がん保険は、保障が一生涯続く終身型のがん保険と、保障される期間が限定されている定期型のがん保険の2つに大きく分けられます。終身型のがん保険は、終身がん保険とも呼ばれ、現在がん保険を販売している保険会社の多くは、終身がん保険が主流になっています。そこで本記事では、終身がん保険に加入するメリットやデメリットを中心に定期型のがん保険との違いについて解説を進めていきます。終身がん保険とは上記は、アフラックが、がん経験がある人に対して質問をした回答を引用したものとなりますが、がん治療などで実際にかかったお金は、少なくとも50万円から300万円を超えた場合など、実際にかかったお金に大きな開きがあることが確認できます。なお、がん治療のお金に大きな開きがある理由として以下のようなことが考えられます。がん治療のお金に大きな開きがある3つの理由がん治療のお金に大きな開きがある主な理由として、以下の3つの理由が考えられます。がんの進行状況(ステージ)やがんにかかった身体の部位による理由がん治療の長期化(再発・転移)による理由がん治療を行っている病院の治療方針(保険適用外の治療など)による理由上記3つの理由によって、がんの治療にかかるお金には大きな開きが生じると考えられ、がん保険に加入してがんの治療費をまかなうためには、終身がん保険をはじめとした特徴を知るだけでなく、がん保険の選び方もしっかりと知っておく必要があると言えます。終身がん保険の選び方終身がん保険は、医師からがんと診断されてがんが確定した時にまとまった保険金が受け取れる一時金給付と、がんで入院、手術、通院などをした場合に保険金が支払われる治療給付に大きく分けられる特徴があります。終身がん保険を選ぶ上では、一時金給付と治療給付の違いを知り、どちらの給付を重視するか比較検討することが大切です。終身がん保険に関するまとめ終身がん保険は、現状、どの保険会社においても、がん保険の主流となっているため、メリットやデメリットといった特徴から保険料の支払方法まで幅広く知った上で自分に合った商品を選ぶことが大切です。また、がん保険に加入するそもそもの目的は、万が一がんにかかってしまった場合の備えであるはずですから、定期型のがん保険やがん特約のように保障される期間が限定されるものは、加入目的や合理性に欠けるものと思われます。
2019年07月18日がん保険は、がんの治療に特化した生命保険のことを言い、仮に、がんにかかってしまった場合の治療費補填に大きな効果を発揮します。その一方で、がん保険は、がんに対してのみ保障が有効であるため、他の病気にかかった場合にがん保険から保障されないといった大きなデメリットもあります。そこで本記事では、保障に偏りのあるがん保険の選び方について、できる限り失敗しないポイントの解説を進めていきます。がん保険の種類と特徴がん保険の選び方を解説する前に、まずはがん保険の種類と押さえておくべき特徴をここでは紹介していきます。がん保険の契約をする前に、どのようながん保険がご自身のニーズに沿っているか確認することが大切です。がん保険の主な種類と違いがん保険には、大きく終身型のがん保険と定期型のがん保険があります。終身型のがん保険は、保険期間(保障期間)が、基本的に死亡するまで続き、保険会社によっては、がんになった場合、以後の保険料の払込をしなくてもよい払込免除が加入当初から自動的に付帯されている場合が多くなっています。定期型のがん保険は、保険期間(保障期間)が一定期間となっており、たとえば、10年間や60歳までのように、契約時点で定めた時期に達すると保障が終了する特徴があります。現状、終身型のがん保険が主流です。がん保険の特徴がん保険は、がんの治療に特化した生命保険といった特徴がありますが、ここでは、この特徴以外に押さえておきたいポイントを個別に解説していきます。がん保険に加入したとしても、医療保険などのように保障がすぐに開始されないがん保険の保険料は、基本的に掛け捨てがんになってから、がん保険に加入するのは困難1年間に支払ったがん保険の保険料は、生命保険料控除の対象【がん保険の特徴①】がん保険に加入したとしても、医療保険などのように保障がすぐに開始されない通常、終身保険や医療保険などの生命保険は、原則として、保険会社が加入の申し込みに対して引き受けをした場合に保障が開始されることになります。ただし、がん保険の場合は、保険会社を問わず、約3ヶ月(90日)の免責期間を設けており、この期間は、保険料を支払っているのにも関わらず、保障がされない条件が付されます。これは、がんの疑いのある人が、駆け込みでがん保険に加入するのを防止する目的もあるためです。【がん保険の特徴②】がん保険の保険料は、基本的に掛け捨てがん保険は、終身型と定期型のがん保険があることを紹介しましたが、終身型のがん保険で保険料払込期間を定めていない場合の保険料は掛け捨てになります。また、がん保険は、がんにならないと保障がされることはありません。この辺をよく理解し、仮にがんにならないで一生を終えた場合、これまで支払ってきたがん保険の保険料は無駄になってしまうことを割り切った上で加入の検討をする必要があります。【がん保険の特徴③】がんになってから、がん保険に加入するのは困難がん保険は、基本的に健康な人が加入できるものになり、生涯を通じてがんになったことがある人は、基本的にがん保険に加入することは困難です。保険会社の中には、持病があっても加入することができる引受基準緩和型のがん保険や、アフラックの「生きるためのがん保険 寄りそうDays」のように、がんを経験された人でも加入できるがん保険もありますが、保険料や保障内容は、一般のがん保険よりも劣る点に注意が必要です。【がん保険の特徴④】1年間に支払ったがん保険の保険料は、生命保険料控除の対象1月1日から12月31日までの1年間において、がん保険の支払った保険料は、生命保険料控除の介護医療用として所得控除の対象になるため、所得税および住民税の税金額を軽減させられる効果が得られます。[adsense_middle]がん保険の選び方で押さえておくべき一時金給付と治療給付がん保険の種類と特徴について、基本的な部分を解説させていただきましたが、実のところ、がん保険を考える上において、一時金給付と治療給付といった2つの給付について知っておくことも欠かせません。そこで次項では、がん保険の選び方でとても大切なポイントにあたる、がん保険の一時金給付と治療給付について、それぞれの特徴とポイントを紹介していきます。がん保険の一時金給付とはがん保険の一時金給付とは、医師からがんと診断され、がんが確定した時にまとめて保険金が支払われる、いわゆる診断給付金のことを言います。現在、ほとんどのがん保険には診断給付金が付帯されているものの、保険会社の中には、診断給付金が付いていないがん保険や診断給付金を保険契約する前に外すことができるがん保険など、種類は様々です。がん保険の一時金給付における主な2つのメリットがん保険の一時金給付(診断給付金)における主なメリットには、がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい、様々なケースで保険金が活用できるといったメリットが挙げられます。がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくい様々なケースで保険金が活用できる【がん保険の一時金給付におけるメリット①】がんの治療方法が大きく変わったとしてもお金の面で困りにくいがんの治療方法は、日々進化しておりますが、20年後や30年後といった将来において、さらに治療方法が進化していることが考えられます。この時、がんの治療方法が大きく変化したとしても、がん保険の一時金給付(診断給付金)は、医師からがんと診断されて、がんが確定した時に保険金が支払われるため、がんの治療方法が大きく変わったとしても、保険金を受け取りやすくお金の面で困りにくいメリットが得られます。【がん保険の一時金給付におけるメリット②】様々なケースで保険金が活用できる現在、がん保険の一時金給付(診断給付金)は、複数回給付されるタイプのものが多く販売されておりますが、1回目の一時金給付(診断給付金)を受け取るハードルは極めて低いものになっています。この時、まとめて受け取ったお金は、長くかかるがんの治療費や就労が制限されることによる収入減少の補填に充てるなど、様々なケースで保険金を活用できるメリットが得られます。がん保険の一時金給付における主な2つのデメリットがん保険の一時金給付(診断給付金)における主なデメリットには、保険料が高め、がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じるといったデメリットが挙げられます。保険料が高めがん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じる【がん保険の一時金給付におけるデメリット①】保険料が高めがん保険の一時金給付(診断給付金)は、後述する治療給付とは異なり、がんの短期の治療でも保険金が多く支払われることになるため、保険料が高めです。がん診断給付金は、保険会社によって設定できる金額に違いはあるものの、30万円から多いところでは600万円となっており、設定した保険金額によって、保険料も高くなるデメリットがあります。【がん保険の一時金給付におけるデメリット②】がん治療が長引くとお金が足りなくなる懸念が生じる現在、がんの治療は、入院日数が短く通院日数が長い傾向にあり、がんの治療が一通り終えるまで年単位での長い時間を要することになります。この時、がんの治療期間が長引く程、多くの治療費がかかってしまうため、まとまって受け取った診断給付金だけではお金が足りなくなる懸念が生じてしまうデメリットがあります。また、2回目以降のがん診断給付金は、保険会社によって給付条件が異なる点にも要注意です。がん保険の治療給付とはがん保険の治療給付とは、がん治療を受けた月に保険金が給付されるタイプのもので、たとえば、入院給付金、手術給付金、通院給付金、放射線や抗がん剤治療で給付されるものなど、その種類は多岐に渡ります。特に、通院やがんの3大治療と呼ばれる手術、放射線、抗がん剤といった治療におけるそれぞれの給付は、がん保険を販売している保険会社によって異なるため、がん保険の選び方を考える上でとても重要なポイントになります。がん保険の治療給付における主な2つのメリットがん保険の治療給付における主なメリットには、保険料が安い、がんの治療方法が長引いたとしても給付が続くといったメリットが挙げられます。保険料が安いがんの治療方法が長引いたとしても給付が続く【がん保険の治療給付におけるメリット①】保険料が安いがんの治療給付をメインとしたがん保険は、保険料が安く、これはどこの保険会社にも共通したメリットになっています。また、入院給付金や通院給付金などをはじめとした治療給付は、給付される日数が無制限であることも多く、がん治療の万が一の備えには安心できるメリットがあります。【がん保険の治療給付におけるメリット②】がんの治療方法が長引いたとしても給付が続くがん治療は、長い期間に渡って続く可能性が高いことをすでに紹介しましたが、仮に、がんの治療が長引いたとしてもがんの治療給付は、治療の都度給付が続くことになるため、治療費が家計を圧迫しにくいメリットが得られます。ただし、契約した保険金額によって、このメリットは左右されることになるため、目先の保険料の安さを優先して保障の質が低い場合は、かえって逆効果になってしまうことも念頭に入れておく必要があるでしょう。[adsense_middle]がん保険の治療給付における主なデメリットがん保険の治療給付における主なデメリットには、将来、がんの治療方法や医療情勢に大きな変化があった場合、当時、加入契約したがん保険の保障内容が、その時の現状と即していない可能性が生じます。このデメリットは、すでにがん保険に加入している人で、契約からすでに何十年も経過している人は要注意とも言えます。40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は一度見直しを生命保険や医療保険のがん特約には注意抱き合わせ保険は、特約料が掛け捨てで保障が中途半端【がん保険の治療給付におけるデメリット①】40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は一度見直しを40代や50代で、がん保険に何年も前から加入している人は、現状と保障内容が即していない懸念があるため、一度見直しをされてみることをおすすめします。治療給付ではありませんが、たとえば、一昔前のがん保険では、がん診断給付金が1回限り給付され、2回目以降は給付されないなどの条件もあり、がん治療の備えをしているのにも関わらず、がん治療の備えとしては、不十分であることも容易に予測できます。【がん保険の治療給付におけるデメリット②】生命保険や医療保険のがん特約には注意こちらは、がん保険に新規加入や見直しをする上での注意点となりますが、たとえば、日本生命、明治安田生命、住友生命などのように、国内生命保険会社の生命保険で、抱き合わせ保険になっている保障内容のものを実務上、よく見かけます。抱き合わせ保険とは、1つの保険契約で死亡、がん、介護、医療といった様々な保障が組み合わせられているものですが、がん特約のように、特約がべったりと張り付いている生命保険です。【がん保険の治療給付におけるデメリット③】抱き合わせ保険は、特約料が掛け捨てで保障が中途半端抱き合わせ保険は様々な保障が付いているため、何も知らない顧客の満足度や一昔前に人気があった生命保険かもしれませんが、特約料が掛け捨てで保障が中途半端なほか、最後にはまともな保障も残らない最悪な生命保険です。たとえば、がん特約の場合、保障が入院に限定されているなど、現代のがん治療に即した保障内容になっていない場合が多く、とても利用価値が期待できない可能性が高いため、本当に注意が必要です。がん保険の選び方の基本は比較検討がん保険の特徴のほか、一時金給付と治療給付の違いについて解説をさせていただきましたが、当然のことながら、がん保険の選び方の基本は、保険会社のがん保険を比較検討することです。実際、がん保険の疑問として、がん保険を選ぶにはどこがいいのか、医療保険とがん保険は両方加入した方がいいのか、などの疑問が特に多い印象を受けますが、失敗しないがん保険選びは、がん保険の特徴を知り、細かく比較検討することに尽きるでしょう。女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみるがん保険には、乳房や子宮といった女性特有の病気にも手厚く対応した女性限定のがん保険も保険会社各社で販売されています。一般のがん保険に比べて女性限定のがん保険は、少々保険料が高くなるものの、女性の場合、若い内から女性特有の疾病やがんにかかる確率も男性に比べて高い統計もあることから、この辺が心配な女性の方は、女性限定のがん保険も視野に入れてみると良いでしょう。がん保険の選び方に関するまとめがん保険は、がん治療に特化した生命保険といった大きな特徴があるため、まずは、がん保険の基本部分を理解した上で、そもそも加入する必要性があるのかどうかについて再確認することが大切です。仮に、がん保険が必要と判断した場合は、一時金給付と治療給付のどちらに重きを置くのかなどといったがん保険の選び方を再確認し、選んだ給付に強みのあるがん保険(保険会社)選びをすることが大切だと言えます。
