「なにを話したらいいのか……」と言葉を探す佐藤隆太。その気持ちもよくわかる。観客参加型の一人芝居というユニークな公演にむけて、その素直な胸の内を語ってもらった。2020年1月に東京芸術劇場シアターイーストを皮切りに上演される舞台『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』(作 ダンカン・マクミラン/翻訳・演出:谷賢一)は、観客に囲まれた舞台の中央に、たった一人の俳優が立つ。観客も、配られたカードを読んだり、小道具を貸したり……ただの傍観者ではいられない。「僕だけではできない舞台。一緒に、楽しんでつくってくれたらいいな」この日は宣伝用のビジュアル撮影。ノーネクタイのスーツでカメラに向かいハイタッチをしたり、紺色の傘を手に雨上がりの空を見上げるようなショットを撮影した。佐藤は自分から積極的に動きの提案をする。空に向けて手をかざしたりと、物語の背景を感じさせるような佐藤のポーズは採用されることが多い。撮影は全国各地の劇場関係者が見守るなか、おこなわれた。東京、新潟、松本、名古屋、大阪茨木、高知などでツアーする観客参加型の企画ということもあり、関係者の期待も高まる。佐藤自身も、いろんな観客と出会うのを楽しみにしている。「上演中ずっとお客様とのキャッチボールがあるので、どんな上演になるのか、その日のその日のお客様で変わってゆくと思います。どれだけ稽古しても「よしこれで行こう!」とは固まらない。毎公演、覚悟を決めなきゃいけない。でも自由度は高いので、日々の変化を楽しめればきっといい時間になると思うんですよね」それでも最初から、この刺激的な舞台出演に迷いはなかったのだろうか……。佐藤は「やらせてください!とすぐ答えました」と言う。「一人芝居も初めてだし、いわゆる一般的なお芝居とは違ってお客様を巻き込んでいく。冷静に考えたらこわいです。新しいことに飛び込みたいという好奇心が湧き、そして何よりもこの作品が持っている力に心を動かされました」デビュー20周年にして、挑戦だらけの舞台に飛び込むことに決めた。「役者でありながら、人間性をさらけ出さなきゃいけない。お芝居だけでなく人としての度量も試される作品なので、普段演じている時とはきっと違うんでしょうね。お客様と一緒に楽しみたいです」取材/河野桃子
2019年09月20日2011年より恒例の、る・ひまわりと明治座によるコラボ企画「年末祭シリーズ」。2019年末は『明治座の変麒麟にの・る』と題し“本能寺の変”を描く。W主演の平野良と安西慎太郎、シリーズ初出演の神永圭佑に話を聞いた。【チケット情報はこちら】なんと3人ともが最近「共演したいね」と言い合っていたそうで、配役には驚いたようだ。「2週間ほど前に慎太と「いつか一緒にやりたいね」と飲んでいたので、共演を聞いてドッキリかと思った!」(平野)。「共演できることが嬉しいです。個人的には、サイコパス気味な織田信長という役柄が楽しみですね!」(安西)。はしゃぐふたりの一方、神永は淡々と「僕なんかが明治座さんに立てるとは思ってなかったのでビックリ。すごくいいお芝居するおふたりと共演できることにも震えました」と静かにコメント。その落ち着きぶりに平野が「年齢ウソついてない?」と驚くと、安西が「しっかりしてるように見えるけど、実はすごく可愛い」と暴露。神永は隣で苦笑いを浮かべた。上演は二部制。一部では歴史上で最も謎が多いと言われる“本能寺の変”の物語。見どころは「秘密がある」(安西)という点だ。平野も「それぞれに秘密があって、みなさんのイメージする歴史のキャラクターと違う。中国神話に登場する“麒麟”が関連してスケールも大きいし、ファンタジー要素が加わった歴史ミステリーです」と、また神永も「秘密の内容と展開が面白い」と口をそろえる。その“秘密”とは!?また、第二部は番外編「3.5次元舞台~日本の歴史~」だ。安西は「いつもと違う挑戦。とにかくやってやろう!」と真面目に頷く。平野は「キラキラしたい。キャーキャー言われたい(笑)」と個人の願望を熱弁した。神永は落ち着いた口調で「去年、いい役者になるためには、と悩んだ。でもいろんな方の支えをうけ、より頑張ろうと決めた今年の締めくくりとなる作品だから、食らいついていきます」と語ると、平野は「役者、きっと向いてるよ」とエールを送った。今回のタイトルについて平野は「中国の神獣・麒麟。歴史ミステリーにファンタジー要素が加わって、スケールが大きい作品。幼なじみがふとした時にめっちゃ可愛く見える瞬間、みたいな作品」と真顔で言い、ふたりが爆笑を返す。終止笑いが溢れ、「楽しんでやろう!」という意欲を感じるインタビュー。年末、舞台でどうぶち上がるのか楽しみだ。公演は12月28日(土)から31日(火)まで、東京・明治座にて。チケットぴあでは9月8日(日)10時より、先行先着を受付。取材/河野桃子
2019年09月05日『レ・ミゼラブル』や『エリザベート』など数々のミュージカルで活躍しつづける石川禅。仕事は多岐に渡り、初の連続ドラマレギュラー出演となる日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」(TBS系)も放送中だ。そんな石川のコンサートが、9月2日(月)・3日(火)によみうり大手町ホールで開催される。5回目となる今回は初めて、ミュージカルの楽曲だけでなくJ-POPも数曲ラインナップに入れた。【チケット情報はこちら】「ミュージカルを歌うかのように感情を込めてJ-POPを歌ったらどうなるんだろう?俳優が歌うと、歌手の方とはまったく違うものになるんじゃないか?」という期待があると言う。また「このJ-POPにはこのミュージカル曲がアンサーソングになるな、世界観がリンクしているなという構成になっています」と、背景の重なるJ-POPとミュージカル楽曲の並びも楽しめそうだ。「J-POPを歌うことでミュージカルコンサートの可能性を広げられたらなと思うんです。とはいえ「豪語してたわりにはこれ?」と思うお客さんもいるかもしれない。なぜならお芝居は人によって良いと感じるものが違うから。コンサートでそういったナンバーを歌うことは安易な挑戦ではないけれど、ミュージカル俳優として生きていくなら必要だと思います」。ミュージカルやJ-POPなどジャンルを問わず、石川の解釈で表現される楽曲があるのもソロコンサートの魅力のひとつだ。「自分だったらどう歌うかな、しかもコンサートだったらどうするかなと考えています。たとえば今回『レベッカ』の劇中歌「レベッカⅢ」を歌いますが、オリジナルのアレンジでよりドラマが伝わるような構成を考えています。僕なりに考えたことで、新しい表現になったりしています!」嬉々と語る石川だが、もともとはコンサートに対して違和感があったと言う。「僕はもとは青年座という新劇系の劇団出身の役者。そんな僕がコンサート!?」。けれども、年齢を重ねると役のイメージ、そして俳優としてのイメージで演じる役が限られてしまう。「50歳を迎えて「私の武器はなんだろう?自分の価値はなんだろう?これからどうしていこう?」と考えた時に、歌だ、歌を発表できる場所がほしい、と思いました」。しかも石川の歌声の音色は、年齢を重ねても若者の歌が歌える声だ。「コンサートなら青年も女性も歌える。自分の持つ音色と、俳優という武器を活かして発表できる場所をつくろう、とコンサートに取り組んでいます。歌の世界ではいろんな冒険ができる」柔らかい語り口で、熱く言葉を重ねる石川。けれども最後に目を輝かせ、少し声をひそめた。「……でもね、理由は後づけ。ただやってみたかったことを怖がらずに自由にやってみようとワクワクしているんです」取材:河野桃子/撮影:宮川舞子/写真提供:ホリプロ
2019年08月28日イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』が原作の舞台「MANKAI STAGE『A3!』~SUMMER 2019~」が8月8日に品川プリンスホテル ステラボールで開幕した。原作では1000万円の借金を抱えた劇団「MANKAIカンパニー」の監督となったユーザーが役者達を育てる。今回は4つのユニットがあるうち“夏組”の単独公演だ。【チケット情報はこちら】第1幕は、第2回公演『にぼしを巡る冒険』。全員が猫耳をつけて、猫になりきる。主演の瑠璃川 幸(宮崎 湧)は衣装も担当するが、どちらもやりとげようとムキになり周りを拒絶していく。準主演の三好一成(赤澤 燈)が「幸の力になりたい」と考えるなかで、頑固な幸と、パリピの一成の新たな面が引き出されていく。第2幕は、第3回公演『抜錨!スカイ海賊団』。こちらは斑鳩三角(本田礼生)が主演だ。しかし三角はスランプに陥り、準主演の向坂 椋(野口 準)は元気づけようと三角の実家を訪ねるが……。つかみ所のない三角と、控えめな椋。ふだんは見えないふたりの心が見えてくる。そんなメンバー達を見守るリーダーの皇 天馬(陳内 将)。これまで主演として引っ張ってきた天馬なりに、どうすればみんなを支えられるかを模索していく。幕があけるその日を目指し、5人は自らの弱さや苦手なこと、そして仲間達と向き合っていく。本シリーズの見どころは、劇中劇。登場人物達の性格とは違った“劇中のキャラクター”が楽しく、そのギャップに驚く。耳に馴染む軽快な音楽、梅棒振付けのダンスが物語を盛り上げる。赤澤は会見で「夏は騒がしいイメージがあるけど、楽曲的には切ない部分や夏のはかなさも」と紹介した。会見には三角の弟・斑鳩 円役の宇佐卓真も登場し、「これから56公演突っ走っていくだけですが、早くも寂しくなっていきそう」と充実した稽古を感じさせた。ほか「暗いトンネルをみんなで手を繋ぎながら光が見えてくる方向に一歩ずつ慎重にやっと抜けてきた」(宮崎)。「ダンスやお芝居で壁にぶつかったたびに乗り越えられてきた」(本田)。「(夏組5人の)不器用さがうまくハマった時に,夏のカンカン照りのようなどこの組にも負けないパワーが発揮できる」(赤澤)。「多少の緊張とそれを超えるワクワクや楽しみがあり、それを一緒に超えられる絆も感じている最中」(陳内)。8月18日(日)まで上演後、兵庫、愛知、新潟、東京凱旋となる。5人の劇団員が成長とともに“絆”を紡ぐ本作は、公演を通して出演者5人を中心に『夏組』の絆も深まっていくのだろう。取材・文:河野桃子
