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特撮怪獣映画『ゴジラVSビオランテ』(1989年)をはじめとした平成『ゴジラ』シリーズの特技監督で知られる川北紘一さんが5日、肝不全のため都内の病院で死去したことがわかった。72歳だった。川北さんが代表取締役を務めるドリーム・プラネット・ジャパンがFAXを通じて発表し、葬儀、告別式は近親者で営まれた。喪主は妻繁子さん。後日お別れの会が予定されている。川北さんは、東宝の特殊撮影係を経て、『ウルトラマン』シリーズで知られる円谷英二特技監督をはじめ、有川特技監督、中野特技監督に師事。1972年には、特撮TVドラマ『ウルトラマンA』で特撮を初演出している。そして、平成『ゴジラ』シリーズと呼ばれる『ゴジラVSビオランテ』(1989年)から『ゴジラVSデストロイア』(1995年)までの計6作品で特技監督を務め、現在のところゴジラ映画における"特技監督"の肩書をもつ最後の人物だった。(『ゴジラ 2000ミレニアム』以降は「特殊技術」というクレジットに変わる)。初代・特技監督の円谷英二氏に師事した川北さんは、怪獣映画の草創期を知る人物で、文字通り"特撮の生き字引"として活躍した。2003年には、株式会社ドリーム・プラネット・ジャパンを設立して代表取締役に就任し、平成『ゴジラ』シリーズのスタッフを集めて特撮TVドラマ『超星神グランセイザー』を制作。以降の「超星神シリーズ」、2006年に公開された特撮映画『超星艦隊セイザーX~戦え!星の戦士たち』の特撮演出を担当した。2013年には、大阪芸術大学の客員教授も務め、「映像美術論」という講座で学生に特撮を教えていた。川北さんは今年9月のインタビューにて「今はデジタルで何度でも撮り直しが利くし後で加工もできるから、学生は片っ端からバシャバシャ撮っちゃうんだよ(笑)。だけどそれじゃあ新しい映像作りというものは生まれない。そのために特撮の、やり直しがきかない緊張感というものを教えてるんだ。やっぱり特撮は現場で学ぶしかないからね。座学なんかじゃ何も学べないんだ」「彼らの中から1人でも次の映像作りを支える監督やスタッフが育ってくれればいいなあと思ってるんだけどね」と自身の特撮への想いを伝えていた。twitterでは、川北監督が特技監督を務め、1989年に公開された『ガンヘッド』にマット画の助っ人として参加した"怪獣絵師"で知られるイラストレーターの開田裕治氏、『超星神グランセイザー』の制作時に企画デザインを描いたというアニメーション監督、メカニックデザイナーのさとうけいいち氏、『ガンヘッド』や『ゴジラVSビオランテ』などで従事したアベユーイチ監督など、多く関係者や親交のあった人々から続々と追悼メッセージが寄せられている。
2014年12月11日映画監督・写真家の長谷井宏紀が、ヴェネチア映画祭「カレッジシネマ部門」にて日本人として初めて選出されたことが発表され、イタリア・フィリピン合作で製作される長編映画『BLANKA』(仮)で長編映画監督デビューを果たすことが決定した。ヴェネチア映画祭の「カレッジシネマ部門」は、世界中から新人映画監督を発掘し育成するプロジェクトで、今年は世界中から約400ほどの応募があり、12企画(イギリス、イタリア、フランス、ポルトガル、ブルガリア、スリランカ、ニュージーランド、アルゼンチン、ブラジル、ブルガリアなど)が選ばれ、最終選考では3つのプロジェクト(イタリア、ポーランド、アメリカの企画)に絞られた。この3作品は、ヴェネチア・ビエンナーレとヴェネチア国際映画祭より出資を受け製作されることが決定。2015年9月のベネチア映画祭にてプレミア上映が行われる予定となっている。これまで、世界各国の映画や映画祭で活動する一方、CHARAや「THE BACK HORN」などのミュージックビデオなども手掛けるなど、幅広いフィールドで活躍してきた長谷井さん。今回の『BLANKA』(仮)では、脚本・監督を務め、現在イタリア人プロデューサのフラミーニョ・ザドラ(ドルジェ・フィルム)と制作に入っているとのこと。作品自体は、フィリピン・マニラの路上で生きる子どもたちを主人公としたロードムービーとなるようで、すべてストリート・キャスティングで俳優を採用するとのことだ。(text:cinemacafe.net)
2014年11月28日アイドルグループのももいろクローバーZが、『踊る大捜査線』シリーズなどで知られる本広克行監督が手がける映画・舞台『幕が上がる』で主演を務めることが5日、明らかになった。映画は2015年2月28日から公開され、舞台は同年5月公演を予定している。原作は、劇作家・平田オリザによる同名青春小説。弱小演劇部の少女たちが全国大会を目指し、本当の喜びと悲しみ、そして大切なことに気づいていく姿を描いている。主演には、本広監督と平田氏の「今、もっとも輝いている少女たちに演じてもらいたい」という考えが一致し、ももクロを抜てき。映画版の撮影は今年8月22日から静岡県富士宮市などで行われ、10月8日にクランクアップ。舞台版は映画版と同じく本広監督が演出を手がける。物語の舞台は、ある地方都市の県立冨士ケ丘高等学校。演劇部で作・演出を担当している高橋さおり(百田夏菜子)は演劇部として最後の1年を迎えるにあたり、看板女優で姫キャラの"ユッコ"こと橋爪裕子、部内のムードメーカー的存在の"がるる"こと西条美紀(高城れに)らと共に年に1度の大会に挑む。地区大会突破を目指していたが、東京の大学で舞台経験のある新任教師・吉岡美佐子(黒木華)の「何だ、小っちゃいな、目標。行こうよ、全国」の一言で少女たちの意識が変わり、男子よりも勉強よりも大切な日々が幕を開ける。演劇部のメンバーとして、ももクロの有安杏果は県内演劇部強豪校からの転校生・中西悦子、佐々木彩夏はさおりを慕う1年後輩の部員・加藤明美を演じるほか、演劇部顧問・溝口先生役にムロツヨシ、さおりの母役に清水ミチコ、国語教師の滝田先生役に志賀廣太郎といった俳優陣が脇を固める。「映画版は、脚本が完成し、キャスティングが決定した時には完成予想が見えていました」と語る本広監督。「このテンションを持続させながら、映画が完成したらすぐに舞台版の作業に一気に向かっていきたいです」と舞台への意気込みも語り、「自分が企画して監督した映画の集大成になることは間違いないと確信しています」と自信をのぞかせている。撮影前の7月から8月にかけて、平田氏による演劇のワークショップを実施。平田氏は「正直言って、ももクロさんが主演と決まったときには、期待と不安と半々でした」という思いがあったため、ワークショップを通じてももクロメンバーの演技力を向上させることと、作品のメインテーマである「演劇」について学んでもらう狙いがあった。最初は個々の癖も目立っていたが、見る見るうちに上達。平田氏も「おそらく、この作品を観た多くの観客の皆さんは、ももクロメンバーの"演技力"に驚くことでしょう。彼女たちは、このひと夏で、役者として驚異的な成長を遂げました」と太鼓判を押している。一方、百田はそのワークショップを「台本をもってここのセリフをこうしろじゃない。お芝居とはなんなのか、そこから教えてくれました! お芝居はこうでなくちゃダメとかない。アイドルがこうでなくちゃってのもない。その時、ジャンルを通り越してなにか新しいものが作れる気がしました!」と思い返す。撮影には「ただただ必死(笑)!」で挑み、モニターで演技を確認する機会は1度もなかったが、「自分の心でよし! と思ったときと、監督のOK! が重なる事が多くて、なんだか通じあってる気がしてうれしかったです!」と手応えも。「まだ途中の段階でもスタッフさんたちは映像を見るために集まるたびに興奮して帰ってきます(笑)! みんなニヤニヤしてて全然教えてくれません」とスタッフの反応を伝え、「大人ばっかりずるいよね~! なんてメンバーで話ながら、私たちも出来上がりをとっても楽しみにしてます! みなさんも楽しみにしててください!」と呼びかけている。(C)2015「幕が上がる」製作委員会
2014年11月05日作・演出家としての活動を舞台からスタートし、自身の劇団“ゴジゲン”の休止以降は、『自分の事ばかりで情けなくなるよ』『スイートプールサイド』など映画監督としての活躍が目立つ松居大悟。来年1月には橋本愛・蒼波純主演の映画『ワンダフルワールドエンド』も公開され、映像分野で順調な中、ゴジゲンを3年ぶりに復活させる。松居にその心境を、また橋本愛同席のもと、映画『ワンダフル~』についても聞いた。ゴジゲン『ごきげんさマイポレンド』チケット情報ゴジゲンの活動休止は、松居自身が「演劇(舞台)からちょっと距離を置きたいと思った」のと、劇団員の帰郷が主な理由。「その劇団員の目次(立樹)は島根で農家をやっているんですけど、眠れないと夜な夜な岩松了さんの戯曲を読んでるって聞いて。『それって超、演劇やりたいんじゃん!』と思って誘ってみたら、『やるか!』ってなったので、翌日に速攻劇場を押さえました」(松居)。タイトル『ごきげんさマイポレンド』の“マイポレンド”は、松居の照れが加わった“マイフレンド”のことらしい。彼らの実情が見える感動作かと思いきや、「面白いものにはしたくない」と挑発的な言葉が飛び出す。「面白くするって、何か理屈めいたものを作ることのような気がして。自分の頭の中でどんなに面白くてもそれを長期間、役者にやらせることの意味のなさというか。だから今、稽古場で役者に『生きてればいいんだよ!』って言ってポカンとされてるんですけど(笑)」(松居)。一方の映画『ワンダフルワールドエンド』は、注目のシンガーソングライター大森靖子の2曲のPVをもとに、追加撮影されたエピソードを加えて1本の劇映画にしたもの。橋本は、大森のインディーズ時代からのファンで、ライブにもよく足を運ぶそう。「大森さんのライブは決められたものをやる“発表会”じゃなくて、毎回『次は何をやってくれるんだろう』って気持ちになれるのが面白いです」(橋本)。「僕はあの歌詞が好きで。この映画の脚本も、曲を聴いて思いついた話をまず作ってみて、大森さんとやり取りしながら作っていきました。その過程でどんどんワケわかんないものに(笑)」(松居)。「何回読んでも全然わかんなかったので、『もういいや、わかんないままいこう』って(笑)。性格さえつかめていればいいから素直に入っていこうと思ってやりました」(橋本)。「もともと筋を通してくれる人だと思っていたけど、編集中に『マジで橋本愛に救われてるな』って何度も思いました(笑)」(松居)。橋本も「もちろん観に行きます!」と言うゴジゲン『ごきげんさ~』の休演日(11/17)には、『ワンダフル~』の上映イベントも開催。いわゆる男子の“こじらせ”が優しく昇華する松居ワールドは健在か否か?映像での活躍を経ての変化を確かめたい。演劇公演 ゴジゲン『ごきげんさマイポレンド』は、11月13日(木)~23日(日)まで下北沢 駅前劇場にて。また11月17日(月)同劇場にて映画『ワンダフルワールドエンド』先行上映会も実施。チケットはいずれも発売中。取材・文武田吏都
