森山未來が主人公を演じるNetflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』が、「Netflix」での配信に加え、劇場公開もされることが決定。本ビジュアルとキャストコメントが到着した。燃え殻による同名デビュー作を実写化する本作。主人公・佐藤を演じる森山さん、忘れられない初恋の人・かおりを伊藤沙莉が演じているほか、SUMIRE、東出昌大、萩原聖人、篠原篤、大島優子が出演している。森山さんは「『大人』になるのは悪いことだけではない、と考えていた時間でした」と撮影の日々をふり返る。そして伊藤さんは「今までで一番悩み、葛藤と共に生きた役」と語り、「皆で意見やアイデアを出し合って作り上げた時間はとても濃厚なものでした。この大好きな作品に携われたこと、かおりを生きれたことは人間、役者伊藤沙莉にとってとても貴重で有り難いものだったと思っています」とコメントしている。さらに今回到着した本ビジュアルでは、青春時代を過ぎた40代の佐藤が大きく写しだされ、佐藤の人生に大きな影響をもたらした6人も登場している。またほかにも追加キャストが発表。佐藤が勤めるテレビのテロップ制作の会社が、レギュラーで請け負っていたご長寿番組で長年司会者を務めたベテランタレント役にラサール石井。その番組制作のバブルの名残を感じさせるプロデューサーを高嶋政伸。原作で「東京という街に心底愛されたひと」と題して時代の荒波の中でしぶとく生き残り続ける実業家・佐内慶一郎を平岳大。パーティで出会うグラビアアイドルを片山萌美が演じていることも分かった。キャストコメント全文森山未來歳を重ねる中で、どこかに何か落としものをしてしまうことは誰しもが経験すること。何かを落としてしまったことに向き合う、もしくは向き合うことから逃げて、何かしらの折り合いをつけられることを「大人」と呼ぶのだとすれば、この映画の主人公である「ボク」は本当に「大人」にはなれなかったのか。落としものをしてしまったことによって生まれた痛みを抱え続けるからこそ、人の痛みをわかってあげられる。そのことを「大人」だと呼ぶのだとすれば、「ボク」は「大人」なのかもしれない。「大人」になるのは悪いことだけではない、と考えていた時間でした。伊藤沙莉この作品のかおりという女性は正直、今までで一番悩み、葛藤と共に生きた役でした。佐藤が掴みきれなかった女性がその状態のまま描かれているということで本当にヒントが少ない状態だったからです。だけど、だからこそ、私なりのかおりを、私なりの答えを出したいと密かに思っていました。それを監督や未來さんを始め皆で意見やアイデアを出し合って作り上げた時間はとても濃厚なものでした。この大好きな作品に携われたこと、かおりを生きれたことは人間、役者伊藤沙莉にとってとても貴重で有り難いものだったと思っています。この作品を沢山の方に観て頂きたいですし、その沢山の方の胸がギュウってなる気がしてとても楽しみです。萩原聖人大人になりたくてもなれない人、大人になりたくないのになってしまった人、そんな人達が集まって作った作品なんだと思います。だから、なろうがなるまいがどっちでもいいんです。そう言うことです。僕自身はどっちかよく分かりませんが、作中に生きてる人達もきっとそうです。そう言うことなんです。大島優子“あの時のあなた”は、切り取った一枚のポストカードのように記憶に残り、思い出に変わっていく。“あの時の感情”は、身体に刻みこまれているかのように、鮮明に想い出す。現在はやがて過去になり、普通に歩んでいく。東出昌大もう10年以上会っていない友人との最後の挨拶は「さようなら」じゃなく「またね」だったように思う。歪で曖昧で、劇的でもないけれど、過ぎ去った掛替えのない日々を愛でる映画になっていると思います。SUMIRE本作の台本を読んで、想っている人と実らなかったり仲間といる楽しさ、青春というモノを思い出しました。そんな昔を懐かしむ自分がいたことで、シーンの中ではスー役としても甘酸っぱい思い出や人と人とのつながり、思いやりをより強く感じられた作品です。どこかに自分を重ねたり、あるいは懐かしい気持ちになるシーンがあると思うので、観ていただく皆さんにとって心温まる作品でありますように。篠原篤七瀬の抱いた感懐とその眼差しは、僕にも覚えがあるものでした。どうしようもなくて、照れ臭くて、嬉しくて、苦しくて、不安や孤独がいっぱいに詰まったごった煮みたいなあの想いが、今となってはとても愛おしいです。Netflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』は11月5日(金)よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかにて公開、Netflixにて全世界配信。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ボクたちはみんな大人になれなかった 2021年Netflixにて全世界同時配信予定©2021 C&Iエンタテインメント
2021年08月09日湯浅政明監督×脚本:野木亜紀子のタッグで贈るアニメーション映画『犬王』の主演を「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんと俳優・森山未來が務めることが決定。特報映像も公開された。本作は、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。「平家物語 犬王の巻」を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く。主人公2人の声を担当するのは、『モテキ』以来、10年ぶりの共演となる「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんと森山さん。能楽師・犬王役のアヴちゃんは「まっすぐに、運命の映画だと言い切ることが出来ます。ああ!来年をおたのしみに!」とコメントし、バディの琵琶法師・友魚役の森山さんは「必然、ジェットコースターのような現場でした。世界最古のミュージカルと言われる『能楽』の豊かな可能性を感じられる映画になっているのではないでしょうか」とふり返っている。そして、アヴちゃんの歌声、森山さんのセリフ、大友良英の音楽が散りばめられた特報映像も公開。舞台は室町時代の京都。音楽フェスにも見えるシーンが次々と畳みかけ、そして友魚の「お前をなんと呼べばいい!」という問い、犬王の「実はもう決めてある!」というセリフに呼応するかのように、本作のタイトル『犬王』の文字が浮かび上がる。また本作が、第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出されたことも分かった。日本の長編2Dアニメーションが同部門に選出されるのは初で、他部門を含めても『風立ちぬ』(第70回ヴェネチア国際映画祭メインコンペティション部門選出)以来8年ぶり、フル3DCGアニメーションをあわせると『GANTZ:O』(第73回ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門選出)以来5年ぶりの日本の長編アニメーション選出。今年9月に予定されている同映画祭での上映が、ワールド・プレミアとなる。『犬王』は2022年初夏、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners
2021年07月27日門脇麦主演のドラマ「うきわ ―友達以上、不倫未満―」の放送が決定。森山直太朗が共演することも明らかになった。原作は、現在新作「うきわ、と風鈴。-友達以上、不倫未満-」が連載中の野村宗弘による「うきわ」。「最終巻は涙なくしては読めない!」と、2015年に完結した本作。社宅のベランダを舞台に、不倫まで壁1枚というお隣同士の危うい関係が描かれる。門脇さんが演じるのは、自称“可もなく不可もない”主人公・中山麻衣子。不倫に揺らぐ、人妻役に初挑戦。麻衣子の隣人で、麻衣子の夫の上司でもある二葉一役を森山さんが演じる。ベランダでの会話を機に、仲良くなる2人。そんな2人の共通点は、配偶者に浮気されていること――。お互いの傷に寄り添いあう中で、ベランダの時間は2人の楽しみになっていく。不倫を通して描かれる、麻衣子の中に眠っていた強さ、二葉夫婦の過去、不倫に走ってしまった人たちの背景も見どころな、ビターで切ない、大人のラブストーリーとなっている。門脇さんは本作について「裏切った人裏切られた人、どんな人にもそれぞれの事情があり、そしてどんな状況でも誰かにとって救いの存在になることができる。今作はそんな人間模様を否定も肯定もせず、優しいまなざしで切り取った作品のように思います」とコメントし、「何より、二葉さん演じる森山さん、最高です。良い作品をお届けできるよう、現場の皆様と力を合わせてがんばります。お楽しみに!」と呼びかける。一方、「毎日がクランクアップのつもりで挑んでいます」と語る森山さんは、「門脇さんはただ真っ直ぐ前を見つめている人。ただただ頼もしいです」と共演した印象を明かし、「テーマは普遍的で裏切りや一定の嘘が介在しているけど、人の持つ業を肯定する愛情に満ちた物語です。駄目で不器用な人たちだけど、"悪い人"が一人も出てこない理想の世界がそこにあります。誰かと語らえるようなドラマです」と作品について説明した。なお、脚本は「アライブ がん専門医のカルテ」で市川森一脚本賞を受賞した倉光泰子、監督は「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」を手掛けた風間太樹が担当する。「うきわ ―友達以上、不倫未満―」は8月、月曜日23時6分~テレビ東京系にて放送予定。Paravi&ひかりTVにて配信予定。(cinemacafe.net)
2021年07月02日アイドルグループ・関ジャニ∞の村上信五が、19日より全国で放送される理研ビタミンの新CM「リケン 青じそ 目覚め朝食」編、「リケン うま塩 無限きゅうり」編に出演することが16日、分かった。第3弾となる今回のCMでは「おうち時間でできる簡単ご飯」をテーマに、村上が男料理に挑戦。「リケン 青じそ 目覚め朝食」編では、おなじみのCMソングとともに朝食を堪能する村上の姿を描いた。晴れた日に庭で勢いよく朝食をかきこみ、「たまらない!」といった表情を浮かべる村上だが、その瞬間を子どもに見られ、照れくさそうな顔に。作ったばかりのテーブルで、大胆にキュウリを叩いてアウトドア男料理を楽しむ村上を収めたのが、「リケン うま塩 無限きゅうり」編。一気に完食したあともおかわりを作り、「無限きゅうり」の沼にハマっていく。撮影では、大胆な手さばきの中にも手際の良さを見せた村上。屋外のシーンも多く、気持ちの良い気候の中でのびのびと撮影に取り組んだ。出来栄えには「自分がリケンのノンオイルにも馴染んできて、今年のCMの出来が今まで以上に良かった! CMを見ていただいた方に美味しそう、私も食べたいと思っていただける仕上がりになった」と自信を覗かせた。
2021年06月16日60年以上にわたり、第一線で活躍を続ける写真家、篠山紀信。現在、東京都写真美術館で、彼の足跡をたどる展覧会『新・晴れた日篠山紀信』が開催されている。初期作品から、現在までの作品116展が展示される大規模な展覧会だ。本展のタイトル「晴れた日」は、1974年にアサヒグラフ誌に掲載されていた連載にちなんだもの。大スターのふとした仕草から不安定な空模様まで、時代の雰囲気巧みに捉えたこの作品群は、75年には写真集「晴れた日」としてまとめられ出版されている。篠山紀信は「自分は、大衆向けの写真を撮り続けていたため、東京都写真美術館で展覧会の声がかかるとは正直思っていなかった」と展覧会の企画を持ちかけられたときの心境を率直に語っていた。しかしながら、本人の期待をさらに上回る展示となり、非常に手応えを感じていることもコメントしている。本展は、美術館の2フロアをたっぷりと使った2部構成の展覧会。『晴れた日』や、ヴェネツィア・ビエンナーレにも出品された「家」など60〜70年代までの主要作品が展示する第一部、1980年代からバブル時代の東京を捉えた『TOKYO NUDE』、2011年の東日本大震災を捉えた『ATOKATA』、変わりゆく東京の姿を捉えた『TOKYO 2020』などが並ぶ第二部を通して観賞すると、篠山紀信がたどってきた60年の道のりをたどることができる。■第一部 1960-70年代展示風景より広い海原に、ぽつんと浮かぶ白いヨット。この写真は、海洋冒険家の堀江健一が単独無寄港世界一周に挑戦し、まもなく日本に到着するときを撮影した写真だ。この写真を撮影するため、篠山は東京から朝日新聞大阪本社まで赴き、朝日新聞社のセスナで数時間かけて250km離れた海上まで移動したという。「晴れた日」シリーズより《堀江謙一潮岬沖240キロを航行中の「マーメイドIII」》 1974年)約9年間、表紙を担当した《明星》は、8☓10と呼ばれる大判カメラとフィルムで撮影されたもの。当時のスターたちのきらめきが写真のなかに封じ込められているようだ。『明星』表紙1972年〜81年「家」のシリーズは実際に人が暮らす日本全国の家を約4年かけて撮影したもの。人が長く暮らすことで生まれた傷やたわみ、においまでも感じさせる。このシリーズで篠山は76年の「ヴェネツィア・ビエンナーレ」日本館の代表作家に選ばれている。「家」1972~75年■第二部 1980-2010年代1980年代以降、篠山の作品はさらに自由度が増していく。「TOKYO NUDE」シリーズは、様々な技法を用いて、普段は目に見えない東京の姿を篠山があぶり出していくものだ。隅田川を真上からとらえたこの作品は、35ミリカメラを3台連結し、同時にシャッターを切り、合成したもの。現在は東京スカイツリーが完成し、空から見える東京東部も大きく変貌したと篠山はコメントしている。「TOKYO NUDE」より 1990年「人間関係」は、1992年から現在まで続く雑誌『BRUTUS』の連載シリーズ。毎回、縁のある二人を、ゆかりある場所で撮影されている。たった一枚の写真のなかに、被写体の関係性が深く浮かび上がっているようだ。「人間関係」1994〜そして、篠山は休みなく姿を変える東京をさらに撮り続けていた。羽田空港D滑走路のち家やレインボーブリッジのうねる曲線などを撮影した「TOKYO 2020」において篠山の視点はさらに広がりを見せていることが感じられる。「TOKYO 2020」2009〜18年展示されている116点の作品は、ヌードから魚の頭まで被写体の対象はバラエティに富んでいる。しかしながら、どの作品も対象の本質を捉えようとする姿勢が感じられる。写真家の60年にわたる長い歴史をたどることができる、貴重な展覧会だ。取材・文:浦島茂世【開催情報】『新・晴れた日篠山紀信』5月18日(火)~8月15日(日)、東京都写真美術館にて開催
