特別展「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」が、東京都江戸東京博物館で開催される。会期は、2017年2月18日(土)から4月9日(日)まで。18世紀は、江戸の人口が100万人を超え都市として発展を遂げたのと同時に、北京が清朝の首都として最も繁栄を極めた時代。日本と中国には文化交流の長い歴史があり、江戸時代の「鎖国下」においても中国貿易は公認され、長崎を窓口として、文物の流れが滞ることはなかった。本展では、繁栄の時代である18世紀を中心に、江戸と北京のなりたちや生活、文化を比較。江戸・日本橋の賑わいを描いた「熈代勝覧」と、乾隆帝80歳の式典に沸く北京の風景を描く「乾隆八旬万寿慶典図巻」、そして康熙帝60歳の式典を描いた「万寿盛典」が出陳され、同時代の江戸と北京を一目で見比べることができる。また、商売、歳時、学問や遊びなどの様々なテーマをもとに資料を展示し、それぞれの生活や文化を民衆の側面からも分析。加えて、清時代の「青花御窯廠図磁器板」などの首都博物館所蔵の名品も展示され、日本初公開の中国作品が多数紹介される。清朝の芸術や宮廷文化に関する展覧会はこれまでにも開催されたことがあったが、北京と江戸の都市生活を比較する企画は今回が初めて。両都市の共通性と違いを感じ取り、新たな相互理解を深めるきっかけにしてみてはいかがだろう。【概要】特別展「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」会期:2017年2月18日(土)〜4月9日(日)※月曜日休館(ただし、3月20日(月・祝)は開館、翌21日(火)は休館)会場:東京都江戸東京博物館 1階 特別展示室住所:東京都墨田区横網1-4-1観覧料:特別展専用券 一般 1,400円(1,120円)、大学生・専門学校生 1,120円(900円)、中学生(都外)・高校生・65歳以上 700円(560円)、小学生・中学生(都内) 700円(560円)特別展・常設展共通券 一般 1,600円(1,280円)、大学生・専門学校生 1,280円(1,020円)、中学生(都外)・高校生・65歳以上 800円(640円)、小学生・中学生(都内) なし特別展前売券 一般 1,190円、大学生・専門学校生 910円、中学生(都外)・高校生・65歳以上 490円、小学生・中学生(都内) 490円※( )内は20名以上の団体料金※次の場合は観覧料が無料。未就学児童。身体障がい者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳の持参者と付添者(2名まで)。※小学生と都内在住・在学の中学生は、常設展示室観覧料が無料のため、共通券の販売なし。【問い合わせ先】東京都江戸東京博物館TEL:03-3626-9974(代表)
2016年12月01日11月23日より東京・江戸東京博物館1階展示室で「戦国時代展 -A Century of Dreams-」が開催中。同展でコーエーテクモゲームスの人気アクションゲーム「戦国無双」とのコラボを行っている。【チケット情報はこちら】コラボ内容は、同展の音声ガイドをゲームに登場する4人の武将、上杉謙信(中田譲治)、武田信玄(大友龍三郎)、毛利元就(石川英郎)、織田信長(小杉十郎太)が担当するというもの。また、会場ではノートやファイルなどのコラボグッズも販売される。「戦国時代展 -A Century of Dreams-」は織田信長、上杉謙信など、戦国時代に台頭した戦国武将にまつわる歴史資料や、狩野派絵師による美術工芸品など、全会期で190点(うち国宝38点)を展示。展示物は会期によって異なり、11月、12月の前期は西日本の大名、2017年1月の後期は東日本の大名にスポットをあてる。「戦国時代展 -A Century of Dreams-」は2017年1月29日(日)まで東京で開催されたのち、京都、山形を周る。■「戦国時代展 -A Century of Dreams-」【東京会場】東京都江戸東京博物館(東京都)2016年11月23日~2017年1月29日(日)【京都会場】京都府京都文化博物館(京都府)2017年2月25日(土)~4月16日(日)【山形会場】米沢市上杉博物館(山形県)2017年4月29日(土)~6月18日(日)
2016年11月24日江戸時代に誕生した伝統的な書体「角字」をリデザインする書体プロジェクト「真四角(ましかく) 」が、一点から好きな言葉で「真四角書体」を使用したiPhone7 iPhone7 Plusケースを注文できるサービスを開始しました。伝統的な書体「真四角」をiPhoneケースに!江戸文字をリメイクして生まれた「真四角(ましかく)書体」をつかって、iPhone7 / iPhone7 Plusのケースをオンラインで簡単につくれます。「真四角」は、文字を通じて江戸時代の美意識を現代に映すプロジェクトです。江戸時代に誕生した伝統的な書体「角字」をリデザインした書体「真四角書体」と、現代のさまざまな、プロダクトとコラボレーションを行い、現代のライフスタイルの中に日本の伝統を見出す試みをしています。オンラインで3ステップでデザインが完成好きな文字を入力したら、商品を選択し、レイアウトを選択するだけの3ステップでデザインが完成。もっとこだわる人は、文字サイズや色なども変更できます。お気に入りの一点をとことん作り込むこともできます。商品のカスタマイズができます。3パターンのレイアウトだけでなく、文字色、ケース色が日本の伝統色100色から選択できます。文字のサイズも自由に変更できますので、こだわりのカスタマイズが可能です。製品情報定価:¥3,780(税込)iPhone7 / iPhone7Plus 用:10月中旬~生産開始予定(配送は10月下旬を予定)iPhone7ケースの紹介ページ
2016年10月06日開業以来45年の人気、モツ焼き店「江戸っ子」テレビにもよく出ている、庶民派の食通行きつけのお店です。東京・立石で開業以来45年の人気を誇るのが、モツ焼き店「江戸っ子」。「京成立石」駅からすぐです。下町情緒たっぷりのお店は16時の開店直後すぐ満席になり、外のベンチにお客さんが列を作っていることも。ふわりと漂うモツ焼きの香ばしい匂いをかぎながら待つ時間も楽しみの一つです。リタイア世代が散歩がてらやってきてオープン直後から酔っぱらっていたり、昼過ぎから他のお店をはしごして、2軒目の人もいたり。そういった常連さんだけではなく、仕事帰りの会社員や、評判を聞いて遠くから訪れる人など、年代・性別問わず大勢のお客さんが集います。人情あふれる交流ができる呑んべ横丁かなりご年配のおじさまとも、ひじが触れるほどのカウンターで隣同士になれば初対面でも思わず会話が弾みます。出会いを求めに行く横丁とは一線を画す人情あふれる交流に、心があたたかくなるはず。もつ焼きや煮込みは各360円、特製ハイボールは350円など、リーズナブルでボリュームたっぷりのメニューがズラリ。おいしさについついお酒も進みそうですが、飲み過ぎると「もうやめときなさい」とおかみさんに止められることも。そんなお母さんのようなおかみさんに会いに行くのも、「江戸っ子」の魅力です。初心者向け度★★☆フレンドリー度★★★コスパの良さ度★★★スポット情報スポット名:立石横丁 江戸っ子住所:東京都葛飾区立石7-1-9電話番号:03-3694-9593
2016年10月02日東京都江戸東京博物館で2016年9月13日(火)から11月6日(日)まで、シーボルトの没後150年を記念した特別展「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」が開催中です。シーボルトが2度目の来日の際に収集し、現在はミュンヘン五大陸博物館に所蔵されているシーボルト・コレクションなどが再び日本に上陸します。中でも、シーボルトが亡くなる直前に開いた「最後の日本展示」を再現したコーナーは必見です。学問の秋・芸術の秋にぴったりの企画展となっています。日本を愛したシーボルトのコレクションを公開!江戸時代後期に医師として来日し、日本学の祖として知られる博物学者・シーボルト。彼の没後150年を記念した特別展「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」が、東京都江戸東京博物館で2016年9月13日(火)から始まりました。シーボルトはドイツの地方都市生まれ。日本に西洋医学を伝えたドイツ人の医師という顔のほかに、博物学者という顔も持っていたことで知られており、日本の自然や文化、国情に関わる情報や資料を精力的に収集しました。しかし、禁制品の高精度な日本地図「伊能図」を持ち出そうとしたことが明るみになり国外追放。その後、幕末の1859年に再来日を果たし、3度目の準備中にこの世を去ってしまいました。展覧会の見どころをご紹介!今回は、2回目の来日時に集め、現在はドイツのミュンヘン五大陸博物館に保管されている資料と、シーボルトの末裔にあたるフォン・ブランデンシュタイン=ツェッペリン家所蔵の関係資料から厳選された約300点が里帰り。シーボルトが思い描いた日本博物館構想をコンセプトに、貴重なコレクションを再構成します。中でも、1番の見どころは、シーボルトが亡くなる直前にミュンヘンで開催した「最後の日本展示」について、シーボルトの長男アレクサンダーのリストをもとに再現するコーナーです。また、ドイツの子孫宅から発見された、伊能図の写しを基にした地図が、展覧会の目玉として登場。こちらも要注目ですよ。ほかにも、シーボルト自筆のコレクション解説や、門弟・伊藤圭介の肖像など、今まで紹介されなかった資料も出展予定となっています。イベント詳細名称:特別展「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」会場:東京都江戸東京博物館住所:東京都墨田区横網 1-4-1開催期間:2016年9月13日(火)~11月6日(日)休館日:月曜日(ただし2016年9月19日(月)・10月10日(月)は開館)、10月11日(火)開館時間:9:30~17:30(土曜日は19:30まで) ※入場は閉館の30分前まで電話番号: 03-3626-9974公式サイト:
