの手捌きの鮮やかさもご馳走。そして、そのワクワク感のオーラスがワゴンでサービスするデザートのクレープシュゼットだろう。客席の前で、オレンジを剥き、グランマニエとコニャックでフランベ。青い炎がオレンジの皮をつたってクレープの鍋に落ちて行く様を目の当たりにするゲリドンサービスは、グランメゾンなればこその醍醐味だろう。オレンジ果汁とグランマニエやコニャックと言った洋酒がじんわりとしみたクレープは、もちもちの食感の中、味わうほどにバターの風味が舌に香る。クラシックなクレープ上に振りかけているのは、液体窒素で固めた牛乳のアイスの粉雪。もちろん、ワインも充実。面白いのはその区分の仕方だ。よくある産地別、値段別ではなく、比較的飲みやすい“EASY TO DRINK”、ちょっとユニークな“CRAZY”、銘醸ワインの“THE LEGENDS“というように、ワインの特徴ごとに並べられている。その日の気分に合わせて、ボトル一本を選ぶもよし、ペアリングも5500円0から用意。ノンアルコールペアリングもある。軽やかな田熊シェフの料理に合わせ、シャンパーニュも豊富に揃う。グラス2200円0。グラスワインは、白1650円0、赤1980円0。
2021年11月09日非日常感に浸る離島のホテルステイ古宇利ブルーに癒される絶景と演出やんばるの食材と創造力を駆使したご馳走さとうきび畑を抜けてたどり着く、大自然の中に佇む絶景の隠れ家沖縄県北部、今帰仁村(なきじんそん)エリアにある古宇利島。美しいエメラルドグリーンの海に囲まれた外周8㎞ほどの小さな離島です。2005年に本島と橋でつながり、少しずつ観光地として開発されているものの、今尚、昔ながらの古民家、さとうきび畑、手つかずの自然など沖縄の原風景に出会うことができます。本島から屋我地島経由で古宇利島へ。エメラルドグリーンの海にかかる全長2㎞の古宇利大橋を渡るときから感動体験が始まる「One Suite THE GRAND」があるのは古宇利島の頂上。海岸線から民家やコテージなどが集まるエリアを抜け、背の高いさとうきび畑の間の細い道をやや心細くなりながら登りきったところ、東シナ海を見下ろすように建っています。海とつながっているかのような開放感に、心も解き放たれるインフィニティプール見渡す限りの海も圧巻ですが、その景色をさらに魅力的にしているのが、雄大な海につながっているかのようなインフィニティプール。自然と一体化した演出に心の底からリラックスできるのです。自然と馴染むようなオーガニックテイストの客室。専用庭からプールサイドに直接出られる部屋もある客室22室、すべてがオーシャンビューのテラス付き。庭やテラスにジャグジーが完備された部屋もあり、日中は鳥のさえずりとともに豊かな緑と東シナ海の雄大な海を、夕刻には美しい夕日に染まる空と海、夜は満天の星など1日の中でさまざまな表情を見せてくれる景色を楽しむことができます。インフィニティプールと、水平線に夕日が沈む様子を眺めることができる2階のダイニング大自然のパノラマビューと【La BOMBANCE】流の華やかな演出も楽しい創作和食を堪能「One Suite THE GRAND」ステイのお楽しみは、絶景を眺めながらの食事です。サンセットの少し前に2階にあるダイニング、【La BOMBANCE古宇利島】へ。目の前に広がる海もきれいですが、古宇利ブルーの鮮やかなお敷にも心が弾みます。すべての席から海を眺めることができる【La BOMBANCE】の西麻布本店はミシュラン上陸から10年連続で星を取り続けた創作和食の名店です。現在は、富山、京都にも姉妹店があり「沖縄の食材を中心にしながらも、姉妹店のある富山や京都、そして私の地元北海道からも旬の食材を仕入れ、【La BOMBANCE古宇利島】でしか味わうことができないオンリーワンのレストランを目指しています」と話すのは、総料理長の梶原信治さん。ホテルを中心にホスピタリティあふれる料理を作り続けてきたベテランです。古宇利ブルーをイメージした特注のお敷の上に創意あふれる料理の数々が運ばれてくる食材のほとんどは、地元今帰仁村産や名護産のもの。お造りで出される魚介も、イラブチャー、アカジン、夜光貝など沖縄ならではの名前に興味をそそられます。あまり馴染みがない熱帯のお魚ですが、透明度の高い海育ち、さすが清らかで美味しいのです。また、お肉も、もとぶ牛、アグー豚、やんばる鶏と改めて沖縄の食材の豊かさに感心させられます。ヘチマ、島らっきょ、青パパイヤ、ゴーヤ、シークワーサーなど島野菜を少しずつ楽しめる前菜盛り合わせゴーヤを大胆に使ったガスパチョ泡盛を使って蒸した沖縄産の高級魚アカマチを、韓国の醤油だれ“ヤンニョムジャン”で。古宇利島の形に焼いてもらったという器も印象的日本料理の会席コースをベースにしながら、調味料、スパイスに洋風やエスニック風の要素を折衷して新しい美味しさを生み出すのが【La BOMBANCE】流。また、料理の味わいだけでなく、器使いや盛り付けなど目でも楽しませてくれます。イラブチャーカルパッチョをマスタードソースと海ぶどうの塩味で。イラブチャーは見た目は南国らしい鮮やかな青色ですが味わいはタイに似た白身魚もとぶ牛フィレのロティ 2色のペッパーソース温野菜のアイヨリとクワン草のビール揚げ山口県の人気酒蔵、澄川酒造場で特別に作ってもらっている古宇利島限定オリジナルの「東洋美人 B」和食と洋食が選べる朝食まだまだ制約はあるものの、緊急事態宣言が解除されました。コロナ疲れを癒すには、人里離れ、ただただ海と空と向き合い、美酒美食に浸る静かなホテルステイが一番。思い切って沖縄の離島へ行ってみませんか?心満たされる時間過ごせば、明るい未来を切り開くパワーを充電できるに違いありません。「One Suite THE GRAND」総料理長、梶原信治さん1968年北海道生まれ。1988年、札幌・フジヤサンタスホテルを皮切りに、ホテルの日本料理部門でキャリアを積む。ヒルトン東京・お台場【日本料理 さくら】の総料理長時代に【La BOMBANCE】オーナーシェフ・岡元信と出会い、沖縄移住を決心。2021年7月のオープンより総料理長としてイマジネーションと技を駆使して古宇利島でしか味わえない料理の数々を生み出しているLa BOMBANCE 古宇利島(One Suite THE GRAND内)【エリア】本部町/今帰仁村【ジャンル】オーベルジュ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】20,001円~30,000円「One Suite THE GRAND」詳細ワンスイートホテルグループは、この「One Suite THE GRAND」の他に、同じく古宇利島に2019年4月に開業した「One Suite THE TERRACE」、プライベートヴィラスタイルの「& Hana Stay」の3ブランドのホテルとレストラン「L LOTA」を運営。
2021年10月07日ビリヤニのおいしさのみで勝負する専門店5時間かけて作る、「究極のビリヤニ」愛犬の病気と自分の鬱状態を救ったビリヤニビリヤニのおいしさのみで勝負する専門店店内のデザインは前身である【ビリヤニハウス】時代からの常連のデザイナーが手がけ、シンプルながら照明などには凝っており、落ち着いて食事ができる空間8月末にオープンしたここ【ビリヤニ大澤】はその店名通り、ビリヤニを売りにした店。いや売りどころか、ビリヤニしかない専門店だ。チキンやマトンといった具材がゴロリと入ったカレーとお米による、スパイシーなインド風炊き込みご飯とでもいうべきビリヤニ。2~3年前から人気となっているが、まさか専門店ができるだなんて。と、さっそく行ってみたのだが、そこにはインディカ米を超える衝撃の連続が待っていたのだ。大澤孝将さん。「おいしいビリヤニが作れなければ、自分は生きている価値がない」とまで言い切るほど、ビリヤニへ熱い想いを注ぐ店主・大澤孝将さんのモットーは「ただただ究極においしいビリヤニを作りたい。それを食べてもらいたい」とシンプルだ。しかし、その究極を目指すための工程は実に様々で、なんと5時間をかけて作り上げるのだという。せっかくなので、その工程も見せていただくことに。5時間かけて作る、「究極のビリヤニ」マトンを使ったビリヤニを例に取ると……まずは骨付きのまま、きれいに切断したマトンを油で煮ることから始まる。まずは下準備に、2時間30分!油が沸騰したら弱火にしてマトンをコトコトコトコト1時間50分。「時間はかかりますが、油で煮ることで羊の旨みやコラーゲンを閉じ込めつつ、柔らかく仕上げることができます」コトコトの間に、玉ネギをスライスして約115度の油で45分ほど素揚げに。玉ネギは旨味が出るまでしっかり加熱。「炒めてしまうと鉄板に当たる部分のみ高温になり、苦味や酸味が出てきます。揚げると繊細な温度管理ができるので、満遍なく熱が回ります」手の込んだふたつの作業。しかしこれらは、まだ下準備。続いてはスパイスの調合だ。さらに2時間かけて、カレーのベース作りターメリック、レッドチリ、クミンとカレーにお馴染みのものにシナモン、ナツメグ、クローブなど全9種を独自のレシピで配合。さらに隠し味のビリヤニミックスと混ぜ合わせる。