2021年06月09日東京都写真美術館で開催中の「新・晴れた日篠山紀信」の会場の模様が6月10日(木)、『篠山紀信本人とめぐる大回顧展 「新・晴れた日」東京都写真美術館』として、ニコニコ美術館で生中継される。「ニコニコ美術館」は博物館 / 美術館の特別展・常設展を専門家の解説つきで巡る番組。視聴者がPCの前にいながら、展覧会場を巡っているような感覚で「インターネット生放送ならでは」の体験を楽しむことが可能だ。篠山紀信は時代の熱量を捉えた写真によって1960年代から活躍。数多くの雑誌の表紙やグラビアを手がけ、写真家として時代をつくり出してきた彼の、60年間にわたる116作品を2部構成で展覧している。第1部は写真界で注目を集めた1960年代の初期から『晴れた日』や1976年のヴェネチア・ビエンナーレでも出品された『家』ほか、その後の幅広い活躍の原点となる1970年代までの主要作品で構成。第2部は1980年代以降の作品を中心に、バブル経済による変貌から、2011年の東日本大震災を経て、2021年に向かい再構築される東京の姿まで。創造と破壊、欲望と不安が相即不離な変化の時代をとらえた作品を紹介する。番組では篠山とキュレーションを担当しれた東京都写真美術館学芸員の関昭郎が主演。篠山自身が「最初で最後」、「写真家人生を代表するような展覧会」と語る大回顧展の魅力を、時間が許す限り解説していく予定だ。■番組情報『篠山紀信本人とめぐる大回顧展 「新・晴れた日」東京都写真美術館』6月10日19時、ニコニコ生放送にて開始予定URL: 展示詳細:
2021年06月09日細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』で、超巨大インターネット仮想世界<U>に歌姫ベルとして参加する主人公・すずを母親のように見守る合唱隊のメンバーに、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世の5名が決定した。本作は、細田監督がかつて『サマーウォーズ』で描いたインターネット世界が舞台。そこで紡ぎ出すのは、母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、もうひとつの“現実”と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語。先日、主人公すず(ベル)と竜の声優キャストに先駆け、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りらが、すずの同級生役を演じ、さらにすず(ベル)が<U>で出会う個性豊かなキャラクターに森川智之、津田健次郎、小山茉美、宮野真守と超豪華声優陣が決定している。今回解禁された5人は、すずの母親が所属していた合唱隊員で、その母の死後、すずを母親代わりのように見守ってきた人物たち。『思い出のマーニー』(2014)で声優初挑戦を果たした森山良子は、漁師として働きながらすずを見守り、合唱隊のリーダーも務める・吉谷さん役。さらに、芸達者なピン芸人として、数多くのドラマにも出演する清水ミチコが「ちびまる子ちゃん」や『サーフズ・アップ』以来の声優として、酒店を営む喜多さん役に。また、医師である中井さん役は、「姿三四郎」(1981年/テレビアニメ)以来の声優ながら、2006年から長年「おさるのジョージ」のナレーションとして活躍し、声を当てる仕事としてはこのメンバーの中で一番のベテランである、「タッチ」の主題歌でも知られる岩崎良美。大学講師の畑中さんを演じるのは、「四季~ユートピアノ~」(1980年/NHKドラマ)のヒロインに抜擢され、国内外の数々のテレビ賞を受賞し、エミー賞にもノミネートされた実力者にして、その後はラジオドラマや朗読会といった声の仕事で活躍の場を広げていった中尾幸世。そして演歌歌手として、圧倒的なキャリアを誇る坂本冬美が本作で初の声優に挑戦。農家の奥本さんを演じる。さらに5人は、本作の中で「Alle psallite cum luya(いざ、リラを奏でて歌わん)」という合唱曲も披露。「Alle psallite cum luya(いざ、リラを奏でて歌わん)」は、歌唱やコーラスにおいて百戦錬磨の森山さんでも苦戦するほど、特に難易度が高い合唱曲。5人はそれぞれ多忙の中、アフレコとは別日で全員が揃う歌録りの日を設け、その日のために各自が自主練習を重ねて本番を迎えたそう。当日は、はじめて5人で歌うということもあり緊張した様子でしたが、何度か歌っていくうちにすぐに圧巻のハーモニーがスタジオ内に響くようになり、スムーズに歌録りは終了。本作でしか聴くことのできない、まさに超貴重な歌唱シーンとなっている。その後の取材では、森山さんがほかの4人に、合唱曲をスローテンポにして覚えやすく編集した練習用の音源や、愛用しているのど飴をプレゼントした話が明かされ、森山さんの気遣いに4人も感謝しきりの様子。さらに、「またこのメンバーで集まるとしたら何をしますか?」という質問に対し、「新曲を歌いたい!」(清水さん)「アルバムリリースします!」(森山さん)「賛成!!」(一同)と盛り上がる一幕も。短い時間ながらも、劇中の合唱隊のように長年共に練習を重ねてきたような、和気あいあいとした絆や団結力を感じる収録が実現した。「鳥肌が立った」(坂本さん)と歌唱のプロフェッショナルたちも絶賛する、すず/ベル役の声にもますます期待が高まる。合唱隊メンバーコメント到着■森山良子:吉谷(よしたに)さん役割とコーラスに慣れているつもりなのですが、今回の合唱曲は中々覚えるのが大変でした。譜面をいただいた時には、何百年も前のメロディで、歌ったことが無い曲だったので、最初からつまずきそうになりましたが、こうしてレコーディングしてみると、今までにない、良い味を出している曲だなと思いました。次にまた5人で集まれたら…アルバムを作ります!(笑)細田監督は、本当にあたたかくて、優しくて、そして真摯な気持ちで丁寧に映画を作られていると思いました。きっとアニメーションを作っていく現場も日々すごいことが起こっていると思うのですが、この前向きさ、丁寧さが、素晴らしい作品を作って、前に進んでいくエネルギーなんだなと思いましたし、何よりそのお人柄に感動しました。すず役の方が、アフレコ現場に、見学にいらしていたのですが、本当に普通のお嬢さんという印象で、彼女の情報が未解禁なので「(周りの人に)すごく言いたい!」と言っていて、可愛らしかったです。■清水ミチコ:喜多(きた)さん役私はピン芸人なので、皆と一緒にというのがとても弱いんですよね(笑)でも、今日皆さんと一緒に歌ってみて、一つになれるって素晴らしいなと思いましたし、感動して、コーラスに参加する人の気持ちよさがすごく分かりました。次にまた5人で集まれたら…新曲を出したいですね!アフレコの時、皆がいる前で、ブースの向こうから「もう少しこうですよ!」と指示を出されるのって、結構キツイものがあるのですが、細田監督は、毎回毎回傍まで来て下さって、本人だけに聞こえるように注意して下さって、人を傷つけない方だなと思いました。私は普段ガサツなおばさんの役が多いので、今回もそうかなと思っていたのですが、今回やっていくうちに「あら、私のいいところが出てるじゃない!?」と思って、嬉しかったです(笑)■坂本冬美:奥本(おくもと)さん役演歌歌手なので、コーラスで合わせるということが今回初めてで、先輩方の声を聴きながらも、聴きすぎてつられないよう、そのあたりのコントロールが難しいなと感じながらやっていました。皆さん大先輩方ですが、黙っていても気を遣わないでいられる、とても良い雰囲気で、そこに参加できて幸せだなと噛みしめながら歌わせて頂きました。アフレコ自体も初めてだったので、とても緊張したのですが、細田監督は「こういった風にセリフを言った方がいいと思いますよ」と、本当に親切に分かりやすく教えて下さいました。とてもお優しい方で、だからこそあんなにあたたかい映画になるんだろうなと感じました。ベル役の方の歌声を聴いたら、鳥肌が立って…。将来どれほど大きなアーティストになっていくんだろうと、これからが楽しみだなと思います。■岩崎良美:中井(なかい)さん役皆さんの足を引っ張ってはいけないと、自分の中でできるところまで練習してきたのですが、今日出来上がったものを聴いて、自分で言うのもなんですが、結構感動しました(笑)森山さんが、練習するための音源とのど飴をプレゼントでくださって、とても嬉しかったですし、それで結束力が高まりました。細田監督は、アフレコの時にわざわざ傍まで来て、一つずつ丁寧にセリフを教えて下さって、あたたかさを感じましたし、これは頑張らないと!という気持ちで挑みました。ベルの歌を最初に聴いた時には「誰だろう?」とびっくりしましたし、鳥肌が立ちました。お会いしてお話した時の声も、とても魅力的で、ぴったりだなと思いました。スター誕生の瞬間に立ち会えたような、そんな衝撃を受けました。■中尾幸世:畑中(はたなか)さん役皆さん素晴らしい歌唱力、表現力を持っているプロ中のプロの方々ばかりなので、私は大輪のバラの中に年代不詳の松が入ったような感じで…(笑)皆さんから静かな力をもらいながら、歌う喜びをとても強く感じさせて頂きました。今回2曲歌わせて頂いて、その内の1曲は、映画の重要なシーンで、最終的には世界中の皆さんとの合唱になると聞いて、本当に素晴らしいなと、最後の最後に感動がこみ上げてきました。細田監督は、1シーンが終わるごとに、そのシーンを演じた一人一人に、よかったところや、ここはもっとこうしてほしいというニュアンスを伝えてくれるのですが、ただ単に要求を伝えるだけでなく、一人一人に必ずなにか演出の痕跡を残していかれて、本当に懐が深くて、感動しました。『竜とそばかすの姫』は7月16日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:竜とそばかすの姫 2021年7月16日より全国東宝系にて公開©2021 スタジオ地図
2021年05月25日森山直太朗が、女優の安藤サクラをゲストに迎えた「最悪な春 feat.安藤サクラ」の弾き語り映像を『森山直太朗のにっぽん百歌』にて公開した。『森山直太朗のにっぽん百歌』は、「ギター1本で、好きな曲を好きな場所で弾き語る」をテーマに一発撮りで楽曲を披露するYouTubeチャンネル。同チャンネルのコラボレーション動画第2弾に出演する安藤は、3月にリリースされた森山の両A面シングル『さくら(二〇二〇合唱)/ 最悪な春』でも共演しており、今回披露する「最悪な春」の朗読バージョンに参加していた。公開された映像は秋田県・田沢湖の絵に描いたような絶景のもと撮影が行われ、「最悪な春」を安藤の詩の朗読とともに森山がギター弾き語りでパフォーマンスしている。■森山直太朗 コメントYouTube「にっぽん百歌」にて安藤サクラさんをゲストに迎え「最悪な春」を朗読してもらい、田沢湖の湖畔で歌ってみました。去年4月の緊急事態宣言の際に作った「最悪な春」を一年後、再び出された緊急事態宣言の最中で発信するなんて想像もしていなかったけどサクラちゃんの朗読はそんな「やりきれなさ」にそっと寄り添ってくれた。この一年、この歌と向き合ってみてわかったのは、やはり口にすること、声に出すことが大事だということ。最悪なことは、最悪と言ってしまったほうが体にもいいと思う。詩として読むでもいい、歌ってもらうでもいい。やり場のない気持ちを逃がすために、この歌を使ってもらえればと。いつの日かこの最悪な春を懐かしむようにみんなで歌い合える時が来ることを心から願っています。■安藤サクラ コメント秋田はちょうどさくら満開でした。真冬の山梨で初めて’最悪な春’を朗読し、それから様々な環境で読んでいますが、毎度毎度新鮮です。おぉ今日はそうくるか!って驚くほどに新鮮です。だからわくわくするし、緊張するし、ときめきます。湖畔で直太朗さんと読んだ時間もこれまた特別で、とっても楽しかったです。「最悪な春 feat.安藤サクラ / にっぽん百歌【田沢湖】」■森山直太朗のにっぽん百歌:<リリース情報>森山直太朗 『さくら(二〇二〇合唱)/ 最悪な春』2021年3月17日(水) リリース●初回限定盤(CD+DVD):2,700円(税抜)●UNIVERSAL MUSIC STORE限定マスク盤:3,300円(税抜)※初回限定盤+オリジナル・デザインマスク付※完全数量限定●通常盤(CD ONLY):1,000円(税抜)【CD収録内容】1. さくら(二〇二〇合唱)2. 最悪な春(朗読:安藤サクラ)3. 最悪な春4. さくら(二〇二〇伴奏)※「さくら(二〇二〇合唱)」WEB版合唱譜面付※「最悪な春」は、2020年5月に配信された弾き語りバージョンではありません。【DVD収録内容】・「すぐそこにNEW DAYS in Blue Note Tokyo」配信ライブ映像しまった生まれてきちまった / レスター / 愛し君へ / 糧 / 風曜日 / することないから / すぐそこにNEW DAYS / 君は五番目の季節 / 最悪な春 / 生きてることが辛いなら / フューズ・カロリーメイトCM「見えないもの」篇 フルバージョン・「さくら(二〇二〇合唱)」レコーディング・ドキュメンタリー【特典情報】・3アイテム共通封入特典:初回プレス分「よくがんばりました」ステッカー・レコード店ご購入者全店特典:抗菌仕様ミニクリアファイル・Amazonご購入者特典:メガジャケ関連リンク森山直太朗 オフィシャルサイト:森山直太朗 Twitter:森山直太朗 Facebook:森山直太朗 Instagram:森山直太朗 Tiktok:森山直太朗 UNIVERSAL MUSIC オフィシャルサイト:
