出産してようやく赤ちゃんと対面できた余韻を味わう暇もなく始まる24時間ぶっ続けの授乳リレー。出産を機にホルモン分泌が切り替わることで母乳が出るようになるため、産んですぐから沢山出るわけではありません。そのためにママができることは、まず頻回授乳。新生児の頃は出生体重によってミルクを足したり体温を見たりいろいろと忙しく、授乳間隔についてはどの本を読んでも「欲しがったらその都度あげましょう」と書いてあります。ですがお腹の中では一心同体だった赤ちゃんも、へその緒が切れて生まれてくると、「この声はおっぱいを欲しがっているのかしら?」のか「なぜ泣いているの?」と、なかなか理由を特定できず心配が絶えません。今回はそんな母乳生活の始まりについてお伝えします。■母乳育児の始まりまず出産後、赤ちゃんに飲ませることによって初乳という最初のおっぱいが出ます。これにはとても濃い栄養成分が含まれているので、病院でもカンガルーケアという赤ちゃんとの触れ合いの一環として推奨されることが多いと思います。「赤ちゃんは最初からママがたくさん母乳が出ないことを知っていて、あらかじめお弁当のように多めに栄養を蓄えて産まれてくる」と言われていますが、それでも出生後3日間で体重は200gくらい減ってしまいます。体重が減り、おっぱいを吸う力が弱まりそうなら、おっぱいと並行して一日数回ミルクを足すことを勧められますが、一日10回以上の頻回授乳と甘い物と油物の摂取を控え和食中心の食生活にすることによって母乳生活がだんだん軌道に乗り、完全母乳に移行できることが多いようです。私も手帳で確認したところ、最初の一ヶ月は寝る時間と家事と食事の時間とトイレへ行く時間と赤ちゃんのお世話以外は1時間から2時間弱おきの母乳育児に専念していました。新生児との生活は朝も夜も関係なく、とにかくおっぱいと抱っこです。産まれたばかりの「フニャー」という弱々しい泣き声からだんだん「ンアー!」という力強い泣き声になり、何をしても泣くのでどうしてあげたらよいかわからずオロオロすることもあります。家族に抱っこを代わってもらってもすぐにギブアップされたり、オムツもうんちだったらそのままフタされて「うんちだったよー」といわれるだけで「あー大変大変」と立ち去られたり、自分でも不安な時に「おっぱい出てないんじゃない?」と追い打ちをかけられ涙が出そうになったりも…。ママも眠れなくてボロボロですが、それでも赤ちゃんをじっと見ているうちに、その子なりの小さなサインが生まれてきます。そこに反応してあげることで少しずつママと赤ちゃんの絆ができてくるのかもしれませんね。始まったばかりの新生児育児、その時は精一杯でも後で思い返すと「なんて小さかったの! 可愛過ぎる!」と悶絶するサイズと愛らしさです。どうか日々思う存分満喫してくださいね。
2014年07月23日出産後すぐの母乳は初乳と呼ばれ、赤ちゃんにとって栄養と免疫の濃縮ジュースと言われるほど貴重なものです。「できれば母乳で育てたいけど、産まれてすぐから出るのかしら?」そんな不安を持つ妊婦さんは多いとおもいます。今回はスムーズに母乳育児を始めるために妊娠中からできることについて、桶谷式母乳マッサージをされている『まどれ助産院』の真木先生にお話を伺ってきました。妊娠中期(妊娠5~7カ月)くらいから血行が良くなり乳腺が発達し、乳頭から透明だったり少し黄色味がかった分泌液が出ることがあります。絞ってみたい気持ちにかられがちですが、この時期からマッサージを始めるのはあまりオススメできません。産後の母乳量との関連はあまりないようなので、無理にがんばると乳頭感染の可能性もありますし、乳頭への刺激は子宮収縮の原因にもなります。切迫早産になりやすい人や子宮頚感管長が短いと指摘された方は特に避けた方がよいです。