2012年3月にスタートして以来、様々な男女の組み合わせで開催されてきたリーディングドラマ『Re:(アールイー)』。この12月、Session5として新たに3組のコンビがあるカップルの恋模様を描き出す。今回はそのうちのひと組、リハーサルを行ったばかりの田中直樹(ココリコ)、三倉茉奈と、作・演出の土田英生に話を聞いた。リーディングドラマ「Re:」 Session5 チケット情報1通の間違いメールで出会ったふたり。彼らはいつしか恋に落ち、共に時間を重ねてゆく――。『Re:』はあるカップルの10年間をメールのやりとりで紡ぐ物語だ。「心情がとってもリアルなんです。このふたりの恋愛は絵に描いたような、王子様とお姫様のラブストーリーじゃない。オフィスで隣の席の子が経験しているような恋愛。そして自分にも心当たりのある後悔やすれ違いがたくさん織り込まれているんです」と物語への思いを語るのは、元々この作品のファンだったという三倉。「脚本を読んでいると、10年という時を経る感覚が体にすっと入ってくる。ノンフィクションのような作品です」と田中も言葉を続ける。一方、この作品を生み出した土田は「今まで70本くらい脚本を書いていますけど、『抱きしめたい』なんてセリフが出てくるのはこの話だけ」と笑わせる。最初に脚本を書くにあたり、「自分が過去にやりとりしたメールを読み返してみた。すると、相当恥ずかしいことを書いていたりするものなんですよね」。自身の経験も糧にして生み出された王道のラブストーリーは、回を重ねるごとにマイナーチェンジを繰り返し、よりシンプルに観客に届くよう、変化を遂げているのだという。リハーサルを終えて「家でひとりで読んでいるのとはやっぱり全く違う。ふたりで作っていくものなんだと思いました」と三倉。そんな三倉に「リハーサルではぐいぐい引っ張ってもらった」という田中は「次はもう本番なので、緊張がすごい。でもきっといいライブ感でやれると思います」と話す。たった一度のリハーサルで本番を迎えるのは今シリーズ共通の決まりごとなのだとか。「目指す形があるのだとしたら、それなりに稽古を重ねて作ったほうがいい。でもこの作品は毎回同じものを作るのではなく、演じる人たちをそのまま出してもらうのが一番いいんです」と土田。「3組とも回の公演が全部違うものになりそう。その方がきっと面白い」という三倉に「まさに一期一会ですね」と田中。土田もリハーサルを見て「笑いの間を知る田中さんと、感情を言葉に乗せる三倉さんは理想のカップル」と確信を持ったという。今回は田中×三倉ペア以外にも原田泰造×小池栄子、石井一孝×朝海ひかるという組み合わせが挑むが、おそらくどれも全く違う、それぞれに魅力的なカップルが浮かび上がることだろう。公演は12月22日(月)から28日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて。田中×三倉ペアは初日の12月22日(月)昼夜公演に登場する。なお、明日12月3日(水)ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(午前11:30~13:00)に三倉茉奈が出演する。取材・文/釣木文恵
2014年12月02日毎回豪華共演で話題を集めるリーディングドラマ『Re:』の「Session 5」の上演が決定した。5度目となる今回は、ココリコの田中直樹と三倉茉奈、ネプチューンの原田泰造と小池栄子、人気ミュージカル俳優の石井一孝と元宝塚雪組トップスター朝海ひかるの3組が日替わりで出演。ネプチューン原田は朗読劇初挑戦となる。舞台をはじめTVドラマ『斉藤さん』シリーズなどの脚本も担当し、豊かな会話劇でヒット作品を手掛ける劇作家・演出家の土田英生が書き下ろす朗読劇で、10年にわたる男女ふたりの愛をメールのやりとりで綴っていく。ある日届いた間違いメールから始まったふたりの関係。ある時は行き違い、ある時は惹かれ合い、ある時はいたわり合い……。長きにわたるふたりの関係、その心の機微を時にポップに、時に切なく描いていく。公演は12月22日(月)から東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて。チケットの一般発売は11月22日(土)を予定。■リーディングドラマ『Re:』12月22日(月)15時/19時田中直樹(ココリコ)×三倉茉奈12月27日(土)14時/18時原田泰造×小池栄子12月28日(日)14時/18時石井一孝×朝海ひかる
