数々のTVドラマの名作の演出を手掛けてきた石橋冠の79歳にしての映画初監督作『人生の約束』が1月9日(土)に初日を迎え、石橋監督に主演の竹野内豊、江口洋介、優香、高橋ひかる、西田敏行が舞台挨拶に登壇した。会社の拡大だけを考えてきた主人公が、親友の死をきっかけに故郷の祭りのために尽力し、人生を見つめ直すさまを描き出す。石橋監督をはじめ、登壇陣は全員、映画の中の四十物町の祭りの法被(はっぴ)を羽織って登場。監督は「新人の石橋です」と挨拶し「ずっとTVでやってきて、1本だけ映画をやりたくて、なんとかできたのがこの作品です。僕にとっての人生の約束であったかもしれません」と感慨深げに語る。竹野内さんは本作の「つながる」というテーマについて「台本を読んで、言葉では分かっていても、本当の意味でつながるということが分かってなかった」と述懐。一方で、全国各地をキャンペーンで回る中で「地方の方は『わかりますよ』という感じで、熱いものを感じました」と明かす。石橋監督もこれについて「“つながる”という言葉の響きに惚れたけど、何なのか深いところが分かってなかった」とうなずく。すると、西田さんが自身にとって「人生の参考書」であるというネイティブ・アメリカンによる詩集「今日は死ぬのにもってこいの日」を取り出し、その中にある「つながる」という本作のテーマに共通する一編を朗読した。西田さんの朗読を聞き終えた監督は「“絆”というのは人間が手を広げて手を掴んでるイメージですが、“つながり”には横だけでなく縦(世代ごとの結びつき)もあるんだと、撮り終わってから気づきました」とうなずいた。西田さんは、ドラマ「池中玄太 80キロ」シリーズなど30年以上にわたり監督と交流があり、「敏ちゃん」「冠さん」と呼び合う仲だと明かし「“監督”と呼んだことはないけど、そう呼ぶなら冠さんの“冠”に人徳の“徳”で冠徳(かんとく)。素晴らしい作品をありがとうございます」と称えた。竹野内さんは石橋監督、西田さんと並んでの舞台挨拶に「子供のころから家族で『池中玄太』を見てて、まさかそのころは、今日のこのような場があると思ってなかった…」と感激を口にする。江口さんは「またもう1本、お願いします!」と次回作の製作を希望し、会場は期待を込めた温かい拍手に包まれた。『人生の約束』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:人生の約束 2016年1月9日より全国東宝系にて公開(C) 2016「人生の約束」製作委員会
2016年01月10日『池中玄太80キロ』など数々のTVドラマの名作を送り出してきた演出家・石橋冠の79歳にしての映画初監督作『人生の約束』が1月9日に公開。石橋監督をはじめ、竹野内豊、江口洋介、優香、高橋ひかる、西田敏行が舞台あいさつに登壇した。『人生の約束』舞台あいさつ/その他の写真長年、石橋監督が抱いていた「映画を1本だけ撮りたい」という思いを形にした本作。会社の拡大にしか興味のなかった主人公が、かつての親友の死をきっかけに故郷に帰り、人生を見つめ直すさまを、郷土の祭を題材に描き出す。TVドラマの世界で知らぬ者のいない石橋だが、舞台あいさつでは「新人の石橋です」と客席に頭を下げ「初日って怖いですね。(観客が)3人しかいない夢を見ました」と苦笑を浮かべる。本作は「僕にとっても“人生の約束”のようなものであったかも。いま、非常に幸せです」と満足そうにうなずいた。この日は、キャスト陣からサプライズで、石橋監督に“約束”という花言葉を持つ白いバラの花束が贈られた。竹野内は「監督の第1回映画作品に出られて、ただただ光栄です。作り手はハートが大事だと学ばせていただきました。その気持ちを受け継いで、精進したいと思います」と感謝の思いを口にした。『池中玄太』以来、「敏ちゃん」「冠さん」と呼び合う仲だという西田は、監督が語る本作の「つながる」というテーマに触れ、自身の“人生の参考書”としているというネイティブアメリカンの詩集『今日は死ぬのにもってこいの日』の中の一編を朗読。30年に及ぶ付き合いの中でも、そんなことをしたのは「初めて」とのことで照れ笑いを浮かべていた。江口は、花束を渡し、監督の現場について「心で芝居をしないといけないし、そうでないと太刀打ちできない。冠さんのエネルギーに引っ張られました」と語り「もう1本お願いします!」とこの1本で終わらず、次回作の製作を熱望した。高橋は本作で映画デビューを飾ったが、監督の個別指導への感謝を口にした。石橋監督は「タバコを吸ったらまた怒ってください(笑)」と相好を崩していた。『人生の約束』公開中