2019年07月17日がん保険には色々なタイプの商品がありますが、積立型タイプのがん保険があることをご存知でしょうか。今回はこの積立型がん保険をランキング形式で紹介しながら、積立型タイプの特徴についてわかりやすく説明していきたいと思います。積立型がん保険のランキングそれではランキング形式で積立型がん保険を紹介していきたいと思います。今回のランキングの検討に際しては、がん保険だけではなく、がんの保障を含んでいる保険も調査対象としています。(小規模短期保険を除きます)また、今回の評価ポイントとしては、確実に積立となっているかどうかという観点を重視して、筆者独自の判断で順位づけをしました。調査対象:がん保険・がん保障を付帯している保険評価観点:確実に積立になっているかどうか第5位:がん診断保険R(東京海上日動あんしん生命)第5位は、東京海上日動あんしん生命のがん診断保険Rです。ペットネームのRはリターン(Return)の頭文字からとったものだと推測されますが、まさにこのリターンということが積立型がん保険であることを表しています。最初に、商品概要を一覧表で見てみましょう。がん診断保険Rの特徴がん診断保険Rの積立内容ですが、70歳時(厳密には70歳の年契約応当日)に、主契約の払込保険料相当額を「健康還付給付金」(上表の場合は合計6,094円のうち、主契約分3,360円の35年間分である1,411,200円)として受け取れることです。逆に言うと特約の保険料は掛け捨てになっていて、主契約の保険料が積立型であるといえるでしょう。上記の例でも約140万円となりますので、それなりにまとまった金額の積立になります。しかしながら注意点としては、70歳になるまでは還付されないため、途中で解約しても受け取れません。また、70歳までの間に主契約の診断給付金100万円を受け取っていたとすると、それは健康還付給付金から差し引かれます。(上記の例でいうと、1,411,200円マイナス1,000,000円で411,200円が受け取れます。)第4位:総合保障保険 スーパー2000(楽天生命)第4位は楽天生命の総合保障保険 スーパー2000です。2000というのは毎月の保険料負担を一律2,000円としているところから名付けられています。それでは具体的な保障内容を確認していきましょう。総合保障保険 スーパー2000の特徴冒頭でも紹介しましたが、総合保障保険 スーパー2000の最大の特徴は保険料が一律2,000円と設定されており、月々の保険料負担を軽くしていることです。また積立型の内容ですが、1年間入院がない場合に5,000円を受け取ることが出来ます。年間の保険料負担は24,000円ですから、支払った保険料の2割を受け取れることになります。注意点としては、がん以外の保障が備わっているため、人によっては要不要が分かれると思います。次の注意点は、年齢が上がるにしたがって保障額は減っていくという点です。これは保険料を一律2,000円にしていることで生じる結果です。(通常は保障額を一定にするために保険料が上がっていきます。)最後に、保障が1年更新となっていることに注意してください。最長65歳までは更新をして保障を継続していくことが出来ますが、一生涯の保障ではありません。第3位:アクサダイレクトのがん終身(アクサダイレクト生命)第3位は、アクサダイレクト生命のがん終身です。こちらもまずは保障内容をご覧ください。アクサダイレクトのがん終身の特徴アクサダイレクトのがん終身の積立内容を確認していきましょう。がんにならなかった場合という前提条件はありますが、3年ごとに5万円の無事故給付金を受け取ることができます。3年間の保険料合計は上記の例ですと142,920円となり、保険料の約35%が受け取れる計算となるので保険料に占める積立の割合は多いと言えるでしょう。注意点としては、3年間のうちにがんとなってしまった場合には無事故給付金は受け取れないという点です。それ以外はがん保険としてもバランスの取れた内容になっています。[adsense_middle]第2位:リンククロス ピンク(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)第2位は、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のリンククロス ピンクです。特徴的な保障内容となっていますので、まずは保障内容を確認してください。リンククロス ピンクの特徴リンククロス ピンクの積立内容ですが、がんにならなかった場合という前提条件になりますが、2年ごとに5万円が受け取れるという内容になっています。上記の例ですと2年間の保険料合計は78,960円ですから、実に6割を超える金額が積み立てられているということになるのです。また、がん保険の特徴としては、女性専用であることに加えて、がん診断給付金の保障に絞った内容となっており、追加加入を考える際にも対象としたい積立型がん保険と言えるでしょう。第1位:フェミニーヌ(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)第1位は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のフェミニーヌです。フェミニーヌというと女性保険というイメージが強いのですが、がん保障も兼ね備えた積立型の保険といえるのです。それでは保障内容を確認していきましょう。フェミニーヌの特徴フェミニーヌは入院の保障をベースに、がんになった場合に給付金が上乗せされるという保障内容となっています。積立の内容としては、3年ごとに105,000円を受けることが出来ます。2位から5位までの積立型がん保険とは異なり、がんであろうが入院をしていようが、生存している限りは受け取れる給付金となっています。これがフェミニーヌの最大の特徵です。上記の例ですと、3年間の保険料合計は224,424円となっていますので、105,000円はその約47%となりますので、およそ半分弱の積立になっているということがわかります。積立型のがん保険ランキングに関するまとめ積立型のがん保険について、ランキング形式で紹介をしてきました。積立型といっても、がんの給付に関係なく支払われるタイプの商品や、がんにならなかった場合に支払われるタイプの商品など、積立型の内容に違いがあることを押さえてください。そのうえで、当然ながらがんの保障と、保険料負担額を考慮して、ご自身に合った積立型がん保険を選ばれることが大切です。特に積立型の貯蓄性が高まるほど保険料負担額は重くなりますので、途中で続けられなくなる、ということがないように注意してください。
2019年06月15日今回は既にがん保険に加入されている方向けに、がん保険の見直しポイントをわかりやすく説明していきたいと思います。新規加入とは異なり、見直しする場合ならではの注意点がありますので、今回ご説明するポイントを踏まえたがん保険の見直しをお勧めします。がん保険の見直し方法のポイント見直し方法のポイントですが、以下の3つのステップで進めていくことをお勧めします。加入中の契約を確認する自分に不足している保障を認識する追加契約か切替契約かを検討するそれぞれ順を追って内容を説明していきましょう。がん保険見直しのためのステップ1:加入中の契約を確認するまず最初のステップは、加入中の契約を確認することです。加入中の保険はもちろんですが、他に医療保険や死亡保険にがんの保障が付帯されていることもありますので注意してください。がんの保障かどうかを見極めるには、「がん(悪性新生物)」という文言を確認すればよいのですが、「三大疾病、五大疾病」というように「がん(悪性新生物)」が含まれているものの、別の表現で記載されていることもあります。どのような場合のがん保障かを確認するそして「がん(悪性新生物)」の内容を確認するときに、どのような状態になったらお金がもらえるのかを確認します。具体的にいくつかの事例を挙げておきましょう。がん診断(給付金)→がんと診断された場合がん入院(給付金)→がん治療のために入院した場合がん通院(給付金)→がん治療で通院した場合がん手術(給付金)→がん治療のために手術した場合抗がん剤治療(給付金)→抗がん剤を用いてがん治療した場合上記の通り、場合ごとにがん保障を整理します。古い契約の注目ポイントとは加入中の契約を確認する際に、15年以上前に契約した古い契約がある場合は以下の点に注意して保障内容を確認してください。次のステップである、自分に不足している保障を認識するために大切な作業となります。「上皮内がん(上皮内新生物)は保障から除く」という内容になっていないかがん入院保障に「日数制限」が記載されているか保険期間は「終身」ではなく「●●歳まで」と区切りがあるかもちろん上記以外でも、保障を制限するような内容があれば、メモしたり付箋をつけたりすることをお勧めします。がん保険見直しのためのステップ2:自分に不足している保障を認識する次のステップは、自分に不足している保障を認識していくプロセスになります。下表のように保障ごとに内容と金額に分けて整理して、自分にとって不足している保障をチェックしていきましょう。チェックする項目は以下の通りです。保障内容:どんな場合に保障してくれるのか保障期間(保険期間):いつまで保障してくれるのか保障金額(保険金額・給付金額):いくら受け取れるのか条件や制限:上記項目に関する条件や制限(例:支払限度日数)表の右側には評価欄として、自分に不足していると思われる内容をメモできるようにしておきます。この評価内容に基づいて、最新のがん保険の内容と比較しながら、次のステップの追加契約・切替契約を検討することになります。[adsense_middle]がん保険見直しのためのステップ3:追加契約か切替契約かを検討する2つめのステップで自分にとって不足している保障が認識できた後は、3つめのステップで見直し後の保障を検討することになります。自分にとって不足している保障を備えた、現行販売されているがん保険をいくつかピックアップして、追加契約をするのか、新しい保険に全面的に切り替えるのかを考えていきます。では、どのような場合に追加契約をしたほうがよいのか、または切替契約がよいのかを場合分けして確認していきましょう。追加契約が良い場合追加契約が良い場合はどのような場合でしょうか。追加契約ということは、現在加入済みのがん保険を残すということになります。したがって、現在加入済みのがん保険については自分に合っていると評価できるものの、一部保障が足らないという状態です。具体的に考えられるケースは以下のような場合です。がん診断給付金が50万円なので100万円ほど上乗せしたい先進医療の給付金がないので追加したい女性特有がんの場合の上乗せ保障がほしいこうした場合には足らない保障をコンパクトに備えているがん保険を探した上で、追加契約をされるとよいでしょう。持病や病歴がある場合見直しされるときに持病があったり、過去5年以内に病歴がある場合は、現在のがん保険に不足があったとしても切替せずに、追加加入の方向で検討してください。理由はこうした持病や病歴があると、切替や追加を問わず、新規の契約には加入出来ない可能性が高いためです。切替契約が良い場合追加契約以外の場合には、切替契約をお勧めします。特に2つめのステップで、上皮内がんが対象外であったり、保障期間が終身ではなかったり、という場合には現在のがん保険よりも2世代前ぐらいのがん保険で古い型の保険であることが多いためです。ご自身で改めてがん保険に入るとしたらどのような保障が必要だろうかと、イチから考えて切替契約をされるのがよいでしょう。がん保険の見直しのメリット・デメリットここまで見直しの方法(3つのステップ)について確認をしていきましたが、ここからは見直しをすることによるメリットとデメリットについて整理しておきましょう。がん保険の見直しのメリットがん保険の見直しをすることのメリットは大きく2つあります。最新のがん保険の保障内容で見直しができることニーズの変化に合わせて、保障の内容をフィットさせることができること1つ目は、最新のがん保険の保障内容で見直しができることです。保険会社は民間企業ですので、常に加入者のニーズを捉えて絶えず商品開発を行っています。そうした最新のがん保険の保障で見直せるということは、保障内容が充実すると言い換えることができます。2つ目は、ご自身のニーズの変化に合わせて、保障の内容をフィットさせることができるということです。当初は保険料が割安で最低限の保障内容でよいと加入していたがん保険も、加齢とともに手厚いがん保障の必要性を感じるかもしれません。そうしたニーズに合わせることができるのが、がん保険の見直しのメリットです。がん保険の見直しのデメリット一方で、がん保険の見直しをすることのデメリットもあります。追加契約か切替契約かを問わず、基本的には保険料が上がることになります。これは保障を増やす方向の見直しが多くなるので当然といえば当然ですが、見直し後の保険料で今後もきちんと継続できるのかを見極めるのが大切です。見直しをして保障を充実させたのはいいけれど、数カ月後には保険料負担に耐えられなくて、がん保険を解約してしまった、というのでは何のための見直しかがわからなくなってしまいます。また、追加契約の場合ですが、ちょうど足らない分だけの上乗せでの加入というのができにくいことが多くあります。どうしても保障が重複して、必要以上に保障が多くなってしまうということがデメリットとして挙げられます。がん保険の見直しに関するまとめがん保険の見直しについて、その方法を3つのステップに分けて説明をしてきました。まず最初に現在加入のがん保険についてその内容を確認するとともに、自分のニーズに照らして不足している内容を把握します。その上で追加契約をするのがよいのか、切替契約をするのがよいのかを検討した上で、実際の見直しを進めていきましょう。
2019年06月06日「がんは今や珍しい病気ではなくなった」とよく言われます。だからこそ「もし自分ががんになってしまったらどうしよう」と、頭を悩ませてしまう人は多いでしょう。とくに、子を持つパパやママの場合、子どもの将来のことが何よりも気になるだろうと思います。そこで、子育て世代のがん患者を対象にした調査をもとに、親ががんになったときに子どもの教育計画にどう変化が起こったのか見ていきます。■子育て世代がん患者の教育費への影響は?「子育て世代のがん患者における教育費に関する調査」報告書(「一般社団法人キャンサーペアレンツ」と「ライフネット生命保険」共同調査)によると、最初のがん告知を受けたときに不安に感じたこととして、「家族への影響」と答えた人が8割以上となりました。またがんり患による子どもの教育費に影響があると答えた人は、5割強近くとなりました。Q.がんに罹患したことで、子どもの進路など教育計画に影響はあったか?影響があった 22.1%今後影響があると考えている 31.7%影響はなかった 53.5%■収入減でも「教育費は抑えたくない」思いがんにり患したときに、教育費への影響があると答えた人が5割いますが、別の質問では、実際に「教育費を抑えた」と回答したのはわずか2割足らずでした。コメントからも、親たちが教育費を抑えずに、試行錯誤している様子が伝わってきます。「本当は公立に行ってほしかったが、受験対策や入ってからの役員などフォローが難しいと思い、私立の学校を選びました。教育費は抑えられなかった」(46歳女性)「教育費、本当は抑えるべきなんだろうけど、中学受験に向けて必死に頑張っている子どもに、塾を辞めてほしいとは言えなかった」(39歳女性)「子どもたちの教育費用だけは抑えたくなかったので、学費や塾代などは貯蓄から回しました」(45歳女性)また調査によると、がんのステージによって教育費への影響は異なっており、ステージ1の人の場合では、支出を抑えたのは9.7%。一方、ステージがあがってくると、2割を超えるようになります。■「進路への影響」に不安を抱える親たち子どもへの影響を少なくしたいと考える親は多いでしょう。しかし、教育費は子どもを持つ世帯すべてにとって、大きな課題です。調査によると、がん告知後、平均して2割程度、世帯収入が下がるとあります。がんになったことで「子どもの進路などの教育計画に影響があった」という人たちの具体的な声を紹介します。「都立高校を受験させ、予備校も行かせず、学費保険を中途解約して治療費に充てた」(52歳女性)「がんにならなければ、パートから正社員へと考えていた時期でした。手術、抗がん剤治療の期間が長かったため、正社員で働くことは諦めました。子どもの大学進学については、自宅から通える範囲の公立校を目指してもえるようにと話をしました。塾にも通っていません」(41歳女性)さらに、「今後影響があると考えている」人たちからは、次のようなコメントが寄せられました。●塾に入れてあげられない●私立進学は難しい●進学時期の教育費が貯蓄ではまかなえず、体調がどこまで働ける体に戻れるか不安●今後のお金がどれくらいかかるかわからず、子どものための貯蓄ができるか不安「教育費を抑えたくない」という気持ちの一方で、実際には経済的な理由からなかなか思うようにいかないという親の歯がゆさが感じられます。■もし、がんになったときお金は? それでは、がんになった場合、どのような支援を受けて、収入の減少を補えばいいのでしょう。Q.がんにり患したことで、金銭面の支援を受けたものは?※複数回答あり1位 民間の保険会社からの給付金 72.6%2位 親からの金銭的な援助 35.7%3位 傷病手当金 31.4%~以下略~全体の7割の人たちは、民間の保険会社からの給付金を利用し、親(祖父母)からの支援を受けた人も約35%と、2番目に多い結果となりました。保険の給付金というと、「治療費に使う」というように考えてしまいますが、実際には自身や家族の生活水準を保つために使ってもいいものです。例えば、家事代行を頼むために使うなど、使い道の観点を変えてみてもいいかもしれません。■子育て世代ががんと教育費に向き合うにはお金、治療法、家庭内の貯蓄など、情報を知っていることで対応が変わってくることもあります。万が一のときについて、家族や夫婦間でも話しあっておくことだけでも違ってくるのではないでしょうか。たとえば、貯蓄、生活費、保険など、さまざまな観点で家計を見直したり、場合によってはファイナンシャルプランナーに相談してみたり。もし、病気になったときには家族だけで抱え込まずに、祖父母や周りの人たちの力を借りることが大切なのだと、今回の調査結果をみて思いました。もしもがんになって途方に暮れてしまったら、子育て世代のがん患者を支援する団体や仕事面や精神面など、さまざまな支援の窓口があります。ここまで、子育て世代ががんになった場合に教育費とどのように向き合っていくべきか考えてきました。実際に病気と闘いながら子育てをするのは大きな苦労があるのだと身につまされるとともに、今自分にもきっとできることがあるのだと、気づかされます。「もしそうなったらどうするのか」といった不測の事態への対応を考えながらも、日々子どもたちとの生活を大事にしていきたいですね。「子育て世代のがん患者における教育費に関する調査」キャンサーペアレンツの会員(子どもをもつガン患者)398名へのインターネットによる調査(一般社団法人キャンサーペアレンツ×ライフネット生命保険共同調査)<参考>キャンサーペアレンツ:こどもをもつがん患者同士でつながるためのSNS