2014年10月30日多くの映画人、映画ファンに惜しまれながら2011年12月に急逝した森田芳光監督。そんな森田監督の死からもうすぐ3年が経とうとしている。そんな中、先日発表された1本の映画が、ファンの間で話題を呼んでいる。彼を慕う旧知のスタッフ・キャストが再集結し、主演に松山ケンイチを迎え、森田監督デビュー作『の・ようなもの』(’81)のその後を描くオリジナル作品『の・ようなもののようなもの』(仮題)。このほど本作のヒロイン役で、森田監督を恩師と慕う女優・北川景子が出演していることが発表され、北川さんからおよそ1000文字にもおよぶ長文コメントが到着した。本作の舞台は、現代の東京の下町。落語家一門の出船亭に入門した志ん田(しんでん/演:松山ケンイチ)は、師匠の志ん米(しんこめ/演:尾藤イサオ)に頼まれ、以前この一門に在籍していた志ん魚(しんとと/伊藤克信)を探し出す羽目になる。実はこの一門を財政的に支えてきたスポンサーの女会長は、クリクリした目玉が大好きという理由で志ん魚を贔屓にしており、志ん米師匠は彼女のご機嫌を取るため、志ん魚をもう一度高座に引っ張りだそうという考えだ。志ん魚を探し回る志ん田。師匠の弟弟子の志ん水(しんすい/演:でんでん)や、昔の門下生たちを訪ね、手がかりを集めようとするが、まったく上手くいかず――。森田監督作『間宮兄弟』(’06)でスクリーンデビューを飾って以降、松山ケンイチと共に出演した『サウスバウンド』(’07)、チョイ役でも出たいと『わたし出すわ』(’09)に特別出演と、森田監督に熱く尊敬の念を抱いていた北川さん。森田監督が亡くなった際、葬儀ならびに告別式の場で人目をはばからず号泣し、各メディアが大きく報じていたことも記憶に残っている人も多いだろう。そんな北川さんは本作では、志ん米師匠のひとり娘・夕美役を演じることとなる。今回の出演には並々ならぬ想いがあったようで、渾身の想いで撮影に臨んだとのこと。今回届いた長文コメントは、その片鱗を感じさせるものとなっている。<北川景子/コメント全文>「『間宮兄弟』という映画でスクリーンデビューさせて頂いていて、その時からほとんどのスタッフの皆さんが変わっていなくて、杉山組(※本作の監督・杉山泰一)だけど、森田組そのものというか、“また戻ってきた”という感じがしました。『間宮兄弟』の合格をもらった時に、『の・ようなもの』のビデオテープを渡されて、何度も見ていたので、そのオリジナルの作品のキャストの皆さんが集結する現場を見た時は、感動して鳥肌が立ちました。映画のデビューの時に、森田監督の現場を体感できたことは、すごく大きかったと思います。『間宮兄弟』のクランクアップの時に、森田さんが『女優をやめないでくださいね』って言ってくださったことがあって、これまでやめようかなと思った時もあったんですけど、その一言が最後の勇気になって、辞めずに続けられているので、その言葉がすごく胸に残っています。映像にこだわってやってこれたのは、森田さんのおかげだと思っています。亡くなった時は、前触れもなかったですし、ショックというか、ビックリしました、嘘かなと最初思いました。今回、声をかけて頂いたことはすごく嬉しいし光栄でした。錚々たる面々の女優さんが森田さんとご一緒されている中で、今回松山さんの相手役にと言って頂けたのは、ラッキーでしかないというか、自分で良かったのかなというのはちょっと思いますけど、でも嬉しかったです。このチームと出会えたのは(『間宮兄弟』の時の)夕美という役がきっかけだったので、みんなが、『あ、夕美が帰ってきたな』って楽しくなれるような、面影を沢山残した役にしたいなと思っていました。すごく純真で、天真爛漫で、明るくてパワフルっていうのが夕美のいいところだと思うので、そういうところは年をとっても変わらないところかなと思ったので、『間宮兄弟』の時のまま、きちんと残しつつ演じようとしました。夕美という役はすごく自分にとっても思い入れの強い役でもあるんです。森田さんはいつも、口を片方だけあげて笑ってくれていたんですが、だからそうやって笑ってもらえるようにしたいなというのが、一番強い思いかもしれません。亡くなった時は心が折れそうになったんですけど、悲しんでるだけではよくないですから、なるべく森田さんのやってた事を継承できるように、松山さんも含めてですけど、我々で頑張っていきたいと思ってます」。「私」ではなく、最後の「我々」という言葉は、まさに森田組の一員であることの証だろう。その決意と共に、どんな役を演じてみせるのか?続報に注目があつまりそうだ。『の・ようなもののようなもの』(仮題)は2015年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月17日『悪の教典』、『藁の楯 わらのたて』の三池崇史監督が、『ダークナイト・ライジング』で悪役・ベインを好演したトム・ハーディーが主演を務める、戦後日本を舞台にした映画『The Outsider』(原題)で初めてアメリカ作品のメガホンを取ることが明らかになった。米エンタメ情報サイト「deadline.com」が報じたもので、同作の主人公は、第2次世界大戦中に日本の捕虜となったアメリカ人兵士(トム・ハーディ)。戦後も日本に残ることになった彼が、ヤクザとしての生き方を学び、日本の裏社会をのし上がっていくさまを描いた作品だ。三池監督は1999年、Vシネマの監督としてデビュー。近年では幅広いジャンルの劇場公開用作品を多く手がけており、2007年には『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』がベネチア国際映画祭「コンペティション」部門に出品されたほか、2010年には『十三人の刺客』がトロント国際映画祭に出品、2011年には市川海老蔵主演の映画『一命』が、今年は映画『藁の楯 わらのたて』がそれぞれカンヌ国際映画祭「コンペティション」部門に出品されている。映画制作スタイルは、鮮烈なバイオレンス描写を伴うため、しばしば論争を巻き起こすものの、海外での評価は高く、その手腕を買われ今回アメリカ映画での監督に抜擢されたようだ。プロデューサーには映画『マトリックス』シリーズのジョエル・シルヴァー、『アンノウン』のアンドリュー・ローナとスティーヴ・リチャーズのコンビが務める。脚本は新人アンドリュー・ボールドウィンが手がけたものだが、もともとは『ランナウェイズ』、『ロード・オブ・ドッグタウン』などのアート・リンソンとジョン・リンソンの親子がオリジナルのアイディアとして提案していたものなんだとか。深作欣二監督の『仁義なき戦い』など、海外にもファンの多い日本の“Yakuza Movie”が本格的にハリウッドで、それも三池監督の手によって製作されるようになるとは映画ファンにとっては感慨深い作品となりそう。さらに、本作の舞台は日本になっているため、日本人俳優の出演も多くなると予想されており、そのキャスティングにも今後大きな注目の映画になりそうだ。(text:Mieko Nakaarai)■関連作品:藁の楯 わらのたて 2013年4月26日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 木内一裕/講談社 (C) 2013映画「藁の楯」製作委員会
2013年06月07日6月公開の『華麗なるギャツビー』に主演したレオナルド・ディカプリオは、同映画を手がけたバズ・ラーマン監督によって、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の映画化作品に出演してほしいと熱望されているようだ。シェイクスピア原作の『ロミオ+ジュリエット』(’99)でレオナルドと初タッグを組んだラーマン監督は、またシェイクスピアの戯曲の映画化作品で彼と一緒に組みたいと熱望している。ラーマン監督は、5月1日(現地時間)にニューヨークで行われた同映画のプレミアで、「The Hollywood Reporter」誌の取材に答え、レオナルドとの再コラボの可能性について聞かれると、「『ハムレット』をやりたい。僕にとってギャツビーはアメリカのハムレットなんだ。次に撮る作品として、これしかないと思うんだよ」と語っている。レオナルドは5月8日に放送された朝の情報番組「Good Morning America」に出演し、「最初は僕は出演に躊躇していたんだ。『華麗なるギャツビー』は、読者が登場人物について、様々な解釈を持っているパワフルな小説だから。でもラーマン監督に“ノー”と言うのはほぼ不可能なんだよ」と語り、当初は出演に気が乗らなかったが、最終的に監督に説得されたというエピソードを明らかにした。『ハムレット』は、1900年からこれまでの間、映画化、テレビドラマ化されているが、第二次世界大戦後は7回しか映像化されていない。主演にはローレンス・オリヴィエ、リチャード・バートン、イアン・マッケラン、メル・ギブソン、イーサン・ホークら多彩な顔ぶれの俳優がハムレットに挑戦している。(C) Getty Images(text:Mieko Nakaarai)
2013年05月10日映画館のない中目黒に生まれた無料の移動式映画館「中目黒シネマズ」。2013年1月からの本格始動に向け、11月24日(土)にプレイベントとしてウディ・アレン監督の傑作『アニー・ホール』(’78)が上映された。上映後には映画文筆家の松崎健夫と映画解説者・中井圭による作品解説トークショーが行われ、熱い“ウディ・アレン”論を繰り広げた。中目黒の街全体を映画館として、月に1度、無料で誰でも映画を鑑賞できるスペースを提供する映画プロジェクト「中目黒シネマズ」。今後は、同じく中目黒で定期開催される、食と体験のプロジェクト「中目黒マルシェ」と連動していく構想もあるという。壁一面を覆う巨大スクリーン、そして通常の映画館の客席とは違い、アンティークなソファや椅子、また前方にはラグを敷いた床に座て鑑賞するゆったりとしたスタイル。今回の本映画祭で上映されたのは、名作中の名作『アニー・ホール』。中井さんは「『中目黒シネマズ』プレ開催第一回目の作品選定に大変悩みましたが、『アニー・ホール』が一番ふさわしく、みなさんに面白いと思っていただけて本当に良かった」と安堵の表情。一方の松崎さんは「当時、『アニー・ホール』は斬新だと言われていました。ネクタイやパンツなど、アニーが着ている男っぽい服など、ちょうどウーマンリブが活発になり始めた頃ですね。ファッションの面でも『アニー・ホール』は影響を与えていたんです」とウディ・アレン作品の時代を掴むアンテナの鋭さに改めて賞賛を送る。さらに「『アニー・ホール』では、イングマール・ベルイマン監督の『野いちご』(’62)にオマージュを捧げているんですね。冒頭では突然観客に話しかけ、敬愛する監督の作品を取り入れ、それはとても当時斬新でした。取り込んで自分のものにし、そして新しく見えるものに変えているんです」と解説し、知られざる映画秘話についても言及。監督がどんな映画に影響を受けたのか考えながら作品を観るというのも映画鑑賞の楽しみの一つではあるが、「ウディ・アレンが好きな日本映画は『羅生門』(’50)、『七人の侍』(’54)、『蜘蛛巣城』(’57)」と松崎さん。日本人として大変誇らしいこの事実に、中井さんも「ウディ・アレンが影響を受けていると思って、次は黒澤映画を観る。映画は数珠繋ぎですね」と深々とうなずいていた。今回のプレイベントに寄せられた意見・リクエスト・アドバイスを反映させ、12月下旬には第2回目のプレイベントを開催予定、そして2013年1月より本格的にプロジェクトのスタートを迎える「中目黒シネマズ」。新たな映画鑑賞スペースの誕生に、多くの注目が集まっている。(photo:Horiba Toshiaki)「中目黒シネマズ」公式サイト:公式Facebook:公式Twitter:■関連作品:恋のロンドン狂騒曲 2012年12月1日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2010 Mediapro, Versátil Cinema & Gravier Production, Inc.