2016年01月09日映画『人生の約束』の初日舞台あいさつが9日、都内で行われ、キャストの竹野内豊、江口洋介、西田敏行、優香、髙橋ひかると石橋冠監督が出席した。全国公開中の本作は、テレビドラマの演出を手掛けてきた石橋冠の映画初監督作品。IT関連企業CEOで仕事人間の中原祐馬(竹野内)は、かつて共に起業するも決別した親友の死を知る。彼の故郷・富山県新湊を訪れた祐馬は、自身の人生を見つめ直していく――というヒューマンドラマだ。観客の温かい拍手で迎えられた石橋監督は、「映画をなんとか1本撮ることが、僕にとっての"人生の約束"だった。少しでもみなさんの心に届くものがあればうれしい」とあいさつ。主演の竹野内は、「非常に晴れ晴れとした気持ちと同時に寂しい。今度は監督といつ会えるのか」としんみりしながら、「石橋監督の第1作に出演できて本当に光栄。モノづくりとしての情熱、作り手はハートが大事なんだということを学ばせてもらいました」と感謝した。また、1980年のテレビドラマ『池中玄太80キロ』シリーズ以来、幾度もタッグを組んできた西田は、「石橋冠と人徳で“冠徳”と呼ばせて」と初日を祝福。「撮影中も敏ちゃんがいるだけで、すごく励まされた。ありがたいコンビを組ませてもらってます」と振り返る石橋監督に、竹野内は、「子どもの頃から『池中玄太80キロ』を見ていたので、まさか今日のこの場があるとは思っていなかった。世の中の人に、石橋監督の情熱が真っ直ぐ届いたらうれしい」と感慨深い表情を浮かべた。イベント最後は、キャスト全員が石橋監督に"約束"を花言葉に持つ白いバラを手渡すサプライズも。「新人なんだから、これからも勉強して。2年に1回くらいのペースで映画を作れば、世の中に残る監督になるんじゃない?」(西田)、「キャストやスタッフに愛される冠さんを見て、こんな大人になりたいと思いました。まだまだ2作、3作と作って、私を出してください!」(優香)と激励された石橋監督は、「照れくさくて死にそう。葬式の棺桶に入ってるみたい」とジョークを言いながら大感激していた。
2016年01月09日演出家の蜷川幸雄の演出・監修によりシェイクスピア全37戯曲の上演を目指す、彩の国シェイクスピア・シリーズ。第31弾はシェイクスピア最古のコメディといわれる『ヴェローナの二紳士』を上演する。シェイクスピアの時代にならい全ての役を男性キャストが演じる“オールメール”シリーズの最新作で、主演の溝端淳平が純朴な田舎娘ジュリア役で初めて女役に挑む。蜷川とは海外公演も果たした『ムサシ』以来、2度目のタッグだ。「ヴェローナの二紳士」チケット情報「『ムサシ』に出演させてもらった時に、できれば次はシェイクスピアでご一緒したい!と思っていたので。本当に夢のようですし、光栄です。蜷川さんは役者を成長させようと毎回課題を与えてくださる、厳しさの中にも愛のある方。今回も女性役という自分でも想像がつかないようなところに踏み入れられるチャンスを得られたことは、嬉しいですね」2組の男女を巡る恋と友情、裏切りを描いたコメディ。溝端演じるジュリアは恋人を追ってヴェローナからミラノへ出るが、彼氏は別の女性に心を奪われていた。しかも彼氏は、道中護身のために男装していたジュリアをそうとは知らず小姓に就かせ、恋の使いまでさせてしまう。「恋愛も友情もちょっとしたことで裏切られたり、修復したりする。特に若いうちは心変わりしやすいものだろう。そんなリアルな問いかけが、喜劇の中に隠されている。それゆえ後半の展開にはすごく驚かされる部分もあるんですが、そこにリアリティがある。ジュリアは正直で心に芯を持った素敵な人。僕も和歌山県出身でミステリアスな影とかは自分でもないと思うので、そこは似ているのかな(笑)。気持ち的には入りやすい」12月には寺山修司の舞台『レミング~世界の涯まで連れてって』への主演が控えるなど、これまでつかこうへい、井上ひさし、永井愛ら演劇界を代表する作家の作品に触れてきた。「才能ある方々とご一緒した時間は財産だと思います。舞台では役者の心技体が伴わないと感動を届けられない。それを実践されている先輩方の姿には憧れますし、自分もいろんな役に挑戦して殻を破りたい。ここ数年で舞台の魅力に、どんどん引き込まれています」初の女役に向け「やれることは何でもやっていきたい」と、まずは自分なりに歌舞伎の女形などを参考に所作や動きを研究する日々。線が細くみえるよう、体も絞るつもりだ。「オールメールってどう演じるの、女役を演じながら男装なんてできるの?とか、やる方も観る方もハラハラすると思う。そんな普通じゃない所に魅力があるんじゃないかな。『ヴェローナ~』は特にシェイクスピアを初めて観る方にも見やすい作品だと思う。絶対にここでしか味わえない感動があるので。僕の女役も含め、楽しみに見に来て欲しいですね」公演は10月12日(月・祝)から31日(土)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、11月6日(金)から9日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。愛知、福岡公演あり。取材・文:石橋法子