2014年10月07日輸入食料品店を展開する成城石井は10月2日、オーテモリ地下2階に新業態「エピスリー・ボヌール(EPICERIE BONHEUR)成城石井」」をオープンする。営業時間は7時半から23時。面積は35坪。エキナカ展開で蓄積したコンパクトショップ運営を生かすという。約2,500アイテムを扱い、内約250アイテムが今店舗オリジナルの商品。施設ターゲットと同じく女性OLに向けた商品を多く扱う。ショップ限定で、豊富にそろえた輸入紅茶やオーガニックワイン、成城石井人気ナンバー1という「プレミアムチーズケーキ」にドライフルーツを載せたオーテモリ限定チーズケーキなどを用意。また、朝食・昼食需要を見込み、お弁当やサンドウィッチを販売する。サンドウィッチに合わせたテイクアウト用焙煎コーヒー(150円)もふるまう。商品だけでなく空間にもこだわりを見せ、内装の一部は間伐材、照明はLEDを使用。スタッフのエプロンは、「エディフィス(EDEFICE)」がデザインしたものだ。
2013年10月01日「成城石井」は出店100店舗達成を記念し、「ポーター(PORTER)」とコラボレーションしたバッグを開発、成城石井のECサイトにて100点限定で販売する。9月18日15時より予約受け付けを開始した。10月上旬より順次発送される。今回登場するトートバックは、仕事だけではなく買い物でも活躍できるようにとの成城石井の意図をポーターが技術と品質によって表現。カラーはブラックで、素材は表面にコットンサージ、裏面はPVC加工を使用。価格は送料込みで1万6,900円、展開はECショップ「成城石井ドットコム(SEIJOISHII.com)」のみとなる。成城石井は1976年、東京・世田谷区に1号店を出店し、今年3月に100店舗を達成した。2007年にオープンしたECショップでは、成城石井の人気ナンバー1スイーツ「自家製プレミアムチーズケーキ」や、世界中から選りすぐったワインやビール、お菓子など1,200点を超えるアイテムを展開する。
2013年09月19日スーパーの成城石井は全国110の店舗で、11月21日に解禁となるボージョレ・ヌーヴォ 2013の予約販売を9月10日に開始した。ヌーヴォのラインアップは「メゾン・ミッシェル・ジャック」を筆頭に、フランスから同社が輸入した7種類となっている。2013年の葡萄(ぶどう)は春先こそ生育が遅かったものの、7~8月は天候に恵まれたため、品質のよいヌーヴォになることが期待できるとのこと。収穫は10年ぶりに遅めとなるので、例年よりもフレッシュな味わいになる。同店では、三ツ星レストラン「ラ・コート・サンジャック」監修のメゾン・ミッシェル・ジャック ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ(3,600円/予約価格3,300円)、ドメーヌ・カラ ボージョレ・ヌーヴォ・ダムナチュール(3,600円/予約価格3,300円)をはじめ、フランスから自社輸入した7種類のヌーヴォを用意。その他のラインアップは、メゾン・ミッシェル・ジャック ボージョレ・ヌーヴォ(3,300円/予約価格3,000円)カーヴ・ド・ジュリエナス ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ(2,600円/予約価格2,400円)、カーヴ・ド・ジュリナス ボージョレ・ヌーヴォ(2,400円/予約価格2,300円)など。