2012年11月27日映画『悪の教典』の観客動員数が11月25日(日)で100万人を突破!同日、主演の伊藤英明と三池崇史監督が都内劇場で行われた大ヒット御礼舞台挨拶に登壇した。11月10日(土)の映画公開時にはローマ国際映画祭への出席のため2人はイタリアへ渡っており、公開後に国内で舞台挨拶が行われるのはこの日が初めてとなった。大歓声を受けて登場した伊藤さんは「ようやくみなさんの前で舞台挨拶ができます!」と晴れ晴れとした表情で語る。貴志祐介の小説を映画化した本作は、“ハスミン”の愛称で生徒に親しまれる人気高校教師・蓮実が担任を受け持つクラスの生徒40名を虐殺していくという過激な物語。その内容ゆえに賛否もあり先日、「AKB48」のメンバーを招待して行われた上映会では大島優子が上映後に退席し「私はこの映画は嫌いです」とのコメントを残して物議を醸していた。その場にいた三池監督は「AKBのメンバーに『ビックリした』というコメントをもらう予定だった。大島さんは仕事だからガマンして最後まで観てくれたけど、メーターが振り切れちゃった。それで出てきたのが正直なコメントでビックリしましたが(笑)、好き嫌いで分けてもらえるそんな映画があってもいい。作り手としてはありがたい」と語った。伊藤さんも周囲の反応について「5段階評価で1か5…いや0か5(笑)。でも映画なんだからそれでいい」と理解を示した。この日、2人が着ていたのはローマ国際映画祭で着用したタキシード。改めて海外の反応について三池監督は「何も(賞は)もらえなかったけど、すごく盛り上がっていい時間を過ごせました」と笑顔。特に観客の反応が高かったシーンとして「山田孝之が死んだ瞬間、拍手が起こりました。世界的に見ても山田孝之は死んでいい男だということで(笑)。あの短い出番の中で『こいつはどうしようもないやつだ』と思ってもらえたのは嬉しかったです」と明かし、伊藤さんも「『イェー!』と声が上がってましたね」とふり返った。また撮影に関して伊藤さん個人として大変だったシーンを尋ねると虐殺のシーンではなく、自宅での懸垂のシーンを挙げた。「ちゃんと衣裳合わせをしたはずなのに、なぜか裸でやることになってた」と笑いながら明かすが、三池監督は「懸垂のシーンは“はみ出したりして”大変だった」と爆弾発言!実はこのシーンのため、伊藤さんは俳優人生で初めて前貼り(局部を覆う道具)を着用したそう。「ひとりで着けられずにマネージャーに着けてもらったんです。頭はシーンに集中してるのにやってることは情けなかった…」と苦笑交じりで明かし、会場は笑いに包まれた。『悪の教典』は全国東宝系にて公開中。「悪の教典―序章―」『悪の教典』特集■関連作品:悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年11月26日新し映画の未来を切り開く若手監督を、毎回2人ずつフューチャーする上映イベント「CINEASTE 3.0」が、11月3日(土・祝)、渋谷の新名所・渋谷ヒカリエにて開催され、上映後には『NINIFUNI』の真利子哲也監督と『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の瀬田なつき監督が登壇しトークショーを行った。近年、国内外の映画業界を揺るがすデジタル化。『アーティスト』などで描かれたトーキーへの移行期、そしてモノクロからカラー、それに次ぐ大きな転換期とされる“第三の革命”と言われ、往年のベテラン監督たちが嘆く一方で、そこを楽しみながら新たな試みに挑戦している映画監督たちもまた存在する。撮影機材の急速な進歩やインターネットメディアやSNSなどの台頭に順応し、まったく新しいスタイルでの制作、発信を模索する、そんな新鋭の若手監督たちにフォーカスしたイベント「CINEASTE 3.0」。リアルから“生”の形で人々へと発信し、果てはUSTREAMなどのオンライン映像メディアなどバーチャルな部分でのアプローチするソーシャルなスタイルを貫く上映イベントだ。この日、記念すべき第1回のゲストとして真利子監督と瀬田監督、さらにMCとして注目の映画評論家・渡邊大輔が登壇。360度をぐるりと観客に囲まれる一風変わったスタイルに、どこか緊張気味の2人。しかし、学年は違うが元々2人は東京芸術大学で学んだ身とあって、「(お互いの)名前は知ってました」とハモり会場を沸かせた。さらに「商業映画として作ったわけではない」、「主人公が似ている」、「(上映時間も)40分前後」、「ガス・ヴァン=サントから影響を受けた」と、この日上映された『NINIFUNI』(真利子監督)と『5windows』(瀬田監督)の共通点を挙げ、「どこか似てるんですよね」と意気投合。『NINIFUNI』について真利子監督は、「ただただ“自分が面白いと思ったものだけを撮る”というコンセプトだった」と言い、渡辺さんから「真利子さんの映画はとにかく肉体を全面で使うんですよね。初監督作品でもそうだし、今回の『NINIFUNI』でも、売れる前の『ももいろクローバー』(※早見あかり脱退前)が全力で踊ってますよね(笑)」と投げかけられると、「本当にそのシーンはかなり力入れて撮りましたね。音楽のためのダンスとはまた違うっていうのが大変でした。まあ、ただ『ももクロ』が好きなんですよね。見た瞬間にこの娘たちだ!っていう直観がありました。昔からいまと変わらない元気な子たちでした」と撮影当時をふり返った。一方の瀬田監督の作品も同様に、フワリと跳ねたり、飛んだりという体を使ったシーンが多いこともあり、渡辺さんから「ミュージカル映画に挑戦したりは?」と水を向けれらたが、「ミュージカルはお金がかかってしまう…(苦笑)」とインディペンデント映画ならではの苦悩を語り会場も苦笑い。この日の観客は映画業界を目指す若い世代の人々が多く、監督独自の「こだわり」について語る場面では、「この映画は、赤い京急線が走る川沿いで撮ったんですが…あまりカッコよくない町でした。でも、カッコよく撮りたいと思って、その川をセーヌ川のように撮ったり、原色が目立つコンビニの看板なんかはできるだけ入れないようにしました」とプロのこだわりを披露。しかし、インディペンデント映画に付きものの“ゲリラ撮影”で撮っていたようで、「(撮影中、)いろんな所から怒られました。猥雑な歓楽街ということもあったので、スタッフの1人がそっち関係の方に“ご挨拶”に行ったりしました…(笑)」と語り会場を驚かせていた。その後も、8ミリとデジタルフィルムの違いや映画編集の好き嫌い、映画を始めたきっかけなどなど会話は尽きることなく大きな盛り上がりを見せたが、最後に真利子監督は「でも、僕はただ面白いものだけを作っていく、追っていく、それだけだと思います」と語り、理論ではなく楽しむことだと映画業界を目指す若者たちに“真髄”を伝授し、その様子に瀬田監督も大きく頷いていた。これから、まだまだこのイベントは続くとのこと、渋谷から始まる新しい映画のうねり(=CINEASTE 3.0)をあなたも感じてみては?「CINEASTE 3.0」公式サイト■関連作品:NINIFUNI 2012年2月、ユーロスペースほか全国にて公開© ジャンゴフィルム、真利子哲也
2012年11月05日女優・玄里が映画の匠の素顔に迫る!対談インタビュー第2弾に登場してくれたのは、最新作『のぼうの城』が間もなく公開される犬童一心監督。『ジョゼと虎と魚たち』や『メゾン・ド・ヒミコ』などのほろ苦い愛のドラマから大ベストセラーを映画化した『ゼロの焦点』まで、多彩なジャンルの映画を手がけてきた監督が、今回は樋口真嗣監督と異例のW監督というスタイルで時代劇に挑んだ。足掛け9年で完成に至った本作について、映画少年だった頃からの変わらぬこだわりを聞かせてくれた。犬童:玄里さんは映画監督になることに興味があるの?玄里:いえ、私は女優として映画に関わっていきたいんですけど、実は私の弟は監督志望でいま韓国の大学で映画の勉強をしているんです。私も時々シナリオを一緒に考えたりしています。犬童:韓国の方がいまオリジナルの映画が作りやすい、日本とは全然違う。『のぼうの城』は和田竜さんが書いたオリジナルのシナリオがあったんだけど、映画化まで9年もかかって。日本はオリジナルの映画を作るのがすごい難しいんだよね。玄里:今回の『のぼうの城』は規模の大きさから9年もかかったのですか?犬童:それは大きいね。シナリオを小説にしてベストセラーになってやっと映画化にこぎつけた。玄里:監督の映画監督になるまでのルーツに興味があるのですが、最初から映画監督になろうと思ってCMを撮り始めたんですか?犬童:僕は17歳のときから8ミリで自主映画を作っていて、大学のときにはインディーズの世界ではある程度名が知られていたんだけど、仲間たちがそのままフリーで映画業界に進んでいったときに僕は就職しないと貧乏になると思って広告業界に行ったの。そこで6年くらいCMの制作の仕事をやってた。30歳を過ぎてCMディレクターになってからまた自分の作品を作るようになったんだ。大学の後輩だった山村浩二君(『カフカ 田舎医者』)と2人で作ったアニメーションが賞を獲って、その賞金で次の映画を作った。それを観た市川準監督が映画のシナリオを書かないか?って誘ってくれて、映画の世界に来たの。玄里:シナリオも書かれてたんですね。犬童:シナリオは仕方なく書いてたんだけどね(笑)。嫌いではないんだけど、やっぱり才能のあるシナリオライターさんに書いてもらった方がいいから。『のぼう』の和田さんとか『ジョゼ~』の渡辺あやさんとか、本当に才能がある脚本家が書いてくれたシナリオを撮る方がずっとおもしろい。玄里:渡辺さんと言うと、私は『メゾン・ド・ヒミコ』も本当に大好きで、必ず胸にガツンとくる台詞がありますよね。「触りたいものがないんでしょ?」とか。『ジョゼ~』も『メゾン~』もマイノリティというか弱者に対する視線がすごく優しいなと思って、それからずっと犬童監督の作品を観ているんです!犬童:かつて岩井俊二監督がサイトで「シナリオどんとこい」というシナリオを募って批評する企画をやってて、そこに一本のシナリオが送られてきて。『のぼうの城』も一緒に手がけた久保田(修プロデューサー)さんが読んで、それまで応募されたすごい数のシナリオを読んでたんだけど、初めて「このシナリオ読んでもらえないか」と僕のところに送ってきたのが、渡辺さんのシナリオだった。素晴らしかった島根に住んでる主婦の人が初めて書いたものだって言うからとても驚いた。この人はすごい、本物だって思ったの。その頃、大島弓子さんの「つるばらつるばら」という漫画をシナリオにするつもりだったから、それをあやちゃんに書いてもらうことにしたの。出来上がったシナリオが最初からすごく良くて。『ジョゼ』や『メゾン』も絶対にいいものになるという感触があったんだよね。その後『メゾン~』も完成まで5年くらいかかったんだけどね。