2015年08月06日宝塚歌劇団雪組元トップスター、音月桂が退団後2作目となる久々の舞台で、双子の兄妹をひとりふた役で演じる。演目はシェイクスピアの最高傑作と称される恋愛喜劇『十二夜』。本場ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエント・ディレクターを務めるジョン・ケアードが演出を手掛ける世界初演作だ。「十二夜」チケット情報船の遭難事故で双子の兄セバスチャン(音月)を亡くしたと信じる妹ヴァイオラ(音月)は護身のため男になりすまし、恋するオーシーノ公爵(小西遼生)に仕えていた。オーシーノは爵家令嬢オリヴィア(中嶋朋子)に恋い焦がれ、オリヴィアの執事(橋本さとし)も人知れず彼女を慕っていた。が、当のオリヴィア本人は男装したヴァイオラにひと目惚れ。そこへ、兄セバスチャンが生還してくることで、いよいよ恋の糸が絡まり始める……。「ケアードには男女共に男らしい面、女らしい面が共存しているから、無理に演じ分けなくてもセリフを正確に伝えれば気持ちは伝わる。今どっちだろう?とお客さんが錯覚するぐらいが面白いと、言ってもらえたので肩の荷が下りました。宝塚で鍛えた早変わりも見ものです」シェイクスピア劇は比喩に富んだ膨大なセリフ量で知られる。その特徴を詩のように情感豊かな景色として楽しめる人がいる一方で、難しいと捉える人も少なくない。「私も敷居の高さを感じていたひとりでしたが、この作品は本当に楽しい!ケアードは日本語の台本を英訳してそれをまた原作と見比べて、丁寧に現代の日本人に伝わるように表現を噛み砕いていく。お客さまにはすっと物語が入ってくると思います。何より恋愛の形は今も400年前も変わらない。切なくて甘酸っぱくて。現代にシェイクスピアが生きてたら、一緒にご飯を食べながら色々と話したいほど。今では勝手に親近感を感じています(笑)」先日、同期の北翔海莉の星組新トップスター就任が発表された。「LINEでは祝福メッセージが飛び交いました!!」と同期の頑張りに励まされ、自身も女優として成長したいと意気込む。「宝塚を卒業した今は大口を開けて笑ったり、思いっきり泣くこともできる(笑)。素の自分で勝負できることが嬉しくて。今後、等身大の女心に共感してもらえる機会も増えると思う。特に今作はロマンチックな台詞も多いので、たくさんキュンキュンしてほしいなと。お客様と一緒に作り上げる体感型の舞台です。毎日でも劇場でお待ちしております!」公演は3月8日(日)から30日(月)まで東京・日生劇場、4月7日(火)大分・iichiko総合文化センターiichikoグランシアタ、4月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。尚、大阪公演では初日にメインキャストらによるアフタートークショーを開催。また翌11日(土)17時公演に限り、来場者全員に大阪公演オリジナルイラスト付き缶ミラーをプレゼントする。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2015年03月23日ミュージシャンと役者のふたつの顔を持つ石橋凌のツアーが、2月21日愛知・ボトムラインよりスタートした。【チケット情報はこちら】今回のツアーは今年1月発売のソロ活動第2弾ミニアルバム『Neo Retro Music』の名が冠されたものだが、セットリストはソロ1作目『表現者』からの曲やバンド時代の曲、カバー曲など新旧多彩。バンドメンバーはソロ1作目からレコーディングを共にしている池畑潤二(Ds)、渡辺圭一(B)、藤井一彦(G)、伊東ミキオ(Key)、梅津和時(Sax)らが務め、ツアー初日の不安を感じさせない骨太なパフォーマンスを披露してくれた。最新作からの新曲パートでは、「サウンドは多様化するけれど、何を歌うかは九州のアマチュアバンドをやってた頃から変わっていない。それは自分の周りで起きたことや世界のこと」「歌は人に歌われて初めて“歌”になる」「中身のないサラブレッドより、中身のある駄馬でいたい」など、各曲ごとにMCで様々な想いを伝えてくれた。