2021年04月29日フリーアナウンサーの笠井信輔が24日、オフィシャルブログを更新し、念願の「病室にWi-Fi開設」に向けた前進を報告した。悪性リンパ腫で4カ月半の入院生活を経験した笠井アナ。コロナ禍で見舞いに来てもらうことができなかったが、それを救ったのがインターネット環境で、SNSやYouTubeなどでコミュニケーションを取ることで、孤独感が解消された。しかし、入院患者が病室でフリーWi-Fiを利用できる病院はまだまだ限られていることから、「#病室WiFi協議会」で仲間たちとともに「病室にWi-Fiを」と訴えてきた笠井アナ。その声が届き、国(厚生労働省)の補正予算で病室にWi-Fiを設置するための補助金が付くことになった。ブログでは23日に、賛同した議員(三原じゅん子厚労副大臣、坂本哲志孤独・孤立化担当大臣、大西健介議員、今枝宗一郎議員)に挨拶に行った様子や、記者会見を行ったことを報告。「今回の会見は、病室のWi-Fi予算がついたと言う“目標達成会見”ではありません。この補助金は、病院が申請しないとお金が下りないのです。病院側の申請には色々と高いハードルがあることもわかりました。そうした中で、『ぜひとも患者用Wi-Fi開設のための補助金の申請をしてください』と病院の皆さんにお願いする記者会見でした」と説明し、質疑応答を含めて1時間という充実の会見になったことを明かした。笠井アナは「この一歩で、コロナ禍の病室で孤独になっている患者さんが一人でも多くそこから抜け出せますようにと思っています。もちろん、ここがゴールではありません。私たち#病室WiFi協議会がやるべき事はまだまだあります」と、決意を新たにしている。
2021年04月24日展覧会「はじめての森山大道。」が、渋谷パルコ 8Fの「ほぼ日曜日」にて、2021年6月25日(金)まで開催される。森山大道の“入門編”となる展覧会展覧会「はじめての森山大道。」は、世界的に有名な写真家として60年ものキャリアを持つ森山大道の“入門編”となる展覧会。「写真家・森山大道のことをぜんぜん知らなかった人にこそ見にきてほしい」というコンセプトのもと、選りすぐりの写真作品を展示。例えば、“森山大道の代表作である「三沢の犬」はなぜ有名なのか?”など、森山大道や写真に詳しくない人こそが楽しめる内容となっている。写真作品に加え、写真集も可能な限り陳列し、過去の著作やインタビューにおける森山大道自身の発言も紹介。近年ではOAMC(オーエーエムシー)やワコマリア(WACKO MARIA)などともコラボレーションを行ったり、レトルトカレーやバイクなどにも写真作品が用いられていたりと幅広い活動を見せる森山大道の唯一無二の魅力に迫る。同フロアで森山大道のドキュメンタリー映画もさらに、「ほぼ日曜日」と同フロアにある渋谷ホワイトシネクイントでは、森山大道の素顔に迫るドキュメンタリー映画『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道』を5月12日(水)より上映。映画と展覧会、あわせて森山大道の魅力を体感できるようになっている。【詳細】展覧会「はじめての森山大道。」開催期間:2021年5月14日(金)~6月25日(金)※当初は6月13日(日)までの予定だったが会期を延長。会場:ほぼ日曜日 渋谷PARCO 8階住所:東京都渋谷区宇田川町15-1時間:11:00~20:00料金:600円(小学生以下無料)※来場者に、森山大道フィルム風しおりと100nuts(100円分のお買いものチケット)をプレゼント。※開催期間・延期・中止となる可能性あり。詳細は、施設公式サイトを確認。■映画『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道』公開日:2021年5月12日(水)~終了日未定※当初は2021年4月30日(金)より上映予定だったが、渋谷パルコの全館休業に伴い、上映を延期。会場:ホワイトシネクイントWHITE CINE QUINTO住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ8階出演:森山大道、神林豊、町口覚ほか監督・撮影・編集:岩間玄〈ストーリー〉スナップショットの帝王として知られる森山大道は、国内外の若手クリエイターから絶大な支持を集めてきた。本作は、カメラと一体化した写真家のみずみずしい身ぶりを大胆に捉え、いままで誰も見たことのなかった素顔を明らかにしていく。奇跡的なショットと魔法のようなシークエンスの連続に、観客はひたすら身を委ねるしかない。写真史上、最大の謎に迫る前人未踏のドキュメンタリー、ついに解禁。©『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい』フィルムパートナーズ
2021年04月08日フリーアナウンサーの笠井信輔が6日、警視庁神田警察署の一日警察署長に就任し、神田すずらん通り商店街で交通安全を訴えた。小学生の頃、“将来は警察官になりたい”と作文に書いていたという笠井アナは「本当に感慨無量でございます」と第一声。「私は、血液のがんである悪性リンパ腫から完全寛解となりまして、新たな生命を頂いたということになります」と報告しながら、一日署長を務める神田警察署が昨年12月に庁舎を移転したことにかけ、「私も同じように生まれ変わりましたので、同じ生まれ変わった者同士、交通安全を皆さんに訴えていきたいと思っております」と意気込んだ。その後、ともに一日警察署長を務める「2020ミス・ユニバ-ス・プレリミナリー東京」の飯田桃子さんらとともに、すずらん通りを練り歩いてパレード。2016年に当時小学1年生で交通事故により亡くなった高田謙真くんが育てていたことから、母親の香さんが交通安全のシンボルにと願う「朝顔」の種を商店街の人々に配りながら歩くと、笠井アナが「元気になってよかったね!」と声をかられける様子がたびたび見られた。さらに笠井アナは、大学時代のゼミの先生にも遭遇。先生は偶然通りかかったそうで、予想外すぎる形での約20年ぶりという再会に、笠井アナも「うれしかったです!」と興奮していた。
2021年04月06日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは歌手の森山良子さん。ラストとなる第4回は「不確定な未来だからこそ、強い姿勢を保ちたい。」。今年で歌手生活が55年になりました。今でもコンサートでリクエストが多いのが、『涙そうそう』『さとうきび畑』。皆さんももしかしたら聴いたことがあるかもしれない、沖縄が舞台の曲です。『さとうきび畑』は21歳のときにいただいた歌で、当時は平和な時代に、戦争も知らない、しかも表現力もない私が歌える歌ではないと思いました。繰り返し歌ってきた中で今感じるのは、今も、世界のどこかで紛争が起きていて、いつ私たちも加担するか、巻き込まれるか、何が起こるかわからない、ということです。愛する人を失う悲しみは、どんなに時間が経っても、決して小さくならないんですよね。先のことは予測がつかない、だからこそ、未来に対して強い姿勢を持っていかねばならないと思います。私は反戦歌手ではないですが、だからこそ、この歌と出合った意味、そして課されたものがあると感じています。この先もずっと、歌い続けていきたいです。20~30代の女性にまず伝えたいのは、“眉毛は絶対抜いちゃダメ!”ってこと!(笑)私の若いときには細眉が流行ったので、抜いて抜いて抜きまくっていたら、ほとんど生えてこなくなっちゃった。おかげでお化粧に時間がかかる!とにかく、眉毛は抜かないこと。いちばん大事なのはそれ(笑)。あとはね、みなさんは今、叱られたり、傷ついたり、いろんなことを吸収したりしながら、社会の中で育っている時期だと思います。数々の出会いがあると思いますが、人を見るときって、ついつい嫌なところに目が行きますよね。でもそんな時間はもったいない。“この人と出会えてよかった”と思う人に出会えたら、どうしてその人がステキなのか、吸い取りましょう。人はいくつになっても成長できると感じます。自分らしく生きるのが一番。でも、決めつけず、様々な出会いの中から育てられていく面もたくさんある。皆さんのこれからを応援しています。もりやま・りょうこ歌手。1948年生まれ、東京都出身。’67年『この広い野原いっぱい』でデビュー。写真は2016年のライブより。森山さんのライブは、歌の素晴らしさは当然ですが、実はかなりトークが面白いと評判です…。※『anan』2021年3月31日号より。(by anan編集部)
2021年03月27日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは歌手の森山良子さん。第3回は「仕事を頑張る源は、今も昔も家族です。」。私は2度の離婚を経て、一人で2人の子供を育てました。とはいえ、両親と同居をしていたので、二人の助けがあったからこそ、だと思っています。歌手という仕事は不規則。例えば参観日の前日に地方でコンサートがあったら、夜行列車や深夜便の飛行機(当時はそういうのがあったのよ・笑)で明け方東京に戻り、子供の学校に行って行事に参加し、その足でまた地方へ…ということもよくある話でした。なるべく子供に寂しい思いをさせてはならぬと、私なりに頑張っていたんですが、あるとき娘に、「どうして他の家のママはおうちにいるのに、うちのママはいないの?」と言われ「歌うことが大好きだから」と言ったら、「おうちで歌っていればいいじゃない」と(笑)。今思うと寂しい思いをさせたと思います。家族には、私を支えている、なんて意識は皆無でしょうけれど、私にとっては家族が支えであり、活力源。それは今も同じです。義理の家族と仲良くする、私の秘訣とは?私の娘の夫、すなわち義理の息子はおぎやはぎの小木博明で、息子・森山直太朗も結婚をしておりまして、子供のお婿さん、お嫁さんからすると、私は“お姑さん”の立場です。読者世代の皆さんも、結婚となると、義理の母との関係に悩んだりするかもしれませんね。基本的に私は、義理の息子や娘はもちろん、誰もが“別個の人間”だと思っており、それぞれが異なる生活環境、感情、思考を持っている。だから、考え方がぶつかるのは当たり前。選ぶお花、料理、人との距離感など、同じなわけがない。だからこそ「あなたの文化は私のそれと違うから、ぜひ楽しませて!」という気持ちでコミュニケーションをとれば、お互いに有意義な時間を過ごせるはずです。よく娘が、「ママ、時代は変わってるよ」と言うのですが、本当にそのとおりだと思う。昔の風習やしきたりに従わせようとせず、探究心を持って新しい文化を学びたいです。若い世代の幸せは、我々の幸せですからね。もりやま・りょうこ歌手。1948年生まれ、東京都出身。‘67年『この広い野原いっぱい』でデビュー。代表曲に『涙そうそう』『さとうきび畑』などが。50代の頃の表情。充実した笑顔が印象的なお写真です。※『anan』2021年3月24日号より。(by anan編集部)
2021年03月21日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは歌手の森山良子さん。第2回は「フォークでデビューだなんて、想像外でした。」。声楽を習う一方で、私の伯父(ミュージシャンの故ムッシュかまやつ氏の父)がジャズの教室をやっていて、そこでジャズヴォーカルを習い、中学校ではカントリー&ウェスタンのバンドに参加。当時若者の間では、アメリカンフォークミュージックが大流行。学園祭で歌う私を見た同じ学園の大学生からフォークソングに誘われ、そこでも歌っていました。でもやっぱり一番好きなのはジャズ。高校を出たらジャズシンガーになると心に決めていたので、フォークは高校卒業まで…と思っていたのですが、“フォークを歌う森山良子”にスカウトがきて、作ったこともないフォークソングを作り、結局フォークでデビューすることに…。当時は、「こんなの自分らしくない。やりたくないのになんで!?」と思っていました(笑)。しかしまさか、そのときに作った『この広い野原いっぱい』という歌を、長く歌い続けることになるとは…。世の中、わからないものです(笑)。私にとって若さとは、反発力の強さ。私自身がまさにそういう若者でした。せっかくデビューしてもジャズを歌えない反発からコンサートで洋楽のカバーばかりを歌い、結局“ヒット曲を歌わない森山良子はもういい”と、お客様がどんどん離れた時期もありました。でも今思うと、望まない楽曲を歌うなどの経験すべてが自分の体に染み入り、地層のように積もり、今の私を作っているんですよ。それに、人から与えられる課題に答えることはスキルアップに繋がりますし、そのトライが、“好きな歌だけ歌っていてはたどり着けない場所”に連れていってくれることもある。結果私は、みなさまが求めてくれる曲を歌うことが私にとって必要だと気付きました。だからみなさんも、例えば与えられた仕事に対して拒絶反応があっても、“とりあえずやってみる”ことに、絶対に価値があります。とはいえもちろん、若いときはそんなことまったく考えられませんでしたけどね(笑)。もりやま・りょうこ歌手。1948年生まれ、東京都出身。’67年『この広い野原いっぱい』でデビュー。代表曲に『涙そうそう』『さとうきび畑』などが。写真はデビューライブでの一コマ。なんともキュートです。※『anan』2021年3月17日号より。(by anan編集部)