2019年08月15日2012年の『RENT』ぶりの舞台出演となる、石田ニコル。挑戦するのは、9月25日(水)より東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される新作ロックミュージカルA New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』だ。【チケット情報はこちら】7年ぶりの舞台を前に緊張を隠せないが「緊張は無駄だとも思うんですよ」と腹をくくった様子も見せる。「『RENT』の時は、ボイトレも演技もしたことがなかった。なにも色も味もついていない状態が新鮮だったと言ってくださって、人生で1番大きい経験となりました。でも終わったら「もっとできたんじゃないか」という考えが止まらなくて。もっと色んな経験を積んでから、もう1度チャレンジしたいと思いました」。舞台を観るのは好きだ。去年末、ある観劇中に「自分だったらどう演じるだろう」「私も歌ってみたい」と考えている自分に気づいた。「たぶん私、ミュージカルに出たいんだ、と自覚した頃、出演の話をいただきました。良いタイミングが重なった」。しかも共演者は、憧れの柚希礼音、『RENT』で共演したソニン、友人の清水くるみなど、願ってもないメンバーだ。「舞台に立っている回数が圧倒的に少ないので、すごい方達の中で私にしかできない役をどうするか……まずは喉を大事にして舞台に臨みたいです」物語は、19世紀半ばのアメリカ・ローウェルで自由のためにペンを手に戦うファクトリーガールズ(女性労働者)達を描く。「女性の差別問題は今の時代にも残っているけれど、この時代の女性はもっと辛い思いをしている。それをロックな音楽や物語でどう表現していくのか。観に来てくださる女性の勇気になればいいなと思いますし、男性の方にも響いてくれたらいいな。いろんな人に、女性や、人間の強さが伝わると嬉しいです」。石田が演じるマーシャは華やかな世界を夢見ている女の子。自分磨きに熱心で、ファッションが好きな部分は「モデルの自分に近いかも」と想像する。しかし恋愛に積極的なところは本人と違うようで、「着飾っている裏にはどんな思いがあるのかを見つけたい」と意欲的だ。近年はドラマや映画の出演も増えてきた石田。演じることについて、「1作にすごく時間をかける。モデルとはまた違う楽しさ」と言う。「ひとつのことについて考えるのはすごく好きです。しかも舞台はナマモノなので、毎公演同じではないことが面白い。楽しみです」上演は9月25日(水)から10月9日(水)東京・TBS赤坂ACTシアター、10月25日(金)から27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。取材・文:河野桃子
2019年08月14日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の田辺桃子さんです。「友達の恋バナを聞いてきゅんきゅんしています(笑)」と話す田辺さんの素顔に迫りました。この夏、20歳に!演技の振り幅を広げる正統派美人女優。夏の甲子園、高校野球を題材にしたショートドラマでヒロインを熱演している田辺さん。「甲子園を目指す野球部のマネージャー役です。実話をベースにしたすごく熱い物語で、青春を体感しました!」。もうすぐ20歳の誕生日だそう。「実感はないけど、大人として演じられる役の幅が広がりそう。未経験のアクションや刑事役にも挑戦したいな。お酒は…飲んでみたいけど弱そうな気がします(笑)」。夏生まれなだけあって、夏が大好き!「今年用のかわいい浴衣を買ったので、花火大会に行きたいです」知らぬ間に増えていた癒し系のぬいぐるみ。肌触りが気持ちいいぬいぐるみを抱きしめながら寝ています。癒される!フィルムカメラを持ち歩いています。素敵と思ったらすぐにパシャ。友達と遊んだときや現場で撮っています。見つけたら、ついつい飲んじゃうレモネード。いろんなお店を飲み比べています。レモンのさっぱりした味が好き~!たなべ・ももこ1999年生まれ。子役としてデビュー。今年、夏の高校野球を題材にしたショートドラマ『青空ふたたび』(ABCテレビ)にヒロインの野球部マネージャー役として出演。※『anan』2019年8月14日-21日合併号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年08月10日2020年1月8日(水)に開幕するミュージカル『フランケンシュタイン』のファン感謝祭イベントが、7月29日に行われた。会場には抽選に当たった150名と報道陣が集まり、出演者、演出家、プロデューサーらのトークや歌唱を楽しんだ。【チケット情報はこちら】登壇したのは、2017年の日本初演に引き続き出演する中川晃教、柿澤勇人、加藤和樹、小西遼生、そして演出の板垣恭一。東宝の篠崎勇己プロデューサー司会のもと、約40分のトークが行われた。2役を演じる魅力について、中川は「俳優としてはふたつの役をどう生きるか、お客様は2つの顔を見られる」と紐解く。同役を演じる柿澤は「1幕では新しい命を創造する天才科学者。ある意味一本筋の通った役です。2幕は180度違う役。カロリー的にはしんどいですが、楽しんでやれた」とコメント。ダブルキャストについて、相手役のひとり、加藤は「アッキー(中川)は共に進んでいく、カッキー(柿澤)は支えてあげなきゃ」と違う印象を持つ。また同役の小西がふたりの違いを「カッキーは目で芝居と目で表現し、アッキーは歌ですごく表現する。(表現の)飛ばし方は違うけれど、同じところに来る」と説明すると、加藤も大きく頷いた。板垣は「韓国版の初演と再演を見て、良いとこどりをした。日本版はシーンを追加したので上演時間が長くなっていたが、韓国メディアから「どこをカットしたんですか?」と聞かれて嬉しかった。短く感じたんだな」と嬉しそう。途中、なんと熊カレーが登場!会場に良い香りが漂う。劇中の「クマ、オイシイ」という台詞が人気で、初演時も急きょロビー販売がおこなわれた熊カレー。「食べやすい」「美味しい」と食べる5人を眺める不思議なトークイベントに……。小西は「俺のは肉がない」とぼやいていたが、全員ペロリと完食した。登壇者ばかり食べていては悪いと、抽選で熊カレーの缶詰をプレゼント。それぞれが2枚ずつクジを引き、10名に熊カレーが当たった。トーク後に新キャストとなる露崎春女が歌唱を披露。音楽とともに登場し、すぐに『その日に私が』を歌い上げた。緊張もしていたようだが、まっすぐな声が心地よい。歌い終えると「ミュージカル出演は初めてで楽しみ」と言う露崎を、他の出演者が温かく向かえた。最後にそれぞれがコメントを述べ、中川が「この作品からミュージカルがもっと広まってくれたら」と締めくくった。ファン達の拍手に見送られ、再演への熱気を強く感じるイベントだった。取材・文:河野桃子※篠崎勇己の「崎」は立つ崎
2019年08月07日誰もが愛したくて、愛されたくて、受け入れたくて、受け入れてほしくて……そして偏見がある。サンシャイン劇場で上演している舞台、三ツ矢雄二プロデュース LGBT THEATER Vol.1「MOTHERS AND SONS ~母と息子~」は、そんなひとりの女性とゲイカップルの家族の話だ。上演は8月4日(日)まで。【チケット情報はこちら】ニューヨークに住むキャル(大塚明夫)とウィル(小野健斗)は同性婚をし、バド(阿部カノン、中村琉葦ダブルキャスト)という11歳の息子と暮らしている。クリスマス前のある日、そこに突然、前触れなくキャサリン(原田美枝子)が訪ねてきた。彼女は、キャルのかつての恋人・アンドレの母親だ。アンドレは20年以上前にエイズで亡くなっており、最近に夫を亡くしたキャサリンは、喪失感のなか「なぜ息子は死んだの?なぜ自分は孤独で、あなた達は幸せなの?」とキャルや自分も追いつめていく……。本作は第68回トニー賞(2014年)戯曲賞にノミネートされた。近年、ブロードウェイではLGBTにまつわる作品が増えている。この舞台となるニューヨークで同性婚が合法となったのは、2011年7月。日本では今月同性婚を認めないのは重大な人権侵害」と日本弁護士連合会が意見書を国に提出したばかりと、ニューヨークに比べてかなり遅れている。そのため人によっては、本作内で交わされる会話に馴染みが少ないかもしれない。ただこれは、タイトルにもあるようにすべての“母親”という役割の女性と、誰かの息子たちの心を巡る物語だ。小ぎれいで広々としたリビングでの1時間40分の会話劇。互いに相容れない気持ちを持ちながら、拒絶することもせず同じ時間を過ごす。原田の不安定だけれど力強い佇まいが、大塚と小野演じるゲイカップルに対して際立つ。しかしその影で、3人それぞれが抱える偏見がちらほらと露呈もする。大人達の複雑な思いなどまだ知らず、少年・バドだけは輝くばかりの未来を見つめて微笑んでいる。素直でまっすぐで甘えん坊なバド。彼の幸せそうな様子から、ここがどんな温かい家庭で、キャルとウィルがどれだけ良い両親なのかが想像できる。バドがダブルキャストなので、演じる俳優によって男3人の家庭から受ける印象も変わるだろう。登場するのが同性愛カップルだからこそ、「血の繋がりや家族とはいったいなにか」という命題が立ち上る。愛し合うこと自体は複雑なことではないはずなのに、なぜ噛み合ないのか……今の時代に突きつけられた、大きな課題でもある。取材・文:河野桃子