玄里:『ジョゼ』や『メゾン』とは打って変わって『のぼうの城』は時代劇に挑んでますが、監督自身、どんなジャンルの映画が好きなんですか?犬童:ジャンルは特に…、映画であれば。ジャンルではなくて、“映画になってるか”どうかなんだよね。僕は小学生の頃からビリー・ワイルダーの映画に惹かれてた。『ワン・ツー・スリー』というコメディを観てすごく映画が好きになった。笑えて、スピーディで、くだらなくて楽しくて。それでいろんな映画を観るようになった。たぶん異常に映画を観てる子供で、野球か映画か好きなことしかしないみたいな(笑)。でもあるとき、小林信彦さんという小説家の方がある雑誌で「ビリー・ワイルダーは一流の脚本家だけど、一流の映画監督ではないんじゃないか」ということを書いていて。確かになあと思うところがあって、映画の奥深さ、謎に気付いた。高校生のときに読んで以来、ずっと映画を観るときはそれが頭の中にあるんだよね。面白さだけでなく、出来が悪くても“映画を観たなー”というものの方が自分の中で大事になって。もちろん『のぼうの城』みたいな映画はおもしろくて楽しくなきゃいけないから、そういう部分に一生懸命気を配ったんだけど、それと同時に“映画になってるか?”というのがすごく気になる。ここは間違いなく映画だという瞬間を作れているのかってね。玄里:たしか、以前に監督がホラー映画を撮りたいと仰ってたと思うんですが、それは本当ですか?犬童:そう、僕はホラーや怪奇映画が大好きで、そういった映画の作り方そのものが好き。実は『ジョゼ~』も『メゾン~』も『金髪の草原』もホラーや怪奇映画の作りがベースになってる。3つとも屋敷に変わった人が住んでいて、そこに普通の人が訪ねて来て、ドラマが生まれ、そこから出て行くまでの話なんだ。玄里:なるほど、お化け屋敷みたいな?犬童:そうそう、屋敷に住んでる人というのは一種のドラキュラみたいな存在で、本人のビジュアルや屋敷の美術がキャラクターを表現する。ドラキュラ映画のように作っていく。僕の中では『のぼうの城』は久しぶりの屋敷映画なんだ。玄里:『のぼうの城』についても聞きたいんですけど、先日観させていただいて、とにかく冒頭から目を引き付ける画が多いんです。大波を背に高笑いする秀吉役の市村正親さんを見て「狂ってるなぁ」とゾクゾクしたし、のぼうさまを探すため 大馬を乗りこなして村を駆けずり回る佐藤浩市さんの馬術に感嘆しました。歴史ものとファンタジーって実は紙一重なんだよなあと気づかせてくれる作品でしたね。そしてまさに萬斎さんありきの映画だなと感じました。今回、樋口監督と共同作業をされてますが、一緒に監督をやる中でケンカはなかったですか(笑)?犬童:それはよく言われるんだけど、僕たちの間でケンカは全く考えられないね。相談もしないけど、普通にひとりで映画を撮っていくのと同じように2人でやっていった感じだよね。たぶん誰にでもできるものじゃないと思うんだけど、何かを決めなきゃいけないときに、漫才の掛け合いみたいにやる。例えば、ぐっさん(山口智充)の衣裳をもっとワイルドにするってなったら、僕が毛皮を着せたいと言うと、さらに樋口さんが角をつけた方がいいんじゃないて言いだす、さらに顔に傷もつけようかあってなると樋口さんが甲冑全体が銀色がいいなとか言い出したりするわけ。そうやって発展して一つの魅力的なキャラクターが生まれていく。お互いのやりたいことを両方とも重ね合わせていくから、良い事が多いんだ。玄里:「銀色にしたい」と言われたときに“銀色はないよ”って思ったりはしないんですか…?犬童:思わないね。僕は最初から樋口監督をアーティストだと思ってるから、樋口さんが言った以上はそれを受け入れるし、それがすごくいいアイディアだと思うから。映画がそこでワンテンション上がるんだ。でも大概の監督はそうじゃないから、俺が、俺がだからね。僕と樋口監督だからできたんじゃないかな。玄里:長年連れ添うと夫婦って似てくるって言いますけど、モントリオール映画祭で樋口監督と一緒に兜を被っている写真を見て、すごく似ていらっしゃると思いました!犬童:連れ添う前から似てるの!玄里:そうなんですね(笑)!犬童:僕が痩せて一時期似てなかったんだけど、リバウンドでまた最近似てきたんだよね(笑)。その言葉通り、写真撮影の際にはお決まりといった調子で樋口監督と揃って仲良く兜を被り、少年の顔になった犬童監督。ぜひ、『のぼうの城』に込めた“映画の瞬間”をお楽しみあれ。■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年10月29日映画『二十四の瞳』や『楢山節考』など、数々の名作を世に送り出し、黒澤明と共に日本映画界の一時代を築いた映画監督、木下惠介。その木下監督の生誕100年を記念して、戦後の銀座を舞台にしたコメディ映画『お嬢さん乾杯』が2013年の初春新派公演で初めて舞台化される。10月18日、都内で会見が行われ、出演の水谷八重子、波乃久里子、瀬戸摩純、歌舞伎俳優の市川月乃助が登場した。1949年に公開された『お嬢さん乾杯』は、没落華族の令嬢と戦後成金の青年との不似合なふたりの恋を明るく軽快に描いた上品なコメディで、女優・原節子が唯一出演した木下作品としても知られている。また、今年5月に惜しくも世を去った新藤兼人監督が、映画脚本家としての地位を確立した作品でもある。今回の新派では成金実業家の青年・圭三を市川、没落華族の令嬢役で原節子が演じた泰子を瀬戸が演じる。また、本作が上演される来年は、新派にとっても創始から125年目を迎える節目の年でもある。劇団新派の要として長年劇団を支えてきた水谷と波乃は「来年も今年の続きとして、そのまんま走り続けていきたいです。『麥秋』『東京物語』(いずれも小津安二郎の名作を山田洋次が舞台初演出・脚本を手掛けた)に続いて戦後の昭和の姿を表現するという新しいジャンルを確立できれば嬉しいです」(水谷)、「その時代を感じさせるような劇団として、いい作品にできればと思います」(波乃)とそれぞれコメントした。物語の中心となる男女を演じる市川と瀬戸は「新派はまだ4度目ですが、新派125年の節目の公演に出させていただけて光栄です」(市川)、「劇団一丸となり必ず良い作品にしたいと思います」(瀬戸)と意気込みを見せていた。公演は2013年1月2日(水)から23日(水)まで東京・三越劇場で上演。チケットは11月30日(金)より一般発売開始。
2012年10月22日開幕中の第25回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている『イエロー』のニック・カサヴェテス監督と、私生活でのパートナーであり本作では監督との共同脚本、主演を務めたヘザー・ウォールクィストが10月21日(日)、揃って公式記者会見に臨んだ。安定剤を服用することで何とか自我を保っている女教師・メアリー。彼女が疎遠だった家族と向き合うことで過去と対峙していく姿を、ポップで斬新な彼女の心象風景、妄想ワールドと共に描き出す。2人は前日に到着したばかりだが、「今日は原宿に行ってきました」とカサヴェテス監督。初来日となるヘザーも「事前にグーグルで東京について散々、検索して来たので、それを実行に移すわ。明日はショッピングに行くつもり」と笑顔を見せた。2人での脚本執筆のスタイルについて聞かれると、カサヴェテスは「とってもシンプルさ。女性というのは一番エライものなので、彼女が『こう書きなさい』と言ったものを僕がせっせと入力していくんだ。彼女はキャラクターに関して素晴らしい感覚を持っている。『こんな人物でこういう展開』と繰り返し話してくれるんだけど、そのうちに僕の方が『もうほっといて、書いたものを読んでくれ』となるんだけど、書いたものを見せると『全然ダメ!』と言われて書き直す。その繰り返しだよ」と自虐的に語った。ヘザーによると「脚本の完成から1年半後にようやく撮影がスタートした」とのことだが、その後も苦労は絶えなかったそう。「撮影を開始して1週間でお金が底をついて中断。1年後に再開というのを繰り返したわ。本当に多くのプロデューサーが名を連ねているけど、誰が欠けても完成しえなかったと思うわ」と感慨を込めて語った。カサヴェテスも「完成したこと自体が奇跡。金がなくて撮影が中断という恥ずかしい事態に陥ったけど、ヘザーは『オクラホマに行けば何とかなるわ!』と言ってくれた。絶対に完成させるんだという強い意志を持って、オクラホマに行ったら少しずつ人が集まってくれて、お金も増えていったんだ。若い人に何より伝えたいのは、頑固に自分の考えを貫き通して、作品として完成させることが重要だってことだね」と言葉に力を込めた。ヘザーはこのカサヴェテスの言葉に「オクラホマにはカジノがあちこちにあるの。その件については彼に直接聞いた方がいいわ」とニヤリ。カサヴェテスは「ギャンブルが製作の過程にあったというわけではないんだけど…」とちょっぴり動揺した様子で語り、会場は笑いに包まれた。ビッグバジェットの作品から今回のような低予算のインディペンデント作品まで幅広く手がけるカサヴェテス監督だが、改めてインディペンデント映画の製作について「映画作りは僕にとって純粋な喜びであり、崇高な行為。スタジオ作品も撮ってきて楽しかったし高い報酬も手にしたけど、インディペンテント作品の製作はフィルムメーカーにとって一番楽しいことであり、観客にとっても同じだと思う。似たり寄ったりの作品を観続けるのではなく、(ヘザーのような)素晴らしい女優のパフォーマンスを見られるわけだからね」と語る。今後については「将来を予測するのは苦手」と苦笑しつつ、「作品づくりの一番の判断材料は自分がどれだけ関心を持てるか。インディペンデントの映画づくりにプロセスもスタジオ作品のそれもどちらも好きです。そこに愛情を感じられるかが重要。今回のように強く愛着を感じられるものを見つけて2~3年をかけて作れたら嬉しいね」とさらなる意欲を口にしていた。第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:イエロー© medient 2012第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催