妊娠中の母乳マッサージはいろいろな方法が紹介されていますが、いつ産まれても大丈夫な妊娠10カ月の37週頃になったら開始しましょう。それまでは乳腺を圧迫しないよう、乳房を支えられるくらいのノンワイヤーブラジャーに切り替えて血行良く過ごせるようにしましょう。この時期からフロントホックのものにしておくと出産後にも使えて便利です。乳頭に白いポツポツのような固まりや栓のようなものができていたら、お風呂に入る前に植物性オイルをつけたコットンを張って少しラップパックをしてからそっと拭き取ります。この他に扁平乳頭や陥没乳頭の場合は特別なケアが必要になるので、母乳外来や助産外来などで診てもらい相談すると良いでしょう。女性は出産するとホルモン分泌が変わり、そこで初めておっぱいを出す体に切り替わります。産後すぐの時期、産院ではおっぱいをあげる前と後に赤ちゃんの体重を測り「どれだけ飲めているか」を計算します。最初は増えても10gや20gだったりと極少量が当たり前なので心配いりません。何度も何度も吸わせていくことで少しずつ赤ちゃんの吸い方も上手になり、たくさん飲めるようになっていきます。赤ちゃんのおっぱいを吸う力は思いのほか強く、生きるために本能的にがんばる姿は胸を打つものがあります。赤ちゃんはママのおっぱいが最初はあまり出ないことを知っていて、出るようになるまでの栄養をお弁当のように体に蓄えて産まれてくるともいわれています。だから大丈夫。出生体重が少なくて母乳を吸う力がなくなってしまいそうな場合は最初だけミルクを足した方が良いこともありますが、とにかくあげ続けることが一番大切です。子供を産むという大仕事を成し遂げたあと、喜びもつかの間にすぐ始まる授乳リレー。赤ちゃんが眠った時に一緒に眠り、少しでも体を回復させて楽しく子育てができますように。
2014年07月22日「妊娠中しているわけでもないのに、排卵日になると乳首が痛くなり母乳がにじむ」という相談が、ビューティ&ダイエット編集部に届きました。妊娠していないのに、母乳が出るという症状について、女性専門病院の「私のクリニック目白」の平田雅子院長にお話をうかがいました。以下、平田先生。排卵は月経初日から約2週間後に始まって、卵胞を突き破って卵を卵巣外に出すことを言います。卵胞が破れる際に、大なり小なり痛みをともなったり、なかには出血することもあったりします。また、排卵前にエストロゲンが多量に分泌され、排卵にともなって一気に減少します。女性ホルモンの影響は想像以上で、肌のトラブルや腰痛、頭痛、腹痛、精神的不安定などの症状が現れることもあります。ホルモンの変化で乳腺が影響を受けることにより乳腺組織が増え、一番敏感な乳首に痛みが出ている可能性も考えられます。ただ、影響を受けやすい体質による場合もあれば、子宮内膜症や子宮筋腫などが引き金になっている場合もあるので、痛みがひどいようなら病院で検査してもらったほうがいいでしょう。体質的なものであれば、体質を変えるよう生活を見直すのもひとつ。例えば、冷え性、やせ過ぎ、野菜を食べないなどの偏食、不規則な睡眠時間、あるいは喫煙など、何か心当たりがないでしょうか?それから、ちょっと気になるのが、母乳の分泌。女性ホルモンのなかには、乳汁の生産を促すプロラクチンというホルモンがあって、それが過剰に分泌されると乳漏症や排卵障害を起こすことがあります。ほかに、脳腫瘍(しゅよう)や脳の外傷による場合、そして経口避妊薬を使用している場合にも乳首からの分泌がみられることがあります。いずれにしても、病院で検査してもらって、体質的なものか、病気から来ているものかをチェックしてもらったほうが安心でしょう。体質的なものだとわかれば、生活習慣を見直したり、漢方医に相談するなど改善方法を見つけやすくなります。(ビューティ&ダイエット編集部)
2013年01月21日