2019年05月30日無事に出産して退院する当日、医師から「赤ちゃんの心音に雑音が聞こえる」と言われ、まったく予想していなかったできごとに戸惑いました。検査や経過観察をした結果は……? 幸せの絶頂から一気に不安へわが子が生まれて、母子ともに経過良好で順調な入院生活を送っていたのですが、いざ退院の日。最後の回診で医師から「赤ちゃんの心音に少し雑音が聞こえるから病院を紹介しますね」と言われました。 「心雑音てどういうこと? 心臓の病気? この子に何かあったら……」と不安に押しつぶされそうで頭が真っ白になりました。 現時点で考えられること紹介された病院で検査をしなくてはわからないと知りつつも、「どのようなことが考えられますか?」と質問をしました。すると医師は「理由はさまざまだけど、検査をしてなんともなかったってこともよくあることだよ」とおっしゃっていました。 検査をしないことには結果は分からないけど、私は少し希望を持てたことにほっとして、張り詰めていた糸が切れるように涙が溢れました。 心電図、超音波検査をした結果…退院して間もなく、紹介された病院で検査をしたところ「肺動脈弁狭窄症」と診断されました。肺動脈弁狭窄症とは肺動脈の弁が通常より狭く、血液を送るポンプの働きをする右心室に負担がかかるため、狭さの程度により運動制限や手術が必要になるとのことでした。 そして、血流の速さ、右心室に加わる圧負荷を数字で説明され、わが子の場合は軽症で運動制限もなく、定期的に検査をして経過をみましょうということになりました。 経過と現在の様子医師から「体が大きくなるにつれて弁が広がることもあります」と言われていたとおり、生後3カ月の健診で少し弁が広がる変化がありました。現在は年に1度検診を受けており、このまま悪くなることも良くなることもないと言われています。 「肺動脈弁狭窄症」は完治することはないため、病名はずっとついてしまうとのことでした。しかし、現在小学生になったわが子は運動会で毎年リレーの選手に選ばれる、そこそこのスポーツマンです。運動制限なしと言われても心配というのが本音ですが、その心配がわが子の邪魔になってしまわぬよう、大好きな運動を全力で応援していきたいと思っています。著者:高橋四葉四児の母。自然分娩二回、帝王切開二回を経験。現在子育てに奮闘しながら自身の体験をもとにした記事を執筆中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月17日保険会社のCMなどで「2人に1人ががんになる時代です」という話を聞いたことをある人もいらっしゃると思いますが、若いのであまり自分には関係ないと思う人も少なくないのではないでしょうか。 しかし、ママ世代にも重なる30代~40代は男性より女性のほうが、がんになる人数が多いため、できることから対策が必要になる時期でもあります。そのため、がんの基礎知識と対策としての予防、検診、保険についてお伝えします。 1.がんの基礎知識がんは遺伝子に傷がついてできた異常な細胞が増殖することで起こり、進行すると生命に重大な影響を与える病気です。一部のがんを除いて発生の原因が分かっていません。その他の病気は原因や治療法が確立されているものも多いため、一生のうち、がんと診断される人が多いのが実情です。 『公益財団法人がん研究振興財団のがんの統計‘18』によると、2014年データを基準とすると日本人男性の61.9%、女性の46.5%が一生のうち一度はがんと診断されるようです。しかし、かつては不治の病とされていたがんも医療の進展に伴い、早期発見すれば治る病気になりつつあります。そのためにも、予防・検査・保険での対策が必要となります。予防・検査については専門外となりますが、一般的な内容をお伝えします。 2.予防・検診は日々の習慣からがんは発生原因が分かっているものが少ないため、完全な予防というものはありませんが、生活習慣によって発生確率を下げることはできるようです。国立がん研究センターによると「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動(運動)」「適正体重の維持」を習慣にしている人としていない人では、男性で43%、女性で37%がんのリスクが低くなったとのことです。また、がんの発生の原因として分かっているピロリ菌(胃がん)や肝炎ウイルス(肝臓がん)などは、検査によって判明し、治療で除去できる場合も増えていますので、健康診断・人間ドック等での検査をおすすめします。 また、がん検診は初期の場合はほとんど自覚症状がないため、定期的に行うことが大切です。勤務先やお住まいの自治体、扶養されている場合は加入している健康保険組合等から検診の案内もあると思いますが、できる限り受診するようにしましょう。 厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」では、子宮頸がん検診は20歳以上を対象に2年に1回、乳がん検診は40歳以上を対象に2年に1回、胃がん検診は50歳以上を対象に2年に1回(※当分の間、胃部X線検査は40歳以上、1年に1度の実施も可)と定めています。 子育てや日々の生活でお忙しいと思いますが、がんが重症化すると治療のためにそれ以上の負担や時間がかかる可能性が高いので、検診を習慣化するとよいと思われます。 3.がん保険は治療の選択肢や経済的負担を軽減がんになった場合は治療が必要ですが、多くの場合は健康保険での治療が可能です。標準治療と呼ばれる「手術」「抗がん剤」「放射線」であれば、健康保険が適用され、高額療養費も対象となれば治療費の自己負担も多額にはなりません。しかし、入院中の生活費や収入減少の補てん、家事の代行には費用がかかるので、貯蓄か保険でカバーする必要があります。 また、健康保険の対象とならない先進医療や自由診療を選択する場合には、治療費用が数十万円~数百万円かかることもあるので、これも貯蓄か保険でカバーできればより安心です。そのため、十分な貯蓄がない場合にはがん保険の加入を検討されるとよいでしょう。 がん保険は保険会社や商品によって異なりますが、多くの場合、①入院や手術、抗がん剤や放射線治療などの治療ごとに保険金が受け取れるもの、②がんと診断された際に一時金としてまとまった保険金が受け取れるものがあります。保険料は内容や年齢、性別によって異なりますが、月額千円台~数千円程度で加入できるものがほとんどですので、家計がやりくりできる範囲でがん保険を検討してみましょう。 がん保険に限らず、ほとんどの民間の保険は健康のうちでなければ、加入が難しかったり、対象となる病気が制限されたりしますが、がん保険はがんに関連のない病気であれば加入に支障はありませんが、がんに関連する病気がある場合は加入そのものができないことがほとんどですし、一生涯使う可能性のある保険ですので、加入は早めのほうがよいと思われます。 日々の生活で重い病気を意識する人は多くないと思いますが、がんになる可能性で言えば女性でも約半数はかかる病気です。予防、検診、保険と今からできる準備をする機会にしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年05月14日がん検診といったら、なんでも受ければよしというものではない。がん検査にも「適齢期」があり、高齢になるとがんを早期発見する利益より、検査を受けることの不利益が大きくなってしまうことも――。「自治体の検診は無意味ではありません。ただ、そもそも検診は『スクリーニング検査』といって健康な人のなかから、がんが疑われる人を一定数すくいあげ、ふるいにかけるというのが本来の狙い。ですから100%もれなく拾い上げるわけではありません。それを承知したうえで、がん検診を受けることの利益と不利益を確認しておくこと。体への負担といった不利益のほうが大きくなる検査は、あえて受けない選択肢もあります」そう語るのは国立がん研究センター検診研究部部長・中山富雄氏。では、私たちは何を目安に検査を選択すればよいのだろう?そこで参考になるのが、厚労省が取りまとめた「受けたほうがいい」「受けなくていい」検診のガイドラインである。がん検診に適すると評価されている胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がんについて、中山氏を代表とする厚労省の「有効性評価に基づくがん検診ガイドライン」作成チームが、慎重に検討を重ねたうえで、対象者の適正年齢、推奨グレード(A~D、科学的根拠を検討中のI)、そして、受けることによる利益と不利益を定めたものである。「このガイドラインはなんでもかんでも受ければよし、とする風潮のがん検診にブレーキをかける意義もあります」(中山氏)A、Bはおおむね同じ評価で、有効性が高い。Cは受ける利益もあるがそれと同程度の不利益もある。Dは受ける利益がないと評価された検査。Iの評価となっている検査については科学的評価が定まっておらず、今後ランクアップしてAになる可能性もありえるものだ。中山氏とともに、ここでは「胃がん」「大腸がん」の検査を見ていこう。【胃がん】X線検査は、おおむね効果があると認められている。日本では胃がん罹患者じたいが減少しており、家族に胃がんの罹患者がいない人は2年に1度を推奨。対象年齢は、かつては40歳以上を対象としていたが、ピロリ菌感染者の減少により罹患者が急に減っていることから、50歳以上に引き上げられている。ただ、高齢者になると話は変わってくる。「内視鏡はやめておきませんか?」「年をとったら受けられないのか!」昨今、医師と80歳以上の高齢者との間でこんな侃々諤々の問答が繰り広げられているという。実は、がん検査にも「適齢期」があり、高齢になるとがんを早期発見する利益より、検査を受けることの不利益が大きくなってしまうのだ。具体的に高齢になるとどんな不利益があるのか。「まずX線検査は、事前にバリウムを大量に飲むことで、便秘や腸閉塞などのリスクが高くなります。誤嚥や腸閉塞、腸に穴が開くといった合併症が起こる可能性があります。内視鏡検査については、80歳以上になると、胃の粘膜が薄くなり、そこに空気で無理やりに膨らませると、胃壁に穴が開いて、緊急手術という例もあります」(中山氏)そのことから、最近は独自に上限について定める自治体も登場。長野県伊那市では’14年度から、愛知県田原市では’16年から、胃がんのX検査の対象年齢を79歳までと定めた。実は年齢の上限がないのは、先進国では日本とドイツだけ。日本でもガイドライン作成チームが、がん検診を受ける年齢に上限を設ける方向で検討中だという。【大腸がん】便潜血検査は、すべてのがん検査のなかで、唯一推奨グレードAだ。いわゆる「検便」で、採取するだけで済む、極めて体への負担が少ない検査で、年1回の検査が推奨されている。だが、内視鏡検査などは、「やはり80歳を超えると、検査のダメージも懸念されます」(中山氏)。「腸壁が薄くなっていることから内視鏡検査で腸に穴が開いたり、傷ができたりすることのリスクがあります。また下剤を2リットル飲むのは若い人でも負担が大きい。さらに、下剤を飲むことは高齢の方にはかなり危険を伴います。下剤が利きすぎて、脱水症を起こして倒れたり、脳梗塞を引き起こして、健康だった人が寝たきりになってしまうケースもあります」唯一推奨Aの検便も、高齢になると考えてほしいと中山氏は語る。「受けて異常が見つかってしまうと、次のステップに進むか否かが問題になりますので、この年代であれば、急いでがんを発見して治療をせずとも、症状が出てから治療を検討するほうが賢明だと思います。大腸ポリープで命を落とす可能性は5年先、10年先といわれます。ですから、仮に85歳で発見しても、5年間でほかの不調の出る可能性もあるので、急いでポリープを見つける有効性はないという考え方もできます。便潜血検査も、慎重に検討すべきかもしれません」アメリカでは大腸内視鏡検査は10年に1度を推奨しており、高齢になっても毎年人間ドックで受けているという人は、見直してもいいかもしれない。
2019年03月27日テレビでおなじみ 池袋大谷クリニック院長・大谷義夫氏3月5日、声を出して文章を読む音読で肺やのどを鍛え、声を若返らせ、嚥下力(飲み込む力)を向上させようという新刊『医師が教える「1日3分音読」で若くなる!』が発売された。著者は池袋大谷クリニック院長で呼吸器が専門の大谷義夫氏である。四六判並製で184ページ、さくら舎より1,400円(税別)の価格で発売中である。音読は手軽なのどと肺の筋トレ2009年に池袋大谷クリニックを開院した大谷義夫氏は、日本呼吸器学会専門医であり、「名医のTHE太鼓判!」や「スッキリ」、「ビビット」など多数のテレビ番組に出演し、『長引くセキはカゼではない』『長生きしたければのどを鍛えなさい』などの著作もある。外見は加齢とともに変化していくが、声にも変化が現れ、声の老化「声老け」が起きることになる。声の老化はのどや肺の老化と関係があり、のどや肺の衰えは発声だけでなく、物を飲み込む嚥下でもほぼ同じ筋肉が使われているため、誤嚥性肺炎を招くリスクを高めてしまう。新刊では手軽に行える音読によるのどや肺の筋トレを掲載。1回1分の音読を朝昼晩3回行うことで、若さと健康をもたらすとしている。音読テキストは、日本の名作や古典などから20本が収録されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※医師が教える「1日3分音読」で若くなる! - さくら舎 - 千鳥ヶ淵の新しい出版社
2019年03月12日「がん患者の登録が’16年に施行されて初めて全数調査。これまでよりも正確で詳細ながん患者の実態分析が可能です。ランキングに一喜一憂することなく、この調査結果から浮かび上がる、がん予防のヒントを見つけ出すことが重要です」そう語るのは、国立がん研究センター「全国がん登録」室長の松田智大医師。厚生労働省が1月17日に公表した「’16年がん患者数」は、すべてのがん患者を追跡する「全国がん登録」のデータを初めて集計・分析したもの。この調査結果で見えてくるのが「女性のがんが少ない県」である。「全国がん登録」に調査に関わっている松田先生が続ける。「がんのリスクを減らし、かつ科学的根拠が示されている健康習慣は『禁煙、節酒、食生活、身体運動、適正体重の維持』の5つ。これらに加えて“がんになりにくい地域”には、それなりの食生活や生活習慣が隠されているのです」女性のがんが少ない都道府県ランキングトップ10は次のとおり(人口10万人あたりのがん罹患者数)。【第1位】愛知県・321.9人【第2位】山口県・327.2人【第3位】群馬県・328.3人【第4位】山形県・330.9人【第5位】岡山県・331.2人【第6位】長野県・331.4人【第7位】沖縄県・332.7人【第8位】栃木県・333.8人【第9位】静岡県・335.0人【第10位】島根県・336.8人※厚生労働省「がん登録2016年速報」より作成この“がんにならない県” ランキングで第1位になった愛知県にはどんな秘密があるのだろう。愛知県がんセンター研究所の松尾恵太郎医師が語る。「愛知県の女性の場合、がんのリスクを上げる喫煙率や飲酒率では、全国平均を大きく下回っています。また、肥満が比較的少ないのも重要なこと。厚生労働省の調査でも肥満率は全国の平均より下にあります。また、年間のスポーツ行動者率は全国6位。つまり体を動かす習慣を持つ人も多いのです。さらに県内の女性に、がんが少ない要因は、乳がんになる人が少ないことです」たしかに「全国がん登録」の最新のデータによると、愛知県女性の乳がんの罹患率は7.5%(’16年累積罹患率10万人あたり)で全国トップ3に入る低さ。愛知県が乳がんの罹患を抑えている背景とは?松尾先生が分析する。「乳がんは、乳腺が女性ホルモンにさらされ続けることによって発症リスクが上がります。妊娠中は分泌が止まるため、女性ホルモンにさらされない期間が生じます。そんな機会が多い方が、乳がんの罹患リスクを下げます。実は愛知県は人口が多い割に婚姻率が高く、また若くして結婚している女性が多いのが特徴。妊娠回数も多いことが予想され、乳がんの罹患率を下げることに寄与している可能性もあります」愛知県の婚姻率は全国3位(’16年総務省統計局調べ)。ちなみに「女性のがんが少ない県」第2位、山口県の女性の平均結婚年齢は28.6歳(’15年人口動態統計)。日本でもっとも早婚の県のひとつである。愛知県の県庁所在地・名古屋市では、喫茶店文化が花開いていることで知られている。名古屋市の喫茶代は1世帯あたり年間1万2,945円(’14~’16年平均、総務省調査)と全国2位だ。名古屋学芸大学健康・栄養研究所の下方浩史所長は次のように語る。「そんな喫茶店の多くで提供されるのはボリュームたっぷりのモーニングサービス。その背景には、愛知県民に朝食をしっかり取る習慣が根づいていることがあるでしょう。朝から良質なタンパク質などをしっかり食べれば、体内時計が整います。体内時計が正しく動くことは、がんの増殖を抑える効果があるともいわれているのです。喫茶店は、愛知県に住む女性たちにとっての社交場。友人とのおしゃべりは、がんの発症要因と考えられるストレスの発散にも。また大いに笑う楽しい会話は免疫力を高め、がん細胞を消滅させるナチュラルキラー細胞を増やしてくれるのです」また、愛知県といえば、トヨタを筆頭に、デンソー、ブラザー工業など大企業が多い。そんな企業の福利厚生が、がんになりにくい県をつくっていると、下方所長。「従業員ばかりではなく、家族の健康にも配慮する、古きよき日本の文化が残っている企業が多く、主婦の健診や人間ドックの補助金が出ることも。そのように健康を意識する機会が増えれば、食生活や生活を変えるきっかけにもなるでしょう」(下方所長)