2012年10月22日ティム・バートン監督の最新映画『フランケンウィニー』の映画公開を記念し、Q-pot.のデザイナーが限定アイテムをデザイン。ビックロユニクロ新宿東口店、ユニクロ銀座店、ユニクロオンラインストアのみの限定販売となっており、12月初旬に販売開始となる。独特な世界観で映画ファンを魅了するティム・バートン監督の最新映画『フランケンウィニー』。監督が1984年に制作した短編アニメを、新たに3Dで長編化。ディズニー史上最も奇妙な「フランケンウィニー」の映画公開を記念して、「Frankenweenie Tシャツ」と「Frankenweenie パーカ」を日本とアメリカで限定販売する。「遊び心」と創造性に溢れた東京ファッションシーンを牽引するお菓子をモチーフにしたアクセサリーブランドQ-pot.のデザイナー ワカマツ タダアキがデザインを施し、今までにないディズニーの世界観を表現する。また、ティム・バートン監督本人が書き下ろしたメンズグラフィックTシャツの発売も決定。監督は、グラフィックTシャツを制作するにあたり、「ユニクロとの特別企画により、新作映画『フランケンウィニー』の原画スケッチと映画シーンを使用したインスパイヤード・コレクションをお楽しみ下さい。」とコメント。ティム・バートン監督ファンや、ディズニーファンにはたまらないアイテム展開となっている。【FrankenweenieTシャツ】サイズ:ウィメンズS/M/L/XL価格:¥1,500柄数:7色柄【Frankenweenieパーカ】サイズ:ウィメンズS/M/L/XL価格:¥2,900柄数:2色柄ビックロユニクロ新宿東口店、ユニクロ銀座店、ユニクロオンラインストアにて12月発売開始【FrankenweenieグラフィックTシャツ】サイズ:メンズS/M/L/XL価格:¥1,500柄数:23柄ユニクロオンラインストアにて12月発売開始ユニクロ公式サイト:ディズニー映画『フランケンウィニー』2012年12月15日(土)3D/2D同時公開映画特設サイト:元の記事を読む
2012年10月06日脚本から監督・音楽・撮影・編集・プロデュースに至る1人6役を務めた、8年ぶりとなる最新長編映画『ヴァンパイア』について、“変態な純情映画”と自ら称す岩井俊二監督。瑞々しい美しさと毒気が同居する独特の世界観が映画ファンを魅了してやまない彼が“ヴァンパイア”を描く、と聞いたら気にならずにはいられない。本作で監督が目指したものとは――?女優・玄里が映画の“創り手”の素顔に迫る!第1弾は、岩井監督との対談をお届けします。玄里:初めて監督とお会いしたのは昨年の釜山国際映画祭でしたよね。ちょうどそのとき『ヴァンパイア』を出品されてたんですよね?岩井:そうそう、映画祭を回り始めたのが(昨年の)1月からだったから、作ってからずいぶん経つね。玄里:今回、カナダのバンクーバーで撮影されて、日本から少人数のスタッフで撮影を行ったと以前に話されていたと思うんですけど、監督は脚本から撮影まで…6役こなすのは大変ではなかったですか?岩井:実際はストーリーボードを書いたり、デザインもやったりしてるからもう少しやってるんだけど、いつもと違うのは自分でカメラを回すというところだけで、あとは大体いつもと同じ感じで、自分で企画して、本書いて、撮って、編集して仕上げていくっていう。映画1本を自分でこなすというのは学生時代以来だね。玄里:カメラを回すのは楽しかったですか?大変でした?岩井:大変だね。全部自己責任で、自分でフォーカスを送らなきゃいけないから、間違えたら自分のせいになるというね(笑)。すごく緊張感があった。玄里:主人公の男の子(サイモン)の服が岩井監督の私服に似てるなって思ったんですけど(笑)、偶然ですか?西洋人なんだけど、西洋人ぽくないというか。岩井:自分が着るものもそうだし、マットなものが好きだったり、多少抽象的なところがいいんだろうね、物語を遮らなくて。オレっぽかったとか、オレに似てると言う人が多いんだけど、そうなのかなと思うんだけど…。ケヴィン(・ゼガース)はどちらかというと素朴なタイプの子じゃなくて、トム・クルーズみたいな系統の印象があったから。この話は派手なところが出ちゃうのは違うから、そこはもっとギークな感じでやろうと話して作り上げていったんだ。やっぱり自分の中では、そんなに自分っぽくやったつもりはないかな…?玄里:たぶん、話し方とか似てるんですよね。例えば、保健室で蒼井優ちゃんが自殺未遂をした後に慰めるシーンで、「君の体の中には細胞がいくつもあるから、それを生かしてあげなきゃいけない」という台詞が印象的で。以前、私が車の運転が下手なのを相談したときに「ニシキヘビに雁字搦めになるより、熊に襲われるよりいいじゃん」みたいなことを監督が言ってたの覚えてます?何かそのときを思い出したんです。岩井:そうだっけ(笑)?確かに、あれは自分っぽいかもしれないね。今回、『ヴァンパイア』の小説で、主人公の脳の中を語っている話を書いてるんだけど、“血を飲みたい”という衝動がどこから来ているのか、その衝動のゆくえがどこにあるかって辿ると命とか宇宙とかなのかな、みたいなことが展開されるんだよ。彼の衝動って、男性にとっては性欲のメタファーだったりするから、男の人は自然にあの一連の行為を「ああ、そういうことなんだな」って感じると思う。玄里:血を飲むという行為がですか!?岩井:あそこまでして血を飲んだのに吐いちゃって、吐いたらすっきりして小便して去っていくという。あのあっけなさが男性は変なところで合点がいく造りになっていて、なぜ彼が血を飲みたいのか分からないけど、“上がって降りていく”一連のパターンが男性だと分かるんだよね。女性でも分かるのかな?玄里:血を飲む…うーん。岩井:何かに取りつかれたようになるんだけど、何かが満たされると急に興味がなくなったり。でも何かすると、また火が付いてしまったりとか。こういうパターンってあるよなという。玄里:なるほど。じゃあ、主人公ももしかしたらいずれか血を飲むことに満足して、血はもういいやってことになるかもしれないってことですね。岩井:女の子の前で話すと照れるんだけど、男を主人公にすると男のどうしようもないダメな部分を描きたくなるんだよね。真面目ぶって立派な人を描く気持ちになれなくて。社会的にとか人間性とかじゃなくて、根源的にオスであるという。そこまでいくと自分も安心して受け入れられるというか…。自分の作品の中で立派な人とか、ちゃんとしている人ってあまり出てこないんだよね、バカな人ばかり出てくる。今年は『番犬は庭を守る』、『ヴァンパイア』と男性の主人公が続いてるけど、それを女性にするときもあって。自分の中ではどっちも自分のエッセンスが入ってるから、そんなに大差ないんだけどね。だけど、観る側に偏見があって、男がやると許されなくても女の子だと許されることもあるんだよね。例えば『四月物語』の主人公(松たか子)を男にしちゃうと、危ないストーカーに見えちゃうしね(笑)。玄里:あくどい感じになりますね。岩井:そうなの、男からすれば不公平だろって話なんだけど。『ヴァンパイア』もその気になれば主人公を女の子にできるよね。元々、吸血鬼・カーミラという代表的な古典の吸血鬼ものがあって、それは女の子が男の子を狙う話だし、『ぼくのエリ 200歳の少女』もそうだよね。玄里:岩井監督は元々ヴァンパイア映画は好きなんですか?岩井:子供の頃は、夏になると必ず洋画劇場とかで『吸血鬼ドラキュラ』のシリーズをやっていて、夜9時の時間帯で、ただでさえ白人が出てくると怖いわけよ。見慣れないし、血を吸ったりしてるから、ヴァンパイア映画を観るとそれが頭の中で循環しちゃって、洋画を観れば観るほど白人が怖くなってくるというスパイラルに入ってて、とにかく怖かったね。そうこうするうちに『エクソシスト』が出てきて。ラブストーリーとか、何も起きないものを観てても急にガッとやられるんじゃないかって。玄里:いつか牙を出すんじゃないかって(笑)。岩井:それが大学のときに萩尾望都さんの「ポーの一族」という漫画を読んで、それは漫画の中でベスト5に入るくらい大好きな作品なんだけど、これは吸血鬼の不老不死をテーマにしているんだけど、それに憧れて、友達と自主映画でそういう映画を作ったことがあるの。その頃からヴァンパイア映画に一方ならぬ思い入れがあって、プロになったら作ってみたいなと思ってたんだけど、プロになってからはまだ誰も作ったことがないような、ヴァンパイア映画って呼んでいいのか分からないくらいのものを目指したくなったんだ。ヴァンパイアじゃないから『ヴァンパイア』というタイトルなんだよね。『ヴァンパイア』というタイトルをつけたいから、ヴァンパイア映画じゃないものにしたかったというか。この映画は自分の中では、コメディのつもりなんだ。玄里:最後のシーンとか…?岩井:それもあるし、見えない美しい世界を追い求めていけばいくほど、逆の結果が待ち受けているという、そんな世界を描いてる、ある種のブラックコメディなんだよね。そう見ると、非常に不謹慎なことばかり描いてる作家なのかもしれないけど。ユーモアも含めて、不謹慎は大事だと思う。マス目だけで作ってても楽しめないからね。■関連作品:ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年09月14日ダグ・リーマン監督が、推理小説家オレン・スタインハウアー原作の「ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ」(ハヤカワ文庫NV刊)を映画化することとなった。マット・デイモン主演の『ボーン』シリーズや『Mr.&Mrs.スミス』などを手がけてきたヒットメーカーのリーマン監督だが、今回の同スパイ小説の映画化で監督とプロデューサーを兼任する契約を結んだという。本作は、CIA諜報員ミロ・ウィーバーが世界的な犯罪に挑む中で、雇われ暗殺者を追っていくうちに深みに陥ってしまうというスリラー作品だ。同原作の原題が、ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリー共演作『ツーリスト』の原題と同じ「ザ・ツーリスト」であることから、映画化では別のタイトルが採用されることになる模様。リーマン監督は現在、日本のライトノベルを原作に、トム・クルーズ主演で贈る『All You Need Is Kill』(原題)の撮影中だ。