2019年08月02日秋以降には『ウエスト・サイド・ストーリー』上演が待ち望まれるバーンスタイン作品。その生誕100年の節目に、彼が26歳の時に発表したミュージカル『オン・ザ・タウン』の豪華舞台が実現した。すでに兵庫公演を終え、25日から28日(日)まで、上野の東京文化会館大ホールにて上演されている。【チケット情報はこちら】1940年代、早朝のニューヨーク。軍船から降り立った3人の水兵は、24時間の休暇を楽しむために街へ繰り出す。初めての大都会に期待を膨らませている彼らだが、うちひとりのゲイビーがポスターの女の子にひと目惚れをしてしまったものだから、手分けしてその子を探すことに……。バラバラに行動する3人はそれぞれニューヨークをさまよい、恋をし、翌朝明け方までの時間を目いっぱい楽しむ愉快な冒険物語。はたしてゲイビーは愛しの彼女に会えるのか!?60人以上のフルオーケストラが生演奏する迫力の音楽に彩られ、明るく、鮮やかなニューヨークの一日が繰り広げられる。男3人は、限られた休暇を楽しもうと陽気でのん気だ。テンポ良くすすむ物語だが、軽くなりすぎず、深くしっかりと届くのは、オーディションで選ばれた俳優たちや丁寧なスタッフワークだろう。出演者はロンドンで開催された大規模オーディションにエントリーした1000名以上から選ばれた。英国ロイヤルオペラなどで活躍するゲイビー役のチャールズ・ライスを筆頭に、オペラ俳優やダンサーたちが勢揃い。ストーリーはシンプルだが、だからこそたっぷりと音楽とダンスを堪能できる。実力者の彼らがしっかりと聞かせるオペラらしい音楽や、軽快なジャズなど、さまざまな音楽が溢れていた。舞台美術は1940年代のニューヨークの絵はがきがモチーフだ。お洒落でレトロな雰囲気のなか、3人の男と3人の女の恋模様が展開される。歌も芝居も始終コミカル。一方ダンスシーンでは、バレエのような抽象的な振りや、踊りそのものをじっくりと見せる演出などもある。ミュージカルでありながら、オペラ、バレエ、芝居、音楽演奏などさまざまな要素が融合したダイナミックな“新次元シンフォニック・ミュージカル”。企画・制作した兵庫県立芸術文化センターの佐渡裕芸術監督は「これまでとは一味違った“総合芸術”の楽しみになることは間違いありません!」と情熱を込める。その言葉に違わぬよう、さまざまな要素が融合したステージだ。ジャンルを越えて楽しめる、ニューヨークの一夜の夢が繰り広げられている。取材・文・撮影:河野桃子
2019年07月26日NHK連続テレビ小説『なつぞら』(毎週月~土曜8:00~)で柴田家の長女・夕見子を好演している女優の福地桃子が19日、札幌ドームで行われた北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズ戦のファーストピッチセレモニーに登場した。今週放送の『なつぞら』では、北海道大学に通っていた夕見子(福地)が、突然、恋人の高山(須藤蓮)とともに上京。東京で暮らすなつ(広瀬すず)のもとにやってきて、大学を辞めて高山と一緒に東京で暮らしていくと言い張り、なつらを困らせるという“夕見子週”だった。そして今朝の放送では、駆け落ちの限界に気付いた高山と夕見子が、口論の末に破局。そこへ夕見子を迎えに北海道からやって来た泰樹(草刈正雄)が現れ、普段人に弱さを見せない夕見子が、泰樹の胸で涙するというシーンが放送された。ファーストピッチセレモニーでは、ドームの大型ビジョンに夕見子の駆け落ちストーリーがダイジェストで紹介された後、泰樹(草刈)からの「夕見子、はやく北海道に帰ってこい!」というオリジナルの力強い呼び掛けが。すると泰樹の声に導かれるように、夕見子(福地)が「じいちゃん、帰ってきたよ!」と登場。駆け落ちから無事札幌に帰還した夕見子の登場に、スタンドの観客が大きな拍手で迎え入れた。人生初のマウンドに立った福地の投球はおしくもワンバウンドとなったが、そのピッチングに歓声が。無事セレモニーを終えた福地は「ファーストピッチが決まってから今日まで、時間があれば練習をしてきました」と打ち明け、ノーバン投球にならなかったことがよほど悔しかったのか「また機会をいただけるのなら、次こそは」と夕見子さながらの負けん気を見せ、再チャレンジを誓った。また背番号が100であったことについては「『なつぞら』(が朝ドラ)100作目ということで背番号100にしました」と説明し、「北海道に帰ってこられて、ドラマの世界と現実が重なって、とてもいい経験をさせていただきました」と夕見子らしく北海道愛をアピールした。なお、19~21日の3日間、札幌ドーム内には『なつぞら』に関する等身大パネルや出演者の衣装などが展示された特設ブースも設置されている。(C)NHK
2019年07月19日「怖がらずに、面白いものを観にいくぞ!という気持ちで来ていただけたら」と言うのは、7月19日から24日(水)に東京・三越劇場にて上演される『怪談 牡丹燈籠』に出演する北翔海莉。「役者がゲラゲラ笑って稽古をしています」と言うとおり、稽古場では「こうしたら面白いよ!」とアイデアがどんどん生まれ、つねに誰かが笑っている。【チケット情報はこちら】「“怪談”という言葉の怖さを打ち砕くくらいコメディタッチ。幽霊も出てくるけど、実は生きている人間の方が怖いということをユニークに描いています。どの時代も人間は同じ。欲があって、焼きもちをやいて、浮気をして、金に目がくらんで後先考えずに熱が入っちゃう」『怪談 牡丹燈籠』はこれまで、歌舞伎をはじめいろんなジャンルで繰り返し上演されてきた。北翔の演じるお峰は、夫の伴蔵(北村有起哉)とともに欲に目がくらんで運命を狂わせていく役。この夫婦を軸に、幽霊と浪人の悲恋や、殺人、主人への忠誠、家族の再会などさまざまに絡まり合う人間模様をコミカルに描いていく。「お峰は“負けられない!浮気をつきとめてやる!”という気持ちの強さがありながら、惚れた女の弱さもある役。伴蔵との夫婦ゲンカなど、ポンポンと掛け合いが続くのでテンポを崩したらアウトなので、ぴりっと力をいれてやらないと」。稽古場での北翔は、相手役に集中して合わせる配慮を見せながら、中心に立つときにはビシッと決める。歌舞伎の“早変り”“だんまり”なども大きな見せ場だ。「“早変り”は運動会みたいになると思う。ほぼ全員が“いつ着替えたの!?”と驚くほど変わっていて、冒頭5分くらいで汗だくになりそう(笑)」“だんまり”は暗闇のなか手探りでモノを奪い合う歌舞伎の場面のことだが、計算されたやりとりで可笑しさを演出する。稽古場では、上演台本・演出をつとめる日本舞踊藤間流宗家で歌舞伎の演出家・藤間勘十郎を筆頭に、それぞれが「そこでみんなが重なってみたらどう?」と目を輝かせながらアイデアを出す。実践してみては「じゃあこのパターンは?」「面白い!」と笑い声が響いた。「出演者には2.5次元、ミュージカル、……いろんなカラーの方がいて新しいことを教えてもらえるのは、私にとって財産です。昨年の『恐怖時代』から引き続き信頼できる方々とご一緒できるのは心強いですし、今回初めてご一緒する北村さんも素敵な方。楽しい舞台なので、あまりかしこまらずに、怖がらずに観ていただけたら嬉しいです」取材・文:河野桃子
2019年07月19日でっかい恐竜が登場!子ども達の歓声に包まれながら、大きな黄色い恐竜“フクイラプトル”が、鳴き声をあげる。7月5日、オーストラリア大使館で開催された『恐竜どうぶつ園2019~Erth’s Dinosaur Zoo~』のプレイベントには、麻布山幼稚園の園児約50名が参加。迫力満点の恐竜に、子ども達は飛び上がって大はしゃぎだ。【チケット情報はこちら】日本では2016年から毎年開催され、今年は7月13日より全国ツアーが始まった。今年一番の見どころは肉食動物“フクイラプトル”。日本で始めて全身骨格が復元された実物大パペットだ。ほか、ステージには7~8種類の恐竜が登場したり、客席いっぱいを長さ100センチの大型肉食トンボがとびまわったり……見て・触って・学べる恐竜ショーだ。プレイベントでは、園児たちのソワソワした雰囲気のなか、恐竜専門サイエンスコミュニケーター・恐竜くんによる“恐竜クイズ”が出題された。「トリケラトプスは角が折れたらどうなる?」などに積極的に答える子どもたち。盛り上がったところで、恐竜の赤ちゃんパペットが登場すると、その精密な見た目に子ども達も興味津々!固そうなウロコ、瞬きする大きな目を覗き込みながら、優しく頭を撫でたりと大盛り上がり。この赤ちゃん恐竜は、公演終演後のロビーで触れ合うこともできる。ついに……お待ちかねの“フクイラプトル”が登場!大人1.5人分ほどの高さの恐竜は、子ども達にとっては超巨大。「本物?」「コンピューターだよ!」と疑っていた子どもたちも、恐竜が大きな口を開けて鳴くと「きゃあー!」と逃げていく。目を輝かせて興奮する子、「怖い!」と言いながら牙だらけの恐竜の口に手を伸ばす子、泣きそうな顔で近づかない子……。それぞれの個性がしっかりと出る。恐竜の動きは、首を傾げたり、尻尾を振ったり、生きているようなリアリティがある。パペットであることは想像力豊かな子ども達にとっては関係ないようだ。子ども達が熱狂し、あっと言う間に時間が過ぎていった。ショーを手がけるErth職員のEmiさんは「タイトルに『どうぶつえん』とあるように、エサをあげたり、実際に触れ合ってもらえます。ファンタジーじゃなく、本当にいたんだなと思ってもらえたら嬉しい」と、はしゃぐ子ども達を見て嬉しそうに笑った。ショーは8月末まで、全国25か所で開催される。チケットは発売中。取材・文/河野桃子