「これを使うと途端にこなれたパキスタンの味になるんですよ(笑)」混ぜ合わせたら、今度はミキサーにかけたニンニク、生姜と一緒に油でじっくりと炒め合わせる。「高温すぎると苦くなるので、低めの温度で絶対にこげ付かさないように」と、決して目を離せない。その加熱したスパイスとトマトの水煮、ヨーグルト、を合わせて再び加熱。そこに最初に油で煮たマトンと素揚げした玉ネギを加え、肉汁を飛ばすようにしっかり炒め合わせればカレーの完成だ。……ふう、もう少し。上記のカレーをじっくり加熱している間に、米を塩茹でし、炊きあがった米をカレーと交互に重ねていく。ここまで約4時間米は、重ねる段によって炊き加減を変えるため、2つの鍋を使い分ける。香り豊かなラールキラーという最上級品の米だ。タイマーも、鍋によって分数を変えてスタート。使う塩はフランス産の岩塩・ゲラルド。様々なミネラルを含んでおり塩味がマイルドで、米が旨味をまとって茹でられるのだという。カレーと米が揃ったらいよいよ仕上げ。大きな大きな鍋にカレー、その上にライスと重ね入れ、フタをして、さらにアルミホイルで熱が逃げないように鍋を覆い、弱火で約20分。鍋の内部が100度になったらついに完成だ。……約5時間経過よそったらようやく完成!並々ならぬ情熱あふれる5時間。ふぅ…(これでもかなり、はしょってます)いよいよ実食!数度噛むと、独特の香りを残しつつ、ふわふわっと溶けていく5時間の末のビリヤニ。ひと口食べれば……まずはバスマティライスの香りと溶けるような食感の後、スパイスの香りと刺激、さらに数度噛むとほぐれていくマトンからのコクと風味。米とカレーだけなのに、甘味、辛味、旨み、風味、コク、おだやかな塩味……なんという多層なるハーモニー!そこにビリヤニに一番合うドリンクはこれです、と大澤さんが胸を張る、マイナス1度に冷やしたコーラを飲めば、その甘味と炭酸によるリセット感が次のひと口を呼び、本当に手が止まらないのだ。コーラを冷やすためだけの専用冷蔵庫で、キンキンに冷やした『-1℃のコーラ』300円700g近くと大振りに盛られたビリヤニがみるみるなくなっていく。その美味しさと食感に「こんなの初めて!」と驚かされた。愛犬の病気と自分の鬱状態を救ったビリヤニ大澤氏がビリヤニにハマったきっかけは、10年ほど前の南インド旅行の時。本来は別の目的があったらしいが、たまたまビリヤニを食べ、その美味しさに驚愕。以後の日程はすべてビリヤニの食べ歩きに変更し、朝も昼も夜もと、とにかくビリヤニを食べまくったそう。『ビリヤニ』は、レギュラーサイズ 1,800円/フルサイズ 2,500円帰国後、縁あって経堂にある人気インド料理店【ガラムマサラ】に入店。インド料理を覚えつつ、休店日には知人を集め店内でビリヤニを振る舞っていたそう。さらには、一軒家を借りて【ビリヤニハウス】と名付け、休日にみんなを集めてさまざまな味わいのビリヤニを楽しみ続けていた。かつて大澤さんが店長を務めていた【ガラムマサラ】。「いまだに、ガラムマサラのことを“うちの店”って言っちゃいますね(笑)」が、コロナ禍でそれもままならなくなってしまう。「それで少し鬱っぽくなってしまって…しばらく無気力でした」。ビリヤニが作れなくなったショックで体調を崩し【ガラムマサラ】を辞めることに。美味しいビリヤニをまた食べたいというリクエストも多かったが、なかなか難しかった。大鍋をたくさん使うのでお店を貸切る必要がある上に、一度に大人数分を作らなければおいしく炊きあがらないため“密”を避けての提供が難しかったそんな大澤さんに転機が訪れる。愛犬が病気になってしまったのだ。手術が必要だが収入がない。どうすれば……いろいろ考えた結果が「自分自身に価値を見出すには、自分が人に喜んでもらうには、ビリヤニしかない」という思い。そこからクラウドファンディングで資金を集めるなど、さまざまな障壁を乗り越え、この【ビリヤニ大澤】の開店にいたった。そして開店に当たってひとつだけ心に決めたことがある。「単なる現地の味の再現ではなく、それを超えた、自分にしか作れないビリヤニを提供する」。おいしい炊き立ての状態でビリヤニを提供するために、お店は時間指定の完全予約制。「お客さんは待たせるけど、ビリヤニは待たせたくないんです(笑)」その思いの実現には調理法だけでは追いつかない。米は最上級のバスマティライス、マトンは必ず骨付きの状態で仕入れ、購入した専用の機械で骨をきれいに切断する、スパイスは自身で調合するなど、食材にもとことんこだわる。さらに手で食べる人とスプーンで食べる人の器を変えるだけでなく、スプーンは味に影響してしまう金属製ではなくホーロー製のものを揃えるといったことにも気を配る。手で食べる人には平皿で、スプーンを使う人にはやや深めの皿で提供し、スプーンはホーロー製意思が十分に込められたビリヤニ。ひと口食べれば……「すげぇうめえ」。そんな声が漏れるのが必至の食体験をしに、ぜひ足を運んでみてほしい。最後に、愛犬(マロンちゃん)の手術は無事成功。元気に駆け回っているそうです。ビリヤニ大澤【エリア】神田【ジャンル】インド料理【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】2800円【アクセス】小川町駅 徒歩4分
2021年10月02日個性的なビストロが集う東銀座にニューオープン姉弟の絆が生んだ最強のレストラン本場でパリジャンが認めたフレンチを提供個性的なビストロが集う東銀座にニューオープン席はカウンターのみ10席(当面8席で営業)名店がひしめく東銀座。その路地裏に、注目のフランス料理店【LES FRERES AOKI(レフ アオキ )】が誕生しました。ロケーションは歌舞伎座裏手。ひっそりとした隠れ家のようなお店のアンティークの木製ドアを開けると、そこはオープンキッチンスタイルの、カウンター10席の空間が広がります。アンティークな木製の扉が目印店名にもある「LES FRERES」はフランス語で「きょうだい」の意味。13年強、オーナーとしてパリでレストランを営んできた青木三代子氏と、弟の誠氏が帰国して誕生させたのがこの【LES FRERES AOKI(レフ アオキ)】なのです。姉弟の絆が生んだ最強のレストラン左からオーナーシェフ・青木誠氏、姉がオーナーマダム・青木三代子氏姉弟のルーツは銀座の鮨店【銀座 鮨青木】にあります。名人と謳われた父の跡を継ぎ、現在は長男の利勝氏が、銀座の名店としての輝きを守り続けています。三代子氏と誠氏はともにフレンチの料理人の道へ。2人は2006年に、パリ8区のシャンゼリゼの裏通りに【Restaurant Makoto AOKI(レストラン マコト アオキ)】をオープン。以来2019年10月まで、舌の肥えたパリジャンたちが認める人気店として営業を続けてきました。そしてこの度、2人の故郷でもある銀座の地で、新たな一歩を踏み出します。本場でパリジャンが認めたフレンチを提供『仔鳩のロースト』ディナーは、スモールポーションで8~10品を提供するおまかせの1コースのみで、ランチは3皿・5皿のプリフィックス。得意料理は、フランス人が高級食材として愛する『仔鳩のロースト』。ロゼ色に輝く胸肉は、弾力がありながらしっとりやわらかく、もも肉は歯切れよく濃密な味わいです。バルサミコソース、以下と花豆のラグーを添えた『近江牛ハツのコンフィー』なども人気です。『ババ』楽しみは食後にも続きます。南仏の友人の庭から届くヴェルヴェーヌやリンデンのハーブティー、そしてパリ時代からファン多数の、ラム酒を利かせたスペシャリテ『ババ』は必食。大きなリング型で焼き上げたババは、たっぷりのクレームシャンティと共に。好きなだけ切り分けてくれます。目指すは何を食べたかが明快に印象に残る料理。シェフの心意気を感じる味を堪能してみては。レフ アオキ / LES FRERES AOKI【エリア】銀座【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】「東銀座駅」