2012年09月12日現在開幕中の第69回ベネチア国際映画祭で日本から唯一のコンペティション部門正式出品を果たした『アウトレイジ ビヨンド』を引っさげ、北野武監督が単身現地入り!9月3日(現地時間)の記者会見、さらに夕方に行われたレッドカーペット・イベントに出席し、海外ファンたちからの歓声に応えた。前作『アウトレイジ』で描かれた、関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友(ビートたけし)は利用される羽目に。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争へと発展していく――。世界各国の報道陣が集まった記者会見では、やはり震災後に撮られた作品とあってその影響についての質問が飛び交ったが、「震災でたしかに映画の撮影は一年延びた。震災後の一年間は、逆に自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆とか愛とか表面的なものばかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と相変わらずの毒の効いたコメントで返した北野監督。さらに、本作は“観客”のために作ったものだとも明かし、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのは嬉しいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した。そうすると、自分にとっては、家庭、女、女房、子供とかは排除する結果になり、馬鹿な男の話になった。その方が楽しんでもらえるかなと思った。けれども、いつでもお客さんの入らない映画を作る準備もしているよ(笑)」と冗談を交えるなど、衰えぬ“世界のキタノ”のインパクトを与える会見となった。さらに、夕方から行われたレッドカーペットでは、会場に「北野武映画の神様」と漢字で書いた横断幕をもつ熱狂的なファンの姿(写真上)も見られ、会見とは打って変わって北野監督は和やかな様子でファンから求められる握手やサインに応じていた。また、その後には本作の上映も行われ、「ブラボー!」という称賛の声と共に満席の会場では総立ちの観客から拍手喝采が贈られた。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ベネチアにて開催。授賞式は同日最終日に行われる。(photo:KAZUKO WAKAYAMA)■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月04日『復讐者に憐れみを』、『オールド・ボーイ』、『親切なクムジャさん』で知られるパク・チャヌク監督が、新作ウェスタン映画『The Brigands Of Rattleborge』(原題)で自身2本目となる英語作品を手がける可能性が出てきた。S・クレイグ・ザラーが執筆した同作の脚本はハリウッド業界人によって選ばれる注目脚本のリスト「ブラックリスト」2006年度版にランクインしており、あまりの残虐なバイオレンス描写でお蔵入り状態が続いていたが、今回、パク監督が同作に興味を示しているという。同作は激しい雷雨の機会を狙って盗みを繰り返す盗賊団に対して、とある町医者が復讐を企むというストーリーである。パク監督の初英語作品『Stoker』(原題)にはニコール・キッドマン、ミア・ワシコウスカ、マシュー・グードらが出演しており、「プリズン・ブレイク」でおなじみのウェントワース・ミラーが同作で脚本家デビューを果たしている。『Stoker』は来年3月1日(現地時間)に全米公開予定。
2012年09月03日9月6日(現地時間)から開催となる第37回トロント国際映画祭からさらなる吉報!日本映画界を牽引する奇才、内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』がこのほど同映画祭の「コンテンポラリー・ワールド・シネマ」部門に正式出品されることが決定した。劇場デビュー作『運命じゃない人』が第58回カンヌ映画祭で喝采を浴び、世界にその名を知らしめた内田監督。騙し騙される仕掛けたっぷりのオリジナル・ストーリーと軽妙な人情劇を生み出す、類まれなる才能は国内はもとより世界各国で知られるところ。今回出品されるのは「世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品」を選出する部門であり、本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『別離』が出品された部門でもある。昨日発表されたタナダユキ監督の最新作『ふがいない僕は空を見た』と同部門での出品となる。既に上海映画祭で最優秀脚本賞を受賞している本作は、トロント国際映画祭以外にもマレーシア日本映画祭のオープニング上映を始め、香港国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭など12を超える世界中の映画祭からオファーが殺到している注目作。「考え抜かれ、完璧に練られた構成の素晴らしい脚本」というジョバンナ・フルヴィ氏(トロント映画祭プログラマー)の太鼓判に加えて、映画評論家であり、数々の映画祭のプログラマーを務め、三池崇史や北野武など日本の監督を広く世界へ紹介したことで知られるトニー・レインズ氏からも「自分が作り出した登場人物たちをここまで愛せる監督は内田けんじ以外にいないし、それはとても素晴らしいこと。彼は複雑なプロットと鋭さの中に、登場人物たちをユーモアたっぷりに融合させ、エンターテインメント性の高い映画を作り出す。内田さんは、現代で最も先端を行く監督のうちの1人。いま一番、注目しています」と監督冥利に尽きる最大の賛辞が寄せられている。『鍵泥棒のメソッド』は9月15日(土)よりシネクイントほか全国にて公開。■関連作品:第37回トロント国際映画祭 [映画祭] 2012年9月6日から2012年9月16日までカナダ・トロントにて開催鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年08月15日『ラスベガスをぶっつぶせ』、『決闘の大地で』の女優ケイト・ボズワースが1年前から交際中の映画監督、マイケル・ポリッシュと婚約したことが明らかになった。ケイトが「Vogue.com」に掲載している韓国への旅行日記上で自ら明かしたもので、彼女は「ソウル第1日目、婚約者のマイケル・ポリッシュと私は思い切って昌徳宮を探訪することにしました」と記した。日記には街の風景やホテルのエレベーター内でドレスアップした2人のツーショットなども盛り込んで、韓国での日々が綴られている。2人は、ケイトがマイケルの監督作『Big Sur』(原題)に出演したのをきっかけに交際が始まった。昨秋頃からケイトは左手薬指にシンプルな金の指輪をはめていて、マイケルと極秘結婚したのでは?と、うわさになったこともある。ケイトは現在29歳、マイケルは13歳年上だ。かつてはオーランド・ブルームやアレクサンダー・スカルスガルドといった二枚目スターと交際してきたケイト。今年4月に出演作『L!fe Happens』(原題)のプレミアでは「E! News」の取材に「しばらくシングルだったけど、いまは決まった相手と落ち着いていて幸せよ」と語っていた。(text:Yuki Tominaga)© Tsuni/Gamma-USA/AFLO■関連作品:決闘の大地で 2012年4月14日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2010 Laundry Warrior Ltd. All Rights Reserved.ラスベガスをぶっつぶせ 2008年5月31日より有楽座ほか全国にて公開© 2008 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved
2012年08月10日『レ・ミゼラブル』、『マン・オブ・スティール』(原題)と話題作への出演が続く俳優のラッセル・クロウが、伝記映画で長編映画の監督デビューを飾るようだ。アメリカのスタンダップ・コメディアン、ビル・ヒックスの生涯を描く伝記映画については、数年前にもラッセル主演で企画が進行していたが、お蔵入り状態になっていた。しかし今回、同じくビルを主人公に描く新作企画が再浮上し、ラッセルは役者としてでなく監督デビューを果たす見込みだという。同作のタイトルはまだ決まっていないものの、来年にもクランクイン予定とのこと。ラッセルの同級生で脚本家のマーク・シュタウファーは「ビル・ヒックスの人生は悲劇的に短いけど、驚くほど興味深いものなんだ。既にシナリオはいくつものドラフトを経ているし、来年には本格的に製作に移れるはずさ」と語っている。80年代から90年代初期にかけて、銃支持団体や宗教団体を始め世間の偽善一般をシニカルに攻撃する芸風で人気を博していたビル・ヒックスは、1994年に32歳という若さで亡くなっている。マークによれば、次の課題はビル役を見つけること。「これは大役だよ。その上、監督はあのラッセルときてるからね」とコメントを寄せている。また、2010年に公開されたドキュメンタリー作品『AMERICAN:The Bill Hicks Story』(原題)の製作者は、ラッセルが今回の新作の準備のためにビルの家族と連絡を取っているとも明かしている。■関連作品:マン・オブ・スティール (原題) 2013年夏、全国にて公開© Warner Bros. Ent. All Rights Reservedレ・ミゼラブル 2012年12月28日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開
2012年07月25日『ハンガー・ゲーム』のゲイリー・ロス監督が、ディズニー作品『ピーター・パン』の前日譚を描く『Peter and the Starcatchers』(原題)の監督を担当する可能性が出てきた。実は、『ハンガー・ゲーム』シリーズの第2弾となる『The Hunger Games:Catching Fire』(原題)の監督オファーを蹴っていたゲイリーは現在、このディズニー作品との交渉を行っているという。デイヴ・バリーとリドリー ピアスンが共著した原作「ピーターと星の守護団」(主婦の友社刊)を基に、ジェシー・ウィグトウが脚本を手がける本作は、ピーター少年がネバーランドに向かう船の中で友達となった少女・モリーから、海賊の黒ひげ団から守らなければいけないという魔法の星が詰まったトランクの存在を知らされたことをきっかけに、2人の冒険が始まるというストーリー。かの「ピーター・パン」の前日譚となるアクション・アドベンチャー作品である。同作は既に「PETER AND THE STAR CATCHER」とというタイトルでミュージカル化されており、トニー賞を5つも授賞している。■関連作品:ハンガー・ゲーム 2012年9月28日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2012 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
