新型コロナの影響で、「遠隔診療」という言葉が広く認知された。この遠隔診療を使って、新しい終末医療に挑む医師がいる。東京都葛飾区、金町駅前脳神経内科の内野勝行院長(37)だ。この試みによって、患者は残された時間を病院に縛り付けられることなく、”最後の望み”を叶えられるようになるのだという。内野医師の求める終末医療にはマンパワーがいる。そこでタッグを組むのが、「かなえるナース」という看護師の付き添いサービスを提供する、株式会社ハレの代表で看護師の前田和哉氏だ。前田氏は、依頼人のニーズや状態に応じてオーダーメイドな看護を実現する。しかし、一般的に入院患者の付き添いサービスには1つ障壁がある。「退院できない」ケースがあるのだ。責任を回避したい病院側が、リスクの高い患者の退院を認めないことがあるからだ。そこで内野医師が鍵となり、医療者の常識の枠を超えた挑戦をする。■末期がん患者が20年ぶりに故郷・沖縄へ60歳の山下幹雄さん(仮名)は、20年前に親と絶縁して沖縄を飛び出し、都内で職を転々としてきた。3月下旬に病院に運ばれた時には、ステージ4の末期がんに全身が侵されていた。余命は半月、もって1カ月と宣告された。姉の静江さん(仮名)が病院に駆けつけた。高齢の両親は共に足が悪く車椅子で、沖縄を出ることができなかった。幹雄さんは、「最後に沖縄に帰って、両親に会いたい」と告げた。静江さんは病院に退院の希望を伝えた。病院側は、一度は許可したものの、幹雄さんの容体が悪化。「移動中に何かあっても責任が取れない」と、許可を取り消した。そこで、静江さんはすがる思いで「かなえるナース」に依頼。前田氏は、すぐに内野医師に連絡し、「残された時間は少ない」と告げた。そこからはスピード勝負だった。内野医師は幹雄さんを遠隔で診療。幹雄さんはほとんど会話ができないほど衰弱していて、うなずくのが精一杯だった。代わりに静江さんが「本人の希望通り、沖縄に帰したい」と画面越しに家族の決意を伝えた。しかし、主治医でなければ退院の許可が出せない。それならばと、内野医師自らが幹雄さんの主治医になったのだ。これで退院の準備は整った。そのわずか2日後、3月30日の朝6時、幹雄さんと静江さんは沖縄に向けて出発した。24時間体制で前田氏が付き添い、内野医師も遠隔で診察を続けた。飛行機が那覇空港に到着すると、ゲートには幹雄さんの両親が迎えに来ていた。幹雄さんは最後の力を振り絞って父と抱き合った。20年ぶりに家族全員が集まった瞬間だった。幹雄さんはそのまま地元の病院に入院し、翌々日、息を引き取った。故郷の地で、家族に見守られながらの最後だった。■「最後にタッチした人が”負け”」内野医師は、男性を退院させるとき、元の主治医から「なぜこんなリスクの高いことをするのか?」と問われたと言う。「『医療の革命です』って答えたら、苦笑いされましたよ(笑)。リスクしかないことは承知しています。言葉は悪いですが、最後にタッチした人が”負け”なんですよ。病院の先生だって患者さんの望みを叶えたいという気持ちはあるんですが、リスクは冒せない。でも、僕が主治医になれば、病院は責任から逃れられるので退院させられます。僕のクビくらい、別にいいんです」実際、訴訟のリスクはある。幹雄さんのケースでも、事前に免責の同意書にサインはもらっているものの、「実際に効力はない」と内野医師は言う。ジュネーブ宣言によって、弱い立場である患者は、インフォームドコンセントによるいかなる同意も撤回できるという決まりがあるからだ。つまり何かあった場合、患者側が訴えれば、退院を許可した内野医師が”被告”になることは避けられないのだ。では、なぜそこまでするのか。「終末期や急性期医療をやっている人は絶対に”ある壁”にぶつかるんです。救命は全力でやります。それ自体は崇高なことです。でもそれは生命の維持が目的で、その人の人生や精神は見ません。ただ助ければいいのかという無力感が拭えない。綺麗事だけでは済まされないんです。1日でも長く心臓が動いていれば、それでいいのかって考えてしまうんです」そんな葛藤を抱える内野医師の転機となる出来事があった。■遺族からの訴訟を覚悟した「お花見外出」「いわゆる”看取り病院”で院長をしていたときに、気管にチューブを挿していて食べることも飲むこともできず、半年間『死にたい』と言い続けているおじいさんに出会いました。ご家族とも相談して管を抜いたら、少し喋れるようになり、今後は『ビールが飲みたい』と言う。だからビールを飲ませてあげると、少しずつ元気になって、食事もわずかながらできるようになりました。そしたら今度は『花見がしたい』って言うんで、外出してお花見もしたんです。その日の夜に、その患者さんは亡くなりました」内野医師は訴訟を覚悟した。しかし、翌日に驚いたことが起きた。「家族親族が20人くらいで病院に来て、『ありがとうございます。こんな素晴らしい最後を迎えられるとは思ってなかった』と感謝の言葉をくれたんです。『これだ』と思いました。この人の最後の1週間こそが、”生きた”ということなんだと思いました」責任を負う覚悟ひとつで、生かせる命がある。だから、内野医師は訴訟のリスクを恐れない。「むしろ訴訟になれば、社会問題として終末医療のあり方を問題提起できる」とさえ言う。内野医師は、遠隔診療で広がる終末期医療の可能性について次のように話す。「最後のときをどう過ごすかという選択肢が増えます。今は、病院か、施設か、自宅のどこかで死を待つしかない人がほとんどです。遠隔診療なら自由に旅行も行けます。また、距離の制限がなくなるので、全国どこに住んでいても、好きな医師に診療してもらうことも可能になります。オンラインが進めば、閉塞していた医療に風穴が開くでしょう」幹雄さんの家族から、内野医師のもとに感謝のビデオレターが届いた。「家族が一緒の時間を過ごすのは絶対に無理だと思っていたので、夢のようでした」内野医師は、「普段あんまり思わないんだけど、『医者をやっててよかったな』と思った」と素っ気なく言う。遠隔診療の浸透によって、終末医療の可能性が今後さらに拡がることになりそうだ。
2020年07月04日「新型コロナウイルスに感染してしまうことを不安に感じ、体調が悪くても通院を躊躇している患者が多くいます。4月5日、厚労省はこのような現状を受け、オンライン診療を初診患者でも利用できるように許可しました。これにより、オンライン診療に対応している医療機関の診察を、誰でも自宅で受けられるようになるのです」そう語るのは、ナビタスクリニック理事長で内科医の久住英二さん。コロナ禍が収束するまでの特例措置とはいえ、規則の緩和を評価しているという。同クリニックでは、2月から「新型コロナウイルス感染症オンライン相談室」を始めている。これは、感染の疑いがある症状を訴えている人に向けたサービスだ。「軽い風邪症状でも安易な通院は許されず、発熱患者をむしろ敬遠する病院もあるので、患者はどうしていいのかわからない。そんな人たちのため、相談室では通常と同じ問診をしています。血圧や心拍数を測ることはできませんが、“様子を見ていても大丈夫”“近所のかかりつけ医に行ったほうがいいですよ”とアドバイスはできる。医師に話を聞いてもらうことは、患者さんの安心につながると思っています」今回の厚労省によるオンライン診療の利用可能者の拡大は、“病院に行きたくない”という人たちが、不調をうったえたときに手軽に利用できることを意味する。「専用のWEBサイトにアクセスしたり、スマホのオンライン診療アプリをダウンロードしたりすることから始めます。薬の処方に関しては、患者さんが希望する調剤薬局に医療機関から処方箋をFAXやメールなどで送付。患者さんは調剤薬局に薬を取りに行く、という流れが主流になるでしょう」薬の処方に関しては、かかりつけ医に電話で処方箋を出してもらう、という方法もある。厚労省は、慢性疾患などで処方薬が必要な場合、電話などを用いた診療で、医療機関が薬局に処方箋を送付し、患者が通院せずに薬を受け取れるようにする指針を出している。こうしたサービスを利用し、3カ月ほどのまとまった量を処方してもらい、病院に行く回数を減らすことも可能になっている。「オンライン診療の場合、急ぎでないときは薬を調剤薬局から郵送してもらうこともできます。スマホがあればできますから、使い方をマスターしておくことは大事でしょう」『Die革命医療完成時代の生き方』(大和書房)の著者で医師の奥真也さんは、オンライン診察が手軽に受けられるようになった現状を歓迎するいっぽうで「まだ課題も残されている」と語る。「その手軽さゆえ、患者は診断に納得するため、ドクターショッピング(解決しない症状に対し、病院や医師を次々と替えて受診すること)をすることも考えられます」信頼できる“オンラインかかりつけ医”に出会うことができるまで、患者側は二重、三重に受診することになり、医療制度全体の効率が悪くなる。オンライン診療に対応した医療機関リストが、厚労省から示される方向になるとされるが、結局のところ、かかる医療機関は自分の判断で選ばなくてはならない。「残念ながら、規制緩和をビジネスチャンスと捉え、エビデンスのない健康食品や必要のない点滴などをすすめる、“もうけ主義”の医師がいることも事実です。受診を検討する医師について『専門医』や『認定医』などの肩書を持っているか、ホームページを参考にしてみるのも手でしょう」規制の緩和を受けて間もないだけに、オンライン診療において十全な環境を整えている病院はまだ多くはない、と奥さん。そして最も大きな課題は、患者が抱えている“新型コロナウイルスに感染したかもしれない”という不安に対し、感染の有無を完全には判断できないことだ。「まだまだ知見のたまっていないウイルスであるし、オンラインでは検査ができないため、主として問診から得られる情報で判断するしかありません。しかしそれでも院内感染のリスクなく、医師と話すことで患者さんの安心につながるのですから、課題をクリアしながら、オンライン診療を進めることは重要です」(奥さん)「女性自身」2020年4月28日号 掲載