2021年03月16日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは歌手の森山良子さん。ご子息はミュージシャンの森山直太朗さん、娘婿は、おぎやはぎの小木博明さんです!第1回は「歌手になりたいと思ったのは、幼稚園のとき」。ジャズトランペット奏者の父と、オペラ歌手を目指していた母の間に生まれた私は、常に洋楽が流れている家に育ちました。そのおかげで自然に歌が好きになり、幼稚園に通う頃にはもう“歌い手になりたい”と思うように。小学校5年生だったかな、両親に「中学に行かないで歌手になりたい」と言いましたら、「音楽の世界はそんなに甘いものじゃない!」とそれはそれは叱られまして(笑)。その後中学に上がってから、「声を出す基礎を学ばないと、歌手にはなれません」と諭され、声楽の先生の元に通い、イタリア歌曲やカンツォーネ、日本の歌曲などをいろいろ勉強しました。クラシック畑の方と一緒に歌うときなど、当時習った曲がスッと出てくるので、若いスタッフは、私が『グノーのアヴェ・マリア』なんかを歌うと「え、なんでそういう曲を歌えるんですか?!」と驚きますが、実は私には、そんな過去があるんです。当時両親が声楽を習わせた裏には、“息の長い歌手になるために、基本をしっかり学んでほしい”という思いがあり、それを口うるさく言われたのを覚えています。中学2年で師事した坂上昌子先生は、今もご健在で変わらず私の師ですし、基礎を教えていただいたことで今日まで歩いてこられたのは事実。正直、歌と人生をそんなに重ねて考えたことはないですが、基本的な価値観を自分の中にしっかり保持していないと、ブレてしまう、という気持ちはどちらも同じ。人生はとても長く、本当に、本当にいろんなことが起こります。そこで壁にぶつかるたびに揺らいでしまっては、いつか自分自身がなくなってしまう気がします。私にとっては、人のせいにしてはいけない、上手くいかないことはすべて自分に起因している、という考え方が基本。私が悪かった、だから自分を変えよう、と思うことで、つらい経験を“自らを強くする機会”に変えることができるのです。もりやま・りょうこ歌手。1948年生まれ、東京都出身。’67年『この広い野原いっぱい』でデビュー。代表曲に『涙そうそう』『さとうきび畑』などが。WOWOWにて放送中の、清水ミチコさんとのトーク番組も人気です。※『anan』2021年3月10日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2021年03月07日「第75回毎日映画コンクール」授賞式が17日に東京・めぐろパーシモンホールで行われ、男優主演賞に選ばれた森山未來が登場した。同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。今回森山が選ばれた『アンダードッグ』は日本映画優秀賞、撮影賞、録音賞も受賞しており、さらに女優主演賞の水川あさみ、男優助演賞の宇野祥平も出演しているなど、大集合となった。森山は同作について「ボクシングという世界を知れば知るほど、技術や若さや気力やそういう色んなものも必要になってくるんだけど、そういうものでは片付けられない、一つのパンチで命運が分かれてしまうという過酷な世界なんだなと言うのを痛感した」と振り返る。「この時期、どうしても自分では選択できない境遇によって苦しめられてる方も多いと思います。そういう方達の後押しになる映画になればいいなと思っていた」と、コロナ禍にも絡めて語った。役者、ダンサーなど表現者として様々な顔を持つが、今後についても「考えると自分自身が分裂しちゃうので素直に向いていけば」と方向性を明かす。司会の生島ヒロシから「感覚で動くところがある?」と聞かれると、「そうなんですかね。今日も自転車で来たんですけど、気持ちよかったです」と、会場を驚かせた。また同作は2020年の1〜2月に撮影し、11月に公開、現在ABEMA プレミアムでも全8話という形で配信されており、森山は「もともと公開、配信の流れはあったことなんですけど、たまたまこの時代にフィットした形になっていて。アウトプットの多様性が出始めてる中で、流れとともにあるなと、客観的に感じるところです」と印象を表した。○第75回毎日映画コンクール 受賞結果日本映画大賞:『MOTHER マザー』(大森立嗣監督)日本映画優秀賞:『アンダードッグ』(武正晴監督)外国映画ベストワン賞:『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)男優主演賞:森山未來『アンダードッグ』女優主演賞:水川あさみ『喜劇 愛妻物語』男優助演賞:宇野祥平『罪の声』女優助演:蒔田彩珠『朝が来る』スポニチグランプリ新人賞(男性):上村侑『許された子どもたち』スポニチグランプリ新人賞(女性):佳山明『37セカンズ』監督賞:河瀬直美『朝が来る』脚本賞:丸山昇一『一度も撃ってません』撮影賞:西村博光『アンダードッグ』美術賞:磯見俊裕、露木恵美子『ばるぼら』音楽賞:渋谷慶一郎『ミッドナイトスワン』録音賞:藤丸和徳、瀬川徹夫『アンダードッグ』アニメーション映画賞:『魔女見習いをさがして』(佐藤順一、鎌谷悠監督)大藤信郎賞:『音楽』(岩井澤健治監督)ドキュメンタリー映画賞:『れいわ一揆』(原一男監督)TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・日本映画部門:『ミッドナイトスワン』TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・外国映画部門:『TENETテネット』田中絹代賞:梶芽衣子特別賞:大林恭子(映画プロデューサー)
2021年02月17日2021年2月8日、俳優で声優の森山周一郎さんが、肺炎で亡くなりました。86歳でした。同月9日、森山さんのTwitterアカウントが更新され、次のようなメッセージが発表されています。森山周一郎公式ツイッターアカウント運営事務局です各社報道にございます通り、俳優、声優 森山周一郎は肺炎のため2021年2月8日に逝去いたしました。享年86歳でした。(続— 森山周一郎 (@syu_moriyama) February 9, 2021 芸能生活63年の間、ファン並びに関係者の皆様には多大なるご支援をいただき、まことにありがとうございました。この場を借りて心より御礼申し上げると共に、謹んでお報せいたします。また、個別のリプライは控えさせていただきますこと、何卒ご容赦くださいませ。— 森山周一郎 (@syu_moriyama) February 9, 2021 森山さんは、63年にもおよぶ芸能生活の中、数々の作品で活躍してきました。スタジオジブリのアニメ映画『紅の豚』では、主人公であるポルコ・ロッソの声を演じ、その渋く重みのある声は、多くの人に愛され続けています。ネット上では、追悼のコメントが相次ぎました。・『さよなら銀河鉄道999』の老パルチザンの台詞は忘れられません。ご冥福を祈ります。・こんな渋くてかっこいい大人の声になりたいと憧れていました。ありがとうございました。そしてお疲れさまです。・目をつむると聞こえてきそうなぐらい、耳に残っている素敵な声。人生観を変えてくれた最高の映画です。唯一無二の存在感で、たくさんの作品に命を吹き込んだ森山さん。その功績は、永遠に語り継がれていくことでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。[文・構成/grape編集部]
2021年02月10日安藤サクラ主演『百円の恋』の監督・武正晴、脚本・足立紳をはじめとしたスタッフが再集結し、森山未來、北村匠海、勝地涼がそれぞれ闘う理由も、バックグラウンドも異なるボクサーを熱演した『アンダードッグ』。「ABEMAプレミアム」にて配信版(全8話)が配信されている本作で、この度、ずば抜けた身体能力と表現力で主人公の崖っぷちのボクサー・末永晃を演じた森山さんと、「週刊少年マガジン」にて1989年から連載され、アニメ化もされた人気ボクシング漫画「はじめの一歩」の原作者・森川ジョージとの貴重な対談が実現。森山未來のふくらはぎが「ガンダムのよう」!?森川:撮影って結構バラバラにやったりとかするじゃないですか。でも、これに限っては森山さんはどんどんボクシングの型もできてて、スウィングスピードも上がってるわけですよ、振っていくのも。そこは順を追ってやっていったんですか。森山:ほぼほぼ順撮りですね。最初のかませ犬的な、点描的なものが序盤にあって、海藤(演:佐藤修)戦のタイトルマッチをやって、宮木(演:勝地さん)戦、大村(演:北村さん)戦というふうになっていたので。単純に映画の中でたくさん発見があったのは、12月にプロテストを受けたんですけど、撮影の開始は1月なんですね。プロテストって基本的にワンツーしか見られないじゃないですか。あとディフェンスとスタミナっていう。だから、基本的にフックとかボディとか、映画の振付としてはちょっとやってたんですけど、12月まではほぼワンツーだけやってた感じだったんです。でも、片や末永晃はそれこそ、ボディもありますけど、左フックが主体だったりだとか、スタンスが全然違うから、撮影をやっていくうちにプロテストのための練習よりも勉強になることがどんどん増えていって。森川:なるほど。森山:だから、本当にやっていくうちに宮木との試合とかでもまた勉強になっていくことも増えていって。という意味では、単純にちょっとずつ上達していたっていうのはあるかもしれないです。森川:本当にうまくなってるって思って。もともと末永は上手い設定だから。日本(ライト級)ランク1位じゃないですか。そういう設定なんですけど、それが勘を取り戻しているように見えるんです。そんなに下半身は映ってないんですけど、最後の試合に臨む前の練習で縄跳びのスキッピングやるところがあって、そこだけ森山さんの脚が映るんですが、それがガンダムみたいな脚じゃないですか!森山:(爆笑)森川:うわ、随分鍛えたなって。なるじゃないですか、ふくらはぎが。うわっと思って。どんどんラストに向けて体ができていって、スウィングスピードが速くなって、ちゃんと試合になっていくような。多分気持ちもできているから試合になっていくんですよ。途中で投げないボクサーになってましたから。うわ、凄いと思って。森山:実際、(プロが行う食事療法)カーボ・ローディングとかもやりましたから。本当に面白かったです。こんなに体って変わるんだっていう。森川:面白いですよ。森山:純粋な驚きがありました。森山未來が考える“プロフェッショナル”とは?森山:単純に、自分の性格とこの仕事の特性みたいなものが僕は運良く合ってるんだろうなとは思ってるんです。ボクシングというもののためだけに人生を捧げられない、と僕は思っていて。それこそ自分の好奇心というか興味のおもむくままにいろいろ流動的に動く、落ち着きがないともいうんですけれど、流動的に動くのが自分の性に合っているので。だから、1年という期間を決めてボクシングをやるとなったら、何か入れ方っていうのは自分なりにあるとは思っていて。だからボクシングっていうものだけを見つめ続ける能力を持っている人は本当に素晴らしいと思うし、僕には全くない、ある種の能力だと思うんです。でも、大きな表現というか、舞台芸術だったり、映像表現だったり、こういう表現の場において自分がどういうアンテナを張り巡らして、ここに行ったら面白いんじゃないかというところで人と出会ったりとか、その自分の好奇心とか、自分で向かう先をパンパン、パンと振っていくっていうその直感、と言ってしまうとちょっと抽象的なんですけど、そのセンスっていうのは大事にしたいなとは思っています。森川:僕は、当たり前のことなんですけど、読者が一番大事。ボクシング漫画を始める前に3つKO負けしてるんですよ。才能ないな、と自分で思い知らされたんで。それから「はじめの一歩」で初めて成功って思えたんですけど、これは本当に読者のおかげですね。少年マガジンってボクシングファンが少ないというのが大前提にあるんですけど、その中で全員楽しませられるものはなんだろう、というのをずっと追いかけてる感じです。「漫画うまいってなんですか」というは読者に楽しんでもらうってなんですか、というのと同じだとおもってるんで、それが永遠のテーマですね。最後には、これだけは聞きたかったという様子で森川さんから、「試合中の撮影のとき、当ててます?」との質問が。「ボディと、ガード越しは当ててます」との森山さんの答えに、「見ててキツそうだな、と思いまして。当ててるの分かりますからね。お客さんにも分かってもらえるといいですね。当たってますよ、っていう」と感心した様子の森川さん。「本当にやってますから。その視点で見てほしいと思います」と続ける。そんな森川さんから「一歩」の描き下ろし色紙がプレゼントされると、「やった!めちゃ嬉しい、ありがとうございます!家宝にします」と、劇中とは別人のような満面の笑みが森山さんからこぼれていた。森川さん流の漫画の描き方と森山さんの撮影の悩みの共通点は!?後編インタビューはABEMAビデオにて公開中。劇場版『アンダードッグ』前後編は全国にて公開中。配信版は「ABEMAプレミアム」にて独占配信中(全8話)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンダードッグ(2020) 2020年11月27日よりホワイトシネクイントほか全国にて【前編】【後編】同日公開ⓒ2020「アンダードッグ」製作委員会