2021年09月26日カジュアルさの中に、濃縮されたこだわりが詰まる【キッチンかねじょう】経験と知識に裏打ちされた、けれどカジュアルな小皿ビストロ料理たち忘れちゃいけない、“飲める”お惣菜屋カジュアルさの中に、濃縮されたこだわりが詰まる【キッチンかねじょう】東京の食シーンの豊さに感動してしまうことがある。三ツ星を獲得した高級店などではなく、ふらりと足を運べる立ち飲み店のようなカジュアルでリーズナブルな店でこそ、そう思うことが多い。幡ヶ谷の商店街を歩いているとふと現れる、小洒落た雰囲気の【キッチンかねじょう】幡ヶ谷駅近くに伸びる、地元住民のための6号通り商店街。その中ほどに「飲めるお惣菜屋」と冠した、小さな立ち飲み店『キッチンかねじょう』はある。店頭で惣菜を販売し、店内ではさらに手の込んだ料理とこだわりのお酒が楽しめるという店だ。松の絵が描かれた棚の扉は、上松さんの父が鹿児島で営んでいたバーでも使っていたものを持ってきたそうその店名に加え、松の絵が描かれた棚の絵も相まって、同店は焼き魚や煮物といった和の惣菜の店かと思いきや、供されるのはキャロットラペ、リエット、キッシュ、魚のソテーといったビストロ料理だ。オーナーシェフである上松さんは大手が経営するブラッスリーをはじめ、都内の有名ビストロなどで研鑽を重ね、2021年4月にこの店を構えた。開店以来伸ばしているアゴヒゲがトレードマークの店主・上松晃大さん「この商店街には実は、野菜や魚をたっぷりと食べさせてくれる店が少ないと感じて。だったら野菜や魚介を使ったフレンチの惣菜を提供しつつ、それをつまみに気軽に飲める店がいいという自分の理想も取り入れた店にしようと思ったんです」。経験と知識に裏打ちされた、けれどカジュアルな小皿ビストロ料理たち“気軽に”がキーワードになっているので、料理はほぼ小皿で可愛らしく提供される。「魚介は郷里の鹿児島から直送されるものを使用してます。何が来るのか分からないので、届いた魚介を見てからメニューを考えていきます。たまに、ヤガラやマナガツオなんて、どう調理しようか? といったものが届くこともありますね(笑)」。“何が来るか分からない”魚介のひとつを使った『マナガツオのミキュイ』1,400円。スパイスの風味で、淡白な身の旨みが引き立つ「野菜は店の近くに無農薬のものにこだわった八百屋さんがあるので、そこに毎日のように行ってます。肉は鹿児島の【ふくどめ小牧場】で育てられているサドルバックと、その交配種の幸福豚を使ってます」と食材にはとことんこだわる。『キャロットラペ』250円は、柑橘の爽やかさの中にコクがあり食べ飽きしない味。『ポークリエット』350円は、豚の旨味がしっかりと感じられ、赤ワインやビールによく合うさらに例えば惣菜の定番『キャロットラペ』に使う柑橘は季節で変えるだけでなく(この日は晩柑を使用)、潜ませるクミンやコリアンダーなどのスパイスは自家焙煎後に石臼で挽く。幸福豚のうで肉を粗挽き。そこにシナモンが引き立つようにブレンドしたスパイスを混ぜ込んだ『自家製ソーセージ』950円100gとボリュームある『自家製ソーセージ』は、サドルバックなどの肉を挽くのはもちろん、腸に詰めるのも自分たちで。〆に用意している『〆のとんこつビンダルー』だって、出汁となり具材にもなる豚軟骨(鹿児島ではトンコツと呼ぶそうだ)の処理からスパイスの調合までを行う。『〆のとんこつビンダルー』700円。トンコツのまろやかな味わいと、キリッとしたスパイスの香りが見事に調和。〆ながらもっと食べたい! とクセになる味わいださらにパンも妻の菜穂さんが毎日焼いたものを提供と、何から何まで、ほぼすべて手作りされた料理が並ぶのだ。朝ゴハンも人気! 朝飲みもやってます“気軽に”だからこそ、こだわって作りたいという彼らの心意気は、木・土・日限定の朝ごはんにも現れている。『朝ゴハン』1,500円は、そのボリュームはもちろん、野菜がたっぷり入って栄養も採れるので男性客にも人気とのこと皿にはジャスミンピラフを中心にグリルチキン、フライドエッグ、チコ鯛の炙りカルパッチョ、大葉と粒マスタードを使ったタブレ、ケールを使ったサラダなどなど。ここに鹿児島の麦味噌(ココロミソ)を使った味噌汁に、中国茶までが付く。食べ応えはもちろん、豊富に野菜も入り栄養面もばっちり。当然、すべてが手作りなうえ、「朝ごはんはゆっくりと食べてほしいから」と、朝だけはスタンディングではなく椅子が用意されるのだ。その心遣いという調味料がいっそう料理を美味しくする。忘れちゃいけない、“飲める”お惣菜屋鹿児島の定番芋焼酎『大和桜』(左)と『クールミント』。芋焼酎は1杯650円~さて、忘れちゃいけないのが、“気軽”に続く“飲める”の部分。お酒は上松さんの郷里・鹿児島の芋焼酎と、ワインが中心。芋焼酎はプンと豊かに香るものから、炭酸で割ると柑橘のような香りがする話題の『フラミンゴオレンジ』まで20種ほどを揃え、ワインはフランス産を中心に自然派を60種ほど用意する。ワインは軽やかで料理に合うものを60銘柄ほど揃える。飲みきりのものが多いので、その日限りのものも。グラス1,000円~、ボトルAskスパイスを効かせた上松さんの料理に軽快なワインが心地よく寄り添い、香りとキレある芋焼酎がその味わいをグッと引き立てる。どちらも「あぁぁぁ…!」と悶絶必至の組み合わせ。手前はオリジナルドリンクの『ドライサワー』550円。甘さと酸味のバランスが心地よく、1杯目にピッタリ。奥は『中国茶ハイ』650円。ふくよかで上品な香りで食事にもよく合うさらにキンミヤとトニックウオーターとライムで作る『ドライサワー』や、こだわりの中国茶を使った『中国茶ハイ』のようなカジュアルなお酒も用意してあって、こちらも料理に実によく合う。上松晃大さん(右)渋谷【アヒルストア】や三軒茶屋【アンビリカル】などで腕を磨くだけでなく、スパイスカレー店で勉強したこともあり、スパイスの妙を感じられる料理も多い。上松菜穂さん(左)パンやキッシュを担当。小麦粉だけでなく、その配合などにもこだわり、料理の味を引き立てるパン作りを目指している。手間暇かけた料理に、それに合うお酒たち。飾らない上松夫妻が醸す優しく心地よい雰囲気。そしてリーズナブルな価格。こんなお店が商店街に佇むだなんて、日本の食シーンはやっぱりすごい。それは足繁く通う常連が多く、スタンディングながら数時間過ごす人も少なくないことからも明らかだ。自宅の近所にあればいいのに。常套句だが、『キッチンかねじょう』に足を運ぶと、心からそう願わずにいられない。あぁまた絶対に行かなきゃ!キッチンかねじょう【エリア】笹塚【ジャンル】ビストロ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】4000円【アクセス】幡ヶ谷駅 徒歩4分
2021年09月13日古さと新しさが融合した居心地よい空間スペシャリテは常時10種類以上のテリーヌ作り手の顔が見えるナチュラルワイン古さと新しさが融合した居心地よい空間間口を広くとり、解放感があるエントランス。道に面した場所にショーケースを設置し、テイクアウトにも対応小田急線で新宿から15分ほど、のどかな住宅街が広がる豪徳寺の駅からすぐのところに、築70年の古民家がありました。それをまるごと大改装して生まれたのが、【アトリエ ド テリーヌ メゾン オケイ】。テリーヌ専門店という珍しいお店です。1階店内はペット同伴OKとなっている70年前の古い木材や天井などを活かしつつフルリノベーションし、古民家に合うアンティーク家具を配した店内は、温もりを感じる落ち着いた雰囲気。エントランスには、テリーヌがずらりと並ぶショーケースを設置し、テイクアウトにも対応しています。1階はカウンターとテーブル席があり、吹き抜けの2階にはゆったりくつろげるソファ席も設けています。スペシャリテは常時10種類以上のテリーヌ『パテ・ド・カンパーニュ』700円店内では素朴な田舎風ビストロ料理と、ナチュラルワイン、日本ワインを楽しめます。スペシャリテは、フランスの家庭料理として親しまれてきたテリーヌ。定番の『パテ・ド・カンパーニュ』はもちろん、野菜や魚介など、色鮮やかな断面が見た目にも美しい多彩なテリーヌが常時10種類以上揃い、テーブルを華やかに彩ります。『自然野菜10種のテリーヌ』1,000円人気の『自然野菜10種のテリーヌ』は、彩り豊かな野菜が詰まった一品。野菜は季節により変わり、まさに旬を味わえるテリーヌです。身体に優しい野菜作りに取り組む生産者とのつながりを大切にし、野菜は無農薬無化学肥料・有機栽培で育てられた我孫子の「のらファーム」のものを中心に使用しています。『愛媛産真鯛のポワレ』1,800円『北海道池田産あか牛のステーキ』3,800円テリーヌに加えて、幅広いフレンチの品々を揃えています。提供するのは、シェフの出身地・愛媛の鯛を使った『愛媛産真鯛のポワレ』、南仏の定番メニュー『カスレ』など、滋味溢れるビストロ料理。女性や大人世代の方でも重くなり過ぎずに楽しめるフレンチです。作り手の顔が見えるナチュラルワイン3階屋根裏スペースはウォークインセラーに造り替え、300本近いボトルワインを並べている。ドリンクは優しい味つけの料理によく合うナチュラルワインと日本ワインをラインナップ。実際にワイナリーに足を運んで、作り手の想いを直接聞いてセレクトしています。他にオリジナルクラフトビールや、愛媛の無農薬柑橘ジュースやハーブティーなどのノンアルコールドリンクも揃えています。オーナー:片寄雄啓さん1975年、神奈川県生まれ。株式会社okéi代表取締役社長。開業16年目となる2021年現在、【Pizzeria Terzo okéi】、【炭おけい屋」】、【viva! okéi】、【おけい屋】、【酒場961】、【おけい屋ハナレ酒店】、そしてこの度開店した【Atelier de terrine maison okéi】の7店舗を経営。住所:東京都世田谷区豪徳寺1-45-9アクセス:小田急線「豪徳寺駅」徒歩1分電話:03 6413 0112営業時間:17:00~22:00(LO.21:00)/ テイクアウト 11:30~22:00定休日:日曜※営業時間や定休日 は新型コロナウイルス感染拡大状況、政府・東京都 の 要請等により 変更となる場合がございます。