2020年04月15日突然ですが私は冬が苦手です。寒い、洗濯物が乾かない、日照時間が少ない、寒い、寒い…。まぁ寒さは私が着込めばなんとかなりますが、襲い来るさまざまな感染症については、私一人の問題ではありません。そこで今回は、娘の初めての休日診療の思い出と、その後の私なりの感染症予防について書きたいと思います。■休日診療での体験が母の意識改革に…休日に発熱し、謎の湿疹が出てしまった娘。週明けまで待ってかかりつけ医にかかるか、休日診療に行くか? 迷った末、休日診療に行くことにしました。きれいな待合室でおじいちゃん先生が丁寧に診てくれるかかりつけの小児科と比べると、利用した休日診療所は快適とは言いづらい…。家から遠いこともあり、願わくばなるべくお世話にならずに過ごしたい!そう思った私は、「連休、特に年末年始は子どもを感染症から守る!!!」という強い決意を抱きました。■ちょっぴり孤独な(?)我が家の感染症対策感染症対策として、基本中の基本であるうがい手洗いは家族全員で徹底。人ごみを避けるために、実家に相談し年末年始の帰省はせず気候の良い春秋にして、ショッピングモールでの買い物は人が少ないオープン直後に行くようにしました。子どもの遊びは、家に飽きたら晴れた日は公園へ。しかし私が住む関東平野のど真ん中、遮るもののないのどかな田園地帯には北風がビュンビュン吹きすさぶのです。そんな日は屋内の遊び場を利用することになりますが…新しくできた遊具が多い児童館はいつも利用者が多いのですが、小さくて年季の入った児童館はほぼガラガラ。ホールにポツンと私たち親子だけがいる図は寂しくはありますが、そこは私がしゃべり倒して盛り上げればOK!■しかし! 話はここで終わらない…こんなふうに、日ごろの習慣やお出かけ先に注意して過ごし、一家で元気に冬を乗り切るゾ~☆――と対策をしていましたが、昨年は5人家族で私だけインフルエンザにかかってしまいました…。息子を妊娠中で、免疫力が普段より弱っていたからかもしれません。というわけで、この経験から得られた人生訓は【自分も労わろう】です!!!わかっちゃいるけど、後回しになるんだよな~。ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
2018年11月07日「4月から『診療報酬』が改定され、病院の窓口で支払う医療費が変わります。医療報酬とは、診察や検査、薬などの料金や、それに伴う手数料などを決めているもので、2年に1度見直されます」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。4月から改定される「診療報酬」。そのなかで家庭に影響が大きそうなポイントは、おもに2つだという。荻原さんが解説してくれた。 【1】「初診は大病院ではなく『かかりつけ医』で受ける」体制を、さらに推進 「2年前の改定で、500床以上の大病院では、紹介状なしの初診の患者に、5,000円以上の特別加算を行うことが義務化されました。これは、従来任意だったものが義務化されたことと、保険のきかない定額負担だったため、インパクトが大きかったと思います。今回は、この対策が500床以上の262病院から、400床以上の410病院へと拡大。背景には、大病院を重篤な患者の治療に専念させ、日々の診察は『かかりつけ医』へと役割分担を強化するねらいがあります」(荻原さん・以下同) かかりつけ医は必要に応じて、専門の病院を紹介する。また在宅患者の訪問診療や、病状の急変に24時間対応することなども求められる。 「ただ、町の病院単独でこの体制を維持するのはむずかしく、普及が進みませんでした。今回の見直しでは、地域の病院が連携して24時間対応を維持する体制を整えられれば、初診料が800円上乗せされます。これは保険がきくので、3割負担の方は240円プラス。多少の負担は、かかりつけ医制度を支えるための“応援料”だと私は思います」 【2】「看護・介護から看取りまでを在宅で行う」よう推進する見直し 「スマホやパソコンを利用した『遠隔診療』が認められ、『オンライン診療料』も新設されました。通常の訪問診療に加え、テレビ電話などを使って在宅で診療が受けられるようになると、患者も付き添う家族も助かるでしょう。いっぽう現在、死亡者の75%以上が病院で亡くなっています(’13年・厚生労働省)」 しかし今後、死亡者数は’40年にピークを迎え、’16年より約37万人増えて、約168万人になると予想されている(’17年・内閣府)。このままでは、病院はパンクしてしまう。 「そこで今回の改定では、介護福祉施設が病院と連携して看取りを行えば、介護福祉施設も病院も収益が得られるようになりました。とはいえ、医療と介護の連携は始まったばかり。今後、もっと密な連携を進めてほしいものです」
2018年02月23日4月から「診療報酬」が改定され、病院の窓口で支払う医療費が変わる。医療報酬とは、診察や検査、薬などの料金や、それに伴う手数料などを決めているもので、2年に1度見直される。 今回の改定のうち、家庭に影響が大きそうなポイントは、おもに2つ。1つ目は、「初診は大病院ではなく『かかりつけ医』で受ける」体制を、さらに推進している点。2つ目は、「看護・介護から看取りまでを在宅で行う」よう推進する見直しだ。 4月からの「診療報酬」改定を踏まえ、医療費をどう節約したらいいのかを荻原さんが教えてくれた。 【1】信頼できる「かかりつけ医」を見つける 「『有名な病院のほうが安心』などと、安易に大病院を受診すると、初診料の5,000円加算と合わせ、窓口で1万円近く請求されることもあります。重篤な病気が疑われる場合も、まず『かかりつけ医』に相談し、専門病院を紹介してもらいましょう。また、経済的にも体にも負担が重い“はしご受診”は避けましょう」 【2】薬は病院に近いほど安い 「薬そのものの値段は、どこでもらっても同じ。しかし、薬をそろえるなど施設を維持するための『調剤技術料』は、薬局により異なります。今回はこれも見直され、病院の敷地内にある“門内薬局”は院内処方と同程度の100円に、病院近くにある大手チェーンの“門前薬局”は150円に引き下げられました」 【3】薬の多い人は、薬剤師に相談して減薬してもらう 「複数の病院にかかり6種類以上の薬を飲む方は、薬剤師に減薬の相談をしてみましょう。2種類以上減薬できると『服用薬剤調整支援料』が加算されますが、薬が減る分、節約効果は長く続くはずです」 【4】病院受診は時間内に 「休日や夜間の診察は割高です。初診の場合、休日だと2,500円、深夜だと4,800円が加算されます。支払いは、3割負担の方なら休日750円、深夜1,440円の加算ですが、そもそも時間内に受診すれば払わなくてすむお金です」 【5】高額療養費制度を利用する 「高額療養費の利用を勧めてくれる病院も増えていますが、すべてというわけではありません。払戻し制度があることを覚えておきましょう」 高齢者がいる家庭では、訪問診療も行う「かかりつけ医」を持つと安心。また、看取りまで担う介護福祉施設の情報も集めておこう。
2018年02月23日平成30年度「障害福祉サービス等報酬改定」のポイント出典 : この記事では、2018年2月5日に「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第17回)」で行われた、”平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定の取りまとめ”について取り上げたいと思います。その中でも、特に発達ナビユーザーに関わりの大きい、放課後等デイサービスや児童発達支援を中心に、改定についてどのような議論があったのかや、予想される影響についてご紹介します。今回の報酬改定の主なポイントは下記のとおりです。■医療的ケア児・重症心身障害児への支援を促進■事業所の質の向上を促進■地域で保育・教育を受けられる体制を促進■障害の程度やサービス提供時間を踏まえた報酬へ■送迎加算の見直しは、次期検討事項に次に、それぞれの内容について、説明をしていきます。参考:平成30年度障害福祉サービス等報酬改定の概要 | 厚生労働省医療的ケア児・重症心身障害児への支援を促進出典 : 気管切開のために吸引が必要となるなど、医療的ケア児には医療的な支援が欠かせませんが、医療的ケアができる看護職員が在籍する事業所の数は、限られています。そのため、ケアが必要な子どもたちは事業所を利用することができず、自宅で家族が介護することが多いという状況がありました。今回の改定では、一定の基準を満たした医療的ケア児を受け入れるための体制を確保し、ケアが必要な子どものニーズに応じた支援が受けられるよう、看護職員の加配を評価する報酬体系が検討されています(看護職員加配加算/医療連携体制加算)。送迎サービスにおいても、吸引などのために職員を配置する場合に、加算が認めることが言及されています。また、医療的ケア児が体調を崩しやすいことを踏まえて、欠席時対応加算が拡充される見込みです。これまでは、予定していた利用者が急に欠席すると、事業所は収入がなくなってしまい、事業継続が難しくなるという問題がありました。この加算によって、医療的ケア児に対応する事業所の経営が安定化するというメリットがあります。加えて、通所が困難な医療的ケア児については、自宅への居宅訪問型児童発達支援が新設されることとなる予定です。また、重症心身障害児の指定児童発達支援を行う、利用定員10名以下の事業所については、報酬単価がアップする見込みであることが示されました。こうした報酬改定を受けて、重度障害のある子どもの支援環境の向上が望まれます。事業所の質向上を促進出典 : 児童発達支援を行う事業所では、人員について、現在は指導員又は保育士を配置することとなっています。ですが平成30年度からは、児童指導員、保育士、または障害福祉サービス経験者で、かつ半数以上が児童指導員又は保育士であることが求められる見込みです(ただし、すでに指定を受けている事業所については平成31年3月31日までの経過措置が設けられます)。※放課後等デイサービスについては平成29年4月1日から義務づけられています(ただし、左記時点ですでに指定を受けていた事業所については、平成30年3月31日まで経過措置期間)。児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所の職員配置についての報酬も改定が予定されています。指導員加配加算が見直され、一定の基準を満たす事業所が指導員加配加算により評価した職員に加えて、1人以上のスタッフを配置した場合、つまり基準以上に手厚い人員配置を行っている場合に、さらに評価される見込みです。このとき配置される職員が、理学療法士などの専門職員の場合、児童指導員などの場合、その他の従事者の場合、それぞれで受けられる加算単価が異なります。専門性の高い職員は高単価である一方、資格のない従業員の場合は単価が低くなります。また、障害児へのきめ細やかな支援を強化するため、特別支援加算が見直されます。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理指導担当職員・看護職員など、専門職員を配置し、機能訓練や心理指導を行う場合の加算が、現状より高く設定されることになります。強度行動障害者養成研修を修了した職員を配置する場合の加算も新設されます(強度行動障害児支援加算)。このように、専門性の高い職員、強度行動障害についての知見がある職員を配置する事業所に対して、手厚い報酬となることが示されています。