2019年07月17日「ワンーワン!」と犬語(?)で始まった会見。登壇したのは7月6日に天王洲 銀河劇場で開幕した舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~絆編~の出演者たち。犬達の死闘を描いた同名漫画の舞台化だ。【チケット情報はこちら】原作に登場するのは犬なので、見た目を似せるわけではない。漫画からイメージされた衣裳に犬耳と尻尾。また佇まいでキャラクターの個性を表現。出演の荒木宏文は「2.5次元作品ですが、ビジュアルに忠実というより、原作を人間がやる意味があります。こんな舞台を初めて体験しました」と語った。また安里勇哉が「犬の(品種の)特徴を出している」と言うように、それぞれ何犬なのかイメージするのも楽しい。主人公の銀役の佐奈宏紀は「事前稽古でイチから犬の動きをやって、基礎を固めました」と振り返る。手探りながら、演出家の丸尾丸一郎も「まずは4本足で歩いてみることから。なにが答えかわからないなか、僕たちなりの答えが出せたんじゃないかな」と舞台に臨んだ。公開されたゲネプロでは、指を曲げて前足をつくったり、後ろ足を跳ねたり、しなやかに身体を動かすしぐさなどがさりげなく散りばめられている。犬としての動きは自然で、もはや、犬か、人間か、ということを越えて、彼らの闘いと成長の物語に引き込まれていく。歌も踊りもアクションも盛りだくさん。劇団四季出身の坂元健児は“最強の犬”というのも納得の伸びやかな声で歌う。本人は「ミュージカルじゃないかと思うほど、踊りが多い。でもやってみるとお芝居の要素が強い。不思議」と言う。たしかに、明確な物語に則って、歌うことで闘いの激しさや団結力が伝わる。さらに踊りは、「関節を進化させるような動き」(佐奈)で、犬の柔軟なバネが際立つ。郷本直也は「ダンスが苦手だったけど、今回辻本さんの振付で初めて動くことが楽しいと思った」と力強く踊った。物語は、最強の熊犬リキ(坂元)の息子・銀(佐奈)が、凶暴な殺人熊・赤カブトに敗れた祖父と父・リキの仇を討つため、仲間と共に全国の強い犬を集める旅に出る。犬たちの友情、裏切り……それぞれの信念を持ちながら、闘い、認め合う熱い物語だ。佐奈は原作の銀のイメージそのままに、まっすぐに成長する少年犬を堂々と演じた。映像も使うが、ほぼ岩山のみの舞台美術なので、身体や動きだけで表現。出演者は約2時間、汗だくになりながら、全力で駆け抜けていた。公演は7月15日(月・祝)まで。その後、20日(土)・21日(日)に神戸にて上演。取材・文:河野桃子
2019年07月10日7月中旬から全国ツアーがはじまる舞台『フローズン・ビーチ』。1998年に発表されたケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の脚本を、鈴木裕美が演出。愉快で訳ありな“5人の女”によるサスペンスコメディだ。その公開稽古が行われた。【チケット情報はこちら】公開されたのは<第一場>。1987年の夏、千津(鈴木杏)と親友の市子(ブルゾンちえみ)は、双子の姉妹・愛と萌(花乃まりあ二役)の父親の別荘に来ていた。そこに、愛と萌の盲目の継母・咲恵(シルビア・グラブ)が予定より早く旅行先から帰ってくる……。継母のせいで母が死んだと思っている愛は、咲恵に苛立ちをぶつける。しかし当人はあっけらかんと笑い、ワインを飲んでいる。盲目の役のため、シルビアは焦点を合わせず少しずれた方へ顔を向けて話すが、コミュニケーションを自然に感じさせる。険悪なふたりに挟まれ、気をつかう千津。演じる鈴木杏は大きな目をキョロキョロと動かし、いたたまれなさと困惑がとても伝わる。一方の市子は、超マイペースで楽しそうだ。初舞台というブルゾンだが、緊張感はありつつも、細部まで真剣に気を配っているのが感じられる。不穏な空気が漂う……。演出の鈴木裕美は「誰かが誰かを殺そうと思ったりもする」とサスペンスフルな雰囲気を煽りつつ、「救ったり救われたりもする不思議な本。まずは出演者4人が面白い」と強く推した。KERA作品に2度の出演がある鈴木杏は「ケラさんの脚本はやっぱり大変。楽しみながら苦しんで、稽古するほど深まる」と感想を語る。ブルゾンちえみの演じる市子は真逆で「(市子は)ちょっとわけがわからない。論理的でなく、本能で動いている。でもけっこう憎めないんじゃないかな?」と愛着が湧いてきたようす。花乃まりあは、性格の違う双子をどう演じるのが楽しみだ。急きょ代役として遅れて参戦したが、「温かく迎えていただいて感謝」と安心した表情を浮かべる。座組についてシルビアは「和気あいあいとして体育会系の集まりのノリ。ずっと笑っている稽古場」と紹介した。演出の鈴木は「面白くするためなら何でもやります!みたいな4人が集まった。すでにファンの多い作品だけど、やっと自分たちの『フローズン・ビーチ』になってきた」と手応えを感じているようだ。上演は7月12日(金)神奈川でのプレビュー公演を経て、新潟・福島・東京・大阪・静岡・愛知・高知・香川を8月末にかけてめぐる。取材・文・撮影:河野桃子
2019年07月08日夏休み、とびきり想像力を刺激するお芝居が全国で上演!誰もが知るグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』とはちょっと違う『グレーテルとヘンゼル』の物語だ。【チケット情報はこちら】姉・グレーテルを演じるのは土居志央梨。「原作は兄妹が協力して魔女をやっつけるけど、この物語のグレーテルは、自分を慕う弟・ヘンゼルが可愛いけれども鬱陶しくて憎んでいる。友達同士でも、そんな複雑な気持ちを持つことがあるはず」と語る。ヘンゼル役の小日向星一は「子ども向けの演劇だけど、子どもじみてない。憎しみや残酷さがちゃんと描かれているからこそ、子どもにも大人にも伝わる舞台」。7月21日(日)から24日(水)に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演後、水戸、つくば、長野、京都、神戸、久留米をめぐる。2018年初演、子ども達は全身で楽しんでいた。「派手な仕掛けはなく、会話だけで、お菓子の家も出てこない。でもすごく集中して、笑いたいところで笑うし、泣くし、喋る。お芝居って自由でいいんだなと教えてもらいました」(土居)。「子ども達は観劇することが「経験」になる。アンケートでは色鉛筆でイラストを描いてくれたり、楽しんでくれました」(小日向)。弟のいる子どもからは「グレーテルの気持ちがわかります」「うちの弟は面白いからいてもいいです」などたくさんの感想が寄せられた。大人からも「自分の子どもを見ているよう」「子ども時代が鮮明に蘇った」と共感の声が届いた。身近な人のことを“好きだけど憎たらしい”という矛盾した感情は、誰にでもある。全役をふたりで演じる。小日向は「土居さんの魔女は怖い!僕、本当に食べられるかと思いました(笑)」と笑い、土居は「最前列の子どもは口をあけてぽかーんとしてたね」と頷く。笑い合うふたりの雰囲気はよく似ていて、子どもからも「ほんとうの姉弟?」と聞かれたそうだ。演出はカナダのジェルヴェ・ゴドロ。同作は、ゴドロ主宰の劇団、ル・カルーセルにより世界各地で上演されてきた。その演出は想像力を刺激するもので、舞台上には15脚のイスのみ。それを組み替えるだけで、森や、お菓子の家などを表現する。「イスを森の枝や丸太に見立てて動かす。少しズレると世界が崩れるのでとても難しい」(土居)上演は約1時間。「夏休みに遊びにいく感覚で、気楽に来てほしい」(土居)。「家族の大切さを感じる素敵な作品。初演を観た方にも「良くなってる!」と思ってもらえるよう、改めてイチから作ります」(小日向)公演日:7月21日(日)~24日(水)公演場所:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオチケット残りわずか!取材:河野桃子
2019年06月28日現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』で注目の福地桃子さん。オーディションの舞台裏や役作りについて話してくれました。連続テレビ小説『なつぞら』で注目の的に!「5人きょうだいの末っ子として育ち、私はいつも姉や兄から刺激を受ける存在で、自分から何かを発信することがあまりなかったんです。そんな自分を変えたくて、きっかけを探していました。そんな時、女優さんだったら人の言葉を借りて、自分を表現できるようになるんじゃないかと思ったんです」こうして女優の道を歩み始めた福地桃子さん。現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』では、ヒロインと姉妹のように育つ柴田夕見子を演じて、一気に脚光を浴びた。「朝ドラのオーディションに挑戦したのは、実はこれが3回目。初めてオーディションを受けた時、お芝居だけじゃなくて、その人の人間性まで見られている…というか、知ろうとしてくださるような作り手の熱量や、朝ドラ独特の緊張感を肌で感じて。その時に、私はこのハードルをクリアしたいと思うようになりました。『なつぞら』は、私自身の母方の祖母が北海道に住んでいることもあって、最初から少し運命的なものを感じていたんです」念願叶ってオーディションに合格。しかし、自分自身とまるで共通点のない夕見子というキャラクターを理解するのに、最初は時間がかかったそう。「でも、夕見子の本当の優しさに気がついた時、今までの自分とは違う考え方をもらえたような気がしたんです。台本を読んでいても、夕見子の言葉が自分に一番突き刺さって(笑)。昔の自分にも、夕見子みたいにもっと主張すればいいのにって言ってあげたいくらいお手本のような人です。自分にない要素をたくさん持っている役を演じることって、本当に刺激的…。この感覚を忘れてはいけないなと思いました。