2021年01月31日安藤サクラ主演『百円の恋』の監督・武正晴、脚本・足立紳をはじめとしたスタッフが再集結し、森山未來、北村匠海、勝地涼がそれぞれ闘う理由も、バックグラウンドも異なるボクサーを熱演した『アンダードッグ』。「ABEMAプレミアム」にて配信版(全8話)が配信されている本作で、この度、ずば抜けた身体能力と表現力で主人公の崖っぷちのボクサー・末永晃を演じた森山さんと、「週刊少年マガジン」にて1989年から連載され、アニメ化もされた人気ボクシング漫画「はじめの一歩」の原作者・森川ジョージとの貴重な対談が実現。開口一番「面白かった」と語る森川さんから観た『アンダードッグ』についてや、実際にプロテストにも挑戦し、“かませ犬=アンダードッグ”のボクサーとして役を生きた森山さんのプロフェッショナルな姿勢などが語られた。「やめられない。未練がある」そういうボクサーは多い森川:本当に僕、褒めるの下手で語彙力なくて申し訳ないんですけど、主人公が心配で心配で…。うまくいかないんだろうなっていうことの連続で。また持ち直してがんばる、がんばるの連続なんですけど。これはうまくいかないんだろうな、と思いながら。でも、本当に面白かった。大人のドラマだなと思って僕は観ました。森山:ボクシング指導の松浦(慎一郎)さんからお話を伺ってはいたんですけど、ああいう(末永晃のような)タイプというか、ああいうふうに生きざるを得なくなってしまったボクサーとの出会いって、いままでありましたか。森川:僕も会長としてジムを経営しているんですけど、僕が知る限り、ああいうボクサーは間違いなくいます。やめられない、まだ未練がある、もう一発やれるんじゃないか、そういうのがあるでしょうね。KO負けしても、またお願いしますって来たりとか。こっちではもうこれで終わりだろうなって思ってるわけです。なのに、まだやりたいですって来るわけです。そういうボクサーは多いと思いますね。森山:末永晃は夜にしかジムに行けないので。午前中とか昼間とかは現役の若い選手もいるから、行くのも憚られて、夜しか行くことができない。でも、夜に行ってもトレーナーも会長もいないから、自分を追い込む相手とか、稽古する相手がいないからどんどん変なクセもついていくし、結局身にならないトレーニングになってしまう。そういうボクサーもいるとは聞いていました。森川:いるんです。森山:そうなんですね。今回『アンダードッグ』っていうタイトルですけど、かませ犬っていう、外から見てかませ犬的に扱われているっていう見方はあると思うんですけど、やってる本人としてはかませ犬だと思ってやっているボクサーは基本的にいないっていう話も聞いたんですけど。森川:それが難しい。どこの会長も恐らく、選手をやめさせるのが一番の仕事なんですよ、もう駄目だよって。映画の中でもありましたけど、それが役割だと思うんですけど。やっぱり事故も起こります、ボクシングですから。あのパンチもらったらお前無理だよっていうのがあるんですけど。選手にとっては職業のひとつじゃないですか。俺の職業、何でお前が決めるんだってことになっちゃうんで。引き際は自分で決めたいんだよ、っていうのはやっぱりすごくある問題で。移籍してもやるっていう人は多いです。森山:それは会長も気持ち汲んじゃいますもんね。森川:そうですね。僕も劇中では、会長の気持ちになって「やめよう、やめろよ」って思ってました。森山:そうですよねえ。人間ドラマをきっちり描かないと「試合で応援してもらえない」森川:『アンダードッグ』を見る限り、僕が一番気をつけていることをやっているなっていうのはありました。「少年マガジン」の読者には、ボクシングファンは多分1割もいないんですよ。だからボクシングを描いても受けないんです。それでどうやるかっていうと、主人公を好きになってもらう、主人公の環境を好きになってもらう、主人公の周り人たちを好きになってもらう。人間ドラマですよね。まずはそこを描かないと、試合が始まっても応援してくれないんですよね。ですから『アンダードッグ』も、試合に行くまでをじっくり描いているじゃないですか。そうそう、そういう描き方しないと、きっと試合では応援してもらえないよなと思って観ていて。それで試合で応援している自分がいるので、「ああ、勉強になったな」って思いながら僕は観ました。――『アンダードッグ』の前半戦では末永の日常を観ていくうちに、共感したという観客が多いようなんですが、ボクサーの日常について先生はどう思われますか。共感というか、そのキャラクターが好きになっていくというか。森川:僕ね、(主人公が)不安で不安で。ダメなやつだな、こいつと思いながら、でもいいとこあるじゃないですか。女性のこと「待ってるから」とか。あれも多分、適当に言ってるんですよ。本気でちゃんと思ってたら…。森山:そこ「最低だね」って言われますからね。そんなに見え透いてるのかなっていう(笑)。森川:不安でしょうがないんですよ。だから、どうなんだろう、こいつ。本当にがんばってチャンピオン目指すのかな。もしかしたら途中で投げ出してもおかしくないですよね。何か不安で。自分にもダメな部分があるから共感はしますけど、「がんばれよ」しかない。森山:「少年マガジン」では性的描写って描けないじゃないですか。今回、逆に言うとすごく盛り込んでるじゃないですか、主要な3人のボクサー全員に。末永は明確なパートナーっていないけれど、ほかのボクサーにはちゃんと彼女や奥さんがいて、性的描写がしっかり出てくるじゃないですか。それってどう思われますか。というのは、末永に関していうと、ボクサーとそれを支える女性っていうことになるんですけど、その描かれ方っていうのが、ともすれば杓子定規に見えることもなくはないかなとおもうんですが。末永の場合は妻(演:水川あさみ)にも逃げられてるし、生活もうだつが上がらない中で何とかやりくりして。デリヘルの女性(演:瀧内公美)と関わって。彼は言葉をしゃべらない、無口なので、セックスをするっていう描写そのものも彼自身の何かメンタルの表れみたいにならないかな、と思いながらやってるところはあったんです。森川:末永は夜の街に流れていったボクサーなので、『アンダードッグ』で性描写はあって当然だと思うんですけれど。息子さんがいるじゃないですか。息子さんと夜の街とのコントラストが素晴らしくて。だから、息子の力強さだとか、清らかさみたいな、唯一の希望のように際立ったところかなと。「お前、息子のためでいいからがんばれよ」って思って観てました。森山:誰にも愚痴も吐けないけど、最終的に(息子の)太郎にだけ愚痴を吐くって言う…。息子に愚痴吐くの、みたいな(笑)。「俺どうしたらいいか、分かんないんだよ」みたいなことを子どもにしか言われへんのかい、っていう(笑)。――晃は知るよしもないんですが、母親がテレビ中継を何度消しても、息子はまたテレビを付けるっていうシーンがありましたね。森川:あのシーン、カッコいいんだよね、息子さんの決意みたいなのがうかがえて。僕はかなりグッと来ましたよ。「続けていったら世界チャンピオンですよ」と森川さんからお墨付きをいただいた森山さんが「撮影に向けて取り組んだこと」などはABEMAビデオで公開中。劇場版『アンダードッグ』前後編は全国にて公開中。配信版は「ABEMAプレミアム」にて独占配信中(全8話)。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンダードッグ(2020) 2020年11月27日よりホワイトシネクイントほか全国にて【前編】【後編】同日公開ⓒ2020「アンダードッグ」製作委員会
2021年01月30日身内を装って電話をかけ、さまざまな口実で金銭をだまし取ろうとする『オレオレ詐欺』。警察庁によると、2020年1月~6月のオレオレ詐欺を含む特殊詐欺の認知件数は約6900件、合計被害額は約129億円にのぼるといいます。知り合いを装い「携帯をなくした」という電話をかけ、電話番号が変わったと思い込ませた後に、再度電話をかけ「お金が必要になった」といって金銭をだましとる手口もあるようです。笠井信輔「ばーか、俺がシンスケだよ!」元フジテレビアナウンサー、笠井信輔さんは2021年1月18日、Instagramでオレオレ詐欺らしき怪しい電話がかかってきたことを明かしました。自宅に突然かかってきた1本の電話。相手の男性は「あのさあ、電話かかってこなかった?」と話し始めたそうです。「あのさあ、電話かかってこなかった?」やや低い長男のような声しかし、自信が持てずに聞き返しました「かかってこないけど、どなた?」「……シンスケだけど」(信輔!! オレじゃんか!)「シンスケなの?」「そうだよ」「どうしたの?」「携帯電話なくしちゃってさあ、多分、交番から連絡があると思うけど、よろしくね」shinsuke.kasaiーより引用男性は笠井さんの名前と同じ『シンスケ』と名乗っていたそうです。オレオレ詐欺を疑い始めた笠井さんは「ばーか、俺が信輔だよ!」といって切ろうかと思いますが…。そこで私は、「わかったけど、何番の携帯電話をなくしたの?」セオリー通りに相手に個人情報を確認するために詰め寄ってみるとオ「いつものやつだよ」私「え?でも2台持ってるじゃん」(ホントは1台しか持ってないけど…)(中略)オ「わからない。なくしたから」私「いつも教えてくれるじゃない」そう優しく言った瞬間、ーーーツーツーツー…突然電話は切れたのでしたshinsuke.kasaiーより引用笠井さんは、携帯を2台持っていることにして「あなたが失くしたのは、どっちの携帯か」と問いつめます。すると男性は嘘がバレたと思い焦ったのか、突然電話を切ったのでした。詐欺の電話や自分の知らないところで個人情報が流出しているのは、本当に怖いもの。投稿の最後に笠井さんは「みなさん、詐欺には本当に気を付けてください!」と注意を呼びかけました。【ネットの声】・怖かったことでしょう…。高齢の両親がいるので、こんな危ない電話があることを伝えたいと思います。・笠井さんの返し方が冷静で、とても勉強になります。身近な話なので気を付けようと思いました!・まさか本人へのオレオレ詐欺とは…。笠井さんの対応力、さすがですね!オレオレ詐欺などの被害を防ぐため「迷惑電話防止機器を利用する、事前に家族の合い言葉を決めておく」「個人情報や暗証番号を安易に教えない」などの対策を徹底したいものですね。[文・構成/grape編集部]
2021年01月20日新作映画『アンダードッグ』に主演した森山未來さんにお話を聞きました。タイトルにもなっている“アンダードッグ”とは、対戦相手を引き立てるために用意された“かませ犬”のこと。今作で森山さんが演じるのは、かませ犬としてリングに立ち続けるボクサーの晃。生きる場所を求めてボクシングにしがみつく、負け犬たちの物語。「以前に、武(正晴)さんが監督した足立(紳)さん脚本の『百円の恋』というボクシング映画を観て素敵だなと思っていたんです。今回も同じチームだし、あの愚直な感じがやりたいなと思っていましたけど、脚本のありかたも撮りかたもやはり…愚直でしたね(笑)。段取りとか、細かな芝居の内容とかより、現場がいかにドライブしているかを重視していて、その熱を撮ろうとしている感じっていうのかな」晃は、一度は日本ランク1位まで上り詰めながらも大事な一戦で敗北を喫し、「過去から抜け出せなくて体だけが彷徨ってしまっている」人物。それを演じるのは、「なかなか我慢が必要で苦しかった」とか。「自分から何かを動かしていくキャラクターじゃないんですよね。周りにいる人たちが動いていっているのに、彼だけがいつまでも動けずにいる。もう一度立ち上がるには、あのときの敗戦と向かい合うしか方法はないんだけれど、それもできずにいる。無口を貫き、堕ちるところまで堕ち、ボクシングでしか感情を発露する場面がない。足立さんも武さんも、そういう晃の姿を、あえてなのかすごく淡々と描いているんですよね。だからこちらも無駄なサービス精神は排したほうがいいだろうと思って、ある種シブくいきました。晃の感情がどう動いていくのか、僕の頭のなかでは考えていましたが、それを演技として見せる必要はないというか。そのドラマ的な部分は、リングに上がっている瞬間にだけ見せられたらいいのかなと」役について話しながら、「こういう負け犬みたいな役をいただくことが多いけど、なんでなんやろ」と、ぼそり。しかし画面の森山さんからは、虚ろな瞳や歩きかた、さりげない仕草や表情に、ここまでの自堕落な日々が滲み出てくるようだった。「晃は感情が動かないというか、凪いじゃってるんですよね。でもボクシングの練習をしているとアドレナリンが出るのか、刹那的な、生きている実感があるんです。これがある程度順調な人生だったらまた違うのかもしれないけれど、彼の場合、ボクシング以外にそういう感覚を得られる場所がない。そういう人だからこそ、殴ったり殴られたりするのが許される場所に対してアクティブになるっていうのは、ある気がします」映画は、前・後編合わせて上映時間4時間半にも及ぶ大作に。「今の時代、スマートに生きることを良しとするような空気感があるじゃないですか。そんななかで、こういう泥くさい物語をどれだけの人が求めているのかなと思うんです。愚直に生きることのつらさとか、美しさがあるのはわかりますけど。でも、このジリジリした感じは、武さんと足立さんのふたりだからできること。上映時間の長さも含めて、挑戦的な作品だと思っています」近年、ダンサーとしても精力的に活動し、自ら振り付けや演出などもおこなっている。そんな森山さんだからこそ、いま俳優という仕事にどんな魅力を感じているのだろう。「映像に関しては、監督という存在に身を委ねるということの、ある種の気楽さはあります。あと自分じゃない人生の片鱗を見させてもらえるっていう好奇心じゃないかな」『アンダードッグ』デリヘル嬢の送迎で日銭を稼ぎながらもボクシングにしがみつく晃(森山)。荒んだ過去を持つ龍太(北村)。芸人として崖っぷちに立たされた宮木(勝地)。3人の男たちがボクシングのリングの上で対峙する。監督/武正晴原作・脚本/足立紳出演/森山未來、北村匠海、勝地涼ほか前・後編11月27日ホワイトシネクイントほかで同日公開(R15+指定)©2020「アンダードッグ」製作委員会配給:東映ビデオもりやま・みらい1984年8月20日生まれ。兵庫県出身。毎週土曜19:45~NHK Eテレで放送の『オドモTV』に出演中。12月28~30日に3夜連続放送予定のドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合ほか)の第2話に出演。