また、児童発達支援を行う事業所に対して自己評価結果の公表も義務づけられ、未公表の場合は15%報酬減算がされることが示されています(自己評価結果等未公表減算/平成31年4月1日から適用)。※放課後等デイサービスについては平成29年4月1日より自己評価結果公表が義務づけられています(ただし、左記時点ですでに指定を受けていた事業所については、平成30年3月31日まで経過措置期間)。自己評価結果等未公表減算については平成31年4月1日から適用。参考:「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に 関する基準について」等の一部改正について | 厚生労働省(平成29年3月31日)※放課後等デイサービスについて地域で保育・教育を受けられるような支援を促進出典 : 現在、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所などが、障害児が通う保育所や学校などと連携して個別支援計画の作成を行った場合、1年に1回を限度として加算がありました(関連機関連携加算)。今回、この回数が1か月に1回までとなり、支援計画作成による事業所への報酬が大幅にアップする見込みです。これにより、関係機関とのより緊密な連携が促進されると思われます。また、通所支援事業所を退所して、地域の保育所や学童クラブなどへ通うことになった場合の「保育・教育等移行支援加算」の新設が予定されています。上述の個別支援計画での連携なども実施しながら、障害のある子どもが地域の子どもたちと一緒に育つことを促進する施策と言えそうです。障害の程度やサービス提供時間を踏まえ、放課後等デイサービスの報酬にメリハリ出典 : 放課後等デイサービスの基本報酬については、全体的に引き下げの方向となりました。さらに、現在は一律となっている基本報酬について、利用する子どもの状態を踏まえた指標が設定されることになります。具体的には、食事・排泄・入浴及び移動のうち3つ以上の日常生活動作について全介助を必要とする障害児、もしくはコミュニケーションや自傷、他害など所定の項目について13点以上の重度の障害がある子どもの数が全体の50%以上かどうかで、報酬区分が変わることになります。この判定を誰が行うのかについては、まだ明らかにされていません。重度の障害児の利用が半数以上の事業所については3%強の引き下げ、それ以外の事業所については10%程度の引き下げとなる見込みとされています(平日、授業終了後に支援を行う場合、利用定員10名以下の場合の例)。また、サービスの提供時間が3時間未満の場合は、さらに報酬が下げられることになります。短時間のサービスを行っている事業所は、全体の12.8%にあたります。なお、この利用時間には、送迎時間は含まれません。つまり、軽度の障害がある子どもの利用が多い事業所や、短時間のサービスを行う事業所については報酬が下げられるため、経営に影響が出る可能性があります。放課後等デイサービスでの、送迎加算の見直しは?出典 : 今回の改定では、成人障害者が対象の、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援の事業所については、送迎加算が見直されることになりました。ですが、放課後等デイサービスについては、今回は見直しや改定は行われず、次期改定時に検討・検証を行うこととされました。前回のコラム記事で、放課後等デイサービスでの送迎加算の廃止の可能性についてご紹介しましたが、今回の改定では現状維持となる見込みです。ただし「障害児の自立能力の獲得を妨げないように配慮するよう通知」するとしており、次期以降の見直しの可能性は残っています。障害のある子どもや家族への影響とは?出典 : 今回の議論では、より重度の障害のある子どもへの支援が充実するような報酬改定が示されました。今まで自宅で介護するしかなかったご家庭にとっては、地域の中でさまざまなサービスを利用しながら生活していく可能性が広がったと言えそうです。また、障害の程度が軽度の場合は、保育所や学童クラブなどへ通えるよう、支援を充実させていく方向が示されました。成人障害者についても、障害が軽度の場合は、仕事については作業所から企業での一般就労へ、住まいについてはグループホームから1人暮らしへ、障害が重度の場合は入所施設からグループホームへ…という風に、地域の中で生活していけるようにするという方向での報酬改定でしたが、これと同様の考え方だと言えそうです。障害のある子どもや大人が、生まれ育った地域の中で生き生きと暮らしていけるような支援が、この報酬改定を機に、より一層充実していくことが望まれます。
2018年02月06日放課後等デイサービスの送迎加算、廃止の方向へ出典 : 現在、厚生労働省では、平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて検討チームを設け、議論を進めています。11月27日には、居宅介護に係る報酬・基準について論じられたほか、「横断的事項」の論点のひとつとに”送迎加算”の取扱いが取り上げられ、見直しの方向での提案がされました。なかでも、発達ナビユーザーに大きな影響がありそうなのが、放課後等デイサービスでの送迎に関する提案です。検討チームは「放課後等デイサービスについては、送迎サービスがついて利用料の自己負担が軽いこともあって、連日夕方遅くまで預けられることや、送迎車に自宅まで送られ、生徒の公共交通機関を使う能力が落ちていることなどが指摘されている」と指摘しました。そして「放課後等デイサービスについては、障害児の自立能力の獲得を妨げるような形での利用を防ぐことができるよう、障害の程度や公共交通機関がない等、自主的な通所ができない特段の事情がある場合を除き、送迎加算の対象外としてはどうか」とし、加算見直しの提案がされました。第15回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料現在は、全国で9,153カ所、約87%の事業者で送迎加算が算定出典 : 現在、放課後等デイサービスを行う指定事業者は10,492カ所あり、そのうち障害児については9,153カ所、約87%の事業者で送迎加算が算定されています(重症心身障害児については333カ所、約3%で送迎加算が算定されています)。(2017年4月時点)「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」では障害の程度や公共交通機関がないなど、自主的な通所ができない特段の事情がある場合を除き送迎加算の対象外とする方針が示されていますが、公共交通機関がないことの基準をどう決めるのかなど、「特段の事情」の範囲が明確でないと、混乱がおこるかもしれません。放課後等デイサービス利用者への影響9,000カ所以上の放課後デイサービスの事業所で実施されている送迎で、加算が算定されなくなると、送迎ができなくなったり、利用者が送迎費用を負担するようになることも考えられ、障害のある子どもを持つ家庭に影響がでる可能性があります。今後、どのように議論が進むのかについて、注視していく必要があります。
2017年12月08日こんにちは。ライターのyossyです。皆さんは、「無料低額診療」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?もし、私たちが何らかの理由で医療費が支払えなくなったら困ってしまいますね。病気でとても困っているのに、病院にかかることができないのは、死活問題です。今回は、無料低額診療事業について、内容や利用方法などをご紹介しましょう。●“無料低額診療”は、生活に困っている人のための救済事業厚生労働省によると、無料低額診療事業というのは、次のようなものであるとしています。**********『生活困難者が、経済的な理由によって必要な医療費を受ける機会を制限されることのないよう、無料又は低額な料金で診療を行う事業』**********・低所得者・要保護者(実際に保護を受けているかどうかに関わらず、生活保護を必要とする状態にある人)・ホームレス・DV被害者・人身取引被害者など、生活に困っている人が適切な医療を受けられずに困ることがないようにするための救済措置 です。あくまで「いざとなったとき」のためのものですが、「無料低額診療」という言葉は覚えておきたいですね。●“済生会”“民医連”などが有名無料低額診療を受けたいと思ったら、実施している病院に問い合わせるのが通常の流れです。どの病院で実施しているのかという情報は、自治体の窓口で問い合わせたり、住んでいる地域と“無料低額診療”という言葉をあわせて入れてインターネット検索したりするといいでしょう。例えば、東京都の場合だと、『東京都福祉保健局』のホームページから、無料低額診療事業実施施設の一覧を見ることができますよ。50以上の医療機関が紹介されています。とにかく、まずは問い合わせてみるといいでしょう。問い合わせをして条件に合致しているかの確認をしてみてください。どれくらい減免されるのかは、本人の状況や病院の基準によって異なります ので、詳しく状況を話してみましょう。なお、実際に赴くことになった場合は、申請書類 がありますので、持ち物の確認も忘れずに。----------重い病気・ケガにも関わらず、「お金がないから」という理由で受診ができないのはつらいことです。無料低額診療を実施している病院では、さまざまな状況の人に対応してきています。まずは一人で悩まずに状況をありのままに話し、相談してみるといいでしょう。【参考リンク】・無料低額診療事業について | 厚生労働省(PDF)()・無料低額診療事業・無料低額介護老人保健施設利用事業 | 東京都福祉保健局()・東京都内無料低額診療事業実施施設一覧 | 東京都福祉保健局(PDF)()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/沖まりね