2012年07月19日7月5日、東京・本多劇場で初日を迎えた舞台『スペーストラベラーズ』。2002年に活動を停止した人気お笑い集団・ジョビジョバの出世作であり、映画監督の本広克行がその脚本に惚れ込み、自らの映画『スペーストラベラーズ』(2000年公開)の原作として採用したことでも知られている。今回、新たなキャストとスタッフで復活することになった本作の、脚色と演出を務めた細川徹からコメントが寄せられた。「スペーストラベラーズ」チケット情報「何度も見ている舞台なのに、自分も見ていてお客さんと一緒にたくさん笑ってしまいます。ラストシーンを含めて、オリジナル(の舞台)と変えている部分もいろいろあります。オリジナルを見ている人も、映画を見ている人も、何も見ていない人も、何も考えずに楽しめる作品だと思います。すでにすごく面白いですが、お客さんに観てもらうことでさらに面白くするのりしろがある舞台です。この先もドンドン変化していくと思いますので、2度、3度と見て楽しんでください」。物語は、とある田舎が舞台。ふたり組の強盗が銀行を襲撃するが、手際のよい警官隊に包囲されたちまち大ピンチに陥ってしまう。そのとき、強盗のリーダーの頭の中でキラリとアイデアが閃く。強盗と人質、警官隊が繰り広げる手に汗握る一幕もののシチュエーションコメディ。出演は河合龍之介、大水洋介(ラバーガール)、飛永翼(ラバーガール)、富田昌則、富岡晃一郎、そしてジョビジョバのメンバー坂田聡。公演は同所にて7月15日(日)まで上演する。チケットは発売中。なお、現在上演中の作品は“side;summer”バージョンだが、12月には“side;Winter”バージョンの上演も決定した。タイトルと演出家、劇場は同じだが、キャストが異なるバージョンになるようだ。キャストは近日公式HPで発表される。
2012年07月09日6月24日(日)で閉幕した第15回上海国際映画祭にて、コンペティション部門に出品していた内田けんじ監督×堺雅人主演の最新作『鍵泥棒のメソッド』が、脚本賞を受賞!日本映画が脚本賞を受賞するのは、同映画祭史上初となる。ある日、銭湯で転倒し記憶を失った伝説の殺し屋と、一人の売れない貧乏役者、2人の男の人生が入れ替わるところから始まる予想不可能なストーリー。転倒した男の持っていた大金に目がくらみ、彼に成りすます貧乏役者・桜井に堺雅人、記憶を失い自分が桜井だと思い込んでいるコンドウに香川照之が扮するほか、役者として努力するようになるコンドウに恋をする婚活中の女性編集長・香苗に広末涼子が扮し、絶妙な笑いを生み出す。106の国と1,643の地域から集まった応募作品から選出された17作品で争われた同コンペティション部門に、日本から唯一選出された本作。オープニング・レッドカーペットでは、ジャッキー・チェンやトニー・レオンなど錚々たるアジアのトップスターが歩く中で、現地入りした堺さん、広末さん、内田監督は大歓声でもって迎えられ、舞台挨拶では200人以上のファンが駆けつけるなど、作品に対する期待の高さをうかがわせていた。今回の快挙を受け、脚本・監督を務めた内田監督は「映画の脚本は、映画が完成したときに完成するものだと思っています。この映画に参加してくれたスタッフ、キャスト全ての人に感謝しています。ありがとうございました」と感謝。緻密な計画のもと、二転三転していくストーリーが観る者を常に騙し、虜にしていく監督の作品だが、既にその脚本力はアジアで高く評価されており、前作『アフタースクール』のリメイク権に中国の映画会社2社からオファーがあり、そのうちの1社が権利を獲得、製作開発中であるほか、デビュー作『運命じゃない人』は韓国でリメイクされ『COUPLES』と言うタイトルで昨年公開されている。今回の受賞により、本作にもさらなる注目が集まることが大いに予想される。『鍵泥棒のメソッド』は9月15日(土)よりシネクイントほか全国にて公開。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年06月25日『リアル・スティール』のショーン・レヴィ監督が、「セサミストリート」の映画化作品をプロデュースすることになった。米20世紀フォックス社が長寿TV番組「セサミストリート」の映画化権を獲得したのを受けて、レヴィ監督はマイケル・アグィラー、マーク・ゴードン、ガイモン・キャサディらと共に、同プロジェクトにプロデューサーとして参加することが決まった。長年同番組を手がけているジョーイ・マザリーノが脚本を担当する。1969年に始まって以来、合計138回のエミー賞を受賞している同番組は、1985年の『セサミストリート ザ・ムービー:おうちに帰ろう、ビッグバード!』と、1999年の『エルモと毛布の大冒険』とで過去2回、映画化されたことがある。レヴィ監督は、『ミッドナイト・イン・パリ』のオーウェン・ウィルソンとヴィンス・ヴォーンが再共演を果たす新作コメディ作品『The Internship』(原題)のクランクインを7月に控えている。同作は、オーウェンとヴィンス演じる突然リストラされた中年会社員2人が、再起を賭けて大手IT企業でのインターンを始めるというストーリーになるようだ。■関連作品:リアル・スティール 2011年12月9日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© DreamWorks II Distribution Co. LLC
2012年06月22日映画監督や製作に携わるクリエイターから、配給・宣伝に携わるディストリビューターまで、映画業界に数多くの人材を輩出している映画学校「ニューシネマワークショップ」(以下、NCW)。今年4月に設立15周年を迎えたのを記念して、5月13日(日)、同校の出身で、今月公開の『宇宙兄弟』、『ガール』という話題作をそれぞれ手がけた森義隆監督と深川栄洋監督の2人によるセミナーが開催。日本映画界を引っ張る2人が「映画監督になるには!」をテーマに熱い持論を交わした。『狼少女』(’05/深川監督)と『ひゃくはち』(’08/森監督)で、共に20代で長編劇場用映画でデビューを果たし、30代に突入してからメジャー配給映画の監督として抜擢された2人。元々はどちらも監督志望ではなく、深川監督は脚本、森監督は演劇俳優を志していたそうだが、映画作りに興味を抱きNCWの門を叩いたという。実践の授業の中で2人が特に学ぶことが多かったと明かすのが、役者の演出。「“役者の資質をどれだけ役に引っ張ってこられるか?”を常に考えていた。現場で起こる“生モノを大事にしたい”という考えはいまに繋がっている」(森監督)。NCW卒業後は実家の稼業を継ぎながら、自分で制作費を集めるなどプロデューサー的な動きをしながら監督として映画制作にチャレンジし続けてきた深川監督は、間もなく公開となる映画『ガール』の撮影について、「日本版『SEX and the CITY』を作りたいと聞き、男の自分には向いていない作品ではないかと一度オファーを断った」ことを告白。だが、プロデューサーから言われた「そう思っているのは君だけ」という言葉に納得し、監督することを決意、女性誌や女子会への参加でとことん女性のことを研究したそう。さらに、撮影中にはストレスで肺気腫になりながらも現場に出てやり遂げたという涙ぐましい苦労も。一方、同校卒業後はテレビ番組制作会社に入りドキュメンタリーを制作してきた森監督は、NCW時代の映画に主演した友人との再会をきっかけに、2007年『ひゃくはち』の撮影をスタート。本作が「宇宙兄弟」の原作者と編集者の目に留まり、直々に映画化のオファーがあったという。本作の撮影では、40分にも及ぶ長回しやアドリブの撮影も行ったといい、“生モノ”を大事にしたいという監督のこだわりを垣間見せた。今後の活動については、次回作の製作がほぼ決まっているという森監督は「これまではマイルドな描写で間口の広い作品を作ってきたので、次は自分の照れをとっぱらって(登場人物の)人格を、より深いところまで掘り下げられるような作品を目指したい」とコメント。深川監督は、新境地を開いた『ガール』の後は「少し充電期間に入りますが、5年計画くらいでまた新たなチャレンジをしていくつもり」と抱負を語った。これからの日本映画界を背負って立つ2人の活躍から目が離せない!『宇宙兄弟』は現在、全国東宝系にて公開中。『ガール』は5月26日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ガール 2012年5月26日より全国東宝系にて公開© 2012 "GIRL"Movie Project宇宙兄弟 2012年5月5日より全国東宝系にて公開© 2012「宇宙兄弟」製作委員会■関連記事:岡田将生、“兄”小栗旬からのサプライズの感謝の手紙に涙!深川栄洋監督、撮影中は香里奈、麻生久美子らのガールズトークにタジタジ?麻生久美子、出産後初の母親役はパンクロッカー!『グッモーエビアン!』特報解禁小栗旬&岡田将生、『宇宙兄弟』興収30億円も射程圏内のロケットスタートに浮き足立つ!『宇宙兄弟』新井浩文×濱田岳インタビュー「目をつけるとこが一緒なんです(笑)」
2012年05月17日鈴木おさむ原作「芸人交換日記〜イエローハーツの物語〜」が内村光良監督によって映画化!自身もお笑い第三世代としてお笑い芸人たちの世界をよく知る、ウッチャンナンチャンの内村光良が、自分も経験してきた「お笑い芸人たちの青春」を温かくもリアルに描く。内村が映画のメガホンをとるのは、監督・脚本・主演を務めた『ピーナッツ』以来約7年ぶり2作目。結成12年目、いまだ鳴かず飛ばずのお笑い芸人「房総スイマーズ」。これまで、コンビの今後について真剣に話すことを互いに避けてきたふたりも、気がつけば30歳。お笑いに懸ける思いは本気。でももう後がない。だから何とかして変わりたい。そう思ったふたりは、「交換日記」を使ってコミュニケーションを取り始めた。お互いの本音をぶつけ合うために。伊藤淳史と小出恵介がW主演、数々の話題作に出演し、20代後半となり実力派俳優として活躍中の2人の競演は必見だ。●内村光良コメント自分に最も近いお笑いの世界の話なので、その物語を映像化するにあたっては脚本作りにも時間をかけ、劇中のネタについては主演俳優の二人とも準備を繰り返してきました。皆様に楽しんでいただける作品を目指し日夜頑張っています。お笑いの世界のコンビの物語ということではありますが、劇中のネタを原作の“漫才のコンビ”から“コントのコンビ”に変えさせていただきました。新たな挑戦になりますが、新鮮だし緊張もあり、大変だけど楽しいです。絶対に良い作品にしたいと思いますので、ご期待下さい。●伊藤淳史コメント多くの人に共感してもらえるようなリアリティがある物語だと思います。夢を諦めるとか、そこにある葛藤、選んだ道の先にある悲しみや喜び、そういう所をしっかり伝えていければ良いと思います。コントで笑えて、物語で感動できる作品になると思います。●小出恵介コメントとても良い物語で、オファーを頂いた時すごくやりたいと思いました。痛いぐらいリアルで、鈴木おさむさんが見てきたものの集合体なんだろうと。監督が本物のお笑い芸人さんで、伝説的な方なので、お笑い芸人の役をこちらが背負って監督のイメージに近づけていくことの難しさを感じながらも、楽しんで演じています。●鈴木おさむコメント僕の書いた小説「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」が内村さんの手により「ボクたちの交換日記」として映画化されるなんて、本当に興奮です!僕が放送作家になりたい!と思ったったきっかけとなるテレビ番組に出ていたのは内村さんでした。多くの芸人さんの夢が叶い、そして夢が散る所を沢山見て来た内村さんだからこそ、他の監督では絶対に出来ない作品になるはずです!そして、主演の二人、伊藤さんと小出さん。この二人が田中・甲本を演じている姿を想像するだけで、涙が出てきてしまいます!最高の監督と最高の出演者で作られるこの物語「ボクたちの交換日記」。昔、夢を諦めたことのある人も、今、夢ともがいている人も、絶対絶対見てほしい映画になることでしょう!作品情報『ボクたちの交換日記』監督・脚本 内村光良原作:鈴木おさむ出演:伊藤淳史、小出恵介