自分とかけ離れた役はまだ他にもいっぱいあると思うので、今後もこんなふうに自分の視野を広げてくれるような役に出会いたい。そして、常にその役に対して好奇心を持ち続けたいです」Q 特技は?肩もみ。ドラマ『チアダン』の撮影中、体育大卒で体に関して詳しい(土屋)太鳳ちゃんにも褒めてもらいました。Q 好きな作品は?映画『おおかみこどもの雨と雪』。子供ってかわいい、家族っていいなとピュアな気持ちで観られます。サントラも好き。Q 休日の過ごし方は?自分で車を運転して遠出をします。兄が住んでる葉山のほうまで行ったり、この間は友達と箱根に日帰り旅行をしました。Q 今ハマっていることは?料理が好きです。自分で真鯛を釣って、母に捌き方を教えてもらいながら、カルパッチョを作ったこともあります。ふくち・ももこ1997年10月26日生まれ、東京都出身。過去の出演作は映画『あの日のオルガン』など。現在は連続テレビ小説『なつぞら』に出演中。ワンピース¥57,000(プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ/イッセイ ミヤケ TEL:03・5454・1705)トップス¥20,000(ラインヴァンド/エムエイティティ)リング¥7,000(ノーカ TEL:03・5948・6841)ピアス¥82,500(ヤム)※『anan』2019年7月3日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・武久真理江ヘア&メイク・ヒラガフミコ取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2019年06月25日笑いすぎてお腹がよじれるかと思えば、時には涙しそうにもなる。歌、ダンス、ミュージカル、スケッチ(コント)など盛りだくさんの『CLUB SEVEN ZEROⅡ』が、6月15日に日比谷・シアタークリエで開幕した。ミュージカルなどそれぞれ活躍するメンバーがそろう本シリーズもついに17年目。2度目の出演となる大山真志や、ゲストの沙央くらま、北翔海莉も加わり、歌に笑いにと多彩な姿を見せた。【チケット情報はこちら】テーマ曲で幕をあけ、激しいダンスで一気に観客を惹き付ける。踊りは一体感がありながら、それぞれに個性も溢れる。脚本・構成・演出・振付をつとめる玉野和紀や、吉野圭吾、東山義久、西村直人は「レジェンド」と呼ばれるのも納得の存在感。各自が色の違う色気を放つ。沙央、北翔も華やかさと優雅さでチームの魅力を引き立たせ、若手の大山は大きな体で機敏に踊り、群舞に勢いをつけた。5つのスケッチは抱腹絶倒。学園モノ、職業モノなど様々なシチュエーションが登場。公演ビジュアルでもあるウェスタン風の作品も。元宝塚歌劇団ふたりの男役を彷彿とさせるシーンもあれば、宝塚からかけ離れたギャグの連発にも驚く。アドリブのシーンでは、出演者らも互いの即興芝居に素の笑いを浮かべる。毎日なにが起こるのか!?上演回によってAとBの2バージョンのスケッチがあるので、どちらも観たくなる。20分の休憩を挟んで2幕冒頭は、ミニミュージカル『F』。1920年代のNYではマフィアとギャングの対立が激化していた……。笑いに溢れるスケッチとは一転、そこは裏切りと血の匂いが漂う闇の世界。響き合う歌声にそれぞれの苦悩が重なり、裏社会に住む男女の生き様が描かれる。大人の色気溢れる1作だ。大人気の「50音順ヒットメドレー」も期待を裏切らない!全77曲を歌って踊る怒濤のエンタメショー。懐メロ、アイドル、CM曲などに乗せて、1曲ごとに衣装が変わったり、小芝居が繰り広げられる。次になにが来るのかわからないおもちゃ箱のようなメドレーだ。表現力豊かなダンスと歌、フィルム・ノワールのような演技からバカバカしいギャグまで。長年、技術と経験を積み重ねてパワーアップし、観客ひとりひとりを受け止めるような懐の深いショーとなった。上演時間は3時間超だが、何時間観ていても飽きない……が出演者達は「大変だからやめて」と笑いそうだ。それでもどっぷりと浸っていたい贅沢な時間だった。ツアー公演は7月に愛知、大阪にて。取材・文・撮影:河野桃子
2019年06月19日「ああ、ベーコンは、結局、^%£$+*?!%」何かの暗号かと思った人も多いだろう。実は、河野太郎外務大臣(56)が5月21日に自身のTwitterに投稿したものなのだ。突然投下された謎の投稿に、反応する人が続出。リツイートは4万件を超え、海外の通信社AFPも報じる事態にまで発展。河野氏に《これは国家機密だ》《働きすぎで疲れているのかも》と1,100件ものコメントが寄せられるお祭り状態に。このように、巷では河野氏のTwitterがちょっとしたブームになっている。普段は各国政治家との会談や夕食会の様子を呟くなど真面目な内容がほとんど。しかし、冒頭のようにユーモラスな投稿が「面白い!」と話題を呼んでいるのだ。一般人が呟いた《良く見ると河野太郎って男前やな》という投稿に《すぐに気づけよ》と、《このツイートも引用してくださいよ》には《仕事が忙しくて引用してる暇がない》と茶目っけたっぷりに返答。あまりの面白さから《秘書がツイートしてる、河野大臣そんな暇ないはず》と一部でゴーストライター疑惑まで出る騒ぎに。これに対しても6月9日の呟きで河野氏は《うちの秘書にそんな暇はない》とスマートに対応。巧みなTwitterの使い方を《河野太郎氏のツイッター大大大好き》《日本の政治家で一番うまくツイッターを利用している人、河野太郎説》と絶賛する人があとを絶たない。さらに、河野氏は6月19日にニコニコ生放送でLIVE配信を行うと発表。フリートークのタイトルは「ベーコンの秘密」。果たして“国家機密”の真相は暴かれるのか――。
2019年06月10日「錆色のアーマ」 -繋ぐ- が、6月6日に開幕。佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE)と増田俊樹を中心に、乱世の時代に天下統一を夢見た男達を描くオリジナル作品だ。世界初“逆2.5次元舞台”として、舞台上演から漫画など他のメディアに展開していく。会見ではついにアニメ化すること、声優はふたりが自分の役をつとめることが発表され、「自分たちが原作となる!」と盛り上がった。【チケット情報はこちら】今作は続編だが、前作を観ていなくても楽しめる。前回、本能寺の変で織田信長(増田)は炎に包まれた……はずだった。そこで人ならざる影に出会った信長のことなど知る由もなく、最強の傭兵集団『雑賀衆』の孫一(佐藤)らは本能寺より帰還。「信長の死」の噂が広まるなか、陰陽師・賀茂在昌(丘山晴己)にそそのかされた羽柴秀吉が、病弱な息子・秀勝(玉城裕規)の命を繋ぐためアーマと孫一を手に入れようとする……。「前作はわかりやすくエンタメ。今回はそれぞれ自分の役をいちから考えて、ひとりの人間を描いている」(佐藤)。「なぜ闘うのか、なぜいがみ合うのか、なぜ手をとり合うのか」(増田)。その言葉どおり、雑賀衆のメンバー5名(荒木健太朗、永田崇人、平田裕一郎、章平、神里優希)それぞれの過去や大切にしているものが浮かび上がる。ある者は仲間のため、ある者は家族のため、親友のため、故郷のため……。生き様や深いドラマを彩るのに、新キャストらの存在感が大きい。単なる敵味方として対立するのではなく、それぞれに事情があることで、矛盾や苦悩がうまれる。雑賀衆らの国をまとめる藤白(石渡真修)は、孫一にライバル心を燃やす。茨木童子(佐藤永典)は雑賀衆のひとりと因縁がありそうだ。その兄・酒呑童子(田中しげ美)は闘うことが異様に好きでたまらない。今回、雑賀衆の前に立ちふさがる陰陽師・賀茂在昌(丘山)は優雅で繊細な振る舞いをし、利己的な考えの美学が際立つ。そして、孫一と奇妙な関係を築いていく秀勝(玉城)は、病弱だが才能あふれた若者。幅広い表情を見せる玉城の集中力が、物語をより深く、悲しく、美しく紡いでいく。演出・上演台本の元吉康泰は今作について「まだ見ぬ地平のどこまでのびていくか、とやってきた。前作を観た方は驚かれるんじゃないか」と自信を見せた。ダイナミックな殺陣、アクション、歌、ダンスなど興奮盛りだくさんの2時間半(休憩あり)。22日(土)23日(日)に愛知、27日(木)から30日(日)まで大阪にて上演。取材:河野桃子※「錆色のアーマ」の【錆】の字「つくり」下部分は【円】が正式表記です。
2019年06月07日劇団「地点」の演出家・三浦基が、来年、ロシア・サンクトペテルブルクの国立劇場「ボリショイ・ドラマ劇場」の依頼を受け、ドストエフスキー作『罪と罰』を演出することが発表された。先駆けて今月5月より、ロシアの劇作家チェーホフの紀行文と短編小説をコラージュした『シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!』と、チェーホフの人気戯曲『三人姉妹』の2本をKAAT 神奈川芸術劇場で上演、その会見が行われた。【チケット情報はこちら】5月27日(月)に初日を控える『シベリアへ!~』は、KAATが2011年の開館当初より地点と共同制作を続けてきた最新作にあたる。1890年にチェーホフが旅した、流刑地だったサハリン島までの道のり。未開の地だったシベリアを横断し、命の危険が伴うなか9か月にも及ぶ長旅を断行した。家族や友人達も驚いたチェーホフの意欲的な旅路について、三浦は「他者と出会うバイタリティが現代の閉塞感を打ち破るエネルギーになれば」と語った。三浦はこれまでチェーホフ戯曲を継続的に上演。本作の舞台化にあたっては、複数名のロシア文学専門家が創作に携わっている。三浦は「やっぱりチェーホフは良い」と改めて言葉にした。会見にはKAAT神奈川芸術劇場の館長・眞野純も登壇、「『罪と罰』の成功のために『シベリアへ!~』が良い布石となることを願っております。ロシアとの交流がうまれる環境をつくっていきたい」と述べた。上演は5月27日(月)から6月2日(日)・7月13日(土)から16日(火)まで。また、7月4日(木)に初日をむかえる『三人姉妹』は、2015年に上演し好評を博した公演の再演となる。そして、新たに発表された『罪と罰』の制作。ロシアの国立劇場が日本人演出家によるレパートリー作品を創作・プログラムするのは、2004年以来だ。キャスティングは今年6月に現地へ行き、オーディションワークショップを実施する。「日本ではなかなか起用できない人数」とのことで、大規模な作品となりそうだ。「(ロシアの俳優は)日本人の身体感覚と全然違う。基本はストレートプレイのリアリズム。それをぶちこわさないと」。上演は2020年6月に同劇場で行うが、先駆けて2~3月に原型となる地点版の公演を、横浜・京都で上演する。これまでロシア作家の作品上演に力を注いできた三浦。「チェーホフとドフトエフスキーの関係において、ドフトエフスキーを読むこと、眺めることはライフワークとしてきた」と述べ、今回の両作家作品に挑む意欲を見せた。「シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!」「三人姉妹」、両公演ともにチケット発売中。取材・文・撮影:河野桃子