2021年09月11日& OIMO TOKYO初となるカフェスタイルの路面店目黒川からほど近い場所にある開放感のあるカフェ「こだわりのさつまいもを使って、東京を代表するお土産スイーツを作りたい!」そんな思いからスタートしたスイーツブランド【& OIMO TOKYO】。今年3月にオープンしたザ・ペニンシュラ東京本店に次いで、カフェスタイルの路面店となる中目黒店が7月にオープンしました。間接照明がおしゃれでスタイリッシュな店内シックでスタイリッシュな店内にはカウンター席とテーブル席があり、落ち着いた雰囲気の中で食事が楽しめます。また開放的なテラス席はペットを同伴できるので、愛犬の散歩途中などに訪れるのもおすすめです。初となるカフェスタイルのお店で、お芋のスイーツだけでなく、パンケーキやニョッキゴルゴンゾーラなどの食事メニューも充実しています。看板メニュー『蜜芋バスクチーズケーキ』などおもたせメニューも豊富販売1ヶ月でAmazonの洋菓子部門1位を獲得した看板メニュー『蜜芋バスクチーズケーキ』ショーケースには、名物『蜜芋バスクチーズケーキ』をはじめとした自慢のさつまいもスイーツが並びます。【& OIMO TOKYO】で使うサツマイモは、種子島の契約農家のもとで直接買い付けた安納芋。石造りの熟成庫で60日間以上熟成させ甘みと旨みを加えたのち、自家製の炭を使い、じっくり遠赤外線で2時間15分かけて焼き上げています。『蜜芋バスクチーズケーキ』 3,456円(税込)、ギフトラッピング付き 3,780円(税込)ミシュラン3つ星シェフパティシエの匠の技が生み出した『蜜芋バスクチーズケーキ』は、チーズケーキとスイートポテトの二層からなる新感覚スイーツ。こだわりの安納芋とチーズが醸し出すマリアージュが楽しめます。高級感のある木箱に入っていて、さらにギフトラッピングも可能です。ショートニング・上白糖不使用の『熟成炭火焼き蜜芋のモンブラン』お店では、『蜜芋スイーツの3種盛り』として提供中の、『熟成炭火焼き蜜芋のモンブラン』は、今秋よりオンラインでも販売予定で、2021年9月よりウラウドファンディングサイトのMakuake(マクアケ)でリターン商品として公開中です。Makuakeでのリターン発送後、商品展開されます。お芋のスイーツはもちろんのこと、お芋を使ったカフェメニューも充実。カフェメニューのキッシュやニョッキは、グルテンフリーで健康に気を使う人も満足できます。お芋の新しい発見があるスイーツ&カフェメニューが揃います。安納芋を使った『蜜芋のキッシュ』は、タルト生地に米粉を使用したグルテンフリー大切な人に会う前にお土産のスイーツを購入するのも良し、店内でカフェメニューをいただくのも良し、様々なシーンに対応する【& OIMO TOKYO CAFE 中目黒店】にぜひ訪れてみてください。& OIMO TOKYO CAFE 中目黒店【エリア】中目黒【ジャンル】スイーツ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】中目黒駅
2021年09月03日辛さ・香り・旨みが引き立て合うメニューをアラカルトでマニアックな品揃えの中国酒がグラスでも楽しめますワンオペならではのカジュアルさと個性が魅力です辛さ・香り・旨みが引き立て合うメニューをアラカルトで最寄りの江戸川橋駅から徒歩7、8分、早大通り沿いにある【中華 汀】。オフィスとマンションが入り混じり、地域密着型の飲食店が点在している落ち着いたエリアです。店内が見通せるガラス戸の外観からは、どんなジャンルの料理店かわからないかもしれません。けれども店内に一歩入れば、厨房から広がる香りに「これぞ中華!」と食欲をかき立てられるはず。元はカフェだった空間はほぼそのまま。カジュアルな雰囲気の店内はカウンターとテーブルからなる全13席カウンターとテーブルを合わせて全13席の空間を切り盛りするのは、神楽坂【芝蘭】で料理長を務めた江崎祐弥さん。四川料理の名店を経て、新たな魅力を持つ一軒を構えました。鮮烈な香りと軽やかな味わいがスターターにぴったり。『北海道産水タコ、青ネギ山椒ソース』770円まず嬉しいのは、カジュアルに楽しめるアラカルトメニュー。15品以上ある前菜は、軽くつまみたいひとりご飯にもぴったりなポーションです。『北海道産水タコ、青ネギ山椒ソース』は、食感よい水タコに爽やかなソースを添えて。Vむほどに広がる水タコの旨みを、万能ねぎ・生姜・山椒の香気が引き立てています。口当たりよく、具材とタレの好バランスが食欲を喚起する。『茹でワンタン』330円点心は、水餃子や焼売、春巻などがラインナップ。つるりといけるワンタンの具はあっさりとした鶏ミンチをベースにしています。自家製辣油を加えた甘辛いタレとの相性は抜群! 早くも胃袋を掴まれますが、メインディッシュはこれからです。鼻腔をくすぐる香りとともにテーブルに供される一品。『名物! 鶏手羽の燻製、山椒唐辛子炒め』1,320円中華鍋がダイナミックに振られると、香気が厨房からあふれ出す名物と掲げた一品は、真っ赤な唐辛子とともに登場する鶏手羽。塩漬けにして味を染み渡らせた鶏手羽はジャスミン茶で燻製にしています。それから油でさっと揚げて芳ばしさを出し、唐辛子2種類と花椒と炒め合わせることで香りを纏わせて。柔らかくほぐれる鶏肉の旨みに薫香というベクトルがぐっと深みを与えます。際立つ香りと旨みに、ご飯を追加オーダーしても手が止まらなくなる。『麻婆豆腐』1,100円四川料理ならば外せないのは麻婆豆腐。豚肉と豆鼓のコクと旨みを土台に、唐辛子と花椒の風味がしっかりと立っています。豆腐に餡がしっかりと絡んでいるけれど、とろみや油分の重たさがなく、さらりといただけるからあれこれと食べた後の〆にもおすすめです。辛みもあるけれど決してヒリヒリした刺激ではなく、旨みや香りと調和する味わいのメニューばかり。ランチには麻婆豆腐や週替わり主菜の定食、麺類を揃えてオール1,000円。昼でも夜でも、普段着のごはん処として通いたくなります。マニアックな品揃えの中国酒がグラスでも楽しめます旨辛メニューのおともに欲しくなるのは、やっぱりお酒です。独立にあたって江崎さんが充実させた中国酒は、特筆すべきラインナップ。通好みの『黄中皇』(ボトル4,070円、グラス660円)、牛乳の醸造酒『百吉納』(ボトル6,200円、グラス900円)など個性豊かな品揃え生産地方から熟成年数までさまざまな紹興酒・黄酒は、グラスでオーダーできるものがほとんど。一杯ずつ飲み比べたり、料理ごとに合わせたりができます。もちろんボトルで頼んでもOK。どんな味わいなのか好奇心をくすぐられる、個性豊かなボトルをテーブルに据えても楽しいもの。他にも、ビール各種、ハイボール、サワー、ワイン、日本酒も揃えているから、アルコールが堪能できるときには心ゆくまでどうぞ。ワンオペならではのカジュアルさと個性が魅力です料理とお酒、さらに江崎さんがつくりだした独自の色も【中華 汀】の魅力です。自店を構えるときに、念頭に置いたのは〝一人でも入りやすい〟こと。江崎さんが孤軍奮闘するオープンキッチンを目の当たりにするカウンターは全5席。ふらりと一人で訪れても気兼ねなく食事ができます。家族や気の置けない友人と利用できるテーブル席は4人掛けが2卓。多彩な料理を取り分けて楽しむ、中華ならではのディナーが楽しめます。ガラス戸から店内が見通せるオープンさ。一人でも臆せず訪れることができる食器には元々好きだったという和食器も使用。プレーンな白皿が中心の中華料理店とは趣が異なり、アンティークな染付やラーメンどんぶりが正統派メニューに新たな表情を与えています。どこか景徳鎮を思わせる絵皿もある和食器は、中華料理にも違和感なく馴染むオープン時のお礼の品としてお客さんに贈っていたという『食べる辣油』は好評を博して商品化に。ごぼうやしめじを加えてザクザクと芳ばしく仕上げた一品は、そのままおつまみにしても、ご飯や、さっと焼いただけの肉や魚にかけても美味しい!自宅でも【中華 汀】のエッセンスが楽しめる自家製調味料。『食べる辣油』800円中華の料理人として【峨眉山】【芝蘭】という王道を歩んできた江崎さん。聞けば、ご実家も四川料理店を営んでいたそう。それが腑に落ちるような安定感ある料理を供しつつも、気取りない空間で一人晩酌からしっかりディナーまで応えてくれる柔軟さ。「こんなお店があれば通いたい!」という願望に叶う新店です。気負うことなく自然体な江崎さんによって、肩ひじ張らずに食事を楽しめる空気が生まれているよう。中華汀【エリア】神楽坂【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】4000円【アクセス】江戸川橋駅 徒歩8分