トップス¥29,000パンツ¥25,000(共にLAD MUSICIAN/LAD MUSICIAN HARAJUKU TEL:03・3470・6760)シューズ¥37,000(NEPCO FOOTWEAR/NEPENTHES TEL:03・3400・7227)※『anan』2020年12月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・杉山まゆみヘア&メイク・須賀元子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年11月29日2016年に初版発行以来、世代を超えて共感の声が広まり続けている小説を森山未來主演で映画化した『ボクたちはみんな大人になれなかった』が、2021年にNetflixにて配信されることになった。「ボクたちはみんな大人になれなかった」(新潮文庫刊)は作家・燃え殻によるデビュー作。ウェブメディアの連載やSNS上で大きく話題を呼び、シンガーソングライターのあいみょんを始め、小沢一敬、会田誠、吉岡里帆、「EXIT」兼近大樹といった様々なジャンルのクリエイターや著名人から絶賛を受けた。誰もが感じる切なさや懐かしさが凝縮されたこの物語は、10代~20代からは時代を超えて感情に訴える“エモさ”で話題を呼び、30代や40代からは舞台となっている90年代を代表するミニシアターや渋谷の街、流行した音楽や映画のタイトルなど当時のカルチャーを懐かしみながら楽しめると様々な年代を魅了し続けている。あいみょんさんは、共感のあまり原作の文庫本にエッセイを寄せている。物語は、ある朝の満員電車の中で、昔フラれた大好きだった彼女に間違えてフェイスブックの「友達申請」を送ってしまった主人公「ボク」の混沌とした1日から始まる。多くの読者が、自分の経験や過去の想いと「ボク」のそれを重ね合わせる、過去と現在をSNSが繋ぐ異色のラブストーリー。主演に迎えるのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『モテキ』『アンダードッグ』ほか数々のヒット作で大役を務めるだけでなく、舞台やコンテンポラリーダンスなど幅広い活躍を見せてきた森山未來。演じるのは昔の大好きだった彼女にSNSを介して再会してしまう主人公「ボク」。森山さんは、「’失われた10年’とも言われる1990年代。そんな不安定な時代に、恋に音楽に仕事に燃えたどこの馬の骨ともしれない主人公。過ぎ去った、その後には何が残っているのだろう。今になってその燃え殻をどう見つめるのだろう。視線をそむけようとも、ただ静かに見守るしかない。この物語にはエンドロールはひとつしかない、ですよね」と原作について語っている。監督を務めるのは森義仁。犬童一心、阪本順治ほか名だたる監督に助監督として師事。その後は様々な企業CMや「欅坂46」や「サカナクション」などのMVを手掛け演出家としての手腕を発揮。2015年にはカンヌ広告祭でフィルムクラフト部門でゴールドを受賞した。「恋のツキ」でドラマ初監督を務め、本作が映画監督としてのデビュー作となる。「誰しも誰かに出会うことで自分を形成し、自分がみる風景を変えていく。そういうどこにでもある人生。森山未來さんが演じる主人公の人生と観ているあなたの人生が交差するような新しい感覚を持った映画にしたいと思います」と、森監督は製作に対する意欲をコメントする。さらに、原作の燃え殻氏からは「90年代、渋谷系といわれた音楽たちがあって、『裏原宿』という言葉に酔っていた人たちの物語。ノストラダムスの大預言がまだ健在で、何かが始まりそうで、終わりそうだった時代。簡単には過去にできない、過去にならなかったボクたちを、森山未來さんを含めた最高のキャストの皆さんで観られることを、今から楽しみにしております」と期待を寄せるコメントが到着している。Netflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』は、2021年Netflixにて全世界配信予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2020年11月20日森山未來、北村匠海、勝地涼ら豪華キャストを迎えた、『百円の恋』の武正晴監督の最新作『アンダードッグ』。ボクシングにしがみつくことしかできない森山さん演じる主人公を中心に、人生から見放された3人の男たちの生き様を描いた本作から、石崎ひゅーいが書き下ろした主題歌「Flowers」の映画版ミュージック・ビデオ(MV)が解禁された。一度掴みかけたチャンピオンの道からはずれ、無様な“かませ犬”としてリングに立ち続けているどん底ボクサー・末永晃(森山未來)と、才能を期待されながらも過去に秘密を抱える若きボクサー・大村龍太(北村匠海)、大物俳優の二世タレントでバラエティ番組の企画のためにボクシングをすることとなった芸人ボクサー・宮木瞬(勝地涼)といった、3人の負け犬たちが人生の再起を賭け戦う人間ドラマを描いていく本作。主題歌に起用された石崎さんは、武監督の“普通だったら映画の主人公になり得ない、世間の誰にも相手にされない奴がクライマックスにリングの上で光を浴びるストーリーを作りたい”という想いを受けて楽曲「Flowers」を書き下ろした。解禁された映画版のMVは、不格好ながらも懸命に咲こうともがく3人の姿と、彼らの心の叫びを代弁するかのような歌詞、そして背中を後押しする石崎さんの力強い歌声が共鳴し合い、観るものの胸をふるわせる仕上がりとなっている。また映像には、予告映像では見ることのできなかった初公開の本編シーンも満載。顔つきを変え、ヒートアップしていく男たちの姿に注目。主役の末永晃を演じた森山さんも、「“ハードボイルド”や“滅びの美学”が成立しない、今の時代だからこその地に足の着いたリアルな物語です。負け犬、かませ犬と呼ばれながらも、いつかはこの世界から抜け出そうと思うものの、負け続ける。そんな生き方を選ばざるを得なかった人たちが、自分は負け犬であると認め、受け入れることで新たな人生を始める。ボクシングのように重心を下に置いた、心に響く映画だと思います」と、重厚なドラマが展開する本作の魅力を熱弁している。劇場版『アンダードッグ』【前編】【後編】は11月27日(金)よりホワイトシネクイントほかにて同日公開。配信版『アンダードッグ』は2021年1月1日(金・祝)よりABEMAプレミアムにて配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンダードッグ(2020) 2020年11月27日よりホワイトシネクイントほか全国にて【前編】【後編】同日公開ⓒ2020「アンダードッグ」製作委員会
2020年11月10日2020年11月6日に放送されたバラエティ番組『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に、俳優の森山未來さんがゲストで出演。15年以上、携帯電話を持っていない理由を明かし、反響が上がっています。森山未來が携帯電話を持たなくなった『理由』とは同番組のMCを務めるお笑いコンビ『ダウンタウン』の浜田雅功さんは、2008年のテレビドラマ『夢の見つけ方教えたる!』(フジテレビ系)で森山さんと共演していました。浜田さんは当時の森山さんを好青年と褒めつつも、「交換したメールアドレスに連絡を入れても、返信がなかった」と吐露。それにまつわる話題として、MCの坂上忍さんが「どうやら森山さんは携帯電話を持っていないらしい」と明かしたのです。あまりの衝撃にスタジオが静まり返る中、森山さんは「だから浜田さんと連絡先を交換する時はメールアドレスのみだった」といい、携帯電話を持たない理由を次のように語りました。元からあんまり携帯(の電話)に出たがらないからもう、(携帯電話を)携帯しててもあんまり、コミュニケーションが取れない。そんな持ち方をしてたんですけど。でもなんかある日、19か20歳くらいの時に暇な時に携帯で麻雀のゲームしてて。気が付いたらもう夕暮れになってたんですよ。(だから)「もうやめよう」って思って。それでやめてから、基本的には持ってない。ダウンタウンなうーより引用「19〜20歳くらいの時、暇な時間は携帯ゲームをして過ごしていた」という森山さん。ゲームであっという間に過ぎる時間をもったいなく感じたのか、「それ以降、携帯電話を持たなくなった」と明かしました。そのため、マネージャーなど誰かに連絡する時は公衆電話、必要な電話番号は記憶し、仕事のやり取りは普段持ち歩いているパソコンで済ませているといいます。きっと森山さんは、「有限な時間を大切にしたい」と、強く思っているのでしょう。森山さんの発言に、ネット上ではさまざまな声が寄せられています。・スパッとやめられる森山さんが素敵。手放すのは難しいけど、私も1日の操作時間を減らしてみようかな。・このご時世で携帯電話を持たないってすごい。周りに流されない芯の強さを感じました。・昔もテレビ番組で「携帯電話を持ってない」って話してたけど、今もそうなのか。かっこいい。ガラパゴス携帯(通称:ガラケー)からスマートフォンに変わり、誰もが気軽にネットサーフィンを楽しめる2020年現在。さまざまな情報をすばやく入手できるだけでなく、SNSで他者と交流したり、『スマホ決済』で飲食や購入品の支払いができたりするため、肌身離さず持ち歩く人は多いでしょう。人生という時間の使い方について、改めて考えさせられますね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月08日『百円の恋』「全裸監督」の武正晴監督が、森山未來、北村匠海、勝地涼をキャストに迎えた最新作『アンダードッグ』から、ボクシングシーンのメイキング映像が解禁となった。はじめに映し出されるのは、一度掴みかけたチャンピオンの道からはずれ、どん底に落ちながらもボクシングにしがみ付く主人公・末永晃を演じた森山さん。俳優のみならずダンサーとしても国内外での活躍の場を広げる森山さんは、持ち前の身体能力の高さに加え、クランクインの1年前からはじめたストイックなトレーニングを経て撮影に参加。本映像では、本番カメラが回っていない間も黙々と筋トレに励み、またミット打ちの練習シーンでは迫力のあるパンチを打ち込んで鈍い音を響かせたりと、晃が憑依したかのように終始真剣な表情で撮影に挑む森山さんの姿が捉えられている。続く映像は、児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚める若きボクサー・大村龍太に扮した北村さんの本番直前のメイキング。ボクシングの才能にあふれる役柄にリアリティをもたせるため、徹底した体作りを行った北村さん。本作の撮影は、10月30日(金)公開の主演作『とんかつDJアゲ太郎』の撮影の後だったこともあり、本作のクランクイン前に体重を8kg落として挑んだという。『百円の恋』に続き本作でもボクシング指導を担当した松浦慎一郎とともに、瞬発力のある龍太のステップを細かく確認しながら、スピード感溢れるシャドーボクシングを披露。最初は強張った表情を浮かべていた北村さんだが、松浦さんより「いいね!OKです!」と声が上がると「ちょっとホッとしました…」と笑顔をこぼす姿も収められている。最後を飾るのは、大物俳優の二世タレントで、鳴かず飛ばずの芸人ボクサー・宮木瞬を演じた勝地さん。チャラさを表す一方で、“親の七光り”という汚名返上を誓い、自らの存在を証明するかのようにボクシングに打ち込むギャップが見せどころとなる宮木。ジムの先輩役であり、プロボクサーかつトレーナーライセンスも取得している「ロバート」の山本博との撮影では、武監督や松浦さんに動きを確認し、汗だくになりながらも、劇中さながらトレーナーとボクサー二人三脚で、宮木らしいボクシングを組み立てていく様子が切り取られている。武監督は撮影をふり返って「森山未來さんの身体能力は素晴らしく、彼がいなければ成立しなかった作品です。晃はプロボクサーという設定がありますから難しかったと思いますが、あれだけ動ける人は稀です。北村匠海君の運動神経と反射神経には驚かされました。勝地涼さんの練習したアッパーカット宮木スペシャルは練習の成果が出ていました」と、役に全てを注ぎ込んだキャストたちを大絶賛している。また、「彼らの献身的なトレーニング姿は我々スタッフの力となり、作品の推進力となっています。そのため、タイトル『アンダードッグ』が『負け犬』という意味ではなく、人間の持つ底力、人間力の可能性を知らしめるタイトルへと変貌する作品に仕上げることが、僕の使命だと考えています」と監督自身も意気込むほどで、それぞれの身体を張った演技がスクリーンにどのように生きていくのか、ますます期待が高まるばかりだ。劇場版『アンダードッグ』【前編】【後編】は11月27日(金)よりホワイトシネクイントほか全国にて同日公開。配信版『アンダードッグ』は2021年1月1日(祝・金)よりABEMAプレミアムにて配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンダードッグ(2020) 2020年11月27日よりホワイトシネクイントほか全国にて【前編】【後編】同日公開ⓒ2020「アンダードッグ」製作委員会