2019年05月24日ステージいっぱいに敷かれた布を雪景色に見立て、子供達の雪合戦が始まった。そこで起きた事故をきっかけに、子供たちの関係が大きく動き出す――。【チケット情報はこちら】この物語は、フランスの作家ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』の舞台化。白井晃演出、ノゾエ征爾脚本により6月2日(日)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉で上演中だ。外界を知らずに成長した不遜な姉弟を演じるのは、南沢奈央と柾木玲弥。姉エリザベートは、母を病気で亡くし、ケガをして引きこもる弟との“王国”を守ろうとし続ける美しくも残酷な少女。愛情か、依存か……南沢はポールへの執着を、生々しく感情を剥き出しにして振る舞い、登場人物も観客も巻き込んでいく。また弟・ポールは我がままで癇癪持ち。ポールの魅力がこの作品のキモでもあるが、まっすぐな感情を持て余す繊細さで周りの子供達を惹き付ける。演じる柾木は「稽古で皆と合わせていく中で役ができていきました」と振り返る。“物語の案内役”を担うのが、ポールの友人・ジェラール役の松岡広大。原作とは違う役どころとして、1歩離れた立ち位置で姉弟に関わっていく。松岡はストレートプレイ初出演だが、まっすぐで真面目な姿勢で丁寧に物語を語る。会見では「しっかりと言葉の意味を伝えることに、今まで以上にエネルギーを使いました」と真摯に述べた。絶妙なバランスの3人。その危うい均衡を脅かすふた役を、馬場ふみかが演じる。すべての始まりとなる雪合戦でポールにケガをさせる少年ダルジュロスと、彼に瓜ふたつの少女アガート。傲慢なダルジュロスと繊細なアガートを演じ分ける。「ふた役それぞれ違った目線で作品について考えることができるので面白い。同時に、(役の)スイッチングの難しさを感じています」。4人の子供たちの世界を白い布が表現する。1枚1枚剥いだり、布に溺れたり……自在に動く布が、彼らの関係性も表現する。強い風が吹いたら飛びそうな、もろい世界だ。「こんなにシンプルなセットは初めて。リングの上に立たされている気持ちで、逃げも隠れもできない状況での芝居です」(南沢)。4人以外の俳優たちが大人を演じ、子供だけの王国を際立たせる。大人になることを拒絶する子供たち――。演出の変更は日々重ねられており、より良い作品を模索する。白井晃の要求に柔軟に食らいつく俳優たち。2週間の上演期間のうちに、これからも大きく進化していくだろう。チケット発売中。取材・文・撮影:河野桃子
2019年05月20日熊川哲也のKバレエがおくる『シンデレラ』は2012年に初演された。誰もが知るシンデレラの物語を、美しさと上質なユーモア溢れる演出で見せる今舞台が5月24日(金)から上演される。その公開リハーサルでは、今シーズンにプリンシパル・ソリストとして入団し、初主演に抜擢されたふたりの稽古シーンがお披露目された。【チケット情報はこちら】シンデレラを演じる成田紗弥は、韓国のユニバーサル・バレエ団から移籍。芯の通った身体と儚げな表情の、健気なシンデレラだ。1幕より『シンデレラと継母たち』の場面では義姉妹(杉山桃子、高橋怜衣)と義母(ルーク・ヘイドン)にこき使われ、働かされる。布、ほうき、鞄、ドレスなど小道具の多いシーンで、段取りが難しい。指導の浅川紫織が「火を焚く時はオーバーに全身を使って小道具を見せて」と示すと、とたんに客席からも見やすくなる。自然な動きを心がけ、物語を繋いでいく浅川の指導を受け、成田は「振付を覚えるのと、表現力をつけるのが大変」とくらいついていく。働かされ耐え忍ぶシンデレラだが、ひとりになると亡き母親の形見を取り出し、幸せだった思い出に浸る。その時間だけは、愛された少女のように軽やかだ。成田の持つ儚さとあいまって、幸せと寂しさを同時に表現する。2幕より披露されたのは『シンデレラと王子のパ・ド・ドゥ』。矢内千夏の明るいシンデレラに対し、高橋裕哉の王子は少し控えめで初々しい。指導する遅沢佑介が高橋に「相手の体重が右肩に乗るまで待って」「ここはシンデレラの動きに自分の動きを重ねて」と、身体の状態を具体的に示していく。ハンガリー国立バレエ団から移籍したばかりの高橋は「的確にステップを押さえていかないと綺麗に見えない」と、演技よりもまずひとつひとつの振りを身体に落とし込んでいく。高橋の身体が安定感を増せば、矢内が輝いて見える。そのシンデレラを見つめて嬉しそうに笑う王子。ふたりの表現がなめらかに重なり合い、恋人たちのうっとりとした場面ができあがっていく。本番にはほかプリンシパルの宮尾俊太郎、中村祥子らが出演。4人のシンデレラと4人の王子によるKバレエ『シンデレラ』は、5月26日(日)まで東京・東京文化会館、5月31日(金)から6月2日(日)まで東京・Bunkamura オーチャードホール、6月4日(火)に静岡・アクトシティ浜松、6月6日(木)に大阪・フェスティバルホールにて上演。熊川独自のアイデアが光る夢のような『シンデレラ』の世界へ誘う。取材・文:河野桃子
2019年05月20日舞台を中心に活動するジャニーズのふぉ~ゆ~が、6月7日(金)22:24~23:24放送の音楽番組『My Anniversary SONG』(BS朝日)に出演。テレビ初披露となるふぉ~ゆ~オリジナル曲『Everything 4 You』をお披露目。懸命な歌とキレのあるダンスでお届けする。【チケット情報はこちら】『Everything 4 You』はKinKi Kidsはじめ多くの作品を手がける堂島孝平の作詞作曲。「どうしても堂島さんにオリジナル曲を作って欲しい」というメンバー全員の妄想から夢が叶った。また、メンバーそれぞれがJr.の頃にバックで踊っていた思い出の楽曲をスペシャルメドレーで披露する。トークでは、さまざまな楽曲にまつわるエピソードを振り返っていく。MC高嶋政宏からのきわどい質問にもガチで答えるふぉ~ゆ~の4人。メンバーの福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介それぞれの個性が炸裂!そして番組のレギュラーの座を狙うふぉ~ゆ~にミュージシャンのKがビビる!?歌もトークも盛りだくさんのエンターテイメントぶり。4人の仲の良さや関係性も存分に伝わる、ふぉ~ゆ~丸わかりの贅沢な1時間だ。番組出演にあたってメンバーの4人は「楽曲のリリースをしていないのに音楽番組に出演だ!」と大はしゃぎ。ふだんは舞台出演が多く、ジャニーズの中でもダンスと演劇で活躍する唯一無二のグループとして着実に技術を磨いている彼ら。各メンバーが単独舞台主演などをつとめながら、年に1度は4人そろって演劇に挑む。2019年は7月に『SHOW BOY』を上演予定だ。『SHOW BOW』は大型カジノ豪華客船を舞台にした、セクシーでショッキング、マジックあり、歌ありのオリジナルダンス劇。4人の役は、ケガで引退した実力派ダンサー(福田悠太)、失敗ばかりのマジシャン見習い(辰巳雄大)、全財産を失ったギャンブラー(越岡裕貴)、中国人マフィア(松崎祐介)。ゴージャスな船上で、4人の男たちの4つの物語がはじまる。ほか、キャバレーの支配人役に神田沙也加、主演ダンサーに秋山大河(MADE/ジャニーズJr.)、ショーのマドンナに樋口日奈(乃木坂46)らが出演。ゴージャスなショータイムと、ハートウオーミングな物語をお届けする。脚本は登米裕一、演出はウォーリー木下。上演は7月10日(水)から28日(日)まで、東京・シアタークリエ、8月3日(土)名古屋市公会堂にて。チケット発売は5月19日(日)午前10時より。テレビに音楽に舞台にダンスと、さまざまなエンターテイメントを存分に楽しむふぉ~ゆ~。今後の活動から目が離せない!文:河野桃子