2019年02月01日厚労省が新たに発表したがん罹患率の調査結果は、これまでのものよりさらに正確な数字だといわれるが、がん患者が少ない地域の“生活スタイル”をのぞいてみると驚きの共通点が見えてきた――。「がん患者の登録が’16年に施行されて初めて全数調査。これまでよりも正確で詳細ながん患者の実態分析が可能です。ランキングに一喜一憂することなく、この調査結果から浮かび上がる、がん予防のヒントを見つけ出すことが重要です」そう語るのは、国立がん研究センター「全国がん登録」室長の松田智大医師。厚生労働省が1月17日に公表した「’16年がん患者数」は、すべてのがん患者を追跡する「全国がん登録」のデータを初めて集計・分析したもの。この調査結果で見えてくるのが「女性のがんが少ない県」である。「全国がん登録」に調査に関わっている松田先生が続ける。「がんのリスクを減らし、かつ科学的根拠が示されている健康習慣は『禁煙、節酒、食生活、身体運動、適正体重の維持』の5つ。これらに加えて“がんになりにくい地域”には、それなりの食生活や生活習慣が隠されているのです」女性のがんが少ない都道府県ランキングトップ10は次のとおり(人口10万人あたりのがん罹患者数)。【第1位】愛知県・321.9人【第2位】山口県・327.2人【第3位】群馬県・328.3人【第4位】山形県・330.9人【第5位】岡山県・331.2人【第6位】長野県・331.4人【第7位】沖縄県・332.7人【第8位】栃木県・333.8人【第9位】静岡県・335.0人【第10位】島根県・336.8人※厚生労働省「がん登録2016年速報」より作成この“がんにならない県”ランキングで第1位になった愛知県にはどんな秘密があるのだろう。そして、上位に入っている県にはどんな共通点があるのだろうか?愛知県がんセンター研究所の松尾恵太郎医師が語る。「愛知県の女性の場合、がんのリスクを上げる喫煙率や飲酒率では、全国平均を大きく下回っています。また、肥満が比較的少ないのも重要なこと。厚生労働省の調査でも肥満率は全国の平均より下にあります。また、年間のスポーツ行動者率は全国6位。つまり体を動かす習慣を持つ人も多いのです」また、愛知県といえば八丁味噌や三河味噌などの豆味噌が食卓を彩ることが多いが……。「愛知県民は味噌汁以外だけでなく味噌カツや味噌煮込みうどん、どて煮など調味料として豆味噌を多用していることは重要なポイントです。蒸した大豆を味噌玉にして、こうじに仕込んでつくる豆味噌には、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが豊富。それが乳がんの発症を防ぐ効果があると考えられています」(松尾先生)発酵食品である豆味噌の抗酸化力に注目しているのが、椙山女学園大学の江崎秀男教授(管理栄養学)。「2年以上熟成させる豆味噌には褐色の色素『メラノイジン』が多く含まれ、米味噌や麦味噌と比較しても抗酸化作用が強いのが特徴。体を酸化させて細胞や遺伝子を傷つけてがんを発生させる、活性酸素を除去する働きがあるのです。また『メラノイジン』には、糖尿病を予防する機能も。がんの発症リスクを2~3割上げるといわれるのが糖尿病です。実は愛知県は、糖尿病による死亡率がもっとも低い県です」豆味噌だけではない。愛知県では、生産量の多い酢、みりん、醤油などバラエティ豊かな発酵食品がそろっていることも忘れてはならない。発酵食品といえば「女性のがんが少ない県」で第3位に入っている群馬県は「乳酸菌飲料」の年間消費額が全国平均の2倍近くで、全国トップクラス。腸内環境を整え、免疫力を高める効果がある発酵ライフも大切なようだ。愛知県の年間日照時間は2168時間(総務省統計局調べ)で全国第2位。この日照時間の長さとがんとの関係に注目しているのは、名古屋学芸大学健康・栄養研究所の下方浩史所長だ。「愛知県が、全国でも有数の日照時間が長い地域であることはあまり知られていません。日光を浴びると体内でビタミンDが生成されます。食物から摂取するよりも、日を浴びるだけで効果的にビタミンDが活性化されます。骨格の形成に関与することがわかっているビタミンDですが、最近では免疫機能を高め、肝臓がん、肺がん、乳がんなどの予防効果があることもわかっています」ちなみに、群馬県も1年間の快晴日数46日で全国2位と、共通している部分といえる。がんの予防には、野菜の多い食生活が欠かせないが、実は愛知県は、カゴメの調査によると1人あたりの1日の野菜平均摂取量は99.5グラムで全国ワーストだ。「愛知では共働きで働いている人が多いこともあり、お総菜を買って食べたり、外食の機会が多かったりすることで、野菜の摂取量が低いのかもしれません。しかし、トマトやキャベツなどの日本有数の産地である濃尾平野があり、親戚や知人には農業関係者がいる人も。そこから新鮮な野菜をもらうなど、統計には出てこない“摂取量”もあるはずです。海に面した愛知は新鮮な魚介類や海藻なども豊富。そんな豊かな食の環境もがんの発症を抑えていると考えています」(江崎教授)農業王国の群馬県の野菜産出額は愛知県に次ぐ第6位。ふぐで有名な下関で知られる山口県は、豊かな海に囲まれている。ここにもなにかしらのヒントがありそうだ。最後に、松尾先生が言う。「日本人の2人に1人がなるがんは、私たちにとって身近な病気です。がんのリスクを下げる生活習慣や食などを複合的に、そして地道な取り組みをコツコツ積み重ねることが近道なのです」
2019年02月01日がん保険と医療保険はどちらを選ぶのが良いのでしょうか?あるいはどちらを優先して先に加入するのが良いのでしょうか?すでに医療保険に加入している人はがん保険は不要なのでしょうか?または、がん保険と医療保険の両方に加入していて、重複した保障で無駄になっていないかどうかを確認したいという方もいるかもしれません。今回はがん保険と医療保険の共通点や相違点、そしてどちらを選ぶのが良いのかをわかりやすく説明していきたいと思います。がん保険と医療保険の共通点がん保険と医療保険の共通点を確認していくために、それぞれの基本的な仕組みを理解しましょう。がん保険の仕組みまず、がん保険の基本的な仕組みを確認しましょう。がん保険には、通常以下のような保障があります。がんと診断された場合の保障(1回のみ100万円など)がんで入院・通院した場合の保障(1日につき1万円など)がんで手術した場合の保障(1回につき10万円など)がんで特定の治療をした場合の保障(1回につき20万円など)がん保険の仕組みについては詳細を別の記事で説明していますので参考にしていください。医療保険の仕組み次に医療保険の基本的な仕組みを確認しましょう。医療保険は、以下のような保障が基本となっています。病気やケガで入院・通院した場合の保障(1日につき5千円など)病気やケガで手術した場合の保障(1回につき15万円など)特定の病気で治療した場合の保障(1回につき20万円など)現在の医療保険には多種多様な保障内容があるようにみえますが、突き詰めると上記の基本的な保障にまとめることができます。がん保険と医療保険との類似点両保険の基本的な仕組みを確認したところで、類似点を整理していきましょう。両保険とも入院・通院・手術・特定の治療といった場合に給付金が支払われる、という点です。類似点:入院・通院・手術・特定の治療で場合に給付金が受け取れる点がん保険と医療保険の相違点それでは逆に相違点を確認していきましょう。がん保険と医療保険のどちらを選ぶのが良いのかを考える際に最も参考になるのが、この相違点となります。異なる保障範囲医療保険は、視力回復手術(レーシック)などの一部を除いて、ほとんどの病気やケガという幅広い対象を保障するのが特徴です。これに対してがん保険は、がんに特化した保障範囲です。医療保険は保障する範囲が広く、がん保険はがんのみで保障範囲が狭い、というのが一つ目の相違点です。相違点1:医療保険は保障範囲が広く、がん保険はがんのみの保障範囲である点手厚いがん保障医療保険は幅広い病気やケガを保障範囲とする反面、保障額は入院や通院で1日につき3千円からせいぜい1万5千円までが限度です。また手術も1回につき5万円から40万円となっています。これに対して、がん保険はがんのみを保障範囲としますが、医療保険と比べて手厚い保障となっています。なかでも特徴的なのが、がんと診断された場合に支払われる「診断給付金(診断一時金などの別名もあり)」です。この診断給付金は1回だけの支払いである保障がほとんどですが、その1回の支払額は100万円から300万円となり、手厚い保障金額となっています。相違点2:がん保険独自の手厚い保障がある点なお診断給付金については詳細を別記事に記載していますので参考にしてください。がん保険には免責期間があるがん保険に加入した後の3ヶ月間(90日間)は免責期間といい、がん保険の保障が開始されません。なぜ免責期間があるのかというと、がんは自覚症状がある場合が考えられるからです。がんかもしれないと疑いを持った方が、まずがん保険に加入してから次に病院に行ってがんの診断を受けて、すぐに給付金の支払いを受ける、ということが出来てしまいますこうしたことを避けるため、がん保険には3ヶ月間という給付金が支払われない期間があるのです。医療保険にはこうした免責期間がありません。相違点3:がん保険には免責期間90日間がある点なお、免責期間については詳細を別記事に記載していますので参考にしてください。がん保険と医療保険をどちらを選べばよいのかここまでがん保険と医療保険の類似点と相違点について確認をしてきました。それでは次にがん保険と医療保険ではどちらを優先すればよいのか、あるいはどのような組み合わせやセットで加入したほうが良いのか、についてケース別に説明をしていきましょう。どちらにも加入していないケースがん保険と医療保険のどちらかに加入したい、あるいは先にどちらかに加入したいという場合を考えてみましょう。これまで整理してきた通り、あなた自身がどんな保障が欲しいかということがまず最初に重要です。病気やケガの幅広い保障が欲しいということでしたら医療保険を優先して検討しましょう。やはりがんになった時の保障を最初に手当てしておきたいということでしたらがん保険です。次に重要なのはがん保険や医療保険に加入する本来の目的です。病気・ケガ、がんになった時の治療費や急な出費に備えるのが、がん保険・医療保険の目的です。自分の貯蓄などで手当てできない部分を保険で補完するという考え方で、必要ながん保険や医療保険を検討されることをお勧めします。なお、がん保険の具体的な選び方については別の記事で詳しく紹介しましたので、参考にしてください。既に医療保険に加入しているケース次に医療保険に既に加入済みである場合に、どのようながん保険を検討したらよいのかを考えていきましょう。がんを含めた病気やケガの保障は医療保険で手当てされています。そうすると、あえてがん保険の加入を考えるのであれば、がん保険にしかない保障を中心に加入を考えたほうがよいということになります。がん保険独自の保障ということで先ほどご説明したのが、診断給付金などといわれる一時金の保障です。特に一時金だけ欲しいという方は、ネットライフ生命のダブルエールのように診断給付金だけに絞り込んだ商品もありますので参考にしてください。がん保険にのみ加入しているケースがん保険にすでに加入している場合は、がん以外の病気やケガでの保障がどれぐらい必要かを検討したうえで、医療保険の加入を検討しましょう。特に公的医療制度の自己負担3割が適用されず、治療費の全額が自己負担となってしまう先進医療を対象とした医療保険もあります。がん保険も医療保険も両方加入しているケースがん保険と医療保険に両方加入している場合には、両方の保険で重複している保障がないかを念のため確認しておきましょう。例えば医療保険の特約(追加保障)にがんの保障がついているのに、別にがん保険に加入している、といった事例などもありますので注意してください。がん保険と医療保険の比較まとめがん保険と医療保険ではどちらを選ぶのがよいのか、あるいは優先して加入すべきなのはどちらなのかを考えるために、両保険の類似点と相違点を整理しました。類似点:がん、病気・ケガになった場合の入院・手術・通院などの給付金があることです。相違点:医療保険が幅広く病気・ケガを保障しているのに対して、がん保険はがんのみに重点を絞って手厚い保障になっていることです。なお、がん保険には免責期間という当初3か月は保障対象外の期間があるので注意してください。がん保険と医療保険の選び方ですが、がん保険についてはがん診断給付金の一時金といった独自の手厚い保障を中心に検討しましょう。医療保険は幅広い保障であることから、がん保険との重複に気を付けて加入を検討しましょう。
2019年01月29日「免責期間なし」というがん保険をご存知でしょうか?そもそもがん保険でよく聞く「免責期間」とはどういう内容でしょうか?また、「免責期間なし」の商品と「免責期間」のある商品とではどのような違いがあるのでしょうか?今回は、通常のがん保険にある「免責期間」と、逆に「免責期間なし」の商品についてわかりやすく説明していきたいと思います。免責期間とは?まず、がん保険にある「免責期間」とは一体どういう内容でしょうか?免責とは責任を免れる、ということですが、誰の責任かというと保険会社の責任です。保険会社が保険金・給付金を支払うという責任から免れる期間、というのが「免責期間」ということになります。保険の責任開始の考え方「免責期間」を考える前に、まず保険会社が責任を持つ、ということについて確認していきましょう。保険に加入すると、具体的に保険会社はいつから保険金・給付金の支払いに責任を持ってくれるのでしょうか?保険会社が保険金・給付金に責任を持ち始めるタイミングを責任開始(日)といいます。がん保険であれば、がんに罹患した場合や治療になった場合に、商品内容で約束した給付金を支払う責任が開始される日のことです。がん保険以外の保険であれば、次の3つが揃った日から責任開始となります。保険の申込健康状態の告知(または医師による診査)第一回保険料の払込通常の保険であれば、上記の3つが揃って、保険会社が責任を開始するのですが、がん保険に免責期間があるということは、この責任開始のタイミングが、がん保険では他の保険と異なる(遅くなる)ということになるのです。免責期間の内容ではがん保険の「免責期間」はどれぐらいの長さなのでしょうか?実はがん保険の「免責期間」は90日間となっています。責任開始の3つ(申込、告知・診査、保険料払込)が揃ったとしても、そこから90日は免責期間として保障は開始されません。このため免責期間のことを保障が開始されるまで待つ期間という意味で、待機期間と呼ぶこともあります。万が一、この免責期間(待機期間)中にがんに罹患した場合はどうなるのでしょうか?保険契約は無かったこととなり、支払った保険料が返還されることになります。もちろん、がんと診断されていたとしても、そのがん保険から給付金は支払われません。「免責期間」がある理由なぜがん保険には、こうした「免責期間」が設定されているのでしょうか?がん保険には「免責期間」があるのに、その他の保険にはなぜ「免責期間」がないのでしょうか?その理由を考えてみましょう。実はがん保険は、「がんに罹患したかもしれない」という自覚症状がある方が加入することを排除しきれない、という宿命があります。どういうことなのか、具体例で説明しましょう。例えば乳房にしこりのようなものがある、と気づいた女性がいたとしましょう。健康診断や病院の検査に行く前に、がん保険に加入をします。保険会社の責任が開始する3つの条件として、申込、告知・診査、保険料払込をご紹介しましたが、がん保険の加入の際は、ほとんどが医師による診査はなく、加入するご自身の健康状態を告知することになります。この時には、健康診断も病院の検査も受けていませんので、告知は問題なく、保険に加入することが出来るのです。そしてがん保険の加入の後に、病院の検査を受けて、乳がんと診断されると、入ったばかりのがん保険から一時金などの給付金が支払われることになります。金額だけで考えるならば、数千円から1万円程度の保険料を払って、100万円〜300万円の一時金を受け取ることが可能となってしまいます。こうした、いわば一時金の受け取りを目的として保険に入ってくることを避けるために、90日間という「免責期間」を設けて、保険加入者の人達の公平性を保つようにしているのです。仮にがんの自覚症状がある方が加入したとしても、病院にも行かずに我慢し続けることは出来ない期間を考慮して90日間が設定されていると言われています。「免責期間なし」のがん保険とは?がん保険になぜ「免責期間」があるのか、その理由を確認してきました。では逆に「免責期間なし」のがん保険はあるのでしょうか?実は数が少ないながらも、「免責期間なし」のがん保険は存在します。それでは次に「免責期間なし」のがん保険を紹介しましょう。一時金の保障を除外した商品内容「免責期間なし」のがん保険「アクサ生命の「治療保障」のがん保険」です。さっそく具体的な商品内容を確認しましょう。<アクサの「治療保障」のがん保険>基本給付金額 :10万円保険期間:10年保険料払込期間:10年上記の商品内容の通り、「免責期間なし」商品の特徴は、一時金としての保険金・給付金がなく、手術などの比較的少額の給付金に絞られていることです。これは、さきほど確認した「免責期間」を設けている理由と整合がとれています。100万円を超えるような一時金の給付金がないことで、自覚症状のある方が申し込みの手間をかけて、かつ保険料まで払い込んで加入してくる動機を減らせることが出来るからです。では、こうしたがんと診断された場合に給付される一時金は必要なのでしょうか?結論からいうと、こうしたがん保険の一時金こそ、がん保険を他の保険と区別する特徴と言うことができます。(注)「免責期間なし」のがん保険を検討する際には、こうした一時金の有無について十分に理解することが前提となります。まとめ「免責期間なし」のがん保険について確認をしてきました。そもそも「免責期間」がある理由は、がんの罹患について自覚症状を伏せたまま、がん保険に加入することが出来るため、そうした方が有利に保険金支払いを受けてしまうためです。こうした事態を避けて、保険に加入する人達の公平性を保つために、保険に加入してから90日間はがんに罹患しても保険金や給付金の支払いがないという「免責期間」を設けているのです。「免責期間なし」という商品もありますが、そうした商品には、がんと診断された場合の一時金給付がありません。100万円単位となる一時金がなければ、自覚症状を伏せてまで保険に加入されるリスクを減らせることになるからです。「免責期間なし」で診断一時金もない商品がよいのか、「免責期間」があるものの診断一時金がある商品がよいのかは、ご自身の目的と照らし合わせて慎重に検討されることが大切です。