2016年09月15日おばけ屋敷、ホラー映画など「怖いもの見たさ」で盛り上がるのは現代人だけにあらず。幕末から明治初めに江戸っ子の間で巻き起こった空前のホラーブーム。名だたる絵師が怪談、史実や実際の事件を元に描いた浮世絵が大流行したとか。この夏、太田記念美術館ではこれらの作品が一堂に会します。累(かさね)、お岩といった恨みを遺した「幽霊」たち、化け猫や大蜘蛛、怪異を引き起こす「化け物」、殺人や自害の様子を描いた凄惨な「血みどろ絵」など、想像力と画力に圧倒され、汗も一気に引いてしまいそう。江戸っ子もこうやって暑気払いしていたのかも!?◇「怖い浮世絵」太田記念美術館東京都渋谷区神宮前1-10-10開催中~8月28日(日)10:30~17:30(入館は17:00まで)月曜休一般700円TEL:03・5777・8600学芸員によるスライドトークを8月4日(木)・12日(金)・23日(火)に開催。◇江戸後期、歌舞伎では幽霊が登場する話が流行。「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)」で夫に裏切られる累はお岩、お菊と並び江戸三大幽霊の一人とも。歌川国貞(三代豊国)「見立三十六歌撰之内藤原敏行朝臣累の亡魂」(太田記念美術館蔵)◇主人公、伊右衛門の夢に美しい娘姿で現れたお岩。よく見ると髪が抜け落ち骨も露わな幽霊の姿が。『東海道四谷怪談』を下敷きに、四代目市川小団次が演じた場面。◇「血みどろ絵」の第一人者・月岡芳年が戊辰戦争の際、実際に取材したとも。戦国武将・冷泉隆豊が謀反を問われ切腹する際、自らの内臓を投げつけたという逸話を描く。◇手ぬぐいをかぶって踊る化け猫の精の背後に、巨大な化け猫が。中央の乙女も、実は化け猫の仮姿。歌舞伎『東駅(とうかいどう)いろは日記』岡崎の宿の名場面を、歌川国貞が描いた。歌川国貞(三代豊国)「東駅いろは日記」(三枚続、太田記念美術館蔵)※『anan』2016年8月10日号より。文・松本あかね
2016年08月09日新複合飲食施設「‐両国‐ 江戸NOREN」が、JR両国駅西口に2016年11月25日(金)誕生する。「‐両国‐ 江戸NOREN」のコンセプトは“粋な江戸の食文化を楽しむ”。外観は1929年に建造された歴史ある両国旧駅舎の面影や懐かしさはそのままに、直線とアーチ型にデザインされた3つの大きな窓、中央に配した駅時計をポイントとした新デザインにリニュアール。また、館内は江戸の町屋を意識した開放的な吹抜けの空間。当時の活気を感じさせる屋台や日本相撲協会監修の本格的な土俵も設置する。そのなかに軒を連ねるのは12の飲食店。江戸流の本格寿司が味わえる「政五ずし」、明治4年創業の老舗「月島もんじゃ もへじ」、そして江戸・東京にあるすべての酒造の日本酒をセルフスタイルで楽しめる「東京商店」といった店舗が、味・素材・料理人にこだわった和食を提案していく。クリスマスを終えた2016年12月26日(月)には「土俵祭り」が開催される。「土俵祭り」は、土俵の安全、無事を祈願するため行われる祭りで、大相撲本場所の前日に行う「土俵開き」のこと。土俵の中央の穴に縁起物である萱(かや)・勝栗(かちぐり)・昆布(こんぶ)等の奉納し伝統的に行われている行事だ。今回は、全12の和食店が軒を連ねる館内の中央に、日本相撲協会監修の土俵を設置。両国国技館の同じサイズの本格的なセットの上で、日本相撲協会による土俵開きが行われる予定だ。見学は誰でも自由に参加が可能。さらに、通常は力士や関係者のみが行う祝詞や神酒の捧ぎ、縁起物の奉納の後に行う榊奉納も、抽選で7名限定で体験することが可能だ。【詳細】-両国- 江戸NORENオープン時期:2016年11月25日(金)住所:東京都墨田区横網1丁目3-20面積:約2,900㎡ 2階建開館時間:10:00~23:30 ※営業時間は店舗により異なる。定休日:1月1日・2日、 施設点検日(不定)店舗一覧:政五ずし、東京商店、月島もんじゃ もへじ、かぶきまぐろ、ちゃんこ霧島、両国橋茶房、つきぢ神楽寿司、根津 鶏はな、天ぷら食堂ひさご、門前茶屋成る口、日本ばし やぶ久、築地食堂源ちゃん■-両国-江戸NOREN土俵祭り開催日時:2016年12月26日(月)16:00~※約1時間程度会場:-両国- 江戸NOREN館内土俵前<榊奉納体験>受付時間:2016年12月26日(月)15:00~※当たりが全て出次第終了。
2016年07月30日展覧会「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」が箱根・岡田美術館にて2016年9月5日(月)から12月18日(日)まで開催される。「若冲と蕪村 江戸時代の画家たち」は、江戸時代の中期に活躍した伊藤若冲と与謝蕪村の生誕300年を祝う特別展。鮮やかな色使い、緻密な描写を得意とした若冲。俳人ならではの詩情豊かな山水人物画を得意とした蕪村。本展では、約40作品の展示を行う。見どころは、東京都美術館で開催された若冲展において初公開された「孔雀鳳凰図」。昭和8年、重要美術品に認定されたのち行方が知れず、83年ぶりに発見されて話題となった。富貴の花とされる牡丹に囲まれて岩上に立つ白い孔雀と、翼を広げ旭日を見上げる鳳凰が描かれている。着色の艶やかな花鳥画や、墨の濃淡、にじみや擦れ、筆致の変化を生かし、ユーモアも盛り込んだ作風の水墨画など、当館が収蔵する若冲の作品すべてを一堂に展示。蕪村の作品は、いずれも中国の画題を扱ったみずみずしい画帖や掛け軸などの作品4点を揃える。当時の中国文化への憧憬を色濃く示し、俳句だけではない蕪村の魅力を伝える。また、2人が活躍した時代の京都画壇の画家たちである、円山応挙、池大雅、長沢蘆雪、曾我蕭白などの作品を写実・写意・奇想の3つのテーマで紹介する。当時は絵画史上「旧風刷新」の時代と称され、個性的な画家たちを輩出し、伝統や格式を超えた新しい画風の作品が生み出された。それぞれが独自の画風を確立し、今もなお近世絵画史に名を残す彼らの作品に触れてみてはいかがだろうか。なお、ミュージアムショップでは「若冲孔雀鳳凰図チョコレート」を10月1日(土)より発売。83年ぶりに再発見され話題となった伊藤若冲の「孔雀鳳凰図」の世界観を、優美な色彩で表現している。フレーバーは、ミックスベリー×ピスタチオ、クリームチーズ×小豆など。和と洋の食材を使った新感覚の味わいだ。なお、価格は税込みで2,600円となっている。【開催概要】―生誕300年を祝う― 若冲と蕪村 江戸時代の画家たち会期:2016年9月5日(月)〜12月18日(日)※休館日なし。会場:岡田美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1開館時間:9:00〜17:00※入館は16:30まで。入館料:一般・大学生 2,800円、小中高生 1,800円
2016年06月30日「ECO EDO 日本橋 2016 ~五感で楽しむ、江戸の涼~」が、2016年7月8日(金)から9月25日(日)まで、日本橋地区で開催される。江戸時代に日本橋で育まれた、“涼”をとる生活の知恵や工夫を現代流にアレンジしたイベントを街中で開催する「ECO EDO 日本橋」。見て感じる金魚や提灯、着て感じる浴衣、聞いて感じる風鈴など、日本情緒あふれる催しで、納涼気分を盛り上げる。今回初めて実施される「金魚スイーツさんぽ」では、日本橋・人形町エリアの商業施設や老舗など約55店舗が、金魚をモチーフにしたメニューを提供。羊羹でつくった金魚が泳ぐ梅ゼリーや織地あるのエクレアなど、和洋様々な甘味が楽しめる。また、福徳神社に続く参道「仲通り」と「コレド日本橋」のエントランスには、金魚柄の巨大な提灯が登場。総合プロデューサーの木村英智がデザインを監修し、温かみのある光が、粋な金魚街道を作り出す。これらの他に、アートアクアリウムや、納涼金魚ちょうちん船、「第4回日本橋金魚すくいグランプリ」など、様々なイベントが多数展開される予定。限定グッズも発売されるので、イベントに合わせてチェックしてみてはいかがだろう。【概要】ECO EDO 日本橋 2016 ~五感で楽しむ、江戸の涼~期間:2016年7月8日(金)〜9月25日(日)イベント情報(一部):■金魚スイーツさんぽ参加店舗:約55店舗 (5月31日時点) メニュー例:・箔座日本橋「金魚型の食べる金箔と珈琲ゼリー」・日本橋 舟寿し「羊羹でつくった金魚が泳ぐ梅ゼリー」・グルメショップ by マンダリン オリエンタル 東京「金魚が可愛いグレープフルーツゼリーとパッションフルーツ味のエクレアなど」■金魚大提灯期間:仲通り 2016年7月8日(金)〜9月15日(木)、コレド日本橋 7月8日(金)〜9月25日(日)※予定提灯サイズ:高さ約1.8m×幅約1.6mなど【問い合わせ先】日本橋案内所TEL:03-3242-0010(開催期間中 10:00~21:00)
2016年06月04日ホテルニューオータニ東京の日本料理 KATO’S DINING & BARでは9月30日まで、天然水を使用したサツキ江戸スイーツ「サツキ江戸かき氷」が提供される。「サツキ江戸かき氷」は、パティスリーSATSUKIにて「edo SWEETS」を生み出した、グランシェフの中島眞介が考案した期間限定スイーツ。抹茶、マンゴー、メロン、いちごの4種類のかき氷に、それぞれあんこ、黒蜜、ようかんなどの和素材を加え、葛と天然果汁を使用した特製ソースをかけて仕上げた。価格はマンゴー、メロン、いちごが1,800円、抹茶が2,100円となっている。
2016年06月01日浮世絵を通じて江戸の流行を知る展覧会「写楽と豊国 ~江戸の美と装い」が、6月18日から8月14日まで神戸ファッション美術館で開催される。江戸時代、贔屓の役者や評判娘を身近に眺めるブロマイドであった浮世絵。同展では、颯爽と姿を現し、忽然と姿を消した東洲斎写楽と、そのライバルで後に浮世絵界で最大の流派となる歌川派を拡大した歌川豊国を軸にした浮世絵を中心に140点を展示。浮世絵を通じて、当時の流行のしぐさや色鮮やかな着物、柄や模様などの繊細さなどを知り、江戸の賑わう空気を感じられる展覧会になっている。【イベント情報】「写楽と豊国 ~江戸の美と装い」会場:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1会期:6月18日~8月14日時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)料金:一般500円、小中高生・65歳以上250円休館日:月曜日(7月18日は開館)、7月19日