また、白ワインのヌーヴォは、ソーヴィオン・ミュスカデ・ヌーヴォ(2,499円/予約価格2,300円)を用意した。店舗ではボージョレ・ヌーヴォにあわせて、おすすめのチーズやオリーブ、スモークサーモンなども豊富にそろえる。ヌーヴォの2本セットも用意した。セットの内容は、ヴィラージュ・ヌーヴォ(3,600円)と、ドメーヌ・カラのダムナチュール(3,600円)。予約特別価格6,000円。ヌーヴォ紅白セットとして、カーヴドジュリエナスのヴィラージュ(赤)とミュスカデ(白)のセットも選べる(5,000円/予約価格4,500円)。予約受付は11月20日まで。ただし発送の場合は11月19日までとなっている。各店舗の販売数量に達し次第、受付は終了する。ボージョレ・ヌーヴォ 2013の販売開始日は、11月21日0時からとなっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年09月13日今年30歳を迎える松田龍平が石井裕也監督との初タッグで主演を務めた『舟を編む』が先週公開になった。本屋大賞を受賞した三浦しをんの人気同名小説を原作に、15年もの歳月を費やして辞書を編纂する人々のドラマを描き出す本作。『まほろ駅前多田便利軒』に続く三浦作品出演となった松田と初めて小説の映画化に挑戦した石井監督。ふたりに話を聞いた。その他の写真本作のオファーについて「すでに松田さんの主演は決まっていたので『ふたりでやってみろ』というお題を与えられたものだと解釈しました」と語る石井監督。その言葉通り、時に激論を交わしながら二人三脚で主人公の馬締(マジメ)を作り上げていった。これまで演じてきたどの役ともタイプが違う馬締という男について松田は「熱い思いを持っているけど伝え方が分からない。エンジンはかかっているのにアクセルの踏み方が分からなくて、下宿先のタケばあさんに背中を押してもらったら、今度は急発進したりする(笑)」と分析する。松田にとって同い年の監督との現場は初めて。「石井監督は本当は他の俳優さんに言いたいのに言えなくて、僕にダメ出しをしてくることもありました。『馬締のせいでやりづらかったですか?』とか言ったりして(笑)」と冗談交じりに語るが、ふたりで試行錯誤を重ねながらキャラクターを作り上げていく作業を楽しんだよう。石井監督は「誤解ですよ」と苦笑しつつも「もちろん、お友達ではないので仲が良いと言っても踏み入っちゃいけない距離感もある。でも一緒に戦うという気持ちと方向性は共有できてたし、それで十分だった」と手応えをうかがわせる。馬締たちが1冊の辞書作りに費やした時間は15年。松田がデビューしてからこれまでの時間よりもさらに長いことになる。松田は馬締らの生き方に「『これだ』と言い切る強さ、かっこよさを感じるけれど、自分にそれができるかと言われたら難しい。僕自身は“好きな言葉”や“映画ベスト3”でさえも選べないので(笑)」と憧憬をにじませる。だからこそ「辞書作りは人間が人間である希望だと思う」とも。「人と繋がりたい気持ちや他人を知りたいという気持ちからこれだけ多くの言葉が生まれたと思うと、人間は希望にあふれているなと感じる。YESかNO、好きか嫌いで済むはずなのに、そうではなくて『限りなく好きだけど少し嫌い』みたいな思いを伝えるためにまた新しい言葉が生まれる。そういうことを考えた現場でした」。デビューからこれまでの時間を「ここまでの十数年があったのでいま、ここにいるというのを改めて感じますね。これまで出会った人との繋がりというのを意識するようになりましたし、ひとりでは戦うことはできない。一緒に戦ってくれる人たちがいることの喜びを感じます」と振り返り、いまを見つめる。「小さい頃は30歳には悟りを開いていると思っていましたが、大して変わっていない(笑)。このまま行くのかな? と感じつつ、このまま行ってなるものかという思いで生きていきたい」と静かにうなずいた。『舟を編む』公開中