2019年01月15日「がん保険」には「何歳から」加入すると良いのでしょうか?できる限り若いうちから加入した方が良いのでしょうか?それとも若いうちにはがん保険に加入する必要はないのでしょうか?今回は、がんの罹患率とがん保険の商品の仕組みから、がん保険に加入する時期ついて確認をしていきたいと思います。がん保険って何?という方はまずこちらをご覧ください。そもそも、がん保険は何歳から加入できるの?がん保険には何歳から加入すると良いのかを考える前に、そもそもがん保険には何歳から加入できるのでしょうか?人気のがん保険といわれる5商品(注)の加入できる年齢(契約年齢範囲)を確認してみましょう。会社・商品によって違いがありますが、概ね20歳以上から50歳まではほとんどの方が加入対象年齢であることがわかります。がんの罹患率から加入時期を考えよう!がん保険には何歳から加入するのが良いのかを考えるには、何歳からがんに備えればいいのかを考えればいいことになります。「がんの備え=がん保険への加入」と言い換えることもできます。がんに対する備えが必要な年齢=がん保険の加入を検討する年齢何歳くらいからがんになる可能性が高まる?それでは、何歳くらいからがんになる可能性が高まるのでしょうか?統計データを基に、年齢とがんに罹患する関係を確認していきましょう。まず年齢の推移によるがん罹患率の変化を確認してみましょう。下のグラフは国立がん研究センター「がん登録・統計」にて掲載されている統計情報で、全てのがんに対する年齢別の罹患率(2014年)が線グラフで表示されています。グラフをご覧いただいた通り、男女ともに50歳代くらいから罹患率が増加し、高齢になるほど罹患率は高くなっていくことがわかります。特徴的なのは、30歳代後半から40歳代にかけては、女性の方が男性より罹患率がやや高くなっていることです。逆に60歳代以降になりますと、男性の方が女性より顕著に罹患率が高くなっていきます。生涯でがんに罹患する確率はどれくらい?次の統計情報をご紹介しましょう。下の表は、がんの累積罹患リスクというもので、ある年齢までにある病気に罹患する(その病気と診断される)おおよその確率を表したものです。生涯でがんに罹患する確率と言い換えることができます。上の表からどのようなことが読み取れるか確認していきましょう。まず、生涯でがんに罹患する確率は、男性62%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)ということです。最初の線グラフでは、30歳代や40歳代であれば、がんの罹患率は高くないから安心と思われた方もいらっしゃると思います。しかしながらこちらの表であらためて確認出来ることは、生涯でがんに罹患するリスクが2人に1人という事実です。また女性にとっては、乳がん(11人に1人)、子宮がん(33人に1人)というデータもがんへの備えが必要だと理解できる参考情報になるのではないでしょうか。以上のとおり統計情報からわかることは、がんの罹患率は50歳代から上昇し、生涯にがんに罹患するのが2人に1人であるという事実です。こうしたことから実際にがんに備えるためには50歳より以前にがん保険に加入することを検討しておいた方が良い、ということができるのです。がん保険の仕組みから加入時期を考えよう!さきほどまでは、がんの罹患率といったデータから、がん保険にはがんの罹患率が高まる50歳代よりも以前に加入した方が良い、ということが確認できました。ここからは、がん保険の商品の仕組みから、がん保険に加入した方が良い年齢があるのかどうかを検討していきたいと思います。若い時の方が保険料が安いがん保険の商品の特徴・仕組みから、がん保険に何歳で加入したほうがよい、ということは言えるのでしょうか?昨今のがん保険は、終身タイプの商品が数多く販売されています。終身タイプの商品は、保険期間が終身(一生涯)であるとともに、あなたが支払う保険料も終身払い続けるという仕組みになっています。こうすることで毎月・毎年の保険料負担が一定で変わることはありません。ここで注目いただきたいのは、この終身タイプでの保険料は年齢ごとに、どの程度差があるのかということです。保険は原則として、同じ保障であれば加入する年齢が高ければ高いほど保険料は高くなります。具体的な商品を挙げて年齢別の保険料を比較してみよう!紹介するのは女性向けがん保険(※)で人気のアメリカンファミリー生命の「生きるためのがん保険Days1レディースプラン」です。<保障内容(入院日額:1万円の場合)><上記保障内容での月払保険料>20歳 2,616円30歳 3,591円40歳 5,502円50歳 7,209円60歳 8,936円例えば30歳で加入した場合には保険料3,591円ですが、40歳で加入した場合は保険料5,502円となり、約1.5倍となります。このように、若い年齢で加入することができるほど、保険料負担は軽くなることがわかります。保険料払込免除で保険料払込負担を軽減出来る若い年齢のうちの方が、同じ保障でも保険料負担が安いということを確認してきました。しかしながら「若い年齢からがん保険に加入していると結局がんに罹患しないまま20年・30年と保険料を払い続けることになり、結果としては損をするのではないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。結果論としては30歳で加入して60歳までがんに罹患しないまま保険料を支払い続けるということはありえます。しかし、それを損だと決めつけることも出来ません。どういう意味かと申しますと、30歳代・40歳代でも低いながらもがんに罹患するリスクはあります。その期間を保険で保障されていたのですから、経済的リスクに対して対処していたということになります。そのコストが保険料負担となっているわけなので、無駄遣いをしていたわけではありません。このように単に損だということにはならないと考えることもできます。また、最近の終身タイプの商品には、保険料払込免除という機能がついており、万が一がんになった場合、以後の保険料払込が不要となる商品もあります。若い年齢で加入してがんに罹患した後にも、がん保険は継続することが多いです。その場合に保険料払込は免除となるのは、経済的に非常に助かるわけです。若い時にがん保険に入ると保険料総額が大きくなる、という決めつけた議論がされる場合がありますが、保険料払込免除について考慮しておくことで、若い時に加入する=総額が増えるとは一概に言い切れない、ということを押さえておきましょう。まとめがん保険は何歳から加入した方がよいのかということを確認してきました。がん保険には概ね20歳から50歳ぐらいまで加入できるので、あとは私たちが何歳ぐらいになって加入するかの問題となります。まずは、がんの罹患率データを確認すると、生涯の罹患率は2人に1人であり、50歳代から罹患率が上昇していきます。このため50歳代より前に、がん保険の加入を検討した方が良いといえます。また、がん保険の仕組みから加入時期を考えてみましたが、できる限り年齢が若いうちに加入しておいた方が、月々の保険料負担が軽くなります。以上の両面から考慮すると、がんに罹患した時の経済的保障をがん保険で手当てしたいと考えている方で、保険料負担が問題ないのであれば、20歳代・30歳代のうちから将来に備えてがん保険に加入するのは十分に価値のある選択といえるでしょう。
2019年01月08日今や世帯加入率が62.8%(注)となっているがん保険。生命保険を検討する際の保険種類として、その認知度は高くなっています。しかし、一方で「本当にがん保険って必要なの?不要ではないの?」という疑問をいだく方もいらっしゃるようです。今回は具体的なケース(がん保険に入らなかった場合と、がん保険に入っていた場合)を設定して、がん保険が必要なのか不要なのかをどのように考えればよいかをわかりやすく説明していきたいと思います。注:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する実態調査」がん保険に入らなかった場合には?それでは早速、ある具体的な人物像を設定して、がん保険に入らなかった場合と入っていた場合とを比較していきます。まずはがん保険に入らなかった場合を考えてみましょう。人物像を設定30歳女性のAさんは独身の会社員(年収400万円)で一人暮らしをしています。このAさんが、がん保険に入っていないまま、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんとの診断を受けたとしましょう。入院後乳房温存手術を行い、1週間入院後に退院となりました。その後5週間にわたって放射線療法を受けたと仮定します。公的医療制度と自己負担額は?皆さまご存知の通り、がん保険に入っていなかったとしても公的な医療制度があります。今回のAさんの場合では、この公的な医療制度はどのように適用されて、Aさんの自己負担はどのぐらいになるのかを確認していきましょう。まず、Aさんに対する治療費総額はどれぐらいになるでしょうか?乳がんの専門学会でのデータをもとに試算すると以下の通りとなります。乳房温存手術で1週間入院:75万円放射線療法で5週間通院:47万円上記の治療費合計122万円はあくまで総額であり、皆さんが負担する金額ではありません。公的な医療制度が適用されて、皆さんの負担は通常この治療費総額の3割となります。自己負担額の治療費をあらためて示すと以下の通りで合計37万円となります。乳房温存手術で1週間入院:23万円放射線療法で5週間通院:14万円さらに、高額療養費制度というものがあり、1ヶ月の自己負担額は、80,100円+(267,000円を超えた額)×1%が限度となります。今回は入院後6週間が経過したケースですが、仮に1ヶ月間で37万円の自己負担額であったとすると、自己負担額は81,100円程度となります。がん保険に入っていない場合のまとめ以上の通り今回Aさんが、がんに罹患して治療する際にかかる自己負担額を確認してきました。がん保険に入っていなかったとしても、こうした負担額をまかなえる貯蓄があればとりあえずの対処は大丈夫ということになります。ただし気をつけていただきたい点があります。今回のケースでは、公的保険の適用外となる治療がありませんでしたが、先進医療といわれる治療を行った場合は、公的医療が適用されないため、全額自己負担となります。例えば身体への負担が少なく乳房等の切除を避けたいと考えて量子線治療という先進医療を選択した場合、276万円という全額自己負担の治療費がかかることあります。(注)また治療費以外にも差額ベッド代といわれる入院代の追加費用や病院での食事代、入退院や通院でのタクシー代などの費用が別途かかることは押さえておきたいところです。(注)生命保険文化センター「ひと目でわかる生活設計情報」しかし逆にいえば、こうしたもしもの時の貯蓄が無く、がん保険にも入っていない場合は、経済的に苦しい状態になる可能性が残ってしまうのです。がん保険に入っていた場合には?それでは次に、がん保険に入っていた場合を考えてみましょう。人物設定先程と同じ30歳女性のAさんに登場していただきましょう。このAさんが、30歳でがん保険に加入していて、5年後の35歳の時に会社の健康診断で再検査をすすめられ、病院で乳がんの診断を受けたとしましょう。その後の経過は先程と同じと考えます。このAさんが加入していたがん保険を設定しましょう。アクサダイレクト生命のがん終身に入っており、保障内容は以下の通りだったとします。もちろんこの保障内容で実際に加入することが出来ます。アクサダイレクト生命がん終身・保険期間:終身・保険料払込期間:終身・月払保険料:3,600円がん保険の給付金が支払われるAさんが入っているがん保険から、どれぐらいの給付金が支払われるでしょうか?今回の治療で支払われる給付金は以下の通りです。がん診断給付金で200万円がん入院給付金で14万円(7日間×2万円)がん手術給付金で10万円退院後療養給付金で10万円合計すると234万円となります。がん保険の保険料負担を考えておくこれに対して、Aさんの治療費の自己負担は先程の保険に入っていなかった場合と同じく8万円程度となりますが、出費はそれだけではありません。35歳にまるまでの5年間、がん保険に加入していたのですから、その保険料の負担を考慮に入れなければいけません。この負担額は毎月3600円×5年(60ヶ月間)であり約22万円となります。最初のがん保険に入っていなかった場合と平等に比較するためには、この保険料負担も入れて考える必要があるのです。自己負担額8万円程度に支払保険料の22万円を合わせて30万円の負担に対して、234万円の給付金の支払いがある、ということになります。がん保険に入っている場合のまとめこれまで確認してきた通り、がん保険に入っていた場合は、がん治療の自己負担額を十分まなかえる給付金が支払われることがわかりました。しかしながら一方で毎月がん保険の保険料は支払う必要があり、さきほどのAさんのケースでは、5年間で22万程度の負担が発生することになります。加えて5年後にがんになるとは限りませんので、10年後、15年後かもしれませんし、逆に1年後かもしれません。10年後、15年後にがんになった場合は、そこまでの支払保険料は2倍、3倍になりますし、60歳、70歳まで保険を継続することになれば、30年、40年の保険料負担になるのです。なお、今回のAさんが加入していた商品のように保険料払込免除特約(注)があれば、がんになった以降の保険料の負担はなくなります。以上のことも考慮にいれてがん保険の必要性を考えると良いでしょう。(注)保険料払込免除特約とは?がん保険は、がんの診断で保険金を受け取った後も、保険自体は消滅せずに継続となります。そうすると本来は保険料をその後も支払う必要があるわけですが、保険料払込免除特約が付帯している保険は、その後の保険料支払いが免除されるわけです。これはがんに罹患した人にとってはとても有難い制度です。まとめ今回は、「がん保険は本当に必要なの?不要ではないの?」といわれる素朴な疑問を出発点として、がん保険に入っていた場合と入っていなかった場合とを比較することで、がん保険が必要か不要かを考えるヒントにしていただきました。がん保険に入っていない場合には、当然ながら公的な医療制度で保障される範囲をこえた治療費の自己負担額を貯蓄しておくことが必要となります。一方でがん保険に入っている場合には、そうした自己負担額をがん保険の給付金で手当てすることが可能ですが、そのがん保険の保険料(費用)を毎月支払い続ける必要があります。がん保険が必要か不要かを判断する際は、「がんになった時にどれぐらいの自己負担となり、それを貯蓄で支払えるかを考える。」または「自己負担をがん保険の給付金で手当てするために保険料はどれぐらいなら支払うのかを考える。」こうした両面から検討することが重要なのです。