2020年10月27日10月末より開催される「第33回東京国際映画祭」のオープニング作品が、森山未來主演の『アンダードッグ』に決定したことが分かった。『百円の恋』の製作陣が再集結した本作は、森山さんが、スターダムに駆け上がっていく選手たちの陰で咬ませ犬として踏み台にされ、這い上がろうともがく崖っぷちボクサー・晃を、北村匠海が過去に秘密をもつ若手ボクサー・龍太を、勝地涼が芸人ボクサー・宮木を演じ、ルーザーたちの感動のドラマを描く。コロナ禍での今年の東京国際映画祭は、「映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す」「映画を通じて国際的な連帯を強める」「コロナ後の映像文化についての考察を深める」という目的を掲げ、映画館でのフィジカルな上映を基本として実施。昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、アジアの新鋭監督作品の「アジアの未来」、日本の気鋭作品の「日本映画スプラッシュ」の3部門を「TOKYO プレミア 2020」として1つの部門に統合し、この部門の全作品を対象にして、観客が投票する「観客賞」を設ける形で開催。本作は、「TOKYO プレミア 2020」作品としても上映される。なお、この観客賞は、11月9日(月)TOHO シネマズ六本木で開催される本映画祭のクロージングセレモニーにて発表する。オープニング作品決定を受け、監督の武正晴は「2020 年東京国際映画祭のオープニングで『アンダードッグ』という映画を観ていただける環境に感謝します。最後の仕上げは観客の皆様に委ね、語り継いでもらえたらと念じて止まないのです。どうか皆様その日までご無事で」とコメントした。また、森山さんの鍛え抜かれた肉体が披露されているビジュアルも公開された。『アンダードッグ』【前編】【後編】は11月27日(金)よりホワイトシネクイントほかにて同日公開。「第33回東京国際映画祭」は10月31日(土)~11月9日(月)開催。(cinemacafe.net)■関連作品:アンダードッグ(2020) 2020年11月27日よりホワイトシネクイントほか全国にて公開ⓒ2020「アンダードッグ」製作委員会
2020年09月10日フリーアナウンサーの笠井信輔が30日、オンラインで開催されている『血液がんフォーラム2020』に登壇し、自身の悪性リンパ腫の体験を語った。昨年9月末にフジテレビを退社し、フリーアナウンサーとして活動を開始したわずか2カ月後に、血液のがんである「悪性リンパ腫」が判明した笠井アナ。告知の瞬間は「なんで俺が? なんで今?」と絶望したと振り返る。しかし、その後の入院生活は「絶対に負けるもんか」という気持ちだったそう。その理由の1つは「主治医の先生が私の病気を完全に掌握しているという自信に満ちていたこと」、もう1つは「妻です」と明かす。「妻は、僕ががんと報告した瞬間から、とにかく『大丈夫よ、治るわよ』と言ってくれました。結婚して30年、ハツラツとした人なんですが、実は精神的にもろい人で、泣き虫なんです。でも、私ががんになってから、泣き言や弱音、泣き顔、涙、一切見せずに、私の前では『大丈夫、治るから』と言ってくれるので、それに助けられました」この講演中には、自身に寄せられた通院患者の体験談を思い出して涙する場面があるなど、自身も「泣き虫」だという笠井アナは「妻は自分が泣いてしまうと、私が一緒に巻き込まれて泣いてしまうパターンになるというのを、よく分かっていたんだと思います」と推測。その妻の前で1回だけ泣いたことがあったが、「そこで泣いてもしょうがない」と言われ、それから涙を見せることはなかったそうだ。4カ月半の入院で感じたのは「今の医学、血液がんの治療法は、本当に進んでるなと思いました」。抗がん剤治療で、倦怠感、手のしびれ、味覚障害、食欲不振、不眠、口内炎といった症状があり、特に食欲不振は「1日何も食べなくても平気」というほどだったが、「最も一般的な副作用である吐き気が、ほとんどなかったんです。抗がん剤の前に飲む吐き気止め、点滴が見事に効きました」という。ここから、「食べることが闘いだ」とスローガンを掲げ、食欲不振の中でも、とにかく食べる努力をしたそう。その理由は、がんを患って痩せてしまい、「悲壮感が漂う顔貌(かおかたち)になってしまうと、タレントとして難しくなってしまうかもしれない」という危機感からで、「そのためには、絶対に痩せないようにしよう」と決意したそうだ。一時は7kg減まで痩せてしまったこともあったそうだが、退院時には目標である5kg減にまで戻し、「そこは自分で自分を褒めてあげたいと思ったところです」と胸を張った。今年4月30日に退院し、6月に「完全寛解」、8月にはレギュラー番組『男おばさん!!』(CS・フジテレビTWO)でスタジオ収録の復帰を果たした笠井アナ。「40代後半からは仕事一辺倒だったんですけど、がんになって『少し歩みを止めてみなさい』と神からの啓示を受けた気がしました。家族との会話とか、一緒に過ごす“何でもない時間”が増えて、『こういうのが普通の幸せなんだな』と感じることが増えたんです。がんになって良かったとは決して思いませんが、がんで家族の再構築ができたり、得たものはとても多いので、悲観ばかりはしておりません」と前向きに語った。この『血液がんフォーラム2020』では、笠井アナは16時15分からの「クロージングセッション」にも登壇する。
2020年08月30日●「もう死んでしまうのかな…」と思った時期もCS・フジテレビTWOの番組『男おばさん!!』(22日10:30~10:50放送分)の収録で、約8カ月ぶりのスタジオ収録復帰を果たしたフリーアナウンサーの笠井信輔。血液のがんである悪性リンパ腫のステージ4という宣告に「死んでしまうのかな…」と絶望を感じたこともあったというが、今回の収録では、盟友の軽部真一アナウンサーとブランクを感じさせないトークを繰り広げた。こうして完全復活を遂げた笠井アナが、今後の活動の柱の1つと考えて取り組んでいくのが、がんについて伝えていく仕事だ。その決意の背景には、どんな思いがあるのか。闘病生活を通して感じたことなどを含め、話を聞いた――。○■1回目の抗がん剤治療で見えた希望――約8カ月ぶりのスタジオ収録復帰となりましたが、感想はいかがですか?みんなは「早かったね」と言ってくれるんですけど、私にとってはとても長い8カ月でした。たしかに当初、「復帰まで1年かかるかもしれない」という話もありましたので、それからすると早かったんですけど、実際に治療して療養生活を送ってきたこの期間というは、自分にとって山あり谷ありだったものですから、非常に長く感じて、ようやくここまで来ることができたなという感じです。一方で、こういった形で戻れたことに非常に感謝しています。当初は「ステージ4で全身にがんが散らばっている」と言われて、「もう死んでしまうのかな…」と、ちょっと絶望的な時期もあったんですけれども、先生や家族の支えもありまして、前向きになることができました。とは言っても、「テレビにはもう復帰できないかも…」という思いも、どこかにあったんです。――それはなぜでしょうか?「がん」というイメージの中で、ものすごく痩せてしまう方もいらっしゃいますから、見てるだけで痛々しい状況にもなってしまう可能性もあるので、生きていても画面での仕事復帰は無理かなと思ったりもしました。その場合は、もう執筆活動に専念するしかないなと。でも、非常に薬が合い、先生や看護師のみなさんのおかげもあってここまで戻れたので、本当に幸せに思っています。――テレビ復帰できるかもしれないと手応えを感じたのは、なにがきっかけだったのですか?最初の抗がん剤の治療が終わったのが1月上旬だったんですけど、そこで非常に効果的な治療の結果が出たんですよ。私は排尿障害がひどくて、入院時には普通にトイレに行けず、おむつもしていました。腰痛もひどい中で生活していたんですけど、5日間24時間連続投与という抗がん剤治療の1回目が終わったところで、その排尿障害がほとんどなくなったんです。まだ、がんはたくさん残っていたんですが、尿管に影響していたがんが極めて効果的に消えていったということで、排尿に関する痛みや苦しみがかなり軽減されたので、そこで「もしかしたらいけるかもしれない」と思いました。――前向きになっていけたんですね。とにかく常に前向きでいようというのは、自分の中で決めていました。何があってもこんなところで負けていられないという気持ちがありましたので。東日本大震災を取材したときに、「引き算の縁と足し算の縁」という経験を得たんです。人間は悪いことが起きると、人との縁が切れて、仕事も減って、どうしても「引き算」のことばかり考えてしまうんですけど、その結果生まれてくる縁というのが絶対あるんですね。今回の私の場合で言うと、それは病院の先生や看護師さん、もっと言うと、インスタグラムや、がんになって始めたブログによってつながったフォロワーの皆さんもそうです。そういった新たな縁を取り込んで、自分の拠り所として前向きに進んでいこうという思いが、とても強く出ました。○■闘病で起こった家族と自分の意識変化それから、私ががんになったことで、子供たちが随分変わったんです。男三人兄弟で家の手伝いなんてほとんどしない連中だったんですけど(笑)、ある日、三男が卵焼きを作って病室に持って来てくれたんですよ。私の母のところに行って、作り方を教わってきて。――笠井さんの“おふくろの味”を再現してくれたんですね。そうなんです。ちょっと甘い味なんですけどね。それから家でもご飯を作ってくれるようになったんですよ。人間、危機が訪れると変わるんですよね。そういうことを1つ1つ貯金して、自分のエネルギーにしていくという考え方で過ごしていました。抗がん剤治療は非常につらいんですけど、そればかり言ってるんじゃなくて、新しい環境における新しい出会いというのをどんどん自分のエネルギーにしていかなきゃいけないというつもりでいましたね。――息子さんの変化のお話がありましたが、笠井さん自身の変化は何かありましたか?一番大きかったのは、最初は長期入院に絶望して「入院しなきゃダメですか? 何カ月で退院できますか?」なんてことばかり言ってたんですけど、がん治療においては、通院のほうが大変なんだなと気づいたことです。特に悪性リンパ腫の場合は、通院しながら抗がん剤を打って、家庭生活や仕事に戻る人がとても多いんです。私は程度が悪かったものですから、抗がん剤の中身も量もきつくて多いものだったので入院となりましたけど、通院しながら抗がん剤を打って、副作用のきつい身体で家庭生活に入ったり社会生活に戻っていくというのはとても大変だと想像できます。でも私は、寝ていれば看護師さんが面倒を見てくれるし、問題があれば先生が診てくれる。こんなに恵まれた環境はないなと、気持ちが切り替わりましたね。●「危ういもの」だったSNSに感じた“光”――通院治療の大変さは、どのように知ったのですか?ブログに多いときは1,500~2,000くらいにコメントを頂いて、1日時間があるので全部目を通すんですけど、その中にいかに通院で苦労しているかということを書いてくれる方がいるんです。コメントを見て一番は驚いたのは、こんなにがん関係者が多いんだということ。「自分はがんでした」「今がん治療してます」「家族ががんです」「知り合いががんです」…と、がんにまつわるコメントが山のように来るんです。こんなにみんながんで苦しんでいたり、あるいはがんと共に生きているんだと分かったことで、どんどん自分の気持ちが安らいでいくような気持ちになりました。自分は、がんになる人は特別だと思ってたので、特別なところに来てしまったのかと思っていたんですけど、今や2人に1人ががんになると言われていますから、実は五分五分なんですよね。こうして、ブログとかインスタグラムなどでいろんながん経験者の方を知って思ったのは、自分が体験しているがん患者のほうが一般的で、がんになっていない人のほうが「良かったね」って思うようになるくらい、がんが身近になっているということ。がんを毛嫌いしても始まらないし、絶望したり、悲しむのではなく、どうやって共に生きていくか、闘っていくかということに気持ちを切り替えることができたのは、一番良かったことです。――SNSでのコメントに、勇気づけられたんですね。本当にそうでした。私を励まそうというものと同じくらい、自分の経験を真剣に書いてくれるんですよ。抗がん剤の副作用って人によって出方が全然違うので、普通にネットとか調べていると悪い情報ばっかり入ってくるんです、そのほうがアクセス数も増えますからね。そういうところだけを見ていると不安にしかならないんですけど、なんの損得もない人たちから「自分はこうでした」「笠井さんこうだといいですね」「もし私と同じような症状だったらこれが効果的ですよ」とか、そういうアドバイスを頂けるんです。ネット上でのつながりというものを、我々マスコミでは「危ういもの」として取り上げることが多いのですが、私は今回、SNSの光と影の“光”の方を強く感じました。相手の方の名前はハンドルネームしか分かりませんけど、こういう支え、絆、つながりが、とても自分の中で大きな財産になりました。あと、私はどなたにもコメントを返さないと決めていたんです。この人に返して、あの人に返さないというのは申し訳ないし、体調によって全部に返せないということがあるので。それで驚いたのは、コメントで悩みを打ち明けてくれる人がいるのですが、別の人が励ましているんですよ。そうすると、悩んでいた人がお礼を言うんです。――笠井さんのブログやSNSのコメント欄で、コミュニティができているんですね。もう感動しちゃって! そこに私の存在はもうないんですけど、それでいいんですよ。とても素敵なことだなと思うし、「自分にはこんな良いコメントが返せたかな?」とも思ったりして(笑)。でも、SNSにはどうしたって落とし穴があるから、なかなかテレビではこういった良さというのを取り上げてきていないので、今、自分のがんとSNSの経験を本に書いているんです。秋から冬にかけて出せればと思って鋭意執筆中なんですが、この自宅療養中はほとんどこれを書く時間に充てていました。○■二度聞きした「完全寛解」――6月4日に、主治医の先生から「完全寛解」(かんぜんかんかい)と言われたそうですが、この言葉は初めて聞きました。私もそうでした。血液のがんの場合、相当長い期間をかけないと「完治」にはならないので、がん細胞がなくなる「寛解」という状況からそれを維持していくというのが典型なんです。だから、先生から「寛解です」と言われると思ったら「完全寛解です」という言葉だったので、私も妻も聞き返しましたよ、「完全寛解ってなんですか!?」って。普段から、そんなに人を喜ばせようとする先生じゃないんですから。――クールな感じの先生なんですか?