2016年05月26日「循環する木の物語」を求めて奈良は吉野の里へ。今回は、「吉野貯木のまち」を訪ねた。近鉄線「大和上市駅」から吉野川の鉄橋を越えると東西に広がる2kmの間に38軒の製材所が集まる、そこが製材団地となっている。■競りが行われる原木市場へやってきたのは上吉野木材共同組合の原木市。吉野には2ヶ所に原木市があるという。大型クレーンががっしり大木をつかむ様に圧倒されながら、山守の中井章太さん(中神木材)から案内を受ける。原木市が行われるのは月に2回。県内外の製材所から100人以上が参加し、その様子は築地の競りさながらだそう。欲しい木があれば指数字で値段を伝え、振り子と呼ばれる進行係が決定してゆく。この振り子さん、指数字を瞬時に読み取ったり、事前に原木を目利きしてよい物から順番に並べたりと、相当の力量が必要な仕事であるようだ。原木市に並ぶ木々■吉野木材の歴史を聞く500年の歴史を誇る吉野木材。室町時代に人工植林されたのをはじまりに、その後、豊臣秀吉が大阪城や伏見城を建設する際に吉野を領有し、吉野杉を使ったとされる。吉野杉がブランド化したのはなんと江戸時代。もともとは酒を入れる樽や木桶にふさわしい杉にするために、「目が詰まってまっすぐな香りのよい杉」を育てるために試行錯誤が繰り返されてきた。木を樽の側板になるよう、ゆるいカーブをもたせた板を「樽丸」といい、樽丸は組み立てる前に酒処である灘や伏見に送られた。この樽丸はすさまじい人気で、1年で100万樽、約200年間この人気が続いたという。この頃から吉野杉は質の高い素材として支持されてきた。■いざ、製材所へ!今回、訪ねたのは38軒ある製材所のうちの一つ、吉野中央木材株式会社。まず、この「吉野貯木のまち」の歴史を振り返ると、貯木場が出来たのは昭和14年。それまで吉野川を通じて和歌山に吉野材を水運輸送したものの、経済的なうまみはすべて和歌山に落ちるということから、県営の貯木場の建設が始まったという歴史背景を持つ。吉野貯木場の全盛期には貯木に使う池を3つも備え、なんと山側には木材を運ぶための貨物列車まで通っていたとか。戦後の住宅建設がピークになった昭和30年代には130軒もの製材所が並んでいたというが、今では、池も埋め立てられ、貨物列車は昭和30年代中盤で自動車の発達により廃線になってしまった。「木取り」の作業。切る前にこの木の特徴を目利きし用途を決めてから切る■熟練の技を間近で見る吉野中央材木の従業員は16人。その全員が木の木目や品質の目利きが出来るという。「どの作業においても、木の魅力を活かすために目利きが必要なんです」と専務取締役の石橋輝一さん。どう木取りをすれば最大限にこの木の魅力が現れるのか、ムダが出ないのかを見極めてストーリーを練る熟練の技を必要とする作業だ。目立てに要する時間はなんと半日。板前さんが包丁を研ぐように、木取りの命である帯ノコの切れ味は、職人さんの確かな目立ての腕によって支えられえている。「半世紀も使っている機械がある目立て工房。製材に使う帯ノコを手作業で手入れ、調整する場所だ木材と共にある時間軸はここでも長い。木取りのあと半年から1年、人工乾燥または自然乾燥される。そこで出た反りや歪みを正すために引きなおし、ようやくまっすぐの美しい形になるのだ。いくつもの季節を経て、吉野の木々は使い手の元に渡る。■若い力、木への誇り、受け継ぐ心、つなげる情熱林業は木の価格下落で縮小し、製材所もかつてより100軒近く減ってしまった吉野貯木のまち。先人からの知恵や恵みを受け継ぎ、林業のまちと栄えた吉野はどうなってしまうのだろうか。よそ者が心配するのと裏腹に、石橋さんの製材所にかける情熱はまっすぐ未来に向けられている。同世代である30代の2代目、3代目も誕生し、「貯木のまちあるき」というイベントの開催や、フリー冊子「ちょぼくブック」の配布など、新しい試みを見つけている。「僕たちの仕事は商品に合わせて木を切るのではなく、その木の持ち味をみながら分解していく。つまり引き算していくのであって、これがなかなか難しいですね(笑)」。吉野の暮らしと共にある木々の営みのように、じっくりと受け継がれていく技と熱意が宿った仕事を学ばせてもらった。次回は吉野杉の木桶をつかった「木桶仕込み」のお酒をこの吉野で復活させた酒蔵を訪ねる。【製材所情報】奈良県吉野郡吉野町橘屋57TEL0746-32-2181
2016年05月17日展覧会「戦国時代展」が、江戸東京博物館で2016年11月23日(水・祝)から2017年1月29日(日)まで開催される。なお順次、京都文化博物館、米沢市上杉博物館も巡回する。本展では、戦国時代に列島の各地で作られた歴史資料や美術工芸品を一堂に展示する。享徳の乱、応仁・文明の乱から始まり足利義昭の追放まで1世紀に及ぶ長い期間を網羅して紹介。毛利元就が奇襲した厳島合戦の《芸州厳島御一戦之図》、上杉謙信が武田信玄と戦った川中島の合戦の《米沢本川中島合戦図屏風》、肖像画《織田信長像》など、列島各地で台頭した個性際立つ武将達にまつわる歴史資料が並び、当時の様子が現実感を持って伝わってくる。そんな武将達を魅了した《国宝上杉本 洛中洛外図屏風》(京都会場で展示)や、《重要文化財四季花鳥図屏風》など美術工芸品もなども展示。激動の時代をたくましく生きた武将、文化人達の「夢」に迫るのも見どころ。また、国宝である「上杉家文書」の特別展示も。上杉家に代々伝えられる古文書群で、武家文書としては初の国宝指定を受けたものだ。歴史ファン必見の展覧会、是非足を運んでみてはいかがだろうか。【開催概要】戦国時代展 -A Century of Dreams-■東京会場期間:2016年11月23日(水・祝)〜2017年1月29日(日)場所:東京都江戸東京博物館住所:東京都墨田区横網1-4-1開館時間:9:30〜17:30 ※土曜は19:30まで。入館は閉館の30分前まで。休館日:毎週月曜日、2016年12月26日(月)〜1月1日(日) ※1月2日、9日、16日は開館。観覧料:一般 1,350円(1,140円/1,080円)、大学・専門学校生 1,080円(870円/860円)、小・中・高校生・65歳以上 680円(470円/540円)※()内は前売(8月上旬販売予定)/20名以上の団体料金。未就学児、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者と付添者2名までは無料。TEL:03-3626-9974(代表)■京都会場期間:2017年2月25日(土)〜4月16日(日)場所:京都府京都文化博物館 4F・3F特別展示室住所:京都府京都市中京区三条高倉開館時間:10:00〜18:00 ※金曜は19:30まで。入館は閉館の30分前まで。休館日:毎週月曜日、3月21日(火) ※3月20日は開館。観覧料:一般 1,300(1,100)円、大高生 900(700)円、小中学生 500(300)円※()内は前売、20名以上の団体料金。未就学児・障がい者手帳持参者と付添者1名は無料。TEL:075-222-0888(代表)■山形会場期間:2017年4月29日(土・祝)〜6月18日(日)場所:米沢市上杉博物館住所:山形県米沢市丸の内1-2-1開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで。休館日:5月24日(水)予定観覧料:一般 620(490)円、高校・大学生 400(320)円、小・中学生 250(200)円※()内は20名以上の団体料金。TEL:0238-26-8001(代表)
2016年05月14日東京都・広尾の山種美術館は、江戸時代から近代・現代まで、「HAPPY」を切り口に日本美術をたどる特別展「伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」を開催している。会期は3月6日まで(月曜休館)。開館時間は10:00~17:00(入館は16:30まで)。入館料は一般1,200円、大高生900円、中学生以下無料、きもの割引も実施している。同展は、幸福への願いが込められためでたい主題や、思わず笑みがこぼれる楽しいモティーフの日本美術作品約70点を集めたもの。祭事・婚礼などの慶事や節句、あるいは日常の営みの中で用いる図様として、日本美術ではさまざまな吉祥画題が表現されてきた。同展では、その中から長寿や子宝、富や繁栄などを象徴する美術に焦点をあて、おなじみの鶴亀、松竹梅、七福神など現代人からみてもラッキーアイテムとなる対象を描いた絵画が紹介される。さらに、ユーモラスな表現、幸福な情景など、HAPPY な気持ちをもたらす作品も展示されるということだ。同展で注目すべき作品として、初公開作品5点を含む伊藤若冲の墨画が挙げられる。おどけた様子の七福神《布袋図》や《恵比寿図》(以上2点は初公開)、表情豊かに動物の姿を描いた《河豚と蛙の相撲図》、押絵貼屛風《群鶏図》など、大胆なデフォルメと機知にトンだ富んだ表現を観ることができる。また、歌川国芳のユーモアあふれる猫や金魚の戯画(会期中、展示替え有り)、鮮烈な色彩と滑稽さが魅力の吉祥画・柴田是真《円窓鐘馗》、重厚感のある筆力が際立つ河鍋暁斎《五月幟図》など幕末・明治時代の作品も展示される。そして、日本を象徴する霊峰富士の堂々たる姿を描いた横山大観《心神》、陰影や立体感を意識し、近代的な人物表現を取り入れた下村観山《寿老》など、伝統的な画題を土台としながらも、時代に即した新しい表現を試みた近代の画家たちの優品も見どころということだ。
2016年01月28日東京都・京橋のLIXILギャラリーは、江戸時代の「薬草」に焦点を当てた展覧会「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜 展」を開催する。会期は3月3日~5月21日(水曜休館)。開場時間は10:00~18:00。入場無料。同展は、江戸時代から続く森野旧薬園と当時描かれた薬草を中心とした植物図譜を通して、幅広い本草学の世界とその魅力を紹介するもの。本草学は、私たちにも馴染み深い漢方薬の元になっているもので、江戸時代に発展した学問である。江戸後期には原料の一種である薬草は幕府により国産化政策がとられるほど貴重なものであったという。また、当時人々の関心も高く、多くの本草書や図譜が出版されたということだ。薬草から植物全般へと研究、興味の範囲が広がっていくのもこの時代で、そのころ薬草への造詣が深い人物として現れたのが森野初代藤助通貞(号:賽郭)であった。賽郭は、現存する日本最古の私設薬草園「森野旧薬園」を開設し、晩年には約千種の動植物の姿を、自然科学的な観察眼で色鮮やかに描いた「松山本草」を完成させた。この薬草園には今も薬草に関わる温故知新の知恵が息づいているということだ。同展では、「薬草」に焦点を当て、森野旧薬園を紹介するとともに、江戸の初期から本草学が近代植物学へ移行する時期までに描かれた主要な植物図譜の変遷が、約90点の実資料の他、写真、映像などで展観される。また、同展の開催に際し、LIXIL BOOKLET「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜」が発売された。価格は1,800円。購入など、詳細はLIXIL Webページより。