2018年12月24日初めて日本でがん保険が発売されてから40年以上が経過しました。以来、がん治療の発展とともに、がん保険を取り扱う保険会社も増え、商品も変化し続けて今日に至っています。様々ながん治療が増加するにしたがって、がん保険の保障内容も広がってきたといえるでしょう。一方でそうした保障の広がりには大きな注意点があります。今回はその注意点をがん保障の「一時金」というキーワードとともに、わかりやすく説明していきたいと思います。保障内容と保障金額から商品をとらえ直すがんのための経済的保障をしてくれるのが「がん保険」です。では「がん保険」とは、具体的に、どのような場合に、どれぐらいの金額を保障してくれる商品なのでしょうか?どのような場合に支払われるのか = 保障内容どれぐらいの金額が支払われるのか = 保障額がん保険の商品は、この保障内容と、保障額で構成されているのです。そして、生命保険の商品でいうところの「一時金」というのは、保障額に関する言葉です。100万円以上のまとまった金額のお支払いのことを生命保険では「一時金」と呼ぶことが多いです。では100万円に満たない支払いの金額をどのように呼ぶかというと給付金と呼ぶことが多いです。また「一時金」というのは原則1回だけの支払いを表します。これに対して給付金というのは、1日つき1万円支払います、というように複数回支払われることが前提となった表現です。なお、生命保険の仕組みについては以下の記事で詳しく紹介しましたので、参考にしてください。保障内容と保障額の2軸で考える皆さんが、がん保険の商品を選ぶ際には、保障内容にまず注目されることが多いと思います。これは至極当然のことで、「どんな場合に支払いをしてくれるのか(くれないのか)」が一番重要といえるからです。しかしながら、それと同時に重要なのが、では「その保障内容でどれぐらいの金額を支払ってくれるのか」という視点なのです。では実際の商品でこの保障内容と保障額を具体的に説明していきましょう。今回は、「保障内容を幅広く揃えた商品」と、「絞り込んだ保障内容の商品」という両極端の2商品をご紹介します。この2商品を比べていただくことで、浮かび上がってくる「一時金」という保障額の重要性もご理解いただけると思います。幅広い保障の商品最初に、幅広い保障内容が選べる商品の代表例として、チューリッヒ生命のガン治療保険プレミアムDX(以下、プレミアムDXといいます)をご紹介します。このプレミアムDXは、がん保険ランキング上位にあがってくるほどの人気商品となっています。このプレミアムDXの保障内容と保障額の具体例は下表の通りです。<30歳女性での設計例>保険期間:終身保険料払込期間:終身月払保険料:4,686円表をご覧頂くだけで保障内容の広さ(給付金の種類の多さ)がすぐにわかっていただけると思います。保障内容が細分化されており、この中から自分にとって必要だと思われる保障内容を取捨選択出来るわけですから、人気商品であるのもうなずけます。そしてもう一点、ご注目いただきたいのが、保障額です。自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金は月額60万円、がん診断給付金は50万円ですが、それ以外の給付金の金額(単位)は多いもので10万円、少ないもので数千円となっています。保障内容が幅広い反面、100万円単位の「一時金」といえる保障額はなく、低額の給付金が種類多くある、という特徴の商品となっているのです。とりあえずまとまった金額が欲しい、という方には注意が必要といえるでしょう。保障を絞った商品では次に、保障を絞った商品の代表例として、ライフネット生命のがん保険ダブルエール(以下、ダブルエールといいます)をご紹介します。ダブルエールも、プレミアムDXとは全く異なる商品性によって人気商品となっています。ではダブルエールの保障内容と保障額の具体例を確認していきましょう。<30歳女性、シンプルプランでの設計例>保険期間:終身保険料払込期間:終身月払保険料:4,311円ダブルエールの保障内容はかなり絞り込まれていて、プレミアムDXとは大きく異なる保障内容であることが理解いただけたことと思います。その一方で、がんと診断された時に支払われる、がん診断一時金が300万円となっており、まさに「一時金」と呼ぶにふさわしい保障額になっていることが分かると思います。がんと診断されたら、とりあえずまとまった金額が欲しいという方に適した商品といえるでしょう。理由は保険料負担先程2つの商品の保障内容と保障額を具体的に確認してきました。ここで読者の皆様はこんな風に思われるかも知れません。「プレミアムDXは保障内容の範囲(種類)が多いのに、なぜ保障額を抑えているの?もっと保障額を上げればいいじゃない?」「ダブルエールはなぜ保障内容を絞っているの?いろいろな保障内容を増やせばいいじゃない?」実はこれらの疑問に対する答えは、「保険料」にあるのです。保険料とは、あなたが保険会社に毎月(毎年)支払うお金のことです。がんに罹患した時に、保険会社から保障内容にある一時金や給付金を支払ってもらうためには、あなたは保険会社に保険料を支払わなければなりません。したがって、保険料はあなたにとって出費であり、負担になるものです。もう一度2つの商品の表をご覧いただくと、保険料(30歳女性の例)が掲載されています。プレミアムDXは月払4,686円、ダブルエールは月払4,311円です。仮に、プレミアムDXの幅広い保障内容のそれぞれの給付金の保障額を2倍にしたらどうなるでしょうか?単純計算でも9000円以上になります。保障額を3倍にすれば15000円ぐらいにはなるでしょう。がんの経済的保障がどうしても必要といっても、そのために毎月支払う保険料があまりにも多くなりすぎると、がんになった時のリスクの対処の前に、毎月の家計が大変になってしまうのです。商品を販売している保険会社もその辺りのことはよくわかっていて、保険を検討する人が毎月確実に支払える程度の保険料で商品設計をしてくるわけです。保障内容が幅広いプレミアムDXの保障額は、なぜ抑えられているのでしょうか?その理由は保険料負担を重くしすぎないためです。一時金が充実しているダブルエールの保障内容は、なぜ絞られているのでしょうか?その理由も保険料負担を重くしすぎないためなのです。まとめがん保険は、がん治療の進化とともに、その保障内容が変化してきました。変化の一つの方向性としては、保障を幅広く細分化してラインナップしてきたことです。これにより、自分が必要だと思われる保障を取捨選択して加入できる商品も増えてきました。しかしながら、幅広く細分化してラインナップされてきた反面、それぞれの保障ごとの保障額が低額に設定されている点には注意が必要です。がん治療の進化に合わせた保障が欲しいということで、こうした幅広い保障から取捨選択することもよいですが、がんに罹患した時にはまとまった一時金が欲しいという方は、がん診断給付金(がん診断一時金)が手厚い商品をチェックされることをお勧めします。
2018年12月11日人気があるものには理由がある、といわれます。現在人気のあるがん保険の商品を調査して、その人気の理由を探ってみました。こうした人気商品の理由を知っておくことで、ご自分の商品を選ぶ際の参考にすることができます。今回の記事では、人気のある商品をいくつか具体的にピックアップして、その理由をわかりやすく紹介していきたいと思います。人気のあるがん保険の商品とは?人気の商品と一概にいっても、「人気のある」という定義は様々です。今回は「人気のあるがん保険」の調査として、保険の紹介・比較サイト6社のがん保険ランキングを基に筆者独自の判断で、人気商品の中から5つのがん保険を選定しました。(詳細は 「参考:調査・選定方法」を参照してください)選んだ5商品それでは選定した商品を早速ご紹介しましょう。以下の5商品です。チューリッヒ生命 終身ガン治療保険プレミアムDXメットライフ生命 ガン保険ガードエックスアクサダイレクト生命 がん保険[定期型]オリックス生命 がん保険Believe[ビリーブ]ライフネット生命 がん保険ダブルエール参考:調査・選定方法上記の5商品を選定した方法についてご説明いたします。まず人気のあるがん保険の調査方法ですが、保険の比較情報の提供または保険の比較販売をメインとしている事業体から、がん保険に特化してランキングを発表しているWEBサイトを調査しました。このWEBサイトを調査する際には、個人などで運営されているHPやブログなどの情報は除いています。最終的に以下の6社のWEBサイトにあるランキング上位を人気商品として対象とし、その対象から筆者の判断で5つの商品を選定しました。ℹ︎保険:生命保険比較>がん保険ランキング>保険料サーチ>30歳女性価格.com:保険>がん保険 人気ランキング保険市場:最新!2018年11月版 がん保険ランキング 30代保険比較ライフィ:2018年人気保険ランキング>がん保険ランキング保険比較:がん保険比較 ランキングクチコミランキング:がん保険 ランキング 口コミ人気の理由はこれだ!ここまで人気商品の理由を探ると表現してきましたが、当然ながらがん保険の商品ですので、その人気の理由を探るということは、その商品内容や商品の特徴を捉える・理解する、ということになります。人気の理由=その商品ならではの内容や特徴それでは順番に5つの商品の人気の理由を確認していきたいと思います。①チューリッヒ生命 終身ガン治療保険プレミアムDX最初にご紹介するのは、チューリッヒ生命の終身ガン治療保険プレミアムDX(以下、プレミアムDXといいます)です。プレミアムDXは調査したサイトのほぼ全てのランキングで上位に位置している人気商品の代表格です。この人気の理由はどこにあるでしょうか?ズバリ一言でいうと、保障金額を3段階(基準給付月額10万円、20万円、30万円)に設定できること、そして幅広い保障内容から自分で必要だと思われるものを選ぶことができる点です。基本保障として次の3つ保障があります。放射線治療給付金抗がん剤・ホルモン剤治療給付金自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金そして上記の3つに加えて以下の保障を取捨選択できる設計となっています。ガン先進医療給付金ガン先進医療支援給付金悪性新生物保険料払込免除(以後の保険料を払込免除)ガン診断給付金ガン入院給付金ガン手術給付金ガン通院給付金ガン緩和療養給付金ガン診断後ストレス性疾病給付金がん長期入院時差額別途保障また商品設計のコンセプトとして、自由診療が多くなるケースを想定して、ガンを治療することをサポートする、という点も人気の理由であると考えられます。②メットライフ生命 ガン保険ガードエックス次にご紹介するのは、メットライフ生命のガン保険ガードエックス(以下、ガードエックスといいます)です。こちらもプレミアムDX同様に調査対象サイトの上位にランキングしている人気商品です。まずは保障の一覧をご確認いただきましょう。悪性新生物治療給付金上皮内悪性新生物治療給付金ホルモン剤治療給付金保険料払込免除ガン先進医療給付金ガン先進医療支援給付金ガン通院サポート給付金悪性新生物診断給付金上皮内悪性新生物診断給付金ガン入院給付金・ガン長期入院給付金ガードエックスの人気の理由は、優先順位の高い保障がバランスよくセットになって揃っている点と考えられます。ちょうどいい、という言葉がありますが、まさに適度な範囲の保障になっていると言えるでしょう。③アクサダイレクト生命 がん保険[定期型]三番目にご紹介するのは、アクサダイレクト生命のがん保険[定期型](以下、アクサがん定期といいます)です。アクサがん定期は、プレミアムDXやガードエックスとは、かなり異なる特徴があります。保険期間は10年間保障はがん治療流れに沿った内容保険料負担が軽い先程の2商品の保険期間が終身であるのに対して、アクサがん定期は保険期間が10年となっています。また保障内容は下表のとおりです。がん診断給付金一時金として 100万円がん入院給付金1日につき 1万円がん手術給付金1回につき 10万円がん先進医療給付金先進医療の技術料の実費(通算500万円限度)退院後療養給付金がん入院後療養のため退院した時 10万円ご覧の通り、がん診断→がん入院・手術→先進医療→退院後の療養という、がん罹患から治療までの流れに沿った内容になっていることがわかります。そして最後の特徴は保険料です。30歳女性の月払保険料は650円となっています。通常のがん保険の保険料が2000円から5000円程度であることを考慮すると、その負担感の軽さがお分かりいただけると思います。④オリックス生命 がん保険Believe[ビリーブ]4番目にご紹介するのは、オリックス生命のがん保険Believe[ビリーブ](以下、ビリーブといいます)です。こちらも保障内容を確認しましょう。がん初回診断一時金初回のみ 100万円がん治療給付金1回につき 50万円がん入院給付金1日につき 1万円がん手術給付金1回につき20万円がん先進医療給付金先進医療の技術料と同額(通算2000万円限度)がん先進医療一時金がん先進医療給付金の10%相当額がん退院一時金がんで10日以上の継続入院後に退院した時 1回につき10万円がん通院給付金1日につき1万円(上表は通院保障プラン・基本給付金額1万円の保障内容です。)ビリーブの特徴はシンプルながん保障に加えて、退院時と通院時の保障が充実している点です。がん入院後のステップとして考えなければならないのは退院とその後の通院です。退院後もがん治療や再発防止のために通院するケースは多いわけですが、そうしたケースに心強い保障としてビリーブがあるといえるでしょう。⑤ライフネット生命 がん保険ダブルエール最後にご紹介するのは、ライフネット生命のがん保険ダブルエール(以下、ダブルエールといいます)です。ダブルエールの最大の特徴は、がんと診断された時の一時金である、がん診断給付金が手厚く用意できる点です。通常のがん保険が、がん診断給付金が50万円から150万円であるのに対して、ダブルエールはがん診断給付金(正式名称はがん診断一時金)を100万円、200万円、300万円と設定することが出来ます。加えて、保障をシンプルに設計できる点が魅力です。シンプル、かつ、がんと診断された時の保障を一番に考えたいという方に人気のある商品といえるでしょう。がん診断一時金一時金として 100万円〜300万円上皮内新生物診断一時金がん診断一時金×50%(上表はシンプルタイプの保障内容です。)まとめ人気のあるがん保険の理由を、具体的商品をみながら確認してきました。人気があると一口に言っても、商品ごとにその人気の理由が異なることがお分かりいただけたと思います。皆さんがご自身のがん保険を検討する際にも、こうした人気商品をまず最初に検討されることが多いでしょう。そうした際に今回の記事の視点を参考に、人気の理由=商品の特徴を押さえていただければと思います。
2018年12月07日日本人の3人に1人ががんによって死亡している。国立がん研究センターがん情報サービスによると、死亡数が多い部位は、女性の場合、大腸に続いて肺が2位。国立がん研究センター東病院の呼吸器外科科長の坪井正博先生が語る。「肺がんは、40代くらいから発症者が徐々に増えだし、70代でピークをむかえます。特に喫煙との関連が大きいと見られているのが、扁平上皮がんと細胞肺がんです。一方、非喫煙女性にも多く、増加傾向にあるといわれるのが、肺の奥や末梢に生じやすい、腺がんです。かつて、肺がん患者の男女比は7対3ほどでしたが、特に腺がんでは女性の比率が同等くらいに増えてきました」米国ハーバード大学で疫学研究に従事した、内科医の大西睦子先生も、こう解説する。「’17年、米国インディアナ大学の教授は、アジア女性の肺がん患者の50%が、非喫煙者であることを指摘しています」“吸わないから関係ない”と思っていても、なってしまうことがある肺がん。早期発見が重要な肺がんだが、日々の生活での予防が大切だ。「禁煙はもとより、加熱式たばこを含め受動喫煙を徹底して避けることが、最大の予防です。分煙を心がけている人もいますが、たばこの煙は10メートル近くまで影響を及ぼします。1本吸うと、45分間は吐く息にダイオキシンやニトロソアミンなどの有害物質が含まれるのです」そう話すのは、日本医科大学呼吸器内科学の久保田馨先生。中国から、黄砂に乗ってやってくるPM2.5などにも要注意だ。中国で肺腺がんが劇的に増えていることから、PM2.5などの大気汚染の影響も考えられる。「帰宅後はうがい手洗いに加えて、顔を洗って服を着替えることを習慣にすれば、顔や衣服についた有害物質を家に持ち込まないですみます」(坪井先生)食事も見直そう。「米国立がん研究所とフィンランド国立健康福祉研究所による、フィンランドの2万9,000人の男性喫煙者に対する調査では、20ミリグラムのβ-カロチンのサプリメントを利用した群は、肺がん発症のリスクが上昇しました。栄養摂取は、サプリメントよりも食事を基本に考えたほうがいいかもしれません。しかし、食べるものにも注意が必要です。赤身肉の摂取量が多いと肺がんのリスクが約35%増加し、鶏肉などの摂取量が多いと、リスクが約10%減少するという研究結果もあります」(大西先生)ある身近な栄養素に肺がん予防の期待が集まっている。「大豆などに含まれるイソフラボンです。女性ホルモンであるエストロゲンに化学構造が似ているため、植物性エストロゲンとも呼ばれています。これを摂取することで逆に肺がんの発生率を抑えられるのではないかと研究されているのです」(大西先生)国立がん研究センターでは、45~74歳の男女7万6,000人を、平均11年間も追跡調査した。「男女別に、イソフラボンの摂取量で4グループに分けました。喫煙者の場合は、イソフラボンの摂取量で肺がんリスクの差異は見られませんでした。しかし、非喫煙男性の場合は、1日平均9ミリグラムとイソフラボン摂取量が最も少ないグループに比べ、平均値48ミリグラムと最も多いグループは、肺がん発生率が57%も低くなりました。48ミリグラムは納豆に換算して1パック強、もしくは豆腐で160グラムに含まれる量。女性に関してはサンプル数が少ないため明確な結論は出ませんでしたが、同様の傾向があるとみられています」(大西先生)とはいえ、食べすぎには注意。「ウエストが10センチ増加すると、肺がんリスクが上がるという研究もあるので、太りすぎには注意です。習慣的な運動が欠かせませんが、排ガスが多い幹線道路などでのウオーキングなどは逆効果なので、やめてください」大西先生)健康的な生活習慣と、定期的な検診で、肺がんを予防しよう!