2012年05月10日シータ奪還に向かうパズーに全年代が共感!!国内だけでなく、海外でも人気の高い宮崎駿監督の映画作品。その深いテーマ性を持つ冒険活劇や美しいアニメーションは、どんな気むずかしい大人も童心にかえらせてしまう魔法に満ちていますよね。まさに日本の宝と言っても過言ではありません。そこで今回は男性333名に「外国人にも絶対見てもらいたい!!宮崎駿監督映画」を聞いてみました。>>女性編も見るQ.外国人にも絶対見てもらいたい宮崎駿監督映画と言えば?(複数回答)1位『天空の城ラピュタ』32.7%2位『となりのトトロ』29.1%3位『もののけ姫』28.8%4位『千と千尋の神隠し』24.9%5位『風の谷のナウシカ』23.7%■『天空の城ラピュタ』を見てもらいたい!!・「生命を賭してシータを守ろうとするパズーの心意気が素晴らしい」(36歳/自営業/その他)・「武力だけじゃ何ともならない世界もあるって知ってほしいから」(30歳/情報・IT/技術職)・「欲望に走る者は滅びる」(31歳/自動車関連/営業職)・「メリル・ストリープにドーラ船長を演じてもらえるのなら、アメリカ人にも間違いなくラピュタの良さを理解してもらえる」(29歳/情報・IT/事務系専門職)・「バルス!!」(44歳/情報・IT/技術職)■『となりのトトロ』を見てもらいたいい!!・「日本の古き良き時代を描写している作品だから」(27歳/その他/事務系専門職)・「かわいくて楽しい世界観は世界共通だと思う」(31歳/電機/営業職)・「日本の美しさを知ってもらいたい!」(29歳/ソフトウェア/技術職)・「やさしい化け物は外国人にも受けそう」(30歳/商社・卸/事務系専門職)■『もののけ姫』を見てもらいたい!!・「日本の神秘性みたいなものがあるから」(38歳/学生/その他)・「アクションシーンに力が入っている」(28歳/情報・IT/技術職)・「自然と人間の関係について、日本人の根源的な部分をよく表現できているので」(42歳/ホテル・旅行・アミューズメント/技術職)■『千と千尋の神隠し』を見てもらいたい!!・「和風な雰囲気が出ていて外国人でも楽しめると思う」(29歳/その他/技術職)・「湯屋や八百よろずの神など日本の文化が描かれている」(50歳以上/フリーランス/クリエイティブ職)・「斬新だと思う」(28歳/食品・飲料/技術職)■『風の谷のナウシカ』を見てもらいたい!!・「世界に警鐘を鳴らしているテーマ性がいい」(38歳/その他/営業職)・「宮崎アニメの原点なので」(50歳以上/情報・IT/営業職)■番外編:この映画を見てもらいたい!!・『紅の豚』:「男のロマンに共感してもらえると思う」(27歳/その他/販売職・サービス系)・『崖の上のポニョ』:「今見てもらうならこれ!日本の環境や文化、考え方などを感じてもらえると思うから」(27歳/その他/その他)・『魔女の宅急便』:「ストーリーが外国人受けすると思う。またキキのかわいらしい描写は日本のアニメならでは」(50歳以上/機械・精密機器/営業職)総評「シータ奪還のために冒険に向かうパズーの心意気に共感した」などの理由で、『天空の城ラピュタ』が幅広い年齢層から支持を集めて1位を獲得しました。ラピュタという幻の城をモチーフにした冒険活劇や、ロマンに満ちあふれたストーリーは本当によく練られていて見るたびに心を揺さぶられますね。名場面は数多くありますが、なかでも読者の心にはバルスを唱(とな)えるシーンが深く残ったようです。日本の古き良き時代を描いた『となりのトトロ』は2位。自然との調和や日本の情緒を作品から強く感じ取れるところに票が集まったようです。確かに外国人に見てもらうなら、こんなほんわかした日本がいいですよね。3位の『もののけ姫』と4位の『千と千尋の神隠し』は、いずれも日本の文化や神秘性について描かれているのが人気の理由。外国人には理解しづらいと思われるシーンもありますが、異国情緒という点では確かにこの2作品が双璧と言えるでしょう。5位の『風の谷のナウシカ』は、自然と人類の調和という普遍的なテーマを扱っている点に支持が集まったようです。実際、作中に出てくる腐海は、現代の日本や世界にとって決して絵空事ではありません。どちらかというと日本的な雰囲気を持つ作品が中心になりましたが、これは「外国人に見てもらいたい」という前提があったからだと思われます。その前提が変われば、各作品の順位も少し異なっていたでしょうね。(文・山口優)調査時期:2012年2月29日~3月6日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:男性333名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング男性編】見に行きたい!!実際に作ってほしいジブリの建物ランキング【ランキング男性編】『となりのトトロ』のサツキに将来就いてほしい職業ランキング【ネタバレもありの徹底解明コラム】悪役ムスカが憎めないわけ完全版(画像などあり)を見る
2012年04月08日アーティスト、俳優として幅広いフィールドで活躍する福山雅治が、約5年ぶりとなる最新主演映画で、日本映画界を牽引する名匠・是枝裕和監督とタッグを組むことが発表された。一昨年に放送され高視聴率を収めたNHK大河ドラマ「龍馬伝」では坂本龍馬を演じ、社会現象を起こすと共にギャラクシー賞を受賞するなど役者として高い評価を得た福山さん。映画への出演はゲスト出演作品が数作のみで、主演を務めた映画は2008年に公開された『容疑者Xの献身』のみと意外に少なく、主演作は同作以来約5年ぶりとなる。本作で初タッグを組むのは、『ワンダフルライフ』(’99)、『誰も知らない』(’04)など数々の傑作人間ドラマを送り出してきた是枝監督。柳楽優弥に史上最年少の最優秀男優賞をもたらしたカンヌ国際映画祭など、国際映画祭の常連としても知られる監督とあって、福山さんの海外へのアプローチも期待される。未だタイトルの決まっていない本作は、3月25日(日)にクランクインを迎えたが、福山さんは「是枝監督が2012年のいま、リアルタイムで思い描くテーマに参加したい、ということが動機でした。ですから、どんな役でもやらせていただければと思っています。とにかく楽しみです!」と意気込み十分。是枝監督も初めてとなる福山さんとのタッグに「映画のストーリーを決める前から何度も福山さんにお会いして、どんな映画にするか?どんなキャラクターを演じてもらうか?一緒に考えて来ました。新鮮なコラボレーションがどう作品に結実するか、僕自身も期待しています」と胸膨らませる。国際映画祭への出品を始め、海外での公開も視野に入れているという本作。公開は2013年の秋を予定している。
2012年03月26日イギリスの作家マイケル・モーパーゴの同名小説を基に、戦火に引き裂かれてしまう少年と馬の友情の行方をドラマチックに描いた『戦火の馬』。監督を務めたスティーブン・スピルバーグに、映画完成までの道のりを聞いた。●この物語をどうやって映画として描こうと考えられましたか?あの小説(もちろん舞台版を見た時にもインスピレーションを受けていますが)から私が真っ先に採用したのは、とても厳しく容赦のない地主によって苦境に立たされている家族が、この農場を続けるためには時間が足りないというアイデアでした。酔いどれ状態の父親は農場を救おうと農耕機を引かせるための馬を買います。しかし、彼が買ったジョーイという名のウォームブラッド(アラブ馬とポニーの交配種)は農耕機を引ける状態ではなかった。あの種はそういう作業には向いていないのです。こういう肉体労働をするタイプの種類ではなかったのです。しかし若い息子のアルバートはこの馬に強い信念を持っており、ジョーイと深い友情の絆を築きます。そして共に力をあわせて、少なくともこの農場を救おうと、石だらけで不毛の土地を耕します。第一次世界大戦でこの馬が役畜として従軍するため戦争に送りだされて離れ離れになる頃には、相乗作用と本物の感情のこもった共同関係が彼らの間に築かれていました。だからこそ観客はその時点で、いつか必ず再会する運命の日がやってくるだろうと確信できるのです。そして少年と馬にその運命の日が訪れる。そこがこの映画のちょっとした魔力のようなものになっています。●アンサンブル・キャストは、どのような形で進めたのですか?『戦火の馬』は少年と馬の物語だけではありません。『戦火の馬』は、数多くいる様々な人々を描いた物語なのです。私がこれまで手がけた中で、もっとも満足のいくアンサンブル・キャストの1つとなりました。アンサンブルとは言いながらも、同じシーンで絡むことは実際にはほとんどありません。しかし全員が一緒だという印象は残るのです。あれほど多くの役者たちが、一緒に演じる機会がほとんどなかったにもかかわらず、全身全霊を投げうって取り組んでくれたことを誇りに思っています。●フランスの農場におけるエミリーと彼女のおじいちゃんのシーンの重要性について教えてください。舞台版ではフランスの農場シーンに大きな時間を割いています。私は舞台版ほどの時間は割きたくないと思っていましたが、同時に、ジョーイとトップソーンが海外で多くの経験をする様子を描くことは必要です。それは当時実際に起こっていた事実でもありますからね。私はフランスの農場を戦争からの逃避地と考えています。ちょっと小休止して、戦場からはほど近い場所であっても、観客も馬たちも一息つけるような場所ですね。また、あの少女がジョーイと結ぶ友情は、アルバートとジョーイの関係にとても似ています。ジョーイは、彼を心から世話してくれるこの小さな少女を通してアルバートを思い出しているようです。作品情報『戦火の馬』配給:ウォルト ディズニー スタジオ ジャパン大ヒット公開中!(C)DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.
2012年03月07日