2021年09月02日都心のオフィスワーカーのための新施設昼も夜も気軽に楽しむ1Fフードホール「日比バル」バラエティ豊かな本格的な味を楽しめるRestaurant都心のオフィスワーカーのための新施設緑に囲まれた11Fのスカイガーデンで、テイクアウトメニューを食べるのもおすすめ日比谷・霞が関・虎ノ門・新橋の中心に位置する「日比谷フォートタワー」はビジネスだけでなく、ワークライフも充実した活気ある周辺地域をつなぐ新たな拠点として誕生しました。ショップ&レストランでは、テイクアウトやイートインなど使い方は自由自在なフードホール「日比バル」や、日本初のトスサラダ専門店など、グルメを楽しめる飲食店が豊富に揃っています。スカイガーデン横にあるSKY LOUNGEも自由に利用可能またポストコロナ時代のニューノーマルとして、地上約55メートルに位置する11Fには屋外の緑に囲まれた開放的な空間で東京タワーなどを眺められる「スカイガーデン」を完備。また快適なインテリアとWi-fi環境が充実した「SKY LOUNGE」では、テイクアウトのランチ、ブレイクタイムを楽しめるほか、リモートワークも可能です。昼も夜も気軽に楽しむ1Fフードホール「日比バル」ランチ、テイクアウト、サク飲みと様々な用途に応えるフードホール1Fに位置するフードホール「日比バル」では、メキシカンにタイ料理、とんかつ、スパイスカレーなど様々なフードをイートインスペースで楽しめ、テイクアウトにも対応しています。ランチタイムはもちろん、仕事帰りのサク飲みとしての利用もおすすめです。【旧ヤム邸×タコムマサラ】カレー・スパイス料理/新業態数種類から組み合わせ可能『あいがけカレー』 テイクアウト可お酒のお供にぴったりの新感覚たこ焼『スパイスたこ焼』 テイクアウト可大阪のスパイスカレーブームの火付け役となった超人気店【旧ヤム邸】が、スパイスたこ焼店【タコムマサラダイナー】とコラボ初出店。彩鮮やかで四季折々の旬食材を使用した月替りの数種類をお好みで組み合わせる『あいがけカレー』が名物で、ディナータイムでは新感覚を味わえる『スパイスたこ焼』を中心にお酒がすすむスパイス料理も楽しめます。【とんかつ まるや】とんかつ/新業態昼も夜も楽しめます。『とんかつ定食』 テイクアウト可オフィス街で人気のとんかつ店がフードホールに初出店。厳選された食材と鮮度にこだわり、一つ一つ手作りで提供します。お昼はとんかつ定食、夜は揚げたてのとんかつを肴に、ハイボールやビールと共に楽しめます。【TACOS mi Casa】メキシカン/新業態本場の味が楽しめる『タコス』 ※テイクアウト可三軒茶屋で人気の本場メキシコの味にこだわったタコス店が出店。店主がメキシコで修業して辿り着いたレシピは、野菜もお肉もしっかり食べられます。トルティーヤは、トウモロコシ粉100%でふっくら焼き上げています。【Thai Street by JASMINE THAI】タイ料理/新業態テイクアウト可本格タイ料理レストランを展開する超人気店【JASMINE THAI】によるカジュアルにタイ料理を楽しめる新業態のお店。タイ人の一流シェフが腕をふるう本格的な味が楽しめます。【Dexee Deli】弁当店平日のランチタイム(11:00~14:00)のみの営業※テイクアウト可手軽に食べたいときの『丼-DON-』各種からしっかりメイン&サイドのランチBOXまで彩りも豊かなデリが揃います。バラエティ豊かな本格的な味を楽しめるRestaurantフードホール「日比バル」の同フロアの1Fや2Fには、ゆっくり落ち着いて食事が楽しめるレストランやテイクアウト店も揃っています。【かどや日比谷邸】2F/郷土割烹日本料理/新業態創業65年の宇和島郷土料理。宇和島郷土料理を通じた文化・風土を守り継ぐ味とおもてなしを割烹のスタイルで地魚を中心に西地の旬の味覚を会席と一品料理を提供します。【LE PORTIER par Aux delices de dodine Toranomon】1F/ビストロミシュランのビブグルマンに掲載実績もある人気店の4号店出店するお店すべてミシュランのビブグルマンの掲載歴をもつ東京でも数少ないビストロの名店が装いを新たに、よりダイナミックに、コストパフォーマンスそのままに登場します。【田村町木村屋】1F/洋菓子スイーツだけでなく、サンドイッチや惣菜も提供【銀座木村屋總本店】より独立し、新橋で120年続く老舗洋菓子屋。近隣オフィスワーカーが気軽に普段使いできるような洋菓子に加えて、サンドイッチやお惣菜等のテイクアウト商品をお手頃価格で提供します。【saladice】1F/サラダ&ショートパスタ専門店9月10日(金)開業予定※テイクアウト可日本初のトスサラダ専門店。国産野菜にこだわったサラダは、15種類以上のドレッシングの中から選べます。またショートパスタは特製のトマトソース、オリジナルのミートボールのトッピングがおすすめです。様々な食のニーズに応える充実のグルメの他、オフィスワーカーのフレキシブルな働き方をサポートする「日比谷フォートタワー」のショップ&レストラン。ポストコロナ時代のニューノーマルとして、テイクアウトが充実し、野外の飲食スペースを設けた都心の施設をぜひ活用してください。「日比谷フォートタワー」住所:東京都港区西新橋一丁目1番1号アクセス:都営三田線「内幸町」駅徒歩2分東京メトロ日比谷線・千代田線「霞ケ関」駅徒歩2分東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅 徒歩3分東京メトロ丸ノ内線「霞ケ関」駅 徒歩5分JR線・東京メトロ銀座線・都営浅草線・新交通ゆりかもめ「新橋」駅 徒歩7分
2021年08月30日人気の【Pacific BAKERY】がスケールアップして再オープンリニューアルに合わせた新作ベーカリーも登場コーヒーやティーだけじゃない、パンに合う新作ドリンク人気の【Pacific BAKERY】がスケールアップして再オープンリニューアル後の外観七里ガ浜の海のそばにある人気カフェ【Pacific DRIVE-IN】のベイク&ベーカリーショップとして誕生した【Pacific BAKERY】が、2021年8月27日にリニューアルオープン。今まで店舗として使用していたスペースをベーカリーやベイクアイテムを製造する「FACTORY」として運用し、隣接する建物1階部分を、販売・イートインができる【Pacific BAKERY】として増設します。木のぬくもりを感じられる店内店舗デザインは、【Pacific DRIVE-IN】同様、野村訓市氏が所属する「TRIPSTAR」が担当しています。木材などのナチュラル素材を使用し、大きなガラス窓から心地よい陽の光が差し込む開放感のある店内には、イートインスペースとオープンエアなテラス席を完備。購入したベーカリーやベイクアイテムをその場でいただけるようになっています。リニューアルに合わせた新作ベーカリーも登場“Aloha” のロゴがおしゃれな『ココナッツミルクブレッド』480円焼きたての芳ばしい香りが漂う店内には、定番の『バゲット』や『マリトッツォ』など【Pacific BAKERY】で人気のアイテムが揃うほか、“Aloha” ロゴがトレードマークの食パン『ココナッツミルクブレッド』が新登場。ふわっとした食感にココナッツのほのかな甘みが特徴のイチオシ食パンです。『アメリカンチェリークリームチーズスコーン』360円また、【Pacific BAKERY】のショップインショップとして七里ガ浜でも人気の高い、京都のアメリカンベイクショップ【NAKAMURA GENERAL STORE】のスコーンやマラサダは、ここでしか食べられない新フレーバーが登場。生地とフルーツ、クリームチーズが絶妙に混ざり合ったスコーンは『アメリカンチェリースコーン』や『キャラメルパインスコーン』など気になる新作がラインナップ。各種『マリトッツォ』280円自家製のブリオッシュにふわっと軽い口当たりのクリームを贅沢に使用した大人気の『マリトッツォ』も、新作が登場。リニューアルにあたり、チョコ・いちご・抹茶のほか、コーヒー・メープルナッツのクリームが登場します。コーヒーやティーだけじゃない、パンに合う新作ドリンク各種『レモネード』(550円~)新店舗ではドリンクメニューも充実。注目はビタミンカラーの見た目も華やかなカラフルなレモネード。ハイビスカスやリリコイのハワイを感じるフレーバーを揃えています。ほかにも【Pacific DRIVE-IN】で人気だった『ジェリーインドリンク』もメニューイン。ゼリー入り新食感のミルクコーヒーやストロベリーミルクをいただけます。店内イートインスペースやテラス席はもちろん、テイクアウトでも。この夏スケールアップし、生まれ変わるハワイアンベーカリー【Pacific BAKERY】でハワイに旅をしているようなワクワクするひと時を過ごしてみては。Pacific BAKERY【エリア】鎌倉/逗子【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】七里ケ浜駅