2018年12月05日日本人の3人に1人ががんによって死亡している。国立がん研究センターがん情報サービスによると、死亡数が多い部位は、女性の場合、大腸に続いて肺が2位。国立がん研究センター東病院の呼吸器外科科長の坪井正博先生が語る。「肺がんは、40代くらいから発症者が徐々に増えだし、70代でピークをむかえます。特に喫煙との関連が大きいと見られているのが、扁平上皮がんと細胞肺がんです。一方、非喫煙女性にも多く、増加傾向にあるといわれるのが、肺の奥や末梢に生じやすい、腺がんです。かつて、肺がん患者の男女比は7対3ほどでしたが、特に腺がんでは女性の比率が同等くらいに増えてきました」30年で罹患者は3倍超、死亡者も2倍になった肺がん。「喫煙しないので関係ない」と思っていた人が肺がんになる。そんな事例が増加している。「肺がんの死亡率が高いのは、早期は症状がほとんどなく、見過ごされることが多いためです」そう話すのは、日本医科大学呼吸器内科学の久保田馨先生。「咳が2週間以上続いたり、血痰が出たり、胸部の痛みがあったら、受診をすすめます」しかし、症状が出てからでは進行している可能性が高いと続ける。「肺がんは骨や脳にも転移しやすく、肩や腰に持続的な痛みがあったり、腕がマヒして、ようやく肺がんがわかるケースもあります」前出の坪井先生は、病院差があると前置きしたうえで次のように語る。「新規の肺がん患者さんの35%ほどはステージ1(5年生存率80%)ですが、リンパ節に転移したステージ2は15%(同50%)、気管の周辺のリンパ節に転移しているようなステージ3は20%(同20~30%)、他臓器に転移しているステージ4は30%(同10%前後)にもなります」なんと、がんが発見されたときの3人に1人がステージ4だという。定期的な検診が欠かせないが、一般的な健康診断だけでは見つかりにくいという。仙台厚生病院の臨床検査センター長の遠藤希之先生が解説する。「肺がんのチェックといえば、集団健康診断などのエックス線検査を思い浮かべる人も多いと思いますが、女性に多い腺がんを、早期で見つけることは非常に困難です。かなり見過ごされることがあるといわれています。多くのがんを発見するのに有用なPET検査でも、扁平上皮がんのように塊になっていれば発見できますが、ごく早期の3センチ以下の腺がんの場合、細かい網目の組織に、小さながん細胞が点在しているため映りづらいのです」もちろん、エックス線検査でも早期がんが発見されたり、別の病変が映り込み、精密検査をして見つかることも少なくないが――。「有効なのが2ミリスライスの低線量CT検査です。早期の腺がんも、すりガラス状の陰影となって映ります。50歳以上であれば、被ばくリスクよりも、ベネフィットが上回ります。毎年エックス線検査を受けるなら、2年に1度のCT検査をすすめます」(遠藤先生)前出の久保田先生も同意見だ。「今年9月に発表された、オランダで1万5,000人を対象とした大規模な研究ですが、CT検査を受けない人よりも、受けた人のほうが、肺がんで死亡するリスクが、男性で20~30%、女性に至っては40~60%も減っているのです」親族にがん患者がいる人や、喫煙、受動喫煙など、リスクの高い人は、CT検査を受けると安心できそうだ。
2018年12月05日日本人の3人に1人ががんによって死亡している。国立がん研究センターがん情報サービスによると、死亡数が多い部位は、女性の場合、大腸に続いて肺が2位。国立がん研究センター東病院の呼吸器外科科長の坪井正博先生が語る。「肺がんは、40代くらいから発症者が徐々に増えだし、70代でピークをむかえます。特に喫煙との関連が大きいと見られているのが、扁平上皮がんと細胞肺がんです。一方、非喫煙女性にも多く、増加傾向にあるといわれるのが、肺の奥や末梢に生じやすい、腺がんです。かつて、肺がん患者の男女比は7対3ほどでしたが、特に腺がんでは女性の比率が同等くらいに増えてきました」米国ハーバード大学で疫学研究に従事した、内科医の大西睦子先生も、こう解説する。「’17年、米国インディアナ大学の教授は、アジア女性の肺がん患者の50%が、非喫煙者であることを指摘しています」“吸わないから関係ない”と思っていても、なってしまうことがある肺がん。原因をみていこう。「やはり、肺がんはたばこの影響が大きい」と、坪井先生は語る。「現在は非喫煙でも、喫煙歴があったり、受動喫煙の機会が多かったりする人は注意が必要です。かつて建材などに使われたアスベストも肺がんの原因になりますが、そういった現場で働いた経験がない人も無関係ではありません。たとえば幼いときに、アスベストが付着した作業着を着ていた父親に、帰るたびに抱きついていた人が、20~30年後に発症するケースもあります」また、中国で肺腺がんが劇的に増えていることから、PM2.5などの大気汚染の影響も考えられる。さらに、意外なものも……。「女性ホルモンも何らかの因果関係があるという研究があります。じつは、喫煙による発がん率は男性よりも女性のほうが高い。こういった面から、男女のホルモンの違いは、影響があると考えられているのです」(坪井先生)前出の大西先生が注目するのは、国立がん研究センターの予防研究グループによる大規模調査だ。「40~69歳の非喫煙女性4万5,000人を対象に、8~12年間の追跡調査をしたものです」対象者の中で肺がんを発生したのは153人。うち閉経した111人に、初経年齢や閉経年齢の調査をしたところ、意外な結果が出た。「初経年齢が16歳以上と遅くて、閉経が50歳以下と早かった人、要は月経のあった期間が短かった人の肺がん発生率を1とすると、月経が長かった人の発生率は2倍以上になるという結果が出ました。特に、51歳以上でも月経が続いた人が、発生率が高い傾向にあります」(大西先生)同調査では、子宮摘出など、なんらかの原因で人工閉経した女性の調査もしている。「人工閉経や、自然閉経の前後ではエストロゲンなど女性ホルモンの分泌が急激に止まります。すると発汗したり、不眠になったり、のぼせた状態になるなどの更年期症状が出てしまうので、ホルモン剤を使用する人もいます。こうした“人工閉経してホルモン剤を使用した”グループは、自然閉経でホルモン剤を未使用のグループに比べ、肺がん発生率は2.4倍にもなるのです」(大西先生)医学雑誌「ランセット」に報告された論文に目を向けても、同様の結果があると、大西先生は言う。「全米40施設における1万6,000人の閉経後女性を対象にした研究です。併用ホルモン補充療法を使用すると、使用しない群に比べて、肺がんで死亡する可能性が71%も高くなりました。この結果は、女性ホルモンのエストロゲンが、がん細胞の増殖を促進するなど、何らかの影響を与える可能性を示唆しています」閉経時期はコントロールできないし、ホルモン補充療法も医師との話し合いで行うものだ。「だからこそ、定期的な肺がん検診を受けるように心がけることが大事です」(大西先生)
2018年12月05日「最終的に温存手術を選ばず全摘の決断をしたのは、理屈ではなく体の中でがんがものすごい速さで育っていくのを感じたからです」エネルギッシュに報道の現場を飛び回っていたある日、右胸にしこりを見つけた。社会人2年目の春だった。絶望に打ちひしがれながらも、家族や医師、同僚に支えられて、日本テレビ報道局社会部記者の鈴木美穂さん(35)は、徐々に前を向けるように。闘病を経験している記者として、がんとともにありながらも、希望の持てる生き方を伝えたいと模索してきた。いま夫という家族を得て、鈴木さんは新たなチャレンジに歩みだそうとしている――。’06年4月、鈴木さんは日本テレビに入社。面接時からドキュメンタリー志望と伝えていた彼女だったが、希望どおり、報道局へと配属された。入社1年目のAD時代から、自らネタを見つけては企画書を提出して、ニュース番組内での放送を実現。さらに1年後には、若手の皇室担当としてベテラン記者に交じり夜討ち朝駆けで、ハードながら充実した日々を送っていた。右胸のしこりに気づいたのは、そんな24歳の春だった。’08年5月2日、乳がんと検査結果を告げられる。「結婚も、出産もしないまま、私は死ぬのか。健康優良児で、親族にも一人もがんはいませんでしたから、『なんで私なの?』と、かつてないほどひどく混乱しました」女性の11人に1人がかかるといわれる乳がん。鈴木さんのがんは進行が早く、当時は再発リスクも高いといわれていた。“HER2陽性”タイプだった。「死にたくない」という一心で、最良と思える治療を求めて、病院をまわった。そんななか出会ったのが、取材で懇意になった医師が紹介してくれた国際医療福祉大学三田病院・乳腺センター長の吉本賢隆先生(70・現よしもとブレストクリニック院長)だった。「がんになって最もつらかったのは、未来が見えないことでした。私の未来の可能性を一緒に考えてくれた吉本先生に主治医になってもらおうと決めました」5月21日、右乳房の全摘出手術を行った結果、ステージ3の乳がんで、リンパへの転移も判明。抗がん剤治療が始まり、副作用で全身の脱毛が始まる。この苦境を支えたのが、24時間交代で付き添ってくれた家族であり、要所で治療の様子を撮影してくれた職場の仲間だった。「先輩ディレクターの『美穂はいつか自分の体験を伝えたくなるときがくるから』という提案がきっかけで、ときには家族もカメラを回してくれました。私自身、『がんになった自分だからできることがある』と信じていたというより、正直、当時はそうでも思わないと気力を維持できなかった」ちょうどHER2陽性タイプに効果のある分子標的薬が開発されたことも味方した。放射線など「治療のフルコース」を経て、8カ月の休職後、職場復帰を果たす。仕事に復帰することで不安が少しまぎれてはいたが、同じ悩みを語り合える場が欲しかった。「当時は、報道でもがん患者にはモザイクをかけるような時代。特に若いがん患者の情報は少なかったんです。同じ体験をした人たちに会いたいと思いました」’09年夏、仲間を集めて、35歳以下の若年性がん患者の団体「STAND UP!!」を立ち上げた。がん告知から5年目を迎えた’13年には、ヨガなどがん患者のためのワークショップを主催する「Cue!」をスタートさせて講演なども行い、海外のがん関連の会議にも積極的に参加。「完治まで10年といわれる乳がんですから、5年目は“折り返し”のイメージ。講演では『励まされました』という人がいて頑張ろうと思うんですが、同時に自分の体験を思い出してつらくなり、落ち込むということの繰り返しでした」しかし、国内外の患者らとの交流のなかで、少しずつ前向きな気持ちが大きくなっていく。「患者が、がんになった直後から立ち寄れて、欲しい情報も得られる常設の場が必要だと、より痛感するようになりました。日本では、治療法はもちろん仕事や恋愛、結婚、出産などの悩みを吐き出したり共有できる場所がなかったんです」そして思った。「だったら、自分で作ろう!」と。「がん患者が集える場所をつくろうと、両親も巻き込んで、一緒に不動産会社めぐりをしていました。世田谷に約8,000万円の一軒家の物件を見つけ、生涯ローンを組む寸前までいっていたんです」そんな矢先の、発症から6年目の’14年春、ウィーンでがんに関する国際会議に出席した鈴木さんは「マギーズセンター」と出合い、「これだ!」と衝撃を受ける。イギリス人の造園家のマギーさんが乳がんになったとき、「患者や家族が安らぐと同時に専門家に気軽に相談できる場所を」と、’96年にスコットランドのエディンバラに設立した施設。「早速、パソコンで“マギーズ”とカタカナで検索したら3件だけヒットして、そのすべてに“秋山正子”の名がありました」すぐに新宿区で「暮らしの保健室」を主宰する看護師の秋山正子さん(68)のもとへ、都のモデル事業の取材として駆けつけた。秋山さんは、当時のことをこう語る。「インタビューが終わるころには、『一緒にやりましょう』と手を取り合っていて。医療関係の人材確保は私、土地建物の資金面や広報は鈴木さんという互いに補い合える協力関係ができて、一気に計画は加速しました」’16年10月10日、「第二のわが家」をコンセプトに、がんにまつわるさまざまな相談が無料という画期的な施設「マギーズ東京」がオープンした。そんな鈴木さんは次のステップに踏み出そうとしている。「根っこにあるのは、私の原体験としてのがん闘病ですが、今後は病気に関するサポートに限らず、生きづらさや困難を抱える人たちを、そっと包み込む寛容な社会をつくっていきたい。そのために必要と思えば、場や商品づくりや、記者のときと同様に情報発信もしていきたい」
2018年11月19日15年もの長きにわたり、女性のがん死亡者数1位である大腸がん。日本人の生活の変化が増加の原因だといわれているが、生活習慣の改善で大腸がんになるリスクは下げられるという。専門家に聞いた。「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています」(松生院長・以下同)それでは、どのように生活習慣を改善すれば、腸が健康になるのだろうか。松生院長は、オリーブオイルを多用した食生活を提案している。「オリーブオイルには主成分のオレイン酸をはじめ、ポリフェノールや葉緑素、ビタミンEなどの抗酸化作用のある物質が豊富に含まれています。とくにオリーブの実を搾っただけの、精製をしていないエクストラ・バージン・オリーブオイルには、強い抗炎症作用のあるオレオカンタールも含まれています」これらの成分が、腸の老化と炎症を防いでくれる。「さらに、オリーブオイルが腸管を刺激し、腸内の老廃物にもオリーブオイルが混じるので、排便がスムーズになります。いわば“天然の下剤”のようなものですね。実際、エクストラ・バージン・オリーブオイルをたっぷりと取る食生活をしている地中海地域では、大腸がんの発症率が低いことが知られています」1日の推奨摂取量は30ミリリットル。大さじ2杯分だ。毎日これだけの量を取るには、オリーブオイルを使った凝った料理を無理して作るより、できるだけシンプルに使ったほうが長続きするという。そこで、1日30ミリリットルを実現する「ちょい足し・オリーブオイルレシピ」を紹介。■納豆オリーブオイルボウルに納豆を入れてよく混ぜ、タレとオリーブオイルを入れ、また混ぜる。納豆1パックに対して、大さじ1杯の割合で。■オリーブココア1)カップに純ココアの粉を適量入れ、熱湯を注ぎ混ぜ合わせる。2)オリーブオイルを小さじ2杯(約10ミリリットル)とオリゴ糖を適量入れてよく混ぜ合わせる。■マグロのカルパッチョ1)マグロのさくをぶつ切りにする。2)オリーブオイル、醤油を適量加えて混ぜる。最後に刻んだバジルの葉をかける。■オリーブ野菜スープ(4人分)1)オリーブオイルを大さじ2杯鍋に引いて、それぞれ食べやすい大きさに切ったベーコン、玉ねぎ(1/2個)、にんじん(1/2本)、キャベツの葉(2枚)、じゃがいも(1個)の順に入れて、よく炒める。2)火が十分に通ったら、水を600ミリリットル入れて、スープのもと、塩を小さじ1/3、こしょうを加えて、沸騰させる。3)オリーブオイルを適量入れ、味を調えて、できあがり。「納豆1パックに大さじ1杯混ぜるなど、できるだけシンプルな使い方をすることが、毎日欠かさずに取るコツです。意外に日本食に合うので、さまざまなもので試してみてください」もちろん、野菜や穀類など、食物繊維が豊富な食材を多く食べることも大切だ。さらに、岩塩、豆腐、ごまなどに含まれるマグネシウムや、漬け物、味噌、醤油などに含まれる植物性乳酸菌も腸の刺激になり、排便を促す効果がある。豆腐入りの味噌汁なども、腸にはいいという。「夕飯の主食は、肉と魚を1日おきに食べましょう。そうすれば、肉の摂取量を減らし、魚を増やすことができる。魚に含まれるEPAやDHAは、生活習慣病を予防する効果があります。オリーブオイルをかけてカルパッチョにしたり、焼き魚にするといいでしょう」
2018年11月12日「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています」(松生院長・以下同)それでは、どのように生活習慣を改善すれば、腸が健康になるのだろうか。松生院長が勧める大腸がんを予防する習慣は次の5つ。【1】オリーブオイルを使った食事をする【2】夕食の主食は、肉と魚を1日おきにする【3】節度ある飲酒を心がける【4】食物繊維の多い品目を多く取る【5】適度な運動をして、肥満を避ける生活習慣の改善のほかに、忘れてはならないのが、定期的に大腸がん検診を受けることだ。「大腸がんの死亡者数が減らないのは、大腸内視鏡検査が浸透していないことが大きな要因です。現在、国内で年間400万件ぐらいの検査が行われていますが、胃の内視鏡検査など(約950万件)の半分以下に過ぎません。検査を受ける人が少ないので、大腸がんが悪くなってから見つかるケースが多く、死亡者数にブレーキがかからないのです。胃がんによる死亡者数が毎年減っているのとは対照的です」大腸がんは内視鏡検査による早期発見、早期治療で90%以上が治癒するといわれている。最後に松生院長はこんな人には、ぜひ診察を受けてほしいと言う。「いちばんは血便のある人。次に、いままでは平気だったのになぜか急に便秘が始まったような人です。また、親が60歳前後で大腸がんになったなど、家系内に大腸がんの経験者がいる場合は、遺伝性の大腸がんになるリスクが高いので、注意してください」女性のがん死亡者数1位の大腸がん。だが、正しく予防し、定期的に検査すれば、“死なない”病気なのだ。