2016年01月27日女優の山本舞香が、俳優・阿部サダヲが主演を務める江戸時代の実話をもとにした映画『殿、利息でござる!』(5月14日公開)に出演することが6日、明らかになった。山本が時代劇映画に出演するのは、今回が初となる。磯田道史氏の『無私の日本人』(文春文庫)の一編「穀田屋十三郎」を原作とする本作。江戸中期の仙台藩吉岡宿を舞台に、穀田屋十三郎(阿部)ら9人が年貢の取り立てや労役で困窮する宿場町を守るために藩にまとまった金を貸し、毎年の利子を全住民に配る「宿場救済計画」のために奔走する姿が描かれる。メガホンを取るのは、『白ゆき姫殺人事件』(14年)、『予告犯』(15年)などで知られる中村義洋監督。阿部や町で1番のキレ者・菅原屋篤平治役の瑛太、十三郎の弟・浅野屋甚内を演じる妻夫木聡らも出演する。山本の役どころは、篤平治の新妻・なつ。京で茶を売った金で、日本最北の茶栽培を始めようとする篤平治に付き従い、京から舞台となる貧乏な宿場町に嫁いでくる。新婚夫婦の年の差は14歳。篤平治の話とは大きくかけ離れた風景に、最初は戸惑いを隠せないながらも、夫を信じる思いで叱咤(しった)激励しながら、しっかり支える若妻として、困難を乗り越えていく。「こんなに緊張感のある現場は初めて」と語る山本。中村監督について、「普段とてもニコニコして優しい方なのですが、いざ撮影現場に入ると、厳しい面もお持ちの方で、作品に対しての強い思いを感じました」とその印象を口にする。そんな中村監督から「篤平治となつは、実際に同じお墓に入るくらい仲が良かったんだよ」と聞いた山本は、劇中で描かれている当時は夫婦で同じ墓に入るのは珍しかったという事実に驚きながらも、「すごく仲が良かった夫婦と伝わるように心がけて演じました」と告げた。中村監督は、実在のなつを「どうやら気が強く、頭脳明晰(めいせき)な篤平治も頭が上がらなかったらしい。きっと、とんでもなくかわいい奥さんなんだろうな」と分析した結果、山本を抜てき。山本が持った「厳しい」というイメージとは裏腹に、「あまりにかわいいもんですから『オッケー!』の代わりに『うん! かわいい!』を連発してたら旦那役の瑛太に変な目で見られて困りました」と現場を振り返りながら、苦笑する。さらに、「いい女優さんというのはかわいいだけじゃもちろんダメ」と前提を述べ、「舞香ちゃんの魅力と言えば、周りを飲み込むパワーを持つ明るさ」「これはもう、本人も気づいていない『パワー』としか言いようのないもの」と絶賛。その入れ込みぶりからか「空手が黒帯だそうで、試しに手のひらに正拳突きをお願いしたら、肘が2、3日おかしくなりました」と話すほど、撮影外でのコミュニケーションも楽しんだようだ。(C)2016「殿、利息でござる!」製作委員会
2016年01月07日いつの時代にも稼げる職業は存在し、競争率も激しいもの。現在の稼げる職業としては、航空機操縦士、医師、大学教授、弁護士がベスト4といわれています。では、いまNHKの朝ドラ『あさが来た』でも取り上げられている江戸時代だったら、一体どうなのでしょうか。そこを明らかにすべく、作家で歴史エッセイストの堀江宏樹さんに「江戸時代の職業の収入ランキング」をお聞きしてみました。すると、収入でいえば、「江戸時代でも前期と後期では一両あたりの価値に変動があり、同じ職業でも給料の上下はあった」とのこと。また貨幣価値も、江戸時代と現代ではかなり異なるそうです。しかし今回は、あえて一般的な「高給取り」といわれる江戸時代の職業を、(天皇を除いて)教えていただきました。※米1石=金1両、1両=10万円と計算しています。■10位:有名医師杉田玄白などの医師は、400~600両以上稼いでいたそうです。当時は医師がみずから薬をつくって処方したので、診療代よりも薬礼(薬の代価)で儲けられたのです。そして有名医師の処方した薬は、ものすごく高額だったといいます。江戸時代は薬代が一般的に高く、保険も効かなかったのです。■9位:売れっ子遊女500両(か、それ以上も可能)。小規模な藩での家老クラスの年収に相当します。ただし、ほとんどを衣装代などに費やしてしまうので、ほぼ赤字だったようです。■8位:人気歌舞伎役者年収500両~1,000両を超える人も。■7位:奥女中大奥の最高クラスの女中が「上臈御年寄」で、各方面に顔が効く彼女たちには賄賂が渡されることも。これを含めて1,200両以上稼ぐことも可能だったそうです。■6位:芸者屋など風俗産業経営者幕末ごろの江戸吉原にあった「大黒屋」の帳簿が奇跡的に保存されており、それによると3,500両。その何倍以上もの収入があったと思われるのが、吉原の遊女たちをたばねている遊女屋の収入だといいます。しかしそれについては、帳簿などが一切残されていないので不明です。■5位:関白(現代の総理大臣に相当)数千石~1万石程度。朝廷の公家たちのトップに立つ、関白としての仕事に支給される給料のほかに、御血筋のよさでボーナスももらえました。たとえば関白の娘が大名家に嫁いだら、その大名家から娘一人につき1,000石ほどの献金が毎年もらえたようです。■4位:上流武士(各藩の重役など)収入は数百石程度から、大規模な藩の重役の場合には数万石におよぶ例もあります。たとえば、あの篤姫の父は薩摩藩の重役でしたが、彼の年収は1万石もありました。■3位:豪商江戸の大商人・三井家は一日に150両売れたといいます。換算すると、年間で54,750両。現在の価値で、5,475,000,000円(54億7,500万円)ほど。ここから仕入れの代金や使用人の給料が差し引かれますが、相当な収入があったのは間違いありません。■2位:大名とくに加賀藩の前田家などの「大大名」。「加賀百万石」といわれる加賀藩ですが、実質的には120万石以上の収入があったといわれています。藩主は給料制ではないため、詳細は不明ですが、莫大な収入があったはずです。■1位:征夷大将軍いわゆる徳川の将軍様。給料制ではないので定かではありませんが、江戸時代の徳川家康が自由に出来たとされる収入が100万石ほど。要するに1,000億円です。徳川宗家で800万石所有。日本の3分の1が将軍家の領地扱いでした。しかし、将軍の仕事は意外にも勤務時間が長く、仕事が終わるまで拘束されたようです。*江戸時代は近代のような学歴社会でもないため、収入ランキングにはさまざまな職業が混在しているようです。出身の家柄に左右されると思いきや、経営者や遊女がランクインしているのも興味深いですね。堀江さんは「他にも探せば稼げる職業は出てくるかもしれません」とおっしゃっていましたが、江戸時代の情景を思い浮かべながら見れば、一層楽しめるランキングかもしれません。(文/齊藤カオリ)【取材協力】※堀江宏樹・・・作家・歴史エッセイスト。著書多数。性別を超えた独特の論調で、幅広いファン層をもつ。2015年10月に『乙女の真田丸』(主婦と生活社)、9月に『三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町』(幻冬舎)、7月に角川文庫版『乙女の日本史文学編』(主婦と生活社)、1月に『乙女の松下村塾読本』(主婦と生活社)を出版。また、監修協力のクラシックバトル漫画『第九のマギア』第一巻(メディアファクトリー)なども好評発売中。
2015年10月15日立川ブラインド工業は、日本伝統紋様のひとつである江戸小紋、江戸紋様をアレンジしたグラフィックアート作品を展示する、成島喬展「小紋センス」を開催することを発表した。会期は9月16日~27日(21日~23日は休館)。開場時間は10:00~18:00(最終日は15:00まで)。会場は東京都・銀座のタチカワブラインド銀座スペース オッテ。入場無料。同展は、テキスタイルデザイナー成島喬氏による個展。江戸時代、諸大名が着用した裃の模様付けが発祥と言われる日本伝統紋様のひとつ「江戸小紋」や、江戸中期に庶民にも着物の模様として広まった動物や植物の柄などの「江戸紋様」のエッセンスを抜き出したグラフィックアート作品が展示される。また、紋様のさまざまなバリエーションとして、「牡丹唐草」をプリントしたストリングカーテンや古代ギリシャの陶器の柄をアレンジした作品など、約50点が展示されるということだ。なお、成島喬氏は1947年、東京都・日本橋生まれ。東京造形大学テキスタイルデザイン科を卒業後、テキスタイルデザインスタジオ勤務。西川産業デザイン企画室に勤務し、ハウスブランドやライセンスブランドの開発に携わる。2006年にNARI DESIGN STUDIOを設立。2008年に「第7回 全国公募西脇市サムホール大賞展」入賞。2013年には、初個展「ガレリア青猫」を開催。
2015年09月02日東京都墨田区の江戸東京博物館・1階特別展示室で8月4日~9月27日、徳川時代の城をテーマにした展覧会「徳川の城~天守と御殿~」が開催される。○城好きにはたまらない企画が多数同展では屏風や絵地図、工芸品などの資料を展示するほか、現代の最新技術によって生み出された映像や模型などを駆使し、家康たちが築き上げた「徳川の城」の魅力に迫る。縦3.72m×横4.65mの巨大絵図「江戸城御本丸惣地絵図」や「駿府鳥瞰図」、「大坂市街・淀川堤図屏風」など、約50点におよぶ各地の絵図や城郭図、政治の中心的役割としての「城」を表した「朝鮮通信使図屏風」を展示する。また、幕末のヒロインとしても知られる天璋院篤姫や、和宮の調度品なども並ぶという。さらに、高精細CGで復元された江戸城御殿の映像を上映する。将軍が政治を執り行った「大広間」や、忠臣蔵のシーンでも有名な「松の廊下」、「大奥」などを大きな画面で見ることができるなどの企画が多数用意されている。開館時間は9時30分から17時30分、金曜日は21時、土曜日は19時30分まで、入館は閉館の30分前となる。特別展専用券の前売り券は、一般1,140円、大学生・専門学校生870円、小学生・中学生・高校生・65歳以上470円、当日券は一般1,350円、大学生・専門学校生1,080円、小学生・中学生・高校生・65歳以上680円となる。
2015年07月28日俳優の阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡が、江戸時代の実話をもとにした映画『殿、利息でござる!』(2016年夏公開)で共演することが4日、明らかになった。阿部が時代劇で主演を務めるのはこれが初となる。2010年に映画化されたベストセラー『武士の家計簿』などの著作で知られる磯田道史氏の『無私の日本人』(文春文庫刊)の一編「穀田屋十三郎」を原作とする本作。江戸中期の仙台藩吉岡宿を舞台に、穀田屋十三郎ら9人が年貢の取り立てや労役で困窮する宿場町を守るために藩にまとまった金を貸し、毎年の利子を全住民に配る「宿場救済計画」のために奔走する姿が描かれる。映画化を手がけるのは、『ゴールデンスランバー』(2010年)、『白ゆき姫殺人事件』(2014年)、『予告犯』(2015年)など、今最も注目を集める中村義洋監督。原作を読んで涙したという中村監督は、今回の3人のキャスティングについて、「ここぞという時には必ず呼ぼうと決めていた」と明かす。撮影は7月6日から8月末まで、山形、宮城などで行われる予定。宿場町の行く末を心から憂う主人公・穀田屋十三郎を演じる阿部は、「時代劇だと聞いて、馬に乗ったり派手な立ち回りがあるのかと勝手に思っていたのですが、そういうのが全く無いのに、すごいかっこいい男達の話で、とても新鮮でした」と作品の魅力を語り、「自分も時代劇の主演は初めてですし、中村監督も時代劇初めてお撮りになるということで、新鮮な時代劇が生まれるといいなぁと思います」と、新たなチャレンジに前向きのようだ。また、町一番の知恵者である茶師・菅原屋篤平治役の瑛太は、「中村監督に9年ぶりに呼んでいただけて、しかも阿部サダヲさんをはじめ素晴らしい方々と映画作りをできる事はとても幸せです」と喜びのコメントを寄せる。一方、十三郎の弟・浅野屋甚内を演じる妻夫木は、「ずっと、ご一緒したいと願っていた中村監督にお声をかけていただけて幸せです。今はただただ撮影が楽しみでしょうがありません」と意気込みを述べた。(C)2016「殿、利息でござる!」製作委員会