また場内に卵型シェイカーを配り、風刺の効いた歌詞をニューオリンズ的サウンドで表現したナンバーでは、会場全体と一緒に歌い、笑い、拳を上げ、体を揺らし、その目が子どものように輝いていたのも印象的。終盤になるとバンド時代の名曲が多く披露され、観客のテンションは一気に最高潮になり、「みんな上手だね」と本人が笑うほどのかけあいもあった。ライブ後には、「ソロとして3年ぶりの名古屋でしたが、お客さんの待っていてくれた感が凄く伝わってきて思わず力が入ってしまいました(笑)」と石橋本人からコメントが届いた。また「今回のツアーでは冒頭にバラードやミディアムテンポの曲を入れたり実験的な試みを数多く行っています。全体的には“音楽の持つダイナミズム”みたいなものを打ち出したかったのですが、名古屋を終えてそれがお客さんに伝わった手応えを感じられました」とも。“音楽の持つダイナミズム”=“ライブの醍醐味”だとしたら、この日はそれを存分に感じられる圧巻のステージであった。ツアーはこの後、2月27日(金)札幌ジャスマックプラザ・ホテルザナドゥ、3月6日(金)大阪BIG CAT、3月7日(土)福岡DRUM LOGOS、3月20日(金)東京Zepp DiverCityで開催。チケットは発売中。※札幌公演のみ藤井一彦&伊東ミキオによるアコースティック編成取材・文:澤井 敏夫
2015年02月26日年明け早々、『アダムス・ファミリー』で演じた陽気なお化けの家長・ゴメス役が高く評価され、第22回読売演劇大賞優秀男優賞に輝いた橋本さとし。「褒められて伸びるタイプ。一層役者の道を極めたい」と意気込みも新たに今春、受賞後第1作となる舞台、シェイクスピア喜劇『十二夜』に出演する。過去に『レ・ミゼラブル』など3作品でタッグを組んだジョン・ケアードが演出を手掛ける世界初演作だ。「十二夜」チケット情報物語は双子の兄妹(音月桂・2役)が巻き起こす恋のドタバタコメディ。船の遭難事故で兄を亡くした妹は護身のため兄になりすまし、恋心を抱く公爵のもとで小姓として働いていた。そこへ兄が生還してくることで、恋の糸が絡まり始める……。橋本は伯爵家に仕える執事マルヴォーリオを演じる。女主人(中嶋朋子)への愛を暴走させる三枚目役だ。「コメディ要素を担う役なので、ケアードには関西人の血を発揮して欲しいと言われました(笑)。ただ僕はそこを逆手に取ってやろうかなと。妄想だけで空回りするマルヴォーリオを周囲は笑うけど、本人は至って真剣なわけで。それはもう悲劇だろうと。喜劇の中で悲劇のヒーローを演じることで、何か面白いことが起こるんじゃないかなと思うんです」ジャン・バルジャンを演じた『レ・ミゼラブル』では「さとしの中に絶対ジャン・バルジャンを見つけるから演出家としての僕を信じて」と、ケアードの言葉に背中を押された。そんな信頼できる演出家と初めて組むセリフ劇。ケアードはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉演出家でもあり、「彼とシェイクスピアに挑めることは役者冥利に尽きる」と胸躍らせる。「彼が凄いのは役者の動きだけで様々なシーンを喚起させるところ。『ベガーズ・オペラ』では積み上げた酒樽を馬車に見立てて、周囲の人間を後ろに動かすことで馬車を走らせて見せたり。『レ・ミゼラブル』では盆が回るだけで役の人生が見えてくるようだった。シンプルなのに上品でスペクタクルを感じさせる、まさにケアードマジックですね」劇団☆新感線の出身。現在は舞台を中心に映像やドキュメント番組『プロフェッショナル仕事の流儀』のナレーションなど幅広く活動する。4月26日(日)には主演ミュージカル『シャーロックホームズ2』が開幕するなど、2015年も活躍の年になりそうだ。「役者は自分の生き様が出るような仕事なので常に自分を顧みながら、いつか語られるような役者になるのが目標です。シェイクスピアと聞くと構えがちですが、現代にも通じる惚れた腫れたのお話なので。共感できる要素がたくさんあると思う。客席から笑いが起こると役者もテンションが上がるので、大いに笑って一緒に楽しみましょう!」公演は3月8日(日)から30日(月)まで東京・日生劇場、4月7日(火)大分・iichikoグランシアタ、4月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2015年02月09日歌、ダンス、ミュージカル、芝居まで!舞台の感動と興奮を詰め込んだ怒涛のエンタテインメントショー『CLUB SEVEN』。記念すべき第10回公演の上演が決定した。