2018年11月12日「大腸がんの原因は、はっきり解明されていません。しかし大腸がんの約70%は、肛門のすぐ上、便がたまりやすい直腸とS字結腸にできるんです。つまり便秘になると、大腸がんになるリスクが高まると考えられます。腸内に老廃物をため込まないことが予防になるのです」こう語るのは、これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸の専門医で、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社)など、多くの著書を発表している、松生クリニックの松生恒夫院長(63)。9月に厚生労働省が発表した「平成29年人口動態統計」によると、昨年の女性のがん死亡者数1位は、15年連続で大腸がん(結腸、直腸)だった。その数は2万3,347人。さらに、国立がん研究センターが同時期に発表した今年のがん死亡者数予測でも、2万4,800人と、今年も女性の死亡者数1位は大腸がんと予測されている。30年前と比べて倍以上に増えている大腸がんによる死亡者数。多くの女性たちがこの病いが原因で命を落としてきた。「大腸がん増加は、日本人のライフスタイルの変化、特に食生活の変化が、腸に負担をかけていることが原因だと考えられています。それを改善するためにも、最初に自分の腸の健康状態を把握してください」(松生院長・以下同)松生院長監修のもと本誌が作成した、次のチェックリストをやってみよう。□ふだんから、野菜や生の果物をあまり食べない□水分をあまり取らない□炭水化物の摂取を避けている□牛肉や豚肉、加工肉(ベーコン、ソーセージなど)をよく食べる□下痢と便秘を繰り返している□排便後も残便感がある□排便時にときどき下血することがある□運動をしない□肥満気味だ□過度の飲酒や喫煙の習慣があるチェック数が、「3個以下」=特に問題なし。「4~5個」=やや問題があるので、チェック項目を見直そう。「6~8個」=要注意。生活習慣の改善を。「9個以上」=全面的な生活習慣の見直しが必要。近年、はやっている“炭水化物抜きダイエット”。「米やパンといった炭水化物は食物繊維と糖質でできています。食物繊維の摂取量が減ると、腸内に老廃物がたまりやすくなってしまいます。つまり便秘になりやすくなるわけです」一方、肉は大腸がんのリスクを高めるといわれているので、取りすぎは気を付けたい。さらに、夜にトイレに起きるのが、めんどうくさいなどの理由で、水分摂取を控えている人も注意が必要だ。「本来、便は腸内で泥状になっており、S状結腸で初めて固形便になります。水分が不足すると、S状結腸に至る前に固形化してしまって、便秘を引き起こします」食事や水分だけではなく、運動不足も腸の大敵だ。「大腸は、内容物を肛門のほうに送り出すぜん動運動を行っているのですが、筋力が衰えると、ぜん動運動が起こりにくくなり、便を押し出す力が弱くなってしまいます」
2018年11月12日日本人の2人に1人がかかる「がん」。今年9月上旬、国立がん研究センター(東京都中央区)が初めて公表した「がん患者の3年生存率」は、71.3%で、乳がんはステージ1では100%、乳がん全体でも95.2%となった。「かんの摘出手術をしたとしても入院期間は短くなり、通院しながら抗がん剤治療を受けるケースも増えてきました。“がん”と宣告されても、治療をすれば社会復帰できる時代になりましたので、慌てて仕事を辞めないこと。医療費の支払いという経済的な負担が伴いますので、治療を金銭面で支えてくれる公的制度を知っておくと安心できます」そうアドバイスするのは、『大図解届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。そこで、がんなど病気にかかったときの、経済的負担を支える制度について教えてもらった。■払い過ぎた税金が戻ってくる1月から12月までに自己負担した医療費が10万円(または所得の5%)以上かかった場合、確定申告をすると、10万円を超えた分が所得から差し引かれる「医療費控除」が受けられる。計算方法は、「1年間に医療費として支払った額」から高額療養費の給付や医療保険の給付金など「補てんされる額」を引き、さらに「10万円」を引くと医療費控除の額になり、税率に応じて税金が還付される。たとえば、医療費控除の30万円の人が、所得税の税率が10%だった場合、3万円が還付される計算になる。通院の交通費、医師の処方による医薬品は医療費控除の対象になるが、疲労回復のためのマッサージ代は対象外など、細かく分かれているので国税庁のホームページを参考にしよう。なお、専業主婦の妻ががんになった場合は、夫が加入する保険の被扶養者なので高額療養費制度、付加給付は利用できる。会社勤めしていないので傷病手当金はもらえないが、障害年金は夫が会社員の場合は、妻は「第3号被保険者」として国民年金に加入しているので障害基礎年金がもらえる。夫が自営業の場合は、専業主婦の妻自身も国民年金に加入しているので障害基礎年金を受け取れる。医師は医療費や使える制度について教えてくれるわけではない。そんなとき、病院内の「医療ソーシャルワーカー」や、全国400以上あるがん診療連携拠点病院にある「がん相談支援センター」では、社会福祉士や看護師らが、生活面での相談に乗ってくれる。気になること、わからないことはそのままにしないで、何でも聞いてみよう。
2018年10月17日日本人の2人に1人がかかる「がん」。今年9月上旬、国立がん研究センター(東京都中央区)が初めて公表した「がん患者の3年生存率」は、71.3%で、乳がんはステージ1では100%、乳がん全体でも95.2%となった。「かんの摘出手術をしたとしても入院期間は短くなり、通院しながら抗がん剤治療を受けるケースも増えてきました。“がん”と宣告されても、治療をすれば社会復帰できる時代になりましたので、慌てて仕事を辞めないこと。医療費の支払いという経済的な負担が伴いますので、治療を金銭面で支えてくれる公的制度を知っておくと安心できます」そうアドバイスするのは、『大図解届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。そこで、がんなど病気にかかったときの、経済的負担を支える制度について教えてもらった。■働くことが困難になったら病気やケガによって仕事や生活が制限されるようになった場合、現役世代の人でも年金がもらえる制度が「障害年金」。目、聴覚、手足などの障害、精神障害のほかに、呼吸器、心臓、腎臓、血液の疾患、糖尿病、そしてがんなど内臓疾患の人でももらえる。「たとえば、直腸がんを患い手術を受けて人工肛門にした、咽頭がんで摘出手術をした人などは、障害年金の対象の可能性があります」国民年金から支給される「障害基礎年金」、厚生年金から支給される「障害厚生年金」があり、もらうためには初めて医師の診断を受けた日(初診日)に65歳未満で、初診日から1年6カ月経過した日に要件を満たす障害がある、といった条件がある。また、国民年金の被保険者は市区町村、厚生年金の被保険者は年金事務所で手続きをして、医師の診断書が必要になる。「障害の等級は1級から3級まであり、障害基礎年金の1級は年額97万4,125円(’18年度)、2級は77万9,300円(同)になっています。自営業の人は、妻と(高校卒業していない)子の3人家族の場合、1級と認定されると年119万8,425円、2級は100万3,600円になります。それに対して、会社員は月収30万円とすると、1級は年221万225円、2級は185万7,900円と、2倍近くの年金がもらえます」障害年金の認定は、目に見えて体の機能が変わった場合だけでなく、がん治療による倦怠感や麻痺、しびれ、貧血、下痢など客観的にわかりにくい内部障害の場合にも該当する可能性があるので、「もらえないかも」と1人で勝手に判断しないこと。主治医に「障害年金を申請したい」と話したうえで、仕事や生活に支障をきたしていることを具体的に伝えてみよう。
2018年10月17日日本人の2人に1人がかかる「がん」。今年9月上旬、国立がん研究センター(東京都中央区)が初めて公表した「がん患者の3年生存率」は、71.3%で、乳がんはステージ1では100%、乳がん全体でも95.2%となった。「がんの摘出手術をしたとしても入院期間は短くなり、通院しながら抗がん剤治療を受けるケースも増えてきました。“がん”と宣告されても、治療をすれば社会復帰できる時代になりましたので、慌てて仕事を辞めないこと。医療費の支払いという経済的な負担が伴いますので、治療を金銭面で支えてくれる公的制度を知っておくと安心できます」そうアドバイスするのは、『大図解届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。そこで、がんなど病気にかかったときの、経済的負担を支える制度について教えてもらった。■医療費が戻ってくるたとえば、入院や手術で100万円の医療費がかかったとしても、窓口で支払うのは3割負担の30万円。ここから自己負担限度額を超えた分が戻ってくるというのが「高額療養費制度」。「一般的な所得の会社員(70歳未満、年収350万~770万円)が入院・手術して1カ月で100万円の医療費がかかったケースでは、8万7,430円が自己負担限度額で、21万2,570円が払い戻される計算になります。手続きは会社員なら勤務先を通じて健康保険組合、協会けんぽで、国民健康保険に加入する自営業の人は市区町村の国民健康保険課で行います。直近12カ月で3回以上、自己負担限度額を超えた月がありますと、4回目からは『多数該当』として自己負担限度額は4万4,400円と低くなり、戻ってくるお金は25万5,600円になります」(井戸さん・以下同)また、高額療養費制度は手続きしてから指定の口座に振り込まれるまで3カ月ほどかかるが、加入する健康保険で「限度額適用認定証」を申請して、病院で提示すれば、窓口での負担は限度額で済む。もちろん、生計を一にする家族が使った医療費もまとめて計算できる「世帯合算」にも適用できる。さらに、従業員が700人を超えるような大手企業の健康保険組合では、独自の自己負担限度額を設けているケースもあるという。「『付加給付』といい、たとえば、窓口負担が30万円の人でも、『付加給付』の自己負担限度額が2万5,000円だったとしますと、27万5,000円戻ってくることになります。なお、この制度は高額療養費制度と併用可能です」夫の会社の福利厚生を知らない、という人は今すぐチェック!■欠勤したときに給料の一部がもらえる治療が長引いたり、体調が戻らなかったりして、会社を欠勤するようになって給料が支払われないとき、健康保険から「傷病手当金」がもらえる。「連続して3日間の待期の後、4日目以降の仕事に就けなかった人は、4日目から最長1年6カ月、給料の3分の2程度の支給額がもらえます。月収30万円の人が60日休業した場合、約40万円がもらえる計算になります。届け出は勤務先を通じて健康保険組合・協会けんぽに申請し、その際、医師の意見書が必要になります。国民健康保険にない制度なので自営業の人はもらえませんが、パート勤務でも健康保険に加入すれば給付の対象になります」
2018年10月17日今では日本人の国民病ともいわれる「がん」。厚生労働省によると、生涯でがんにかかる可能性は男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されています。皆さんも自分がいつか、がんになる可能性について考えたことがあるかもしれません。そこで今回は「がんに関する意識調査」についてのお話です。■ 2人に1人はがんになる可能性があると認識がんに関する情報提供事業、先端がん医療技術の開発・普及支援事業を展開する「株式会社GMS」は、自身が「がん」と診断された経験がなく、身内にも「がん」経験者のいない、全国の20歳から59歳までの男女500名を対象に「がん」に対する意識調査を実施しました。まずは、自分が「がん」になる可能性があると思うか、についての結果を見てみると……、「可能性がある」「どちらかというとある」という回答を合わせると、55.8%の人ががんになる可能性を認識していることが判明しました。年代別でみてみると、自分ががんになる可能性を認識しているのは50代の62.7%がトップ。自身の加齢という要素だけでなく、「知人ががんになった」などと耳にすることも増えるからだと考えられます。foly / PIXTA(ピクスタ)■ 「がん対策」している人は何をしている?50%以上の人が将来のがんの可能性を認識していることが明るみになったこちらの調査。Fine Graphics / PIXTA(ピクスタ)しかし、実際にがん予防の対策を行ったことがある人はわずか16.2%。認識はあるものの、予防や対策をされている方は少数派なんですね。確かに日ごろの生活習慣の積み重ねが、がんの原因を作ると何となく分かっていながらも、急に改善することって難しいですよね。実際にがん対策をされた方の内容を見てみると、食生活、運動、禁煙、禁酒など、あらゆる病気の対策になりそうなメジャーな対策が並びます。プラナ / PIXTA(ピクスタ)しかし、「国立がん研究センター」によると、”禁煙・節酒・食生活・適度な運動・適正体重”、この5つのすべての健康習慣をすべて実践することは、がんリスクをほぼ半減できるとありますし、freeangle / PIXTA(ピクスタ)健康的な生活を意識することはがん対策に欠かせないことであることが分かります。■ 「がん検診」の受診率が低い要因とは?がん対策をしている割合が低いのであれば、もちろん「がん検診」の受診の割合も低いと予測がつきますよね。がん対策の一つに挙がる”がんの早期発見”ですが、3人に2人ががん検診を受けたことがないと回答しています。がん検診を受けない理由を見てみると、費用の問題、面倒などが上位に挙がります。Fuchsia / PIXTA(ピクスタ)確かに、”乳がん検診”を例に挙げると、普段はあまり利用しない乳腺外科で受診することになり、“怖い”と毎回感じてしまいますし、子宮けいがん検診などは、対象の年齢でなければ自己負担額が高い場合もあるため何となく後回しにしてしまうんですよね……。このような背景から、がん検診が億劫ということは筆者も理解できます。しかし、がんは“早期発見・早期治療”でその多くは治せるという時代。やはり定期的な受診はかなり有効ながん対策の一つといえるでしょう。よっしー / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?がん保険に加入しているから大丈夫と構えている人でも、がん治療は日々進化していることもあり、保険に加入してるのに受けたい治療が受けられないというケースも珍しくはないようです。がん検診、自身の身体のがんリスクを下げる対策も重要ですが、がん医療費を備えること、保険の見直しなどもがん対策の一つと言えるのではないでしょうか。【参考】※2人に1人は「自分がいつか、がんになる可能性はある」と認識しているGMS調べ 「がんに関する意識調査 2018」※がん対策について-厚生労働省※科学的根拠に基づくがん予防-国立がん研究センター
2018年10月16日外見ケアに携わる分田貴子医師の新刊がん治療による見た目の変化への対処法を解説している書籍『女性のがんと外見ケア』が発売された。A5判で144ページ、法研より1,600円(税別)で刊行されている。著者は東京大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科学助教で、がん相談支援センター副センター長、外見ケアが専門の分田貴子氏である。抗がん剤・放射線の副作用と対処法日進月歩のがん治療は救命率を向上させている。しかし、抗がん剤や放射線などのがん治療が患者の外見に大きな変化を与えてしまうこともある。外見はその人にとって心の問題と直結し、QOL(生活の質)に大きく関わっている。分田貴子氏は、国立がん研究センター中央病院で免疫治療を研究し、患者の外見変化の問題を目の当たりにしたことから、カバーメイクの研究を始めている。その後、イギリスでの研修を経て、東大病院にカバーメイク・外見ケア外来を立ち上げている。新刊では、がん治療の副作用による外見の変化をカバーメイクや、ウィッグ、補正下着で目立たなくする活用法を解説。まず女性に多いがんについて解説され、抗がん剤治療と放射線治療の副作用やその対処法について、心のケアについて、また、東大病院の外見ケアサービスについても触れている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※女性のがんと外見ケア
2018年10月03日今月15日、国立がん研究センターが新しいデータを発表した。’14年に、新たにがんと診断された人は約86万7000人で、過去最高を更新。また、’18年には100万人を超える人が、がんになると予測されている。そこで、がんに対する必要な備えを経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。沖縄県の翁長雄志知事や漫画家のさくらものこさんなど、がんで亡くなる方が相次いでいます。もしがんになったらと不安になる方、体はもちろん、お金も心配だという方も多いでしょう。なかでも住宅ローンの返済は切実です。住宅ローンを組む多くの方は、契約者が死亡、あるいは高度障害に陥った場合、「団体信用生命保険(以下、団信)」でローンが完済される契約をします。ですが、がんなどで働けないときの保障は、通常、付いていません。ところが最近、病気に対する保障の付いた団信が増えてきました。新しく登場したのは「がん50%保障団信」です。がんと診断されたら、住宅ローンの残高が50%免除されるもので、’15年末からじぶん銀行が、今年8月からソニー銀行が扱い始めました。以前から、がんや脳疾患などの特定の病気になると、残りの住宅ローンが完済される「特定疾病保障付き団信」はありました。これと比べると、がん50%保障団信は、がん限定でローン残高も完済ではないなど、保障が少ないように感じます。ですが、大きな違いは保険料なのです。特定疾病保障付き団信は、住宅ローンの金利が0.3%程度上乗せされるものが多いです。たとえば3000万円を30年ローンで借りた場合、金利が0.3%上乗せされると、約150万円余計に払うことになります。これが30年分の保険料、つまり、年間約5万円かかるのです。私は金利を上乗せしてまで、保障を広げる必要はないと思います。これに対し、がん50%保障団信は、上乗せ金利がありません。保険料負担ゼロで、がんへの備えができるとうたっています。ただ50歳以上の方は、契約できないことが多いです。また、ネット銀行での契約には、書類を自分で不備なく用意する手間と時間がかかることにも注意しましょう。がん50%保障団信を含め、病気保障まで付いた団信はどんなものでも、住宅ローンの総支払い額を比較することが大切です。上乗せ金利にかかわらず、通常は不要な手数料や、住宅ローン金利そのものの高さによって、総支払い額が増えるケースもあるからです。今年4月から、前立腺がんの粒子線治療や、食道がんのロボット手術などが保険適用となりました。公的健康保険は少しずつ、がん治療をはじめとする先進医療の保険適用を拡充しています。先進医療だと10割自己負担で300万円かかった治療でも、保険適用になると現役世代の多くは3割負担で済みます。さらに高額療養費制度が利用でき、一般的な収入の現役世代なら、月9万円ほどの負担に抑えられます。過度な心配をせずに、必要な備えを見極めたいものです。
2018年09月28日