2021年08月27日イギリス本国のオリジナルスタイルを踏襲したレストランイタリア料理を気軽に楽しめるオールデイダイニング隣接するデリカテッセンで気軽にテイクアウトをイギリス本国のオリジナルスタイルを踏襲したレストラン1944年ロンドン・ソーホー地区で創業し、イタリアンデリカテッセンやレストランとして絶大な人気を誇る【LINA STORES】の英国外初の旗艦店 (面積約300㎡)が、東京・表参道にオープンしました。第1号店となる【リナストアズ表参道レストラン&デリカテッセン】では、オープンシアター型のキッチンとパスタ工房を併設し、手作りのフレッシュパスタを提供します。2021年7月30日にオープンしたばかりの【リナストアズ表参道レストラン&デリカテッセン】レストラン内装はイギリス本国のオリジナルスタイルを踏襲。ピスタチオグリーンとホワイトのストライプ柄オーニングや、ロンドン・ソーホーのデリカテッセンで77年前に灯されたアールデコ調の照明が表参道でも煌めきます。店内席数は86席、シアターキッチンの調理をライブに感じるカウンター席をはじめ、大人数にも対応可能なテーブル席や、落ち着いたお食事向けのボックス席、外光を感じる窓際席など、さまざまなシーンで利用できます。ピスタチオグリーンのカラーが映える店内また、行き交う人々を眺めながら爽やかに過ごすテラス席、特別な日に、親密な時間を過ごすプライベートダイニングルームも用意。グリーンとホワイトの大理石が映える、美しい化粧室も必見です。イタリア料理を気軽に楽しめるオールデイダイニング【リナストアズ表参道レストラン&デリカテッセン】はアンティパスティからドルチまで、本格的なイタリア料理を気軽にいただけるオールデイダイニングです。『フレッシュトリュフとバターを使ったタリオリーニ』看板メニューは創業以来作り続けている、フレッシュパスタ。イタリア産の小麦粉、セモリナ粉と新鮮な卵のみを使い、店内の専用パスタ工房で毎日手作りしています。人気No.1の『フレッシュトリュフとバターを使ったタリオリーニ』は、芳醇なトリュフの香りが食欲をそそる贅沢な一品。『イタリア産フレッシュチーズ“ブッラータ”のラビオリ トマトソース』ほかにもサヴォイア王家の王女の名に由来するとされ、ふちがフリル状の幅広パスタを使用した『3種のたっぷりきのこソース ほうれん草入りマファルディーネ』、新鮮なブッラータを包んだラビオリに自家製ダッテリーニトマトソースを合わせ、フレッシュバジルとナッツを載せた『イタリア産フレッシュチーズ“ブッラータ”のラビオリ トマトソース』など、素材にこだわったパスタメニューをバリエーション豊かにラインナップしています。『パンナコッタ』また、こだわりのスイーツも見逃せない仕上がり。シチリア名物でピスタチオとチョコレートのチップをまぶした『カンノーロ』、ヴィンサントワインを使用した『パンナコッタ』、ローマ発祥で日本でも人気沸騰中の『マリトッツォ』など、【LINA STORES】定番のドルチも人気です。気軽に飲めるノンアルコールカクテル各種カクテルを飲みながら食前の時間を楽しむイタリアならではの習慣に則り、魅力あるアペリティービも提供。ネグローニ、リモンチェッロスピリッツ、アマロサワーなど、クラシックなオリジナルカクテルに加え、ノンアルコールカクテルも用意があります。また、ワインリストには、ピエモンテ州、トスカーナ州、ヴェネト州の名門ワイナリーが造る伝統的なワイン、中部や南部地方の固有品種ワイン、カンパーニア州やシチリア州の有機栽培にこだわったブティックワイナリーが生み出す今注目の自然派ワインなど、イタリア各地から幅広セレクトしています。隣接するデリカテッセンで気軽にテイクアウトを隣接するデリカテッセンも、ロンドン・ソーホーのスタイルを再現。ピスタチオグリーンの内装に、こだわりのイタリア食材が床から天井までぎっしり詰まった陳列棚と、パスタ工房で作る出来立てフレッシュパスタや手作りパニーニやドルチが並ぶショーケースを配置。本場イタリアの食料品店さながらのフード&スイーツをテイクアウト可能レストランでも使用する厳選した食材やワインは、ギフトとしてもおすすめです。自慢は、オーダーをいただいてからその場でスライス・カットするハムやチーズ。切り立て生ハムの風味は、イタリアそのもの!なかなか海外に行けない今、【リナストアズ表参道レストラン&デリカテッセン】でイタリアの雰囲気を体感してみてはいかがでしょうか。リナストアズ表参道 レストラン&デリカテッセン【エリア】表参道/青山【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】表参道駅
2021年08月25日日々の鍛錬と研究から生まれる、研ぎ澄まされた美味神は細部に宿る。「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」に新しくメインダイニングとして登場した【セザン】ダニエル・カルバートシェフの料理から真っ先に浮かんできたのがこの言葉でした。端正で、清らかで、ストイックさを感じる皿の数々。凛とした美しい料理は、一口食べれば、驚きの香りや食感などが潜んでいて、静かな見た目とは相反し、口のなかでは急に饒舌になっていきます。香港で会った時には、すごく柔らかい印象だったシェフ。けれど、この緊張感がみなぎる精緻な料理をつくるなんて、きっと鍛錬を繰り返し、美しく磨かれた日本刀をつくる、刀鍛治みたいな人なのではないだろうか。そんなイメージを勝手に抱いてしまうほどに、ディティールにまでみなぎる美意識が印象的だったのです。シェフのダニエル・カルバート氏33歳。イギリス・サリー出身シェフ・ダニエル・カルバートはまだ33歳のイギリス人。けれど、すでに、生きてきた半分の年月を料理人人生に注ぎ込み、確実に世界が認める実力を身につけてきた人物です。16歳のときに料理の道に進み、ロンドンの人気レストランでの修業を経て、海外に飛び出します。ニューヨークでミシュラン3つ星「Per Se」(パー・セ)では最年少で副料理長に。その後、パリのミシュラン3つ星「エピキュール」(ホテル・ブリストルのメインダイニング) に移り、なんとスタージュから再スタート。さらに、その後香港でネオビストロを売りにした【ベロン】のシェフとなり、2020年には「アジアベストレストラン50」で4位に。そしてこの7月から【セザン】のシェフに就任しました。今、世界を食べ歩くフーディたちが注目しているシェフの一人といって間違いないでしょう。オーガニックな雰囲気のダイニング。テーブルはレザー地が張られているそんな彼が、自分の次の舞台として選んだ地が東京でした。2020年1月、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」のオーナーである、リチャード・リー氏から話をもらったときに、即答で東京行きを決めたそう。東京行きに迷いはなかった?という質問に、「ロンドン、ニューヨーク、パリ、香港、そして東京。世界でこれ以上行くべきところはある?」との返事。彼にとって東京は、“世界の都市BIG5”の最後の一つだったと話します。『フォアグラトリュフ』。クラシックな手法だが味わいは軽やかに仕上げたフォアグラにトリュフをたっぷりと。付け合わせはブリオッシュと塩というシンプルな一品香港のネオビストロ【ベロン】時代から、日本の食材なども積極的に取り入れて料理をしていたカルバート氏。ずっと大切にしてきたことは、“手に入りうる最高の食材の持つ魅力を活かし、自分のなかに積み上げてきた経験や技術でベストな料理に仕上げる”こと。細やかなディテールは忍ばせるけれど、あくまでシンプルに。その信念は、東京に来ても変わりません。2020年11月に東京に移住してまず始めたことは、できるかぎり精力的に日本の生産者やレストランを巡り、日本の旬の食材や、その調理法などに触れていくことでした。北海道のとうもろこしを1週間乾燥させ、挽いてつくる自家製サワードゥ ブレッド。酵母はシェフが数年育てているものを使用「北海道では、エレゾ社で最高のシャモを見つけることができました。すばらしいハンターの方とも知りあいになった。栃木では【オトワ レストラン】にも行きましたし、金沢では【すし処 めくみ】の山口さんにおめにかかって、一緒に市場に行き、魚のことをたくさん教えてもらいました。日本では四季それぞれに魚の旬があって、鮨屋では細やかに季節ごとの魚を楽しむでしょう?そうしたこと一つ一つが学びになりました。なにごともバランスですが、できるかぎり日本の食材を使って料理をしたいと思っています」ここ、【セザン】では、そうしてシェフ自らが見つけてきた食材の数々が、世界中を飛び回ってきた彼なりの経験で料理され、あっと驚くような魅力的な一皿となって登場します。シャモに詰め物をして香草やきのこ、ヴァンジョーヌで1週間漬け込み茹でた『北海道エレゾ社シャモモリーユヴァンジョーヌ』例えば『北海道エレゾ社シャモモリーユヴァンジョーヌ』は、モリーユ茸をつめたシャモを、タイムやモリーユ茸とともにヴァンジョーヌに1週間漬けた後、しっとりと茹で上げた料理。クラシックなフランス料理がベース? かと思いきや、実はこれ、上海料理の「酔っ払い鶏」の技術をアレンジしたもの。けれど、見た目も味わいも、紛れもなく現代に昇華させた軽やかな現代のフランス料理なのです。ヴァンジョーヌの風味がしっとりとしたシャモの身に染み込み、トリプルコンソメとヴァンジョーヌ、モリーユのソースとともにいただくと、これが実にきれいな味わい。口の中ではソースの香りとコクが幾重にも広がっていきます。これは、また食べたい!一人分ずつに切り分けて、最後にはトリプルコンソメとヴァンジョーヌでつくったソースをかけて「香港にいたときにも、食べ歩いたり、中国人の料理人の友人から聞いたりして中国料理の手法も学びました。私はイギリス人ですから、『フランス料理はこうでなくちゃいけない』というような固い考えは一切持っていません。