2017年07月19日*画像はイメージです:医療従事者はそのほとんどが患者の症状を治癒するため、奮闘しているものと思われます。しかしごく一部に、自分の儲けを考え、あくどい診療をする医師もいるようです。例えば、本当は歯を抜く必要がないにもかかわらず、「虫歯」だと言って抜いた挙句、高額な義歯を埋め込んだり、さほど重大でもないのに「深刻である」と告げ、入院を促したりすることがあると聞きます。このような「嘘の診療」を行った場合、どのような罪に問われるのでしょうか?あすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士にお聞きしました。 ■どのような罪に問われる?「医師については、詐欺罪が成立します。傷害罪が成立する可能性も考えられます。まず、詐欺罪ですが、2つの詐欺罪が成立する可能性があります。第1に、患者に対する詐欺罪です。実際には行っていない診療について診療費が発生したかのように装い、支払を請求して受領することは、詐欺罪となります。第2に、社会保険診療報酬支払基金に対する詐欺罪です。医師は、診療報酬請求明細書を社会保険診療報酬支払基金に提出して、診療報酬を請求します。実際に行っていない診療内容を明細書に記載し、診療費が発生したかのように装い、請求して受領することは、詐欺罪になります。次に、患者に対する傷害罪です。医療行為は、患者の同意があって初めて正当化されます。例えば、手術は、形式的には傷害罪に該当します。ですが、患者の同意があるので、犯罪にはなりません。同意したとは異なる内容の治療が行われていた場合、同意がないまま治療行為が行われたときと同じように、傷害罪が成立する余地があります。なお、文書偽造罪は成立しません。文書偽造罪は、作成名義を偽ることで成立します。嘘の内容の文書を作成しても、刑法上の文書偽造ではないからです。診断書を発行した場合には、嘘の内容の診断書ということになります。診療報酬請求明細書も、嘘の内容です。ですが、どちらも作成した医師が、自分の名義で作成した文書なので、偽造ではありません」(高野倉弁護士) ■患者はどのような対応を取ればいい?悪徳医師がいるといわれても、患者はまったくわからないもの。仮に被害にあってしまった場合、どのような対応を取ればいいのでしょうか?同じく高野倉勇樹弁護士にお聞きすると…「被害に遭った患者としては、損害賠償請求を行うことが考えられます。騙し取られた治療の額を損害額として、損害賠償を請求できます。また、実際よりも悪い状態であるという嘘の診断をされたり、望まない治療を受けさせられていたのであれば、慰謝料を請求する余地があります。このほか、詐欺罪で刑事告訴することも可能です」(高野倉弁護士) 実際に被害にあった場合、損害賠償請求などを行うことができるようです。ただし、闇雲に「慰謝料」「損害賠償請求」と言っても、その主張が正当であるか疑問視されてしまうでしょう。「納得のいかない診療を受けた」という場合は、弁護士に相談し、医師が下した診断の正当性などを慎重に議論することをおすすめします。 *取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中【画像】イメージです*studiolaut / PIXTA(ピクスタ)
2017年06月30日一般社団法人国際統合治療協会提携のえみクリニック(東京都北区)は2017年1月より、女性医師による漢方外来診療を開始する。担当する女性医師は、日本医科大学付属病院東洋外来を担当する廣田薫医師。女性特有の肌荒れ・生理痛・便秘・月経不順などの症状に、保険適用の漢方薬による体に優しい治療を行うという。廣田医師の漢方外来の曜日は、毎月第2・第4火曜日の14:00~18:00。なお、2017年1月は、年末年始休暇の関係で変動しているため、1月17日・31日となる。
2016年12月20日遠隔診療でオンライン通院愛知県名古屋市の佐井泌尿器科・皮フ科クリニックでは、7月5日より、遠隔診療を導入した外来の受付を開始している。このシステムの導入にあたっては、株式会社メドレーが提供している「CLINICS(クリニクス)」というオンライン通院システムを採用している。愛知県の泌尿器科クリニックとしては初めての導入事例となる背景には、現在の多忙過ぎるサラリーマンなどに配慮した結果がある。というのは、今回のオンライン通院で提供する予定の診療メニューは、ED(勃起障害)、AGA(男性型脱毛症)、そして女性びまん性脱毛症であり、これらの治療には定期的な通院が不可欠だという。さらにこの病気の患者傾向をみてみると、30~50代に増加傾向だ。つまり、一番働盛りで忙しいために、最初は受診したとしてもそのうちに通院を諦めてしまったり、最初から諦めてしまう人が多いという状況を打破するためなのだ。厚生労働省も推奨実は、オンラインを活用した遠隔診療の分野の促進は、厚生労働省も推奨している。もとは、離島など遠隔地にいる患者と医師をつなぐための遠隔診療に対する解釈であり、遠隔地意外ではこのシステムを導入することを原則禁止していた。しかし2015年8月に解釈を変更し、遠隔地だけではなく、患者側の希望があり、かつ患者側の利点があれば、対面診療と組み合わせることで他の医療機関も導入しても良いという方針に変わったという。しかも、処方した薬についても、予約時に登録した住所に配送してくれるというから、大変便利なシステムではないだろうか。ストレス社会に救いの手今の社会は特にストレス社会と言われ、ただ生活をおくるだけでも過酷な精神環境、また紫外線の増加など過酷な自然環境下で生活している。女性の脱毛症が増加しているのは、そういったことも要因の一つとみられている。今回の愛知県での導入事例が全国に展開していく日も、そう遠くはないかもしれない。【参考】※株式会社メドレー※佐井泌尿器科・皮フ科クリニック※株式会社メドレー プレスリリース(Dream News)
2016年07月13日こんにちは、金融コンシェルジュの齋藤惠です。2016年4月から公的医療の診療報酬が改定となり、調剤薬局などで“お薬手帳”を持参しないと料金が割高になってしまう可能性 が出てきました。あまり病院などに行かない方は、 そもそも“お薬手帳”になじみがないかもしれません。年に数回ほどしか薬を処方してもらわないため、ついついどこかへ置き忘れて紛失してしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、そんな方にも4月からはぜひ大切に保管していただきたいと思います!●“お薬手帳”の意義日本調剤のホームページに、“お薬手帳”の記載内容と使用のメリットが載っています。【記載内容】・処方内容(調剤日、調剤薬局名、処方せん発行医療機関名、薬剤名、薬剤の用量・用法、日数、ジェネリック医薬品か否かなど)・副作用歴・アレルギー歴・主な既往症【メリット】・飲み合わせや薬の重複をチェックし、副作用や飲み合わせのリスクを減らす・副作用、アレルギー、過去にかかった病気などの情報を伝えることができる・旅行や災害、急に具合が悪くなったときなどに、自分の薬の情報を正確に伝えることができる現に、東日本大震災のときには持病がある方や薬を常飲している方のためにさまざまな種類の薬が大量に必要となりました。その際、もしもお薬手帳を持っていれば、自分の飲んでいる薬の名称を正確に伝えることができますので、避難生活での病状の悪化や体力の減退を防ぐことにつながります 。“お薬手帳”は、防災グッズという側面からもこれからは持っていた方がいいと言えるでしょう。●2016年4月の改定でどう変わる?端的には、薬を処方してもらうときにかかる管理指導料が変わります。“お薬手帳”を持っている人は380円、持っていない人は500円に引き上げ となります。その差は120円。自販機のジュース1本分ほどの違いです。さらに気を付けていただきたいポイントがあります。それは、500円を支払う義務を負うのは、単に“お薬手帳”を持参しなかった人だけではないという点です。“お薬手帳”を持っていても、その薬局で薬を処方してもらうのが初めての方や、6か月以上来局していなかった人も管理指導料が500円となってしまいます。加えて、大型門前薬局(大きな総合病院の前などに設置されている調剤薬局など)も同様に管理指導料が安くなりません。2016年4月からは、あらゆる症状のお薬を自宅近くの調剤薬局など1か所で処方してもらう方が医療費節約につながります。●電子版“お薬手帳”でさらに便利に!“お薬手帳”の補助的な働きをするアプリもあります。紙の“お薬手帳”の情報をスマホでも管理でき、服薬情報の自動配信、ジェネリック医薬品の差額表示、通院日や服薬時間を管理するカレンダー&アラーム機能などが付いていることも。また、事前に処方箋を撮影して希望の薬局に送信すると、到着までに薬剤師が薬を調合してくれる という時短につながるサービスもありとても便利です。いつも“お薬手帳”を持参し忘れてしまう方は、最低限“お薬手帳”の補助的な機能を果たすアプリだけでも活用されることをおすすめします。料金の改定に伴い、より賢く、より便利に“お薬手帳”や調剤薬局を利用していきましょう!【参考リンク】・「お薬手帳」活用のススメ | 日本調剤()●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)
2016年04月04日アドテクスタジオは3月22日、CAリワードが提供するリワードネットワーク「CAリワード」において、成果報酬型広告における不正利用検知・対策の研究組織「BOSATSU(ボサツ)」を設置したことを発表した。同組織では、NHT(Non-Human Traffic)に特化した研究開発を進めており、企業やスマートフォンメディアの不正検知の精度が向上するシステムの提供を、4月に予定している。また、月間1,000万件の成果データをもとに、不正検知された成果を調査し、成果対象外にする取り組みも行っているという。成果報酬型広告「CAリワード」での試験運用の結果、同組織の設置前と比較して、不正利用の削減により企業の投資対効果(ROI)が向上し、メディアパートナーの収益が150%改善したという効果事例も出ているという。CAリワードは、今後も高度なアドテクノロジーを活用し、さらなるサービスの拡充をするとともに、運営ネットワークの取り扱いメディアの拡大を図っていくとしている。
2016年03月22日米Googleは14日(現地時間)、同社サービスの脆弱性発見と報告に対し報酬を支払う「Security Reward Program」の最大報酬額をアップすると、同社Security Blogで告知した。Security Reward Programは、2010年にGoogleが開始した脆弱性発見報酬プログラム。外部研究者らが同社サービスのセキュリティ上の脆弱性を発見し、Googleに報告すると、脆弱性の重要度に応じて報酬が支払われる仕組みだ。2015年の一年間、同プログラムで支払われた報酬は200万ドルを超えたとする。今回、プログラムに2つの改定がなされた。ひとつは最大報酬額の引き上げで、従来50,000ドル(約570万円)だったところ、100,000ドル(約1,130万円)へ増額する。対象はChromebookのゲストモードにおける脆弱性で、まだ成功の報告がないという。もうひとつは、Security Reward Programの対象範囲を拡大し、Chromeのダウンロードチェック機能「download protection」の脆弱性についても報奨金を課したこと。同社は興味があれば詳細をチェックするよう案内している。