そうそう、シビアにがん細胞と向き合う先生で、あんまり調子のいいことや、なだめるようなことを、根拠もなく言う方じゃないんです。その先生が「完全寛解」と言うので、改めて聞いてみたら、「データ上で見て、がん細胞が少しあっても問題ないという場合は『部分寛解』と言うんだけど、笠井さんの身体には全くないので、『完全寛解』なんです」とおっしゃるので、もうそれはうれしかったですよ。今は1カ月に1回、白血球の数値を見るために通院しています。●リモートワークは弱者を救う――スタジオ収録の前は、自宅からリモート出演されていましたよね。これは時代に救われたなと思いましたね。コロナという状況の中でリモートワークが一般化して、ネット回線でテレビ出演やラジオ出演ができるようになったのは、私にとってはとても大きな出来事でした。自宅療養の2カ月間は、基本的に家から出ないということになっていたので、仕事なんて一切できないと思っていました。そしたら、リモートワークという仕事の形が出てきて、世の中に浸透して、必ずしも職場に行かなくても仕事ができるという新しい社会のシステムに助けられました。リモートワークは、感染を防ぐとか、仕事の効率を上げるとか、そういった目的で普及が進んでると思うのですが、我々がんサバイバーと言われる人間から見ると、これは“弱者のツール”だと思いました。家から出られない人、抗がん剤治療受けている人、病弱であったり精神的に外に出ることができない人たちが、リモートによって仕事しやすい環境がどんどん生まれている。今まではリモートで仕事をしていれば「なんでリモートなんだよ」って見られていましたけど、今は「進んでる」と一段上に見られますからね。つまり弱者が対等に、それ以上の立場で社会に出ていくことができるツールとして、リモートワークは非常に良いシステムだなと思いました。そういう意味で、コロナというのは我々の仕事にとって良いことは1つもないんですけど、副産物として、我々弱者を救ってくれるシステムが構築されつつあるのです。――今回のスタジオ収録の様子を拝見しましたが、絶好調でしたね(笑)リモートによって、テレビの本格復帰へのリハビリができたんですが、むしろリモートのほうがトークは難しいですからね。ハードルの高いことをやってから今回、『男おばさん!!』で軽部さんと一緒にやらせていただいたことで、生のトークがどれだけ楽しく、どれだけ心躍るものであるかということを再認識しました。――フジテレビにも久々に来られて、アナウンス室には寄られたのですか?はい、みんな「おかえりなさい」と喜んでくれて、やっぱり後輩たちはかわいいですね。古巣はいいなと思いました。それから来た時間がちょうど『とくダネ!』が終わる頃だったので、小倉(智昭)さんにあいさつに行ったんですけど、なんだかわけもなく会った瞬間に泣いちゃって。小倉さんには最初にがんのことを相談しましたし、膀胱がんを全摘したがんの先輩ですしね。――20年のお付き合いですもんね。でも、『とくダネ!』の他の担当アナウンサーより、私と小倉さんの距離は離れているんですよ。みんなは一緒にコンサート行ったりとかしてるんですけど、私はあんまりそういうことは一緒にしない(笑)。だけど、一大事が起きると、小倉さんをまず頼る。そういう20年間だったので、ちょっと親子関係に近いかもしれないですね。近すぎるとちょっと鬱陶(うっとう)しいけど、どうしてもそばにいてくれないと困る人(笑)それが小倉さんだから、会った瞬間に泣き崩れてしまったのかもしれないです。そんなことになるとは思わなかったんですけど、小倉さんを喜ばせなきゃと行って、気づいたら泣いていました(笑)○■神様から「今度はがんのこともやりなさい」――スタジオ復帰でフリーアナウンサーとして再スタートということになるかと思いますが、今後の展望をお聞かせください。去年フリーになって最初の2カ月間、本当に様々な仕事をやらせていただいたので、その状況に戻していきたいというのが1つです。もう1つは、これからはがんというものを自分の活動の1つの柱にしたいと思ってるんです。本の執筆のほかに、まずは「オンコロ」というがん情報サイトで、自分がインタビューアーとしてがん患者が気になることを専門家の先生にお聞きする動画を始めました。それから、8月29・30日にキャンサーネットジャパンというNPO法人が主催する「血液がんフォーラム」というオンラインのシンポジウムに参加します。自分の経験をがんで悩んでる人や、これからがんと闘っていく人たちの何か助けになるような活動がしたいと思っているので、そういったところにはできる限り参加していきたいと思います。自分ががんになった意味はそこにあるんじゃないかと思ってるんです。これまで10年、東日本大震災の各地域と取材を通じていまだに交流して、毎年いろんなことをやってきましたけど、これからは何をするかというときに、神様から「今度はがんのこともやりなさい」と思し召しがあったと思って。がんサバイバーは、人の経験にも興味があるんですよ。なので、がん経験者の仲間の皆さんに関心を持っていただける部分もあるのではないかと思っています。――活動の幅が広がっていきますね。専門家になろうとしているわけではなくて、これまで伝える仕事をしてきたという経験から、がんにまつわるいろんなことを伝えていく活動というのは、自分にとってこれから重要にしていかなきゃならないなと。単に「がんが治ってよかったね」で済ませちゃいけないなと、自分では思っています。●笠井信輔1963年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、87年フジテレビジョンに入社し、『おはよう!ナイスデイ』『タイム3』『今夜は好奇心!』『THE WEEK』『FNNニュース555ザ・ヒューマン』『とくダネ!』『男おばさん!!』『バイキング』など、報道・情報番組を中心に担当。19年9月で同局を退社し、フリーアナウンサーとして活動するが、同年12月に悪性リンパ腫が判明し、療養へ。今年4月に退院し、自宅療養を経て、8月22日放送のCS・フジテレビTWO『男おばさん!!』でスタジオ収録に復帰した。がん情報サイト「オンコロ」でインタビュー動画『笠井信輔のこんなの聞いてもいいですか』や、NPO法人キャンサーネットジャパンが主催する『血液がんフォーラム』(8月30日)に参加し、秋~冬には書籍を出版予定で、自身の闘病経験を伝える活動も行っていく。
2020年08月21日森山大道×YOSHIROTTENによる空間・ビジュアルデザインや、新宿の名店とクリエーターのコラボレーションアイテムを発売します。さまざまな顔を併せ持ち、雑多な雰囲気を持つ私たちの街「新宿」1923年の関東大震災時に地盤が強くほとんど影響を受けなかったため、駅周辺に交通が集中し発展したこの街。戦後の闇市から商店街化、60年代商業の急激な発展により今の新宿のベースができあがった、高度経済成長期に西新宿側は再開発ラッシュとなり、91年の都庁移転後も街は変容を続けている。そんなヒストリーとともに、複雑な街のつぎはぎの表情は、褪せない魅力を醸し続けている。RESOLUTION - 解像度解像度をあげることによって初めて、眼前に表出するもの解像度を下げ抽象化を進めることで立ち現れるもの単純に、図像を拡大⇆縮小するという行為によって、獲得できる感覚を超えてわたしたちは、表現を読み感じることができる。いくつも複層の視座に、解像精度は存在する。商いをおこなうもの、生活を営むもの、目的や想いをもってやってくるものここを訪れる人々そのものが街の景色を構成する、複層的な人の営み新宿の有り様と、新宿へ向けられた眼差しは、表現者を刺激し、文化を刺激する。この度、伊勢丹周辺を取り巻く歴史あるお店やエリア、そしてそこにゆかりのあるアーティストとを組み合わせ、同質化してしまった街にはない魅力をひきだす試みを企画した。今回メインビジュアルと空間デザインを構成するのは、日本を代表する写真家・森山大道とアートディレクター・YOSHIROTTENが率いるYAR。森山大道によって切り取られデジタル化された新宿の断片のレゾリューション(解像度)を行き来しながら、YOSHIROTTENがその中に新しいイメージを見出したビジュアルとなっています。森山大道コラボレーション限定アイテムイベント限定MDとして森山大道の写真をデザインに落とし込んだアイテムが登場。氏が惹きつけられてやまないという新宿の街を撮りためた写真集「ニュー新宿」からの抜粋した作品を中心に、5クリエーターが限定アイテム14種類を販売します。<MIN-NANO×森山大道>Tシャツ2種 各8,250円<SECRET BASE×森山大道>1/1スケール 三沢の犬フィギュア(シリアルナンバー入り) 82万5,000円*発売日についての詳細は、ISETAN THE SPACE公式インスタグラムでお知らせいたします。画像の作品のほか、スモール 三沢の犬フィギュア3色 各16,500円もご紹介いたします。<森山大道×PORTER>バッグ 各1万9,800円<PAKE×森山大道>ジッパーバッグ3個セット2種(上段・下段) 各2,200円<森山大道×YOSHIROTTEN>特殊紙ポスター6種 8万2,500円新宿名店・名所コラボレーション限定アイテム目まぐるしいスピードで姿を変えていく街がある一方で、都市開発と昔ながらの街並みが共存する雑多な街、新宿。そんな新宿の文化を担ってきたお店やスポットとゆかりのあるクリエイターがコラボレーションした、本イベントならではの限定アイテムを21種類販売。<Ken Kagami×伊勢丹>Tシャツ 5,500円Thermo mug 各4,290円、BAGGU 2,530円<TACOMA FUJI RECORDS×新宿西口 思い出横丁×五木田智央>Tシャツ 6,930円<TACOMA FUJI RECORDS×新宿ゴールデン街×丹羽洋己>Tシャツ 6,930円<OLGA-goose candle-×新宿高野・フルーツパーラー>キャンドル:パフェ 1万8,700円、フルーツサンド 各5,500円キャンドル:メロンゼリー 7,700円、フルーツチョコ 各5,500円<PURPLE THINGS×珈琲西武>Tシャツ 6,600円カップ&ソーサ― 2,750円、灰皿 1,980円<RURU MARY’s×新宿御苑>新宿サブレ 1,320円写真家・森山大道氏による写真作品のゼラチンシルバープリントを受注販売をいたします。会場の展示作品の一部の中からご希望のサイズでオーダーが可能。額装は新宿に本店を構える文具画材の専門店・世界堂が行います。作品サイズ・254 x 305mm (10x12inch)・279 x 356mm (11x14inch)・356 x 432mm (14x17inch)・457 x 560mm (18x22inch)・508 x 610mm (20x24inch)・600 x 900mm・1000 x 1500mm※価格は店頭にてご案内いたします。サイズにより会場での額装対応が出来かねますのでご了承ください。スペシャル情報■本イベント開催にあたりショートムービー公開本イベントの開催にあたり、新宿のランドマークである新宿アルタビジョンにて、森山大道とYOSHIROTTENによるショートムービーを公開します。8月20日(木)~26日(水)10:00~24:00 毎時4回放映予定。■三越伊勢丹オンラインストア ISETAN THE SPACE特集ページでのスペシャルコンテンツ森山大道×YOSHIROTTENインタビュー、各クリエイターのコメントはISETAN THE SPACE特集ページにて掲載予定です。■企画概要「SHINJUKU_RESOLUTION」・会期:2020年8月21日(金)~9月23日(水)・会場:伊勢丹新宿店本館2階=イセタン ザ・スペース※価格はすべて税込となります。関連情報■ISETAN THE SPACE公式インスタグラム@ISETAN_THE_SPACE■ISETAN THE SPACEショップページ企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年08月14日『百円の恋』「全裸監督」の武正晴監督が、森山未來、北村匠海、勝地涼をキャストに迎えた最新作『アンダードッグ』の公開初日が決定。併せて、特報とキャラクターポスターが解禁となった。今回解禁された特報映像は、リングでタバコをふかしながら、大の字に寝転ぶ森山さん演じる晃に、「さすがにヤバいでしょ、リングでタバコ吸ってたら」と北村さん演じる龍太が語りかけるシーンから始まり、3人の男たちを紹介するアッパーな映像が展開される。顔面アザだらけでリング上に倒れる晃、ミット打ちで素早くパンチを繰り出す龍太、試合の対戦相手に押され気味になっている瞬が映し出され、最後はスウェット姿で嗚咽をもらす晃と「まだ、くすぶってる」の文字で締めくくられる。3人の男が人生の再起を賭け、戦う姿に期待が膨らむ内容に仕上がっている。併せて、キャラクターポスターも解禁。崖っぷちボクサーの晃がサウナスーツを着て息があがる姿をとらえたポスターには、「夢みる燃えカス。」というコピーが添えられている。秘密の過去をもつ若き天才ボクサーの龍太が先を見据える姿をとらえたポスターには、「夢あふれる悪童。」の文字。「負けたら芸能界即引退!」と書かれたTシャツを着た芸人ボクサーの瞬の姿をとらえたポスターには、「夢さがす半人前。」と、それぞれのキャラクターを象徴するコピーがうたれている。また本作は、劇場版と配信版が製作され、劇場版には前編・後編があり3人の男たちのドラマを中心に描かれ、全8話からなる配信版は、3人の男たちと彼らをとりまく登場人物の群像劇になっている。どちらかにしかない映像もあり、どちらを先に見ても、両方見ても楽しめる構成になっている。劇場版『アンダードッグ』前編・後編は11月27日(金)よりホワイトシネクイントほか全国にて公開。配信版『アンダードッグ』は、ABEMAプレミアムにて11月より配信開始。(text:cinemacafe.net)
2020年07月28日