2013年04月16日4人の出演者によるミュージカル『トゥモロー・モーニング』が、東京・シアタークリエにて4月18日(木)から上演される。開幕を前に、4月10日、都内で公開稽古が行われた。日本でまだ紹介されていない、小さいながらも新鮮な驚きや感動に満ちた作品をラインナップする〈シアタークリエ Excellent ミュージカル シリーズ〉の第1弾。ローレンス・マーク・ワイスが脚本・作詞・作曲を手がけた『トゥモロー・モーニング』は、2006年にロンドンの小劇場で初演され、2011年にはNYのオフ・ブロードウェイに渡ったほか、アメリカのシカゴとコネティカット、オーストラリアのメルボルンでも上演されている。離婚前夜の夫婦、そして結婚を翌日に控えた恋人同士という対照的な2組のドラマを同時に描いていく。しかもそれが、あるカップルの現在と10年前の姿だとわかると、両者の対比から新たな意味が見えてきて面白い。浮き彫りになるのは、愛を保ち続けることの難しさと大切さだ。ひとり息子がありながら別居している30代の夫婦、ジャックとキャサリンに扮するのは、石井一孝と島田歌穂。「怒られたり、にらまれたりしながら、キャサリンと対峙する毎日です」と石井が言うと、島田は「『レ・ミゼラブル』ではふられ続け、『ゾロ』では背中を撃たれた石井さんと、離婚前夜ではありますが初めてじっくり向き合います」と返し、笑いを誘う。一方、新しい一歩を踏み出す気持ちの高揚を抑えきれない20代のカップル、ジョンとキャットには、田代万里生と新妻聖子が扮する。「脚本も音楽も良い。誰も死なないし、最後はほっこり幸せな気持ちになれるミュージカルです」(田代)、「大人が楽しめる上質な作品。新年度の始まりなので、いい1年になるような春らしいミュージカルにしたい」(新妻)、とそれぞれ作品の魅力を言葉にした。この日は、ピアノの伴奏にのせてミュージカル・ナンバー3曲が披露された。曲調が多彩で、ひとつの楽曲の中でも次々と色を変えていく。人に言えない胸の内やデリケートな人間関係を歌で表現するというのは、ミュージカルの特権だ。歌唱力の豊かなキャストが揃うとその効果は何倍にもなるということが、『トゥモロー・モーニング』で実感できるに違いない。荻田浩一の翻訳・訳詞・演出で、4月24日(水)までシアタークリエ、4月26日(金)・27日(土)に名古屋・中日劇場で上演される。
2013年04月12日ファーマーズは、同社の機能性素材である「オボプロン(抗ピロリ菌鶏卵抗体)」配合の「ドクターPiro ヨーグルト」を、大手スーパーマーケット「成城石井」で販売開始したことを発表した「ドクターPiro ヨーグルト」は同社の鶏卵抗体技術を利用し、胃かいようの原因となるピロリ菌を除去する「オボプロン(抗ピロリ菌鶏卵抗体)」を配合した高機能性ヨーグルト(特許第3430853号)。同商品はグリコ乳業の通販サイトで販売していたが、このほどスーパーマーケット「成城石井」の各店舗でも販売を開始した。同社では今回の販売開始をきっかけに、グリコ乳業との連携を強化。売り上げ拡大をさらに目指していくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月18日日本初上陸となる『ザ・ミュージカル9時から5時まで』の製作発表が、1月27日、帝国劇場で行われ、出演者の草刈民代、紫吹淳、友近らが登壇した。『ザ・ミュージカル9時から5時まで』チケット情報本作は、1980年に公開された同名映画が原作。2009年にブロードウェイで初演され、トニー賞4部門にノミネートされた抱腹絶倒のミュージカル・コメディ。男性優位の大企業を舞台に、パワハラとセクハラをしまくりの卑劣な上司フランクリン・ハート(石井一孝)へ、3人のOL(草刈、紫吹、友近)がドタバタの復讐劇を繰り広げる。上司のせいで正当な評価を受けていない、やり手のオフィス・マネージャーで子持ちの未亡人・バイオレットを演じる草刈は、「ミュージカルは初めてで、舞台で歌うのもこれが初めて。