脚本・構成・演出・振付・出演は、日本タップダンス界の第一人者でもある玉野和紀。片や、3年連続で本作への出演が決まった、中河内雅貴。ふたりに『CLUB SEVEN』の魅力や、新作への意気込みを聞いた。「CLUB SEVEN 10th stage!」チケット情報「2003年に始まって今回で12年目、10回目の公演です。最近は『CLUB SEVEN』に出るのが夢という若い子たちも出てきて嬉しいですね。キャスティングで重視するのは人間性。マサ(中河内雅貴)もそうだけど作品にかける情熱とか、テクニックより大事なものがハートにないと好きじゃない。腹割ってバカができる人間が大好きですね。そういうやつがたまに本気見せるからカッコいい。相葉(裕樹)もヒデ(佐々木喜英)も、毎日遅くまで自主練習して、最後にはヨシ(東山義久)と揃えて踊れるまでになった。作品を通して成長してもらうことが夢だったし、凄く嬉しかった」(玉野)ダンス歴15年の中河内も初参加の際は、別の主演舞台とも重なり相当苦労したと明かす。「『うぉー!覚えられない』と稽古場で吠え、本番では『できねえよ!』と無茶ぶりする玉野さんにマジギレするという余裕のなさで……。でも、もう大丈夫です!その後も玉野さんが手掛ける作品では女装、ひよこ、がん細胞まで(!)ふり幅のある役を演じさせてもらい、役者としての許容範囲が広がりました。他の現場にいっても楽ですもん。全身タイツ?全然大丈夫。むしろ着させてって感じです(笑)」(中河内)全2幕、約3時間。詳細は見てのお楽しみだが、100曲近い楽曲を歌い踊る名物コーナー『五十音順ヒットメドレー』を筆頭に、最新作でもライブ感溢れるネタを構想中だ。「『五十音~』では終盤でEXILEの歌とかを挟んでくるので鬼ですね。1公演で3kgは体重が落ちる。でもお客さんの笑顔を見ると、不思議なパワーが沸いてくる。開演前にみんなで円陣を組む瞬間も凄く好き。今日の公演もがんばろう!って思えるから。今回も玉野さんの要求に全力で応えて、出演者全員で熱く幸せな時間をお届けします!」(中河内)「お客様を楽しませるためにできることをやっていくと、だんだんバカをやることが恥ずかしくなくなる。客席がドーンと湧くと、舞台裏ではやったー!ですよね。最近は『五十音~』でもかっこよく歌った方が損といった雰囲気で、おかしいな(笑)。ショーは役を演じる演劇と違って、本人として出るので怖くもあるのですが。そこに勝負できる強者が揃いました。今回もエネルギッシュに、何でもありの作品にしたいですね」(玉野)4月2日(木)から20日(月)まで東京・日比谷シアタークリエ、4月23日(木)福岡・福岡市民会館、4月25日(土)から26日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、4月27日(月)愛知・愛知県芸術劇場大ホールにて上演。チケットは随時発売開始。取材・文:石橋法子
2015年02月05日トニー賞5部門受賞の名作ミュージカルを全く新しい視点から再構築したトム・サザーランドの新演出版ミュージカル『タイタニック』。豪華客船が辿る歴史的な悲劇に人々の愛や希望を見出し、ドラマティックな群像劇に仕立てた。2013年のロンドンで最もチケットが入手困難と称された話題作が2015年3月、早くも日本初上陸を果たす。新演出版 ミュージカル「タイタニック」チケット情報事故の混乱の最中、冷静沈着に乗客を誘導する二等航海士ライトーラー役には注目の若手、小野田龍之介。プロダンサーを母に持ち、子役として数々の舞台経験を積んできた。2011年には「シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクール&コンサート」で特別賞に輝くなど、その実力は折り紙付きだ。「群像的として描かれる新演出版では、恋人や家族への愛、夢を追う気持ちなど、登場人物一人ひとりの輪郭が見えるので、きっと心に響く役があると思う。モーリー・イェストン(『NINE』『ファントム』の音楽家)による音楽も素晴らしい。ライトーラーは史実に基づき、悲劇を生き抜く人物として描かれる。10代にして一等航海士の経験もある実力者です。仕事にプライドを持ち、乗客の安全を第一に考えている。光枝明彦さん演じる船長とのお芝居もあるようなので楽しみですね」本番を前に、2014年は環境を一新したリセットの年と振り返る。「もう一度純粋に“エンタメ愛”を見つめ直す時期に来ていた。そんな中、小さい頃から大好きなディズニーの『アリス・イン・ワンダーランド』で一年を締めくくれたことは象徴的でした。