2019年05月17日鉄道の沿線を“擬人化”した人気コミックの舞台シリーズ、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』最新作が5月9日より東京・品川プリンスホテル クラブeXで開幕した。副題は「すべての路は所沢へ通ず」。“西武鉄道”に焦点をあて、西武グループの沿線達が一堂に介するスピンオフ作品だ。【チケット情報はこちら】西武グループは全員金髪、全員青制服。似たビジュアルだからこそ出演者らは「よりキャラを出していきたい」(KIMERU)、「個性がたくさん。みんな違ってみんないい」(木村敦)と意気込む。その言葉どおり舞台上ではそれぞれが個性を暑苦しいほど主張し、とても勢いあるミュージカルとなっている。公演は、原作漫画と同じく日常的なエピソードが折り重なっていく構成。「30個以上のシーンでできています。何を見させられているんだろうという新しい感情が湧くのでは……普通の舞台とは違う作り」(滝口幸広)。ひとつひとつは、鉄道グッズの開発、ホワイトデーの出来事など、彼らの賑やかな日々を描いている。本人達は非常に真剣だが、どれもくだらなく笑えるものばかり。エピソードすべての根底に流れるのは、揺るぎない“会長愛”。全員が西武グループ創業者を『会長』と呼び神のごとく崇拝する“会長愛”を持っている。ことあるごとに「会長万歳!」と叫び、観客にも叫ばせる。「前作までは、西武鉄道3名で万歳をしていました。今回は全員が西武。会場に万歳を巻き起こせたら」(橋本汰斗)。「参加型の舞台です。「万歳!」「会長!」と一緒に叫んでほしい」(森山栄治)。「西武グループに浸っていただければ」(馬場良馬)。12名の金髪青服の鉄道達に盛り上げられ、劇場は「万歳!」の嵐に包まれていく。しかも場所は西武グループが運営する品川プリンスホテル内。熱気に揉まれ、一体になって西武グループを崇め称える異様な空間となる。「万歳!」と叫ぶ間も、30個のエピソードが怒濤のように繰り広げられていく。するといつの間にか、それぞれの関係の変化や悩みが見えてくる。「おのおのの関係性が面白い。個性的なんだけれど、統一されている」(渡辺コウジ)。そんな彼らを観ていると、最後には、ちょっと感動してしまったりする。「個性の強い西武グループを見て、西武愛に目覚めていただければ」(岩城直弥)。擬人化され、感情豊かな沿線達を見ているうち、いつの間にか西武鉄道が好きになってしまう舞台だ。上演は5月19日(日)まで。文:河野桃子
2019年05月17日令和1日目……5月1日(水・祝)に開幕する『吼える』は5日(日・祝)まで東京・CBGKシブゲキ!!で、10日(金)~12日(日)に大阪・ABCホールにて上演される。プロデュースした清水一輝は「1度この舞台の改稿前の作品を観た瞬間から“やりたい!”と思っていました。今の時代だからこそ響くメッセージが込められているので、『令和』の初日と公演初日が重なり、新しい時代の幕開けにぴったりな作品だと思い企画しました」【チケット情報はこちら】上演にあたり『クジラの歌』を『吼える』に改題・改訂。「26歳の時に書いた若いセリフとエネルギッシュなシーンが多かったので、落ち着いたセリフに変え、大人が演じて腑に落ちる作品にしました。過去の上演とはまったく違う作品になっています」(脚本・演出/えのもとぐりむ)。タイトルは“吼える”と“ホエール(クジラ)”をかけている。しかし吼えるシーンはない。「人間の中身が吼えるのを観てほしい」と言う。Wキャストで出演する宮迫博之は、多忙な日々のなか清水に何度も口説かれ「好きなやつらにお願いされたら、やりますよ」と出演を決めた。作品について「えのもとぐりむという人間の心の闇を具現化している。人生削りながらつくっているところに共感します」と魅力を説明する。物語は、東京から沖縄に向かうフェリーの客室フロアでシージャック犯と乗客たちの攻防が描かれる。清水は自身の役・瀬美について「死を背負った人。今、それほどの覚悟で生きてる若者はどれくらいいるのかな。この時代の若い人に観てほしい」とまっすぐ語る。逃亡中のヤクザ役の宮迫は「昔ちょっとしたトラブルで追いかけられた経験があるので、思い出して演じられたら(笑)」と過去を振り返る。えのもとはふたりを「宮迫さんにはユーモラスな部分と、お笑いの時にはない人間の深さがあって、特別な存在。一輝は多種多様なキャストを集めるプロデューサーとしての勢いが芝居にも出ている。ただ今回は熱いだけじゃなく、静かに心に響く抑えた演技を努めているので挑戦だね」と評する。稽古場ではYouTuber、芸人、タレント、元アイドル、俳優……多種多様な演じ手がひとつの作品をめがけて共に切磋琢磨している。和気あいあいとした空気の中、宮迫は「突然セリフを大阪弁に変えてくれって言われたんですよ。けっこう難しいんやで?」とツッコみながらも、声は温かい。「生きづらかったり、プライベートで上手に息ができない人に観てほしい。僕がそうなんです。僕みたいに、劇場がひとつの居場所になれば嬉しい」(えのもと)。取材:河野桃子
2019年04月26日これは落語なのか、演劇なのか――。昨年の『志らくひとり会』が文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞した立川志らく。その続編にあたる新作落語「不幸の家族」を上演するのが、4月22日に本多劇場で開幕した『志らくひとり舞台』だ。2016年に自身の劇団で上演したものを、落語版としてひとりで演じる。まず「志らく 半生を語る」の語りで幕を開ける。次いで始まった「不幸の家族」は、2025年の大三次世界大戦突入寸前の日本が舞台。かつて海上自衛隊で親友であり、恋敵でもあった男ふたりが、18年ぶりに再会することになる。心躍らせいそいそと準備するくだりは、いかにも落語的。はりきりすぎてちょっとドジをしたり、家族との少しズレた日常会話などに、思わず吹き出してしまう。社会風刺や、落語家に対する毒舌も痛快。志らくの得意な映画ネタも満載で、有名映画たちにツッコミを入れていく。映画を観ていなくてもネタが楽しめる気配りも忘れない。時事ネタも織り交ぜ、教養と遊び心たっぷりに会話が展開する。男は娘や息子も巻き込んで再会の準備を進めるが、そのうちに、思いもよらなかった事実が明らかになってくる……。上演時間1時間。男たちの単純な再会話かと思いきや、男同士の友情、夫婦の形、親子の縁、家族の愛情など、さまざまな人間関係が複雑に重なっていく。前半に散りばめられた伏線が、細かいネタにいたるまで丁寧に回収されるうち、なぜか笑っていたのに泣かされている。そこには、人は迫りくる戦争よりも、目の前のちょっとした出来事が重要だという風刺も効いている。がしかし、とても温かい作品だ。演劇作品を落語にしたことで、全役をたったひとりで演じる。しかし、照明も衣装も変わらず高座のみがあるステージには、ふたりの初老の男と、その家族たちの表情豊かな姿が見えた。落語を聞いていたつもりが、いつの間にか1本の小さくも壮大な演劇を観た気分になる。それは古典の技術と経験を踏まえ、試行錯誤の末にたどりついた志らくの新作落語(現代落語)が成せる技だろう。そこには、ひとり芸の要素がふんだんに詰まっていた。これは落語か演劇か。語り、コント、マイム、音楽などを盛り込み、ジャンルを越えたひとり舞台の最高峰を「ひとり話芸の元祖であり極みである落語」(立川志らく)で表現する。上演は23日(火)19時の回が最後。当日券は開演1時間前より劇場受付にて発売。また、チケットぴあでは「立川志らく独演会」等出演公演も販売中。取材:河野桃子
2019年04月23日「嬉しいんですけど、それだけじゃない。なんて言ったらいいか…」と言葉を探す渡部豪太。6月12日(水)~23日(日)に上演される『ゴドーを待ちながら』への出演について、喜びにおさまらない感情が湧いているようだ。【チケット情報はこちら】「すごく衝撃的でした。作品に触れるたびに心に傷が刺さるとしたら『ゴドー…』は私にとって大きな、とても優しい引っ掻き傷。この作品を知らないよりも、触れたことのある人生の方が素敵なんじゃないかな。ああ…うまく言葉にならないです!」ふたりの男が謎の人物“ゴドー”を待ち続ける本作。1940年代の発表以来、多くの演劇人に影響を与えてきた。「どちらの男を演じるか決まるまでに時間がありましたが、どちらでも『良い』なと。それほどふたりの男が切っても切り離せない。光と影のような、どっちを欠いてもダメなふたりです」。結果、渡部はエストラゴン役、ウラジミール役は狂言師の茂山千之丞に決まった。「楽しみです。狂言の方は猿やハエなども演じるので、“ゴドー”という人でないかもしれない存在を描く作品に合う気がします」この舞台の面白さのひとつが、2バージョンのキャストだ。もう一方には大高洋夫と小宮孝泰が出演し、親子ほど年の離れた2組が同じ作品に挑む。「相手役を入れ換えてもいいんじゃないかというくらい、年齢にも性別にも個性にもとらわれない、懐の深い作品です。とても小さな世界の話のようでも、大きな宇宙レベルの話のようでもあると感じます」この10年、舞台出演は毎年欠かさない。「映像の面白さとはまた違って、演劇は稽古の時間がたっぷりある。筋トレみたいに練り上げられて、お芝居が立ち上がっていく。鋼のように叩けば叩くだけ不純物が取り除かれて鍛えられていく感じが、すごく好きですね。なのに本番は2時間くらいで終わっちゃうのも良い(笑)」と楽しみを語る。「劇場ってなにかをくれる場所。ドキドキします。お芝居を観たあとは、まったく違う人物になれている気がするんです。役者の吐いた息をお客さんが吸って、そのお客さんの息を役者がまた吸って、お互いに求め合っているような濃密な空間が“劇場”。『ゴドーを待ちながら』を上演するKAAT神奈川芸術劇場は、おしゃれな海辺の劇場です。中華街も近い。そんな素敵な劇場で面白い舞台をやってるから来ない?ってみんなに言いたいです」【衣装】シャツ 19000ジャケット 27000パンツ 24000靴 スタイリスト私物KURO クロ / KURO△GINZA クロ△ギンザTEL:03-6274-6257スタイリング:umeヘアメイク:atsu.co取材・文:河野桃子