2016年03月15日連載『保険なう』では、保険の世界における旬のトピックスをとりあげて、読者の皆さんに知っていただきたい保険の知識を提供します。○混合診療って知っていますか?初めてこの言葉を聞く人も多いのではないでしょうか? 「混合診療」とは、保険適用の治療と保険適用外の治療を組み合わせたものです。ちなみに、保険適用の治療を「保険診療」、保険適用外の治療を「自由診療」と呼びます。現在では、混合診療を行った場合、保険診療も全額自己負担となり、高額の医療費を支払うこととなっています。保険診療というのは、国が安全と認めているもので、逆に言うと自由診療における治療は日本においては安全が認められていないものです。例外として、先進医療を受けた場合は、保険適用内のものはそのまま保険適用となります。<現在の治療費>・保険診療+自由診療=どちらも全額自己負担・保険診療+先進医療=3割負担+先進医療分は自己負担○2016年4月から実質混合診療が解禁!先ほど「自由診療の治療は日本では安全が認められていない」と申しましたが、海外ではいくつもの症例があり効果が認められているものも多くあります。例えば、ご自身にとって大切な人がガンを患ってしまった場合、「アメリカではAという抗がん剤が効果があるとされています。無認可の抗がん剤のため保険適用外で費用は高額となりますが、どうされますか?」ともし医者から告げられたら、できることなら試したいと思いますよね。しかし、現在では自由診療を行った場合、入院費用も含めた保険適用分が全て全額自己負担に。1ヶ月に100万円以上の医療費がかかってしまう場合もあります。しかし、厚生労働省は2016年度から混合診療を解禁します。ここでキーワードになってくるのは「患者申出療養」というものです。<患者申出療養とは?>・混合診療を行った場合でも、保険診療分は3割負担のまま(保険診療+自由診療=3割負担+自由診療分は自己負担)・日本では無認可の治療も、患者の申し出により行えるようになるこれらが大きなポイントです。患者から申し出があった場合、国が定めた専門家による審議を6週間以内に行い、安全性などの承認を経て治療が開始されます。また、先進医療と違って、すでに実績のある治療であれば、近くの医療機関でも治療を受けることができます。※先進医療は受けられる病院が決められています。○混合診療解禁にともない、保険商品は変わる?このように、受けられる医療の変化によって、保険商品は変わるのでしょうか?現在の医療保険の多くには、保険診療、そして先進医療にのみ適用されるという側面があります。今後、混合診療の拡大を見越した保険商品が新たに登場することも可能性としてはあるでしょう。しかし、まだ実績がない現時点では、すぐに新たな保険商品が登場することはないとも考えられます。だからといって、保険加入や保険の見直しを怠ってはいけません。混合診療解禁になる今だからこそ、実は保険の見直しはとても大切なのです!○なぜ、混合診療解禁の今、保険の加入&見直しが大切なのか混合診療が解禁されることによって、保険診療は3割負担のままです。混合診療を行った場合、プラスαで自由診療の費用が加算されるため、保険診療の分はしっかり保険でカバーしたいところ。また、「混合診療特約などがついた保険商品が出るまで保険加入は待っておこう」なんて思っているうちに、ご自身が病気になってしまったら、そもそも保険に加入することすらできなくなるかもしれません。今後混合診療をカバーする保険商品ができた場合でも、現在の先進医療特約のように中途付加できる可能性も十分あります。○あまり知られていない、医療保険の付帯サービスも今後大活躍の予感現在販売されている医療保険の多くには「付帯サービス」がついています(実際に付帯されていない保険会社も多数ある)。保険は、病気になったとき、万が一のときの保障だけではないのです。そして、この付帯サービスこそ、混合診療が解禁されることによって重要になってきます。付帯サービスは様々ありますが、一番混合診療解禁で重要なのが「セカンドオピニオン」のサービスです。多くの保険商品には無料で優秀医のセカンドオピニオンが受けられるサービスが付帯されており、診断結果によっては優秀医がそのまま治療を引き受けてくれたり、専門医に紹介状を書いてくれることもあります。患者申出療養がスタートすることで、受けられる治療の幅が広がります。つまり選択肢が増えるということ。そのような状況になったときに、セカンドオピニオンの制度はぜひ利用したいですよね。○混合診療が解禁される今だからこそ、保険の見直しを!このように、現在の医療保険の機能だけでも、混合診療が解禁になった際に役立つ機能がたくさんあります。ご自身が加入している保険の内容やサービスをもう一度チェックしてみてください! もし付帯サービスがないようであれば、この機会に加入されている保険の保障内容確認と一緒に、実際にどのようなサービスが利用できるのか、確認されてみてはいかがでしょうか。「混合診療特約が付くまで待っておこう」と思っていた人も、現在の保険商品でも十分役立つということがわかっていただけたと思います。いつどんなことが自分の身にふりかかるかわからないからこそ、早く備えておくことに損はないはずです!<著者プロフィール>牧山真一保険見直し本舗 テレマ事業本部 対面事業部 関東・九州エリアマネージャー。1979年神奈川生まれ。2009年保険見直し本舗入社後、テレマーケティング事業部にてコールセンター運営に携わる。コンサルティングアドバイザーとしても関東を中心に活動。「最適な保険選びのパートナー」として、これまで個人の保険相談から法人に至るまで数多くの保険見直し、保険相談に対応。※画像は本文と関係ありません
2016年03月07日オプティムとMRTは2月4日、スマートフォン、タブレットを用いた遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表した。2016年4月のサービス提供開始を予定している。同サービスは、医療を必要としている人々と遠隔地にいる医療の専門家をつなぎ、スマートフォンやタブレットに搭載されているカメラやウェアラブル機器を利用することで、相談者の顔色や患部の状況、ウェアラブル機器から収集されるさまざまなバイタルデータをもとに、医師が具体的なアドバイスや診療を行うというもの。映像や画像の共有を行う際には、赤ペン機能や指差し機能を用いて、映してほしい箇所の指示や、症状の説明を的確に行うことができる。再診の遠隔診療患者は、スマートフォンやタブレットで「ポケットドクター」の「かかりつけ医診療」を利用することで、医療機関に行くことなく、保険適用しながら自身の体調を相談したり、怪我などの患部の状態を診察してもらうことができる。このサービスは、当面の間「ポケットドクター」に参画する医療機関へ無料で提供されるさらに医師は、医師の時間を予約できる「予約相談」、24時間365日健康相談できる「今すぐ相談」を診療の合間の空き時間に受け付けることが可能。「予約相談」は「かかりつけ医診療」サービスに続けて順次開始、「今すぐ相談」は2016年度内の開始を予定している。「ポケットドクター」は、iOS8.0以降のiPhoneやiPad、Android 4.0以降のスマートデバイスにアプリをインストールすることで利用可能となっている。
2016年02月05日ソフトバンクは21日、アニコム損害保険と提携し、愛犬・愛猫が病気や怪我により動物病院で診療を受けた際に、診療費の一部を補償する「ソフトバンクペット保険」の提供を開始した。「ソフトバンクペット保険」の料金プランは、診療費の70%を補償する「70%プラン」と50%を補償する「50%プラン」の2種類。保険料(非課税、年払い)は、愛犬・愛猫の種類や年齢によって異なる。1歳のチワワの場合では、「70%プラン」が32,920円、「50%プラン」が24,740円。加入するには、ソフトバンクのiPhoneやiPadなど指定の対象機種ユーザーであること、日本国内に在住する20歳以上であること、対象の愛犬・愛猫の年齢が7歳11カ月までで健康体であることが条件となる。申し込みは、「ソフトバンクペット保険」の専用サイトから24時間365日受け付けている。加入条件となる対象機種はソフトバンクホームページから確認できる。
2016年01月21日ソフトバンクは21日、アニコム損害保険と提携し、愛犬、愛猫が病気やけがにより動物病院で診療を受けた際、診療費の一部を補償する「ソフトバンクペット保険」(※1)を、ソフトバンクの顧客向けに提供開始すると発表した。※1 ソフトバンクペット保険は、アニコム損保を引受保険会社、ソフトバンクを保険契約者、顧客を被保険者とする包括契約として、ソフトバンクが提供するサービス。なお、保険金の支払いについては、引受保険会社であるアニコム損保が対応する今回のサービス開始を記念して、1月21日から4月20日までの期間に「ソフトバンクペット保険」に加入した顧客を対象に、顧客の愛犬、愛猫のオリジナル3Dフィギュアを作成できる無料申込券を抽選で9人にプレゼントする「ソフトバンクペット保険デビューキャンペーン」を実施する。「ソフトバンクペット保険」を提供する背景として、ソフトバンクは次のように説明。まず、愛犬、愛猫は自ら「体調不良である」ことを訴えることができず、気づいた時にはすでに重症化していることもある。また、人と違って公的な健康保険の制度がなく、全額が飼い主の自己負担となるため、診療費が高額になってしまうケースもある。ソフトバンクでは、同社の顧客がペット保険へ加入することにより、金銭的不安を感じることなく動物病院へ足を運んでもらい、病気を早期発見・治療してもらうことで、顧客の"大切な家族"を救いたいと考え、アニコム損保と提携して「ソフトバンクペット保険」を提供することにしたという。「ソフトバンクペット保険」は、アニコム損保の一般契約に比べて3%お得な保険料で契約できる。また、アニコム損保の対応病院であれば、「どうぶつ健康保険証」(発行:アニコム損保)を窓口に提示するだけで、保険が適用された金額で診療を受けることができるため、保険金請求の必要がない。加入条件は、加入者(被保険者)がソフトバンク指定の対象機種の利用者であること(※2)、加入者(被保険者)が日本国内に在住の20歳以上であること、対象となるペットが犬もしくは猫であること、加入時に、犬、猫の年齢が7歳11カ月(※3)までであること(継続は原則、終身可能です)、対象となるペットは原則として、健康体であること。※2 SoftBankの対象機種はこちらから閲覧可能。Y!mobileの一部機種でも利用できる。すでにアニコム損保に契約している顧客が、契約の継続時に切り替えて加入することはできない※3 保険契約の始期日時点での満年齢提供プランは、犬、猫が病気やけがで通院、入院、手術をした際、保険の対象となる診療費の70%を支払う「70%プラン」と、50%を支払う「50%プラン」の2種類から選べる(※1日または1回あたりの支払限度額、1年間に利用できる回数に制限がある)。