大切なことはシンプルさ。ですから、すばらしい食材に対して、自分が知っているベストだと思うテクニックを使い、必要なことだけを取り入れて料理するだけです」。そんな彼の考え方は、デザートにも現れています。最初のデザートとして登場したのは、一見普通のカットした宮崎マンゴー。メートル・ドテルの方にたっぷりと生クリームを盛り付けてもらい、マンゴーの実の部分にスプーンをいれると、サクッとした手応えが。中には、なんとメレンゲとシャーベットが隠されていました。デザートの『宮崎県産マンゴーショートブレッドクレームシャンティ』「【松川】で食事をしたとき、デザートはカットしたフルーツが登場しました。それがとてもシンプルで美しいと思いました。日本料理のコースの最後はデザートとしてフルーツが出てくるんですよね?これは、宮崎マンゴーの魅力を伝えたくて、日本料理のコースの水菓子のようなイメージでつくったデザートです」一見シンプルで正統派。けれど、高い技術、食材の合わせ方のモダンなセンスが一つの皿に満ちている。そして、味わいは、非常にクリーンで香り高く軽やか。そんな印象は、前菜からデザートまで、徹頭徹尾貫かれています。そしてコースの随所には、シェフの溢れる好奇心で見つけた、日本のエッセンスが生き生きと散りばめられていました。食事中はぜひ、銘醸シャンパンが並ぶ「シャンパントローリー」から好みのシャンパンを選んで「日本に来たからといって、意識的に日本らしさを出すようなことは一切していない」というカルバート氏ですが、彼がつくる料理からは、日本で感じた驚きや感動が、言葉にせずとも溢れ出しています。それこそが日本で生まれる【セザン】の味なのでしょう。氏に、これから東京でやりたいことは?と聞くと「変わらずにこれからも、精力的にさまざまな日本の生産者のもとを訪れ、旅に出てもっといろいろと学びたい」とのこと。これから生み出されるであろう、彼の眼差しを通した、新しい日本の魅力を感じられる料理を楽しみに、また訪れたいと思いました。ちなみに、ダイニングの隣には、シャンパンを楽しめるサロンが併設されています。食事前にはこちらで一杯飲みながら、待ち合わせるのも素敵です。セザン(SEZANNE)【エリア】丸の内【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】9250円【ディナー平均予算】24500円【アクセス】東京駅 徒歩4分撮影/岡本裕介
2021年08月19日大将直伝の技術を持つ、次世代を担う職人が握る江戸前鮨技術を身につけた職人が板場に立ち活躍します鮨業界では若手の下積みが長く、技術はあるのに板場に立てずに、埋もれていく職人が数多くいます。その状況を打破し、鮨文化を継承する技術を持った次世代を担う職人が潰れずに活躍できる場を創りたいという、大将・尾崎淳さんの厚い想いから【鮨結う 翼】は誕生しました。臨場感あふれるカウンターで次世代を担う職人の味が楽しめます店名の【鮨結う 翼】は、自らの店を持てるような力を蓄えて実を結び、そして羽ばたけるようにという想いをこめて名付けられています。大将直伝の技術を持った次世代を担う職人が、カウンターのみ12席の店内で活躍します。肩肘張らない楽しいひとときをお値打ち価格で提供飲み物付きなのもうれしい『おまかせコース』 13,200円0食材の仕入れには、大将・尾崎淳さんが同行し、確かな目利きで食材を厳選。お店で提供するのは『おまかせコース』13,200円(税込)0で飲み物付き。新政、而今など稀少な日本酒やビール、焼酎はもちろん、ソムリエ厳選の台湾茶まで取り揃えています。また、飲み物の持ち込みも自由にできます。一流の鮨コースをお値打ち価格でいただけますカウンターに立つのは、大将のもとで十分な修行を積み、確かな技術を持った若手職人。大将に認められた職人は、もう若手というレベルではなく一流の腕前を持っています。本格江戸前鮨と肩肘張らない楽しいひとときを提供します。尾崎淳さんが認めた若手職人が腕を振るいます王道であり前衛、進化の止まらない【鮨由う】を受け継ぐ【鮨結う翼】で、リーズナブルに一流の鮨を味わってみてはいかがでしょう。鮨結う 翼【エリア】恵比寿【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】恵比寿駅
2021年08月15日農家が営むレストラン! お店のすぐ近くで採れた野菜を使用想いに賛同したシェフが交代制で料理を提供シェフ自ら野菜を収穫。畑で生まれるメニューの数々農家が営むレストラン! お店のすぐ近くで採れた野菜を使用飲食店で食事をするとき、料理に使われている野菜やお肉が「どこで」「どのように」「誰が」つくっているのか、考えたことはありますか?飲食店で、家庭で、当たり前のように出てくる料理。そこで使われている食材の一つ一つにつくり手がいて、様々な想いが込められているのです。都営三田線「蓮根」駅から徒歩10分、住宅街に突如現れる「THE HASUNE FARM」この日の料理に使ういんげんを収穫スーパーではあまり見かけない紅オクラも【PLANT】は、東京都板橋区蓮根にある有機栽培農園「THE HASUNE FARM」の農家が営むレストラン。畑から歩いて5分ほどの古民家をリノベーションし、レストランを開業。ここでは、週替わりのシェフが「THE HASUNE FARM」の野菜などを使って料理を提供しています。無機質と自然が混ざり合ったオシャレな空間もともと「THE HASUNE FARM」は【PLANT】のオーナーである川口真由美さんのご実家が所有していた農園。「江戸時代から続く慣行農業で、5年前に父親が他界し、存続の危機に陥りました」(川口さん)「都内にある農地だからこそできることがあるはず」と、都市農地としての価値や可能性を感じ、続けることを決意。パートナーである冨永 悠さんも2年前に脱サラし、専業農家に転身。「THE HASUNE FARM」の農場長として無農薬・無化学肥料で野菜を育てる農園へと生まれ変わらせました。撮影に訪れたのは7月上旬。モロヘイヤ、ツルムラサキ、オクラ、きゅうり、インゲン、空心菜、ナスなどが実っていました畑で採れた野菜は、畑の直売や収穫体験、レストランで販売されます。個人販売にも対応しており、板橋区と北区の7か所で受け取ることができます。そんな中、2021年春にレストランをオープン。「ここは、プロの料理人とともにつくり上げる“ラボ”のようなもの。ただ野菜をつくって販売するだけでなく、普通なら捨てられてしまう形の悪いものや、可食部ではない根や花まで、プロの手で調理することでみなさんに食べていただき、コンパクトな“循環型社会”をつくり上げたいのです」(川口さん)想いに賛同したシェフが交代制で料理を提供する“シェアレストラン”その想いに賛同し、参加したのが【restaurant eatrip】のシェフを務めていた白石シェフと、【81(エイティワン)】などで活躍した青柳シェフ。シェフは固定せず、週替わりで料理を提供します。さらに他のレストランと異なるのが、シェフ自ら畑に出て野菜を収穫し、メニューを考案すること。「畑に出て実際に野菜に触れることで、どんどんイメージが沸いてきます。料理人にとっては最高の環境。ほかのシェフ達からもうらやましがられています」(青柳シェフ)【PLANT】のシェフの一人、青柳陽子さん。この日も畑を訪れ、今日の料理につかう食材を自ら収穫しますそうやって、シェフと生産者が一緒になって畑に出ることで、シェフは発想が生まれ、生産者にとっても新たな発見があるといいます。「我々がいま収穫できる野菜を伝えても、シェフたちは実際に畑を見て、根っこや花、種や野草を使ったり、適当に植えたものを面白がって使ってくれます。我々とは異なる視点は新鮮ですし、可食部の幅の広さを知れるのは生産者としても大きなメリットです」(川口さん)畑から徒歩5分の場所にある、庭付きの古民家をリノベーション。店の前には広いペースもあり野外イベントを行うことも手前のテーブルはキッチンに隣接したシェフズテーブル店奥には窓の外の緑が眺められるゆったりとしたテーブル席もレストラン【PLANT】もまた、緑に囲まれた心地のよい空間。東京23区でこの敷地の広さはなんとも贅沢。キッチンとテーブルの距離が近く、調理中のシェフやオーナーといろんな話をできるのが魅力です。畑でわいた“インスピレーション” から生まれたメニューの数々この日、料理を提供してくださったのは青柳シェフ。彼女のメニューづくりの特徴は、「つながり」を大切にしている点。色のつながり、人と人とのつながりをテーマに据えて、料理で表現します。その想いを聞けるのもお店の魅力のひとつ。ではさっそく、この日供されたコースの一部をご紹介します。夏にぴったりの『ヌードルサラダ』ヌードル風に仕立てたサラダ。横に添えられた色鮮やかなナスタチウムはもちろん、畑で収穫したばかりのもの前菜は、きゅうりと2種のニンジンを縦切りにしたヌードル風のサラダから。ミョウガやツルムラサキを加えて、塩やハチミツ、レモンで和えています。さらにその上からレモンピールをかけたさっぱりとした味わいの夏らしいサラダ。とにかく野菜の味が濃いのが印象的でした。