『アリス~』ではエル・ガトという明るい役でしたが『タイタニック』ではまたガラリと雰囲気が変わる。小野田龍之介の多彩な表情を楽しんでもらえると思う。いつどんな要求にも応えられる俳優をめざし、2015年も自分を磨いていきたいですね」公演は、3月14日(土)から29日(日)まで東京・シアターコクーン、4月1日(水)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。チケットは1月17日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは1月12日(月・祝)18:00まで先行先着「プリセール」実施中。取材・文:石橋法子
2015年01月08日「おもしろかったー!で、どういうこと!?」。そんなハチャメチャな感想を抱かせる、山崎彬(悪い芝居)作・演出の劇団Patch第5回本公演『観音クレイジーショー』が、クリスマスイブに開幕、12月30日までの全12回公演が大盛況のうちに幕を閉じた。8か月連続で毎月新たな作家と組む人気“武者修行”企画「Patch8番勝負」の集大成とあって、メンバーの個性と成長がスパークした見ごたえある作品となった。劇団Patch 公演情報主人公は恋愛をこじらせた26歳のバイト男子、大爆音(おおばく・おと)。彼の愛を巡る物語が友人らとの交流を通して描かれる、のだが。悶々とした現世に見切りをつけるよう今や「解脱」の道を模索し始めた音には、いつしか“人ならざるもの”が見え始めていた。守護霊かはたまた肥大した自意識の化身か。“やつら”は常に音の周囲をうごめき、その一挙手一投足を注視する。やがて「観られること」に耐えかねた音がとった行動により、観客は予想だにしない世界へと引きずり込まれることになる……。と設定だけ聞けばホラーだが、実際の“やつら”と言えばワンダーランドから抜け出たようなカラフルさ。必要とあれば扉、棚、便器などの小道具にもなり替わり、自らセットチェンジも行う。具体的な美術に頼らず、限られた人とアイテムで多彩なシーンを想起させる。小劇場ならではの演出が楽しい。また大筋とは別にカラオケ、コンビニ、実家まで。場所を変えて描かれる音の日常は、“シチュエーションあるある”の連続で。デフォルメされたキャラクターもツッコミどころ満載。さらに場面転換ではメロウにもハードにも変化するバンドの生演奏が加わり、その都度、照明が効果的に明滅する……。とにかく、あれもこれもと早口でまくし立てたくなるほどの濃密さ。瞬きの度に景色を変える、万華鏡のような舞台なのだ。主人公を演じる中山義紘は、持ち前の思慮深い眼差しからモラトリアムな役柄がよく似合う。悶々とした前半とは打って変わり、後半は振り切った演技で惹きつけた。終盤、本音を吐露する音の姿は、恥ずかしいくらいに純粋な愛の告白にも思えたが、あなたの目にはどう映っただろう。答えは観た人の数だけ存在する。そんな演劇の醍醐味に触れられた、忘れがたい時間となった。公演初日には早くも次回本公演『SPECTER』の上演が告知された。作・演出の末満健一がライフワークに掲げる人気ヴァンパイア・シリーズ「TRUMP」の最新作とあって、今まで以上に期待と注目度が高まることは間違いない。2015年も声援を糧に躍進するPatchの活躍を、ぜひその目で見届けてほしい。次回公演「Patch stage vol.6『SPECTER』」は3月18日(水)から22日(日)まで大阪・ABCホールにて。チケットぴあでは公演チケットのインターネット先行抽選を1月7日(水)午前11時より受付。取材・文/石橋法子
2015年01月05日公開初日を迎えたアニメーション映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の初日舞台あいさつが6日、東京・新宿ピカデリーで行われ、声優の桑島法子、内田彩、中村繪里子が登壇した。『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズでは初の舞台あいさつとなった桑島は「(イベント上映の)1章から7章までの間に舞台あいさつに呼ばれるだろうと思っていたら、やっと今回呼んでいただけてほっとしているところです(笑)」と安堵の表情。続く内田と中村は、WEBラジオ「YRAラジオヤマト」のパーソナリティコンビでもあり、内田は番組について「劇場版上映に向けて番組をリニューアルして2人でラジオをやってきましたが、本編が緊迫したシーンが多い中、ほっとする癒しの空気を作ってこれたらと思っていました」と語り、中村は「ラジオの中で皆さんに教えていただいたさまざまなことは、アフレコの収録の中ですごく助けになりました」と感謝の気持ちを伝えていた。