2019年04月19日4月上旬の午後5時、東京・港区の裏路地にタクシーから颯爽と降り立つ女性の姿があった。河野景子さん(54)だ。鮮やかな黄色いコートをまとった彼女は、大人な雰囲気の日本料理店へと足早に入っていった。景子さんが再び姿を現したのは、それから4時間ほどたった午後9時過ぎ。彼女の横にいたのは、女優の山村美智(62)とフリーアナウンサーの近藤サト(50)の2人。かつてフジテレビで女子アナとして活躍したOGたちの同窓会だったのだ。この3人は、同局の黄金時代を支えた伝説的な存在。山村は80年に、景子さんは88年、近藤が91年と入社年度もバラバラ。しかし、3人は退社後もひそかに親交を続けてきたという。「今回の会は景子さんが2人に声をかけて、実現したそうです。特に3年後輩の近藤さんは入社当時から大の景子さんファンとして有名でした。退社後も公私ともに交流を持ち、お互いを励まし続けてきました。景子さんにとってはよき理解者の1人です」(テレビ局関係者)近藤は『週刊文春』4月11日号で景子さんへの憧れをこう語っていた。《全部マネしてましたね。河野さんと同じルイ・ヴィトンのバッグを買って、お揃いだ~って内心喜んでました。同色は申し訳ないから別の色にしましたけど。河野さんがふと出したハンカチを見て、あれが女性らしさの秘密ね、と思って同じハンカチを買ったりも。そんな憧れを抱いたのは河野さんだけです》いっぽう、先輩の山村も景子さんのことをずっと気にかけてきたという。「一見するとクールな山村さんですが、後輩思いの姉さん気質。フジテレビ出身の女子アナを“同士”と呼び、世代を超えてもかわいがっているそうです。最近も自身のブログで《ホント、景子ちゃんは偉い……あんなに大変な世界で頑張っていつもニコニコして耐えて耐えて、でも、サラリと決断して。絶対、誰のことも悪く言わず明るく美しく、前向いてるんだもの》と言葉をかけていました。景子さんも今年2月に、山村さん出演の舞台を観劇。その際にブログで『山村さんの熱演に、思わず涙があふれるほど感動した』とつづっていました」(前出・テレビ局関係者)昨年10月に貴乃花光司氏(46)との離婚した後は、自伝本の出版やテレビ出演など多忙な日々を送る景子さん。しかし、今彼女は“ある悩み”を抱えているという。ある芸能関係者はこう語る。「これまで多くを語ってこなかった景子さんをめぐって、テレビ局間で激しい争奪戦が行われています。まさに“離婚特需”です。3月27日には同期入社の八木亜希子さん(53)とフジテレビ開局60周年記念番組『グレイティストTVショー』に出演。25年ぶりの生放送MCは大きな話題となっていました。また最近、一部では景子さんへ女優業のオファーも噂されています。女子アナ時代にはパリ駐在を志望するなど、キャスター志向が強い一面も。今後について『女優かキャスターか』と悩んでいるのでしょう。さらに景子さんは『ブームは長く続かない』と考えているそうで、仲のいい友人に『私もそろそろ身の振り方を考えなきゃ』とこぼしていたといいます」実際、景子さんは4月2日放送の『未来を予知する女先詠み司ヒロコ・アンジェラ』(フジテレビ系)に出演し、「今後私の人生どういうふうに変わっていくんだろう……」と占い師に不安を漏らす一幕も。そんな人生の岐路を迎えた景子さんの頼った人物こそ、山村と近藤だったのだ。「山村さんと近藤さんは、女子アナ卒業後も成功をおさめた代表的な存在です。近藤さんは景子さんと同じ離婚経験者ですが、再婚した現在はナレーターとし7本ものレギュラー番組を抱える超売れっ子。昨年大ブレークしたグレイヘアブームの立役者でもあり、今や時の人です。山村さんも、女子アナから女優に転身した先駆け。当時は危ぶむ声も多かったなか、海外修業などを経て見事に女優としての地歩を固めました。華々しい復活を考えている彼女にとって、2人はお手本そのもの。景子さんは今後の進路についてアドバイスを求めたのでしょう」(前出・芸能関係者)3月発売の自伝『こころの真実23年のすべて』(世界文化社)で、今後の人生について景子さんはこのように語っていた。「はたして何ができるかわかりませんが、何かやっていく、やれそうな気がする。これからの自分の歩みが楽しみです」景子さんが選ぶ次なる土俵ははたして一体――。
2019年04月11日「2017ミス・ユニバース・ジャパン」グランプリの阿部桃子(24)が、4月よりオスカープロモーションの芸音本部に所属したことが8日、明らかになった。日本テレビ系情報番組『スッキリ!!』でリポーターを務める阿部祐二の娘である阿部。オスカープロモーションに所属を決めた理由について「父と同じ事務所に所属させていただいていたので、一度甘えの効かない環境で自分の可能性を広げ、新しいことに挑戦してみたいと思ったことがきっかけです。オスカープロモーションは、いろいろなジャンルのお仕事が出来るのではないか、そして同世代の女優さん・モデルさんの方がたくさんいらっしゃるので、自分磨きをしっかりして、切磋琢磨しながら成長していけるのではないかと思い所属させていただくことに決めました」と明かした。5月からは新しい元号“令和”へと切り替わるが、「気持ちも新たに新時代を突き進んでいきたいなと思っています。令和は今まで吸収したものを前面に出して、自分を表現していけるようにしたいなと思っています」と決意。「このタイミングでの挑戦はとても運命なんじゃないかなと感じています。令和に向けて新しい出会いがたくさん待っていると信じて、いろいろなことに挑戦していけたらうれしいです」と意欲を示している。目標としている人は、「大好きで憧れでもある河北麻友子ちゃん。普段からとても仲良くしていただいているので、モデルとしてタレントとして、人間としても河北麻友子ちゃんを本当に尊敬しています。そして女優として憧れている米倉涼子さん。まだ目標と言わせていただくのは申し訳ないくらいの雲の上の存在ですが、いつか米倉さんのように素敵な女優さんになりたいと思っています」とのこと。そして、今後について「女優さんを目指して頑張りたいと思ってます。憧れの先輩が同じ事務所にいるということはすごく励みになります。初心を忘れず謙虚な心をもって一つ一つのことに頑張りたいです。女優として、自分がどんなふうに変化していけるのかまだ自分でも未知数なので、すごく先の大きな目標ではありますが、いつの日か日本を代表するそんな女優さんを目指して、日々演技を勉強していきたいと思っています」と目標を明かしている。
2019年04月09日「(入門後)いちばんつらかったのは母であり、(亡き)父であり…。(これから家族が)心ひとつになれればな、と思います」河野景子さん(54)との電撃離婚から5カ月、貴乃花光司(46)の発言が話題を呼んでいる。3月20日放送の『ザ・発言X勝負の1日』(日本テレビ系)で、長らく絶縁していた母・藤田紀子さん(71)や兄・花田虎上(48)と再会したい意思表示をしたのだ。「作家の瀬戸内寂聴さんとの番組共演が契機になりました。貴乃花さんは引退後、日本テレビ関係の番組に頻繁に出演しています。その窓口が、スポーツ局の統括プロデューサー・A氏。現役時代から懇意にしており、引退直後の『しゃべくり007』で高視聴率を獲得したため、日テレ内の各番組に出るようになりました。寂聴さんとの正月特番共演は貴乃花さんの熱望で実現しました。人生経験豊富な“導師”寂聴さんに、今後の人生のアドバイスを求めたかったそうです」(テレビ局関係者)冒頭の番組で、貴乃花は鉄拳(46)と共同で、絵本作家としてデビューすることを発表。「貴乃花さんは“孤高の力士”として生きてきましたが、相撲界を離れた今、部屋をはく奪され、取り巻きはいなくなり、お金もなくなった。唯一の味方の家族までバラバラに。寄る辺のない現状に寂しさがつのったそうです。相撲教室の先生を率先して務めるなど、彼の今のモチベーションは『次世代を担う子供たちのためにできることは何か』。だから絵本作家の道を選んだそうです。絵本を書くにあたって、子供たちに“家族の大切さ”を伝えるためには『自分がその関係性を見直さなければならない』とプロデューサーらに話し、家族関係修復を願うコメントになったそうです」(前出・テレビ局関係者)家族との和解提案をした背景には「景子さんとの離婚が大きな影響を及ぼしたのでは」と証言するのは元後援会関係者だ。「00年の医師との不倫報道で、紀子夫人が二子山部屋を出てから、景子さんが“おかみさん”として全権を掌握。以来、夫妻は明らかに紀子さんや角界を離れた虎上氏と距離を取り始めたんです。貴乃花は景子さんを全面的に信頼し、一時は相撲協会トップ3まで上り詰めることができました。しかし、貴ノ岩事件を発端に貴乃花は相撲界を離脱。結果的に夫婦関係も崩壊したのです」貴乃花と家族の和解を景子さん本人はどう思っているのか。3月下旬、彼女を直撃した。――貴乃花が紀子さんたちと和解するという発言をしています。「そうねぇ、大変いいことじゃないですか」――結婚中はどうしてなかったのでしょう。お姑さんとの交流はなかったんですか。「私にとってあの方は、お姑さんだという意識がなかったんですよ。結婚したときには部屋のおかみさんだったし、その後は部屋からいなくなってしまったし。ですから、姑との関係と言われてもねぇ……」――離婚で、貴乃花と紀子さんの関係が改善されたということでしょうか。「それはご本人に聞いてみないとわかりませんよねぇ。でも、いいことじゃないですか。気になってはいたんですけどね」前出のテレビ局関係者は言う。「離婚後、貴乃花さんは親方時代の寡黙な印象から一転して冗舌になりました。“強い親方”を夫妻で求めるあまり、家を出た母親を恨むように…。特に部屋を任された景子さんはそう感じていたようです。離婚で貴乃花さんは景子さんの呪縛が解けたように映ります。すでに日テレは家族和解へ向けた番組共演に動き始めています。貴乃花さん本人は連絡先を知りませんが、A氏は紀子さん、虎上さんとも親交があります。世間の注目度が高いうちに親子3人の再会を実現させたいそうです」
2019年03月27日