経産牛の概念を覆す『経産牛と野菜』大分にある「宝牧舎(ほうぼくしゃ)」の経産牛を使用黒毛和牛の経産牛をメインに据えた一皿。もも肉を低温調理して中心は柔らかく、外側は芳ばしく焼き上げています。下にはガーリックソテーしたポテトといんげんを。ソースはビーツのピューレと、牛の筋でだしをとり、自家製味噌と混ぜ合わせた甘辛ソースの2種。そのまわりには旨みが凝縮された麹のフレークが振りかけられています。経産牛は、肉質が固かったり独特な香りがするものもありますが、大分にある「宝牧舎」の経産牛は「ストレスなく育てられているので臭みが無いのです」と青柳シェフがいう通り、まったく臭みが無く、きれいなピンク色が特徴。また、一般的な黒毛和牛で想像される脂身は少ないですが、適度に弾力のある食感が食べやすかったです。黒いバンスが珍しい『ハンバーガー』ディナーだけでなくランチでも提供される『ハンバーガー』※ランチの場合、ディナーより少し大きなサイズで提供されます熊本地鶏「天草大王」の鶏もも肉を使った『ハンバーガー』。鶏もも肉はスパイシーにマリネし、さらにスイートチリソースで絡めています。下にはソテーした空心菜、ビーツリーフ、上からパルミジャーノ・レッジャーノを振りかけ、麻墨で色付けしたバンズで挟んでいます。とにかく肉の旨味がたっぷりでボリュームも満点。食べ応え抜群のハンバーガーです!気になるのが、ハンバーガーのバンズの色。とても珍しい色ですよね。これには秘密が。料理を提供する際、「アスファルト」を横に添えて話を始めます「THE HASUNE FARM」は、蓮根の他にも練馬と埼玉県の朝霞市にもあり、朝霞にある農園は一般的には人が住みにくいとされる「調整区域」にあります。そこは農地かごみ処理場になっていて、「THE HASUNE FARM」は「もっと農地を増やしたい」と農地を借りているのですが、ある日、畑の前にアスファルトが捨てられ、放置されていたのです。その光景に衝撃を受けた青柳シェフは、どうにかしてこの現状を伝えられないかと考えました。キッチンに近いテーブル席では、料理をつくりながらシェフやオーナーが話しかけてくれます日本初のノンアルコールジン「NEMA」や、青柳シェフ特製のクラフトコーラなどノンアルコールも充実そこで考えついたのが、料理で表現すること。ハンバーガーのバンスをアスファルトと同じ色にするために麻で色付けし、そのアスファルトも実際に見せること。「THE HASUNE FARMは、世の中のきれいな部分だけでなく、目を背けたいようなことにもちゃんと目を向けて農業をしています。それをお客様にも伝えたい。アスファルトと同じ色の食材を使うことで、話を紡ぐことができればと思ってつくりました」(青柳シェフ)青柳シェフ(左)とオーナーの川口さん(右)。絶妙なコンビネーションとおふたりのテンポのよい語り口に引き込まれてしまいます【PLANT】を訪れ、青柳シェフや川口オーナーと話していると、食べる楽しみだけじゃない、実りある時間が過ごせます。食事の最中も、家に帰った後も、その余韻に浸り、“食べられる幸せ”を噛みしめられるのです。工事の際に抜かれた大木がエントランスでお出迎え。とてもドラマティックでまるで美術館のよう近年、当たり前のようにあった食の資源が枯渇しはじめ、食のミライが危ぶまれる中で不安を抱いていましたが、彼らの想いに触れて、食の明るいミライに思いを馳せる――。そんな充実した1日を過ごせました。都内に居ながら緑に触れられ小旅行気分が味わえるうえ、つくり手の顔が見える食材を口にすることで、心身ともに健やかになれる、一度で二度おいしい素敵なレストランに出合うことができました。PLANT【エリア】高島平【ジャンル】創作料理【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】蓮根駅 徒歩12分「THE HASUNE FARM(ハスネファーム)」詳細所在地:東京都板橋区蓮根2丁目5直売:火曜、木曜、土曜のみ開催Facebookでは「ハスネファームサポーター」を集っています。農業を手伝いたい、土に触れたい方はぜひチェックしてみてください
2021年08月11日秋田発、東京初出店の“文庫カフェ”コーヒーは朝昼晩で異なる味を提供秋田名物「こおり水」とは秋田から東京初出店。「本と珈琲とインクの匂い」を感じる“文庫カフェ”とは商業施設内の一角にありながら、懐かしさと異彩を放つ外観が目を引きます東京「日本橋髙島屋S.C.」の新館4Fに【黒澤文庫】がオープンしました。宮城県仙台市の【青山文庫】、秋田県秋田市の【赤居文庫】に続き、3店舗目となる今回は東京での初出店です。ここは、「本と珈琲とインクの匂い」を感じるカフェをコンセプトに、どこか懐かしさを感じさせる店構えと、一杯一杯丁寧に抽出したハントドリップ珈琲が楽しめます。本や雑貨、壁掛け時計に囲まれた郷愁漂う店内。座席は、カウンター席、中央の大きなテーブル席、2~4人掛けのテーブル席があります“文庫カフェ”とは、その名のとおり、たくさんの本に囲まれた図書館や古書店のようなカフェのこと。店内には至るところに書籍が書籍が飾られていて、すべての本を読むことができます。その並べ方には特徴があり、一般的なカテゴリー分けとは異なり、なんだか個性的。例えば、店内の中央テーブルには「ゴリラ」、「ノーベル賞」、「くじら」、「アインシュタイン」と、様々なカテゴリーの本がまとめて配置されていて、ゴリラに関する本を手に取ったことのない私は、その意外性に思わず興味をそそられてしまいました。そんなテーマの雑多さは、新しい本に出合えるワクワク感をも感じさせてくれます。中央テーブルにある「ゴリラ」のコーナー文庫の貸出コーナー(2週間/50円)もありますもちろん、こちらのウリは本だけではありません。一杯一杯丁寧に抽出したハントドリップ珈琲もお店のイチ推しのひとつ。中でも『黒澤文庫ブレンド』(660円)は、コーヒー豆の輸入や販売を行っている「ミカフェート」のJose(ホセ)・川島良彰氏とコラボレーションした、スペシャルブレンドです。『黒澤文庫ブレンド』。ライトボディの「グッドモーニングブレンド」、しっかりとしたボディがありながらもコーヒーの果実味も感じられる「アフタヌーンブレンド」、深煎りならではのコクが楽しめる「ナイトブレンド」、各660円『黒澤文庫ブレンド』は朝・昼・夜で使用を変えていて、オープンから12時までは「グッドモーニングブレンド」、12時~17時までは「アフタヌーンブレンド」、17時~閉店までは「ナイトブレンド」と、訪れる時間帯で味と香りの変化を楽しむことができます。『こおり水』や『モーニングセット』など、気になるメニューがたくさん!コーヒー以外にもさまざまなメニューが楽しめます。まず、夏の暑い日に食べてほしいのが、秋田の夏の風物詩「こおり水」。昭和初期の秋田にあった老舗店の夏の名物だったかき氷のことで、そのレシピを継承。少し溶け始めた貫目氷を薄く削ることでふんわりきめ細やかな氷の食感を表現し、優しい甘さの白滝シロップを混ぜるなどして、その味わいを忠実に再現しているそう。定番メニューの『あずき白玉こおり水』715円『抹茶こおり水』825円『レモンこおり水』825円。他にも『コーヒーこおり水』825円、『梅酒こおり水』660円、『カルピスこおり水』660円、『カルピスぶどうこおり水』660円、『いちごこおり水』715円、『グレープフルーツこおり水』825円この日は『レモンこおり水』を頂いたのですが、ふわふわとした氷の舌触りと、さっぱりとした爽やかな味わいが暑い夏にピッタリでした。他にも、『あずき白玉こおり水』などの定番メニューに加えて、『コーヒーこおり水』や『レモンこおり水』など自家製シロップを合わせた全9種をラインナップ。店内にあるガレットの焼き台で焼き上げる『ガレット/コンプレット』990円『苺とホワイトチョコのマウンテンケーキ』869円※1日5食限定また、朝限定の嬉しいサービスも。毎朝10時半~11時までの30分間、ドリンクを注文した人のみ、「グッドモーニングセット」が無料で食べられます。セットの食事は、トースト3種(ゆで卵がついた『グッドモーニングトースト』、チーズ×蜂蜜の『ハニートースト』、毎朝変わるトッピングを楽しめる『月替わりチーズトースト』)から1種と、『ひと口デザート』、『小倉あんバター』、それに『ストロベリーヨーグルト』or『フレンチドレッシングのサラダ』が選べます。これが無料なんてとてもお得ですよね。アイスコーヒーの氷が溶けても味が薄まらない客席の目の前で注がれる、喫茶店名物のレモン水ほかにも、焙煎にこだわったコーヒーメニュー、『焼きカレー』(935円)や『煮込みスパゲティ』(935円)、『コーヒー小豆醤油ロールケーキ』(440円)や『黒澤文庫のシベリア』など、ボリューム感と手作りにこだわったオリジナルのフードメニューも数多く揃います。ショッピングの合間に、昭和レトロな文庫カフェでほんの少しの間、時間を忘れて昭和へトリップしてみてはいかがでしょうか。黒澤文庫【エリア】銀座【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】1,001円~1,500円【アクセス】日本橋駅
2021年08月06日