森雪とユリーシャ・イスカンダルの二役を演じた桑島は「ヤマトは受け継いでいくテーマがあります。今回若い世代の活躍もあり、『古代君かっこよくなったな』って思いながら見ていました。劇場版では森雪も後輩のオペレーターたちを見守る立場になって少し肩の力が抜けましたね」と森雪と似た感情を抱いていたという。また、重要キャラクター二役を演じ分ける重役については「これだけの大作で、しかも見た目が森雪と同じユリーシャを同じ声でどう演じるかをすごく悩みました」と苦労を明かしていた。そのユリーシャに憑依されたこともある岬百合亜役の内田は、「最初は出渕監督に、桑島さんのユリーシャの演技を見てから演じる? と言ってくれて、見させていただいたのがほんの一言だったので、私の演技でユリーシャが崩れてしまったらどうしようと思いましたね」とプレッシャーを吐露。桑島は「難しかったよね。私は(内田のユリーシャを)真似ようかと聞いたら、桑島さんは桑島さんでと言われたので、お互い自由にやってました」と話していた。現場でのそんなやりとりを見ていたという桐生美影役の中村は、「私も今回の劇場版で兼役をやりますかというお話があったんです。桑島さんたちが大変な思いをされながら素晴らしい演技をされているのを見て、自分も挑戦したいと思いました」と二人からの影響を吐露。また、印象に残ったシーンとしては、桑島は古代が「逃げる」とかっこよく宣言したシーン、内田は沖田艦長が本編で百合亜のラジオの話をしてくれたシーンを挙げた。『星巡る方舟』では桐生美影の恋愛模様も描かれており、中村は「私個人はバーガーさんが好きなんですけど(笑)。美影ちゃんとしては初めてときめきというか、異性を感じたからこそ沢村君に最初は反発していたんだと思います。そのあと素直に会話をして笑顔を見せられるようになったので、この後どうなるかが楽しみです」と期待を寄せていた。完全新作劇場版となるアニメーション映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は、イスカンダルにたどり着いたヤマトが地球に帰還する途上のエピソードで、大マゼラン外縁部で突如出現した「ガトランティス」と名乗る謎の艦隊、さらには未知の生命体に遭遇。ヤマトの引き渡しを要求してくるガトランティス、そしてガミラスと三つ巴の戦いとともに、壮大なスケールの物語が描かれている。(C) 西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2014年12月07日初開催のファッションイベントに参加決定女優の酒井法子が6月22日にシンガポールで開催される予定の一大ファッションイベント「ASIA STYLE COLLECTION by style×style.com」(ASC)に、モデルとして出演することが明らかになった。9日、発表されたもので、酒井は日本、中国、韓国、シンガポールなどアジア各国の最新トレンドを発信するという、初開催のこのイベントに、アジアを代表する女優として招待されたそうだ。(画像は「style×style.com」トップより参考イメージ)モデルとしての登場に注目集まるかねてよりアジアで人気の高い酒井だが、今年中国で開催された「ファッションアワード」でアジア最優秀ファッション女優賞を受賞しており、この受賞がゲスト出演を決めるきっかけになったと伝えられている。ASCは、日本最大級のファッションと音楽の祭典として知られる「TOKYO GIRLS COLLECTION」、中国の「TGC Girls Collection」、韓国の「K-POP COLLECTION」とタイアップして開催されることとなった初のイベントで、シンガポール・エキスポを会場としている。プロデュースするのは、株式会社アルファエッジと、ファッションや美容のオンラインポータルサイト「style×style.com」を運営する総合メディアグループのメディアコープ社だ。当日は各国のスペシャルステージが展開される予定で、すでに日本でも人気の高い、韓国の人気女性アイドルグループ、少女時代や2NE1の出演も決定している。豪華なアーティストやモデルが集結するイベントに、スペシャルなゲストモデルとして登場するという酒井。どのような姿を見せるのか、注目が集まっている。元の記事を読む