歌の稽古で毎日新しい発見があって、充実した日々を送っています。コメディですので、明るく、楽しく、表現できたらいいなと思います」と抱負を語った。夫の浮気で離婚し、初めて会社に勤めることになった世間知らずのジュディーを演じる紫吹は、「コピーの仕方がわからない役で。事実、私もコピーの仕方がわからないので、その辺はそのままできるのかなと(笑)。役とともに成長できたらいいなと思います」と話した。セクシーな容姿が災いし、上司の愛人という根も葉もない噂をされる秘書・ドラリー役の友近は、「今までは、おばちゃんとかおっちゃんの役が多かったんですけど、今回はキュートでセクシーな今までにやったことのない役です。というのも、この話をいただいたのがちょうどダイエットして今より8キロぐらい痩せてる時で。体形をまた戻さなあかんなと」と話し、会場を沸かせた。さらに、「パワハラ、セクハラを懲らしめるという役なんですが、私も普段、大阪の劇場では先輩のMr.オクレさんによくお尻を触られてるんですね。“なにしてんのっ!”って言うたら、“飯おごってくれ”みたいな。そんな訳のわからないことを言う先輩が周りにたくさんいます。そんな方たちにも観て欲しいです」と話し、またまた爆笑を呼んだ。『ザ・ミュージカル9時から5時まで』は、3月9日(金)から18日(日)まで天王洲・銀河劇場(東京)にて上演され、4月から大阪、名古屋、広島など、全国11都市を回る。チケットは一部を除き発売中。取材・文:門宏
2012年01月30日ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが音楽を手がけたミュージカル『CHESS』。これがコンサート版として日本初上陸する舞台『CHESS in Concert』が1月26日に開幕した。同日、東京・青山劇場にて公開舞台稽古が行われ、出演する安蘭けい、石井一孝、浦井健治、中川晃教が取材にも応じた。ABBAのミュージカルといえば映画化もされた『マンマ・ミーア!』がよく知られるところだが、『CHESS』はその大ヒットより前、1986年にロンドンで初演された作品。『エビータ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』のティム・ライスが原案・作詞を手がけ、ABBA解散の2年後、ベニーとビョルンが初めて手がけた伝説のミュージカルだ。劇中歌が全米3位、全英1位にチャートインするなど優れた楽曲に彩られ、熱狂的なファンも多く生み出した。物語はチェスの世界大会を題材に、東西の冷戦という背景を背負った登場人物たちのドラマを綴っていくもの。待望の日本上演となる今回は、コンサート版と銘打つものの、チェス盤を模したステージにモノトーンの衣裳を身に着けた出演者たちが、登場人物の心理をも丁寧に演じていく。荻田浩一演出のもと、繊細で緊張感あるステージが誕生した。チェスの世界チャンピオン、アメリカ出身のフレディは中川晃教。中川の得意とする天才肌の役どころを、高低自在の歌唱力を武器に水を得た魚のように生き生きと演じる。その恋人であり彼のセコンドを務めるフローレンスは元宝塚の安蘭けい。ハンガリー出身ながらアメリカで暮らし、そして後に恋人のライバルと恋に落ちる複雑な役どころを情熱的に、また理知的に演じた。フレディの対戦相手であるソビエト連邦のアナトリーは石井一孝。国家を背負って試合に挑む姿、さらには亡命後の葛藤まで、短縮されたコンサート版の中でも明確に見せていく。様々な背景に翻弄される出場者たちを公正にジャッジする審判・アービターを、超越した存在感で妖しげに魅せたのは浦井健治。4人とも歌唱力は抜群で、美しいハーモニーで音楽の魅力も存分にアピールした。舞台稽古後に行われた会見では、「素晴らしい音楽に囲まれて毎日幸せです。みなさん本当に上手く、舞台袖で自分の出番を忘れるくらいうっとりしています」(安蘭)、「ABBAの書いたミュージカルということで、さぞかしポップでノリノリな音楽の作品と思ったら、とんでもなく難しい役が来ちゃいました(笑)。