2016年01月21日TKCは1月18日、中堅・大企業向けに提供する電子申告システム「e-TAX法定調書」のオプションとして、報酬・不動産使用料などの支払先のマイナンバー管理に特化したクラウドサービス「e-TAX法定調書(報酬・不動産マイナンバーオプション)」の提供を7月から開始すると発表した。価格はいずれも税別でセットアップ料が1社あたり5,000円、年間利用料が1万4,400円(1社10人以下の場合のオプション利用料、11人以上の場合は1人につき240円を加算)~。新システムは、報酬・不動産使用料などの支払先(個人)に渡す「マイナンバー提供のお願い」文書を印刷できる。支払先はスマートフォンなどから直接マイナンバーを入力し、本人確認資料として通知カード、個人番号カードをはじめとした画像ファイルを添付して、同社のデータセンターに直接送付することが可能だ。また、企業の担当者は本人確認を目的にデータセンターに保管されているマイナンバーおよび画像データを確認できるほか、e-TAX法定調書と自動的に連携し、容易にマイナンバーを記載した支払調書の電子申告が行えるという。これにより企業では、報酬・不動産使用料など支払先のマイナンバー収集・管理から支払調書の電子申告までができるようになる。これらのシステム対応などにより、中堅・大企業が安心してマイナンバーを利用した事務を行えるよう支援していく。同社では2016年12月末までに700社への販売を目指す。
2016年01月18日国立がん研究センター(国がん)は1月12日、同センターの中央病院にがん診療に網羅的な遺伝子診断に基づく診療の本格導入を目指し、「遺伝子診療部門」を開設したと発表した。これまでも同病院では、遺伝的にがんになりやすい人に向けたゲノム診療である「個別化予防」を遺伝相談外来で行ってきたが、もう一方のゲノム診療である個々のがん患者の遺伝子異常に基づいた「個別化治療」については、検査の品質管理、遺伝子解析情報の臨床的意義付け、患者への伝達方法、情報の取り扱いなどさまざまな課題が残されており、本格的な日常診療への導入には至っていなかった。そこで同病院は2013年より、個々の患者の治療選択における網羅的遺伝子検査の有用性を検証する目的の研究「TOP-GEARプロジェクト」を進めてきており、2015年末には十分な精度管理が担保された網羅的遺伝子検査室を院内に設置するに至り、個別化治療としてのゲノム診療を開始するための体制が整ったことから、今回の開設に至ったとする。同センター中央病院の荒井保明 院長は、「飛行機の進歩は1903年より始まったが、当初は冒険、挑戦という位置づけであった。しかし、数十年を経て、人々が自由に活用し、好きなようにどこでも行きたいところに行くために利用することができるようになった。遺伝子の研究も、長年にわたって進められてきたが、いまだに手軽に自由に診療の現場で活用できるまでには至っていない。今回の取り組みは、すぐに民間で活用できる段階に至ったというわけではないが、がん診断の際に、遺伝的な可能性が生じた場合、がんを専攻してきた医者であっても、現状はその内容を完全に理解できるのは極一部であり、その専門性を診療レベルに翻訳してくれるプロが間に入ることで、遺伝子に関する情報を整理して提供するという仕組みができるようになった。今回の部門開設によって、これからの日本のがん診療の新たな1ページが開かれたことを感じてもらいたい」と語り、ゲノム診療を日常診療に導入する第一歩が始まったことを強調した。具体的には、国がんが中心となって開発した約100遺伝子の異常を1回で網羅的に調べることが可能な検査キット「NCCオンコパネル」を用いて、2015年11月に中央病院内に開設した「SCI-Lab」にて検査を行うことで、実際の診療で活用可能なレベルの速度を実現する。とはいえ、リソースには限りがあるため、すぐに同病院のすべての患者に実施というわけにはいかないともするほか、遺伝子異常に効果がある阻害薬の多くが認証に至っておらず、保険適用ができないこともあり、対象はまずは、治験や臨床試験に参加する患者から、という形になるという。ただし、同センターでは、医師主導治験をセンター外の病院でも実施して、幅広い連携を進め、最終的には薬事承認まで持っていきたいとしており、ゲノム診療に基づく保険適用の実現を目指すとしている。なお同部門は、中央病院のほか、研究所などの各部門におけるゲノム診療や研究に関わるメンバーで構成されており、専門家チームによる最終診断、解析結果レポートの作成、診療コンサルテーション、遺伝相談外来併診など、中央病院の全診療科のサポートする形で運営されるという。
2016年01月13日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「混合診療」です。* * *来年の春から、混合診療が解禁になります。混合診療とは、みなさんが通常病院で受けている「保険診療」と、保険外の自費でなされる「自由診療」を合わせた名称。今後、希望者は保険診療のほかに自由診療も受けられることになり、公式には「患者申出療養制度」と呼ばれています。これまで日本は、自由診療を禁じてきました。自由診療を認めてしまうと、お金持ちの人はいくらでも高い料金を払って医療を受けようとする。すると、病院側も儲かるほうにシフトして、お金のない人が十分な医療を受けられなくなってしまう。お金がないために助かる命が助からなくなる、そんな命の格差が生まれるのを避けようと、認めてこなかったのです。収入に関係なく、誰もが同じような医療サービスを受けられるようにしていました。唯一の例外は、歯科医療。歯医者さんで詰め物をするときに聞かれませんか?「保険なら◯○円ですが、保険外のインプラントなら◯万円です。どちらを選びますか?」と。自由診療では金額は基本、病院の言い値ですから、病院によっても値段は変わります。これまでは薬も、厚生労働省の厳しい基準をクリアしたものしか使えませんでした。ところが患者申出療養制度の導入によって、厚生労働省が承認していない薬も、今後は使えるようになります。難病の人やガン患者にとっては嬉しいニュース。混合診療に門戸が開かれるようになったのは、安倍政権の成長戦略の一環です。規制を緩和することによって、製薬メーカーは新しい薬を次々に売り出せるようになります。国立がんセンターの調べでは、来年に投入できる抗がん剤は42剤。大半は、1か月あたり100万円を超える薬剤費が自己負担になるだろうとのことです。従来の医療は国のお墨付きがありましたが、自由診療になれば患者は医師を信じるしかありません。万一、医師が製薬会社や医療機器会社と癒着して法外な医療費を請求しても、患者には判断できない。TPP協定が結ばれれば、海外の製薬会社の薬もさらに入ってくるでしょう。医療の選択肢は広がりますが、リスクも否めないんですね◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年12月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年12月01日在宅、スキマ時間で稼げる仕事がある! の続きです。ネットを使って、仕事を受けたい人と、仕事を依頼したい企業とを結びつける、クラウドソーシング。今回は、もっとも気になる「報酬」に関して、シュフティを運営している会社である、株式会社うるるの田中偉嗣さんとクラウドワークスの浅野裕梨さんにお話を伺った。Q.報酬は必ずもらえるのですか?<シュフティ・クラウドワークス>A.「とりっぱぐれ」のないシステムになっています納品が完了すれば、報酬は必ず支払われます。直接契約の場合、仕事をもらう側は発注する側より、どうしても立場は弱くなりがちです。我々は、発注側から報酬を預かり、納品した時点で、そのお金をお支払いします。我々が間に入ることで、「納品しても報酬が支払われない」「契約金額よりも値切られた」といったトラブルの心配なく、個人の方でも安心してネットを通じて仕事をして頂けます。(田中さん、浅野さん)Q.報酬は、いくらぐらい、もらえますか?<シュフティ>A.サイトにもありますが、タスクの具体的な仕事内容と報酬が出ていますシュフティのお仕事には、「タスク」と「プロジェクト」があります。簡単に言うと、タスクは、「難易度低めで、報酬低め」、プロジェクトは、「難易度高めで、報酬高め」です。タスクについては「エステ・ダイエット・美容に関するお仕事」「料理・育児・家事に関するお仕事」など、カテゴライズ別に、具体的な仕事内容と報酬が出ています。プロジェクトのお仕事は、興味のあるお仕事に見積もりを提出し、そこで契約が結ばれたら仕事を進めていきます。見積もりは他の人のものや、過去の取引を参考にすることで気軽に作ることができます。また、「その仕事を1時間で何件できるか」を考え、そこから「欲しい時給÷件数」で簡単に計算することもできます。「見積もり」という言葉が難しく感じさせてしまいますが、難しく考える必要はありません。わからない場合は、サポートに電話いただければご相談にのります。(田中さん) <クラウドワークス>A.仕事の形式によって報酬額は異なりますクラウドワークスの仕事は、「タスク」「コンペ」「プロジェクト」があります。「タスク」は、シュフティさんと同じような形式です。「コンペ」は、応募したい仕事が見つかったら作品を作成し、採用された場合に報酬が支払われます。ロゴデザインやネーミングなどがメイン。報酬は、3000円程度のものから100万円を超えるものまで様々です。「プロジェクト」は、報酬や作業内容などを発注者と受注者で相談(条件交渉)した後に契約。契約後に仕事を進めていきます。報酬額は1万円~100万円程度など、さまざまですし、仕事をする機関も1週間ほどで完了するものから、1年ほどの長期的なものまであります。(浅野さん)Q.スマホだけで仕事をしたい場合、どんな仕事があり、報酬はいくらぐらいですか?<シュフティ>A.データ入力、ライティング、アンケート回答、データ収集などがあります。シュフティでできるスマホでの仕事は、データ入力、ライティング、アンケート回答、データ収集などがあり、1件当たりの単価は、安いもので50円くらいから、高いものなら10,000円くらいまで幅広いです。(田中さん) <クラウドワークス>A.「コンペ」のネーミングアイデアで報酬およそ3,000円~クラウドワークスの仕事も、スマホで完結するものも数多くあります。たとえば「コンペ」のネーミングアイデア募集の仕事であれば、すきま時間を利用してスマホで応募できます。応募した案が採用されれば、3,000円~10,000円ほどの報酬が支払われます。