2015年07月04日昨今の日本美術ブームをうけて、江戸のポップアートと称される「浮世絵」に注目が集まっています。2014年に開催された「大浮世絵展」は、3館(江戸東京博物館、名古屋市博物館、山口県立美術館)で来場者数約38万人という大盛況ぶり。また葛飾北斎(かつしかほくさい)や娘の葛飾応為(かつしかおうい)を描く、杉浦日向子原作の漫画「百日紅」(さるすべり)が映画化されるなど、どうも“浮世絵”がキテいる感じなのです。そこで浮世絵専門美術館の太田記念美術館で、浮世絵の魅力や楽しみ方、一万四千点もの所蔵作品から大人女子に観て欲しい浮世絵を教えていただきました。江戸市民が生み育てた芸術だから大人女子が共感する部分も多い浮世絵は、江戸市民が生み育てた芸術。だから描かれた題材に親近感や共感が持てることが魅力のひとつだと言います。浮世絵には、様々な江戸が表現されていますが、なかでも多いのは美人画、風景画、役者絵の3つの題材です。美人画には、美人の変遷がわかる楽しみがあります。髪型はもちろん、顔の造作やたたずまいが時代によってまったく違うのが面白い。また吉原の花魁を描いたものだけではなく、真剣にお化粧をする町娘、浴衣で夕涼みする色っぽい芸者、旬ものをおいしそうに食べる遊女、など江戸市民の日常を描いた作品も多いのです。今と変わらぬ江戸女の日常を観ているとなんだか親しみが湧いてきます。美人画を画期的な手法で表現したのが喜田川歌麿(きたがわうたまろ)です。彼は、胸元から上をクローズアップする手法(大首絵)をはじめて美人画に用いた浮世絵師。表情には心の機微まで表現された美人画は、庶民の心をつかみ爆発的に売れたと言われています。「百日紅」で北斎宅の居候として出てくる溪斎英泉(けいさいえいせん)。「百日紅」では葛飾応為に絵が下手と揶揄されたこともある英泉ですが、美人画の名手として名を馳せます。ちょっとあだっぽい美女がお得意。高価な紅を重ねづけて玉虫色に光らせる笹紅に、眉をつくっている女性の姿を観ていると、ふわっと白粉の香りが立ち上ってきそうです。今の風景と重ねる面白さ風景画で江戸へタイムトリップ美人画や役者絵より後に人気となった風景画。地名が記されているので、今の風景と重ねる楽しさがあります。歌川広重が描く江戸の名所絵を観ていると、赤坂は桐畑だったこと、浅草寺や日本橋は今と同じく賑わっていたこと、江戸ではどこでも富士が見えたことなど、発見だらけ。大きく変わった町並みや光景と重ねながら、江戸の町へタイムトリップができちゃいます。描き損じの絵に囲まれた家で暮らし、ゴミ屋敷になるたび引っ越しを繰り返したとされる葛飾北斎(かつしかほくさい)。そんな暮らしから生まれたとは思えぬ、ダイナミックで斬新な構図の「冨嶽三十六景」シリーズ。特に波と富士山の色と形のバランスがすばらしい「神奈川沖浪裏」は、ひと目見たら忘れられない作品です。北斎の風景画と並び称される歌川広重(うたがわひろしげ)。力強い筆致の北斎に対して、抒情的な表現が持ち味です。なかでも雨、雪、夜景を描いた作品には、秀作が多いといわれます。「名所江戸百景 日本橋雪晴」は、雪が降った翌日の晴れ渡る江戸市中が描かれた作品。真っ白な富士を愛でながら雪かきする江戸市民の姿が浮かんできます。一枚の浮世絵を通して江戸の人々との対話を楽しみたい役者絵は、江戸市民のアイドルだった歌舞伎役者が描かれたもの。昔から市川団十郎は目が大きく、松本幸四郎は彫の深い顔立ちなど、今に続く名跡の顔や雰囲気が似ている点を探しだすのが面白い。ほかにも愛らしい動物、恐ろしい妖怪、事件や風俗が描かれた浮世絵からは、江戸市民が何に興味を持ち、どんなことを楽しんだのかがわかります。絵を通して彼らと対話している気分になってきます。赤穂浪士の仇討は「仮名手本忠臣蔵」として歌舞伎や人形浄瑠璃で演じられ、その物語は江戸の人々を熱狂させました。この作品の役者絵は数多いのですが、役者を蛙に描き変えた奇才・歌川国芳(うたがわくによし)の「蝦蟇手本ひやうきんぐら」は観ておきたい一枚。ユーモアセンスや批評眼に優れた国芳は、動物などを人に見立てた作品が多く、大の猫好きだったので猫の浮世絵が数多くあります。明治初期の作品ですが、四代目・歌川国政(うたがわくにまさ)「しん板猫のそばや」は、猫が蕎麦屋で楽しむ様子を描いた浮世絵。かけともりが八十文であること、膳の上で食べていること、当時の蕎麦屋が見える一枚ですね。ご紹介した浮世絵ですが、雑誌や書籍ですでに観たことがある作品かもしれません。しかし絵の迫力、摺り色の妙、彫の細やかさ、は印刷物ではなかなか伝わりにくいもの。また浮世絵は退色もしやすいため、保存状態のいい本物の作品に触れて欲しいと思います。今キテいる、江戸のポップアート“浮世絵”を観に行きませんか。取材協力/太田記念美術館東京都渋谷区神宮前1-10-10 03-5777-8600(ハローダイヤル)開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで) 一万四千枚の所蔵作品を持ち、常にオリジナリティの高い展示を仕掛けている太田記念美術館。大盗賊や悪女、侠客を題材にした「江戸の悪」展(2015/6/2~6/26)や「浮世絵の戦争画」(2015/7/1~7/26)が近日開催予定。
2015年06月22日東京都・表参道の根津美術館は、安泰な江戸時代に、持ち主の好みによって約束事にとらわれない意匠が凝らさるようになった刀や印籠のコレクションを展示する「江戸のダンディズム ―刀から印籠まで―」を開催している。会期は7月20日まで(月曜休館・7月20日は開館)。開館時間は10:00~17:00。入館料は一般1000円、学生800円、中学生以下無料。同展は、幕末から明治期の華やかな拵(こしらえ)やバラエティ豊かな刀装具が多いことで知られる同美術館所蔵のコレクションから、刀剣・刀装具・印籠など約100件を展示するもの。太平の江戸の世では、刀剣やその拵は、武士にとって持ち主の身分や教養、季節を感じさせる「こだわりのアイテム」として位置付けられるようになり、意匠を凝らしたものが競ってつくられた。刀身では、華やかな刃文が好まれたほか、刀身彫という、刀身に龍や剣などを彫刻する装飾的な志向が強まった。また、拵は、数多くのパーツによって構成されているが、季節の動植物や、故事に関するものなど多彩な主題があり、そのコーディネートの妙が見どころとなっているということだ。また、これらの刀装具や鞘は、小さいながらも彫金や蒔絵、螺鈿などの優れた技術によって丁寧に作られており、細部に目を凝らすと珠玉の世界が広がっている。そのほか、印籠や根付も、同じく男性の持ち物として、同様の発展を見せたという。金や銀、玉や象牙など贅沢な素材をふんだんに使った、斬新なデザインの印籠や根付は、持ち主の好みを端的にあらわしているということだ。また、関連企画として、6月6日14:00~15:30に渡邉妙子氏(佐野美術館 館長)による講演会「江戸時代の刀剣について」が、6月27日14:00~15:30に高山一之氏(鞘師)による講演会「日本刀の拵について」が開催される。応募方法などの詳細は根津美術館HPで案内されている。さらに、スライドレクチャーとして、6月12日に「刀装具について」、6月19日に「コレクションの成り立ちと展覧会の見どころ」、7月3日に同時開催中の「北野天神縁起絵巻について(後編)」が開催される。いずれの回も13:30~約45分が予定されている。なお、いずれの企画も聴講は無料だが入館料が必要となる。
2015年06月04日団扇で夕涼みする姿は、夏の風物詩ですね。団扇は、奈良時代に中国から伝わり平安中期の書『和名類聚抄』には唐で作られた宇知波(うちわ)との記述があります。道具として古い歴史を持つ団扇ですが、庶民に普及したのは、紙や竹材を使って大量生産できるようになった江戸中期以降のことです。広重、豊国、国芳とコラボ江戸市民が待ちわびた江戸うちわ地域特産の和紙を使ったもの、ひとりの職人が型から絵まで描くものなど、日本各地の特色を打ち出した団扇は夏を彩ってきました。さまざまな団扇がありますが、江戸の団扇といえば日本橋生まれの「江戸うちわ」です。江戸きっての繁華街、日本橋には和紙や竹材を商う店がたくさんありました。そんな店が自然に作り始めたといわれる江戸うちわ。世界に先駆けて百万人都市になった江戸、そんな江戸市民に向けてですから大量生産は必須です。仕様を簡略化するため持ち手や骨を1本の竹を割いて作りました。また人口密集で熱気がこもりやすい江戸の町ゆえに涼をとりやすいように形状も大きめだったそうです。そんな江戸うちわを道具から嗜好品へと変えたのは、今も日本橋で団扇や扇子を商う「伊場仙」(いばせん)。天正18(1590)年を創業年とする伊場仙は、徳川家に竹や和紙を収めていました。その材を使って団扇や扇子を手掛けるようになります。江戸後期には、初代の歌川豊国や歌川国芳、歌川広重などの絵師の版元になり、錦絵を刷り込んだ「浮世絵団扇」を考案。絵師の描く歌舞伎役者や花魁、日本の名所が刷り込まれた団扇は大当たり、江戸市民のみならず江戸土産として京や大坂の人に喜ばれたそうです。昭和30年代ごろまで店で団扇を作っていた伊場仙ですが、今ではその技術を踏襲する千葉・館山の職人さんにお任せしているそうです。大人女子が注目する、竺仙とのコラボ団扇江戸薫る浮世絵団扇、気軽に使える手拭生地の団扇など、さまざまな団扇を商う伊場仙。大人女子におすすめしたい団扇をご紹介します。大人女子の人気ナンバーワンは、竺仙(ちくせん)の浴衣地で作られる団扇たち。竺仙ブルーと称される青の生地から仕立てられる団扇は、見た目に涼感が感じられます。花や蝶などの身近なものを染め抜いた柄も竺仙ならでは。新作柄の浴衣は新調できなくても、団扇ならば気軽に楽しめそうです。手拭生地で作られた団扇も人気。洒脱で遊び心のある、斧琴菊(よきこときく)や弁慶格子などの柄は江戸っぽさを醸します。サイズが小さめでお手頃な価格なので、夏のプチギフトにいい。かくいう私自身、仕事仲間や友人へ贈る夏の定番ギフトになっています。手拭生地の柄長タイプ(踊り団扇仕様)は、デスクのペン立てやラックに差しやすいのでオフィス用に購入する人も多いそう。金魚や竹林など見た目に愛らしく涼しげな柄は、仕事のストレスをちょっぴりやわらげてくれるかもしれません。浮世絵シリーズ復刻版。歌舞伎座などで販売していて、海外からの観光客がお土産に購入していくそうです。軽くてかさばらず、道具にも飾り物にもできる、そう考えるとお土産にぴったりですね。江戸土産として喜ばれた江戸うちわが、時を経て日本土産に! 私も浮世絵シリーズを一枚持っています。お値段が張るのでもったいなくて道具使いできませんが、初夏から夏にかけて部屋に飾って楽しんでいます日本の暦に根ざした古からの道具毎年五月には、新作の団扇や扇子で賑やかに彩られる伊場仙。「本来、団扇はいつごろまで使うものですか?」と伊場仙でお尋ねしたところ「七月いっぱいかな」というお答えでした。少し早いように感じますが、旧暦の秋は七月から始まります。日本の暦に根ざした道具だということを実感しました。暦は皐月、まだまだ団扇に頼れますね。あおげば涼し江戸の風です。伊場仙のうちわは、拙書『江戸な日用品』(平凡社刊)にてご紹介しています。取材協力/伊場仙(いばせん)東京都中央区日本橋小舟町4-103-3664-9261営業時間 10:00~18:00(土・日曜のみ11:00~17:00)休日 土日曜・祝日(5月~8月末まで土日曜営業)