でもハーモニーが綺麗でさすがABBAだなという音楽です」(石井)、「コンサートではなくミュージカルといっても過言ではないくらいのしっかりした作品になっています」(浦井)、「とっても壮大だしとってもストーリーを感じる音楽です。こんなに素敵な夢のコラボレーション、絶対見逃しちゃまずいです!」(中川)とそれぞれ語り、皆、この作品にほれ込んでいる様子だった。公演は1月29日(日)まで同所にて。2月10日(金)から12日(日)には大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも開催される。
2012年01月27日スーパー・ポップ・グループABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲し、『エビータ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』のティム・ライスが原案・作詞を手がけた伝説のミュージカル『CHESS』。2012年、その日本初演が、コンサート・バージョン『CHESS in Concert』として実現する。もとは、1984年にリリースされ大ヒットを記録したコンセプトアルバムから発進した舞台ゆえ、オペラ、ポップス、ロックと幅広いメロディで構成された楽曲が多くのファンを魅了。1986年ロンドン初演の後は世界各国で上演され、続々と"チェス・マニア"を生み出している。「宝塚歌劇団時代にナンバーを耳にした」と語る安蘭けいも、『CHESS』の音楽に惹きつけられたひとりだ。安蘭けいの写真「『I know him so well』(リリース時、全英1位にチャートイン)を聴いた時に、なんて良い曲だろう!と思ったんです。まさかこうして自分が『CHESS』に向き合うことになるとは……、しかもこの曲を歌える。すごい巡り合わせだなと感じています。とにかく曲が素晴らしいので、この音楽に触れられることがとても幸せですね」東西冷戦の時代を背景に、アメリカとソビエト、西と東のチェス世界チャンピオンの対決から物語は始まる。安蘭が演じるのは、アメリカチャンピオンのフレディ(中川晃教)にアシスタントとして付き添うフローレンスだ。ゲームを通じて敵側チャンピオンのアナトリー(石井一孝)に好意を抱き、やがて恋に落ちるフローレンス。国家の思惑に翻弄されながら、それぞれの人生がチェスの駒のように動き出す。「暗い過去を持ち、フレディを支えながらアナトリーに惹かれていくという複雑な心理を抱える女性です。でも絶対に曲がらない、凛とした芯も感じとれる。そんなフローレンスに自分がどうアプローチしていくかが楽しみですね。また石井さんや浦井さん、中川さんといった素晴らしい歌声を持つ方々にいろんな刺激を受けることで、きっと成長できるだろうと。私が惚れ込んだ歌声を持つ人と共鳴し合った時に何を感じるのか……、ホントに待ち遠しいくらい楽しみにしています」ABBAが生んだ伝説のナンバーの数々が、豪華キャストの歌声で日本バージョンとして甦る。新たなチェス・マニアとなってこの絶好の機会をぜひ見届けてほしい。『CHESS in Concert』は2012年1月26日(木)から29日(日)まで東京・青山劇場、2月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは12月3日(土)より一般発売される。取材・文:上野紀子