ほかにも「タスク」の仕事であれば、数十円~数百円の報酬が得られます。 Q.報酬はいつもらえますか?<シュフティ>A.納品が完了すれば、早ければ5分でシュフティのポイントをもらえることも仕事は、クライアントさんが納品物をチェックし、OKをいただいて初めて、「納品完了」となります。納品物のチェックは、早いものであれば1時間程度、最長で2週間です。「あなたのお仕事が確定しました」と納品完了の連絡があった後、報酬はまずは「シュフティのポイント」として付与されます。ポイントが振り込まれるのは、納品完了後、早ければ5分くらいです。(我々は、ポイントの振込み作業を1時間に1回しています)。通常、ポイントは300円分から換金ができます。換金手数料が540円かかるので、840円分のポイントが貯まったら、換金できるシステムになっています。ただし、シュフティのスマホ版から換金すると、手数料は無料となります。こちらを裏ワザ的に使っていらっしゃる方も多いですね。 <クラウドワークス>A.クライアントが作業を承認した後に、報酬が確定します作業や納品を完了し、クライアントが作業を承認、納品物の検収を行った時点で報酬が確定します。確定した報酬は、15日・月末の月2回の締日に合わせて集計を行い、それぞれ当月末・翌月15日払いで支払が行われます。振込手数料を抑えたい方は、毎回出金を行わずに、まとめて出金を行うキャリーオーバー方式の出金方法を利用するとよいでしょう。 「クラウドソーシングを通じて仕事」ということを少しイメージしていただけただろうか?では、実際に、どんな人達が、どんな風に在宅ワークで稼いでいるのか? 次回からは、4人の在宅ワーカーの方のインタビューです。(楢戸ひかる)
2015年11月14日厚生労働省は21日、社会保障審議会医療保険部会に対し、「次期診療報酬改定に向けた基本認識、視点、方向性等について」と題した資料を提示した。これによると、『考えられる具体的方向性の例』として、「後発医薬品の使用促進・価格適正化」や、「かかりつけ機能が発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の見直し」、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進」などの方向性が示された。同資料では、「改定に当たっての基本認識」として3つの項目を提示。このうち、「経済・財政との調和」の項目では、「 医療政策においても、経済・財政との調和を図っていくことが重要との観点から、無駄の排除や医療資源の効率的な配分、医療分野におけるイノベーションの評価等を通じた経済成長への貢献にも留意することが必要ではないか」との問題認識を示した。その上で、「効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」として、「今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取り組みが必要」とし、「医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図るよう検討する必要があるのではないか」と問題提起。『考えられる具体的方向性の例』として、「後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討」、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進など、医薬品の適正使用を推進するための方策」、「いわゆる門前薬局の評価の見直し」などを挙げた。「後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討」では、新たな後発医薬品に係る目標を達成するための取組の推進や後発医薬品の価格算定ルールの見直し、長期収載品に係る前回改定の影響を踏まえた検討、などの検討課題を挙げた。また、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進など、医薬品の適正使用を推進するための方策」では、「医師・薬剤師の協力による取組の推進」、「いわゆる門前薬局の評価の見直し」では、「かかりつけ機能が発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の見直し」などを具体的方向性の例として挙げている。
2015年10月22日セゾン投信は11日、設定、運用、販売する投資信託「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の実質的信託報酬(顧客が負担する実質的な負担額)を0.05%低減した。これは2010年3月に続き2回目の低減となるという。○実質的信託報酬の改定内容セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの実質的に負担する(投資対象先の管理費用を含む)信託報酬。ファンド規模に応じて変動する場合がある。改定前:年0.74±0.03%(税込/概算)改定後:年0.69±0.03%(税込/概算)○セゾン投信の特徴セゾン投信は証券会社や銀行といった販売会社を通さず、運用会社が個人投資家に直接販売する「直販」会社。9月9日現在、運用資産1200億円、顧客は9万6000人を突破した。全顧客数の約7割を占める40代以下の顧客の定期積立プラン利用率は73.3%(8月引落データをもとに算出)となっている。
2015年09月14日日本マイクロソフトら6社は8月25日、「Microsoft Azure Machine Learning」を活用した診療支援技術研究開発プロジェクトの研究開発事業を10月より開始すると発表した。6社は日本マイクロソフトとUBIC MEDICAL、アドバンスト・メディア、システムフレンド、セムコ・テクノ、ソフトバンクで、慶應義塾と協力して事業を進める。精神科領域において患者症状の重症度は、患者の自覚症状や評価者の観察に基づいて評価されている。しかし、日常臨床における治療導入決定や治療効果判定、新薬開発のための治験では、こうした評価の客観性の低さが障壁となるケースもあるという。これらを踏まえ、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の岸本 泰士郎専任講師の研究チームは、表情・瞬目モニタリングによる客観的なうつ病・躁うつ病症状の評価研究に取り組む。この研究では、気分、集中力、倦怠感といった患者の主観的体験や、他者が観察可能な気分の表出、動作速度など、病状の中心となる症状を定量化。診療時における表情、音声、体動などのデータをデバイス内で一次解析し、クラウドに転送、重症度評価のアルゴリズムと突合して症状を客観的に評価し、リアルタイムで診察室に結果を提示する診療支援デバイスの開発を目指す。また、スマートフォンなどをプラットフォームとして過去数週間の生活活動データをクラウドで入手し診察室でのデータと融合し、解析を補完していく。取得したデータはマイクロソフトが提供するクラウドベースな機械学習サービス「Microsoft Azure Machine Learning」を活用。各疾患のゴールドスタンダードである評価尺度との相関が高くなる最適なアルゴリズムを探索・構築する。これにより、従来定量化し得なかった患者の思考、表情、発言内容を可視化し、臨床評価や治療に活用することが期待されている。こうしたデバイスの開発によって客観的評価尺度が確立されれば、重症度や治療効果判定の客観性が高まり、治療選択が科学的根拠に基づくものとなる。バイアスの大きい評価に依存しなくてもよくなることで、治験の失敗も防ぐことにつながるという。また、客観的指標の普及によって治療実績の評価・比較が容易になり、国家レベルの施策も行いやすくなる。さらには、医療費抑制だけでなく、基礎研究の促進、医療輸出への貢献も期待される。今回のプロジェクトにおいて、UBIC MEDICALは、事業化および事業化後の販売を担う。研究においては、独自開発の人工知能技術を駆使したテキスト分析を用いて、語彙数・指示語・感情語・文章構造に重点を置いた解析により、テキストにあらわれた患者の思考や表現の定量化を行う。アドバンスト・メディアは、この研究における精神科領域専用辞書を作成し、音声認識技術AmiVoiceを用いてテキスト化する。続くシステムフレンドは、赤外線を使ったモーションセンシング技術で診察室入室から退室までの体動を記録し動作速度や落ち着きのなさを定量化する。セムコ・テクノの担当領域では、システムフレンドとセムコ・テクノの共同作業によって、これら精神症状の定量化のために最適化された各種センサー、解析機能、結果表示モニターといった機能を搭載したデバイスを開発する。また、ソフトバンクは被検者から睡眠、活動量、会話といった日常生活活動について、スマートフォンなどでデータを収集する。日本マイクロソフトは、得られたデータをセキュアに保管、機械学習のAPIを提供し、データ解析を実行するプラットフォームを提供し、全体のシステムの設計も担う。一方で慶應義塾は解析結果と、一般的な臨床症状評価を突合し、重症度評価のアルゴリズムを作成する。なお、表情解析はオムロンとの表情認識技術を用いた共同研究の取り組みとして実施するという。
2015年08月25日ソフトバンクや日本マイクロソフトなど6社は8月25日、慶應義塾と協力し、Microsoft Azure Machine Learning(機械学習)を活用した診療支援技術研究開発プロジェクトの研究開発事業を開始すると発表した。研究開発期間は2015年10月から2019年3月まで。同事業は日本医療研究開発機構の医療機器・システム研究開発事業「ICTを活用した診療支援技術研究開発プロジェクト」における2015年度の委託先として採択されたもので、ソフトバンク、日本マイクロソフト、UBIC MEDICAL、アドバンスト・メディア、システムフレンド、セムコ・テクノが参画する。現在、精神科領域における患者症状の重症度評価は、患者の自覚症状や評価者の観察に基づいており、客観性に乏しい重症度評価が、日常臨床での治療導入の決定や治療効果判定、新薬開発のための治験の大きな障壁となる場合がある。同研究では、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 岸本泰士郎専任講師の研究チームが行ってきた、表情・瞬目モニタリングによる客観的うつ病・躁うつ病症状の評価研究を発展させ、診療時における表情・音声・体動などのデータをデバイス内で一次解析し、クラウドに転送、重症度評価のアルゴリズムと突合して症状を客観的に評価し、リアルタイムで診察室に結果を提示する診療支援デバイスを開発する。また、スマートフォンなどをプラットフォームとして過去数週間の生活活動データをクラウドで入手し診察室でのデータと融合することで、解析を補完するという。さらに、Microsoft Azure Machine Learningを用いて、得られたデータと各疾患の評価尺度との相関が高くなる最適なアルゴリズムを探索、構築する。これにより、従来定量化できなかった患者の思考、表情、発言内容を可視化し、臨床評価や治療に活用することを目指す。同デバイスの開発により客観的評価尺度が利用できるようになれば、臨床家の経験や感覚に頼っていた重症度や治療効果の判断が客観性をもったものになり、治療選択が科学的根拠に基づくものとなるほか、客観的指標の普及によって治療実績の評価・比較が容易になる。さらに、バイアスの大きい評価に依存しなくてもよくなり、治験の失敗を防ぐことにつながるとしている。