2015年05月26日現在、愛知県名古屋市の名古屋市博物館は6月7日まで、江戸時代にたびたび出現した「猫ブーム」の様子を浮世絵や土人形で展観する「いつだって猫展」を開催しています。江戸時代後期にはたびたび「猫ブーム」が訪れ、とくに天保12年~13年(1841年~42年)には、愛猫家である歌川国芳が猫を題材とした浮世絵を多数発表していました。擬人化された猫や歌舞伎役者の似顔絵が顔になった猫が見られるなど、猫ブームが爛熟したとのこと!同展では、歌川国芳の作品など、当時の浮世絵に加え、招き猫のご先祖様である「丸〆猫」の資料や全国各地の招き猫土人形、江戸時代から明治時代にかけて流行した簡易な浮世絵「おもちゃ絵」など、猫にまつわる作品を多数展示しているそうです。ということで今回、行ってみました!○「猫鼠合戦」では、ネズミは非常に賢い生き物として描かれている博物館内に入ると、早速暖簾に描かれた猫がお出迎えしてくれました。第1章のテーマは、江戸の暮らしと猫。庶民の生活の中に溶け込んだ猫は、鼠を捕まえる益獣として重宝されたそうです。猫ブームが誕生した土壌ともいうべき江戸時代の猫達を見ることができます。こちらは「猫鼠合戦犬張子・鼠おとし」という作品。猫とネズミの戦いがコミカルに描かれていますね。犬張子を使って猫を驚かすネズミも登場しています。ネズミといえば、猫が食べるご飯というイメージでしたが……こちらの作品ではかなり賢い生き物として描かれていました。○鳥山石燕の画図百鬼夜行!!そして、あると信じていました!! 鳥山石燕の画図百鬼夜行!! 現物を生で見たのは初めての経験です。左側に、二股の尾を持つ猫が手ぬぐいを被り、踊っているのがおわかりでしょうか。猫の妖怪が大好きすぎてかなりの数の文献を所持しては日々悶えている筆者。本物をみることができて感動です!○二股の尾を持つ猫また二股の尾を持つ猫はよく「猫また」なんて言われたりします。表記は、猫股、あるいは猫又、猫麻多と様々ですね(実は猫またの由来は、よくわかっていないのが実情です。「徒然草」では「猫また」、「四季物語」では「猫ま」、「明月記」の表記は「猫胯」という表記となっており、様々な研究者がこの語源について解釈しています)。猫またとは、年をとった猫(この年月も、文献によって7年やら12年やらとまちまちです)が特殊な能力を獲得し、しっぽが二股(またはそれ以上)に分かれた妖怪のことです。猫または、人語を話したり、人間に変化したりする能力を持つそうです。人の言葉を話せるようになるのに10年、神通力を使いこなすまでに14から15年必要とされ、狐と猫が交わってできた子はさらに短い年月で化けるようになるのだとか。○「徒然草」によると、飼い猫も猫またになる猫またが文献上最初に登場するのは、皆さんご存知、吉田兼好の「徒然草」なんですね。「つれづれなるままに日くらし硯にむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ」の、あの「徒然草」です。「奥山に、猫またといふものありて、人を食ふなる」と、山に棲む猫またについて記述があります。また、「山ならねども、これらにも、猫の経上りて(へあがりて)、猫またに成りて」と、山奥に生きている猫ではなくとも、飼い猫も長生きすれば猫またになることを物語っているんですね。ということは……筆者の家の猫(名前はリク)ももしかしたら猫またになる可能性も……。猫または人を食らう恐ろしい妖怪ではありますが、もしうちの子が猫またになったら容貌がよけいに愛らしくなってしまうのでは、と考えてしまう筆者です。ただ、全ての猫が猫またになるとは考えられていませんでした。当時、「猫またになる猫は尾が長く、毛色は単色の赤や黄色、黒、あるいは三毛猫が多い」という俗信があったんです。そのため、昔は短い尾の猫が好まれたと言います。○根岸守信の随筆「耳嚢」を発見!!そして同じく感激したのがこちら! 根岸守信の随筆「耳嚢」(みみぶくろ)です。猫に関する様々な民話が書かれておりまして、筆者が大好きな随筆の一つです。「猫は14年生きるとモノを言えるようになる」とか、「14年生きなくても狐と交わって生まれた猫はモノを言うことができる」など、猫またクラスタにはたまらない話が載っています。人間に化けた猫を退治する話は全国各地にありますが、この「耳嚢」にも似たような話が載っています。老母に化けた猫を息子が殺すのですが、殺した母の姿が猫に戻りません。「親殺しの大罪を犯したか」と彼は切腹を決意するのですが、夜になると母の骸が古猫の死体になっていた、という話です。○誰もが一度は見たことがあるこちらの絵も!!会場内を色々見渡してみると、初めて見るものもあったり、「いつかは見たい!」と思っていたものがあったり、非常に目に楽しかったです。こちらは、誰もが一度は見たことがあるであろう絵ですね。歌川広重の、「名所江戸百景浅草田甫酉の町詣」です。格子の外を眺める猫が中央に描かれています。飼い主の遊女は屏風の裏で接客中で、遊郭吉原の近くにある神社で開催された「酉の市」にて戦利品を手にする人々がシルエットで描かれています。猫の機嫌は背中を見ればわかるとよく言います。柔らかくなっていたら機嫌が良く、固くなっていたら機嫌が悪いです。この猫の背中はとてもしなやかに柔らかく描かれているので、リラックスしているところなのかもしれませんね。○化け猫に対する当時の人々のイメージが集約された一枚こちらも、皆さんご覧になったことがあるかもしれません。歌川貞秀の作品です。天保6年(1835年)に二月市村座で上演された「梅初春五十三駅」を取材した役者絵だそうで、老婆が油をなめ、行灯に正体のシルエットが描かれていますね。江戸時代の行灯の火種には、イワシなどから採取した魚の油が使われていたので、猫がなめるのも当然といったら当然なのですが、こちらの絵を見ると、当時の人々がその猫の姿を不気味に感じていたことがありありとわかりますね。○有名な化け猫騒動と言えば!!そしてついにお目にかかることができました。「花埜嵯峨猫魔稿」という演目を取材した役者絵。歌川国貞の作品です。「花埜嵯峨猫魔稿」とは、鍋島の化け猫騒動を元にした芝居のこと。有名な三大化け猫騒動をご存知でしょうか。鍋島の猫騒動、有馬の猫騒動、そして岡崎の猫騒動の3つと言われています。中でも鍋島の猫騒動は最も有名な猫怪談の一つとして知られています。簡単に概要をご説明したいと思います。○鍋島の猫騒動の概要17世紀の佐賀藩の2代藩主、鍋島光茂の時代のことです。龍造寺家に生まれた盲目の子、又一郎が殺害されてしまうことが事の発端となります。この又一郎は、母親の政と、黒猫の「こま」と一緒に暮らしていました。又一郎は非常に碁が強かったため、藩主である鍋島光茂に碁の相手として呼び出されます。ところが、それきり、又一郎は帰ってきませんでした。心配した母親の政は、息子の行方を調べますが、ようとして知れません。日々息子が帰ってこないこと、愛猫のこまに愚痴をこぼします。そんなある晩のこと。雨が降るなか、こまが又一郎の生首をくわえて帰ってきます。藩主である鍋島光茂に呼び出されたあの日、碁のことで口論となり、又一郎は殺されていたのでした。大切な息子を殺され、御家再興の望みも絶たれ、絶望した政は、敵を討つようこまに言い残し、こまに自らの血を舐めさせ、自害します。それから少し月日が流れたころ、夜桜見物の宴で侍女がのどを引き裂かれて殺されます。これを皮切りに、惨殺事件が佐賀城で繰り返されるようになりました。そしてついに、藩主光茂までもが原因不明の病に倒れます。そこで、槍の使い手である千布本右衛門がこれら一連の事件の解決に任命されます。本右衛門は、藩主光茂の寝床で見張りにつきます。すると、不思議なことに気がつきます。光茂の愛妾であるお豊という女性が、寝所に入ると光茂が苦しみ始めるのです。そこで本右衛門は切腹覚悟で槍をふるい、お豊を突き殺します。城中が大騒ぎになりますが、お豊は1.5メートルもある化け猫の姿に変わりました。化け猫となった、あの黒猫「こま」が、実はお豊を食い殺し彼女に成り代わっていたのでした。以上が鍋島の化け猫騒動の概要です。いくつかバリエーションがあり、殺害された又一郎の名前が又七郎、あるいは又八郎だったり、自害した母親である政が又一郎の母ではなく妻だったりします。○猫の当て字そしてこちらはあの歌川国芳の作品! 「猫の当字」ですね。猫の体を組み合わせ、「た」「こ」と書かれています(「こ」は「古」のくずし字)。国芳は様々な猫の作品を残していますが、こちらの当字の絵は筆者も大好きな作品です。ちなみに、現在ねこフォントなんていうウェブサービスも人気です。ためしに「化け猫」とサイトに文字を打ってみると、「bakeneko」と、猫の体を使ったアルファベットが生成されます。なんとなく国芳の当字に通じるところがあって素敵なサービスだなと思います。○猫が合体して巨大猫に!天保末期に始まった猫ブームですが、その後も猫の戯画は描き継がれたそうです。国芳の弟子である芳藤の作品がこちら。師匠の戯画精神をしっかりと継承していますね。何となくですが、こうしたおどろおどろしい猫の顔は、実際の猫がアクビした瞬間にも似ているなと筆者は思いました。アクビをする猫は可愛いですが、大きく裂けた口、鋭い牙、そうした猫の野生味が出る瞬間でもあります。○写真コーナーも!そして最後には、来場者参加型のコーナーも! 愛猫の写真を貼るコーナーや、「どの猫が好き? 」と題して展示されていた猫の人気をランキングにするコーナーがありました。