2011年11月28日石井聰亙から石井岳龍(がくりゅう)に改名した石井監督が、『五条霊戦記//GOJOE』以来約10年ぶりとなる劇場用長編作品『生きてるものはいないのか』を発表。16日に都内で行なわれた完成披露試写会に主演の染谷将太と共に登壇した。その他の写真映画『生きてるものはいないのか』は、岸田國士戯曲賞受賞した劇作家・前田司郎の代表作を映像化。とある大学を舞台に、18人の登場人物が次々と死に直面する様を、コメディ会話劇と、石井監督の得意とするパンク表現を交えて描いた不条理劇。石井監督は冒頭で改名について「よく漢字を間違われるし、あまり“聰亙”に思い入れもなかったので、生まれ変わったつもりで心機一転したかった」と説明。主演の染谷将太は、『ヒミズ』(園子温監督)で、ベネチア国際映画祭の最優秀新人俳優賞にあたる“マルチェロ・マストロヤンニ賞”を受賞した注目の若手俳優だが、石井監督は起用の理由は「『パンドラの匣〈はこ〉』(2009年公開)を観て、久々にスクリーン映えのする、とても力のある男優さんだと思ったから」と話し、「すべてはラストシーンに向かって作られている作品で、今回の芝居は大変難しく、私の求める要求も高かったので、できる方たちにお願いした」と、染谷ほかオーディションで選ばれた17人の出演者たちを絶賛した。本作で喫茶店の店員として登場する染谷は、「台本がものすごく分厚く、ここまで会話の多い作品は初めて。石井監督は基本的に任せてくれるので、役をどう演じるか自問自答していたら頭がグルグルしてしまった」と苦笑し、「ある意味、これは試練だと思って、実際に喫茶店でバイトをした」と明かした。最後に石井監督は「日本映画界はこの10年で激変し、作品を作りづらくなっているが、私としては本作を成功させて、次の意欲的な作品につなげたい」と映画にかける熱い想いを語った。『生きてるものはいないのか』2012年2月18日(土)よりユーロスペースほかにて公開
2011年11月17日漫画家・真鍋昌平氏の同名コミックを基にした、妻夫木聡主演の映画『スマグラー おまえの未来を運べ』が、22日(土)から公開になるのを前に、石井克人監督がインタビューに応じた。その他の写真本作は、役者になるという夢に破れ、自堕落な生活をおくっていた若者・砧涼介(妻夫木)が、儲け話に乗ってしまったことから多額の借金を抱えることになり、借金を返済するために危険な荷物の運搬と処理を行うスマグラー(smuggler=密輸業者、密入出者の意)に身を投じる物語。「漫画自体が映画的な構成だから、すごくよく出来ていて面白い。漫画にある程度忠実にやれば、映画として絶対面白くなると思い、漫画を元に脚本を書いた」という石井監督は、本作で取り組んだ新たな試みについてアクションシーンを挙げる。「『REDLINE』で、割とアクションの合間にスローを入れていて、それが結構面白いなと思っていたので、アクションシーンをスローで撮りました。背骨のアクションは、すごい早いのが特徴で、5人を5秒で殺しちゃうって人。でも、5秒で終わったら面白くないし、早くて訳が分からない。スローの世界で彼がどうやって動いているのかっていうのを、まず最初に克明に見せたいなって思いましたね」と明かし、「映画は1か月で撮影したんですが、アクションシーンに2週間かけました。4つくらい大きいアクションシーンがあるんですが、その4つで2週間。で、ドラマシーンが2週間。1ヶ月で600時間働くみたいな(笑) 過去の全仕事の中で、一番働きましたね!」とも語った。また、主演の妻夫木について「意外に主人公の砧みたいじゃなくて、大人っぽいというかしっかりした人。だからちょっと砧役はどうかなって思いはあったんですが、やってみたら意外とドンピシャでした」と話したほか、本作で強烈な印象を放つ河島役を演じた高嶋政宏について「高嶋さん自身、河島役を演じるにあたり、色々と調べてくれていましたし、「河島は任せます」と(笑) 高嶋さんは『もう、この役は僕にピッタリなんですよ』ってずっと言ってました(笑) 動きや表情、コスチュームまで、ほぼ全部高嶋さんのアイデアですね!」と笑顔で答えてくれた。『スマグラー おまえの未来を運べ』10月22日(土)全国ロードショー※高嶋政宏の「高」は、正しくは「はしご高」になります。(c)真鍋昌平・講談社/2011「スマグラー」製作委員会
2011年10月19日