2013年04月10日2011年3月の香港映画祭を皮切りに、2012年8月のインドのオシアン映画祭まで、約1年半にも及ぶ地球一周の巡回上映を経て、ついに日本に逆上陸! アメリカのニューヨーク・アジア映画祭ではオープニング作品に選ばれ、主演・山田孝之が日本人初のライジング・スター・アワードを受賞。北米最大級の映画祭であるファンタジア・フェスティバルでも長編劇映画部門 最優秀監督賞含む4部門に輝くなど、世界中のシネフィルの熱烈な支持を集めてきた、24日公開の映画『ミロクローゼ』。思想や概念を飛び越えた、型にまったくはまらない本作を手がけた石橋義正監督にインタビューを行った。■「ミロクローゼ」というタイトルにはどういう意味があるのでしょうか?この映画では恋をした相手のことを「ミロクローゼ」と呼びます。そして、それは“太陽”をイメージしています。自分自身を照らし、あらためて自分の生き方を見つめ直させてくれるものです。人は闇の中で生きていくことは簡単にできますが、日向で生きることの方が難しい。日向で生きるには、照らしてくれる太陽が必要です。その太陽を見つけるのに命をかけることがこの映画の軸になっています。■鈴木清順監督、奥田瑛二さん、原田美枝子さんの登場には驚きました。キャスティングの経緯を教えてくださいプロデューサーからの提案もあり、相談しながら決めていきました。特に原田美枝子さんは昔からのファンだったのでどうしても出演していただきたい、ということでお願いにあがりました。清順監督は台本を気に入って下さったのかどうかはわかりませんが(笑)、面白そうなことをやっているな、と思ってもらったようで、快く了承して下さいました。■演出で特にこだわったシーンはありますか?基本的には役者さんにおまかせしていました。ベッソンの笑いには微妙なニュアンスが必要だったので、ナレーション含めセリフの言い回しや間の取り方などに少し指示を出した程度です。■凝った映像が印象的ですが、撮影後の編集にはどのくらいの時間を費やしましたか?撮影後の編集には半年ほど費やしました。でも大変だったのは撮影後よりも撮影前に準備をした、遊女の写真が並ぶシーンのための写真撮影でした。300枚ほど制作するのに1年近くかかりました。■映画に登場するキャラクターを他のメディアにも展開させたいとのことですが、具体的なアイデアは?ベッソンが毎回お悩みを解決するというショート番組(ラジオでも)や、何も起こらないけどひたすら面白いキャラクターが登場するという、オブレネリの冒険物語の絵本を作りたいと思います。■この映画は海外の多くの映画祭に出品されていますが、海外のみなさんはどんな反応でしたか?最近は海外の方々もネットを通じて日本の文化をよく知っているので、案外時代劇のシーンも素直に楽しんでいただけたようです。国によっては激しすぎるくらい盛り上がって観てくれていました。■映画監督になろうと思ったきっかけを教えてください小学校3年生の時に『スター・ウォーズ』を観てすっかりハマってしまい、当時7回観に行きました。ストーリーよりもあの世界観やビジュアルや音楽が大好きだったので、何度も観て覚えて帰り、家で想像して再現してみたりしました。それがきっかけで色々なジャンルの映画をたくさん観るようになったんですが、自分で架空の世界を創造したいと、監督を志す様になりました。■映画を初めて作ったのはいつですか?高校生の時に初めて作りました。実写作品でしたが、思ったようには全然作ることができなくて・・・。大学では映画以外の創作活動を色々と体験しましたが、ずっと映画を撮りたいと思っていたので、きちんと映画の勉強をしたくて、英国王立芸術大学(RCA)との交換留学制度を利用して、映画科に入りました。テリー・ギリアムやリドリー・スコットの出身校でもありましたし、本格的な映画の勉強ができるだろうと。半年という短い期間だったし、講義も英語だったので多くを学べたわけではありませんでしたが、そのことが実際に映画を作る非常に良いきっかけとなりました。■これまでに影響を受けた監督や作品を教えてください強い影響を受けたのはスタンリー・キューブリック監督です。中でも一番好きな作品は『アイズ ワイド シャット』です。他にもブライアン・デ・パルマ監督や黒澤明監督は大好きです。画作りを重視している監督や作品が好きですね。■今後はどのような作品を撮りたいですか?今回は比較的ハチャメチャな構成の映画になりましたが、次はロマンがあって、未来と過去に思いを巡らすことができて、ビジュアル的にも見ごたえのある和物を作りたいと思います。『ミロクローゼ』 公式サイト 出演:山田孝之、マイコ、石橋杏奈、原田美枝子、奥田瑛二配給:ディーライツ・カズモ11月24日(土)シネクイントほか全国順次ロードショー(C)2012「ミロクローゼ」製作委員会
2012年11月21日