なお、愛猫の写真をプリントして会場に持参すると、観覧料が100円割引されるそうです(返却不可)。愛猫家の皆さん、是非持ち寄ってみてはいかがでしょうか。○会場詳細会場は愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1名古屋市博物館。会期は6月7日まで。開館時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。休館日は5月25日、26日、6月1日。入館料は一般1,300円(税込)、高大生900円(税込)、小中生400円(税込)です。○名古屋市博物館学芸課の津田卓子さんにインタビュー今回、「いつだって猫展」を担当されている、名古屋市博物館学芸課の津田卓子さんにインタビューすることができました!――今回の展覧会、イチオシの目玉はどの作品でしょうか?たくさんありますが、一番はやはり、天保12年に描かれた歌川国芳の「流行猫の曲鞠」ではないでしょうか。こちらの作品では猫はみな人のように描かれていますが、実はこちら、元ネタになった見世物があるんですね。それが、同じく天保12年に開催された菊川国丸の「風流曲手まり」です。また、やはり名古屋の博物館なので、地元の作品もオススメです。「尾張霊異記」といった作品も扱っています。――今回の展覧会、訪れるお客さんはどんな方が多いですか?比較的若い方が多いかもしれませんが、どの年代の方たちにも楽しんでいただいています。皆さん、作品をご覧になられる時、とても素敵な笑顔なのが非常に嬉しいですね(笑)。――津田さんが個人的に好きな作品はどちらでしょうか?歌川国芳の「二代目市川九蔵のあわしま庄太夫天保12年」の作品です。国芳といえば猫のイメージが強いかもしれませんが、実は彼は自身の画歴の中で、特段猫ばかり書いているわけではなかったんですね。天保から嘉永年間にかけてまとめて書いているのです。その時に書かれた絵がこちらです。このときの猫ブームの大きさを教えてくれる大切な資料です。当時、猫の絵が舞台の演出に使われる程人気だったのです。――たくさんの猫グッズが販売されていましたが、イチオシはどれでしょうか?これは私が制作に携わったこちらの図録をオススメしたいですが……(笑)。グッズとなると、やはりトートバックやクリアファイルなどもオススメですね。――今回の猫展、非常に盛況ですが、展示の一番の目的を教えてくださいやはり、「猫を通して」、特に江戸時代についての学びを提供したいというのが目的です。あの時代、なぜ猫ブームが起こりえたのかと言うと、やはり私は「ネズミ」の存在が大きかったと思っています。ネズミを退治するため、人々はその手段として猫を飼っていました。国芳の絵画は大変素晴らしいものですが、それだけでは売れません。やはり、生活の中に猫が溶け込み、人々が猫の魅力を知っていたからこそ、猫ブームが起きたんだと考えています。猫ブームの背景にはネズミがいる。だからこそ、今回の展示は猫展と銘打ってはいるんですが、展示がネズミで始まりネズミで終わっています。――津田さんご自身は、猫を飼っていらっしゃるのでしょうか?いや、私はこの展覧会を担当していますが、実は猫を飼ったことがないんですよ(笑)。ただ、今回の展覧会で設けている「うちの猫自慢コーナー」のたくさんの猫写真を見ていると「あ、私、顔が化け猫っぽい猫が好きなんだな」と自分の好みがわかるようになってきました(笑)。――最後に、これから展覧会へ足を運ぼうとしている方々へ一言お願いいたします歴史が苦手な方でも、「おっ」と驚く猫に出会えると思います。展示の中にはさまざまな仕掛けがしてあります。是非とも足をお運びください。――ありがとうございました!<作者プロフィール<うだま猫好きの人妻アラサー。猫の漫画や日常の漫画をよく書く。猫ブログ「ツンギレ猫の日常-Number40」は毎朝7時30分に更新している。ツイッターでは常に猫への愛を叫び続けている。下ネタツイートは最近控えるようにしている。
2015年05月25日春前はスプリングコートが、花見時期は白いシャツが、というようにその季節になると気になるものってありますよね。毎年、初夏の時期に気になるもの、それが“ゆかた”です。ゆかたは、もともと貴族が湯あみ時に着ていた湯帷子(ゆかたびら)が語源ともされ、庶民に普及したのは江戸中期以降と言われています。歌舞伎役者の衣装で話題に江戸ッ子も飛びついた 「竺仙」のゆかた江戸の浴衣文化にひと役かったのは、木綿生地に柄を染め抜いて舞台衣装や普段着とした歌舞伎役者でした。当時のスーパーアイドルだった役者の衣裳を真似て人々はすぐさま同じ柄の着物を作ったと言われています。そんな歌舞伎役者たちに個性的な浴衣をプロデュースしていたのが、天保13(1842)年創業の『竺仙』(ちくせん)。俳句や絵画に通じていた初代は、自ら考案した型染めの衣装を歌舞伎役者や江戸の俳人たちに提案。彼らが好んで着たことで、江戸市民がこぞって買い求めたと言われています。昔と変わらず今も、竺仙の“ゆかた”は、多くの女性の憧れのまと。毎年千種類もの新作を発表しています。そこで竺仙5代目・小川文男さんに、似合う一枚を選ぶコツを聞いてみると「顔うつりがいい色柄を選ぶこと、それにつきます」とごくシンプルなお答え。重ね着で変化をつけられる洋服とは違い、色柄のみで勝負するゆかたは、顔の雰囲気とあうかが大事と言います。さらに色柄の顔うつりは、着物のプロに指南いただくのが一番。着物のプロがいるお店で、いろんな色柄をあててみて、似合う一枚を選びたいですね。伝統と革新の絶妙なさじ加減お出掛けしたくなる “大人ゆかた” 7選ここ数年、竺仙では萌黄色(もえぎいろ)や鴇色(ときいろ)などの優しい色柄のゆかたが人気。新鮮なのに奇抜ではなく、トラディショナルでありながら古くはない、竺仙ならではのさじ加減。そんな絶妙なセンスのゆかたは、大人女性を虜にしてやまないのです。花火や夜祭りだけではなく、街にも出掛けたくなる、大人ゆかたをご案内いただきました。夏空に映える、爽やかな瑠璃色のゆかた。お馴染みの朝顔柄は、秋草が彩ることで落ち着きある雰囲気に。朝顔の花弁を絞りのように染めている繊細さも魅力です。紺白で染め抜かれた大胆な牡丹柄。柄と同じく華やかな髪飾りや履物でポップに着こなしたり、伝統的な紺白の色遣いを活かして品よくまとめるのもいい。そんなダブルな楽しみがある一枚です。手織り紬のような独特の風合いの綿生地に引き染めによる緑の染料で唐草柄を染めだした一枚。オリジナリティを大事にしたい大人の女性にはぴったりです。江戸時代初期から越後で織られてきた麻織物「小千谷ちぢみ」。麻素材が持つ涼感と縮布独特のシャリ感、そしてふんわりと優しい色柄は、盛夏のお出掛けにいい。江戸市民が愛した縞柄は、小粋な夏を演出してくれます。『江戸好み』シリーズは、男女問わず人気柄。よく知られている「斧琴菊(よきこときく)」は、代々音羽屋・尾上梅幸の使っている江戸文様。福をからめ捕る、すくい取る吉祥柄「網目」や、吉原の手引茶屋の暖簾柄「吉原繋ぎ」は人気が高いそうです。花火や夜祭り、夏の夕涼みに似合うゆかたです。『江戸好み』以外のシリーズは、襟をつけてカジュアルなお出掛け仕様にしてもすてきですね。※仕立て代は1万3千円~3万円程度、ゆかた生地と手縫いか半ミシン縫いによって異なります。お出掛けは足袋、胸元すっきり和装下着“美しいゆかた姿” でいるためのあれこれ美しいゆかた姿のポイントを、いくつか教えていただきました。胸元がすっきりまとまるので和装ブラジャーをつけること、そして帯を締める前の下ごしらえをキチンとすることは、着物ビギナーに必ず伝えているそうです。胸の大小にかかわらず、和装仕様の胸元へ補正してくれるので和装ブラジャーは必須です。そして足元は、裸足でも足袋でも歩きやすい草履げたがおすすめとか。さらにお昼のお出掛けや食事に出掛ける時は、足袋をはくと品よく見えてベターです。今年の夏こそ、着ているだけで格上げしてくれる、江戸なゆかたはいかがでしょうか。取材協力/竺仙(ちくせん)東京都中央区日本橋小舟町2-3TEL:03-5202-0991営業時間: 9:00~17:00休日: 土日曜・祝日(4月~7月まで土曜営業)
2015年05月11日粋で洒脱、でも使い勝手にすぐれた江戸の日用品。京や大坂で生れた道具は、江戸という町で暮らす人々の好みや仕様にあわせた道具へと作り変えられてきました。江戸の道具と暮らしとのかかわりをまとめた拙書『江戸な日用品』から、今の暮らしに取り入れたい東京の逸品“江戸な日用品”をご案内していきます。大奥からも愛された江戸屋の化粧刷毛日本橋大伝馬町にある「江戸屋」は、将軍家お抱えの刷毛師だった初代が享保3(1718)年に徳川家より屋号を賜ったという由緒ある老舗。レトロな看板建築に誘われて店に足を踏み入れれば、昔ながらのショーケースや籠に洋服ブラシやヘアブラシ、天井からは多種多様なブラシや刷毛が吊るされています。そんな店内は由緒ある老舗というより親しみやすい町工房のような雰囲気が漂っています。さて江戸時代の刷毛といえば、暮らしに深く関わっていた道具。漆刷毛、染色刷毛、木版刷毛、糊刷毛、化粧刷毛と、目的に応じたさまざまな種類の刷毛がありました。また素材になる毛は、山羊、鹿、豚、馬、人毛など特性をいかして使い分けられてきました。器、着物、家作りと職人には欠かせない道具であり、また一方では婦女子の必需品だった刷毛。だから将軍家お墨付きである江戸屋の刷毛は、職人から町娘まで大変な人気だったそうです。特に化粧刷毛は、品質のよさから大奥の女性たちが絶賛していたとか。明治時代を迎えると、西洋からブラシが入ってきます。西洋のブラシを参考にして江戸屋ではブラシ製造をスタート。刷毛作りの技術を活かして、歯ブラシや洋服ブラシといった生活道具から工業用ブラシなどの特殊ブラシまで多種多様な道具を生みだしていきます。刷毛からブラシへ伝統の技は受け継がれ、今では三千種類を超える刷毛やブラシを商う店になりました。春だから手に入れたい、江戸屋の定番名品たち新学期、新生活、いくつになっても新たなスタートを感じる春という季節。そんな季節だからこそ手に入れたい江戸屋の道具があります。陽気に誘われて外出の機会も増える春。そんな時、コートやスーツを洋服ブラシでサッとはらって出掛けると、気持ちまでシャンとするもの。もし洋服ブラシをお持ちでないならば、江戸屋の手植え万能ブラシはいかがでしょう。素材選びから職人が行い、コシ、ツヤ、硬さとすべてに納得した上質な豚毛のみを使用。ひと束、ひと束を手植えする洋服ブラシは、力を入れてこすっても生地が傷みにくいそうです。少し値が張りますが、いいお洋服を着ている大人の女性ならば、いい洋服ブラシを持つことも嗜みのひとつ。フォルムもチャーミングな洋服ブラシは、粋なギフトとしてもおすすめです。メイクが変わる春、大人の女性ならば化粧品だけでなく化粧道具も見直したいですね。やわらかく肌なじみのいい山羊毛のブラシは、なめらかな質感の肌へと仕上げたい時にぴったりのフェイスブラシ。コシのある馬毛のブラシは、肌にポンポンとのせるチークブラシに最適。今年流行のナチュラルな太眉に仕上げやすいのは、弾力性が高くコシが強いムジナのアイブロウブラシ。口元を決めるのは、日本古来の馬毛を使用した紅筆かイタチ毛のリップブラシで。新たな道具で春メイクもますます楽しめそうです。キーボードや珈琲ミルに使えるお掃除ブラシに注目!最近、話題になっているのが孫の手ブラシだそうです。握りやすいヒノキの棒に少し硬めの馬毛ブラシがついているのですが、これがとっても使いやすい。ただ手仕事の道具ゆえに大量生産ができず、今は予約販売スタイルで展開中だとか。今回私が注目したのは、キッチンや水廻りに使えるお掃除刷毛です。珈琲ミルやパソコンのキーボードのお掃除にちょうどいいニッチなアイテムです。江戸の暮らしを支えた道具に磨きをかけて、時代にあわせた新たな道具を手掛けてきた江戸屋。いつの時代も愛される日用品が揃っています。取材協力/江戸屋(えどや)東京都中央区日本橋大伝馬町2‐1603-3664-5671営業時間/9時~17時休日/土日曜・祝日