2015年08月25日歯科医師が患者宅を訪問し歯科治療や口腔ケアを提供する在宅歯科診療は、高齢化社会を迎えた日本において強いニーズがあるにもかかわらず、従事する歯科医師は圧倒的に不足しているのが今日の状況だ。ある調査によれば、要介護者に占める歯科治療の必要な人の割合は約90%、そのうち実際に歯科受診したのは約27%にとどまるという(出典:河野正司ほか(2002))。東京・国分寺で歯科医院を開く歯科医師、横山雄士氏は早くから在宅歯科診療に取り組む数少ない担い手の一人だ。歯科医院で行う日中・夜間の通常診療と並行して週3~4日は日中に患者宅を訪問して診療に当たっている。かなりのハードワークとなるため、書類作成の業務負荷の軽減や患者の医療・介護に携わる関係者との情報共有にiPadを活用しているという。その概要は、以下の動画のようなものだ。○各種の報告書作成やレセプトコンピュータとの連携で歯科医師の業務負荷を軽減横山医師が使っているのは、在宅歯科医療のために開発されたiPad専用アプリケーション「Sunny-CARE」だ。iPadのタッチパネル式インタフェースを利用して簡単な操作で患者に対して実施した診療記録などを入力できるのが特徴で、さらに入力した情報を基に患者の主治医や介護担当者などへ提出する報告書を自動生成してくれる。「以前は診療記録に基づいた報告書を1カ月分(約100件)まとめて作成するために3~4時間を要していましたが、Sunny-CAREを使うようになって患者宅での2~3分の診療記録を入力しておけば報告書は自動的に作成されるので、後日に報告書を作成する手間は不要になりました。また、iPadで撮影した写真をそのままアプリケーションに取り込んで報告書に転載できるのも便利です。以前は、デジタルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込んでプリントアウトして資料に貼り込むという面倒な作業が必要でしたから」と横山医師はiPadを使うメリットを語る。○レセプトコンピュータとの無線による通信機能も備えたソリューションSunny-CAREの開発・販売元であるサンシステムは歯科医院向けのレセプトコンピュータ「Sunny-LOSA」という製品もリリースしており、ネットワーク経由でSunny-CAREとデータ連携する機能も実装している。あらかじめ訪問先の患者データを医院のパソコンからSunny-LOSAに入力しておけば、訪問先のiPadからSunny-CAREを立ち上げてSunny-LOSAにネットワーク接続して患者の治療記録などをその場で確認できる。もちろん、患者宅で入力した診療記録はSunny-LOSAに送信できる。「このソリューションを利用してから、患者宅を訪問する際に持ち出す書類は大幅に減りました。iPadに各種の情報が集約されるので利便性も上がっています。iPadのパスコードや遠隔ロック機能により端末の盗難・紛失時に患者の個人情報漏えいを防ぐ仕組みも用意されていますから、紙の書類を持ち出すよりもセキュリティ面は強化されています」(横山医師)このSunny-CAREというアプリケーションは、当連載第168回「在宅医療を支える薬剤師がiPadで医師や看護師、介護スタッフとSNS連携」で取り上げた在宅医療支援アプリ「ランシステム」を基に、歯科版として開発されたものだ。開発経緯についてサンシステムの三井 康行社長は次のように語る。「医療関係のICTメーカーである当社は診療報酬明細書の作成を支援するレセプトコンピュータを主事業として、特に歯科向けのレセプトコンピュータを創業当初から自社開発・販売してきました。2012年に地域の保健医療・介護福祉環境の向上と発展を目的として、学術経験者、医療コンサルタント、ITソリューションベンダー、関連企業が共同して設立した『eヘルスコネクト コンソーシアム』に参加して各界のメンバーと交流している中、これからの医療は在宅を重視するべきという認識を共有しました。このコンソーシアムを通じて『ランシステム』を開発されたリンク様と知り合い、訪問歯科診療に従事する医師の不足している現状に対し、少しでも歯科医師の業務負荷を軽減できればと思ったのが開発に踏み切ったきっかけです。iOSアプリの開発に長けたリンク様と当社で共同開発し、iPadの提供元であるソフトバンクとの3社で『歯科訪問診療支援ソリューション』として2014年10月にリリースしたのが『Sunny-CARE』と『Sunny-LOSA』の連携システムです」(三井氏)○iPadはコミュニケーションツールとしても非常に便利在宅歯科診療の難しさは、患者を取り巻く医療・介護に関わるメンバーとのコミュニケーションにあると横山医師は指摘する。「医院に通院できない患者ですから、介護を必要とする何らかの疾患を抱えているわけです。健康な患者ならばその人にぴったり合う入れ歯を作ってあげれば歯科医の治療は終わりですが、要介護の患者は自身で入れ歯の手入れをできないケースもあります。介護に当たる家族やヘルパーが入れ歯を扱ったことがなければ、入れ歯の手入れ方法を指導しなければなりません。歯の状態に合わせた食事の指導も必要です。病状によっては食べ物を飲み込む能力が低下している患者もいます。歯を治療して終わりではなく、食べ物をしっかり噛んで飲み込むまでの全般を見ていく必要があり、そのためには主治医、訪問看護師、ケアマネージャ、ヘルパー、家族といった方々との綿密なコミュニケーションは欠かせません」例えば入れ歯の手入れ方法は、文章でマニュアルを作成するよりもiPadで写真や動画を撮影して共有すれば理解が早い。訪問時に気付いた患者の健康状態を主治医や訪問看護師などに申し送る場合でも、その場でiPadからメールにより関係者全員に情報共有すれば効率的だ。iPadを活用した訪問歯科診療は、単に歯科医師の事務処理作業を軽減するツールにとどまらず、患者を取り巻く医師・介護スタッフ・家族との多職種連携を促進することで患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を向上させる可能性も秘めている。「医科の領域では担当医や介護スタッフ、薬剤師などの多職種連携は進んでいますが、歯科についてはまだ発展途上の状況です。口腔内の清掃や咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)を改善するために歯科医と栄養チームの連携を図るなどのコミュニケーションは今後さらに重要となっていきます。『メディカルケアステーション』などのSNSサービスについても、環境が整い次第『Sunny-CARE』に取り込んでいきたいと思っています」と三井氏は、在宅医療における歯科の重要性を指摘する。高齢化社会の進行に備え、ICTを活用した医療支援はますます重要になってくるだろう。
2015年07月31日アディーレ法律事務所はこのほど、2015年2月より期間限定で実施していた「残業代請求の完全成功報酬制」を、今後は通常のサービスとして提供すると発表した。2015年4月3日、労働基準法の改正案が閣議決定された。この中には高収入の専門職を対象に労働時間ではなく仕事の成果で評価をするいわゆる「残業代ゼロ法案」が含まれており、長時間労働に対する歯止めがかからなくなるとして、日本弁護士連合会をはじめ、反対の声が多数上がっている。アディーレは、残業代の請求を安心して弁護士に相談できるように、弁護士費用を後払いとする「残業代請求の完全成功報酬制」を2015年2月に開始し、4月にはキャンペーン期間を1カ月延長していた。期間中は多くの人から相談を受け、サービス残業に関する悩みを抱えている人が大勢いること、気軽に相談・依頼できる環境が必要なことを実感したため、残業代請求の完全成功報酬制を通常のサービスとして導入し、今後も提供することを決定したという。残業代請求の完全成功報酬制では、残業代の請求や不当解雇で依頼した場合、会社から金銭を獲得できるまでは、弁護士費用を請求しない。相談料や着手金はもちろん、依頼中の実費、労働審判や裁判に移行した際の追加着手金も全て無料となる。受付は電話または特設ページまで。
2015年05月07日アディーレ法律事務所は1日、2015年2月に開始した、残業代の請求依頼で弁護士費用を完全成功報酬制とするキャンペーンを4月30日まで延長すると発表した。同キャンペーンでは、期間中に残業代の請求や不当解雇で依頼した場合、会社から金銭を獲得できるまでは、弁護士費用を請求しない。相談料や着手金はもちろん、依頼中の実費、労働審判や裁判に移行した際の追加着手金も全て無料となる。受付は電話または特設ページまで。アディーレ法律事務所では、労働トラブルの専門チームを結成し、残業代の請求や不当解雇といった様々な相談に対応してきた。また、「会社から受けた不当な仕打ちに泣き寝入りしないでほしい」との想いから、弁護士に相談・依頼しやすい環境づくりに取り組んでおり、2015年2月には、残業代の請求依頼で弁護士費用を完全成功報酬制とするキャンペーンを開始。以来、多数の依頼を受けていることから、3月末で終了を予定していたキャンペーン期間を延長し、4月も継続することを決定したとしている。
2015年04月02日楽天グループのリンクシェア・ジャパンは2月4日、ネイティブ広告ネットワーク事業を展開するサムライトの協力のもと、「成果報酬型ネイティブ広告サービス」の提供を開始した。同サービスは、アフィリエイトプログラムとなる「リンクシェア アフィリエイト」と「TGアフィリエイト」を利用する広告主を対象に、ネイティブ広告ネットワークへの広告配信と、広告クリック後の遷移先に掲載する商品・サービス内容に関する記事形式のコンテンツ作成を行うもの。なお、広告遷移先となる記事コンテンツは、サムライトが社内外にて保有する各分野の専門家や有識者により、広告の訴求内容に応じて作成されるという。
2015年02月05日