2015年03月25日東京・お台場のホテル日航東京では、「江戸の趣」をテーマにしたシーズナルフェア「江戸繚乱(えどりょうん)」を開催している。これに連動し、3月27日(金)の夜、東京・恵比寿の予約の取れない人気店「賛否両論」の笠原将弘氏とホテル日航東京調理顧問の河合隆良氏のコラボレーションによる春の味覚エンターテイメントディナー「江戸NIGHT~春~」を開催する。和食の達人、笠原氏とナチュラルフレンチキュイジーヌで名高い河合氏のコラボレーションで、和と洋の融合した春の味覚を堪能する一夜限りのスペシャルディナーだ。コース料理に合わせたワインは、昨年全日本最優秀ソムリエコンクールにて優勝をした同ホテルのエグゼクティブ・ソムリエ石田博氏による自信のセレクションだ。料金は、一人20,000円(消費税及びサービス料込み)。「江戸繚乱」フェアは3月31日(火)まで開催されており、ホテル内7か所で七福神のスタンプラリーをしてにおい袋がもらえるイベントや、日本文学研究者であるロバート・キャンベル氏が監修し、デザインユニット「8108」の桶川容子氏が空間デザインを手掛けた江戸書籍コーナーが登場するほか、2Fメインロビー特設スペースにて江戸の伝統を現代に受け継ぐ職人たちの実演とともに、その制作過程が体験できるワークショップなどが展開されている。また江戸城大奥の様子をイメージしたお部屋での宿泊プランや東京産の食材や伝統調味料をふんだんに使用したルームサービスメニュー、江戸創作スイーツとブレッドの販売、さらに江戸時代に野ばらを蒸留させた化粧水が人気を集めていたことにちなみ、高濃度炭酸泉を使用したローズローションパックを使った「薔薇繚乱フェイシャル」なども登場している。「江戸繚乱」フェアを体感して、東京の春は江戸の春に通じているのを再確認してみてはいかが。(text:Miwa Ogata)
2015年03月05日俳優の松山ケンイチがWOWOWで6月にスタートする時代劇『ふたがしら』に主演することが26日、明らかになった。物語の舞台は江戸。飛脚問屋で働く明るくて豪放な弁蔵(松山)とクールな色男・宗次(早乙女太一)のもう一つの顔は「赤目」と呼ばれる盗賊の一味だった。しかしある日、一味の頭(かしら)である辰五郎が「弟分の甚三郎に跡を継がせる」という遺言状を遺しこの世を去る。納得がいかない二人は一味と袂をわかち、旅立つことを決意する。原作は『さらい屋五葉』などで新しい江戸時代劇を描くオノ・ナツメの同名漫画。監督は『ジョーカー・ゲーム』、『SR サイタマノラッパー』の入江悠、脚本は劇団☆新感線の座付き作家・中島かずき。WOWOWの連続ドラマとしては初の時代劇となる。松山は「時代劇をやれる機会に恵まれとても嬉しく思います。太一君とどんなコンビになるのか、自分自身とても楽しみにしています」とコメント。大河ドラマ『平清盛』以来3年ぶりとなる連続ドラマ主演とあって、どんな芝居を見せてくれるのか注目だ。原作者のオノ・ナツメは「自分の作品が時代劇になることは大きな憧れだったので、今回ドラマ化していただけることになり大変嬉しいです。弁蔵、宗次がどんな風に会話を交わすのか、どんな表情が観られるのか、周りの人物たちとどう渡り合っていくのか、わくわくしながら放送開始を待っております」とドラマ化に期待。入江悠監督も「僕のような30代の監督にとって時代劇を撮れるというのは夢のような話です。子供の頃から観て育った時代劇の面白さを思い出しながら、時代劇の本場・京都で伝統を学び、新しい一歩となるような作品にしたいと思います」と新境地開拓に意欲を燃やしている。
2015年02月26日「さらい屋五葉」など独特の空気感で新しい江戸時代劇を描く漫画家オノ・ナツメの「ふたがしら」を、俳優・松山ケンイチと大衆演劇界のスター・早乙女太一をタッグにWOWOWにて映像化されることが決定。松山さんは本作でWOWOWドラマ初登場となる。豪放な性格の弁蔵(松山ケンイチ)とクールな色男・宗次(早乙女太一)は、八王子の飛脚問屋で働いていた。彼らの裏の顔は“赤目”を名乗る盗賊の一味。「脅さず殺さず汚え金を根こそぎいただく」のが赤目の仕事。赤目の頭・辰五郎を敬愛する2人は、夜な夜な仲間とともに悪人の屋敷に忍び込み仕事に精を出していた。だがある日、辰五郎は2人の手を取り、「一味のこと、まかせた」と言って息を引き取ってしまう。しかし、姐さんが預かった遺言状には、辰五郎の弟分・甚三郎に跡目を継がせると記されていた。納得のいかない2人は、赤目一味とたもとを分かち、旅立つ決意をする…。本作は、盗賊一味の男たちの巧妙な駆け引きと痛快な騙し合いを描く新感覚時代劇。映像化に挑むのは、『SR サイタマノラッパー』シリーズで注目を集め、その後も『日々ロック』や「KAT-TUN」の亀梨和也主演の『ジョーカー・ゲーム』を手がける新鋭・入江悠監督。そして、ケレン味あふれる粋なセリフ回しとストーリーを紡ぎ出すのは、日本演劇界を牽引する「劇団☆新感線」の座付き作家・中島かずきだ。明るくて豪放な主人公・弁蔵を演じるのは、確かな演技力と圧倒的な存在感で観る者を惹きつける実力派俳優・松山ケンイチ。大河ドラマ「平清盛」以来3年ぶりの連続ドラマ主演となる。一方、弁蔵とタッグを組むクールで色男の宗次役には、「100年にひとりの女形」と言われる大衆演劇界のスターであり、『少年H』、『クローズEXPLODE』、ドラマ「信長協奏曲」などで俳優として目覚ましい活躍を見せる早乙女太一が好演する。主演の松山さんは「時代劇をやれる機会に恵まれとても嬉しく思います。太一君とどんなコンビになるのか自分自身とても楽しみにしています」とコメント。また、「時代劇を撮れるというのは夢のような話」と語るのは入江監督。「子どもの頃から観て育った時代劇の面白さを思い出しながら、時代劇の本場・京都で伝統を学び、新しい一歩となるような作品にしたいと思います。松山ケンイチさん、早乙女太一さんとご一緒できるのが今からとても楽しみです」と撮影が待ち遠しい様子。原作者オノ・ナツメも「自分の作品が時代劇になることは大きな憧れだったので、今回ドラマ化して頂けることになり大変嬉しいです。弁蔵、宗次がどんな風に会話を交わすのか、どんな表情が観られるのか、周りの人物たちとどう渡り合っていくのか、わくわくしながら放送開始を待っております」と大きな期待を寄せた。連続ドラマW「ふたがしら」は6月よりWOWOWにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年02月26日粋で洒脱、でも使い勝手にすぐれた江戸の日用品。京や大坂で生れた道具は、江戸という町で暮らす人々の好みや仕様にあわせた道具へと作り変えられてきました。江戸の道具と暮らしとのかかわりをまとめた拙書『江戸な日用品』から、今の暮らしに取り入れたい東京の逸品“江戸な日用品”をご案内していきます。江戸薫る染め小物屋のトートバック染め小物の「濱甼高虎(はまちょうたかとら)」は、江戸時代の「紺屋」が前身です。時代が変わるなかで、紺屋から染元として呉服卸へ。そして昭和50年代の後半から染め小物を仕立て商う店となりました。神輿や祭り好きな諸兄から好まれる袋物や袢纏(はんてん)、そして暖簾に手拭までを手掛けています。江戸好きを魅了するお店なのですが、今回ご紹介するのはデイリーユースにぴったりなオリジナルのトートバッグです。江戸意匠を染め抜いた袋物で知られている濱甼高虎ですが、6年ほど前からトートバックをつくりはじめました。「今までの袋物とイメージが異なりますが、今の暮らしにあう袋物を作ろうと4、5型ぐらいからはじめたんです」と濱甼高虎オリジナルトートの生みの親・髙林 晋さん。しかし作ってみると思った以上に反応はよく、口コミなどで少しずつ広がり、今では手拭や袴、刺子などの生地で仕立てた20~30種のトートバックが店頭に常時並んでいます。オーダーメイドで自分好みの仕立て大人女子にご提案したいのは、オーダーメイドで仕立てる刺子地のトートバックです。手拭地や袴地で作るトートバックもステキなのですが、デイリーユースでガンガン使うには丈夫な刺子地がおすすめ。ちなみに江戸時代の火消しは、刺子の頭巾や袢纏で消火にあたったそうです。命をかけた現場で身を守れるヘビーデューティな生地として刺子は重宝されていました。また耐久性に優れているものの、濱甼高虎の刺子地は柔らかいので手や肩に持った時の肌触りも気持ちいい。そしていかにも和モノという雰囲気にはならず、今どきのカジュアルスタイルにしっくり馴染みます。オーダーする場合、まずは表生地から選びます。色は、白、黒、赤、緑、紺、紫、ねず、と7色(白は、染めなしの刺子地)揃っています。最近では、単色だけではなくバイカラーやトリコロールのデザインも人気だとか。表生地、サイズ、持ち手の長さ、裏生地、ポケット有無など、いろんな仕様を相談しながら決めていきます。ただジッパーなど通常使わない付属品は、オーダーといえどもご遠慮いただくそうです。価格はサイズにもよりますが大体1万円~2万円ぐらい。製作期間は、大体1カ月ぐらいだそうです。江戸の心意気を東京のライフスタイルへ伝統の技や江戸の心意気を継承しながらも、今の暮らしに取り入れられるものを発信していく濱甼高虎。「トートバックといっても袢纏や暖簾などを仕立てる時と、染工法など技術的な事は何も変わりません。大量生産しているわけでもなく、職人がひとつひとつ手作業で作り上げています」と髙林さん。1年がスタートするこの時期、私だけの“トートバック”を作ってみませんか。濱甼高虎(はまちょうたかとら)東京都中央区日本橋浜町2-45-603-3666-5562営業時間/9時~18時(土曜は~17時)休日/日曜・祝日
2015年01月29日